JP4038826B2 - 非水電解液二次電池および製造法 - Google Patents

非水電解液二次電池および製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充放電サイクル特性に優れた高容量非水電解液二次電池に関するものであり、負極材料が主として非晶質カルコゲン化合物及び、または非晶質酸化物である放電容量の大きな非水電解液二次電池の充放電サイクル寿命等の充放電特性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
非水電解液二次電池用負極材料としては、リチウム金属やリチウム合金が代表的であるが、それらを用いると充放電中にリチウム金属が樹枝状に成長したいわゆるデンドライトが発生し、内部ショートの原因あるいはデンドライト自体の持つ高い活性のため、発火などの危険をはらんでいた。これに対し、リチウムを可逆的に挿入・放出可能な焼成炭素質材料が実用化されるようになってきた。
炭素質材料は、それ自体が導電性を持つので、過充電や急速充電の際に炭素質材料の上にリチウム金属が析出する場合のあること、更に炭素質材料は密度が比較的小さいため、体積当たりの容量が低いという二重の意味で放電容量が制限されるという欠点があった。
【0003】
近年、平均放電電圧が3〜3.6V級の高放電電位を持ち、高容量の非水電解液二次電池を達成するものとして、負極材料にSn、V、Si、B、Zrなどの酸化物、及び、それらの複合酸化物を用いることが提案されている(特開平5−174818号、同6−60867号、同6−275267号、同6−325765号、同6−338324号、EP−615296号各公開公報)。これらSn、V、Si、B、Zrなどの酸化物、及び、それらの複合酸化物は、ある種のリチウムを含む遷移金属化合物の正極と組み合わせることにより、平均放電電圧が3〜3.6V級で放電容量が大きく、又、実用領域でのデンドライト発生がほとんどなく極めて安全性が高い非水電解液二次電池を与えることがわかった。しかし、これらの電池においても、負極材料の取り扱いによっては充放電サイクルが制約を受けるなどの問題があり、電池の安定製造及び、更に充放電サイクル特性を改良することが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、放電容量の大きな非水電解液二次電池の充放電サイクル特性を向上させること、またこのような非水電解液二次電池の安定な製造法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む負極および正極、リチウム塩を含む非水電解液、セパレーターからなる非水二次電池において、該負極が周期律表1、2、13、14、15族原子から選ばれる三種以上の原子を含む、主として非晶質カルコゲン化合物及び/または非晶質酸化物からなる材料を含み、該負極材料の粒径1μm以下の微細粉が体積分率で1%以下であり、かつ該非水電解液中に二酸化炭素を0.005mol/リットル以上0.2mol/リットル以下含有させることを特徴とする非水電解液二次電池およびその製造法によって達成された。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい形態を以下にげるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む負極および正極、リチウム塩を含む非水電解液、セパレーターからなる非水二次電池において、該負極が周期律表1、2、13、14、15族原子から選ばれる三種以上の原子を含む、主として非晶質カルコゲン化合物及び/または非晶質酸化物からなる材料を含み、該負極材料の粒径1μm以下の微細粉が体積分率で1%以下であり、かつ該非水電解液中に二酸化炭素を0.005mol/リットル以上0.2mol/リットル以下含有させることを特徴とする非水電解液二次電池。
)該非水電解液に含有される支持塩が、少なくともLiPF及び/又はLiBFであることを特徴とする項(1)に記載の非水電解液二次電池。
)該負極材料が、一般式(1)で示されることを特徴とする項(1)又は(2)に記載の非水電解液二次電池。
pMqMr 一般式(1)
(式中、M、Mは相異なりSi、Ge、Sn、Pb、P、B、Al、Sbから選ばれる少なくとも一種、MはLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれる少なくとも一種、MはO、S、Teから選ばれる少なくとも一種、p、qは各々0.001〜10、rは1.00〜50の数字を表す。)
)リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む負極および正極、リチウム塩を含む非水電解液、セパレーターからなる非水二次電池において、該負極が周期律表1、2、13、14、15族原子から選ばれる三種以上の原子を含む、主として非晶質カルコゲン化合物及び/または非晶質酸化物からなる材料を含み、該負極材料の粒径1μm以下の微細粉が体積分率で1%以下であり、かつ該非水電解液を該非水二次電池に注液する前にあらかじめ二酸化炭素含有ガスと接触させて、非水電解液に0.005mol/リットル以上0.2mol/リットル以下の二酸化炭素を含有させることを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
該非水電解液に二酸化炭素を含有させる方法が、該非水電解液を該非水二次電池に注液する前に、あらかじめ圧力容器内で加圧された二酸化炭素含有ガスと接触させる方法であることを特徴とする項(4)に記載の非水電解液二次電池の製造方法。
)リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む負極および正極、リチウム塩を含む非水電解液、セパレーターからなる非水二次電池において、該負極が周期律表1、2、13、14、15族原子から選ばれる三種以上の原子を含む、主として非晶質カルコゲン化合物及び/または非晶質酸化物からなる材料を含み、該負極材料の粒径1μm以下の微細粉が体積分率で1%以下であり、かつ非水電解液を注液後、封口前に電池を二酸化炭素含有ガスと接触させて、非水電解液に0.005mol/リットル以上0.2mol/リットル以下の二酸化炭素を含有させることを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
該非水電解液に二酸化炭素を含有させる方法が、非水電解液を注液後、封口前に電池を圧力容器内で加圧された二酸化炭素含有ガスと接触させる方法であることを特徴とする項(6)に記載の非水電解液二次電池の製造方法。
)リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む負極および正極、リチウム塩を含む非水電解液、セパレーターからなる非水二次電池において、該負極が周期律表1、2、13、14、15族原子から選ばれる三種以上の原子を含む、主として非晶質カルコゲン化合物及び/または非晶質酸化物からなる材料を含み、該負極材料の粒径1μm以下の微細粉が体積分率で1%以下であり、かつ該非水二次電池の封口時に、電池内に二酸化炭素含有ガスを封入して、非水電解液に0.005mol/リットル以上0.2mol/リットル以下の二酸化炭素を含有させることを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
【0008】
