本発明の実施の一形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態では、電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に装着されるトナーカートリッジなどの現像剤供給装置を例に挙げて説明する。
本発明の現像剤供給装置は、現像剤供給不良や、現像剤漏れによる汚れなどのトラブルを未然に防ぐとともに、安定して良好な現像剤の供給を行えるものである。
図2は、本実施の形態のトナー供給装置(現像剤供給装置)30を備えたプリンタ(画像形成装置)100の正面図である。該トナー供給装置30は、図2に示す電子写真方式のプリンタ100に着脱可能に装着され、トナーホッパ8を介して、現像装置4にトナー(現像剤)を供給する。該トナーは、キャリアを含んでなる二成分系であってもよく、また、キャリアを含まない一成分系であってもよい。さらに、上記トナー供給装置に用いられるトナーは、例えば、7μm以下というように、粒径の小さい凝集しやすいものであってもよい。
上記プリンタ100は、図2に示すように、上記トナー供給装置30、トナーホッパ8、現像装置4に加えて、さらに、感光体ドラム1、帯電装置2、レーザ露光装置3、転写装置5、給紙部6、定着部7を備えている。この構成のプリンタ100にて、画像形成を行う場合には、まず、静電潜像担持体である感光体ドラム1を帯電装置2によって帯電した後、レーザ露光装置3によって、感光体ドラム1表面に静電潜像を形成する。次いで、上記トナー供給装置30からトナーホッパ8を経て、供給されたトナーを用いて、現像装置4が上記感光体ドラム1の静電潜像を顕像化してトナー像を形成する。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、転写装置5によって、給紙部6から搬送された記録用紙に転写される。記録用紙に転写されたトナー像は、定着部7にて定着されて、プリンタ100の外部に排出されるようになっている。
図3に、上記プリンタ100に装着される、本実施の形態のトナー供給装置30及び現像装置4の正面図を示す。図3に示すように、上記プリンタ100内にて、トナーの搬送方向の下流側から順に、トナー供給装置30、トナーホッパ8、現像装置4が配置されている。これにより、トナー供給容器30から排出されたトナーがトナーホッパ8で撹拌されて、現像装置4に供給され、現像装置4は、感光体ドラム1に対してトナーを供給するようになっている。
次に、トナー供給装置(現像剤供給装置)30の構成について説明する。図1は、トナー供給装置30とプリンタ(画像形成装置)100の本体側連結部(駆動部)80とを示す上面図である。図1に示すように、トナー供給装置30は、主に、トナー(現像剤)を収容する円筒状のトナー収納容器(現像剤収納容器)31と、このトナー収納容器31を回転可能に保持する支持部材32とから構成されている。トナー収納容器31は、後述の図4および図5に示すように、主に、第1容器部33,第2容器部34,および第3容器部35から構成されている。第3容器部35には、トナー収納容器31の回転によって、トナー収納容器31内部のトナーを外部に排出するためのトナー排出口43を含む第1凹部41が形成されている。そして、第1凹部41に排出されたトナーは、後述するトナー供給口50に搬送される。なお、図1では、トナー収納容器31の略中央にある第3容器部35が、支持部材32によって覆われている。トナー供給装置30の詳細な構成は、後述する。
トナー収納容器31(詳細には、第1容器部33)は、トナー収納容器31を回転するための駆動源85などを備える本体側連結部(駆動部)80に連結されている。そして、駆動源85を駆動し、その駆動力をトナー収納容器31に伝達することにより、トナー収納容器31が回動するようになっている。トナー収納容器31と本体側連結部80との連結(本体側連結部80の駆動力の伝達)は、トナー収納容器31の端部に設けられた容器側結合部37a・37bと、継手部81に設けられた駆動部側結合部87a・87bとによって行われる。
ここで、本体側連結部80について、図1および図19に基づいて説明する。図1は、トナー供給装置30とプリンタ100の本体側連結部80とが連結された状態、及び、トナーホッパ8の上面図である。図19は、本体側連結部80の主要部の構成を示す斜視図である。また、図19では、トナー供給装置30が、プリンタ100に装着された状態を示している。プリンタ100に挿入されたトナー供給装置30の第1容器部33側が、プリンタ100に連結される。
本体側連結部80は、トナー収納容器31と結合する継手部81,トナー収納容器31を回転させるための駆動源85,歯車等の減速装置86,駆動源85の駆動力を継手部81に伝達する回転軸84,トナー収納容器31と継手部81との結合を調整するばね部材83とから構成されている。そして、モーター等の駆動源85からの駆動力を、歯車等の減速装置86および回転軸84を介して、継手部81に伝達すると、継手部81が回転する。そして、その回転に伴い、継手部81に結合したトナー収納容器31が回転するようになっている。継手部81は、ばね部材83によってトナー収納容器31側に付勢されるようになっている。
より詳細には、上記本体側連結部80は、プリンタ100のモータ等の駆動源85からの駆動力によって回転する円盤状の継手部81を有し、該継手部81とトナー供給装置30のトナー供給容器31とが連結される。より詳細には、継手部81の回転によって、継手部81に設けられた駆動部側結合部87a・87bが、トナー収納容器31の第1容器部33の底部33aに設けられた容器側結合部37a・37bに接触して結合し、トナー供給容器31と本体側連結部80とが、連結される。すなわち、容器側結合部37a・37bおよび駆動部側結合部87a・87bには、互いに接触するための接触面を有しており、この接触面どうしで接触することによって、トナー収納容器31は回転する。このようにして、本体側連結部80の駆動力が、トナー収納容器31に伝達される。
なお、継手部81の中央には、補給蓋46の直径よりも大きい無定円筒(中空)の補給蓋収納部82が設けられている。そして、補給蓋46は、補給蓋収納部82に嵌め込まれ、補給蓋46の少なくとも一部が収納される。すなわち、継手部81には、補給蓋46の外周部とほとんど隙間なく嵌合する凹状の補給蓋収納部82を有している。このため、継手部81の駆動部側結合部87aが1つであったとしても、確実に、トナー収納容器31を回転させる動力伝達を行うことができる。なお、継手部81は、機械的性能に優れた材質から形成することが好ましく、例えば、POM(ポリアセタール樹脂)から形成される。
上記継手部81は、図1に示すように、プリンタ100本体の筐体88を貫通する回転軸84の回転中心に一致するように、該回転軸84に取付けられ、筐体88と継手部81との間の回転軸84には、圧縮コイルばね等のばね部材83が取付けられている。上記ばね部材83は、継手部81を筐体88から離間する方向へ付勢している。そのため、トナー供給装置30が上記継手部81を押圧した状態となるように図示しない規制部材によって、トナー供給装置30の、装着方向に沿った移動が規制される。
なお、例えば、トナー収納容器31をプリンタ100に装着する際に、容器側結合部37aと駆動部側結合部87aとが突き当たると、ばね部材83によって、継手部81が筐体88に近づく方向に移動し、トナー供給容器31と本体側連結部80(継手部81)とが、連結しないようになっている。ここで、「トナー収納容器31と本体側連結部80(継手81)とが連結する」とは、駆動源85からの駆動力が、トナー収納容器31に伝達可能な状態を示す。
上記のようにプリンタ100に装着されたトナー供給装置30では、プリンタ100側の駆動源85からの駆動力が、歯車等の減速装置86及び回転軸84を介して、上記継手部81に伝達される。そして、該継手部81が回転することにより、その回転が、容器側結合部37a・37bおよび駆動部側結合部87a・87bを介して、トナー収納容器31に伝わる。これにより、トナー供給容器31が円筒軸を中心に回転する。
継手部81には、トナー収納容器31(容器側結合部37a・37b)と連結するための、駆動部側結合部87a・87bが設けられている。駆動部側結合部87a・87bは、継手部81の中心からの距離が半径方向に異なる位置に配置されている。つまり、同径上に駆動部側結合部87a・87bは存在しない。
