JP4039415B2 - ドット配置決定方法及び装置、閾値マトリクスの作成方法、プログラム並びに画像形成装置 - Google Patents

ドット配置決定方法及び装置、閾値マトリクスの作成方法、プログラム並びに画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は疑似階調画像の生成に好適なドット配置決定方法及び装置、閾値マトリクスの作成方法、更には、その機能をコンピュータによって実現するためのプログラム並びに閾値マトリクスを利用する画像形成装置に係り、特にインクジェット記録装置その他の画像形成装置に好適なハーフトーン化処理技術に関する。
インクジェット記録装置は、記録ヘッド(印字ヘッドともいう。)のノズルからインク滴を吐出させることによって記録紙等の記録媒体にインクを付着させ、その付着インクのドットにより文字や画像(以下、これらを包括して「画像」という。)の記録を行っているが、様々な要因によりノズルからインクを吐出できなくなる状況が発生し得る。例えば、ノズル群中の特定のノズルが不吐出になった場合、そのノズルによって本来打滴されるべきはずのドットが欠落するため、記録媒体上の記録画像に意図せぬスジ状の欠陥(スジムラ)が発生し、画像品質が低下する。
かかる課題に対して、従来、ノズルの不吐出、或いは吐出方向異常による着弾位置ずれなどに起因する記録画像の画質低下を防止し得る打滴配置(ドット配置)を実現する方法が提案されている(特許文献1,2)。また、粒状性を向上させ、且つ写真画像に適し、階調再現性に優れた疑似階調処理を行う技術(特許文献3)や、低解像度領域での画像品質の低下を防止するドット配置を得るための閾値マトリクス(特許文献4)なども提案されている。
特開2001−88328号公報 特開2002−16803号公報 特開2002−16802号公報 特開2004−15674号公報
しかしながら、従来提案されている技術は、ノズルの不吐出等によるドットの欠落(いわゆる「ドット抜け」)によって発生するムラ(すじ状のムラ或いは濃度ムラ)の低減技術に関して、視覚特性の観点から検討がなされておらず、視覚特性に基づいた最適なドット配置が求められていない。
また、特許文献2,3は、画像処理によって実現されるドット配置の特性について述べているが、その作成方法では最適化手法を用いていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、視覚特性に基づいた評価関数と最適化手法とを組み合わせて用い、ドット抜けによって発生するムラの低減効果を有するドット配置の決定方法及び装置並びに閾値マトリクスの作成方法を提供することを目的とするとともに、併せて、その方法をコンピュータによって実現するためのプログラム並びにその方法で作成された閾値マトリクスを適用した画像処理装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、所定の画素領域にm個(ただし、mは1以上の整数)のドットを配置する際の配置パターンを決定するドット配置決定方法であって、前記m個のドットを前記所定の画素領域内の画素位置に重複なく配置させる配置パターンを可変設定する設定工程と、前記設定工程で設定された配置パターンに従って前記所定の画素領域内にm個のドットを配置させて成る網点画像について粒状性及び異方性のうち少なくとも1つを評価する値を含んで構成される画像評価値を演算する第1の画像評価値演算工程と、前記所定の画素領域のうち任意の画素列がドット形成不能となった場合に前記設定工程の設定に係る前記配置パターンに従って実現される網点画像について前記画像評価値を演算する第2の画像評価値演算工程と、前記第1及び第2の画像評価値演算工程の演算結果から、前記ドット形成不能の発生によって生じる前記画像評価値の変動を表す変動評価値を算出する変動評価値演算工程と、前記第1の画像評価値演算工程から得られる前記画像評価値と前記変動評価値演算工程から得られる前記変動評価値を含んで構成される評価値を算出する評価値演算工程と、前記評価値演算工程から得られる評価値によって前記設定工程の設定に係る前記配置パターンの画像品質及びドット抜け発生時の画質低下の程度を評価しながら、前記m個のドットを前記所定の画素領域内の画素位置に重複なく配置させる配置パターンの中から最適な配置パターンを決定する組合せ最適化問題を近似的に解くことにより、前記評価値が最良となる配置パターンを求めるドット配置演算工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ドット形成不能が発生していない場合のドット配置による網点画像の視覚的な品質を評価する画像評価値を第1の画像評価演算工程によって求めるとともに、ドット形成不能が発生したと仮定した場合の画像評価値を第2の画像評価演算工程によって求め、これらの画像評価値と最適化手法とを用いて最適なドット配置を求めるようにしているため、画像記録素子の欠陥などに起因するドット抜けに対して画質低下が少ないドット配置を得ることができる。
ドットパターンの評価指標として、粒状性や異方性を考慮する態様が好ましい。また、変動評価値を考慮することにより、ドット抜けによる画像評価値の変動が少ないドット配置を求めることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のドット配置決定方法の一態様に係り、前記組合せ最適化問題を近似的に解く最適化手法として、シミュレーテッド・アニーリング(SA)法が用いられることを特徴とする。
SAを利用することにより、局所最適解に陥ることなく最適解に到達でき、実用的な時間で近似解を演算することができる。なお、SAに代えて、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm ;GA)など、他の最適化手法を用いる態様も可能である。
ドットパターンの評価指標として、粒状性や異方性を考慮する態様が好ましい。
請求項に係る発明は、請求項1又は2記載のドット配置決定方法の一態様に係り、前記画像評価値は、粒状性評価関数と異方性評価関数の線形結合から成るドット評価関数を用いて計算されることを特徴とする。
粒状性と異方性の両方を考慮することで一層好ましい評価を行うことができる。
変動評価値を考慮することにより、ドット抜けによる画像評価値の変動が少ないドット配置を求めることができる。
請求項に係る発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載のドット配置決定方法の一態様に係り、前記評価値演算工程は、前記第1の画像評価値演算工程から得られる画像評価値と前記変動評価値演算工程から得られる変動評価値の線形結合から成る評価値を算出することを特徴とする。
ドット抜けが無い場合の画像評価値とドット抜けによる変動評価値の線形結合による評価値を用いることにより、ドット抜けが無い場合において良好な画像品質を得られると同時に、ドット抜け発生時においても画質低下の少ない最適なドット配置を決定することができる。
請求項に係る発明は、請求項1乃至の何れか1項記載のドット配置決定方法の一態様に係り、既に決定されているドット配置のドット数よりも多いドット数のドット配置を決める場合、前記既に決定されているドット配置を維持しつつ、当該決定済みのドット配置におけるドット未配置の画素位置に追加ドット数分のドットを新たに配置する配置パターンが求められる一方、既に決定されているドット配置のドット数よりも少ないドット数のドット配置を決める場合、前記既に決定されているドット配置のドット数と、これから決めようとするドット数との差に相当するドット数分のドットを、前記既に決定されているドット配置の中から削減した配置パターンが求められることを特徴とする。
かかる態様により、ドット数の大きいドット配置がそれよりもドット数の小さいドット配置を常に包含する関係を維持して、各ドット数のドット配置を決定することが可能である。
請求項に係る発明は、請求項記載のドット配置決定方法を利用して閾値マトリクスを作成する方法を提供する。すなわち、請求項に係る閾値マトリクスの作成方法は、請求項記載のドット配置決定方法を用いて、最小ドット数から最大ドット数までの各ドット数について、それぞれのドット配置を決定し、これら各ドット数のドット配置を要素とするドット配列集合を生成するドット配列集合生成工程と、前記ドット配列集合生成工程で得られた前記各ドット数のドット配置を基に、新規にドットが追加配置される画素位置に対応するマトリクス内の画素位置に閾値を順次割り当てることによって閾値マトリクスを作成する閾値マトリクス作成工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、最適化手法を利用して求まる最適なドット配置に基づいて閾値マトリクスを作成するため、高速処理が可能で且つドット抜けに強いスクリーニングが可能である。
請求項に係る発明は、請求項1乃至5の何れか1項記載のドット配置決定方法における各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
また、請求項に係る発明は、請求項記載の閾値マトリクスの作成方法における各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
本発明に係るドット配置決定処理用のプログラムや閾値マトリクス作成用のプログラムは、パソコンなどのコンピュータシステムに適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムは、単独のアプリケーションソフトウエアとして構成されてもよいし、画像編集ソフトウエアなど、他のアプリケーションの一部として組み込まれてもよい。なお、閾値マトリクス作成用のプログラムはドット配置決定処理用のプログラムを包含して構成される。
