JP4037664B2 - 送風機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機や掃除機などの家電機器に設けられて空気を吸入、排出させる送風機に関し、特に、スクロールハウジング内にターボファンを設け、スクロールハウジングのカットオフ部の傾斜角を大きくして送風性能を向上させ、騒音は低減させる送風機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術による送風機は、図6および図7に示すように、一般にシロッコファンと呼ばれるインペラ1と、前記インペラ1によって吸入された空気を案内して吐出口26に排出させるスクロールハウジング2と、から構成される。
前記インペラ1はリブ1bによって支えられる複数枚のブレード1aから形成され、モータMの駆動部にインペラ1の軸11が連結されているため、インペラ1の回転とともに空気は前記スクロールハウジング2の前方に形成された吸入口24を通じてベルマウス25の案内にしたがってスクロールハウジング2内に吸入され、漸次拡大される流路に沿って吐出口26から外部へ吐出される。
【0003】
一方、前記スクロールハウジング2は、インペラ1が内部に設けられ、吸入口24を通じて吸入された空気をインペラ1の回転方向に案内する略円筒形の本体部2aと、前記本体部2aから上側に延長されて前記本体部2aから流入された空気を吐出口26を通じて排出させるホッパ部2bと、から形成される。
また、前記スクロールハウジング2は、吸入口24の形成された前面パネル21と、前記前面パネル21から一定距離離れて位置した背面パネル22と、吐出口26を除いて前記前面パネル21と背面パネル22の縁部を密閉させる側面パネル23と、から形成される。
【0004】
また、前記ホッパ部2bの右側面23aは前記本体部2aから垂直方向に延長され、前記スクロールハウジング2の左側面23bは、前記ホッパ部2bと前記本体部2aとの間に凹んだカットオフ部3を有し、前記カットオフ部3から吐出口26に向いて左方向に傾くように形成される。
前記カットオフ部3は、前面パネル21に形成されたカットオフ部31から背面パネル22に形成されたカットオフ部32に向いてインペラの軸11から一定角度傾いた傾斜角θ1を有するようになっているが、前記カットオフ部3の傾斜角θ1は通常的に50°角度以下に形成され、本体部2aから排出される空気は、前記カットオフ部3から漸次拡大されるホッパ部2bの流路に沿って案内されて前記吐出口26の周りで動圧が静圧に変化されながら外部へ吐出される。
【0005】
しかし、従来の技術による前記送風機は、スクロールハウジング2の内部にシロッコファンと呼ばれるインペラ1が設けられていることから送風量を大きくすることに限界があり、前記スクロールハウジングに形成されたカットオフ部3の傾斜角θ1がインペラの軸11から50°以下の角度を成しているため、ホッパ部2bを通過する空気の流動抵抗が大きくなり、送風効率の低下と騒音増加につながる問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、送風機の送風量を増加させ、送風機から吐出される空気の流動抵抗を最小化し送風効率を向上せしめ得る送風機を提供することにその目的がある。
本発明の他の目的は、送風機の騒音を低減させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、モータと、前記モータと軸で連結された送風ファンと、吸入口が形成された前面パネルと、背面パネルと、吐出口を除いて前記前面パネルと背面パネルの縁部を密閉させる側面パネルとから形成され、前記送風ファンが内部に設けられて吸入された空気を前記送風ファンの回転方向に案内する本体部と、前記本体部から一側に延長されて前記本体部から流入された空気を前記吐出口に吐き出させるホッパ部とに区切られるスクロールハウジングから構成された送風機において、前記本体部と前記ホッパ部との境界部の一側に形成されたスクロールハウジングのカットオフ部は、前記前面パネルから背面パネルに向いて前記送風ファンの軸から50°ないし80°の傾斜角を有するように形成され、
