JP2519567Y2 - 車両のスライド式ドアの開閉案内機構 - Google Patents

車両のスライド式ドアの開閉案内機構

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JP2519567Y2
JP2519567Y2 JP9052890U JP9052890U JP2519567Y2 JP 2519567 Y2 JP2519567 Y2 JP 2519567Y2 JP 9052890 U JP9052890 U JP 9052890U JP 9052890 U JP9052890 U JP 9052890U JP 2519567 Y2 JP2519567 Y2 JP 2519567Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、車体の外側面に沿って車長方向に摺動す
ることにより開閉されるスライド式ドアの該開閉を案内
する機構に関する。
〔従来の技術〕
いわゆる1ボックスカーでキャブオーバ型の車両を第
5図に示してあり、この種の車両のリヤドア1にはスラ
イド式ドアが使用されているものが多い。このスライド
式ドア1は車体の外側面にそって車長方向に摺動するこ
とにより開閉されるもので、開放時には車両の後方にス
ライドするようにしてあり、この開閉を案内する機構が
装備されている。
この開閉案内機構のリヤドア1側に設けられた部材
は、第6図に示すように、リヤドア1の内側の上部と下
部のぞれぞれに車体中央側に指向して張り出されたアー
ム2に、上下方向を軸として回動自在に支持された支持
ローラ3と、リヤドア1の内側中央部に張り出されたア
ーム4に、上下方向を軸として回動自在に支持されたガ
イドローラ5とで構成されている。なお、上記支持ロー
ラ3はリヤドア1の前端部に配設され、上記ガイドロー
ラ5はリヤドア1の後端部に配設されている。
他方、車体側には、上記支持ローラ3を受容してリヤ
ドア1を支持する支持レール(図示せず)がドア開口部
の上下部に車長方向に延びて配設されており、第5図に
示すように上記ガイドローラ5を案内するガイドレール
6が、車体の外側面にリヤドア1の後端部から車体の後
部にかけて配設されている。
そして、リヤドア1の閉成時には、該リヤドア1の外
側面と車体の側面とがほぼ同一面となるように、リヤド
ア1が車体のドア開口部内に位置するようにしてあり、
開放時には車体の外側面に沿って位置するようにしてあ
る。すなわち、リヤドア1を開放する場合には、閉成位
置から該リヤドア1を車体の側方に平行に移動させて車
体の側面から突出させ、該突出させた状態で後方に摺動
するようにしてある。このため上記図示しない支持レー
ルはこのリヤドア1の車体外側への平行移動と、車体後
方へのスライドとを案内するように適宜に湾曲した形状
に形成されている。
ところが、上述した開閉案内機構では、リヤドア1の
後部中央に支持された上記ガイドローラ5と係合して該
ガイドローラ5を案内するためのガイドレール6が、第
5図に示すように車体側面に現出している。しかも、ガ
イドローラ5がこのガイドレール6に係合して円滑に転
動するように、該ガイドレール6の表面は塗装が施され
ておらず、金属の表面に潤滑剤などが適宜に塗布された
りしている。このため、該ガイドレール6は車体の塗装
色と異なっており、車体外観をデザインする上でデザイ
ンの自由度を阻害しており、使用者の嗜好を制限するこ
とになっている。
このため、ガイドレールをリヤドア1の車体内側の面
に配設し、該ガイドレールに係合するガイドローラを車
体側に支持させたインナレール形式のスライド式ドアで
ある。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来のインナレール形式のスライド式
ドアでは、次のような問題が生じる。
スライド式ドアでは、上述したようにスライド時には
該ドアが車体側方に突出した状態で摺動するから、この
スライド式ドアの内側面に設けられたガイドレールに係
合するためのガイドローラも車体の外側に適宜に突出し
ていなければならない。このガイドローラが固定式のも
のでは、ドアの閉成時にもこれが車体側方に突出した状
態となり、車体の外観デザインを損なうことになるとと
もに、該ガイドローラの先端部が車幅の寸法となるから
車幅が制限されて車室内が狭くなってしまう。
このため、上記ガイドローラを、ドア閉成時には車体
側部に収容された状態にあり、ドア開放時に車体の側方
に突出するような構成とする必要がある。すなわち、閉
成しているドアを開放する場合に、該ドアを車体側方に
平行移動させる動作によりガイドローラが車体側方に突
出し、ドアの摺動時には該突出した位置を維持してドア