本発明によるプログラムをCD−ROMや磁気ディスクその他の情報記憶媒体(外部記憶装置)に記録し、該情報記憶媒体を通じて当該プログラムを第三者に提供したり、インターネットなどの通信回線を通じて当該プログラムのダウンロードサービスを提供したりすることも可能である。
請求項に係る発明は、前記目的を達成するドット配置決定装置を提供する。すなわち、請求項に係る発明は、所定の画素領域にm個(ただし、mは1以上の整数)のドットを配置する際の配置パターンを決定する演算を実施するドット配置決定装置であって、前記m個のドットを前記所定の画素領域内の画素位置に重複なく配置させる配置パターンを可変設定する設定手段と、前記設定手段で設定された配置パターンに従って前記所定の画素領域内にm個のドットを配置させて成る網点画像について粒状性及び異方性のうち少なくとも1つを評価する値を含んで構成される画像評価値を演算する第1の画像評価値演算手段と、前記所定の画素領域のうち任意の画素列がドット形成不能となった場合に前記設定手段の設定に係る前記配置パターンに従って実現される網点画像について前記画像評価値を演算する第2の画像評価値演算手段と、前記第1及び第2の画像評価値演算手段の演算結果から、前記ドット形成不能の発生によって生じる前記画像評価値の変動を表す変動評価値を算出する変動評価値演算手段と、前記第1の画像評価値演算手段から得られる前記画像評価値と前記変動評価値演算手段から得られる前記変動評価値を含んで構成される評価値を算出する評価値演算手段と、前記評価値演算手段から得られる評価値によって前記設定手段の設定に係る前記配置パターンの画像品質及びドット抜け発生時の画質低下の程度を評価しながら、前記m個のドットを前記所定の画素領域内の画素位置に重複なく配置させる配置パターンの中から最適な配置パターンを決定する組合せ最適化問題を近似的に解くことにより、前記評価値が最良となる配置パターンを求めるドット配置演算手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項10に係る発明は、請求項記載の閾値マトリクスの作成方法によって作成された閾値マトリクスを用いてデジタルハーフトーニングを行う画像処理手段と、前記画像処理手段で生成されたドットデータに基づいて駆動される複数の画像記録素子が配列された画像記録素子列を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッド及び記録媒体のうち少なくとも一方を搬送して前記記録ヘッドと前記記録媒体を相対移動させる搬送手段と、を備えた画像形成装置を提供する。
本発明の画像形成装置における記録ヘッドの構成例として、記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数の画像記録素子(ドットを形成するための記録素子)を配列させた画像記録素子列を有するフルライン型のヘッドを用いることができる。この場合、記録媒体の全幅に対応する長さに満たない画像記録素子列を有する比較的短尺の記録ヘッドモジュールを複数個組み合わせ、これらを繋ぎ合わせることで全体として記録媒体の全幅に対応する長さの画像記録素子列を構成する態様がある。
フルライン型のヘッドは、通常、記録媒体の相対的な送り方向(相対的搬送方向)と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿って吐出ヘッドを配置する態様もあり得る。
「記録媒体」は、記録ヘッドの作用によって画像の記録を受ける媒体(被画像形成媒体、被記録媒体、記録媒体、受像媒体、インクジェット記録装置の場合の吐出媒体、被吐出媒体など呼ばれ得るもの)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、中間転写媒体、インクジェット記録装置によって配線パターンが印刷されるプリント基板、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
「搬送手段」は、停止した(固定された)記録ヘッドに対して記録媒体を搬送する態様、停止した記録媒体に対して記録ヘッドを移動させる態様、或いは、記録ヘッドと記録媒体の両方を移動させる態様の何れをも含む。
記録ヘッドの一形態であるインクジェットヘッド場合、画像記録素子はインク液を吐出するノズルを含む液滴吐出素子である。インクジェットヘッドによって、カラー画像を形成する場合は、複数色のインク(記録液)の色別に記録ヘッドを配置してもよいし、1つの記録ヘッドから複数色のインクを吐出可能な構成としてもよい。
本発明によれば、ドット配置による網点画像の視覚的な品質を評価する画像評価値と組合せ最適化問題の近似解法を利用して最適なドット配置を求めるようにしているため、画像記録素子の欠陥などに起因するドット抜けに対して画質低下が少ないドット配置を決定することできる。また、このドット配置決定のアルゴリズムを活用することで、閾値マトリクスを作成することができるため、当該閾値マトリクスを用いてデジタルハーフトーニングを行うことにより、ドット抜けに強い疑似階調画像への変換が可能となる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔ドット配置決定方法の説明〕
まず、シミュレーテッド・アニーリング(Simulated Annealing :SA)を活用してドット配置を決定する方法の基本的なフローについて説明する。
SAは、組合せ最適化問題のための近似解法の1つであり、特に、焼き鈍し(高温状態から徐々に温度を下げて安定した結晶構造を作る方法)の物理現象を数学的に模した手法である。いわゆる山登り法に代表される局所探索法は、「局所最適解」に陥り、真の「最適解」に到達できない場合があることが知られている。この点、SAは、ある確率でエネルギー的に悪くなる方向の解を選ぶ仕組みを有しており、温度が高いほどエネルギー的に悪くなる方向の解を選ぶ確率が高く、温度が低くなるにつれてその確率が低下する。このように、SAはエネルギー的に悪くなる方向の解を選ぶ可能性が与えられているため局所最適解からの脱出が可能となり、温度の低下とともに悪い解を選ぶ確率が小さくなっていくことで、最終的には最適解に収束することが期待される。
図1は、SAを利用したドット配置決定方法の基本アルゴリズムを示したフローチャートである。なお、本実施形態においては、ドットの配置による疑似階調画像を出力する手段(画像出力装置)として、記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズル(画像記録素子に相当)が配列されたノズル列を有するフルライン型のインクジェット記録ヘッドを用い、1回の副走査方向の記録媒体搬送のみで画像を形成するシングルパス印字方式のインクジェット記録装置への適用を例に説明する。
図1に示したように、本アルゴリズムの処理がスタートすると、まず、デジタル画像平面における2次元的なドット配置Dの初期値Ds を設定する(ステップS110)。ここでいう「ドット配置D」は、所定の2次元画像サイズ(例えば、I画素×J画素、ただし、I,Jは任意の正の整数)におけるM個(ただし、Mは1以上の整数)のドットの2次元的な配置分布(配置パターン)を表すものである。
初期値Ds の決め方は特に限定されず、例えば、乱数的にM個のドットを任意に配置させたものとする。
次いで、温度Tの初期値Ts を設定する(ステップS112)。この初期値Ts の決め方も特に限定されず、例えば、Ts =1000度又はTs =2000度という具合に適宜の値を定めておく。
こうして、ドット配置D及び温度Tの状態をそれぞれ初期値Ds 、Ts に初期化し、このドット配置D=Ds について評価値Eを計算する(ステップS114)。
ドット配置Dに対する評価値Eの計算方法については後述するが、評価値Eはドット配置Dの粒状性及び異方性を考慮した画質評価用の評価関数(Est(D))を用いて計算される。
次いで、演算回数をカウントするためのカウンタCntを初期化し(ステップS116)、初期値「0」とする(Cnt=0)。
次に、与えられたドット配置DにおいてランダムにドットONの位置P1 とドットOFFの位置P2 を選択する(ステップS118)。図2にその概念図を示す。図2は、画像平面におけるドットの形成が可能な画素点(画素位置)を正方格子状の矩形の枡目セル(メッシュ)で表した模式図である。同図中、黒塗りで表示された画素位置は、ドットONの位置(ドットが配置された位置)を表し、図中白抜きで表示された画素位置は、ドットOFFの位置(ドットが配置されていない位置)を表す。なお、実際の装置では、画素位置(i,j)を示す正方形領域よりも大きな略円形に近いドットが形成され、ベタ画像を印字した場合にドット間に隙間が発生しないようになっている。
図2のように、I画素×J画素(ただし、I,Jは任意の正の整数)の画素領域内にM個のドットを配置した状態(あるドット配置Dの状態)で、ランダムにドットONの位置P1 とドットOFFの位置P2 をそれぞれ1つずつ選択する(図1のステップS118)。
そして、これら選択したドットONの位置P1 をドットOFFに、ドットOFFの位置P2 をドットONに変更したドット配置Dx を求め、この変更した結果のドット配置Dx についての評価値Ex (ただし、Ex =Est(Dx ))を計算する(ステップS120)。
次いで、ドット配置Dの評価値Eと、変更後のドット配置Dx の評価値Ex との差(評価値ΔE)を計算する(ステップS122)。すなわち、評価値差ΔE=Ex −Eを計算する。
こうして求めた評価値差ΔEからポテンシャルPを計算する(ステップS124)。ポテンシャルPは、評価値差ΔEに応じて定義され、ΔE<0の場合はP=1、ΔE≧0の場合はP=exp(−ΔE/T)の式で定義される。このポテンシャルPの定義は、次ステップS126における乱数と、ステップS128における不等式の判定との関係から定められている。