前記送風ファンのブレードは8枚で形成され、前記前面パネルのカットオフ部から吐出口方向への傾斜角(Θ3)が、背面パネルのカットオフ部から吐出口方向への傾斜角(Θ4)よりも大きくされている、ことを特徴とする。
一方、前記カットオフ部の傾斜角は60°ないし70°の角度が好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による送風機の一実施を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明による送風機の斜視図で、図2は本発明による送風機の部分切開正面図で、図3は図2の平面図である。
【0009】
本発明による送風機は、図1ないし図3に示すように、スクロールハウジング4と前記スクロールハウジング内に設けられたターボファン5とから構成される。
前記スクロールハウジング4は、円形の吸入口44が形成され、前記吸入口44の外周縁にベルマウス45が形成され、内部にターボファン5が設けられて前記吸入口44に吸入された空気をターボファン5の回転方向に案内する本体部4aと、末端に吐出口46が形成され、前記本体部4aから前記吐出口46側に漸次吐出面積が拡大されるように延長されて前記本体部4aから流入された空気を案内し吐出口46から吐出させるホッパ部4bと、から形成される。
【0010】
一方、前記スクロールハウジング4は、前記吸入口44の形成された前面パネル41と、前記前面パネル41から離れて形成された背面パネル42と、前記吐出口46を除いて前記前面パネル41と背面パネル42の縁部を密閉する側面パネル43とから形成される。
前記ホッパ部4bの右側面43bは、前記本体部4aと接する部位から吐出口46に向いて垂直方向に延長され、前記スクロールハウジング4の本体部4aとホッパ部4bとが接する左側の境界部には右側に凹んだカットオフ部6が形成される。
【0011】
前記カットオフ部6において、前面パネル41に形成されたカットオフ部61は背面パネル42に形成されたカットオフ部62よりさらに凹むように形成され、前記前面パネル41と背面パネル42に各々形成されたカットオフ部61,62を連結する側面パネル43のカットオフ部6は前記送風ファン5の軸51から50°〜80°角度の傾斜角θ2を有するように形成される。
【0012】
前記側面パネル43のカットオフ部6の内面は、本体部4aに向いて曲面で形成されて本体部4aからホッパ部4bに流入される空気に乱流が発生するのを防止する。
また、前記前面パネル41と背面パネル42の左側部41a,42aは、各々カットオフ部61,62から吐出口46に向いて漸次ホッパ4bの面積が広くなるように傾いて形成される。
【0013】
図1ないし図3に示す本発明の実施例において、カットオフ部61から吐出口46までの前面パネルの左側部41aは垂直方向となす傾斜角θ3が背面パネルの左側部42aの傾斜角θ4より大きく形成され、吐出口46に位置した前面パネル41の末端の幅は、背面パネル42の末端の幅より短く形成されて、吐出口46は一側が傾いた梯形に形成されている。
ここで、吐出口46の位置した前面パネル41の幅と背面パネル42の幅が同一大きさに形成されて吐出口46が長方形に形成されてもよい。
【0014】
また、カットオフ部から吐出口までの前面パネル左側部41aの傾斜角θ3と背面パネル左側部42aの傾斜角θ4が同一に形成されてもよい。
本発明による送風機は、送風ファンがターボファン5から形成されているため、スクロールハウジング4に吸入された空気がターボファン5内に流入された後ブレードとブレード間の空間を通じて吐出され、従来のシロッコファンに比べて相対的に多い空気が大きい角度に方向転換されて流動されることになる。したがって、本発明では、ホッパ部4bを通過する空気の流動抵抗を最小化するために、多数の実験を通じてカットオフ部の傾斜角θ2を50°ないし80°で形成した。
【0015】
本発明のようにターボファンの設けられた送風機のカットオフ部6の傾斜角θ2を変化させながら送風機の騒音を測定した実験結果は表1のようである。
【0016】
【表1】
Figure 0004037664
【0017】