なお、トナー収納容器31側の容器側結合部37a・37bも、駆動部側結合87a・87bと同様の配置状態となっている。このため、容器側結合部37aと駆動部側結合部87aとが、容器側結合部37bと駆動部側結合部87bとが、それぞれ対応して連結するようになっており、トナー収納容器31と継手部81との連結パターンが、1つになるようになっている。これにより、トナー収納容器31と継手部81との回転位置関係は、常に同じである。したがって、トナー収納容器31または継手部81のいずれかの回転位置を検出することによって、トナー収納容器31の回転停止位置を制御することが可能となる。
次に、本実施形態のプリンタ100の特徴部分である位置検出センサ91(位置検出手段)について説明する。位置検出センサ91は、例えば、トナー収納容器31が、図14(a)の状態から図13(a)の状態になるまでの範囲内の位置、つまりトナー排出口43が、トナー27の界面よりも、高い位置(上側に位置)する状態で、トナー収納容器31の回転を停止させるものである。
ここで、位置検出センサ91によるトナー収納容器31の回転停止位置の制御方法について説明する。
本実施形態では、図1および図19に示すように、継手部81には、円周を越えるように、被検出部90が設けられている。被検出部90の位置は、位置検出センサ91によって検知される。より詳細には、継手部81の回転によって、この被検出部90も回転する。このため、この被検出部90を、プリンタ100内(図1では筐体88の側面)に設けられた位置検出センサ91によって検出することにより、継手部81の回転位置がわかる。前述のように、継手部81とトナー収納容器31とは、各結合部(37a・37b,87a・87b)によって、1つの位置でしか連結できないように構成されている。このため、継手部81またはトナー収納容器31のいずれか一方、例えば、継手部81の回転位置がわかれば、トナー収納容器31の回転位置もわかる。したがって、位置検出センサ91による被検出部90の検出位置を、トナー排出口43が、トナー27の界面よりも上部になる位置に設定すれば、位置検出センサ91によって、その位置で、トナー収納容器31の回転を停止するように制御できる。これにより、トナー収納容器31が、この停止状態で長時間放置されても、トナー排出口43から第1凹部41内に、トナー27が流入することはない。このため、第1凹部41で、トナー27が固まってしまうことを防止できる。これにより、長時間放置後にトナー供給動作を再開しても、トナーを供給できないというトラブルは生じない。従って、常に安定したトナー供給が可能である。なお、ここでは、位置検出センサ91が被検出部90を検知することにより、トナー収納容器31の回転停止位置を制御する例について説明したが、この例に限定されるものではない。後述のように、1対または複数対の容器側結合部37a(37b)と、駆動部側結合部87a(87b)との連結パターンは、1つになるように設けられているため、位置検出センサ91が、容器側結合部37a・37bまたは駆動部側結合部87a・87bのいずれかの位置を検知し、トナー収納容器31の回転停止位置を制御することも可能である。すなわち、位置検出センサ91は、本体側連結部80、または、トナー収納容器31のいずれか一方の回転位置を検出するのみで、トナー収納容器31の回転停止位置を制御できる。
ここで、トナー収納容器31の回転停止位置におけるトナー排出口43は、トナー27の界面よりも、高い位置(上側に位置)する状態であれば特に限定されることはない。しかし、トナー排出口43が、トナー収納容器31の最上部(すなわち、トナー27の界面に対して、鉛直上向きの直線とトナー収納容器31との交点P(図14(a)参照)の状態で、停止することがより好ましい。これは、トナー27の界面が、交点Pよりも高くなることはないためである。このため、トナー排出口43が常に交点Pで停止するように、トナー収納容器31の回転停止位置を制御すれば、確実に、安定したトナー供給が可能となる。
なお、従来のように、トナー収納容器31の回転停止位置を任意の位置としている場合、例えば、図13(b)の状態で、トナー収納容器31の回転が停止する場合もある。この場合、トナー排出口43は、トナー27の界面よりも低い位置(下部)にあるため、トナー27の重量や圧力によって、トナー排出口43から第1凹部41に、トナー収納容器31のトナー27が流入する。さらに、トナー27の重量による圧力、および、第1凹部41内に流入するときの圧力が、第1凹部41内にかかることにより、第1凹部41内のトナー27aが固まり詰まってしまう。また、トナー排出口43がトナー27によって、蓋をされた状態となり、第1凹部41内が、閉状態(閉空間)となる。このため、この状態で、長時間放置することによっても、第1凹部41内のトナー27aが固まってしまう。このようにトナー27aが固まり詰まってしまうと、次回のトナー供給を行うことができなくなる。また、この状態で、トナー供給装置30を取り外して、シャッタ部材58(後述)によってトナー供給口53を閉状態としても、第1凹部41のトナー27aがトナー供給口53に流れない。このため、トナー供給装置31を取り外すときに、トナー27aが第1凹部41から漏れてしまう。具体的には、トナー27の供給時に、トナー排出口43は回転しているのに対し、シャッタ部材58はトナー排出口43に設けられているものではないため回転しない。このため、トナー排出口43がトナー27の界面よりも低い位置(下側)で、トナー収納容器31の回転が停止すると、第1凹部41にトナー27がどんどん入り込み固まってしまう。その結果、トナー収納容器31が第1凹部41のトナー27aを掃き出す位置に回転してきてもトナー27aが流れ出にくく、トナー供給口53に滞留してしまう。このため、シャッタ部材58の動作は阻害され、シャッタ機能が正常に働かずにトナーが漏れるトラブルが発生しやすくなる。このように、従来の現像剤供給装置では、シャッタ部材58が、本来の機能を果たさない場合がある。
本実施形態では、容器側結合部37a・37bと、駆動部側結合部87a・87bとが、いずれも凸形状である。また、容器側結合部37aと駆動部側結合部87aとが連結(係合)し、容器側結合部37bと駆動部側結合部87bとが連結(係合)する。つまり、容器側結合部37a・37bと駆動部側結合部87a・87bとが、1対1で対応して互いに連結(係合)可能であり、容器側結合部37aと駆動部側結合部87bとは連結(係合)できないようになっている。そして、各結合部どうしが接触して、互いに結合することにより、トナー収納容器31と継手部81とが連結され、駆動源85からの駆動力を、トナー収納容器31に伝え、トナー収納容器31を回転する。
なお、図1の構成では、容器側結合部37a・37bと、駆動部側結合部87a・87bとが、凸形状に形成されているが、各結合部の形状は、駆動源85からの駆動力をトナー収納容器31に伝えることができれる形状であればよい。例えば、一方の結合部を凸状とし、他方の結合部を凹状として、互いを嵌合させて結合することも可能である。ただし、容器側および駆動部側のそれぞれに、複数の結合部を設ける場合、容器側結合部37と駆動部側結合部87が1対1で対応するように各結合部を形成する。これにより、トナー収納容器31と継手部81との連結状態(連結パターン)が、1つに決まる。
以上のように、本実施形態のトナー供給装置30によれば、位置検出センサ91によって、トナー収納容器31の回転が、トナー排出口43がトナー27の界面よりも高い位置で停止する。すなわち、トナー収納容器31の回転停止時には、トナー収納容器31から第1凹部41内に、トナーは流入しない。このため、回転停止状態で長時間放置しても、第1凹部41内でトナー27aが固まることはない。
また、シャッタ部材58によって、トナー供給装置を画像形成装置に装着している時には、トナー供給口53を開状態とし、プリンタ100から外す時には、トナー供給口50を閉状態とすることが可能である。このため、トナー収納容器31にトナー27aが残った状態で、トナー供給装置30をプリンタ100から取り外しても、トナー供給口50は閉状態にできる。これにより、トナー供給装置30の着脱時に、トナー供給口50からトナーが漏れるのを防止できる。