ステップS126では、0以上1以下の範囲で乱数Ranを発生させている。続くステップS128では乱数RanとポテンシャルPの大小関係を判断し、Ran≦Pの不等式を満たすか否かが判定される。
乱数Ranは0から1の範囲の数なので、ポテンシャルP=1であれば、ステップS128の不等式判定で必ずYESとなる。つまり、評価値差ΔEが負となる方向では、必ずYESが選択され、ステップS130に進むことを意味する。
その一方、評価値差ΔEが0以上のときは、ポテンシャルPは、P=exp(−ΔE/T)で定義されるため、このときPは、0<P≦1の範囲の値をとることになる。温度Tが高い時にはPの値は「1」に近い値となり、温度Tが低くなるにつれてPの値は次第に「0」に近い値となる。
乱数Ranは確率的に0.5付近の値を取り易いため、温度Tが高いほど高い確率でステップS128の不等式判定がYESになる。また、温度Tが低くなるほどステップS128の不等式判定がNOになる確率が高くなる。
ステップS128でYESの場合は、ステップS130に進み、ドット配置DをDx に変更するとともに、評価値EをEx に変更する。これは、位置P1 とP2 のON/OFFを入れ換えたドット配置Dx を採用して、これをドット配置Dと読み替え、評価値Ex を評価値Eに読み替えることを意味する。
ステップS130の後は、ステップS132に進み、カウンタCntの値を「+1 」カウントアップする。また、ステップS128でNOの場合は、評価値Ex 、ドット配置Dx を破棄して、ステップS132に進む。
次いで、カウンタCntの計数値が所定の繰り返し規定値Cnte を超えたか否かを判定する(ステップS134)。この繰り返し規定値Cnte は、温度Tの低減演算を毎ループ実行すると計算が複雑になることに配慮して、所定の繰り返し回数(Cnte 回)だけ同じ温度で演算を繰り返し、Cnte 回カウントを回したら一定量の温度を下げるという処理を行うために設定されている。
すなわち、ステップS134でNOならば、温度Tが最終温度Te よりも低くなったか否かを判定し( ステップS138)、NOならばステップS118に戻って、新しいP1 ,P2 を選び、上記の処理を繰り返す。
その一方、ステップS134でカウンタCntの計数値が所定の繰り返し規定値Cnte を超えるとステップS136に進み、カウンタCntを初期化(Cnt=0)するとともに、現在の温度Tに所定の低減率k(ただし、kは1より小さい正の数)を乗じて、温度Tを「T=kT」に更新する(ステップS136)。ステップS136の後は、ステップS138に進み、最終温度Te との比較判定を行う。ステップS138でNOならば、ステップS118に戻る。
ステップS118〜S138の処理を繰り返し、ステップS138で温度Tが最終温度Te よりも低くなったら、処理を終了する。こうして、評価値Eが低くなったドット配置を得ることができる。
次に、評価値Eの計算例について説明する。
ドット配置Dは、図2で説明したように、I×Jの画素領域におけるドットの2次元配置パターンであるとし、これをドット配置D(i,j)(0≦i,i<I,0≦j,j<J:ただし、ここでは、フルライン型の記録ヘッドによるシングルパス印字の主走査方向を変数iで表し、副走査方向を変数jで表す。)と表記する。このドット配置D(i,j)に対する評価値Eの計算方法の一例として、ドット評価関数EDot を以下のように定義する。
ドット評価関数EDot は、粒状性評価関数と異方性評価関数の線形結合とし、次式(式A)によって表される。
EDot(D) =wg ×粒状性評価関数(D)+wa ×異方性評価関数(D)…(式A)
ただし、wg ,wa は重み係数である
粒状性評価関数及び異方性評価関数としては、Robert,Ulichneyが提唱したドット明度分布の極座標パワースペクトラムの平均指標(Radially Averaged Power Spectrum; R.A.P.S)と分散指標(Anisotropy)」を用いることができる。
デジタルハーフトーニングの結果としてドットパターンが得られ、このドットパターン(ドット配置)の評価法としては、Robert,Ulichneyが提唱した方法が一般的に知られている(『Digital Halftoning』; The MIT Press出版)。
すなわち、ドット配置によって得られる網点画像の2次元パワースペクトラムを極座標に変換して、図3のように、極座標の半径に対応する空間周波数fr について全角度のスペクトラムの平均と分散に相当する指標を用いる。
極座標パワースペクトラムの平均指標を「R.A.P.S 」とよび、次式で表す。
Figure 0004039415
また、分散指標を「 Anisotropy 」と呼び、次式で表す。
Figure 0004039415
R.A.P.S は、ドット配置の視認性に関する指標であり、Anisotropy は、ドット配置の異方性に関する指標である。
図4には、ある好ましい条件で計算されたR.A.P.S の例が示されている。図4においてσg は、次式で表される。
Figure 0004039415
ただし、gは規格化された入力値を示し、0≦g≦1である。
図4に示したグラフでは視覚特性は考慮されていなが、これに、図5のような、公知の視覚特性(VTF)を考慮すると(掛け合わせると)、全体にエネルギーが低く抑えられたものになる。なお、R.A.P.S やAnisotropyを計算する際のVTFには、Dooly&Shawが提唱するものに限定されず、公知のものを使うことができる。
また、図6には、ある好ましい条件で計算されたAnisotropy の一例が示されている。Robert Ulichney によると、Anisotropyが−10デシベル〔dB〕以下であれば、ドットの異方性は目立たないとされている。
本実施形態では、上述したR.A.P.S を粒状性評価関数(D)に利用し、Anisotropyを異方性評価関数(D)に利用してドット評価関数EDot(D) が上述の(式A)で定義される。
このドット評価関数EDot(D) は、次のように使用される。まず、ノズル不吐出がない状態でのEDot を計算し、その計算結果をEDotAとする。次に、i番目の画素位置にドットを形成するノズル(以下、i番目のノズルという。)が不吐出の状態でのEDot を計算し、その計算結果をEDotiとする。i番目のノズルが不吐出になると、当該ノズルでドットを形成することができないため、ドット配置Dのうちiの位置についてドットOFFにしてEDot を計算する。なお、EDot は値が小さいほど評価が良いと仮定する。
続いて、ノズル不吐出による変動評価値EDelta を計算する。この変動評価値EDelta は、ノズル不吐出によるドット評価関数EDot の悪化を計算している。変動評価値EDelta の計算例を以下に示す。
(計算例1):EDelta =Σ{EDoti−EDotA} (0≦i,i<I)
(計算例2):EDelta =MAX(EDoti−EDotA) (0≦i,i<I)
上記の(計算例1)は、何も欠陥のない状態(EDotA)に対して、全てのノズルについて順次1ノズルずつ不吐出だったと仮定してEDotiを計算し、EDotAからの差分を計算することで、不吐出によってEDot が悪くなった量を求め、その悪化量を全ノズルについて積算している。つまり、(計算例1)は、ノズル不吐出によるドット評価関数EDot の悪化の平均値に相当する値を計算していることになる。
一方、(計算例2)は、何も欠陥のない状態(EDotA)に対して、不吐出によるドット評価関数EDot が最も悪くなった場合の値(最悪値)に相当する値を計算していることになる。
上記例示した(計算例1)又は(計算例2)の何れかの定義に従って計算される変動評価値EDelta は、不吐出による変動が悪くなったことを示す指標である。求めたいものはノズルの不吐出が発生した場合に、そのドット抜けによるムラが目立たないものであるから、上記の変動評価値EDelta が最も小さいもの(不吐出による変動が最も少ないドット配置)が望ましいドット配置である。
以上から、最終的に図1で説明した評価値Eは、次式(式B)に示すように、変動評価値EDelta と、不吐出の無い状態でのドット評価値EDotAの線形結合で定義される。
E=Est(D)=wdelta ×EDelta +wdot ×EDotA …(式B)
ただし、wdelta ,wdot は重み係数である。
上記の(式B)のように、評価値EをEDelta とEDotAの線形結合で定義することにより、ドット抜けがある場合にはその変動が少なく、更に、ドット抜けが無い場合にも粒状性が良く、且つ異方性の少ない良好なドット配置が求められる。
上述した演算フローを利用することにより、ドットがM個のときの良好なドット配置(ドット抜けによるムラが目立ちにくく、且つドット抜けが無い場合にも良好な画像品質が得られるドット配置)を計算することができる。
上述の方法によって求めたM個の最適なドット配置を基にして、ドットの数を増やした場合のドット配置、或いはドットの数を減らした場合のドット配置を求める方法を説明する。なお、本実施形態において最終的に目指すものは、最小ドット数から最大ドット数までの各ドット数についての最適なドット配置を決定し、これらドット配置から閾値マトリクスを決定することである。
[ 手順1] まず、図1で説明したSAの基本フローチャートを使って、適当なドット数Mでの最適なドット配置DP(M) を決定する。
[ 手順2] 次に、このドット配置DP(M) に対して適当なドット数Qだけ更にドットONしたドット配置DP(M+Q)を、図7に示すフローチャートを使って求める(図7については後述する)。つまり、既に確定しているM個のドット配置を変えずに、それ以外の位置にQ個のドットを追加して計算を行う。
[ 手順3] また、同様の考え方によって、ドット配置DP(M) から適当なドット数RだけドットOFFしたドット配置DP(M−R)を求めることができる(図8については後述する)。