電池内に炭酸ガスを封入することは従来より知られている。例えば、特開平7−176323号公開公報では、リチウム金属やリチウム合金負極の表面に生成する電池反応阻害物である水酸化リチウム皮膜の生成防止に有用であることが記載され、特開平7−249431号、同6−140077号公開公報等では、電池に発熱などの異常が発生したときに安全弁を確実に開放させるために、炭酸ガスや炭酸ガスを発生する化合物の内蔵が有効であることが記載されている。
本発明者らは、鋭意研究の結果、本発明の非晶質カルコゲン化合物及び、または非晶質酸化物を負極材料に用いた場合の充放電サイクル性のばらつきが、電解液等に二酸化炭素ガスを含ませることによって改善されることを見いだし、上記発明に至った。前述の負極材料を用いた場合サイクル特性がばらつく原因としては、負極材料の微細粉が電解液の分解を促進したり、焼成時の未反応原料が負極材料粒子に沈積してサイクル特性を劣化させることが考えられているが、二酸化炭素ガスの存在がこれらを防止する機構はわかっていない。
【0009】
本発明において非水電解液に二酸化炭素を含有させることにより非水電解液二次電池の高容量を損なうことなく充放電サイクル特性を向上させることができる。
本発明において非水電解液中に二酸化炭素を含有(溶解)させる方法としては、あらかじめ非水電解液を電池内に注液前に二酸化炭素含有ガスと接触させて含有させる方法、注液後、電池封口前に二酸化炭素含有ガスと接触させて含有させる方法、電池封口時に電池内に二酸化炭素含有ガスを封入し、封口後に電池内で二酸化炭素含有ガスを含有させる方法のいずれでもよく、またこれらを組み合わせて使用することもできる。
【0010】
あらかじめ非水電解液を二酸化炭素ガスと接触させる方法としては、二酸化炭素含有ガスを散気管などを通して非水電解液中にバッチ式で導入する方法、濡れ壁塔や充てん塔、気泡塔を通して連続的に導入する方法のいずれによることもできる。
また、圧力容器内で加圧した二酸化炭素含有ガスと接触させる方法も効果的である。
【0011】
注液後、電池封口前に二酸化炭素ガスと接触させる方法としては、電池内の非水電解液中に直接二酸化炭素含有ガスを導入して接触させる方法、電池上部に二酸化炭素含有ガスを導入して電解液液面で二酸化炭素含有ガスを導入して接触させる方法、圧力容器内で加圧二酸化炭素含有ガスと接触させる方法のいずれでもよい。
【0012】
電池封口時に電池内に二酸化炭素含有ガスを封入する方法としては、二酸化炭素含有ガス雰囲気下で封口することにより達成される。
これらに使用する二酸化炭素含有ガスとしては、純二酸化炭素ガス、二酸化炭素を含む混合ガスのいずれでもよいが、極力水分を含まないものが好ましく、露点-40℃以下であることが好ましく、-50 ℃以下であることが特に好ましい。混合ガスとしては、空気、酸素等との混合ガス、窒素、アルゴン等不活性ガスとの混合ガス等を使用することができる。
非水電解液中に含有させる二酸化炭素の量としては0.005mol/リットル以上0.2mol/リットル以下が好ましく、0.01mol/リットル/以上0.1mol/リットル以下が特に好ましい。電解液中の二酸化炭素の濃度は、GC法(ガスクロマトグラフィー法)によって測定することができる。二酸化炭素の量は少なすぎると充放電サイクル特性改善への効果が十分でなく、多すぎると電池の使用時に、外気温の上昇により電池内圧上昇などの問題が発生し好ましくない。
【0013】
電解液は、一般に、溶媒と、その溶媒に溶解する支持塩から構成され、リチウム塩(アニオンとリチウムカチオン)が好ましい。
本発明で使用できる電解液の溶媒 溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ギ酸メチル、酢酸メチル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの一種または二種以上を混合して使用する。なかでは、カーボネート系の溶媒が好ましく、環状カーボネート及び/または非環状カーボネートを含ませたものが好ましい。環状カーボネートとしてはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートをが好ましい。また、非環状カーボネートとしたは、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートを含ませることが好ましい。
【0014】
本発明で使用出来るこれらの溶媒に溶解するリチウム塩としては、例えば、LiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiAlCl4 、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどのLi塩を上げることが出来、これらの一種または二種以上を混合して使用することができる。なかでもLiBF4 、LiPF6 、LiCF3 SO3 の一種または二種以上を混合して溶解したものが好ましい。LiBF4 、LiCF3 SO3 の一種または二種とLiPF6 を混合したものが特に好ましい。
支持塩の濃度は、特に限定されないが、電解液1リットル当たり0.2〜3モルが好ましい。
本発明で使用できる電解液としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネートあるいはジエチルカーボネートを適宜混合した電解液にLiCF3 SO3 、LiClO4 、LiBF4および/あるいはLiPF6 を含む電解液が好ましい。特にプロピレンカーボネートあるいはエチレンカーボネートと1、2−ジメトキシエタン及び/あるいはジエチルカーボネートとの混合溶媒にLiCF3 SO3 、LiClO4 、LiBF4 および/あるいはLiPF6 を含む電解液が好ましく、特に、少なくともエチレンカーボネートとLiPF6 を含むものが好ましい。
これら電解液を電池内に添加する量は、特に限定されないが、正極活物質や負極材料の量や電池のサイズによって必要量用いることができる。
【0015】
以下、本発明の非水電解液二次電池を作るための他の材料と製造方法について詳述する。本発明の非水電解液二次電池に用いられる正・負極は、正極合剤あるいは負極合剤を集電体上に塗設して作ることが出来る。正極あるいは負極合剤には、それぞれ正極活物質あるいは負極材料のほか、それぞれに導電剤、結着剤、分散剤、フィラー、イオン導電剤、圧力増強剤や各種添加剤を含むことができる。
【0016】
本発明で用いられる負極材料は、電池組み込み時に主として非晶質であることが好ましい。ここで言う主として非晶質とはCuKα線を用いたX線回折法で2θ値で20°から40°に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物であり、結晶性の回折線を有してもよい。好ましくは2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の500倍以下であることが好ましく、さらに好ましくは100倍以下であり、特に好ましくは5倍以下であり、最も好ましくは 結晶性の回折線を有さないことである。
【0017】
本発明で用いられる負極材料は下記一般式(1)で表されることが好ましい。
1 2pM4qM6r 一般式(1)
