JP4040337B2 - ガス検出装置及びガス検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜状の支持膜の外周部又は両端部が支持部材により支持されたダイアフラム構造の支持基板上に、検出対象ガスの有無により電気抵抗値が変化する膜状酸化物、及び、前記膜状酸化物を加熱するための通電加熱体を形成したセンサ素子と、前記膜状酸化物の温度が低温状態から高温状態に変化するように、前記通電加熱体を通電駆動する通電駆動手段と、前記膜状酸化物の温度が高温状態に変化したときの前記膜状酸化物の電気抵抗値に基づいて、前記検出対象ガスの有無を検出する検出部とを備えたガス検出装置及びそのガス検出装置において実行されるガス検出方法に関し、特に、検出対象ガスとしてのエタノールなどの揮発性有機化合物を検出するためのガス検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような揮発性有機化合物(VOC)とは、沸点範囲が0〜380℃の有機化合物であり、このような揮発性有機化合物として、エタノールやメタノールを含むアルコール類、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを含むアルデヒド類、及び、アセトンを含むケトン類等があり、中でも、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、クロロホルム、パラジクロロベンゼン等の揮発性有機化合物は、特に人間の嗅覚で感じないような数ppmから数ppbという濃度でも、長期に渡りそのような雰囲気中で暮らすことで、健康被害を引き起こすと指摘されている。
そして、近年の住宅の高気密化などに伴い、住居内において、空気中に低濃度のガス状揮発性有機化合物が長期に渡り存在することが問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、低濃度の揮発性有機化合物(エタノール)が空気中に存在することを高感度に検知することができる有効なガス検出装置が存在せず、このようなガス検出装置が望まれている。
【0004】
従って、本発明は、上記の事情に鑑みて、数ppmから数ppbというような低濃度の揮発性有機化合物(エタノール)が空気中に存在することを高感度且つ簡単に検出することができるガス検出技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成1〕
上記の目的を達成するための本発明に係るガス検出装置は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、薄膜状の支持膜の外周部又は両端部が支持部材により支持されたダイアフラム構造の支持基板上に、検出対象ガスの有無により電気抵抗値が変化する膜状酸化物、及び、前記膜状酸化物を加熱するための通電加熱体を形成したセンサ素子と、
前記通電加熱体の通電駆動を停止して前記膜状酸化物を低温とする低温状態と、前記通電加熱体の通電駆動を実施して前記膜状酸化物を所定の温度に加熱する高温状態とを繰り返し行うように、前記通電加熱体を通電駆動する通電駆動手段と、
前記膜状酸化物の温度が高温状態に変化したときの前記膜状酸化物の電気抵抗値に基づいて、前記検出対象ガスの有無を検出する検出部とを備えたガス検出装置であって、
前記検出対象ガスを、空気に0.1ppm以上10ppm以下の濃度で含まれるエタノールとし、
前記センサ素子が、前記通電駆動手段による前記通電加熱体への通電駆動の開始から前記膜状酸化物の温度が前記高温状態となるまでの応答時間が50ミリ秒以下となるように構成され、
前記検出部が、前記通電駆動手段による前記通電加熱体への通電駆動の開始後、前記エタノールに対する前記膜状酸化物の検出感度が空気に対して有意に得られる20ミリ秒以上200ミリ秒以下の経過時間範囲内の前記膜状酸化物の電気抵抗値を用いて、前記エタノールの検出を行うことを特徴とする。
【0006】
また、上記の目的を達成するための本発明に係るガス検出方法は、上記構成1のガス検出装置により好適に実行されるものであり、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、薄膜状の支持膜の外周部又は両端部が支持部材により支持されたダイアフラム構造の支持基板上に、検出対象ガスとして空気に0.1ppm以上10ppm以下の濃度で含まれるエタノールの有無により電気抵抗値が変化する膜状酸化物と、前記膜状酸化物を低温とする低温状態と前記膜状酸化物を加熱して所定の温度とする高温状態とを繰り返させる通電加熱体とを形成したセンサ素子を用いて、