前記実験結果および図4を参照すれば、ターボファンの軸から送風機のカットオフ部の傾斜角θ2が50°未満の場合は、前記傾斜角が大きくなるほど騒音は緩慢に減少され、カットオフ部の傾斜角θ2が50°を超える場合は傾斜角θ2が大きくなるにつれて騒音が著しく減少されて約65°で騒音が最小値を保持した。
また、カットオフ部の傾斜角が60°で、ターボファンのブレード数が8枚の本発明の一実施例と、カットオフ部の傾斜角が45°で、シロッコファンのブレード数が40枚の従来の送風機を対象とし、ブレードを通過して排出される空気の流動周波数(BPF: Blade Passing Frequency)変化によるSPL(Sound Pressure Level)を測定した結果、図5のようなグラフを得た。
【0018】
ここで、BPFは2π×RPM/nで定義され、RPMはモータの回転数で、nは送風ファンのブレード数である。
図5に示すように、BPFが120Hz帯において、従来の送風機では送風機セットの固有周波数とBPFが一致して騒音が増大し、44dB(A)のSPLを表したが、本発明ではターボファンを適用してブレード数を減らすとともに、カットオフ部の傾斜角を大きくしたため、38dB(A) のSPLを表した。したがって、本発明による送風機は、従来の送風機に比べてSPLの最高値が6dB程度低い騒音低減効果を具現した。
【0019】
【発明の効果】
本発明による送風機は、スクロールハウジング内にターボファンが設けられ、スクロールハウジングのカットオフ部の傾斜角が50°ないし80°の角度で形成されているため、より多量の空気が吸入されて吐出される一方、空気の流動抵抗は低減される。これにより、送風効率が向上され、騒音および振動が低減される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による送風機の斜視図である。
【図2】本発明による送風機の一部が切開された状態を示す正面図である。
【図3】本発明による送風機の平面図である。
【図4】送風機のカットオフ部の傾斜角と騒音との関係を示すグラフである。
【図5】送風機のBPF(Blade Passing Frequency)とSPL(Sound Pressure Level)との関係を示すグラフである。
【図6】従来の技術による送風機の正面図である。
【図7】従来の技術による送風機の平面図である。
【符号の説明】
4…スクロールハウジング
4a…本体部
4b…ホッパ部
5…ターボファン
6…カットオフ部
41…前面パネル
42…背面パネル
43…側面パネル
44…吸入口
46…吐出口
51…軸
θ2…カットオフ部の傾斜角

Claims (5)

  1. モータと、前記モータと軸で連結された送風ファンと、吸入口が形成された前面パネルと、背面パネルと、吐出口を除いて前記前面パネルと背面パネルの縁部を密閉させる側面パネルと、から形成され、前記送風ファンが内部に設けられて吸入された空気を前記送風ファンの回転方向に案内する本体部と、前記本体部から一側に延長されて前記本体部から流入された空気を前記吐出口に吐き出させるホッパ部とに区切られるスクロールハウジングから構成された送風機において、前記本体部と前記ホッパ部との境界部の一側に形成されたスクロールハウジングのカットオフ部は、前記前面パネルから背面パネルに向いて前記送風ファンの軸から50°ないし80°角度の傾斜角(Θ2)を有するように形成され
    前記送風ファンのブレードは8枚で形成され、前記前面パネルのカットオフ部から吐出口方向への傾斜角(Θ3)が、背面パネルのカットオフ部から吐出口方向への傾斜角(Θ4)よりも大きくされている、
    ことを特徴とする送風機。
  2. 前記カットオフ部の傾斜角は60°ないし70°であることを特徴とする請求項1記載の送風機。
  3. 前記前面パネルに形成されたカットオフ部は背面パネルに形成されたカットオフ部よりさらに凹むように形成されることを特徴とする請求項1記載の送風機。
  4. 前記スクロールハウジングはホッパ部の面積が漸次広くなるようにカットオフ部から前記吐出口に向かって傾いて形成されることを特徴とする請求項1記載の送風機。
  5. 前記吐出口はカットオフ部側に位置した面が傾いた梯形に形成されることを特徴とする請求項1記載の送風機。
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