式中、M1 、M2 は相異なりSi、Ge、Sn、Pb、P、B、Al、Sbから選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはSi、Ge、Sn、P、B、Alであり、特に好ましくはSi、Sn、P、B、Alである。M4 はLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはK、Cs、Mg、Caで、特に好ましくはCs、Mgである。M6 はO、S、Teから選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはO、Sであり、特に好ましくはOである。p 、q は各々0.001〜10であり、好ましくは0.01〜5であり、特に好ましくは0.01〜2である。rは1.00〜50であり、好ましくは1.00〜26であり、特に好ましくは1.02〜6である。M1 、M2 の価数は特に限定されることはなく、単独価数であっても、各価数の混合物であっても良い。またM1 、M2 、M4 の比はM2 およびM4 がM1 に対して0.001〜10モル当量の範囲において連続的に変化させることができ、それに応じM6 の量(一般式(1)において、r の値)も連続的に変化する。
【0018】
上記に挙げた化合物の中でも、本発明においてはM1 がSnである場合が好ましく、一般式(2)で表される。
SnM3pM5qM7r 一般式(2)
式中、M3 はSi 、Ge 、Pb 、P、B、Alから選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはSi 、Ge 、P、B、Alであり、特に好ましくはSi 、P、B、Alである。M5 はLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはCs、Mgで、特に好ましくはMgである。M7 はO、Sから選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはOである。p 、q は各々0.001〜10であり、好ましくは0.01〜5であり、さらに好ましくは0.01〜1.5であり、特に好ましくは0.7〜1.5である。r は1.00〜50であり、好ましくは1.00〜26であり、特に好ましくは1.02〜6である。
【0019】
本発明の負極材料の例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
SnAl0.4 0.5 0.5 0.1 3.65、SnAl0.4 0.5 0.5 Na0.2 3.7 、SnAl0.4 0.3 0.5 Rb0.2 3.4 、SnAl0.4 0.5 0.5 Cs0.1 3.65
SnAl0.4 0.5 0.5 0.1 Ge0.053.85
SnAl0.4 0.5 0.5 0.1 Mg0.1 Ge0.023.83
SnAl0.4 0.4 0.4 3.2 、SnAl0.3 0.5 0.2 2.7 、SnAl0.3 0.5 0.2 2.7 、SnAl0.4 0.5 0.3 Ba0.08Mg0.083.26
SnAl0.4 0.4 0.4 Ba0.083.28、SnAl0.4 0.5 0.5 3.6
SnAl0.4 0.5 0.5 Mg0.1 3.7
【0020】
SnAl0.5 0.4 0.5 Mg0.1 0.2 3.65
SnB0.5 0.5 Li0.1 Mg0.1 0.2 3.05
SnB0.5 0.5 0.1 Mg0.1 0.2 3.05
SnB0.5 0.5 0.05Mg0.050.1 3.03
SnB0.5 0.5 0.05Mg0.1 0.2 3.03
SnAl0.4 0.5 0.5 Cs0.1 Mg0.1 0.2 3.65
SnB0.5 0.5 Cs0.05Mg0.050.1 3.03
SnB0.5 0.5 Mg0.1 0.1 3.05、SnB0.5 0.5 Mg0.1 0.2 3 、SnB0.5 0.5 Mg0.1 0.063.07、SnB0.5 0.5 Mg0.1 0.143.03
SnPBa0.083.58、SnPK0.1 3.55、SnPK0.05Mg0.053.58、SnPCs0.1 3.55、SnPBa0.080.083.54、SnPK0.1 Mg0.1 0.2 3.55、SnPK0.05Mg0.050.1 3.53、SnPCs0.1 Mg0.1 0.2 3.55、SnPCs0.05Mg0.050.1 3.53
【0021】
Sn1.1 Al0.4 0.2 0.6 Ba0.080.083.54
Sn1.1 Al0.4 0.2 0.6 Li0.1 0.1 Ba0.1 0.1 3.65、Sn1.1 Al0.4 0.4 0.4 Ba0.083.34、Sn1.1 Al0.4 PCs0.054.23、Sn1.1 Al0.4 PK0.054.23、Sn1.2 Al0.5 0.3 0.4 Cs0.2 3.5
Sn1.2 Al0.4 0.2 0.6 Ba0.083.68
Sn1.2 Al0.4 0.2 0.6 Ba0.080.083.64
Sn1.2 Al0.4 0.2 0.6 Mg0.04Ba0.043.68
Sn1.2 Al0.4 0.3 0.5 Ba0.083.58
Sn1.3 Al0.3 0.3 0.4 Na0.2 3.3
Sn1.3 Al0.2 0.4 0.4 Ca0.2 3.4
Sn1.3 Al0.4 0.4 0.4 Ba0.2 3.6 、Sn1.4 Al0.4 PK0.2 4.6 、Sn1.4 Al0.2 Ba0.1 PK0.2 4.45、Sn1.4 Al0.2 Ba0.2 PK0.2 4.6
Sn1.4 Al0.4 Ba0.2 PK0.2 Ba0.1 0.2 4.9
Sn1.4 Al0.4 PK0.3 4.65、Sn1.5 Al0.2 PK0.2 4.4 、Sn1.5 Al0.4 PK0.1 4.65
Sn1.5 Al0.4 PCs0.054.63
Sn1.5 Al0.4 PCs0.05Mg0.1 0.2 4.63
【0022】
SnSi0.5 Al0.1 0.2 0.1 Ca0.4 3.1 、SnSi0.4 Al0.2 0.4 2.7 、SnSi0.5 Al0.2 0.1 0.1 Mg0.1 2.8 、SnSi0.6 Al0.2 0.2 2.8
SnSi0.5 Al0.3 0.4 0.2 3.55、SnSi0.5 Al0.3 0.4 0.5 4.30、SnSi0.6 Al0.1 0.1 0.3 3.25、SnSi0.6 Al0.1 0.1 0.1 Ba0.2 2.95
SnSi0.6 Al0.1 0.1 0.1 Ca0.2 2.95
SnSi0.6 Al0.4 0.2 Mg0.1 3.2 、SnSi0.6 Al0.1 0.3 0.1 3.05、SnSi0.6 Al0.2 Mg0.2 2.7 、SnSi0.6 Al0.2 Ca0.2 2.7 、SnSi0.6 Al0.2 0.2 3 、SnSi0.6 0.2 0.2 3 、SnSi0.8 Al0.2 2.9 、SnSi0.8 Al0.3 0.2 0.2 3.85
SnSi0.8 0.2 2.9 、SnSi0.8 Ba0.2 2.8 、SnSi0.8 Mg0.2 2.8 、SnSi0.8 Ca0.2 2.8 、SnSi0.8 0.2 3.1
【0023】
Sn0.9 Mn0.3 0.4 0.4 Ca0.1 Rb0.1 2.95
Sn0.9 Fe0.3 0.4 0.4 Ca0.1 Rb0.1 2.95
Sn0.8 Pb0.2 Ca0.1 0.9 3.35、Sn0.3 Ge0.7 Ba0.1 0.9 3.35、Sn0.9 Mn0.1 Mg0.1 0.9 3.35、Sn0.2 Mn0.8 Mg0.1 0.9 3.35、Sn0.7 Pb0.3 Ca0.1 0.9 3.35、Sn0.2 Ge0.8 Ba0.1 0.9 3.35
【0024】
上記焼成されて得られた化合物の化学式は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の重量差から算出できる。