前記センサ素子が、前記通電加熱体への通電駆動の開始から前記膜状酸化物の温度が前記高温状態となるまでの応答時間が50ミリ秒以下となるように構成され、
前記通電加熱体への通電駆動の開始後、前記エタノールに対する前記膜状酸化物の検出感度が空気に対して有意に得られる20ミリ秒以上200ミリ秒以下の経過時間範囲内の前記膜状酸化物の電気抵抗値を用いて、空気に0.1ppm以上10ppm以下の濃度で含まれるエタノールの検出を行うことを特徴とする。
【0007】
〔作用効果〕
本願発明者らは、極めて低熱容量のセンサ素子において、検出対象ガスとしての揮発性有機化合物(エタノール)の有無により電気抵抗値が変化する膜状酸化物を設け、膜状酸化物が低温である上記低温状態から膜状酸化物が高温である高温状態とするべく、通電加熱体への通電駆動を開始した直後において、膜状酸化物の電気抵抗値が揮発性有機化合物としてのエタノールが多く存在する場合には著しく低下するということを発見し、その発見により、通電加熱体への通電駆動の開始後、所定の経過時間範囲内(20ミリ秒以上200ミリ秒以下の範囲内)において、空気に0.1ppm以上10ppm以下の濃度で含まれるエタノールの検出における膜状酸化物の検出感度が、空気に対して有意に得られるという新知見を得、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、上記構成1のガス検出装置及びガス検出方法によれば、検出部において、通電駆動手段により通電加熱体への通電駆動の開始後の上記20ミリ秒以上200ミリ秒以下の経過時間範囲内の膜状酸化物の電気抵抗値を用いて揮発性有機化合物としてのエタノールの検出することができる。
従って、空気に0.1ppm以上10ppm以下の濃度で含まれるエタノールが空気中に存在する場合において、そのエタノールを、通電駆動開始後の上記20ミリ秒以上200ミリ秒以下の経過時間範囲内における膜状酸化物の電気抵抗値の低下により高感度に検出することができる。
【0009】
前述のように、通電加熱体への通電駆動の開始後から20ミリ秒以上200ミリ秒以下の経過時間範囲内において、膜状酸化物の検出感度がエタノールに対して有意に得られる理由は、低温状態においてセンサ素子に吸着していたエタノールが、通電加熱体への通電駆動を開始して高温状態に移行することで、センサ素子から脱離し、さらに、上記所定の経過時間範囲内においてその脱離したエタノールが膜状酸化物近傍に滞留するため、膜状酸化物近傍のエタノールの濃度が一時的に高くなるからであると考えられる。
【0010】
よって、センサ素子の熱容量が大きかったり、通電加熱体の加熱量が小さかったりして、通電駆動手段による通電加熱体への通電駆動の開始から膜状酸化物の温度が前記高温状態となるまでの応答時間が比較的長い場合には、センサ素子からエタノールが少しずつ脱離して、上記膜状酸化物近傍において、エタノールの一時的な濃度上昇が極めて小さくなり、エタノールを高感度に検出することができなくなる。
【0011】
そこで、上記構成1のガス検出装置及びガス検出方法によれば、通電駆動手段による通電加熱体への通電駆動の開始から膜状酸化物の温度が高温状態となるまでの応答時間が50ミリ秒以下となるように、センサ素子を構成することで、通電加熱体への通電駆動の開始後20ミリ秒経過時から通電駆動開始後200ミリ秒経過時までの経過時間範囲内において、センサ素子からエタノールが瞬時に脱離することで、膜状酸化物近傍において一時的なエタノールの大幅な濃度上昇を発生させることができ、その大幅な濃度上昇は膜状酸化物の電気抵抗の低下として良好に検出することができるので、低濃度のエタノールでも高感度で検出することができる。
【0012】
さらに、上記のように通電加熱体への通電駆動を開始して瞬時に高温状態に移行ことで、膜状酸化物近傍にセンサ素子から瞬時に脱離したエタノールにより大幅な濃度上昇を発生させて、エタノールを検出する場合には、高温状態に移行する前の低温状態において、センサ素子に充分なエタノールが吸着されている方が好ましい。そこで、前記通電駆動手段を、前記膜状酸化物の温度を例えば5秒間以上低温状態とした後に、前通電加熱体への通電駆動を開始して、前記膜状酸化物の温度を高温状態とするように構成することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガス検出装置の実施形態について詳細を説明する。