さらに、前述のように、この回転停止状態では、トナー排出口43が、トナー27の界面よりも高い位置にあるため、トナー収納容器31のトナー27が、トナー排出口43から第1凹部41内に流入できなくなっている。また、トナー供給装置30を取り外す時には、トナー収納容器31は、回転停止状態である。このため、トナー供給装置30を取り外して、トナー供給口50を閉状態としても、第1凹部41に排出されたトナー27aがトナー供給口53からもれることはない。すなわち、シャッタ部材58を常に正常に機能させることができる。
これに対し、従来のトナー供給装置では、トナー収納容器の回転停止位置が決められていないため、トナー排出口43がトナー27の界面よりも低い位置で、現像剤収納容器の回転が停止することがある。そのような停止状態では、前述のように、トナー収納容器31内のトナー27の重量や圧力によって、トナー排出口43から第1凹部41内にトナー27が流入する。そのような状態で、トナー供給装置30が長時間放置されると、第1凹部41内で未使用のトナー27aが固まってしまう。この場合、現像剤供給装置の再起動時には、その固まったトナーが、トナー供給装置30に高負荷をかけ、シャッタ機構のトラブルや現像剤の供給不足等による画質低下のトラブルを引き起こす可能性がある。
このように、本実施形態によれば、位置検出センサ91によって、トナー収納容器31の回転停止位置を制御することにより、シャッタ部材58を正常に機能させることができるとともに、第1凹部41内でトナー27aが固まったり、トナー供給装置30の着脱時に、トナー供給口50からトナーが漏れたりすることを防止できる。それゆえ、トナー供給不良や、トナー漏れによる汚れなどのトラブルを未然に防ぐとともに、安定して良好なトナー供給を行うことができる。
また、本実施形態のトナー供給装置30では、トナー収納容器31に回転駆動力を与える本体側連結部80と、トナー収納容器31とが、本体側連結部80に設けられた駆動部側結合部87a・87bと、トナー収納容器31に設けられた容器側結合部37a・37bとによって、連結されているとともに、駆動部側結合部87a・87bと容器側結合部37a・37bとが、単一の連結パターンによって連結されている。
すなわち、各結合部が連結する位置関係(連結状態)は、1種類に決まっている。そして、トナー収納容器31は、その位置関係を維持して回転する。これにより、トナー収納容器31の回転停止位置を、本体側連結部80側またはトナー収納容器31自身の、どちらで制御することも可能である。
また、本実施形態のトナー供給装置30では、位置検出センサ91が、本体側連結部80(継手部81)の回転停止位置を制御することによって、トナー排出口43がトナー27の界面よりも高い位置で、トナー収納容器31の回転を停止させている。
このため、トナー収納容器31には、トナー収納容器31の回転停止位置を制御するための部材が不要である。これにより、特に、使い捨てのトナー収納容器13(またはトナー供給装置30)の回転停止位置を、本体側連結部80側で制御できるため、トナー収納容器31には回転停止位置を制御する部材が不要となる。従って、特に使い捨てのトナー収納容器31(またはトナー供給装置30)を、安価に製造できる。
言い換えれば、トナー収納容器31にトナーが無くなった場合、トナー供給装置30を交換するか、トナー収納容器31に新しいトナーを補給する。つまり、トナー供給装置30は、使い捨ての場合もある。このため、トナー収納容器31の回転停止位置の制御は、本体側連結部80側で行うことが好ましい。つまり、図1のように、位置検出センサ91およびその被検出部材91を、本体側連結部80側(またはプリンタ100側)に設けることが好ましい。これにより、特に、使い捨てのトナー供給装置30に、位置検出センサ91や被検出部材91を設ける必要がないため、トナー供給装置30のコストダウンにつながる。
また、トナー供給装置30では、複数対(図1では、2組)の駆動部側結合部87a・87bと容器側結合部37a・37bとによって、本体側連結部80とトナー収納容器31とが連結されている。そして、前述のように、これら複数対の結合部の位置関係(連結状態)は、1種類(単一の連結パターン)である。すなわち、複数対の結合部は、1つの組み合わせでしか結合しない。これにより、複数対の結合部によって、本体側連結部80からの駆動力は、トナー収納容器31に確実に伝達されるため、安定したトナー収納容器31の回転が可能となる。
なお、トナー供給装置30において、1対の駆動部側結合部87aと容器側結合部37aとによって、本体側連結部80とトナー収納容器31とが連結されていてもよい。前述のように、この1対の結合部の位置関係(連結状態)は、1種類(単一の連結パターン)である。これにより、本体側連結部80とトナー収納容器31とを連結するための結合部の構成を、簡素化できる。
例えば、容器側結合部37aおよび駆動部側結合部87aをリブから構成する場合、各リブには、各リブどうしが接触したときに係合する接触面(係合面)を設ける。これにより、各リブの接触面どうしが係合して、トナー収納容器31を回転させることが可能となる。各リブは1対1で係合するため、いずれかのリブ(容器側結合部37aまたは駆動部側結合部87a)の位置検出を行うことによって、トナー収納容器31の回転停止位置を制御できる。
本実施形態では、プリンタ100の筐体88に固定して設けられた位置検出センサ91によって、継手部81の回転停止位置を制御している。さらに、この制御によって、トナー収納容器31の回転は、トナー排出口43がトナー27の界面よりも高い位置で停止する。すなわち、本実施形態では、トナー収納容器31の回転停止位置制御を、トナー収納容器31に回転駆動力を与える駆動部側で行っている。
しかし、トナー収納容器31の回転停止位置制御は、トナー収納容器31側で行ってもよい。例えば、図22のように、トナー収納容器31に、位置検出センサ91によって検出される被検出部材90として例えば、反射テープを設け、その位置を位置検出センサ91としての反射型センサによって検出して、その回転停止位置を制御してもよい。なお、反射型センサの設置位置は、トナー収納容器31に設けた反射テープを検出可能な位置であればよい。
なお、図20〜図21に示すように、トナー供給装置30は、プリンタ100内に設けられたトナーホッパ8に隣接するように、図20の装着方向に向かって装着される。また、図20および図21に示すように、トナー収納容器31の一端(第2容器部34側(図4参照);容器側結合部37a・37bが設けられる端部とは反対の端部)には、現像装置4が感光体ドラム1の静電潜像を顕像化してトナー像を形成した後のトナーを回収するためのトナー回収容器70を設けてもよい。また、トナー回収容器70に回収したトナーを、再び、トナー収納容器31に搬送して、トナーをリサイクルして使用してもよい。なお、図20〜図22以外の図では、トナー回収容器70を省略している。
従来のトナー供給装置は、トナーホッパ内のトナー量をセンサによって検知しており、トナーが規定量以下になれば、センサがトナー供給信号を発する。これにより、モータが駆動してトナー収納容器を回転させ、トナー供給装置のトナー供給口から、トナーホッパ内にトナーを供給する。そして、トナーホッパ内のトナー量が規定量に達すると、センサがトナー供給停止信号を発する。これにより、モータが停止してトナー収納容器の回転も停止する。このように、従来のトナー供給装置は、トナー収納容器の回転停止位置は、特に規定されていない。このため、その停止位置によっては、現像剤供給不良や、現像剤漏れによる汚れなどのトラブルが発生し、安定して良好な現像剤の供給を行えない場合が生じる。
これに対し、本実施形態のトナー供給装置30は、従来のようなトナー量の検知に加えて、上記のようなトナー供給停止信号を発した後に、位置検出センサ91によって、トナー収納容器31の回転停止位置を制御している。これにより、現像剤供給不良や、現像剤漏れによる汚れなどのトラブルを未然に防ぐとともに、安定して良好な現像剤の供給を行える。
以下、トナー供給装置30について、より詳細に説明する。
図12(a)(b)に、上記トナー供給装置30の斜視図を示す。図12(a)(b)に示すように、上記トナー供給装置30は、トナー収納容器(現像剤収納容器)31と、円筒軸(軸線)Lを回転軸として、上記トナー収納容器31を回転可能に保持する支持部材32とを備えている。さらに、支持部材32には、導通口53を開閉するためのシャッタ部材58が設けられている。