上記の手順2,3と同様の計算を繰り返し行うことによって、図9に示すように、ドットONの数(ドット数)が異なるドット配置を決定することができる。図9は、ドット配置DP(M) からスタートして、ドット数を増加又は減少させながら順次、図面の下方向に向かってドット配置を決定して行く様子を模式的に示した概念図である。すなわち、ドット配置DP(M) からドット配置DP(M+Q),DP(M−R)が求められ、更に、DP(M+Q)からドット数をQ1 個減らしたDP(M+Q−Q1 )と、DP(M+Q)にドット数をQ2 個追加したDP(M+Q+Q2 )とが求められる。また、DP(M−R)からドット数をR1 個減らしたDP(M−R−R1 )と、DP(M−R)にドット数をR2 個追加したDP(M−R+R2 )とが求められる。
ただし、例えば、DP ( M−R+R2 ) を決める場合、R2 個のドットONは、DP(M−R)においてドットOFF且つDP(M+Q)においてドットONであるドット位置に制約する必要がある。同様に、DP ( M+Q−Q1 )を決める場合、Q1 個のドットOFFは、DP(M−R)においてドットOFF且つDP(M+Q)においてドットONであるドット位置に制約する必要がある。
このように、これからドット配置を決めようとするあるドット数(X個)について上記のような、制約を与えるドット配置について以下のように定義する。
すなわち、既に決定されたあるドット配置に対してドットONの位置を追加する(ドット数を増加させる)方向のドット数のドット配置を求めようとする場合には、当該求めようとするドット数X個から見てドット数が減少する方向でドット数が最も近く、且つ既にドット配置が決定されているものを「Ds 」(初期配置)とする。また、ドット数X個から見てドット数が増加する方向でドット数が最も近く、且つ既にドット配置が決定されているものを「Dr 」(参照ドット配置)とする。
つまり、Dr のドットON位置の集合とDs のドットON位置の集合の差集合の中から、(X−Ds )個のドットのON位置(Ds からの追加分のドットの位置) が決定される。このような制約の下で最適なドット配置を決定するフローチャートが図7に示されている。
或いはまた、既に決定されたあるドット配置に対してドットONの位置を減らす(ドット数を減少させる)方向のドット数のドット配置を求めようとする場合には、当該求めようとするドット数X個から見てドット数が増加する方向でドット数が最も近く、且つ既にドット配置が決定されているものを「Ds 」(初期配置)とする。また、ドット数X個から見てドット数が減少する方向でドット数が最も近く、且つ既にドット配置が決定されているものを「Dr 」(参照ドット配置)とする。
つまり、Ds のドットON位置の集合とDr のドットON位置の集合の差集合の中から、(Ds −X) 個のドットのOFF位置(Ds からの減少分のドットの位置)が決定される(実際の演算では結果的に、Dr に対して追加されるドットONの位置が決定される) 。このような制約の下で最適なドット配置を決定するフローチャートが図8に示されている。
図9に示した演算結果からから更に、上記同様の処理を進めて、図10のように、ドット配置DP ( M−R+R2 −R3 ) ,DP ( M−R+R2 +R4) ,DP ( M+Q−Q1 −Q3 ) ,DP ( M+Q−Q1 +Q4 ) が求められる。例えば、DP (M−R+R2 )からドット数をR4 個増やしてDP ( M−R+R2 +R4)を求める際には、DP ( M−R+R2 ) が初期配置Ds となり、DP ( M+Q−Q1 )が参照ドット配置Dr となる。また、DP ( M+Q−Q1 )からドット数をQ3 個減らしてDP ( M+Q−Q1 −Q3 ) を求める場合には、DP ( M+Q−Q1 )が初期配置Ds となり、DP ( M−R+R2 ) が参照ドット配置Dr となる。
こうして、上記の処理を繰り返すことにより、ドット数の大きいドット配置がそれよりもドット数の小さいドット配置を常に包含する関係を維持して、各ドット数のドット配置が決定される。
最終的には、最小ドット数(1個)から最大ドット数(I×J個)までドットONのドット数が1つずつ増加したドット数ごとのドット配置を決定できる。つまり、上記の[ 手順2] 及び[ 手順3] の処理では、元になったドット配置を基準にして、当該ドット配置に対してドットをON若しくはOFFにする画素位置を決定するため、ドットONのドット数が1だけ違うドット配置を比較すると、ドットONの位置が1つだけ異なることが保証される。
このように、最小ドット数(1個)から最大ドット数(I×J個)までドットONのドット数が1つずつ増加したドット数ごとのドット配置に基づき、新規にドットONになるドット位置に対して閾値を順次(1ずつ増加させて)割り当てることによって、閾値マトリクスを作成することができる。なお、求めようとする閾値マトリクスの画素サイズによって、画素数I,Jを設定すればよい。
次に、図7のフローチャートを説明する。図7は、基準となるドット配置からドットを増やす場合のドット配置の決定手順を示したフローチャートである。同図中図のフローチャートと同一又は類似する工程には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図7に示したフローチャートは、図1のフローチャートにおけるステップS110とステップS118とがそれぞれ、図7のようにステップS110A、ステップS118Aに置き換えられている。
ステップS110Aでは、ドット配置Dの初期値(この場合、図9及び図10で説明した初期配置Ds )を設定するとともに、参照ドット配置Dr を設定する。そして、ドット配置Ds においてドットOFF且つ参照ドット配置Dr においてドットONの位置の中からN個のドットをドットONにする。
すなわち、「初期値Ds のドット数」と、「求めるドット数」(ドット配置を決定しようとしているドット数)、及び参照ドット配置Dr のドット数を比較すると、以下に示す関係、
(Ds のドット数)<(求めるドット数)<(Dr のドット数)…(関係式1)
を有しており、
(求めるドット数)=(Ds のドット数)+N …(関係式2)
である。
図7のステップS118Aにおいて、P1 とP2 を選択する際には、ドット配置Ds でドットOFF且つ参照ドット配置Dr でドットONであるようなドット配置からランダムにドットONの位置P1 と、ランダムにドットOFFの位置P2 を選ぶ。以後の処理は図1で説明したとおりである。
このように、ドットONの可能性のあるドット位置に制約を設けて演算を行うことにより、初期配置Ds と参照ドット配置Dr の両配置に対してドット数の増減によるドット配置の包含関係を維持するようなドット配置を決定することができる。
図8は、基準となるドット配置からドットを減らす場合のドット配置の決定手順を示したフローチャートである。同図中図1のフローチャートと同一又は類似する工程には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図8に示したフローチャートは、図1のフローチャートにおけるステップS110とステップS118とがそれぞれ、図8のようにステップS110B、ステップS118Bに置き換えられている。
ステップS110Bでは、ドット配置Dの初期値(この場合、図9及び図10で説明した初期配置Ds )を設定するとともに、参照ドット配置Dr を設定する。そして、ドット配置Ds においてドットON且つ参照ドット配置Dr においてドットOFFの位置の中からN個のドットをドットOFFにする。
すなわち、「初期値Ds のドット数」と、「求めるドット数」(ドット配置を決定しようとしているドット数)、及び参照ドット配置Dr のドット数を比較すると、以下に示す関係、
(Dr のドット数)<(求めるドット数)<(Ds のドット数)…(関係式3)
を有しており、
(求めるドット数)=(Ds のドット数)−N …(関係式2)
である。
図8のステップS118Bにおいて、P1 とP2 を選択する際には、ドット配置Ds でドットON且つ参照ドット配置Dr でドットOFFであるようなドット配置からランダムにドットONの位置P1 と、ランダムにドットOFFの位置P2 を選ぶ。以後の処理は図1で説明したとおりである。
このように、ドットOFFの可能性のあるドット位置に制約を設けて演算を行うことにより、初期配置Ds と参照ドット配置Dr の両配置に対してドット数の増減によるドット配置の包含関係を維持するようなドット配置を決定することができる。
上述の手法によって、最終的に、ドットONのドット数が1つずつ増加したドット数ごとのドット配置が決定され、このドット数毎のドット配置から閾値マトリクスが作成される。
次に、閾値マトリクスを計算する手順について説明する。
まず、閾値マトリックスを計算する際の順序(すなわち、ドット配置を決める計算を実行していくドット数の順番)を決定する方法について説明する。具体的には、計算を実行する順番にドット数を並べた数列(序列集合R)を作成することになる。
例えば、図10においてドット配置の計算(決定)順が、ドット数M→(M+Q)→(M−R)→(M+Q+Q2) →…であるとすると、序列集合Rは、このドット数を順番に並べた数列{M,M+Q,M−R,M+Q+Q2 ,…}で表される。
以下、図11を参照して、閾値マトリクスを決定する際の順序決定方法の例を説明する。順番の決定方針は、同図(a)に示したように、最もノズル不吐の影響が大きいドット数を一番最初とし、次に一定の自由度(ドット配置を決定する自由度)を確保したドット数だけドットを増加したドットを2番目とする。
続いて、ドット数を増加させる方向で更に一定の自由度(ドット配置を決定する自由度)を確保したドット数だけドットを増やしたドット数を3番目にする(同(b))。
同様にして、ドット数を増加させる(同(c))。そして、ドット数が最大ドット数まで到達したら、今度は1番目の(最初の)ドット数に対してドット数を減少させる方向でドットを減らしていく。