の内側面に配設されたガイドレールに係合して案内する
必要がある。しかも、ガイドローラが突出動作の途中に
ある状態でドアが摺動したり、またドアが摺動している
際にガイドローラが突出した状態から収容位置方向に戻
ってしまっては、ドアが車体側面に接触したりして不都
合を生じる。
そこで、この考案は、スライド式ドアの摺動を案内す
るためのガイドレールその他を車体側面に現出させるこ
とのないインナレール形式のスライド式ドアとして、車
体の外観デザイン上の自由度を確保し、ドアが車体側面
に沿って摺動する際には上記ガイドレールに係合するガ
イドローラが車体側方に突出するとともに、該突出した
位置を確実に維持してドアが不用意に車体側面に接触す
ることのない車両のスライド式ドアの開閉案内機構を提
供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的のため、この考案に係る開閉案内機構は、
ドア開放時には該ドアが車体側方に突出するように平行
移動した後、車体側面に沿って摺動するとともに、該摺
動を案内するガイドレールがドア内側面に配設され、該
ガイドレールに係合してドアの摺動を案内するガイドロ
ーラが、車体側に該車体の側面に対して出没自在に設け
られたスライド式ドアにおいて、前記ガイドローラを回
動自在に支持するローラベースと、該ローラベースに一
端部が回動自在に支持され、他端部が車体側に回動自在
に支持され、該車体側の端部を軸とした回動によって上
記ガイドローラをローラベースと共に車体側面に対して
出没させるとともに、ガイドローラを車体側面から所定
の位置まで突出した状態に維持する位置決め係合部が設
けられたスイングアームと、該位置決め係合部と係脱自
在で、係合時には上記ガイドローラを所定位置まで突出
させた状態に上記スイングアームを拘束するアーム係止
手段と、スライドドアの動作により上記ガイドローラと
係脱自在で、スライドドアの前記摺動移動から前記平行
移動への切替わり時において係合して該ガイドローラと
連結し、平行移動から摺動移動への切替わり時において
該係合が解除する、スライドドア側の前記ガイドレール
の端部に設けられた係合爪部材と、スライドドアの摺動
移動から平行移動への切替わり時において上記アーム係
止手段に係合して、該アーム係止手段と上記位置決め係
合部との係合を解除して上記スイングアームを自由にす
るアーム解除手段とからなることを特徴としている。
〔作用〕
上記スライド式ドアが閉成した状態では、上記スイン
グアームが車体の側面とほぼ平行な状態にあって、該ス
イングアームに支持された上記ローラベースとこのロー
ラベースに支持されたガイドローラとが、車体の側面か
ら埋没して車体側部に収容されている。また、この状態
ではスライドドアは車体側部に収容されて、該スライド
ドアの外側面と車体側面とがほぼ同一面となっている。
このスライドドアを開放するには、ドアハンドルを把
持して該スライドドアを車体の外側に移動させる。この
とき、スライドドアは、ドア開口の上下部に設けられた
支持レールと該スライドドアの内側前部の上下に配設さ
れた支持ローラとの係合によって案内されて、円弧に沿
ってほぼ平行に移動して車体側方に突出することにな
る。この移動によって上記スイングアームが車体側の端
部を軸として回動して、ローラベースおよびガイドロー
ラを車体側方に突出させる。
そして、スライドドアを摺動させられる位置まで突出
すると、上記位置決め係合部とアーム係止手段とが係合
して該スイングアームの当該位置が維持される。
次いで、スライドドアを車体側面に沿って摺動させる
と、上記係合爪部材がガイドローラの拘束を解き、該ス
ライドドアが摺動するとともに該ガイドローラとスライ
ドドアに配設されたガイドレールとが係合して、スライ
ドドアが車体に接触するのを阻止し、該摺動が円滑に案
内される。
開放しているスライドドアを閉成するには、該スライ
ドドアを摺動させる。そして、摺動移動から平行移動に
切替わる際に、上記係合爪部材がガイドローラに係合し
て連結し、これら係合爪部材とガイドローラとを介して
スライドドアとスイングアームとが一体的になる。ま
た、アーム解除手段がアーム係止手段に係合してスイン
グアームを自由にする。このため、スライドドアが、前
記支持ローラと支持レールとの係合に案内されて平行移
動し閉成することになる。そして、このときスイングア
ームは、スライドドアの平行移動に伴われて、突出した
位置から車体側の端部を軸として車体側部まで回動し、
車体側面に埋没して車体側部に収容される。
〔実施例〕
以下、図示した一実施例に基づいて、この考案に係る
スライド式ドアの開閉案内機構を具体的に説明する。