図12(a)に示すように、シャッタ部材58は、大きく分けてシャッタ板(板状部)58aと、シャッタ板案内部(板案内部)58bとから構成される。シャッタ部材58のシャッタ板案内部58bには、トナーをトナーホッパ8側に排出するための導通口53が設けられている。
また、図12(b)に示すように、シャッタ板58aは、トナー供給装置30の導通口53を覆うように形成された略長方形状の導通口被覆部58hと、上記導通口53を被覆する部分(導通口被覆部58h)よりも幅の狭い、シャッタ板案内部58bに摺動する摺動部58iとからなり、上記導通口被覆部58hの摺動部58i側の角部には、ロックツメ58fが形成されている。また、シャッタ板58aの摺動部58i側の端部、すなわち、上記シャッタ板の開閉方向であって摺動部58i側の端部には、弾性部材からなる弾性端部58dが設けられている。上記弾性端部58dのシャッタ板58aの移動方向の断面形状はU字型に形成されている。さらに、シャッタ板58aの導通口被覆部58h部分のシャッタ板案内部58bに対向する面側(以下、裏面とする)には、突起58cが設けられているとともに、上記裏面の突起58c以外の部分にはフェルト(摺接部材)61が接着されている。また、シャッタ板58aの摺動部58iの裏面には、当該裏面にほぼ垂直に板状突起58jが立設されている。
また、シャッタ板案内部58bはストッパー58gを備えているとともに、シャッタ板案内部58bのシャッタ板58aに対向する面には切り欠き部(凹状部)58eが形成されている。上記切り欠き部58eは、シャッタ板58aが閉じられたとき、弾性端部58dと嵌合するように形成されている。また、ストッパー58gは、弾性部材からなり、シャッタ板58aにより導通口53が閉じられた状態のとき、シャッタ板58aを係止するはたらきをする。すなわち、シャッタ板58aに設けられたロックツメ58fは、シャッタ板58aが閉じられた状態のとき、ストッパー58gの端部で係止される。このため、シャッタ板58aは不必要に開かれることがない。
シャッタ部材58のシャッタ板案内部58bには、係止部材60が設けられている。係止部材60は、シャッタ板58aを閉じる動作に連動して導通口53内に移動して、トナー供給容器31から供給されるトナーをかき出すためのスクレーパ20(かき出し部材)を凹部へ押し込むことにより、トナー収納容器31の回動を制限するものである。係止部材60は、シャッタ板58aの開閉方向と平行な方向に移動できるように、シャッタ板案内部58bに保持されている。また、係止部材60は、シャッタ板案内部58b内に収納された状態から、導通口53内に突き出るように移動できるようになっている。係止部材60のより具体的な移動動作、およびスクレーパ20については後述する。
図4に、トナー収納容器31の周面側の正面図を示す。図4に示すように、上記トナー収納容器31は、円筒状を有し、内部にトナーを収容し、円筒軸を中心に回転しながら、後述するトナー排出口43(図5)からトナーを第1凹部41(図5)に排出する。該トナー収納容器31は、図4に示すように、3つの円筒状の、第1容器部33、第2容器部34、第3容器部35からなり、これらの各容器部は、例えば、ポリエチレンなどの合成樹脂をブロー成型することによって、一体成型されて製造される。上記第3容器部35は、第1容器部33と第2容器部34との間に設けられ、上記第1容器部33及び第2容器部34は、それぞれ、円筒状のトナー収納容器31の底面となる底部33a・34aを備えている。
上記第1容器部33は、円筒状のトナー収納容器31のうち、後述するプリンタ100に設けられる本体側連結部80(図1等参照)に配置される側となる。そのため、第1容器部33の底部33aには、図4に示すように、本体側連結部80に連結するための連結部として該底部33aから突出する2つの凸状の容器側結合部37a・37bが設けられている。容器側結合部37a・37bは、上記底部33aの中心、すなわち円筒状のトナー収納容器31の円筒軸に関して、異なる距離に配置されている。すなわち、容器側結合部37a・37bは、その円筒軸に関して、半径方向に異なる位置に配置されている。つまり、同径上に容器側結合部37a・37bは存在しない。これにより、容器側結合部37a・37bを介して、トナー供給装置30が継手部81に装着されることにより、駆動源85からの駆動力を受けて、トナー収納容器31が円筒軸を中心に回転する。
また、図4に示すように、上記底部33aには、さらに、該底部33aの一部を貫通して開口されたトナー補給口部45が設けられているとともに、該トナー補給口部45に対して補給蓋46が着脱可能に取付けられている。該補給口部45は、トナー収納容器31にトナーを補給するために設けられ、上記底部33aの中央部に、上記円筒軸を中心として円形状に形成されている。また、補給蓋46は、トナー補給口部45全体を覆って該トナー補給口部45を密閉する。この補給蓋46は、トナー収納容器33aの円筒軸を中心とした回転によって、トナー補給口部45から離脱しないように装着される。さらに、該補給蓋46は、トナー補給口部45からトナー収納容器31へのトナーの補給に際しては、トナー補給口部45から離脱するようになっている。
上記第1容器部33の周面の内表面(以下、内周面)には、図4に示すように、トナー収納容器41内のトナーを、円筒軸方向に搬送するために、複数の搬送部36が設けられている。該搬送部36は、内周面から円筒軸方向に突出するように形成され、第1容器部33の周方向、及び、円筒軸方向に、所定間隔を隔てて形成されている。該搬送部36は、円筒軸方向に、互いに平行となるように形成されている。
また、上記搬送部36は、底部33a側から第3容器部35方向へトナーを搬送するために、内周面における、トナー収納容器31の円筒軸に垂直な方向に対して、搬送部36が所定の角度で傾斜して形成されている。つまり、上記搬送部36の、円筒軸を中心としたトナー収納容器31の回転方向に対して下流側が、上流側に比べて、後述するトナー排出口43(図5)を有する第3容器部35側に位置するように、上記搬送部36が形成されている。
また、第2容器部34は、図4に示すように、円筒状のトナー収納容器31のうち、後述するプリンタ100に設けられる本体側連結部80(図1参照)に配置される側とは反対側の端部に設けられ、トナー収納容器31の底部34aを有している。第2容器部34の内径は、第1容器部33の内径と等しくなるように形成されている。
上記第2容器部34の内周面には、トナー収納容器31内のトナーを、円筒軸方向に搬送するために、複数の搬送部39が設けられている。該搬送部39は、内周面から円筒軸方向に突出するように形成され、第2容器部34の周方向、及び、円筒軸方向に、所定間隔を隔てて形成されている。上記搬送部39は、円筒軸方向に、互いに平行となるように形成されている。
また、上記搬送部39は、底部34a側から第3容器部35方向へトナーを搬送するために、内周面における、トナー収納容器31の円筒軸に垂直な方向に対して、搬送部39が所定の角度で傾斜するように形成されている。つまり、上記搬送部39の、円筒軸を中心としたトナー収納容器31の回転方向に対して下流側が、上流側に比べて、後述するトナー排出口43(図5)を有する第3容器部35側に位置するように、上記搬送部39が形成されている。
このように、上記トナー収納容器31では、第1容器部33と第2容器部34との間に第3容器部35が設けられているので、上記搬送部39の傾斜は、上記第1容器部33に形成された搬送部36の傾斜とは逆方向となるように形成される。これにより、トナー収納容器31が円筒軸を中心に回転することにより、第1容器部33側に収容されているトナー、及び、第2収容部34に収容されているトナーが、それぞれ、トナー収納容器31の底部33a・34aから第3容器部35へと、搬送部36・39に沿って案内される。
