JP4039644B2 - スライドドア開閉機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スライドと旋回によって開け閉めされるスライドドアを開け閉めするためのスライドドア開閉機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワンボックスカーなどの荷室ドアとしては、通常、図16に示すように車体10の前後方向にスライドさせて開け閉めするスライドドア12が採用されている。車体10にはスライドドア12を開け閉めするために、スライドドア12の上部、中央部、及び下部に対応して車体10の前後方向に延びる3本のレール14,16,18が配置されている。スライドドア12は、これら3本のレール14,16,18によって支持されてスライドするように構成されている。
【0003】
ところで、近年、路地などの狭い場所に車両が停車しているときであっても車両への乗り降りを容易にするために、運転室ドア20としてスライドドアを採用することがある。この場合、車体10のうち、運転室ドア20の上部に対応する部分の長さが短いので、この部分には、運転室ドア20を支持するレールを配置できない。また、車体10のうち、運転室ドア20の下部に対応する部分には、乗り降りの邪魔になるので、運転室ドア20を支持するレールを配置できない。このため、運転室ドア20としてスライドドアを採用した場合は、車体の前後方向に延びるレール22を運転室ドア20の中央部に組み込むと共に、車体10のうち、運転室ドア20を閉めた際のレール22の後端部に対応する部分に、運転室ドア20を開け閉めするためのスライドドア開閉機構24を取り付ける。レール22もスライドドア開閉機構24の一部品であり、スライドドア開閉機構24には、レール22に案内されてこのレール22をスライドする部材(図示せず)が備えられている。
【0004】
上記のように、運転室ドアとしてスライドドアを採用した場合の従来のスライドドア開閉機構を説明する(特公平4−65952号参照)。
【0005】
運転室ドアの中央部に組み込まれたレールにはこの運転室ドアと共にスライドする案内プレートが形成されている。この案内プレートの近傍には、頑丈で大きなサイズの摺動ロック板が配置されている。この摺動ロック板はドアのスライドに連動して起きたり伏せたりし、この起伏によってドアがスライドしたり旋回したりするように構成されている。また、スライドドア開閉機構は、ドアと車体とを連結する外アームと内アームとを備えており、この2本のアームのうち内アームの上にアームロック板を配置し、このアームロック板が摺動ロック板と内アームとを連動させるリンクの役割を果たしている。従って、アームロック板は強度の高いものであり、そのサイズも比較的大きい。さらに、摺動ロック板の起伏に連動して内アームが回動するように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のスライドドア開閉機構は、比較的サイズが大きく頑丈なアームロック板や摺動ロック板を備えている。これらアームロック板や摺動ロック板は、通常、その強度を考慮すると鋳物を機械加工して製造される。このためコストが高く、上記したようにサイズも大きいという問題がある。
【0007】
ところで、一般に、自動車メーカーで生産されるワンボックスカーなどの車両の運転室ドアはヒンジなどによって車両本体に取り付けられており、運転室ドアを回転させることにより開け閉めする構造になっている。このようにヒンジなどによって運転室ドアを開け閉めするための回転ドア開閉機構はサイズが小さく、ドア前端に付けられているので、この開閉機構は運転室内へ全く出っ張っていない。このため、運転室のシートとしては比較的広い幅のシートが使用されている。
【0008】
ところが、上述したように路地などの狭い場所に車両が停車しているときであっても車両への乗り降りを容易にするために、運転室ドアを開け閉めするための機構を回転ドア開閉機構からスライドドア開閉機構に改造することがある。この場合、上述した従来のスライドドア開閉機構はサイズが大きくて運転室内に出っ張る。このため、運転室内の幅の広いシートが邪魔になってスライドドア開閉機構を装着できないことがある