すなわち、同(d)に示すように、1番目のドット数に対して一定の自由度(ドット配置を決定する自由度)を確保したドット数だけドットを減少させたドット数を次(ここでは「5番目」)にする。ドット数を減少させる方向で更に一定の自由度(ドット配置を決定する自由度)を確保したドット数だけドットを減少させたドット数を次にする(図(e))。同様にして、ドット数を減少させ、最小ドット数まで到達したら、今度は既に数列に出てきたドット数を仮にドット数が増加する方向に並べて、飛び飛びになっているドット数のおおよそ中間のドット数を次々に数列に加えて行く(同(f))。
この処理(同(f))を一巡した後に、もう一度、既に数列に出てきたドット数を仮にドット数が増加する方向に並べて、飛び飛びになっているドット数のおおよそ中間のドットを順次数列に加えていく。この作業を全て(最小ドット数から最大ドット数の間)選択するまで繰り返す。
こうして、得られた序列集合Rの順番に沿ってドット配置を計算していく。
図12は閾値マトリクスの計算手順を示したフローチャートである。図示のように、まず、閾値マトリクスを計算する際の順序決定方法(例えば、図11で例示した方法)を用いて、ドット数の順序集合Rを作成する(図12のステップS210)。
次いで、順序集合Rの最初のドット数N0 に基づいて、SAの基本フローチャート(図1で説明済み)を使ってドット配置を決定する(図12のステップS212)。そして、この計算結果(つまり、決定されたドット数N0 のドット配置)をドット配列集合RDに格納する(ステップS214)。
こうして、ドット配置が決定されたら計算済みのドット数N0 を序列集合Rから削除する(ステップS216)。続いて、序列集合Rの中に次のドット数(ドット配置を求めるべきドット数)が残っているか否かを判断し(ステップS218)、残っていれば(YESならば)、序列集合Rの中から次のドット数Nx を取り出す(ステップS220)。
続いて、ドット配列集合RDの中からNx より小さい中で最も大きいドット数に対応するドット配置Du と、Nx より大きい中で最も小さいドット数に対応するドット配置Dv を選ぶ(ステップS222)。このとき、もし、Nx より小さいドット数が存在しない場合は、ドット数がゼロに対応するドット配置( 要するに全てドットOFF) をDu とする。また、もし、Nx より大きいドット数が存在しない場合は、全てのドットがONに相当するドット配置をDu とする。
次に、ステップS224に進む。ステップS224では、上記のステップS222で選択されたドット配置Du を「Ds 」、ドット配置Dv を「Dr 」とみなし、{Nx −(ドット配置Du のドット数)}をNとみなして、図7で説明したフローチャートを用いて、ドット数Nx のときのドット配置DNxを決定する。
ただし、このステップS224は、次のような工程内容に置き換えることができる。すなわち、『ドット配置Du を「Dr 」、ドット配置Dv を「Ds 」とみなし、{(ドット配置Dv のドット数)−Nx }をNとみなして、図8で説明したフローチャートを用いて、ドット数Nx のときのドット配置DNxを決定する。』
そして、ステップS224の計算結果(つまり、決定されたドット数Nx のドット配置)をドット配列集合RDに格納し(ステップS226)、計算済みのドット数Nx を序列集合Rから削除する(ステップS228)。
ステップS228の後は、ステップS218に戻る。序列集合R内の全てのドット数についてドット配置が決定されるまで、ステップS218〜S228の工程が繰り返される。全てのドット数についてドット配置が決定され、序列集合Rから全ての要素(ドット数)が削除されると、ステップS218でNOとなり、処理を終了する。
こうして得られたドット配列集合RDの要素(ドット配置)をドット数順に並べ、新規にドットONになるドット位置に対して閾値を順次(1ずつ増加させて)割り当てることによって、閾値マトリクスを作成する。
上述したドット配置決定方法並びに閾値マトリクスの作成方法はコンピュータを用いて実現することができる。
すなわち、上述したドット配置決定方法並びに閾値マトリクスの作成方法のアルゴリズムをコンピュータに実行させるプログラム(ドット配置決定処理プログラム、或いは、閾値マトリクス作成プログラム)を作成し、このプログラムによってコンピュータを動作させることにより、当該コンピュータをドット配置決定装置並びに閾値マトリクスの作成装置として機能させることができる。
図13はコンピュータのシステム構成例を示すブロック図である。コンピュータ10は、本体12と、ディスプレイ(表示手段)14及びキーボードやマウスなど入力装置(各種の指示を入力するための入力手段)16から構成される。本体12内には中央演算処理装置(CPU)20、RAM22、ROM24、入力装置16からの信号入力を制御する入力制御部26、ディスプレイ14に対して表示用の信号を出力する表示制御部28、ハードディスク装置30、通信インターフェース32、及びメディアインターフェース34などを有し、これら各回路はバス36を介して相互に接続されている。
CPU20は、全体の制御装置及び演算装置(演算手段)として機能する。RAM22は、データの一時記憶領域やCPU20によるプログラム実行時の作業用領域として利用される。ROM24は、CPU20を動作させるブートプログラムや各種設定値・ネットワーク接続情報などを記憶する書き換え可能な不揮発性の記憶手段である。ハードディスク装置30には、オペレーティングシステム(OS)や各種のアプリケーションソフト(プログラム)やデータ等が格納される。
通信インターフェース32は、USBやLAN、Bluetooth など所定の通信方式に従って外部機器や通信ネットワークに接続するための手段である。メディアインターフェース34は、メモリカードや磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスクに代表される外部記憶装置38の読み書き制御を行う手段である。
本発明の実施形態に係るドット配置決定処理プログラムや閾値マトリクス作成プログラムは、ハードディスク装置30、或いは外部記憶装置38に格納されており、必要に応じて当該プログラムが読み出され、RAM22に展開されて実行される。或いは、通信インターフェース32を介して接続される不図示のネットワーク上に設置されたサーバによってプログラムが提供される態様も可能であるし、インターネット上のサーバによって本プログラムによる演算処理サービスを提供するという態様も考えられる。
オペレータは、ディスプレイ14上に表示される不図示のアプリケーションウインドウを見ながら入力装置16を操作して所望のマトリクスサイズや各種初期値(計算を始めるドット数、初期温度など)の設定を入力することができるとともに、演算結果をディスプレイ14上で確認することができる。
次に、上述した閾値マトリクス作成方法によって作成された閾値マトリクスが適用されるインクジェット記録装置の例を説明する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図14は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置110は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェット記録ヘッド(以下、ヘッドという。)112K,112C,112M,112Yを有する印字部112と、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録媒体たる記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、前記印字部112のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送するベルト搬送部122と、印字部112による印字結果を読み取る印字検出部124と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とを備えている。
インク貯蔵/装填部114は、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンクを有し、各タンクは所要の管路を介してヘッド112K,112C,112M,112Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部114は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図14では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録媒体(メディア)を利用可能な構成にした場合、メディアの種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部118から送り出される記録紙116はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部120においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム130で記録紙116に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図14のように、裁断用のカッター(第1のカッター)128が設けられており、該カッター128によってロール紙は所望のサイズにカットされる。なお、カット紙を使用する場合には、カッター128は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙116は、ベルト搬送部122へと送られる。ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図14に示したとおり、ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによって記録紙116がベルト133上に吸着保持される。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方にモータ(図19中符号188)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図14の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。ベルト清掃部136の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組合せなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、ベルト搬送部122に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部112の上流側には、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部112の各ヘッド112K,112C,112M,112Yは、当該インクジェット記録装置110が対象とする記録紙116の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている(図15参照)。