第3容器部35は、図4に示すように、その内周の径が、第1容器部33及び第2容器部34の内周の径よりも大きくなるように形成されている。これにより、第1容器部33及び第2容器部34から搬送されたトナーを、確実に第3容器部35内に搬送して落とし込むことができるので、第3容器部35内には、常に一定量のトナーが保持されることになる。従って、トナー収納容器31の回転が停止した場合にも、第3容器部35は所定量のトナーを保持しているので、再び、トナー収納容器31が回転駆動した直後においても、安定してトナーの供給を行うことができる。さらに、トナー収納容器31内のトナーの残量が少なくなった場合にも、第3容器部35に、一定量のトナーを保持することができるので、長時間にわたって、トナーの供給を安定に行うことができる。
図5に、第3容器部35の斜視図を詳細に示す。第3容器部35は、図5に示すように、トナー収納容器31の外周面を該トナー収納容器31の回転方向に一周するように形成され、トナー収納容器31の円筒軸方向に沿って配置された、凹部形成部(凹部形成領域)35aと案内片形成部35b・35cとを有している。凹部形成部35aは、2つの案内片形成部35b・35cの間に形成されている。
上記凹部形成部35aは、第3容器部35の周面の外表面(以下、外周面)から円筒軸方向に陥入するように形成された第1凹部(凹部)41及び第2凹部42を有している。該第1凹部41及び第2凹部42は、凹部形成部35aにて、円筒軸に関して互いに対称となる位置に形成されている。上記第1凹部41と第2凹部42とは、トナー収納容器31の円筒軸を中心とする回転方向Rに対して、所定の間隔を隔てて形成される。なお、第3容器部35には、第1凹部41および第2凹部42が形成されているため、第3容器部35内のトナーの上面(表面)は、第1容器部33および第2容器部34に比べて高くなっている。
上記第1凹部41は、トナー収納容器31から排出されるトナーを保持する空間となるとともに、該第1凹部41から、後述するトナー供給口(現像剤供給口)50(図6)にトナーを送り出すための空間として用いられる。上記第1凹部41及び第2凹部42は、第3容器部35の外周面に凹状に設けられているため、トナー収納容器31の回転時の、第3容器部35と支持部材32(図12)との接触面積を低減することができる。これにより、トナー収納容器31の回転に際して、支持部材32とトナー収納容器31との間の摩擦を低減して、トナー収納容器31のスムーズな回転を実現することができる。
上記第1凹部41は、図5に示すように、端壁部41a、底壁部41b、第1側壁部41c、第2側壁部41dを有している。上記端壁部41aは、第1凹部41のうち、トナー収納容器31の回転方向Rに対して下流側の端部に設けられ、凹部形成部35aの外周面に対して垂直となるように形成されている。該端壁部41aは、トナー収納容器31内に収容されたトナーを、第1凹部41内に排出するために、トナー収納容器31を貫通して開口されたトナー排出口(排出口)43を有している。
上記底壁部41bは、回転方向Rに延在するように設けられ、回転方向Rに対して、下流側の端部が上記端壁部41aに連通し、上流側の端部は、第3容器部35の外周面に滑らかに連通している。つまり、上記底壁部41bは、外周面に対して大略的に平行となるように、凹部形成部35aの外周面よりも円筒軸側に形成されている。
上記第1側壁部41c及び第2側壁部41dは、第1凹部41のうち、トナー収納容器35aの円筒軸方向の端部にそれぞれ、互いに平行になるように設けられ、凹部形成部35aの外周面及び底壁部41bに対して垂直となるように形成されている。上記第1側壁部41c及び第2側壁部41dは、トナー収納容器31の回転方向Rに対して下流側にて、それぞれ端壁部41aに連通し、上流側にて、第3容器部35の外周面に連通している。
一方、第2凹部42は、図5に示すように、底壁部42b、第1側壁部42cおよび第2側壁部42dを有している。上記底壁部42bは、トナー収納容器31の回転方向Rに延在するように設けられ、該回転方向Rに対して、上流側及び下流側の端部は、それぞれ、第3容器部35の外周面に滑らかに連通している。つまり、上記底壁部41bは、外周面に対して大略的に平行となるように、外周面よりも円筒軸側に形成されている。
上記第1側壁部42cおよび第2側壁部42dは、第2凹部42のうち、トナー収納容器31の円筒軸方向の端部にそれぞれ設けられ、外周面及び底壁部42bに対して垂直となるように形成されている。上記第1側壁部41c及び第2側壁部41dは、上記回転方向Rに対して上流側及び下流側にて、それぞれ第3容器部35の外周面に連通している。
また、上記案内片形成部35b・35cは、外周面から円筒軸方向とは反対方向(外側)に突出するように凸状に形成された複数の排出案内片44b・44cをそれぞれ備えている。該排出案内片44b・44cは、詳細は後述するが、上記第1凹部41のトナー排出口43から排出されたトナーが、案内片形成部35b・35c側に漏れ出た場合に、漏れ出たトナーを第1凹部41又は第2凹部42に送り出すために設けられている。
上記案内片形成部35bは、第3容器部35のうち、第1容器部33側の端部に配置されている。案内片形成部35bに形成された排出案内片44bは、案内片形成部35bの外周面における周面方向に、所定間隔を隔てて等間隔に、かつ、互いに平行となるように設けられている。また、トナー収納容器31の円筒軸を中心とした回転により、案内片形成部35b上のトナーを、凹部形成部35a側に好適に送り出すことができるように、上記排出案内片44bは、トナー収納容器31の円筒軸に対して平行ではなく、該円筒軸に対して所定の角度で傾斜するように形成されている。
一方、案内片形成部35cは、第3容器部35のうち、第2容器部34側の端部に配置されている。案内片形成部35cに形成された排出案内片44cは、案内片形成部35cの外周面における周面方向に、所定間隔を隔てて等間隔に、かつ、互いに平行となるように設けられている。また、トナー収納容器31の円筒軸を中心とした回転により、案内片形成部35c上のトナーを、凹部形成部35a側に好適に送り出すことができるように、上記排出案内片44cは、トナー収納容器31の円筒軸に対して平行ではなく、該円筒軸に対して所定の角度で傾斜するように形成され、傾斜の方向は、上記排出案内片44bとは逆方向となっている。
また、第3容器部35には、図5に示すように、第1凹部41に設けられたトナー排出口43を接着封止するための封止シール62が設けられている。封止シール62の一端は、第1凹部41のトナー排出口43を封止するようにトナー排出口43に接着されているとともに、封止シール62の他端は、スクレーパ20(図6参照)に固定されている。封止シール62の材料としては、ポリエチレンテレフレタート(PET)などを用いることができるが、これに限定されるものではなく、トナー排出口43を接着封止することのできる材料であればよく、その他、ポリエチレン、ポリプロピレン、不織布等の材料を用いることもできる。
上記構成のトナー収納容器31は、図12に示すように、円筒軸Lを回転軸として回転可能となるように、上記第3容器部35の位置にて、支持部材32によって支持されている。上記支持部材32は、少なくとも、上記第3容器部35の凹部形成部35a全体を取り囲むようにして、トナー収納容器31を支持することが好ましい。図6に第3容器部35及び支持部材32の断面図を示す。図6に示すように、上記支持部材32は、第1支持部55と第2支持部56とを組み合わせてなり、第1支持部55と第2支持部56とを組み合わせることにより、トナー収納容器31の円筒軸と同軸となる円筒状の空間が形成される。この空間に、上記第3容器部35が配置されることにより、第1支持部55と第2支持部56とによって、上記第3容器部35の外周面全体を取り囲むように挟持される。このようにして、支持部材32によって、トナー収納容器31が支持される。なお、上記支持部材32は、少なくとも凹部形成部35aを含むように、第3容器部35の外周面を取り囲んで、上記トナー収納容器31を支持する。
つまり、上記第1支持部55及び第2支持部56は、第3容器部35の円筒形状に合わせた曲率を有する曲面をそれぞれ有している。本実施の形態では、第1支持部55及び第2支持部56がそれぞれ備えている曲面は、上記第3容器部35の外周面の半周分をそれぞれ取り囲むことによって、トナー収納容器31を支持する円筒状の空間を形成している。