そこで、運転室ドアを開け閉めする機構を回転ドア開閉機構からスライドドア開閉機構に改造する場合は、通常、幅の狭いシートを特注して幅の広いシートと交換し、スライドドア開閉機構を装着するスペースを確保している。このため、幅の狭いシートを購入する費用やシートを交換する費用などがかかり、コストアップとなる。また、シートの交換作業にも日数がかかるので、その分、納期が遅れるという問題もある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、サイズが小さくて低価格のスライドドア開閉機構を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1のスライドドア開閉機構は、スライドと旋回によって開け閉めされるスライドドアを開け閉めするためのスライドドア開閉機構において、
(1)上記スライドドアがスライド中はこのスライドドアの旋回を禁止すると共にこのスライドドアが旋回中はこのスライドドアのスライドを禁止する、旋回及びスライド自在に上記スライドドアを保持する保持部材
(2)所定のスライド禁止位置に位置したときに上記保持部材と協働して上記スライドドアのスライドを禁止するスライド禁止部材、及び所定の旋回許容位置に位置したときにこの保持部材と協働して上記スライドドアの旋回を許容する旋回許容部材が形成されると共に上記スライドドアがスライドするスライド方向に延びる、上記スライドドアに組み込まれたレール
を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、
(3)上記保持部材は、所定の回動方向に付勢された回動自在な棒状のスイングストッパと、このスイングストッパに係止することにより上記スライドドアの旋回を禁止する棒状のチェックスイングとを備えたものであり、
(4)上記旋回許容部材は、上記スイングストッパと上記チェックスイングとの係止を解除して上記スライドドアの旋回を許容するものであってもよい。
【0012】
また、
(5)上記保持部材は、所定の付勢方向に付勢されたスライドストッパと、上記付勢方向とは反対の方向に上記スライドストッパが動くことを禁止する略扇状のプレートストッパとを備えたものであり、
(6)上記スライド禁止部材は、上記スライドストッパに当接して上記反対の方向に上記スライドストッパを付勢することにより上記スライドドアのスライドを禁止するものであってもよい。
【0013】
上記目的を達成するための本発明の第2のスライドドア開閉機構は、スライドと旋回によって開け閉めされるスライドドアを開け閉めするためのスライドドア開閉機構において、
(7)上記スライドドアがスライドするスライド方向に延びる、上記スライドドアに組み込まれたレール
(8)このレールにスライド自在に固定されたスライド部材
(9)上記スライドドアが旋回する際に所定の回動方向に回動する、一端部が上記スライド部材に回動自在に固定された少なくとも1本のアーム
(10)この1本のアームの他端部が回動自在に固定された固定部材
(11)上記スライド部材に固定されて上記スライド方向に延びる棒状のチェックスイング
(12)このチェックスイングに係止して上記アームの回動を禁止するスイングストッパ
(13)このスイングストッパと上記チェックスイングとの係止を所定のタイミングで解除して上記アームの回動を許容する、上記レールに固定されたノックスイング
(14)上記アームのうち、上記一端部側の部分から突出して形成された、上記アームと共に回動するプレートストッパ
(15)このプレートストッパが回動して所定位置に位置したときにこのプレートストッパと協働して上記スライドドアのスライドを禁止する、上記スライド部材に回動自在に固定されたスライドストッパ
(16)上記プレートストッパが上記所定位置に位置したときに上記スライドストッパに係止してスライドを禁止される、上記レールから突出して形成されたノックスライド
を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
ここで、
(17)上記少なくとも1本のアームは、互いに並行に延びる2本のアームからなるものであってもよい。
【0015】
また、
(18)上記2本のアームは、上記スライドドアが閉じられたときに上下方向に互いに重なるように配置されたものであってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0017】
図1から図9までを参照して、本発明のスライドドア開閉機構の第1実施形態を説明する。
【0018】
先ず、図1、図2、及び図3を参照してスライドドア開閉機構の構造を説明する。
【0019】
図1は、スライドドアが完全に開いているときのスライドドア開閉機構を示す平面図であり、図2は、図1のスライドドア開閉機構の一部を示す斜視図である。図3は、第1アームの先端部を拡大して示す平面図である。