ヘッド112K,112C,112M,112Yは、記録紙116の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド112K,112C,112M,112Yが記録紙116の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
吸着ベルト搬送部122により記録紙116を搬送しつつ各ヘッド112K,112C,112M,112Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙116上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド112K,112C,112M,112Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙116と印字部112を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙116の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組合せについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
図14に示した印字検出部124は、印字部112の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ又はエリアセンサ)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりや着弾位置ずれなどの吐出不良をチェックする手段として機能する。各色のヘッド112K,112C,112M,112Yにより印字されたテストパターン又は実技画像が印字検出部124により読み取られ、各ヘッドの吐出判定が行われる。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部124の後段には後乾燥部142が設けられている。後乾燥部142は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部142の後段には、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置110では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)148によってテスト印字の部分を切り離す。また、図14には示さないが、本画像の排出部126Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド112K,112C,112M,112Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号150によってヘッドを示すものとする。
図16(a) はヘッド150の構造例を示す平面透視図であり、図16(b) はその一部の拡大図である。また、図16(c) はヘッド150の他の構造例を示す平面透視図、図17は1つの液滴吐出素子(1つのノズル151に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図16(a) 中の17−17線に沿う断面図)である。
記録紙116上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド150におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド150は、図16(a),(b) に示したように、インク吐出口であるノズル151と、各ノズル151に対応する圧力室152等からなる複数のインク室ユニット(液滴吐出素子)153を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録紙116の送り方向と略直交する方向に記録紙116の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図16(a) の構成に代えて、図16(c) に示すように、複数のノズル151が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール150’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙116の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル151に対応して設けられている圧力室152は、その平面形状が概略正方形となっており(図16(a),(b) 参照)、対角線上の両隅部の一方にノズル151への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(供給口)154が設けられている。なお、圧力室152の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図17に示したように、各圧力室152は供給口154を介して共通流路155と連通されている。共通流路155はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路155を介して各圧力室152に分配供給される。
圧力室152の一面(図17において天面)を構成している加圧板(共通電極と兼用される振動板)156には個別電極157を備えたアクチュエータ158が接合されている。個別電極157と共通電極間に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ158が変形して圧力室152の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル151からインクが吐出される。なお、アクチュエータ158には、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムなどの圧電体を用いた圧電素子が好適に用いられる。インク吐出後、アクチュエータ158の変位が元に戻る際に、共通流路155から供給口154を通って新しいインクが圧力室152に供給される。
上述した構造を有するインク室ユニット153を図18に示す如く主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
すなわち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット153を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル151が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図18に示すようなマトリクス状に配置されたノズル151を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル151-11 、151-12 、151-13 、151-14 、151-15 、151-16 を1つのブロックとし(他にはノズル151-21 、…、151-26 を1つのブロック、ノズル151-31 、…、151-36 を1つのブロック、…として)、記録紙116の搬送速度に応じてノズル151-11 、151-12 、…、151-16 を順次駆動することで記録紙116の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。すなわち、本実施形態では、記録紙116の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ158の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
〔制御系の説明〕
図19は、インクジェット記録装置110のシステム構成を示すブロック図である。同図に示したように、インクジェット記録装置110は、通信インターフェース170、システムコントローラ172、画像メモリ174、ROM175、モータドライバ176、ヒータドライバ178、プリント制御部180、画像バッファメモリ182、ヘッドドライバ184等を備えている。