このような円筒状の空間を形成するために、図6に示すように、上記第1支持部55は、曲面の周方向の両端に、該曲面に対して垂直に設けられ、かつ外周方向に延在してなる連結部55a・55bを有している。また、第2支持部56は、曲面の周方向の両端に、該曲面に対して垂直に設けられ、かつ外周方向に延在してなる連結部56a・56bを有している。上記第1支持部55の連結部55a・55bと第2支持部56の連結部56a・56bとをそれぞれ、互いに接触させて、ねじ等の固定部材で固定する。これにより、第1支持部の曲面の内周側と第2支持部の曲面の内周側とが対向し、円筒状の空間が形成される。
なお、トナー収納容器31を支持部材32で支持する場合には、図7に示すように、トナー収納容器31と支持部材32の第1支持部55及び第2支持部56との間に、例えばシリコンゴム等の弾性材料にて形成され、断面形状がV字型であるVシール59を設けるとよい。本実施の形態では、図7に示すように、第3容器部35の円筒軸方向の幅よりも大きい幅を有する支持部材32を用いているため、第3容器部35と、第1容器部33及び第2容器部34との境界部にVシール59を円周方向に沿って巻きつけて、トナー収納容器31と支持部材32とを密着させている。
このように、Vシール59を設けることにより、トナー収納容器31と支持部材32とが密着した状態となるので、トナー収納容器31と支持部材32との間の密閉性を高めることができる。従って、トナー収納容器31から、後述する支持部材32のトナー供給口50(図6)にトナーを搬送する際に、トナー収納容器31と支持部材32との間にトナーが漏れ出ても、トナー収納容器31の第1容器部33及び第2容器部34側へ漏れ出ることを防止することができる。このため、プリンタ100内での、トナーの飛散を防止できる。
また、図6に示すように、支持部材32の第1支持部55及び第2支持部56には、それぞれ、上記曲面の外周に、トナー供給装置30を、プリンタ100に装着する際の装着案内部57b・57cが設けられている。さらに、上記第1支持部55には、トナー供給装置30を、プリンタ100に装着する際の装着案内部となるとともに、プリンタ100の外部の平面上に載置する場合に、トナー収納容器31が転がることを防止するための支持台となるリブ57aが設けられている。
上記第1支持部55には、さらに、後述するトナーホッパ8(図3)側に設けられたトナー搬入口へと、排出口43から排出されたトナーを送り出すためのトナー供給口(現像剤供給口)50が設けられている。
図8(a)(b)および図9(a)から(c)に、トナー供給口50付近の断面図を示す。なお、図8(a)、(b)は、トナー供給口50付近を第1容器部33側から見た場合の断面図であり、トナー供給口50付近にはブロッキング防止部材26が示される。一方、図9(a)(b)(c)は、トナー供給口50付近を第2容器部34側から見た場合の断面図であり、トナー供給口50付近には係止部材60が示される。
図8(a)に示すように、上記トナー供給口50は、第1支持部55の曲面を貫通する開口部51と、トナー搬送路52と、トナーホッパ8に対向する導通口53とを有し、トナー供給容器31から開口部51を通ったトナーを、トナー搬送路52及び導通口53を介して、トナー供給装置30の外部、すなわちトナーホッパ8へ供給する。上記トナー供給口50は、図3に示すように、トナー供給装置30をプリンタ100に装着した場合に、トナー供給容器31の円筒軸Lの位置よりも上方に位置するように形成されている。
また、上記トナー供給口50には、トナー供給容器31から供給されるトナーをかき出すためのスクレーパ(かき出し部材)20が取付けられている。該スクレーパ20は、上記開口部51にて、トナー収納容器31に対向するように設けられ、トナー収納容器31の第3容器部35の凹部形成部35a(図5)の外周面を摺動する。
また、図9(a)〜(c)は、係止部材60が導通口53に突き出た状態(すなわち、シャッタ板58aが閉じている状態)の、トナー供給口50付近の断面図を示す。図9(a)に示すように、係止部材60は、スクレーパ20を押圧することにより、スクレーパ20をトナー収納容器31の第1凹部41に突き出た状態に保つことのできる位置に設けられている。つまり、係止部材60はトナー供給口50の導通口53内に移動し、スクレーパ20を第1凹部41へ押し込んだ状態で固定して、スクレーパ20が摺動することを規制する(図9(b)(c)参照)。上記係止部材60の動作については、後述する。
図10(a)に、トナーホッパ8側から見た場合のトナー供給口50の斜視図を示し、図10(b)に、トナー収納容器31側から見た場合のトナー供給口50の斜視図を示す。図10(a)(b)に示すように、上記スクレーパ20は、基台部21と、トナー排出シート22と、立て壁23a・23bとを備えている。
上記基台部21は、図10(b)に示すように、ポリアセタール樹脂等からなる剛体によって形成され、トナー排出シート22のうち凹部形成部35a(図5)を摺動する端部側を保持するシート保持部21aと、スクレーパ20が凹部形成部35aを摺動する際に、スクレーパ20の支点となる支点部21bとを備えている。上記シート保持部21aは、スクレーパ20の可動時にトナー排出シート22の先端部が凹部形成部35aに接触した場合に、トナー排出シート22の撓み等による変形を防止して、該トナー排出シート22を支持するために設けられている。
また、上記支点部21bは、上記シート保持部21aを延在してなり、シート保持部21aとは所定の角度をなすように形成されている。上記支点部21bの、シート保持部21a側とは反対側の端部は、図8(a)に示すように、トナー供給口50の、トナー収納容器31の回転方向に対して下流側に設けられた凹状のスクレーパ取付部54に一端が差し込まれ、該スクレーパ取付部54内で、支点部21bの一端の移動が制限されるようになっている。
さらに、上記基台部21は、図10(b)に示すように、支点部21bの、トナー収納容器31に対向する側にて、ばね等の弾性部材24が係止部材25aによって係止めされ、該弾性部材24の両端は、第1支持部55に、係止部材25b・25cによって係止めされている。このように、支点部21bに弾性部材24を設けることにより、スクレーパ20の基台部21の支点部21b側が、弾性部材24によってトナー収納容器31の第3容器部35側に傾斜するように付勢されている。そのため、トナー排出シート22の先端部が凹部形成部35a(図5)に当接していない場合には、図8(a)に示すように、基台部21のシート保持部21aが第3容器部35側に倒れ込んだ状態となる。
この状態から、トナー収納容器31が回転方向Rへ回転すると、図8(b)に示すように、トナー排出シート22の先端部が凹部形成部35aの外周面を圧接するように当接する。これにより、スクレーパ20は、上記スクレーパ取付部54に取付けられた支点部21bが支点となって可動し、トナー排出シート22の先端部にて、凹部形成部35aの外表面の形状に沿って摺動するようになっている。
上記トナー排出シート22は、弾性を有し、柔軟性に富んだポリエチレンテレフタレート(PET)等によって形成されている。トナー排出シート22は、図10(b)に示すように、上記基台部21のシート保持部21aに、両面テープ等を用いて固定される。一方、上記基台部21の支点部21bの方向に延在する一端は、図8(a)に示すように、トナー供給口50に設けられたスクレーパ取付部54内にトナーが入り込まないように、該スクレーパ取付部54上を覆って、トナー搬送路52上に配置される。
上記トナー排出シート22は、上記したように、弾性及び柔軟性を有しているので、トナー排出シート22の先端部が、凹部形成部35aに密着して摺動することができる。さらに、この摺動によって、基台部21のシート保持部21aが持ち上げられた場合にも、図8(b)に示すように、シート保持部21aと支点部21bとの間で屈曲して、上記スクレーパ取付部54上を覆った状態で、トナー搬送路52上を摺動することができる。
上記立て壁23a・23bは、図10(a)に示すように、開口部51(図8(a))から排出されるトナーをトナー搬送路52へ好適に送り出すために、トナー排出シート22の、トナーの搬送方向における両端部に、該トナー排出シート22に対して垂直方向に設けられている。トナー排出シート22と立て壁23a・23bとは、例えば一体的に形成され、弾性を有する樹脂シートの端部を折り曲げることによって、トナー排出シート22と立て壁23a・23bとを形成すればよい。
