JP4040400B2 - 多段ローターディスクを備えたホッパー装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スロットマシンなどのメダルゲーム機やメダル貸し機等に使用されるホッパー装置、さらに詳しくは、多段ローターディスクによりメダルの払い出しと揚送を行うホッパー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のホッパー装置は、メダルを貯留するホッパータンクと、このホッパータンク内に貯留されたメダルを1枚ずつ排出するホッパー本体とを備えていた。上記従来のホッパー本体は、ハウジングと、このハウジングに回転可能に支持され、ホッパータンクから落下したメダルが上方より1枚ずつはまり込む複数個のメダル落とし穴及び各メダル落とし穴に個々に連通するとともに、半径方向外向きに開放したメダル排出口を有するローターディスクと、このローターディスクを回転するホッパーモータと、このホッパーモータの駆動力によりローターディスクの回転時に、回転ディスクのメダル落とし穴に落ち込んだメダルを、そのメダル排出口から外部に排出するメダル排出装置とを備えていた。上記ホッパー装置は、ローターディスクを所定角度だけ回転させることにより、メダル穴にはまり込んだメダルを1個づつ遊技者に払い出している。
【発明が解決しようとする課題】
従来のホッパー装置は、スロットマシンのメダル払い出し口がホッパータンクの下方に設けられており、払い出されたメダルをホッパータンクの上方に払い出すためには、ホッパー装置から突出した構造体で複雑なレール等のメダル揚送装置によりメダルをスロットマシンの上皿等に払い出していた。しかしながら、レール等のメダル揚送装置では、メダルの負荷が大きいため、大きなトルクを有するモーターを必要とし、あるいは、モーターを2個用いる必要があるという問題点があった。
【0003】
この発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであり、多段ローターディスクによりメダルの払い出しと揚送を行うホッパー装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のホッパー装置は、傾斜された底面上に設けられた第1のローターディスクと、前記第1ローターディスクの上部裏面に設けられたガイドピンと、前記第1のローターディスクの上側の前記底面上に設けられ、前記第1のローターディスクと連動して回転する第2のローターディスクと、前記第2のローターディスクの上側に設けられ、前記第2のローターディスクからメダルを受けてこれを外部に排出するメダル払い出し口を備え、前記第1のローターディスク及び前記第2のローターディスクにはそれぞれメダルを保持するメダル保持部が設けられ、前記第1のローターディスクと前記第2のローターディスクは、各々の前記メダル保持部が互いに対向するように同期して回転し、前記第1のローターディスクの前記メダル保持部で保持されたメダルは、前記第1のローターディスクの回転に伴い、前記ガイドピンにより前記第2のローターディスクの位置する上方に導かれ、前記第2のローターディスクの前記メダル保持部に移動されるとともに、前記第2のローターディスクの回転に伴い、前記メダル払い出し口から排出されることを特徴とする。
【0005】
好ましくは、前記第1のローターディスクと前記第2のローターディスクは隣接して設けられるとともに、前記第1のローターディスクと前記第2のローターディスクはギア又はベルトにより連結され、前記第1のローターディスクが回転すると前記第2のローターディスクも等速で回転する。
【0006】
好ましくは、前記第1のローターディスクのメダル保持部の全部又は一部は、メダルがはまり込むメダル落とし穴である。
【0007】
好ましくは、前記第2のローターディスクのメダル保持部の全部又は一部は、外周が開放された凹部である。
【0008】
好ましくは、前記第1のローターディスク及び/又は前記第2のローターディスクの前記メダル保持部の全部又は一部は、外周が開放された形状のメダル受け部である。
【0009】
好ましくは、前記メダル受け部は、ローターディスクの回転方向に湾曲して形成された湾曲爪部を備える。
【0010】
好ましくは、前記第2のローターディスクの上面に蓋部材が設けられている。
【0011】
また、前記第1のローターディスクの上部に回動するように設けられ、前記メダルが前記ガイドピンによって前記第1のローターディスクから前記第2のローターディスクに導かれるときに、通過する前記メダルをカウントするとともに、該メダルを付勢して送り出すカウンタローラを備えることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態に係るホッパー装置について、図面を参照して説明する。
発明の実施の形態1.