【0020】
スライドドア開閉機構30は、スライドと旋回によって開け閉めされるスライドドア20(図16参照)を開閉するためのものであり、図16に示す従来のスライドドア開閉機構24と同様の位置に装着される。
【0021】
スライドドア開閉機構30は、スライドドア20(図16参照)に組み込まれたレール40を備えている。このレール40は、スライドドア20がスライドする方向(矢印A方向及びその反対方向であり、本発明にいうスライド方向の一例である)に延びており、その長さは、スライドドア20の幅よりもやや短い。レール40の長手方向(スライド方向)の中央部には、レール40の下方に向けて突出した直方体状のノックスイング(本発明にいう旋回許容部材の一例である)42が固定されている。このノックスイング42の先端は、内側に向かって傾斜した傾斜面42aになっている。また、レール40の長手方向の後端部(矢印A方向の後方)には、レール40の下方に向けて突出したノックスライド(本発明にいうスライド禁止部材の一例である)44が固定されている。このノックスライド44は、例えば板を折り曲げて形成されており、「ハ」の字を逆にしたような形をしている。ノックスライド44の前部には前部傾斜面44aが形成されており、後部には後部傾斜面44bが形成されている。
【0022】
また、スライドドア開閉機構30は、レール40にスライド自在に固定されたスライド部材50を備えている。スライド部材50は、レール40の長手方向であってかつ車両(図示せず)の高さ方向に広がる縦壁52と、この縦壁52から車室内に向かってほぼ直角に折れ曲がった2枚の互いに並行な横壁54,56を備えている。
【0023】
縦壁52の上部には、横断面が略「コ」字状であってレール40の長手方向に延びるコロ台58が固定されている。コロ台58の前後の両端部にはそれぞれ、回転軸が互いに直交するコロ58a,58bとコロ58c,58dが回転自在に固定されている。スライドドア20(図16)をスライドさせることにより、コロ58a,58cはレール40の側壁40aを摺動し、コロ58b,58dはレール40の中間壁40bを摺動する。
【0024】
縦壁52の高さ方向中央部には、回動軸60aを中心にして縦壁52に平行に回動するスライドストッパ60が回動自在に固定されている。スライドストッパ60の前端部には引張コイルばね62の一端が固定されており、この引張コイルばね62の他端は縦壁52に固定されている。このため、スライドストッパ60は矢印B方向に付勢されている。
【0025】
2枚の互いに並行な横壁54,56の間には、第1アーム64及び第2アーム66双方の一端部64a,66aが回動自在に挟まれて固定されている。第1アーム64と第2アーム66は互いに並行であり、スライドドア20(図16参照)が旋回する際に互いに並行な状態を保ったまま回動する。第1アーム64及び第2アーム66双方の他端部64b,66bは、車体(図示せず)に取り付けられた固定部材80に回動自在に固定されている。この固定部材80は車体に取り付けられて固定されている。
【0026】
第1アーム64の他端部64bの回動軸64cには、コイルばね68によって矢印C方向に付勢された棒状のスイングストッパ70の他端部70bが回動自在に固定されている。スイングストッパ70の一端部70aには、車体の後方に向かって口の開いた凹部72(図4参照)が形成されている。この凹部72には、横壁54の上面に形成されてスライド方向に延びる棒状のチェックスイング74の先端部74aが嵌り込んでいる。この状態では、スイングストッパ70がチェックスイング74に係止して第1及び第2アーム64,66の回動が禁止されており、スライドドア20は旋回できない。
【0027】
第1アーム64の先端部64aには、この先端部64aから突出して横壁54に並行に広がる略扇状のプレートストッパ76が形成されている。このプレートストッパ76は第1アーム64と共に回動して、後述する所定位置に位置したときにスライドストッパ60と協働してスライドドア20のスライドを禁止する。上述したスライド部材50、固定部材80、第1及び第2アーム64,66、及びスイングストッパ70などによって、本発明にいう保持部材の一例が構成されている。
【0028】
上述した図1から図3までと、図4から図9までを参照してスライドドア開閉機構30の動きを説明する。
【0029】