上記構成のスクレーパ20には、図8(a)に示すように、トナー搬送路52上でのトナーの滞留を防止するために、ブロッキング防止部材26が、取付けられている。上記ブロッキング防止部材26は、図10(a)に示すように、スクレーパ20の立て壁23a・23bに両端が固定されて略コの字型となって、トナー搬送路52上に配置される。
詳細な説明は後述するが、図17(d)に示すように、シャッタ部材58が開いた状態では係止部材60はトナー搬送路52の外に回避した状態となる。また、図17(b)、図9に示すように、シャッタ部材58が閉じた状態では、係止部材60はスクレーパ20の背面のトナー搬送路52に突出し、スクレーパ20の背面側、すなわちトナー供給口50側に位置する状態となっている。また、開閉のためにシャッタ部材58を移動させるときは、図9に示すように、スクレーパ20はトナー供給口50から第1凹部41側に突出した状態となる。上記ブロッキング防止部材26は、スクレーパ20が押圧される動作が妨げられることのないようにスクレーパ20に設けられているとともに、係止部材60が導通口53側に突き出した状態となることを妨げることのないようにスクレーパ20に設けられている。
上記ブロッキング防止部材26は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリオレフィン等を用いて、シート状に成型すればよい。上記ブロッキング防止部材は、50μm〜200μmの厚さを有し、かつ弾性を有していることが好ましい。このように、上記ブロッキング防止部材が薄手のシート状に成型され、かつ弾性材料にて形成されれば、上記ブロッキング防止部材を自在に弾性変形させることができるので、ブロッキング防止部材の形状のフレキシブル性を高めることができる。
このように、上記ブロッキング防止部材26は、係止部材60によって押圧されると、スクレーパ20に沿うように変形されるため、係止部材60が導通口53側に突き出した状態となったとき、上記ブロッキング防止部材26は係止部材60によるスクレーパ20の押圧を妨げることがない。
上記ブロッキング防止部材26は、図8(a)(b)に示すように、スクレーパ20の動きに連動して、トナー搬送路52上を、トナーの搬送方向と平行な方向に移動する。これにより、トナー搬送路52上のトナーを、トナー供給口50の導通口53からトナーホッパ8側に押し出して、トナー搬送路52上にトナーが滞留することを防止できる。
さらに、上記トナー供給口50には、図12に示すように、トナー供給口50の、トナーホッパ8側にある導通口53(換言すれば、トナー供給口50)を開閉するためのシャッタ部材58が設けられている。該シャッタ部材58は、トナー供給口50を覆うシャッタ板58aと、該シャッタ板58aがトナー収納容器31の円筒軸に平行な方向にスライドするためのシャッタ板案内部58bとを備えている。上記シャッタ部材58は、トナー供給装置30がプリンタ100(図2)に装着されている場合には、図12に示すように、トナー供給口50の導通口53を開口した開状態となる。これに対し、プリンタ100からトナー供給装置30を離脱させる場合には、図11(a)に示すように、トナー供給装置30の離脱に伴って、シャッタ板58aがシャッタ板案内部58bに沿ってスライドする。そして、トナー供給口50内にブロッキング防止部材26を収容し、図11(b)に示すように、シャッタ板58aがトナー供給口50の導通口53を覆った閉状態となる。
以上の構成を備えたトナー供給装置30は、プリンタ100に着脱可能に装着されて用いられる。トナー供給装置30をプリンタ100に装着する場合には、図2に示すように、トナー供給装置30を、プリンタ100内のトナーホッパ8に隣接する領域に挿入する。このとき、トナー収納容器31の第1容器部33(図4)側からプリンタ100に挿入され、支持部材32に設けられたリブ57a及び装着案内部57b・57c(図6)によって案内されて、プリンタ100へ装着される。
また、トナー供給装置30は、プリンタ100に装着されていないときには、図11(b)に示すように、シャッタ部材58によって、トナー供給口50の導通口53が覆われて、閉状態となっている。そのため、プリンタ100内のトナー供給装置30の装着位置には、図示しないシャッタ変位部材が設けられている。これにより、プリンタ100にトナー供給装置30を装着する際に、図12に示すように、トナー供給装置30の支持部材32に設けられたシャッタ部材58のシャッタ板58aをスライドさせて、トナー供給口50を開状態とすることができる。このように、トナー供給装置30をプリンタ100に装着することにより、シャッタ部材58がスライドし、トナー供給口50が開状態となって、該トナー供給口50の導通口53とトナーホッパ8の図示しないトナー搬入口とが連結される。
次に、図18(a)〜図18(h)を用いて、トナー供給装置30をプリンタ100に着脱する際のシャッタ板58aの開閉動作について説明する。図18(a)〜図18(h)は、トナー供給装置30をプリンタ100に装着する時の、シャッタ部材58の開閉動作を説明する図である。図18(a)〜図18(h)では、説明の都合上、トナー供給装置30のうち、シャッタ部材58のみを図示している。
図18(a)に示すように、プリンタ100に装着前のトナー供給装置30は、シャッタ板58aが閉じた状態となっている。このとき、シャッタ板58aに設けられたロックツメ58fは、シャッタ板案内部58bに設けられたストッパー58gにより係止されている。つまり、ストッパー58gは、不必要にシャッタ板58aが開かれることを防ぐはたらきをする。
プリンタ100に装着時には、トナー供給装置30は、プリンタ100外からトナー供給装置領域に、トナー収納容器31の回転軸と平行にスライドさせるように移動される。このとき、図18(b)に示すように、トナーホッパ8に固定されたリブ101がストッパー58gをトナー収納容器31側に押し下げる。これにより、ストッパー58gによるロックツメ58fの係止は解除される。したがって、ストッパー58gによるシャッタ板58aの係止が解除されることにより、シャッタ板58aは移動可能になる。
そして、図18(c)に示すように、トナー供給装置30が、プリンタ100内のホッパー領域に到達すると、トナーホッパ8側に設けられた、トナーホッパ8の供給口を閉じるためのホッパーシャッタ102の端部とシャッタ部材58とが当接すると同時に、トナーホッパ8側に固定配置された開きツメ103にシャッタ板58aの端部が接触する。さらにトナー供給装置30をホッパー領域内に移動させると、ホッパーシャッタ102はトナー供給装置30に従動しホッパー領域内に移動する。これにより、トナーホッパ8の供給口が開かれる。また、シャッタ板58aは、開きツメ103によってシャッタ部材58の移動方向と反対方向、つまり、シャッタ板58aの開方向側に摺動される。これにより、シャッタ板58aが開状態、すなわち、トナー供給装置30のトナー供給口50が開状態となる。
そして、図18(d)に示すように、ホッパーシャッタ102とシャッタ板58aとが完全に開いた状態となると、トナー供給装置30はプリンタ100の図示されないストッパーに当接し停止する。これにより、シャッタ部材58のプリンタ100への装着動作が完了する。このとき、トナー供給口50とトナーホッパ8側のトナー搬入口とは互いに対向した状態となっている。
反対に、図18(e)に示すように、プリンタ100に装着されたトナー供給装置30を取り外す場合には、ホッパーシャッタ102は図示しないバネの付勢によりトナー供給装置30に従動する。すなわち、ホッパーシャッタ102はトナー供給装置30のプリンタ100外への移動に伴って移動する。これにより、トナーホッパ8のトナー搬入口は閉じられる。トナーホッパ8のトナー搬入口が閉状態となると、ホッパーシャッタ102は図示しないホッパー側のストッパーに当接し停止する。
トナー供給装置30を、プリンタ100から退避させる方向、すなわち、プリンタ100から抜き取る方向に移動させると、図18(f)に示すように、シャッタ板案内部58bによりトナー収納容器31側に押し上げられた状態のシャッタ板58aに設けられた弾性端部58dは、トナーホッパ8に固定配置された閉じツメ104に当接する。さらにトナー供給装置30を移動させると、シャッタ板案内部58bはトナー供給装置30の取り外し方向に移動するのに対して、閉じツメ104により係止されたシャッタ板58aは移動しない。よって、シャッタ板案内部58bに対して相対的にシャッタ板58aが移動することにより、シャッタ板58aによってトナー供給口50(導通口53)が閉状態となる。また、弾性端部58dは弾性変形可能であるため、弾性端部58dがトナーホッパ8側の閉じツメ104にくい込むことでシャッタ板案内部58b側に下がらなくなり、シャッタ板58aが閉状態にならないといった不具合が起こることを防止できる。