本発明の負極材料への軽金属挿入量は、その軽金属の析出電位に近似するまででよいが、例えば、負極材料当たり50〜700モル%が好ましいが、特に、100〜600モル%が好ましい。その放出量は挿入量に対して多いほど好ましい。軽金属の挿入方法は、電気化学的、化学的、熱的方法が好ましい。電気化学的方法は、正極活物質に含まれる軽金属を電気化学的に挿入する方法や軽金属あるいはその合金から直接電気化学的に挿入する方法が好ましい。化学的方法は、軽金属との混合、接触あるいは、有機金属、例えば、ブチルリチウム等と反応させる方法がある。電気化学的方法、化学的方法が好ましい。該軽金属はリチウムあるいはリチウムイオンが特に好ましい。
【0025】
本発明においては、以上示したような一般式(1)、(2)で示される化合物を主として負極材料として用いることにより、より充放電サイクル特性の優れた、かつ高い放電電圧、高容量で安全性が高く、高電流特性が優れた非水電解液二次電池を得ることができる。本発明において、特に優れた効果を得ることができるのはSnを含有し且つSnの価数が2価で存在する化合物を負極材料として用いることである。Snの価数は化学滴定操作によって求めることができる。例えばPhysics and Chemistry of Glasses Vol.8 No.4 (1967)の165頁に記載の方法で分析することができる。また、Snの固体核磁気共鳴(NMR)測定によるナイトシフトから決定することも可能である。例えば、幅広測定において金属Sn(0価のSn)はSn(CH3 4 に対して7000ppm付近と極端に低磁場にピークが出現するのに対し、SnO(=2価)では100ppm付近、SnO2 (=4価)では−600ppm付近に出現する。このように同じ配位子を有する場合ナイトシフトが中心金属であるSnの価数に大きく依存するので、11 Sn−NMR測定で求められたピーク位置で価数の決定が可能となる。
【0026】
本発明の負極材料に各種化合物を含ませることができる。例えば、遷移金属(Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、ランタノイド系金属、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg)や周期表17族元素(F、Cl)を含ませることができる。また電子伝導性をあげる各種化合物(例えば、Sb、In、Nbの化合物)のドーパントを含んでもよい。添加する化合物の量は0〜20モル%が好ましい。
【0027】
本発明における一般式(1)(2)で示される酸化物を主体とする複合酸化物の合成法は焼成法、溶液法いずれの方法も採用することができる。
例えば焼成法について詳細に説明するとM1 化合物、M2 化合物とM4 化合物(M1 、M2 は相異なりSi、Ge、Sn、Pb、P、B、Al、Sb、M4 はMg、Ca、Sr、Ba)を混合し、焼成せしめればよい。Sn化合物としてはたとえばSnO、SnO2 、Sn2 3 、Sn3 4 、Sn7 13・H2 O、Sn8 15、水酸化第一錫、オキシ水酸化第二錫、亜錫酸、蓚酸第一錫、燐酸第一錫、オルト錫酸、メタ錫酸、パラ錫酸、弗化第一錫、弗化第二錫、塩化第一錫、塩化第二錫、ピロリン酸第一錫、リン化錫、硫化第一錫、硫化第二錫、等を挙げることができる。
Si化合物としてはたとえばSiO2 、SiO、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン等の有機珪素化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、トリクロロハイドロシラン等のハイドロシラン化合物を挙げることができる。
Ge化合物としてはたとえばGeO2 、GeO、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド等のアルコキシゲルマニウム化合物等を挙げることができる。
【0028】
Pb化合物としてはたとえばPbO2 、PbO、Pb2 3 、Pb3 4 、硝酸鉛、炭酸鉛、蟻酸鉛、酢酸鉛、四酢酸鉛、酒石酸鉛、鉛ジエトキシド、鉛ジ(イソプロポキシド)等を挙げることができる。
P化合物としてはたとえば五酸化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リン、三臭化リン、トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリン酸、ピロリン酸第一錫、リン酸ホウ素等を挙げることができる。
B化合物としてはたとえば三二酸化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、炭化ホウ素、ほう酸、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリプロピル、ほう酸トリブチル、リン化ホウ素、リン酸ホウ素等を挙げることができる。
Al化合物としてはたとえば酸化アルミニウム(α−アルミナ、β−アルミナ)、ケイ酸アルミニウム、アルミニウムトリ−iso−プロポキシド、亜テルル酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ホウ化アルミニウム、リン化アルミニウム、リン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ほう酸アルミニウム、硫化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ホウ化アルミニウム等を挙げることができる。
Sb化合物としてはたとえば三酸化二アンチモン、トリフェニルアンチモン等を挙げることができる。
Mg、Ca、Sr、Ba化合物としては、各々の酸化塩、水酸化塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、アルミニウム化合物等を挙げることができる。
【0029】
焼成条件としては、昇温速度として昇温速度毎分4℃以上2000℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは6℃以上2000℃以下である。とくに好ましくは10℃以上2000℃以下であり、かつ焼成温度としては250℃以上1500℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは350℃以上1500℃以下であり、とくに好ましくは500℃以上1500℃以下であり、かつ焼成時間としては0.01時間以上100時間以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.5時間以上70時間以下であり、とくに好ましくは1時間以上20時間以下であり、かつ降温速度としては毎分2℃以上107 ℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは4℃以上107 ℃以下であり、とくに好ましくは6℃以上107 ℃以下であり、特に好ましくは10℃以上107 ℃以下である。
本発明における昇温速度とは「焼成温度(℃表示)の50%」から「焼成温度(℃表示)の80%」に達するまでの温度上昇の平均速度であり、本発明における降温速度とは「焼成温度(℃表示)の80%」から「焼成温度(℃表示)の50%」に達するまでの温度降下の平均速度である。
【0030】