第1図は、図示しないスライドドアを開放したときの
この開閉案内機構を平面視した概略構造図で、車体パネ
ル10にアームベース11が溶接などによって固定されてい
る。このアームベース11の一端部は車体パネル10からド
ア開口部10aに突出しており、この突出した端部にはス
イングアームとしてのメインアーム12とサブアーム13と
が、適宜間隔で配置された軸12a、13aを中心として回動
自在に軸支されている。そして、第1図に示す状態で
は、これらメインアーム12とサブアーム13はアームベー
ス11に対して回動して、他端部が車体パネル10よりも車
体外側Oに突出している。なお、車室内側を符号Iで示
す。
上記メインアーム12とサブアーム13の他端部には、そ
れぞれ軸12b、13bによって回動自在にローラベース14が
支持されており、またメインアーム12の該他端部には位
置決め係合部としての係合カム15が該メインアーム12と
一体的に取り付けられている。この係合カム15の外周面
の一部にはカム突起15aが形成され、また外周面の一部
が窪んで爪部15bが形成されている。
そして、上記メインアーム12とサブアーム13との間に
は圧縮コイルバネで構成された拡開バネ16を介在させて
あり、該拡開バネ16の復元力が、これらメインアーム12
とサブアーム13とが離隔する方向に付勢されている。す
なわち、第2図に示すようにサブアーム13の適宜位置に
支持ロッド16aの一端部が止着され、他端部がメインア
ーム12に形成された長孔12cに遊挿されている。この支
持ロッド16aに上記拡開バネ16を遊嵌し、該拡開バネ16
の端部とメインアーム12との間の支持ロッド16aにバネ
押え板16bを遊嵌してある。そして、このバネ押え板16b
をメインアーム12の上記長孔12cの幅員よりも大きくし
て、上記拡開バネ16が支持ロッド16aから抜け落ちるこ
とがないようにしてある。したがって、メインアーム12
とサブアーム13とが接近した状態で該拡開バネ16がその
復元力に抗して圧縮され、該圧縮された状態ではその復
元力が、メインアーム12とサブアーム13を拡開する方向
に付勢されることになる。
上記ローラベース14の車外側の端縁からアーム部14a
が張り出され、このアーム部14aにガイドローラ17が軸1
7aによって回動自在に支持されている。
一方、図示しないスライドドアには上記ガイドローラ
17と係合するガイドレール(図示せず)が、該スライド
ドアの内側面に車長方向に延びて設けられており、この
ガイドレールの端部にフックベース30が取り付けられて
いる。そして、スライドドアの車体側面に沿った摺動に
よって該ガイドレール上をガイドローラ17が転動するよ
うにしてある。なお、例えば、ドア開放時に、スライド
ドアが車両の後方に摺動するものでは、このフックベー
ス30はガイドレールの後端部に取り付けられ、スライド
ドアが前方に摺動するものでは、該フックベース30は前
端部に取り付けられる。そして、第4図に示すように、
このフックベース30の上部には、上記ガイドローラ17と
係脱する係合爪部材としてのカムフック31が軸31aによ
って回動自在に支持されている。
このカムフック31には、外周の一部が外周面から軸31
aに指向して切込まれた係合切込み部31bと、外周面の一
部を窪ませて該窪みの端部で構成されたロック爪部31c
とが形成されている。また、フックベース30の上部には
軸32aを中心として回動自在にロックレバー32の基端部
が支持されており、このロックレバー32の回動により該
ロックレバー32の自由端部が上記ロック爪部31cと係脱
するようにしてある。このロックレバー32には、ねじり
コイルバネ32bの復元力が、該ロックレバー32が常時ロ
ック爪部31cと係合する方向(第1図ないし第3図上時
計回り方向)に回動するように付勢されている。また、
このロックレバー32の自由端部には、第4図に示すよう
に下方に指向した解除ピン32cが植設されている。
さらに、第4図に示すように、フックベース30の下部
にはアーム部33aを介して、アーム解除手段として上方
に指向した解除ピン33が設けられている。
そして、前記ローラベース14の適宜位置には、アーム
係止手段として、ほぼV字形をしたロックレバー18の中
央部が軸18aによって回動自在に支持されている。この
ロックレバー18の一端部は入力端部18bとされて、スラ
イドドアの摺動に伴われる上記解除ピン33の移動域内に
位置しており、該解除ピン33がスライドドアの摺動によ
って当接するようにしてある。また、ロックレバー18の
他端部は係合端部18cとされて、該ロックレバー18の回
動によって前記係合カム15の爪部15bと係脱するように
してある。さらに、このロックレバー18は、図示しない