【0014】
〔センサ素子〕
図1に本発明の実施形態に用いた薄膜状のセンサ素子20の構造を示す。
センサ素子20は、薄膜状の支持層5(支持膜の一例)の外周部又は両端部がSi基板1(支持部材)により支持されたダイアフラム構造の支持基板上に、検出対象ガスの有無により電気抵抗値が変化する膜状酸化物のガス検知層10、及び、ガス検知層10を加熱するためのヒータ層7(通電加熱体)を形成して構成されている。
【0015】
次に、センサ素子20の製造方法を説明する。
両面に熱酸化膜2が300nm形成されたSi基板1の表面に、ダイアフラム構造の支持層5となるSiN膜3及びSiO2膜4を、順次プラズマCVD法にて、夫々150nm及び1μm形成する。
【0016】
次に、この支持層5の上に、PtW膜からなるヒータ層7を0.5μm形成し、ウエットエッチングによりヒータパターンを形成する。
そして、ヒータ層7の上に、SiO2絶縁膜からなる絶縁層8を、スパッタ法により2.0μm形成し、さらに、ヒータ層7と後述の電極9の接合個所をHFにてエッチングして窓明けを行なう。
【0017】
次に、Pt/Ta(200nm/50nm)膜をガス検知層10の電極11として成膜し、それをウエットエッチングによりパターニングする。ここでTaはSiO2とPt膜間の接合層としての役割をもつ。
【0018】
さらに、絶縁層8及び電極11の上に、ガス検知層10としてスパッタ法によりガス検知層10としてのSnO2膜をリフトオフ法により0.1〜10μmの厚さにて形成する。
次に、アルミナ粒子にPt及びPd触媒を7.5wt%担持させた粉末を、バインダとともにペーストとし、それをスクリーン印刷によりガス検知層10としてのSnO2膜の表面に塗布した後に焼成して、約30μm厚の選択燃焼層12を形成する。最後に基板の裏面からドライエッチングによりSiを400μm径(ダイアフラム直径)の大きさにて完全に除去しダイアフラム構造とする。
【0019】
〔ガス検出方法〕
次に、本発明のガス検出装置におけるガス検出方法について図面に基づいて説明する。
ガス検出装置には、図1に示すように、ガス検知層10の温度が低温状態から高温状態に変化するように、ヒータ層7を電極9を介して通電駆動する通電駆動手段30と、ガス検知層10の温度が高温状態に変化したときのガス検知層10の電気抵抗値を電極11を介して検知して、検知した電気抵抗値に基づいて、検出対象ガスとしての有無を検出する検出部32とが設けられている。
【0020】
さらに、検出対象ガスが揮発性有機化合物としてのエタノールとされ、検出部32が、通電駆動手段30によるヒータ層7への通電駆動の開始後、エタノールに対するガス検知層10の検出感度が有意に得られる所定の経過時間範囲内の膜状酸化物の電気抵抗値を用いて、エタノールの検出を行うように構成されている。
【0021】
詳しくは、上記通電駆動手段30は、ヒータ層7の通電駆動を停止してガス検知層10を室温(低温)とする低温状態と、ヒータ層7の通電駆動を実施してガス検知層10を所定の温度に加熱する高温状態とを繰り返し行なうように構成されている。
さらに、上記ヒータ層7の通電駆動を停止する時間(以下、ヒータOFF時間と呼ぶ。)と、上記ヒータ層7の通電駆動を実施する時間(以下、ヒータON時間と呼ぶ。)とは、任意の時間に設定することができる。
【0022】
また、図2に示すように、上記低温状態から上記高温状態に移行するべく、ヒータ層7への通電駆動を開始した直後において、ガス検知層10の電気抵抗値が揮発性有機化合物としてのエタノールが存在する場合に著しく低下し、さらに、ヒータ層7への通電駆動の開始後の所定の経過時間範囲内において、ガス検知層10の検出感度がエタノールに対して有意に得られる。
【0023】
そこで、検出部32は、上記エタノールの検出を行なうべく、上記通電駆動手段30によりヒータ層7の通電駆動を開始後の所定の経過時間範囲内におけるガス検知層10の電気抵抗値を検出し、エタノールの存在をその電気抵抗値の低下として検出するのである。