降温は焼成炉中で冷却してもよくまた焼成炉外に取り出して、例えば水中に投入して冷却してもよい。またセラミックスプロセッシング(技報堂出版 1987)217頁記載のgun法・Hammer−Anvil法・slap法・ガスアトマイズ法・プラズマスプレー法・遠心急冷法・melt drag法などの超急冷法を用いることもできる。またニューガラスハンドブック(丸善 1991)172頁記載の単ローラー法、双ローラ法を用いて冷却してもよい。焼成中に溶融する材料の場合には、焼成中に原料を供給しつつ焼成物を連続的に取り出してもよい。焼成中に溶融する材料の場合には融液を攪拌することが好ましい。焼成ガス雰囲気は好ましくは酸素含有率が5体積%以下の雰囲気であり、さらに好ましくは不活性ガス雰囲気である。不活性ガスとしては例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等が挙げられる。
【0031】
本発明で用いられる一般式(1)(2)で示される化合物の平均粒子サイズは、1.0〜30μmが好ましく、2.0〜20μmが特に好ましい。所定の粒子サイズにするには、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことが出来る。所望の粒径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機、水ひなどを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。特に本発明においては、粒径1μm以下の微細粉をできる限り除くことが好ましい。混入する微細は体積分率で3%以下、より好ましくは1%以下である。上記の負極材料粒子から、未反応の原料等を除くために、該粒子を水洗したり、有機溶媒、含水有機溶媒で洗浄したりしてもよい。水や有機溶媒は、適当な塩類でそのpHが調節されていてもよい。
【0032】
本発明で用いられるより好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極材料としては、リチウム化合物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少なくとも1種)の合計のモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成することが好ましい。本発明で用いられるとくに好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極材料としては、リチウム化合物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1種)の合計のモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成することが好ましい。
本発明で用いられるとくに好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極材料とは、Lix QOy (ここでQは主として、その少なくとも一種がCo、Mn、Ni、V、Feを含む遷移金属)、x=0.2〜1.2、y=1.4〜3)であることが好ましい。Qとしては遷移金属以外にAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを混合してもよい。混合量は遷移金属に対して0〜30モル%が好ましい。
【0033】
本発明で用いられるさらに好ましいリチウム含有金属酸化物正極材料としては、Lix CoO2 、Lix NiO2 、Lix MnO2 、Lix Coa Ni1-a 2 、Lix Cob 1-b z 、Lix Cob Fe1-b 2 、Lix Mn2 4 、Lix Mnc Co2-c 4 、Lix Mnc Ni2-c 4 、Lix Mnc 2-c 4 、Lix Mnc Fe2-c 4 (ここでx=0.7〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.96、z=2.01〜2.3)があげられる。
本発明で用いられる最も好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極材料としては、Lix CoO2 、Lix NiO2 、Lix MnO2 、Lix Coa Ni1-a 2 、Lix Mn2 4 、Lix Cob 1-b z (ここでx=0.7〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9〜0.98、z=2.01〜2.3)があげられる。
ここで、上記のx値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
【0034】
本発明で使用出来る導電性の炭素化合物としては、構成された電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。具体例としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛、石油コークス、石炭コークス、セルロース類、糖類、メソフェーズピッチ等の高温焼成体、気相成長黒鉛等の人工黒鉛等のグラファイト類、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類、アスフェルトピッチ、コールタール、活性炭、メソフューズピッチ、ポリアセン等をあげることが出来る。これらの中では、グラファイトやカーボンブラックが好ましい。炭素系以外の導電剤として、金属繊維等の導電性繊維類、銅、ニッケル、アルミニウム、銀等の金属粉類、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類、酸化チタン等の導電性金属酸化物等を単独またはこれらの混合物を必要に応じて含ませることが出来る。導電剤の合剤層への添加量は、負極材料または正極材料に対し6〜50重量%であることが好ましく、特に6〜30重量%であることが好ましい。カーボンや黒鉛では、6〜20重量%であることが特に好ましい。
【0035】
本発明で用いる電極合剤を保持するための結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーを一種またはこれらの混合物を用いることが出来る。好ましい結着剤としては、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸Na、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸Na、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレンーマレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2ーエチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、アクリロニトリルーブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンを挙げることが出来る。特にポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。
これらの結着剤は単独または混合して用いることが出来る。その結着剤の添加量は、少ないと電極合剤の保持力・凝集力が弱くまたサイクル性が悪く、多すぎると電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位重量あたりの容量が減少し、さらに導電性が低下し、容量は減少する。結着剤の添加量は、特に限定されないが、1〜30重量%が好ましく、特に2〜10重量%が好ましい。