バネなどの復元力が付勢されて、常時係合端部18cが上
記爪部15bに係合する方向(第1図ないし第3図上時計
回り方向)に回動するようにしてある。
また、ローラベース14には、適宜位置にフックレバー
19の中央部が軸19aによって回動自在に支持されてい
る。このフックレバー19の一端部は入力端部19bとされ
て、前記フックベース30に支持されたロックレバー32が
有する解除ピン32cの、スライドドアの摺動に伴われた
移動域内に位置しており、スライドドアの摺動によって
該解除ピン32cが当接するようにしてある。また、フッ
クレバー19の他端部にはカム面19cが形成されており、
このカム面19cが前記係合カム15の外周面と接触する。
さらに、このフックレバー19は、図示しないバネなどの
復元力が付勢されて、常時上記カム面19cが上記係合カ
ム15の外周面に接触しているようにしてある。
なお、図示しないスライドドアの上下部には、第6図
に示す従来のものと同様に支持ローラ3が取り付けられ
ており、ドア開口部10aの上下部にはこの支持ローラ3
と係合する支持レールが配設されている。
以上により構成したこの開閉案内機構の動作を、以下
に説明する。
第1図は図示しないスライドドアが車体パネル10の側
面に沿って摺動して、ドア開口部10aが適宜に開放され
ている状態を示しており、この状態では、メインアーム
12とサブアーム13が車体の側方に突出し、これらに支持
されているローラベース14も車体側方に突出している。
そして、スライドドア側に設けられた図示しないガイド
レールにガイドローラ17が係合して案内されており、ガ
イドレールの端部に配設されたカムフック31はガイドロ
ーラ17が離脱している。
また、メインアーム12に固定されている係合カム15の
カム突起15aが、フックレバー19のカム面19cに当接した
状態にある。さらに、この係合カム15の爪部15bにロッ
クレバー18の係合端部18cが係合して、メインアーム12
を車体パネル10の側方に突出した状態に維持している。
また、フックレバー30に支持されたロックレバー32の
自由端部はカムフック31のロック爪部31cから離脱し
て、ねじりコイルバネ32bの復元力によって該カムフッ
ク31の外周面に当接している。
開放されているスライドドアを閉成するには、該スラ
イドドアを車体パネル10に沿って摺動させる。この摺動
は、スライドドアの上下部に取り付けられた支持ローラ
(第6図、符号3を参照)とドア開口部10aの上下部に
配設された支持レール(図示せず)との係合、およびガ
イドレールとガイドローラ17との係合によって案内され
る。
そして、摺動移動域の最端部までスライドドアを移動
させると、第1図上想像線で示すように、カムフック31
の係合切込み部31bにガイドローラ17の軸17aが受容され
るようになる。なお、スライドドアの摺動移動方向を第
1図上Pで示す。このとき、ロックレバー32の解除ピン
32cがフックレバー19の入力端部19bに当接し、ロックレ
バー32がねじりコイルバネ32bの復元力に抗して第1図
上反時計回り方向に僅かに回動する。
さらに、スライドドアを摺動させると、第2図に示す
ように、カムフック31が回動しながら、上記軸17aが係
合切込み部31b内に収容される。また、このとき同図に
示すように、フックベース30に設けられた解除ピン33が
ロックレバー18の入力端部18bに係合し、該ロックレバ
ー18を反時計回り方向に回動させて、係合端部18cを係
合カム15の爪部15bから離脱させ該係合カム15を自由に
する。
そして、第2図に示す状態からさらにスライドドアを
移動させると、該スライドドアは平行移動することにな
る。すなわち、上記係合カム15とロックレバー18との係
合が解除されているからメインアーム12は自由となっ
て、スライドドアの閉成方向への移動によって該メイン
アーム12が軸12aを中心として第2図上反時計回り方向
に回動することになる。
第2図に示す状態からメインアーム12が僅かに反時計
回り方向に回動すると、このメインアーム12に取り付け
られた係合カム15も同方向に旋回する。そして、この係
合カム15が僅かに旋回したときに、該係合カム15のカム
突起15aがフックレバー19のカム面19cから外れ、該フッ
クレバー19がこれに付勢されているバネなどの復元力に
よって第2図上反時計回り方向に回動し、入力端部19b
とロックレバー32の解除ピン32cとの係合が解除され
る。このため、ねじりコイルバネ32bの復元力を受けて
該ロックレバー32が第2図上時計回り方向に回動して、
その自由端部がカムフック31のロック爪部31cに係合す
るから、カムフック31を拘束して該カムフック31が第2