図4は、スイングストッパ70とチェックスイング74との係止がノックスイング42によって解除されて第1及び第2アーム64,66がやや回転できるようになった状態を示す平面図である。図5は、第1及び第2アーム64,66が回転している状態を示す斜視図である。図6は、第1及び第2アーム64,66が回転し終えてスライドドアが閉められた状態を示す平面図であり、図7は、図6の一部を拡大して示す斜視図である。また、図8は、スライドドアのスライドに伴って動くノックスイング42、スイングストッパ70、及びチェックスイング74の動きを平面的に示す説明図である。図9は、スライドドアのスライドに伴って動くノックスライド44、スライドストッパ60、及びプレートストッパ76の動きを平面的に示す説明図である。
【0030】
スライドドア20(図16参照)が完全に開いている状態では、図1及び図2に示すように、コイルばね68によって矢印C方向に付勢されているスイングストッパ70の凹部72にチェックスイング74の先端部74aが嵌り込んでいる。この結果、スイングストッパ70がチェックスイング74に係止して第1及び第2アーム64,66の矢印D方向(矢印C方向とは反対の方向)への回転が禁止されている。一方、第1及び第2アーム64,66の矢印C方向への回転を禁止するために、断面が略L字状の停止板82が固定部材80に形成されている。この停止板82に第1アーム64の他端部64bが当接して第1及び第2アーム64,66の矢印C方向への回転が禁止される。このため、スライドドアはいずれの方向へも旋回できない。
【0031】
スライドドアが閉まる際は、このスライドドアが矢印A方向にスライドされる。スライドドアがレール40の長さの半分程度スライドして、スライド部材50がレール40の中央部分に位置すると、ノックスイング42の傾斜面42aがスイングストッパ70の一端部70aを矢印A方向に押す。これにより、図4に示すように、スイングストッパ70とチェックスイング74との係止が解除され、第1及び第2アーム64,66の矢印D方向への回転が許容される。この結果、スライドドアが旋回し始める。この回転が許容される位置が本発明にいう旋回許容位置の一例である。なお、スライドドアの旋回が始まると、スライドドアのスライドが禁止されるが、このための機構については後述する。
【0032】
図8には、第1及び第2アーム64,66の回転を禁止・許容するスイングストッパ70、チェックスイング74、及びノックスイング42の位置関係が明確に示されている。図8(a)は、ノックスイング42がスイングストッパ70に当接した直後の状態を示し、この状態では、スイングストッパ70はチェックスイング74に係止しているので、第1及び第2アーム64,66は矢印D方向へ回転できない。図8(b)は、ノックスイング42がスイングストッパ70を少しだけ押した状態を示し、この状態では、スイングストッパ70とチェックスイング74との係止が解除され始めている。図8(c)は、ノックスイング42がスイングストッパ70をさらに押してスイングストッパ70とチェックスイング74との係止が解除された状態を示している。図8(d)は、ノックスイング42がスイングストッパ70から離れてスイングストッパ70とチェックスイング74との係止が完全に解除された状態を示し、この状態では、スイングストッパ70と共に第1及び第2アーム64,66は矢印D方向へ回転できる。
【0033】
スイングストッパ70と共に第1及び第2アーム64,66が、図8(d)に示す状態よりも矢印D方向へさらに回転した状態は、図5に示されている。図5に示すように、スイングストッパ70の一端部70aはチェックスイング74に接触したままの状態で第1及び第2アーム64,66が矢印D方向へ回転する。第1及び第2アーム64,66が矢印D方向へ回転するに伴ってスライドドアが固定部材80(図4参照)の回りを旋回してスライドドアが閉じられる。
【0034】
スライドドアが完全に閉じられた状態では、図6と図7に示すように、第1及び第2アーム64,66が重なってレール40の内部にほとんど入り込み、また、固定部材80の半分程度がレール40の内部に入り込む。このレール40はスライドドアに組み込まれているので、スライドドアを閉じると第1及び第2アーム64,66のほとんど全部と固定部材80の半分程度がスライドドアの内部に入り込むこととなる。従って、スライドドア開閉機構30がスライドドアから出っ張る量が少なくて済み、その分、運転室内が広くなる。また、スライドドア開閉機構30の構成要素のうち、比較的サイズの大きいものは、図1に示すように保持部材80だけである。このため、スライドドア開閉機構30は全体としてサイズが小さいものとなる。また、このスライドドア開閉機構30は例えば鉄板をプレス成型することにより製造できるので、鋳物などに比べて低価格で製造できる。