【0015】
図1は、発明の実施の形態1によるホッパー装置を示す概略斜視図であり、図2は、図1に示すホッパー装置の要部概略断面図である。これらの図において、ホッパー装置1は、例えばスロットマシン等のメダルゲーム機に使用され、ホッパー装置本体2と、このホッパー装置本体2の上部に形成されるメダルを貯留するホッパータンク3とを備えている。ホッパータンク3の底部3aは、メダルが下から貯留するように傾斜している。ホッパータンク3内には、回転可能に支持され、ホッパータンク3内に貯留されたメダルがはまり込む複数個、ここでは5個のメダル落とし穴4を有する第1のローターディスク5が設けられている。また、この第1のローターディスク5で搬送されたメダルを受け取る凹部状のメダル受け部6が設けられ、ホッパー装置本体2の上方にメダルを搬送する第2のローターディスク7が第1のローターディスク5に隣接して設けられている。なお、第2のローターディスク7の上面には、望ましくは蓋部材が設けられている。これによりタンク内のメダルによる負荷を受けないようにするためである(これに対し、第1のローターディスク5はタンク内のメダルを受けるために蓋を備えない)。また、図中、矢印A及びBは、それぞれ第1のローターディスク5及び第2のローターディスク7の回転方向を示している。
【0016】
第1のローターディスク5は、図2に示すように、モーター8により回転され、第1のローターディスク5の回転数はモーター8に取り付けられたギアボックス9により所定の値に調節される。第1のローターディスク5の裏面には、第1のローターディスク5と共に回転する第1のギア10が結合されており、この第1のギア10は、第2のローターディスク7の裏面に結合されて共に回転する第2のギア11と噛み合っている。これらのギア11及び12の歯数は、望ましくは同数である。従って、モーター8の駆動力により第1のローターディスク5が回転し、第1及び第2のギア10,11を介して第2のローターディスク7も同じ回転速度で互いに反対方向に回転することができる。
【0017】
次に、ホッパー装置1の動作について説明する。
【0018】
まず、モーター8に駆動されて第1のローターディスク5が回転すると、図示しないホッパータンク3内のメダルは第1のローターディスク5に設けられたメダル落とし穴4にはまり込み、第1のローターディスク5の回転に伴いメダルは第1のローターディスク5の上部に移動する。第1のローターディスク5の上部裏面には図示しないガイドピンが設けられている。このガイドピンにより、第1のローターディスク5上部のメダルは、等速で回転する第2のローターディスク7のメダル受け部6に渡される。ここで、メダルの受け渡しが円滑に行われるように、第1のローターディスク5のメダル落とし穴4と、第2のローターディスク7のメダル受け部6とは、互いに対向するように同期されていることが望ましい。続いて、メダル受け部6内のメダルは、第2のローターディスク7の回転により第2のローターディスク7の上部に運ばれる。ここで、第2のローターディスク7の上部裏面にも図示しないガイドピンが設けられており、このガイドピンによりホッパー装置1上部に設けられたメダル払い出し口12からメダルが排出される。
【0019】
このようにして、互いに連動した2つローターディスク5、7により、高トルクモーター等を使用することなく、低負荷でメダルをホッパータンク3から排出することができる。すなわち、各ローターディスクの裏側にあるギアによる連結駆動方式により、タンク内のメダルを無理なく揚送することができる。また、ホッパータンク外の機構が不要であるため、ホッパー装置が収納される筐体内部の形状に制限が及ばない。
発明の実施の形態2.