図上反時計回り方向に回動するのを阻止する。これによ
り、該カムフック31とガイドローラ17との係合状態が確
実となり、これらが容易に離脱しないようになる。
また、メインアーム12が回動するときには、ローラベ
ース14がメインアーム12の回動軸12aを中心として旋回
することになり、このローラベース14に端部が軸支13b
されたサブアーム13もメインアーム12と共に回動する。
すなわち、これら2本のメインアーム12、サブアーム1
3、およびアームベース11、ローラベース14とによりリ
ンク機構が構成されるから、メインアーム12とサブアー
ム13の、軸12aと軸13aとを通る直線および軸12bと軸13b
とを通る直線とが平行に維持されたままローラベース14
が旋回することになる。
このため、スライドドアがメインアーム12の回動に伴
われて、該メインアーム12の軸12bの軌跡となる円弧に
沿って旋回しながら平行移動する。なお、ドア開口部10
aの上下部に配設された図示しない前記支持レールは、
このスライドドアの円弧状の移動を許容するよう円弧状
に湾曲した形状に形成されている。
そして、所定の位置まで旋回した状態で、第3図に示
す状態となり、スライドドアがドア開口部10a内に位置
して閉成されることになる。この閉成状態では、メイン
アーム12とサブアーム13とが近接し、これらの間に介在
された拡開バネ16が圧縮されている。したがって、この
状態では該拡開バネ16の復元力が、メインアーム12とサ
ブアーム13とを離隔させる方向に作用している。
閉成しているスライドドアを開放するには、図示しな
いドアハンドルを把持して、スライドドアを車体外側に
移動させる。これにより、スライドドアが支持レールに
案内されて旋回しながら平行移動する。このときにはガ
イドローラ17とカムフック31とが係合しているから、該
スライドドアの旋回に伴われてガイドローラ17およびこ
れを支持しているローラベース14も旋回し、このローラ
ベース14の旋回に伴われて、メインアーム12がアームベ
ース11側の軸12aを中心として第3図上時計回り方向に
回動するとともに、サブアーム13も軸13aを中心として
同方向に回動する。
しかも、このときこれらメインアーム12とサブアーム
13とが離隔しながら回動し、これらの間に介在された拡
開バネ16の複元力が、メインアーム12とサブアーム13を
離隔する方向に作用して該離隔動作に助力することにな
る。このため、スライドドアを車外方向に移動させる力
を小さくすることができる。特に、ドアのインサイドハ
ンドルを把持してスライドドアを開放する場合には、該
インサイドハンドルを車内側に引張る動作とスライドド
アを車外側に押出す動作とを要し、これらの動作の方向
は反対方向である。ところが、上記拡開バネ16の復元力
がスライドドアの開放方向に付勢されているから、動作
方向が反対方向であってもスライドドアを円滑に車外方
向に旋回させることができる。
そして、第2図に示す位置までメインアーム12が回動
すると、該メインアーム12に固定された係合カム15のカ
ム突起15aがフックレバー19のカム面19cに係合して、該
フックレバー19を第3図の状態から第2図に示す状態ま
で時計回り方向に回動させる。フックレバー19が回動す
るとその入力端部19bがロックレバー32の解除ピン32cに
係合し、該ロックレバー32を第3図に示す状態から反時
計回り方向に回動させて、第2図に示すように、該ロッ
クレバー32の自由端部をカムフック31のロック爪部31c
から離脱させる。このため、カムフック31の拘束が解か
れて自由に回動することができる状態となる。
そして、スライドドアを車体パネル10に沿って摺動さ
せると、カムフック31が第2図に示す状態から反時計回
り方向に回動するから、その係合切込み部31bからガイ
ドローラ17の軸17aが抜け出ることになり、該ガイドロ
ーラ17とカムフック31とが離隔されることになる。
一方、スライドドアが摺動すると、フックベース30の
解除ピン33がローラベース14に支持されているロックレ
バー18の入力端部18bから離隔する。このため、該ロッ
クレバー18が、これに付勢されているバネなどの復元力
によって、第2図に示す状態から時計回り方向に回動
し、第1図に示すように係合端部18cがメインアーム12
に固定された係合カム15の爪部15bに係合して、メイン
アーム12が拘束されることになる。このため、スライド
ドアの摺動時には該メインアーム12の回動が阻止され、
該スライドドアが車体パネル10に接触してしまうことが
防止される。
そして、スライドドアが適宜位置まで摺動した状態