【0035】
スライドドア開閉機構30では、上述したように、スライドドアの旋回が始まるとスライドドアのスライドが禁止されるように構成されている。この機構について、主に図9を参照して説明する。
【0036】
図9には、スライドドアのスライドを禁止・許容するノックスライド44、スライドストッパ60、及びプレートストッパ76の位置関係が明確に示されている。図9(a)は、ノックスライド44がスライドストッパ60に当接する直前の状態を示しており、この状態では、スライドドアは矢印A方向にスライド中である。図9(b)は、ノックスライド44がスライドストッパ60を矢印B方向とは反対方向に少しだけ回動させている状態を示しており、この状態では、スライドドアの矢印A方向へのスライドが終了直前である。図9(c)は、ノックスライド44がスライドストッパ60の山の部分60bを乗り越えてスライドドアの矢印A方向へのスライドが終了した状態を示しており、この状態では、スライド部材50がレール40の端に位置している。また、この状態では矢印A方向及びその反対方向にはスライドドアをスライドできない。このときのノックスライド44の位置が、本発明にいうスライド禁止位置の一例である。この状態になるのとほぼ同時に、第1アーム64が矢印D方向に回転し始める。すなわち、図9(c)に示す状態になるタイミングと図8(c)に示す状態になるタイミングはほとんど同じであり、このタイミングが本発明にいう所定のタイミングの一例である。
【0037】
図9(d)は、第1アーム64が矢印D方向にかなり回転した状態を示し、この状態では、スライドドアが矢印A方向とは反対方向にスライドしようとすると、ノックスライド44の後部傾斜面44bがスライドストッパ60の山の部分60bに当接する。しかし、スライドストッパ60の先端部60cがプレートストッパ76に当接して、スライドストッパ60が矢印B方向とは反対方向に回動できないので、ノックスライド44は矢印A方向とは反対方向に移動できない。この結果、スライドドアは矢印A方向及びその反対方向にスライドできないこととなる。
【0038】
上述したように、図9(c)に示す状態(スライド終了状態)になるタイミングと図8(c)に示す状態(旋回開始状態)になるタイミングはほとんど同じであるので、スライドドアを閉める際は、スライドドアのスライドが終了してからスライドドアの旋回が始まる。逆に、スライドドアを開けるときは、スライドドアの旋回が終了してからスライドドアのスライドが始まる。従って、スライドドアがスライド中に旋回して車体を傷付けることを防止できる。
【0039】
次に、図10から図15までを参照して、スライドドア開閉機構の第2実施形態を説明する。
【0040】
図10は、スライドドアが完全に開いているときのスライドドア開閉機構を示す平面図であり、図11は、図10のスライドドア開閉機構の一部を示す斜視図である。図12は、スイングストッパ70とチェックスイング74との係止がノックスイング42によって解除されて第1及び第2アーム64,66がやや回転できるようになった状態を示す平面図である。図13は、第1及び第2アーム64,66が回転し始めた状態を示す斜視図である。図14は、第1及び第2アーム64,66が回転し終えてスライドドアが閉められた状態を示す平面図であり、図15は、図6の一部を拡大して示す斜視図である。これらの図では、図1から図9までの構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0041】
上述した第1実施形態のスライドドア開閉機構30では図7に明確に示されているように、スライドドアが閉じられたときに、第1及び第2アーム64,66が車幅方向に互いに重なるようになっている。一方、第2実施形態のスライドドア開閉機構90では図9に示すように、スライドドアが閉じられたときに、第1及び第2アーム64,66が上下方向(車両の高さ方向)に互いに重なるようになっている。このように構成するために、第2実施形態のスライドドア開閉機構90ではスライド部材100及び固定部材120の構造が、第1実施形態のスライドドア開閉機構30のスライド部材50及び固定部材80の構成とは異なっている。
【0042】