【0020】
発明の実施の形態1においては、第1のローターディスク5で搬送されたメダルを受け取る凹部状のメダル受け部6が設けられた第2のローターディスク7を使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図3に示すように、外周が開放された形状のメダル受け部13を有する第2のローターディスク7についても本発明を適用することができる。この場合、メダル収納凹部14内にメダルを受け入れ易く、また、湾曲して形成された湾曲爪部15によりメダルを排出し易いので、さらに円滑にメダルを移動、排出することができる。湾曲方向はローターディスクの回転方向である。なお、湾曲爪部15は、図示された5個が設けられた場合に限定されず、4個や5個以上であってもよい。
【0021】
また、図3では発明の実施の形態2に係るホッパー装置1の要部について示したものであり、発明の実施の形態1と同様に、第1のローターディスク5及び第2のローターディスク7の裏面には、それぞれ第1のギア10及び第2のギア11が設けられており、モーター8に駆動される第1のギア10により第1のローターディスク5が回転されると共に、第1のギア10に噛み合った第2のギア11により第2のローターディスク7が回転され、メダルはホッパー装置1の上部に設けられたメダル払い出し口12から排出される。また、第2のローターディスク7の上面には、望ましくは蓋部材が設けられている。これらは以下に記載する発明の実施の形態についても同様である。
【0022】
さらに、図3では外周が開放された形状のメダル受け部13を有する第2のローターディスク7を使用した場合について説明したが、図4に示すように、第1のローターディスク5も外周が開放された形状のメダル受け部13を有してもよい。この場合、第1のローターディスク5及び第2のローターディスク7が共に、メダルを受け入れやすいメダル収納凹部14及びメダルを排出し易い湾曲爪部15を備えているので、さらに円滑にメダルを移動、排出することができる。
発明の実施の形態3.
【0023】
発明の実施の形態1及び2においては、第1のローターディスク5及び第2のローターディスク7が隣接して配置された場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、2つのローターディスクは互いに離れて配置されていてもよい。
【0024】
図5は、発明の実施の形態3に係るホッパー装置に使用する第1及び第2のローターディスクを示す概略平面図である。図において、第1のローターディスク5の上部裏面には、2本のガイドピン16が設けられており、第1のローターディスク5で運ばれたメダルはこのガイドピン16に当たり、さらにメダルガイド17に誘導されてメダルは上方に導かれる。第1のローターディスク5の上部には、セパレータ18を中心に回動するカウンタローラ19が設けられている。
【0025】
このカウンタローラ19は、通過するメダルをカウントすると共に、メダルが詰まらないように付勢して勢いよくメダルを送り出す。これにより、メダルは第2のローターディスク7へと導かれる。このとき、第1のローターディスク5から第2のローターディスク7へのメダルの受け渡し手段として、メダル通路20が設けられていることが望ましい。これにより、第1のローターディスク5から押し出されたメダルを確実に第2のローターディスク7に誘導することができる。メダル通路20は、所望により適宜長さを変更することができる。また、メダルの受け渡しを確実に行うことができれば、メダル通路20に限らずさらに第3のローターディスクを設けることや、レール、ベルトコンベヤなど種々のメダル受け渡し手段を適用することも可能である。
【0026】
次いで、第1のローターディスク5に同期して回転される第2のローターディスク7により、メダルはホッパー装置1の上部に設けられたメダル払い出し口12から排出される。
発明の実施の形態4.