尚、図2のグラフ図は、ヒータON時間とヒータOFF時間との和を30secとしてON時間を変化させ、ON時間の最後に計測したガス検知層10の電気抵抗値と、ON時間である経過時間との関係を示すものである。
【0024】
また、このようにヒータ層7への通電駆動の開始後から所定の経過時間範囲内において、ガス検知層10の検出感度がエタノールに対して有意に得られる理由は、低温状態においてセンサ素子20に吸着していたエタノールが、ヒータ層7への通電駆動を開始して高温状態に移行することで、センサ素子20から脱離し、さらに、所定の経過時間範囲内においてその脱離したエタノールがガス検知層10近傍に滞留するため、ガス検知層10近傍のエタノールの濃度が一時的に高くなるからであると考えられる。
【0025】
そこで、本ガス検出装置は、上記のようなセンサ素子10からのエタノールの脱離をできるだけ瞬時に行ない、エタノールの一時的な濃度上昇を有効に発生させるべく、センサ素子20の熱容量が小さなものとして、通電駆動手段30によるヒータ層7への通電駆動の開始からガス検知層10の温度が高温状態となるまでの応答時間が50ミリ秒以下となるように構成されている。
【0026】
具体的には、図3に示すように、高温状態におけるガス検知層10の設定温度を450℃とし、通電駆動開始からの経過時間が約30msecとなったときにガス検知層10の温度が設定温度の90%程度となり、経過時間が約50msecとなったときにガス検知層10の温度が設定温度となるように、センサ素子部20が構成されている。また、このセンサ素子20の上記応答時間は、通電駆動開始してから上記ガス検知層10の温度が設定温度となるまでの50msecとなる。
尚、このときのセンサ素子20の熱容量は、2.3ピコJ/K程度であった。
【0027】
さらに、上記応答時間が前述のように50msec以下となるようにセンサ素子20を構成した場合に、図2に示すように、通電駆動手段30によるヒータ層7への通電駆動の開始後、20ミリ秒以上200ミリ秒以下の経過時間範囲内のガス検知層10の電気抵抗値が、エタノールが存在した場合に大きく低下することが判る。よって、検出部32は、この経過時間範囲内のガス検知層10の電気抵抗値を用いて、エタノールの検出を高感度で行なうことができる。
【0028】
さらに、高温状態に移行する前の低温状態において、センサ素子20に充分なエタノールが吸着されていることが望まれる。そこで、本ガス検出装置の通電駆動手段30は、ガス検知層10の温度を例えば5秒間以上低温状態とした後に、ヒータ層7への通電駆動を開始して、ガス検知層10の温度を高温状態とするように構成されている。即ち、通電駆動手段30は、ヒータOFF時間を5秒以上に設定する。
【0029】
即ち、図4に示すように、ヒータOFF時間が5sec以上であれば、ヒータ層7への通電駆動を開始した直後におけるガス検知層10の電気抵抗値の低下を得ることができるが、ヒータOFF時間が5sec未満であれば、その電気抵抗値の低下が小さいため検出が困難となり、特に、微小の揮発性有機化合物であるエタノールを検出する場合には、このOFF時間をできるだけ長くとることが好ましい。
尚、図4のグラフ図は、50msecのON時間の最後に計測したガス検知層10の電気抵抗値と、OFF時間との関係を示すものである。
【0030】
〔実施例と比較例との対比〕
次に、本発明に係るガス検出装置により揮発性有機化合物であるエタノールを検出した場合の実施例と、従来のガス検出装置により揮発性有機化合物であるエタノールを検出した場合の比較例との対比結果について説明する。
【0031】
先ず、実施例におけるガス検出装置は、これまで説明してきたガス検出装置の実施形態と同様のセンサ素子20を備え、さらに、通電駆動手段30を、ガス検出層10を低温状態とするためのヒータOFF時間を29.95sec、ガス検出層10を高温状態とするヒータON時間を50msecとして、ヒータ層17を通電状態と否通電状態とを繰り返すように構成し、検出部32を、ヒータON時間の最後(即ち、ヒータ層7への通電駆動を開始後50msec経過時)のガス検知層10の電気抵抗値を検出するように構成した。
一方、比較例におけるガス検出装置は、実施例と同様のセンサ素子20を備え、さらに、ガス検出層10を常時高温状態とするべく、ヒータ層7へ常時通電してガス検知層10の電気抵抗値を検出するように構成した。
【0032】