スライドドア開閉機構90のスライド部材100は、第1及び第2アーム64,66の一端部64a,66aが回動自在に固定された固定板110を備えている。この固定板110は、縦壁52から車室内に向かってほぼ直角に折れ曲がった3枚の互いに並行な横壁112,114,116を備えている。横壁112と横壁114とに挟まれた空間のうち、車両後方側の部分に、第1アーム64の一端部64aが回動自在に固定されている。また、横壁114と横壁116とに挟まれた空間のうち、車両前方側の部分に、第2アーム66の一端部66aが回動自在に固定されている。なお、横壁112の上面にチェックスイング74が形成されている。また、図10では明確に示されていないが、固定部材120の構造も固定板110の構造にあわせて、第1及び第2アーム64,66の他端部64b,66bが上下方向にずれて回動自在に固定されるようになっている。
【0043】
スライドドアを開け閉めする際のノックスイング42、スイングストッパ70、チェックスイング74、ノックスライド44、スライドストッパ60、及びプレートストッパ76などの動きは、図10から図15までに示すように第1実施形態のスライドドア開閉機構30と同様である。
【0044】
上述したようにスライドドア開閉機構90では第1及び第2アーム64,66が上下方向に互いに重なるように配置されているので、図10と図11に示すように、第1及び第2アーム64,66の一端部64a,66aの位置を車幅方向にずらさなくて済む。また、同様に第1及び第2アーム64,66の他端部64b,66bの位置を車幅方向にずらさなくて済む。このため、図1と図10を見比べると分かるように、スライド部材100と固定部材120の厚さを、第1実施形態のスライドドア開閉機構30のスライド部材50と固定部材80の厚さに比べて薄くできる。この結果、スライドドア開閉機構90の、運転室内への出っ張りが少なくなり、いっそう省スペース化を図ることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の第1のスライドドア開閉機構では、保持部材と協働してスライドドアのスライドと旋回を禁止・許容するスライド禁止部材と旋回許容部材がレールに形成されているので、コンパクトになってサイズが小さくて済む。
【0046】
ここで、保持部材が、所定の回動方向に付勢された回動自在な棒状のスイングストッパと、このスイングストッパに係止することによりスライドドアの旋回を禁止する棒状のチェックスイングとを備えたものであり、かつ、旋回許容部材が、スイングストッパとチェックスイングとの係止を解除してスライドドアの旋回を許容するものである場合は、スイングストッパとチェックスイングという2つの棒状部材の係止によってスライドドアの旋回を禁止すると共に、レールに形成された旋回許容部材だけでこの係止を解除するので、いっそうコンパクトなスライドドア開閉機構が得られる。
【0047】
また、保持部材が、所定の付勢方向に付勢されたスライドストッパと、付勢方向とは反対の方向にスライドストッパが動くことを禁止する略扇状のプレートストッパとを備えたものであり、かつ、スライド禁止部材が、スライドストッパに当接して上記の反対の方向にスライドストッパを付勢することによりスライドドアのスライドを禁止するものである場合は、スライドストッパとプレートストッパという2つの部材の係止だけによってスライドドアのスライドを禁止すると共に、レールに形成されたスライド禁止部材をスライドストッパに当接させるだけでスライドドアのスライドを禁止するので、いっそうコンパクトで小サイズのスライドドア開閉機構が得られる。
【0048】
また、本発明の第2のスライドドア開閉機構では、レールに形成されたノックスライドやノックスイングと、チェックスイングやスイングストッパなどが協働してスライドドアを開閉させるので、スライドドア開閉機構がコンパクトになってサイズが小さくて済む。
【0049】
ここで、上記した少なくとも1本のアームが、互いに並行に延びる2本のアームからなるものである場合は、スライドドアが2本のアームで頑丈に支持されるのでいっそうスムーズにスライドドアを開閉できることとなる。
【0050】
さらに、上記した2本のアームが、スライドドアが閉じられたときに上下方向に互いに重なるように配置されたものである場合は、スライドドア開閉機構が車内へ出っ張る量が少なくなり、いっそう省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スライドドアが完全に開いているときのスライドドア開閉機構を示す平面図である。
【図2】図1のスライドドア開閉機構の一部を示す斜視図である。
【図3】図1のスライドドア開閉機構の第1アームの先端部を拡大して示す平面図である。
【図4】スライドドア開閉機構のスイングストッパとチェックスイングとの係止がノックスイングによって解除されて第1及び第2アームがやや回転できるようになった状態を示す平面図である。