【0036】
本発明の負極合剤または正極合剤ペーストの調整は、水系で行うことが好ましい。
合剤ペーストの調整は、まず活物質および導電剤を混合し、結着剤(樹脂粉体のサスペンジョンまたはエマルジョン(ラテックス)状のもの)および水を加えて混練混合し、引続いて、ミキサー、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリミキサー、ペイントシェイカー、サンドミル等の攪拌混合機、分散機で分散して行うことが出来る。
調整された正極活物質や負極活物質の合剤ペーストは、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。塗布は種々の方法で行うことが出来るが、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法を挙げることが出来る。ブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が好ましい。塗布は、0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、合剤ペーストの液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることが出来る。その塗布層の厚み、長さや巾は、電池の大きさにより決められるが、塗布層の厚みは、乾燥後圧縮された状態で、1〜2000μmが特に好ましい。
【0037】
ペレットやシートの水分除去のための乾燥又は脱水方法としては、一般に採用されている方法を利用することができ、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせて用いることが出来る。温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解液ではそれぞれ500ppm以下にすることが充放電サイクル性の点で好ましい。
【0038】
シート状の電極合剤の圧縮は、一般に採用されているプレス方法を用いることが出来るが、特に金型プレス法やカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特に限定されないが、10kg/cm2 〜3t/cm2 が好ましい。カレンダープレス法のプレス速度は、0.1〜50m/分が好ましい。プレス温度は、室温〜200℃が好ましい。
【0039】
本発明で使用できる正極及び負極の支持体即ち集電体は、材質として、正極にはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金であり、負極には銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金であり、形態としては、箔、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金網である。特に、正極にはアルミニウム箔、負極には銅箔が好ましい。
【0040】
本発明で使用できるセパレータは、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄膜であれば良く、材質として、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリイミド、ナイロン、ガラス繊維、アルミナ繊維が用いられ、形態として、不織布、織布、微孔性フィルムが用いられる。特に、材質として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合体、ポリプロピレンとテフロンの混合体、ポリエチレンとテフロンの混合体が好ましく、形態として微孔性フィルムであるものが好ましい。特に、孔径が0.01〜1μm、厚みが5〜50μmの微孔性フィルムが好ましい。
【0041】
電池の形状はボタン、コイン、シート、シリンダー、角などのいずれにも適用できる。電池は、ペレット、シート状あるいはセパレーターと共に巻回した電極を電池缶に挿入し、缶と電極を電気的に接続し、電解液を注入し封口して形成する。この時、安全弁を封口板として用いることができる。更に電池の安全性を保証するためにPTC素子を用いるのが好ましい。
【0042】
本発明で使用できる有底電池外装缶は材質としてニッケルメッキを施した鉄鋼板、ステンレス鋼板(SUS304、SUS304L,SUS304N、SUS316、SUS316L、SUS430、SUS444等)、ニッケルメッキを施したステンレス鋼板(同上)、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、チタン、銅であり、形状として、真円形筒状、楕円形筒状、正方形筒状、長方形筒状である。特に、外装缶が負極端子を兼ねる場合は、ステンレス鋼板、ニッケルメッキを施した鉄鋼板が好ましく、外装缶が正極端子を兼ねる場合は、ステンレス鋼板、アルミニウムまたはその合金が好ましい。
【0043】
該シート状の合剤電極は、巻いたり、折ったりして缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電解液を注入し、封口板を用いて電池缶を形成する。このとき、安全弁を封口板として用いることが出来る。安全弁の他、従来から知られている種々の安全素子を備えつけても良い。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子等が用いられる。また、安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法を利用することが出来る。また、充電機に過充電や過放電対策を組み込んだ回路を具備させても良い。
【0044】
電解液は、全量を1回で注入してもよいが、2段階以上に分けて行うことが好ましい。2段階以上に分けて注入する場合、それぞれの液は同じ組成でも、違う組成(例えば、非水溶媒あるいは非水溶媒にリチウム塩を溶解した溶液を注入した後、前記溶媒より粘度の高い非水溶媒あるいは非水溶媒にリチウム塩を溶解した溶液を注入)でも良い。また、電解液の注入時間の短縮等のために、電池缶を減圧(好ましくは500〜1 torr 、より好ましくは400〜10 torr )したり、電池缶に遠心力や超音波をかけることを行ってもよいが、いずれの場合も電解液中に溶解させた二酸化炭素を放散させすぎないことが好ましい。特に減圧を利用して注液を行った場合には、先記のような、注液後に二酸化炭素含有ガスと接触させる方法を用いることが好ましい。
【0045】
缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や合金を用いることが出来る。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウム等の金属あるいはそれらの合金が用いられる。キャップ、缶、シート、リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることが出来る。封口用シール剤は、アスファルト等の従来から知られている化合物や混合物を用いることが出来る。
【0046】