通信インターフェース170は、ホストコンピュータ186から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース170にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
ホストコンピュータ186から送出された画像データは通信インターフェース170を介してインクジェット記録装置110に取り込まれ、一旦画像メモリ174に記憶される。画像メモリ174は、通信インターフェース170を介して入力された画像を格納する記憶手段であり、システムコントローラ172を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ174は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ172は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置110の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ172は、通信インターフェース170、画像メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178等の各部を制御し、ホストコンピュータ186との間の通信制御、画像メモリ174及びROM175の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ188やヒータ189を制御する制御信号を生成する。
ROM175には、システムコントローラ172のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。ROM175は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ174は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ176は、システムコントローラ172からの指示に従って搬送系のモータ188を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ178は、システムコントローラ172からの指示に従って後乾燥部142等のヒータ189を駆動するドライバである。
プリント制御部180は、システムコントローラ172の制御に従い、画像メモリ174内の画像データ(元画像のデータ) から印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ184に供給する制御部である。
プリント制御部180には画像バッファメモリ182が備えられており、プリント制御部180における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ182に一時的に格納される。なお、図19において画像バッファメモリ182はプリント制御部180に付随する態様で示されているが、画像メモリ174と兼用することも可能である。また、プリント制御部180とシステムコントローラ172とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
画像入力から印字出力までの処理の流れを概説すると、印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース170を介して外部から入力され、画像メモリ174に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの画像データが画像メモリ174に記憶される。
インクジェット記録装置110では、インク(色材) による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、画像メモリ174に蓄えられた元画像(RGB)のデータは、システムコントローラ172を介してプリント制御部180に送られ、該プリント制御部180において閾値マトリクスを用いたハーフトーン化処理によってインク色ごとのドットデータに変換される。
すなわち、プリント制御部180は、入力されたRGB画像データをK,C,M,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。本発明を適用して作成された閾値マトリクスはプリント制御部180に組み込まれ、上述の元画像からドットデータへの変換処理に使用される。こうして、プリント制御部180で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ182に蓄えられる。
ヘッドドライバ184は、プリント制御部180から与えられる印字データ(すなわち、画像バッファメモリ182に記憶されたドットデータ)に基づき、ヘッド150の各ノズル151に対応するアクチュエータ158を駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ184にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
ヘッドドライバ184から出力された駆動信号がヘッド150に加えられることによって、該当するノズル151からインクが吐出される。記録紙116の搬送速度に同期してヘッド150からのインク吐出を制御することにより、記録紙116上に画像が形成される。
上記のように、プリント制御部180における所要の信号処理を経て生成されたドットデータに基づき、ヘッドドライバ184を介して各ノズルからのインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
印字検出部124は、図14で説明したように、イメージセンサを含むブロックであり、記録媒体116に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつき、光学濃度など)を検出し、その検出結果をプリント制御部180に提供する。なお、この印字検出部124に代えて、又はこれと組み合わせて他の吐出検出手段(吐出異常検出手段に相当)を設けてもよい。
他の吐出検出手段としては、例えば、ヘッド150の各圧力室152内又はその近傍に圧力センサを設け、インク吐出時或いは圧力測定用のアクチュエータ駆動時などに、この圧力センサから得られる検出信号から吐出異常を検出する態様(内部検出方法)、或いは、レーザ発光素子などの光源と受光素子から成る光学検出系を用い、ノズルから吐出された液滴にレーザ光等の光を照射し、その透過光量(受光量)によって飛翔液滴を検出する態様(外部検出方法)などがあり得る。
プリント制御部180は、必要に応じて印字検出部124或いは図示しない他の吐出検出手段から得られる情報に基づいてヘッド150に対する各種補正を行うとともに、必要に応じて予備吐出や吸引、ワイピング等のクリーニング動作(ノズル回復動作)を実施する制御を行う。このクリーニング動作については更に後述する。
上記構成のインクジェット記録装置110によれば、ノズル不吐出が発生した場合にも、ドット抜けによる画質低下の少ない良好な画像を得ることができる。
上記実施形態では、フルライン型の印字ヘッドを用いたインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、図20(a),(b)に示したように、記録媒体(記録紙116その他の印字媒体)216の幅Wm に足りない長さのラインヘッド(以下、印字ヘッド250という。)を用いて、複数回走査して画像形成する場合にも本発明は適用可能である。
なお、図20(a),(b)の印字ヘッド250内に描いた両向き矢印250Aはノズル並び方向とノズル列の長さを模式的に表しており、白抜き矢印252は印字ヘッド走査方向を表している。図20(a)は、1回目の走査の様子を示し、同(b)は走査位置を変えて実施されるN回目(Nは2以上の整数)の走査の様子を示している。
図示のとおり、印字ヘッド250は、その長手方向(ノズル並び方向)が記録媒体216の幅方向に沿って配置され、不図示のヘッド走査手段(キャリッジ、走行ガイドなどの支持機構及びこれを駆動するためのモータ等の駆動手段を含む。)によって印字ヘッド走査方向(白抜き矢印252方向)及び記録媒体216の幅方向(図20において横方向)に移動可能に支持されている。
記録媒体216の幅方向に対する印字ヘッド250の位置(走査位置)を変えながら、印字ヘッド走査方向252に複数回の走査を実施することによって、記録媒体216上に画像が形成される。
なお、ここでは、印字ヘッド250を移動させる例を説明するが、記録媒体216に対して印字ヘッド250を相対的に移動させて走査を行えばよく、記録媒体216側を移動させる態様、或いは印字ヘッド250と記録媒体216の両方の移動を組み合わせて走査を行う態様も可能である。
図20(a),(b)に示したとおり、各走査において、印字ヘッド250はそれぞれ異なる位置を走査するが、これら各走査によって相対的に記録媒体216上を移動したノズルを、図21に示すように、仮想的な記録媒体幅(Wm)のラインヘッド255上の対応する位置のノズルとみなすことによって、印字ヘッド250を記録媒体216の幅Wm に対応する長さのノズル列255Aを有する仮想的なラインヘッド255の一部とみなすことができる。すなわち、この仮想的なラインヘッド(フルライン型ヘッド)255について、既述のフルライン型のヘッド150の実施形態と同様に本発明を適用可能である。
また、図22(a),(b)に示すように、印字ヘッド250をシャトルスキャンして画像を形成する場合も同様に、仮想的なラインヘッドに変換可能であり、本発明のアルゴリズムを適用可能である。
図22(a),(b)中、図20(a),(b)と同一又は類似する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図22(a),(b)において、印字ヘッド250は、その長手方向(ノズル並び方向)が記録媒体216の送り方向(白抜き矢印254で示したメディア送り方向)に沿って配置され、メディア送り方向と略直交する方向に印字ヘッド250が走査される。