で、ドア開口部10aが開放される。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案に係るスライド式ドア
の開閉案内機構によれば、スイングアームにガイドロー
ラを支持したローラベースを支持させ、該スイングアー
ムをロックするアーム係止手段を設け、スライドドアの
車体側面に沿った摺動移動と該スライドドアの車体側方
への平行移動との切替わり時において、スイングアーム
とアーム係止手段とが係脱するとともに、摺動移動時に
はこれらの係合が解除された状態にあるようにしたか
ら、スライドドアの平行移動時に該スライドドアが摺動
移動することが防止され、かつ摺動移動時には平行移動
することが防止される。しかも、スライドドアの移動自
体に上記スイングアームとアーム係止手段との係脱を行
なうようにしたから、スライドドアの摺動移動と平行移
動のそれぞれが確実に実行される。したがって、スライ
ドドアが当接して車体が損傷されることを防止できる。
しかも、スライドドアの内側面にガイドレールが設け
られるとともに、該ガイドレール係合するガイドローラ
を車体に対して出没自在として、ドア閉成時には車体側
部に埋没するようにしてあるから、車体側面に開閉案内
機構を構成する部品が現出することがない。このため、
車体の外観デザイン上の自由度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
図面は、この考案に係るスライド式ドアの開閉案内機構
の好ましい一実施例を示すものである。第1図ないし第
3図は開閉案内機構を平面視した概略の構造図で、第1
図は図示しないスライドドアが開放された状態、第2図
はスライドドアの平行移動と摺動移動との切替わり時の
状態、第3図はスライドドアが閉成された状態をそれぞ
れ示している。第4図は、スライドドア側に取り付けら
れる係合爪部材の概略を示す斜視図である。 第5図は、車体側面にガイドレールが設けられたスライ
ド式ドアを装備した車両の側面図である。第6図は、第
5図におけるVI-VI線に沿って切断したスライドドアの
概略断面図である。 10……車体パネル、10a……ドア開口部 11……アームベース 12……メインアーム(スイングアーム) 12a,12b……軸 13……サブアーム、13a、13b……軸 14……ローラベース 15……係合カム(位置決め係合部) 15a……カム突起、15b……爪部 16……拡開バネ、17……ガイドローラ 17a……軸 18……ロックレバー(アーム係止手段) 19……フックレバー、19c……カム面 30……フックベース 31……カムフック(係合爪部材) 31a……軸、31b……係合切込み部 31c……ロック爪部、32……ロックレバー 32c……解除ピン 33……解除ピン(アーム解除手段)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドア開放時には該ドアが車体側方に突出す
    るように平行移動した後、車体側面に沿って摺動すると
    ともに、該摺動を案内するガイドレールがドア内側面に
    配設され、該ガイドレールに係合してドアの摺動を案内
    するガイドローラが、車体側に該車体の側面に対して出
    没自在に設けられたスライド式ドアにおいて、 前記ガイドローラを回動自在に支持するローラベース
    と、 該ローラベースに一端部が回動自在に支持され、他端部
    が車体側に回動自在に支持され、該車体側の端部を軸と
    した回動によって上記ガイドローラをローラベースと共
    に車体側面に対して出没させるとともに、ガイドローラ
    を車体側面から所定の位置まで突出した状態に維持する
    位置決め係合部が設けられたスイングアームと、 該位置決め係合部と係脱自在で、係合時には上記ガイド
    ローラを所定位置まで突出させた状態に上記スイングア
    ームを拘束するアーム係止手段と、 スライドドアの動作により上記ガイドローラと係脱自在
    で、スライドドアの前記摺動移動から前記平行移動への
    切替わり時において係合して該ガイドローラと連結し、
    平行移動から摺動移動への切替わり時において該係合が
    解除する、スライドドア側の前記ガイドレールの端部に
    設けられた係合爪部材と、 スライドドアの摺動移動から平行移動への切替わり時に
    おいて上記アーム係止手段に係合して、該アーム係止手
    段と上記位置決め係合部との係合を解除して上記スイン
    グアームを自由にするアーム解除手段とからなることを
    特徴とする車両のスライド式ドアの開閉案内機構。
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