本発明で使用できるガスケットは、材質として、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリイミド、ポリアミドであり、耐有機溶媒性及び低水分透過性から、オレフィン系ポリマーが好ましく、特にプロピレン主体のポリマーが好ましい。さらに、プロピレンとエチレンのブロック共重合ポリマーであることが好ましい。
【0047】
本発明の電池は必要に応じて外装材で被覆される。外装材としては、熱収縮チューブ、粘着テープ、金属フィルム、紙、布、塗料、プラスチックケース等がある。また、外装の少なくとも一部に熱で変色する部分を設け、使用中の熱履歴がわかるようにしても良い。
本発明の電池は必要に応じて複数本を直列及び/または並列に組み電池パックに収納される。電池パックには正温度係数抵抗体、温度ヒューズ、ヒューズ及び/または電流遮断素子等の安全素子の他、安全回路(各電池及び/または組電池全体の電圧、温度、電流等をモニターし、必要なら電流を遮断する機能を有す回路)を設けても良い。また電池パックには、組電池全体の正極及び負極端子以外に、各電池の正極及び負極端子、組電池全体及び各電池の温度検出端子、組電池全体の電流検出端子等を外部端子として設けることもできる。また電池パックには、電圧変換回路(DC−DCコンバータ等)を内蔵しても良い。また各電池の接続は、リード板を溶接することで固定しても良いし、ソケット等で容易に着脱できるように固定しても良い。さらには、電池パックに電池残存容量、充電の有無、使用回数等の表示機能を設けても良い。
【0048】
本発明の電池は様々な機器に使用される。特に、ビデオムービー、モニター内蔵携帯型ビデオデッキ、モニター内蔵ムービーカメラ、コンパクトカメラ、一眼レフカメラ、レンズ付きフィルム、ノート型パソコン、ノート型ワープロ、電子手帳、携帯電話、コードレス電話、ヒゲソリ、電動工具、電動ミキサー、自動車等に使用されることが好ましい。
【0049】
【実施例】
以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例8〜10は、参考例である。
【0050】
〔正極合剤ペーストの作成例〕
正極活物質;LiCoO2 (炭酸リチウムと四酸化三コバルトと3:2のモル比で混合したものをアルミナるつぼにいれ、空気中、毎分2℃で750℃に昇温し4時間仮焼した後、さらに毎分2℃の速度で900℃に昇温しその温度で8時間焼成し解砕したもの。中心粒子サイズ5μm、洗浄品50gを100mlの水に分散した時の分散液の電導度は0.6mS/m、pHは10.1、窒素吸着法による比表面積は0.42m2 /g)を200gとアセチレンブラック10gとを、ホモジナイザーで混合し、続いて結着剤として2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とアクリロニトリルの共重合体の水分散物(固形分濃度50重量%)を8g、濃度2重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液を60gを加え混練混合し、さらに水を50gを加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、正極合剤ペーストを作成した。
〔負極合剤ペーストの作成例〕
負極活物質A;SnGe0.1 0.5 0.58Mg0.1 0.1 3.35(一酸化錫6.7g、ピロリン酸錫10.3g、三酸化二硼素1.7g、炭酸カリウム0.7g、酸化マグネシウム0.4g、二酸化ゲルマニウム1.0gを乾式混合し、アルミナ製るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下15℃/分で1000℃まで昇温し、1100℃で12時間焼成した後、10℃/分で室温にまで降温し焼成炉より取り出したものを集め、ジェットミルで粉砕したもの、平均粒径4.5μm、1μm以下の粒子の体積分率が0.1%以下、CuKα線を用いたX線回折法において2θ値で28°付近に頂点を有するブロードなピークを有する物であり、2θ値で40°以上70°以下には結晶性の回折線は見られなかった。)を200g、導電剤(人造黒鉛)30gとホモジナイザーで混合し、さらに結着剤として濃度2重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液50g、ポリフッ化ビニリデン10gとを加え混合したものと水を30g加えさらに混練混合し、負極合剤ペーストを作成した。
【0051】
[正極および負極電極シートの作成]
上記で作成した正極合剤ペーストをブレードコーターで厚さ30μmのアルミニウム箔集電体の両面に、塗布量400g/m2 、圧縮後のシートの厚みが280μmになるように塗布し、乾燥した後、ローラープレス機で圧縮成型し所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作成した。さらにドライボックス(露点;−50℃以下のの乾燥空気)中で遠赤外線ヒーターにて充分脱水乾燥し、正極シートを作成した。
同様に、負極合剤ペーストを20μmの銅箔集電体に塗布し、上記正極シート作成と同様の方法で、塗布量70g/m2 、圧縮後のシートの厚みが90μmである負極シートを作成した。
〔電解液調整例〕
アルゴン雰囲気で、200ccの細口のポリプロピレン容器に65.3gの炭酸ジエチルをいれ、これに液温が30℃を越えないように注意しながら、22.2gの炭酸エチレンを少量ずつ溶解した。次に、0.4gのLiBF4 ,12.1gのLiPF6 を液温が30℃を越えないように注意しながら、それぞれ順番に、上記ポリプロピレン容器に少量ずつ溶解した。得られた電解液は比重1.135で無色透明の液体であった。水分は18ppmであった。(カールフィシャー水分測定装置で測定)またこのときの二酸化炭素濃度は0.001mol/リットル未満であった。
〔シリンダー電池の作成例〕
正極シート、微孔性ポリプロピレンフィルム製セパレーター、負極シートおよびセパレーターの順に積層し、これを渦巻き状に巻回した。この巻回体を負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の有底円筒型電池缶に収納した。注液ブース内で指定の電解液を電池缶内に注入し、さらに封口ブース内で正極端子を有する電池蓋をガスケットを介してかしめて封口し、円筒型電池を作成した。
【0052】
実施例1〜3
上記の電解液に散気管を使用して二酸化炭素を含有する空気と表1に示す所定の気/液比で接触させた。この電解液を使用し、上記の手順に従ってシリンダー電池を作成した。
【0053】
Figure 0004038826
【0054】
実施例4
電解液を広口容器に入れ、容器ごと圧力容器内に入れ、圧力容器内に二酸化炭素含有ガス(99%)を導入して3気圧まで加圧した。圧力容器内を常圧に戻し、電解液を取り出して、上記の手順に従ってシリンダー電池を作成した。
実施例5
電解液を注液した巻回体収納済みの円筒型電池缶を封口する前の状態で二酸化炭素含有ガス(99%)を流通させたブース内に10時間放置した後封口し、シリンダー電池を作成した。
実施例6
電解液を注入した巻回体収納済みの円筒型電池缶を封口する前の状態で圧力容器内に入れ、圧力容器内に二酸化炭素含有ガス(99%)を導入して3気圧まで加圧した。圧力容器内を常圧に戻し、電池缶を取り出して、上記の手順に従ってシリンダー電池を作成した。
実施例7
封口ブース内に二酸化炭素含有ガス(99%)を流通させて、その中で電池封口を行い、シリンダー電池を作成した。
【0055】
比較例1
実施例1と同様の方法で、二酸化炭素含有ガスとの接触操作を行わない電解液を使用して通常の方法で注液、封口を行い、シリンダー電池を作成した。