印字ヘッド250による走査と、記録媒体216の移動との組み合わせによって、記録媒体216と印字ヘッド250との相対位置を変えながら、複数回の走査を行うことにより、記録媒体216上に画像が形成される。
上記実施の形態では画像記録装置の一例としてインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。インクジェット方式以外では、ラインヘッドを有する熱転写記録装置(サーマル素子を画像記録素子とする装置)、LED電子写真プリンタ、LEDライン露光ヘッドを有する銀塩写真方式プリンタ(LED素子を画像記録素子とする装置)など各種方式の画像形成装置についても本発明を適用することが可能である。
SAを利用したドット配置決定方法の基本アルゴリズムを示したフローチャート ドット配置の例を示した概念図を 2次元パワースペクトラムを計算する座標系を示した図 ある好ましい条件で計算された極座標パワークペクトラムの平均指標(R.A.P.S )の例を示すグラフ 人間の視覚特性(VTF)の一例を示すグラフ ある好ましい条件で計算された極座標パワースペクトラムの分散指標(anisotropy)の例を示すグラフ 基準となるドット配置からドットを増やす場合のドット配置の決定手順を示したフローチャート 基準となるドット配置からドットを減らす場合のドット配置の決定手順を示したフローチャート ドット数の異なるドット配置を順次決定して行く様子を模式的に示した概念図 ドット数の異なるドット配置を順次決定して行く様子を模式的に示した概念図 閾値マトリクスを決定する際の順序決定方法の例を説明するために用いた説明図 閾値マトリクスの計算手順を示したフローチャート 本発明の実施形態によるドット配置決定処理並びに閾値マトリクス作成処理を行うコンピュータのシステム構成例を示すブロック図 本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図 図14に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 インクジェット記録ヘッドの構造例を示す平面透視図 図16(a) の要部拡大図 フルライン型ヘッドの他の構造例を示す平面透視図 図16(a) 中の17−17線に沿う断面図 図16(a) に示したヘッドのノズル配列を示す拡大図 本実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 走査型の印字ヘッドを用いて画像形成する実施形態の一例を示した模式図 複数回走査と仮想的なラインヘッドの関係を示す説明図 走査型の印字ヘッドを用いて画像形成する他の実施形態を示した模式図
符号の説明
10…コンピュータ、12…本体、16…入力装置、14…ディスプレイ、20…CPU、22…RAM、30…ハードディスク装置、110…インクジェット記録装置(画像形成装置に相当)、112…印字部、112K,112C,112M,112Y…ヘッド(記録ヘッドに相当)、116…記録紙(記録媒体に相当)、122…ベルト搬送部(搬送手段に相当)、150…ヘッド、150A…ノズル面、151…ノズル(画像記録素子に相当)、172…システムコントローラ、175…ROM、180…プリント制御部(画像処理手段に相当)

Claims (10)

  1. 所定の画素領域にm個(ただし、mは1以上の整数)のドットを配置する際の配置パターンを決定するドット配置決定方法であって、
    前記m個のドットを前記所定の画素領域内の画素位置に重複なく配置させる配置パターンを可変設定する設定工程と、
    前記設定工程で設定された配置パターンに従って前記所定の画素領域内にm個のドットを配置させて成る網点画像について粒状性及び異方性のうち少なくとも1つを評価する値を含んで構成される画像評価値を演算する第1の画像評価値演算工程と、
    前記所定の画素領域のうち任意の画素列がドット形成不能となった場合に前記設定工程の設定に係る前記配置パターンに従って実現される網点画像について前記画像評価値を演算する第2の画像評価値演算工程と、
    前記第1及び第2の画像評価値演算工程の演算結果から、前記ドット形成不能の発生によって生じる前記画像評価値の変動を表す変動評価値を算出する変動評価値演算工程と、
    前記第1の画像評価値演算工程から得られる前記画像評価値と前記変動評価値演算工程から得られる前記変動評価値を含んで構成される評価値を算出する評価値演算工程と、
    前記評価値演算工程から得られる評価値によって前記設定工程の設定に係る前記配置パターンの画像品質及びドット抜け発生時の画質低下の程度を評価しながら、前記m個のドットを前記所定の画素領域内の画素位置に重複なく配置させる配置パターンの中から最適な配置パターンを決定する組合せ最適化問題を近似的に解くことにより、前記評価値が最良となる配置パターンを求めるドット配置演算工程と、
    を含むことを特徴とするドット配置決定方法。
  2. 前記組合せ最適化問題を近似的に解く最適化手法として、シミュレーテッド・アニーリング(SA)法が用いられることを特徴とする請求項1記載のドット配置決定方法。
  3. 前記画像評価値は、粒状性評価関数と異方性評価関数の線形結合から成るドット評価関数を用いて計算されることを特徴とする請求項1又は2記載のドット配置決定方法。
  4. 前記評価値演算工程は、前記第1の画像評価値演算工程から得られる画像評価値と前記変動評価値演算工程から得られる変動評価値の線形結合から成る評価値を算出することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のドット配置決定方法。
  5. 既に決定されているドット配置のドット数よりも多いドット数のドット配置を決める場合、前記既に決定されているドット配置を維持しつつ、当該決定済みのドット配置におけるドット未配置の画素位置に追加ドット数分のドットを新たに配置する配置パターンが求められる一方、
    既に決定されているドット配置のドット数よりも少ないドット数のドット配置を決める場合、前記既に決定されているドット配置のドット数と、これから決めようとするドット数との差に相当するドット数分のドットを、前記既に決定されているドット配置の中から削減した配置パターンが求められることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載のドット配置決定方法。
  6. 請求項記載のドット配置決定方法を用いて、最小ドット数から最大ドット数までの各ドット数について、それぞれのドット配置を決定し、これら各ドット数のドット配置を要素とするドット配列集合を生成するドット配列集合生成工程と、
    前記ドット配列集合生成工程で得られた前記各ドット数のドット配置を基に、新規にドットが追加配置される画素位置に対応するマトリクス内の画素位置に閾値を順次割り当てることによって閾値マトリクスを作成する閾値マトリクス作成工程と、
    を含むことを特徴とする閾値マトリクスの作成方法。
  7. 請求項1乃至5の何れか1項記載のドット配置決定方法における各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 請求項記載の閾値マトリクスの作成方法における各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  9. 所定の画素領域にm個(ただし、mは1以上の整数)のドットを配置する際の配置パターンを決定する演算を実施するドット配置決定装置であって、
    前記m個のドットを前記所定の画素領域内の画素位置に重複なく配置させる配置パターンを可変設定する設定手段と、
    前記設定手段で設定された配置パターンに従って前記所定の画素領域内にm個のドットを配置させて成る網点画像について粒状性及び異方性のうち少なくとも1つを評価する値を含んで構成される画像評価値を演算する第1の画像評価値演算手段と、
    前記所定の画素領域のうち任意の画素列がドット形成不能となった場合に前記設定手段の設定に係る前記配置パターンに従って実現される網点画像について前記画像評価値を演算する第2の画像評価値演算手段と、
    前記第1及び第2の画像評価値演算手段の演算結果から、前記ドット形成不能の発生によって生じる前記画像評価値の変動を表す変動評価値を算出する変動評価値演算手段と、
    前記第1の画像評価値演算手段から得られる前記画像評価値と前記変動評価値演算手段から得られる前記変動評価値を含んで構成される評価値を算出する評価値演算手段と、
    前記評価値演算手段から得られる評価値によって前記設定手段の設定に係る前記配置パターンの画像品質及びドット抜け発生時の画質低下の程度を評価しながら、前記m個のドットを前記所定の画素領域内の画素位置に重複なく配置させる配置パターンの中から最適な配置パターンを決定する組合せ最適化問題を近似的に解くことにより、前記評価値が最良となる配置パターンを求めるドット配置演算手段と、
    を備えることを特徴とするドット配置決定装置。
  10. 請求項記載の閾値マトリクスの作成方法によって作成された閾値マトリクスを用いてデジタルハーフトーニングを行う画像処理手段と、
    前記画像処理手段で生成されたドットデータに基づいて駆動される複数の画像記録素子が配列された画像記録素子列を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッド及び記録媒体のうち少なくとも一方を搬送して前記記録ヘッドと前記記録媒体を相対移動させる搬送手段と、
    を備えた画像形成装置。
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