【0027】
発明の実施の形態1〜3においては、ローターディスクを2台使用したホッパー装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ローターディスクを3台又はそれ以上使用することも可能である。
【0028】
図6は、発明の実施の形態4に係るホッパー装置に使用する第1及〜第3のローターディスクを示す概略側面図である。図において、ホッパー装置本体2の上部に形成されるホッパータンク3は、傾斜ではなく段差が形成された底部3aを有し、各段差3A〜3Cにそれぞれ第1のローターディスク5、第2のローターディスク7及び第3のローターディスク30が設けられている。なお、ホッパータンク3の側壁は、図示を省略している。また、第1及び第2のローターディスク5及び7の間、及び第2及び第3のローターディスク7及び30の間には、メダルを次のローターディスクに受け渡すメダル受け渡し手段31が設けられている。メダル受け渡し手段31としては、レール、ベルトコンベヤなどメダルを搬送することができる種々の手段を使用できる。また、メダルをジャンプさせて受け渡す機構等も使用できる。なお、メダル受け渡し手段31を設けることなく、メダルに勢いを付けて送り出し、その慣性により次のロータディスクまで到達するようにしてもよい。
【0029】
なお、上述ではホッパータンク3の底部3aに段差3A〜3Cが形成された場合について説明したが、段差の代わりに傾斜が形成された場合であってもよい。
【0030】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るホッパー装置によれば、互いに連動した複数のローターディスクを使用することにより、高トルクモーター等を使用することなく、低負荷で円滑にメダルの払い出しと揚送を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1によるホッパー装置を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示すホッパー装置の要部概略断面図である。
【図3】発明の実施の形態2に係るホッパー装置のローターディスクを示す要部概略平面図である。
【図4】発明の実施の形態2に係るホッパー装置の変形例によるローターディスクを示す要部概略平面図である。
【図5】発明の実施の形態3に係るホッパー装置のローターディスクを示す要部概略平面図である。
【図6】発明の実施の形態4に係るホッパー装置を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 ホッパー装置
2 ホッパー装置本体
3 ホッパータンク
3a 底部
3A、3B、3C 段差
4 メダル落とし穴
5 第1のローターディスク
6 メダル受け部
7 第2のローターディスク
8 モーター
9 ギアボックス
10 第1のギア
11 第2のギア
12 メダル払い出し口
13 メダル受け部
14 メダル収納凹部
15 湾曲爪部
16 ガイドピン
17 メダルガイド
18 セパレータ
19 カウンタローラ
20 メダル通路
30 第3のローターディスク
31 メダル受け渡し手段
Claims (8)
- 傾斜された底面上に設けられた第1のローターディスクと、
前記第1ローターディスクの上部裏面に設けられたガイドピンと、
前記第1のローターディスクの上側の前記底面上に設けられ、前記第1のローターディスクと連動して回転する第2のローターディスクと、
前記第2のローターディスクの上側に設けられ、前記第2のローターディスクからメダルを受けてこれを外部に排出するメダル払い出し口を備え、
前記第1のローターディスク及び前記第2のローターディスクにはそれぞれメダルを保持するメダル保持部が設けられ、
前記第1のローターディスクと前記第2のローターディスクは、各々の前記メダル保持部が互いに対向するように同期して回転し、
前記第1のローターディスクの前記メダル保持部で保持されたメダルは、前記第1のローターディスクの回転に伴い、前記ガイドピンにより前記第2のローターディスクの位置する上方に導かれ、前記第2のローターディスクの前記メダル保持部に移動されるとともに、前記第2のローターディスクの回転に伴い、前記メダル払い出し口から排出されることを特徴とするホッパー装置。 - 前記第1のローターディスクと前記第2のローターディスクは隣接して設けられるとともに、
前記第1のローターディスクと前記第2のローターディスクはギア又はベルトにより連結され、
前記第1のローターディスクが回転すると前記第2のローターディスクも等速で回転することを特徴とする請求項1記載のホッパー装置。 - 前記第1のローターディスクのメダル保持部の全部又は一部は、メダルがはまり込むメダル落とし穴であることを特徴とする請求項1記載のホッパー装置。
- 前記第2のローターディスクのメダル保持部の全部又は一部は、外周が開放された凹部であることを特徴とする請求項1記載のホッパー装置。
- 前記第1のローターディスク及び/又は前記第2のローターディスクの前記メダル保持部の全部又は一部は、外周が開放された形状のメダル受け部であることを特徴とする請求項1記載のホッパー装置。
- 前記メダル受け部は、ローターディスクの回転方向に湾曲して形成された湾曲爪部を備えることを特徴とする請求項5記載のホッパー装置。
- 前記第2のローターディスクの上面に蓋部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のホッパー装置。
- 前記第1のローターディスクの上部に回動するように設けられ、前記メダルが前記ガイドピンによって前記第1のローターディスクから前記第2のローターディスクに導かれるときに、通過する前記メダルをカウントするとともに、該メダルを付勢して送り出すカウンタローラを備えることを特徴とする請求項1ないし7に記載のホッパー装置。
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