比較例2〜4
酸化物系負極活物質に変え、炭素系活物質(黒鉛粉末)を用い前記負極シートの作成と同様の方法で負極シートを作成し、実施例1から3と同様の操作を行った電解液をそれぞれ使用して円筒型電池を作成した。
比較例5
酸化物系負極活物質に変え、炭素系活物質(黒鉛粉末)を用い前記負極シートの作成と同様の方法で負極シートを作成し、比較例1と同様に二酸化炭素含有ガスとの接触操作を行わない電解液を使用して通常の方法で注液、封口を行い、シリンダー電池を作成した。
実施例8〜10
負極活物質Aの1μm 以下の微細粉の体積分率を3%とする以外はAと同様にして負極活物質Bを作り、実施例1〜3と同様な操作と実験を行った。
比較例6
負極活物質Bを用い比較例1と同様な実験をおこなった。
【0056】
上記の方法で作成した電池について、電流密度5mA/cm2 、充電終止電圧4.1V、放電終止電圧2.8Vの条件で充放電し、放電容量およびサイクル寿命を求めた。
それぞれの電池の容量(Wh)の比、およびサイクル性(充放電1回目に対する300回目容量の割合)を表2に示す。
【0057】
表2 実験の結果
実験番号 二酸化炭素導入 負極活物質 初期容量 サイクル性(%)
実施例1 注液前液 酸化物A 100 83
実施例2 注液前液 酸化物A 101 85
実施例3 注液前液 酸化物A 99 88
実施例4 注液前液 酸化物A 99 91
実施例5 注液後・封口前 酸化物A 100 85
実施例6 注液後・封口前 酸化物A 98 89
実施例7 封口時 酸化物A 98 88
比較例1 なし 酸化物A 100 74
比較例2 注液前液 炭素系 80 78
比較例3 注液前液 炭素系 81 79
比較例4 注液前液 炭素系 80 80
比較例5 なし 炭素系 79 75
実施例8 注液前液 酸化物B 100 80
実施例9 注液前液 酸化物B 101 83
実施例10 注液前液 酸化物B 99 87
比較例6 なし 酸化物B 100 69
【0058】
本発明の酸化物系負極活物質を使用した電池は、炭素系負極活物質を使用した電池に対し、容量が大きく、さらに、電解液と二酸化炭素含有ガスとの接触操作を行った電池はサイクル性が向上しており、向上率は炭素系負極活物質を用いたものよりも大きい。
【0059】
【発明の効果】
本発明のように負極に非晶質カルコゲン化合物及び/または非晶質酸化物からなる材料を含み、かつ非水電解液中に二酸化炭素を含有させることにより、優れた充放電特性を有しさらには充放電繰り返しによる放電容量の劣化の少ない非水電解液二次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に使用したシリンダー型電池の断面図を示す。
【符号の説明】
1 負極端子を兼ねる電池外装缶
2 電極群
3 絶縁体
4 正極リード板
5 ガスケット
6 電池蓋(正極端子)
61 防爆弁体
62 電流遮断体
63PTC素子

Claims (8)

  1. リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む負極および正極、リチウム塩を含む非水電解液、セパレーターからなる非水二次電池において、該負極が周期律表1、2、13、14、15族原子から選ばれる三種以上の原子を含む、主として非晶質カルコゲン化合物及び/または非晶質酸化物からなる材料を含み、該負極材料の粒径1μm以下の微細粉が体積分率で1%以下であり、かつ該非水電解液中に二酸化炭素を0.005mol/リットル以上0.2mol/リットル以下含有させることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 該非水電解液に含有される支持塩が、少なくともLiPF及び/又はLiBFであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 該負極材料が、一般式(1)で示されることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池。
    pMqMr 一般式(1)
    (式中、M、Mは相異なりSi、Ge、Sn、Pb、P、B、Al、Sbから選ばれる少なくとも一種、MはLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれる少なくとも一種、MはO、S、Teから選ばれる少なくとも一種、p、qは各々0.001〜10、rは1.00〜50の数字を表す。)
  4. リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む負極および正極、リチウム塩を含む非水電解液、セパレーターからなる非水二次電池において、該負極が周期律表1、2、13、14、15族原子から選ばれる三種以上の原子を含む、主として非晶質カルコゲン化合物及び/または非晶質酸化物からなる材料を含み、該負極材料の粒径1μm以下の微細粉が体積分率で1%以下であり、かつ該非水電解液を該非水二次電池に注液する前にあらかじめ二酸化炭素含有ガスと接触させて、非水電解液に0.005mol/リットル以上0.2mol/リットル以下の二酸化炭素を含有させることを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
  5. 該非水電解液に二酸化炭素を含有させる方法が、該非水電解液を該非水二次電池に注液する前に、あらかじめ圧力容器内で加圧された二酸化炭素含有ガスと接触させる方法であることを特徴とする請求項4に記載の非水電解液二次電池の製造方法。
  6. リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む負極および正極、リチウム塩を含む非水電解液、セパレーターからなる非水二次電池において、該負極が周期律表1、2、13、14、15族原子から選ばれる三種以上の原子を含む、主として非晶質カルコゲン化合物及び/または非晶質酸化物からなる材料を含み、該負極材料の粒径1μm以下の微細粉が体積分率で1%以下であり、かつ非水電解液を注液後、封口前に電池を二酸化炭素含有ガスと接触させて、非水電解液に0.005mol/リットル以上0.2mol/リットル以下の二酸化炭素を含有させることを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
  7. 該非水電解液に二酸化炭素を含有させる方法が、非水電解液を注液後、封口前に電池を圧力容器内で加圧された二酸化炭素含有ガスと接触させる方法であることを特徴とする請求項6に記載の非水電解液二次電池の製造方法。
  8. リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む負極および正極、リチウム塩を含む非水電解液、セパレーターからなる非水二次電池において、該負極が周期律表1、2、13、14、15族原子から選ばれる三種以上の原子を含む、主として非晶質カルコゲン化合物及び/または非晶質酸化物からなる材料を含み、該負極材料の粒径1μm以下の微細粉が体積分率で1%以下であり、かつ該非水二次電池の封口時に、電池内に二酸化炭素含有ガ スを封入して、非水電解液に0.005mol/リットル以上0.2mol/リットル以下の二酸化炭素を含有させることを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
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