【図5】第1及び第2アームが回転している状態を示す斜視図である。
【図6】第1及び第2アームが回転し終えてスライドドアが閉められた状態を示す平面図である。
【図7】図6の一部を拡大して示す斜視図である。
【図8】スライドドアのスライドに伴って動くノックスイング、スイングストッパ、及びチェックスイングの動きを平面的に示す説明図である。
【図9】スライドドアのスライドに伴って動くノックスライド、スライドストッパ、及びプレートストッパの動きを平面的に示す説明図である。
【図10】スライドドアが完全に開いているときのスライドドア開閉機構を示す平面図である。
【図11】図10のスライドドア開閉機構の一部を示す斜視図である。
【図12】スイングストッパとチェックスイングとの係止がノックスイングによって解除されて第1及び第2アームがやや回転できるようになった状態を示す平面図である。
【図13】第1及び第2アームが回転し始めた状態を示す斜視図である。
【図14】第1及び第2アームが回転し終えてスライドドアが閉められた状態を示す平面図である。
【図15】図14の一部を拡大して示す斜視図である。
【図16】スライドドアを備えたワンボックスカーの外観を示す概略図である。
【符号の説明】
12 スライドドア
20 運転室ドア(スライドドア)
30,90 スライドドア開閉機構
40 レール
42 ノックスイング
44 ノックスライド
50,110 スライド部材
60 スライドストッパ
64 第1アーム
66 第2アーム
70 スイングストッパ
74 チェックスイング
80,120 固定部材
Claims (1)
- スライドと旋回によって開け閉めされるスライドドアを開け閉めするためのスライドドア開閉機構において、
前記スライドドアがスライドするスライド方向に延びる、前記スライドドアに組み込まれたレールと、
3枚の互いに並行な横壁が上下方向に並んで形成された、前記レールにスライド自在に固定されたスライド部材と、
前記スライドドアが開いた状態では前記スライド部材に向き合う一方、前記スライドドアが閉じた状態では前記スライド部材の横に位置する、車体に固定された固定部材と、
前記3枚の横壁のうち上の2枚の横壁の間にその一端部が回転自在に固定されると共にその他端部が前記固定部材に回転自在に固定された第1アームと、
前記3枚の横壁のうち下の2枚の横壁の間にその一端部が回転自在に固定されると共にその他端部が前記固定部材に回転自在に固定された第2アームと、
前記第1及び第2アームの回転を許容・禁止することにより前記スライドドアの旋回を許容・禁止する旋回許容・禁止部材と、
前記スライドドアのスライドを許容・禁止するスライド許容・禁止部材とを備え、
前記旋回許容・禁止部材は、
前記第1アームの前記他端部から前記第1及び第2アーム双方の前記一端部の間まで延びると共に、その他端部が前記第1アームの前記他端部に回動自在に固定され、且つ、その一端部が前記3枚の横壁の最も上の壁の上面に位置して前記第1アームの前記一端部に向けて付勢されたスイングストッパと、
前記スイングストッパに係止して前記第1及び第2アームの回動を禁止することにより前記スライドドアの旋回を禁止する、前記3枚の横壁の最も上の壁の上面に固定されて前記スライド方向に延びる棒状のチェックスイングと、
前記スイングストッパと前記チェックスイングとの係止を解除して前記第1及び第2アームの回動を許容すると共に前記スライドドアの旋回を許容する、前記レールの長手方向中央部に固定されたノックスイングとからなるものであり、
前記スライド許容・禁止部材は、
前記第1アームの前記一端部から突出して扇状に形成された、前記第1アームと共に回動するプレートストッパと、
前記レールの長手方向後端部に配置されると共に該レールから突出して形成されたノックスライドと、
前記スライド部材に回動自在に固定されたスライドストッパとからなり、
前記旋回許容・禁止部材が前記スライドドアの旋回を禁止しているときは、前記スライドドアのスライドを許容する一方、前記旋回許容・禁止部材が前記スライドドアの旋回を許容するときには、前記スライドストッパの先端部が前記プレートストッパに当接して前記スライドストッパの回動が禁止されると共に前記ノックスライドが前記スライドストッパの山部分に係止することにより前記スライドドアのスライドを禁止するものであることを特徴とするスライドドア開閉機構。
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