実施例及び比較例において、センサ素子20に、空気のみを供給したときのガス検知層10の夫々の電気抵抗値、及び、0.1〜100ppmの濃度のエタノール(揮発性有機化合物)を供給したときのガス検知層10の夫々の電気抵抗値を、夫々図5及び図6に示す。
尚、図5及び図6において、空気のみを供給したときのガス検知層10の電気抵抗値を、エタノールの濃度が0.02ppmのポイントに記述しているが、実際には、空気中にエタノールは含まれていない。
【0033】
結果、実施例のガス検出装置においては、図5に示すように、0.1ppmという超低濃度のエタノールを供給した場合でも、ガス検知層10の電気抵抗値が大幅に低下し、その低下によりエタノールの存在を高精度に検出することができることが確認できた。
一方、比較例のガス検出装置においては、図6に示すように、実施例とは異なり、エタノールが供給されても、ガス検知層10の電気抵抗値が殆ど低下しないので、エタノールを検出することが困難であることが確認できた。
従って、本発明に係るガス検出装置は、低濃度の揮発性有機化合物の代表であるエタノールが空気中に存在する場合において、そのエタノールを、通電駆動開始後の所定の経過時間範囲内におけるガス検知層10の電気抵抗値の低下により高感度に検出することができるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガス検出装置の構造を示す概略図
【図2】 ガス検知層の電気抵抗値と経過時間との関係を示すグラフ図
【図3】 ガス検知層の昇温状態を示すグラフ図
【図4】 ガス検知層の電気抵抗値とヒータOFF時間との関係を示すグラフ図
【図5】 実施例のガス検出装置によるエタノール検出結果を示すグラフ図
【図6】 比較例のガス検出装置によるエタノール検出結果を示すグラフ図
【符号の説明】
1:Si基板(支持部材)
3:SiN膜
4:SiO2膜
5:支持層(支持膜の一例)
7:ヒータ層(通電加熱体)
8:絶縁層
9:ヒータ層の電極
10:ガス検知層(膜状酸化物)
11:ガス検知層の電極
20:センサ素子
30:通電駆動手段
32:検出部
Claims (2)
- 薄膜状の支持膜の外周部又は両端部が支持部材により支持されたダイアフラム構造の支持基板上に、検出対象ガスの有無により電気抵抗値が変化する膜状酸化物、及び、前記膜状酸化物を加熱するための通電加熱体を形成したセンサ素子と、
前記通電加熱体の通電駆動を停止して前記膜状酸化物を低温とする低温状態と、前記通電加熱体の通電駆動を実施して前記膜状酸化物を所定の温度に加熱する高温状態とを繰り返し行うように、前記通電加熱体を通電駆動する通電駆動手段と、
前記膜状酸化物の温度が高温状態に変化したときの前記膜状酸化物の電気抵抗値に基づいて、前記検出対象ガスの有無を検出する検出部とを備えたガス検出装置であって、
前記検出対象ガスを、空気に0.1ppm以上10ppm以下の濃度で含まれるエタノールとし、
前記センサ素子が、前記通電駆動手段による前記通電加熱体への通電駆動の開始から前記膜状酸化物の温度が前記高温状態となるまでの応答時間が50ミリ秒以下となるように構成され、
前記検出部が、前記通電駆動手段による前記通電加熱体への通電駆動の開始後、前記エタノールに対する前記膜状酸化物の検出感度が空気に対して有意に得られる20ミリ秒以上200ミリ秒以下の経過時間範囲内の前記膜状酸化物の電気抵抗値を用いて、前記エタノールの検出を行うガス検出装置。 - 薄膜状の支持膜の外周部又は両端部が支持部材により支持されたダイアフラム構造の支持基板上に、検出対象ガスとして空気に0.1ppm以上10ppm以下の濃度で含まれるエタノールの有無により電気抵抗値が変化する膜状酸化物と、前記膜状酸化物を低温とする低温状態と前記膜状酸化物を加熱して所定の温度とする高温状態とを繰り返させる通電加熱体とを形成したセンサ素子を用いて、
前記センサ素子が、前記通電加熱体への通電駆動の開始から前記膜状酸化物の温度が前記高温状態となるまでの応答時間が50ミリ秒以下となるように構成され、
前記通電加熱体への通電駆動の開始後、前記エタノールに対する前記膜状酸化物の検出感度が空気に対して有意に得られる20ミリ秒以上200ミリ秒以下の経過時間範囲内の前記膜状酸化物の電気抵抗値を用いて、空気に0.1ppm以上10ppm以下の濃度で含まれるエタノールの検出を行うガス検出方法。
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