そして、図18(g)に示すように、シャッタ板58aにより導通口53を完全に閉じると、シャッタ部材58のストッパー(図示せず)にシャッタ部材58が当接するため、それ以上の相対移動は禁止される。また、リブ101によりトナー収納容器31側に押し下げられていたストッパー58gが解除されるため、ストッパー58gはトナー収納容器31側と反対側に押し上げられた状態となる。これにより、ストッパー58gはロックツメ58fを係止するため、ユーザーの誤操作等によりシャッタ板58aが不用意に開かれるのを防止することができる。
そして、弾性端部58dは、再びシャッタ板案内部58bの切り欠き部58e(図12(b)参照)に嵌合された状態となる。シャッタ板58aとシャッタ板案内部58bとの相対移動が禁止された状態で、弾性端部58dに力が加わっても、弾性端部58dは弾性変形するため、弾性端部58dが上記切り欠き部58eにくい込んでシャッタ板58aが動かなくなったり、過剰な負荷がシャッタ板58aにかかり、シャッタ板58aが破損したりすることがない。これにより、シャッタ板58aの開閉動作を支障なく行うことが可能になるため、プリンタ100からトナー供給装置30をスムーズに取り外すことが可能になる。
図18(h)に示すように、トナー供給装置30はシャッタ板58aが完全に閉じられた状態のままでプリンタ100から完全に取り外される。このとき、U字端部58dは切り欠き部58eに嵌合された状態となっており、ストッパー58gはシャッタ板58aが不用意に開かれることを規制する状態となっている。
以上のようにして、トナー供給装置30のプリンタ100への着脱時のシャッタ板58aの開閉動作は行われる。
ここで、上記シャッタ部材58のシャッタ板58aの開閉時における係止部材60のより詳細な動作について、図17を用いて説明する。図17は、トナー供給装置30に備えられたシャッタ部材58の開閉動作を説明するための断面図である。
次に、上記シャッタ部材58の開閉動作時の係止部材60の動作について、図17(a)〜(e)を用いて説明する。
上記したように、シャッタ部材58のシャッタ板案内部58bには、係止部材60が、シャッタ板58aの開閉方向と平行な方向に移動可能に保持されている。また、図17(a)に示すように、係止部材60のシャッタ板58aに対向する面の、導通口53と反対側、つまり、シャッタ板58aの開方向側の端部に、シャッタ板58a方向に突出するように形成された端壁部(突部)60aが設けられている。さらに、シャッタ板58aの導通口被覆部58h側の裏面については、フェルト61が接着されているとともに、端壁部60aに係合するように形成された突起58cが設けられている。一方、シャッタ板58aの摺動部58i側の裏面については、当該裏面にほぼ垂直に板状突起58jが立設されている。
また、トナー供給装置30が、未使用、かつ、プリンタ100(画像形成装置)に未装着の状態では、シャッタ板58aによりトナー供給口50の導通口53は覆われ、シャッタ板58aが閉状態となっている。
図17(b)は、シャッタ板58aが閉状態(導通口53が閉状態)である構成を示している。このとき、係止部材60は導通口53側に突き出した状態となっている。このとき、弾性端部58dは、シャッタ板案内部58bに設けられた切り欠き部58eに嵌合されている。弾性端部58dが突出した状態で、トナー収納容器31を現像剤供給装置30から取り外して取り扱うと、上記弾性端部58dと他の物とが衝突することにより、シャッタ板58aが外れたり、破損するなどしてシャッタ部58が故障するおそれがあるが、本実施形態の構成では、弾性端部58dは切り欠き部58eに嵌合し退避した状態となるため、シャッタ部58の破損を防止できる。
次に、図17(c)に示すように、シャッタ板58aを開状態とする方向(導通口53を開状態とする方向)(図中、矢印方向)に移動させると、弾性端部58dは切り欠き部58eとの嵌合を解かれるとともに、シャッタ板58aの裏面に設けられたフェルト61との摩擦力により、係止部材60はシャッタ板案内部58b側に移動される。
このとき、突起58cは端壁部60aに係合するため、係止部材60をシャッタ部68aによって強制的に導通口53内から退避させることができる。その結果、図17(d)に示すように、シャッタ板58aが完全に開いた状態となり、係止部材60が導通口53から回避された状態(開状態)となる。
再びシャッタ板58aを閉じる場合には、図17(e)に示すように、シャッタ板58aを閉じた状態から開くときと同様に、突起58cによる端壁部60aの係合が解除されるとともに、フェルト61と係止部材60との間にはたらく摩擦力により、係止部材60は導通口53内に移動する。
ここで、前述のように、図9(a)(b)(c)は、係止部材60が導通口53内に突き出した状態のトナー供給口50付近の断面図である。
上述したように、シャッタ板58aが開いた状態から閉じた状態になると、係止部材60はシャッタ板58aとの摩擦力により導通口53側に移動し、導通口53内に突き出した状態で係止される。したがって、スクレーパ20は係止部材60により押圧され、第1凹部41に突き出された状態となる。換言すれば、係止部材60は、シャッタ板58aが閉じた状態のとき、スクレーパ20が第1凹部41から脱出することを禁止するはたらきをする。
トナー収納容器31が通常の回転方向であるスクレーパ20の下方へ回動しようとする場合、つまり、矢印R方向に回動しようとする場合には、図9(c)に示すように、係止部材60により回動が禁止された状態のスクレーパ20が、第1凹部41の底壁部41bに摺接する。これにより、スクレーパ20と底壁部41bとの間に摩擦力がはたらくため、トナー収納容器31の回動を制限することができる。底壁部41bは、トナー収納容器31の外周面に略平行となるように形成されているため、スクレーパ20が端壁部41aに摺接する場合と比較して、スクレーパ20が摺接する際の衝撃を低減することができる。したがって、トナー収納容器31を回動している状態から急に停止させる場合にも、少ない衝撃で効果的にトナー収納容器31の回動を停止させることができる。それゆえ、部品の破損によりトナー収納容器31が故障することを防止できる。
一方、トナー収納容器31が、通常の回転方向と反対の方向であるスクレーパ20の上方へ回動しようとする場合、つまり、矢印R’方向に回動する場合には、図9(b)に示すように、係止部材60により回動が禁止された状態のスクレーパ20は、第1凹部41の端壁部41aに衝突するため、トナー収納容器31の回動を制限することができる。
以上のように、シャッタ板58aが閉じた状態のとき、スクレーパ20はトナー収納容器31の回動可能範囲を制限する。これにより、ユーザーの誤操作によってトナー収納容器31が回動されることにより、トナー収納容器31のトナー排出口43を接着封止している封止シール62が引き剥がされ、トナー排出口43からトナーが流出することを防ぐことができる。さらに、トナー収納容器31がいずれの方向に回動する場合にも、係止部材60により押圧され、第1凹部41に突き出された状態となったスクレーパ20が、トナー収納容器31の回動を制限することが可能である。したがって、輸送時の振動などによってトナー供給装置30内でトナー収納容器31が暴れても、封止シール62が引き剥がされることがなく、トナー排出口43からのトナー漏れを防止できる。
また、係止部材60に加えられる付勢は、シャッタ板58aの裏面に接着したフェルト61と係止部材60との摩擦力によるため、所定の値以下となる。
それゆえ、スクレーパ20をトナー収納容器31側に突出させることができない場合に、係止部材60が無理に導通口53内に移動することを防止できるため、スクレーパ20が係止部材60により押圧されてトナー収納容器31側に突出することがなくなる。したがって、上記スクレーパ20、係止部材60、さらにはシャッタ板58a等が破損することを防止できる。ここで、スクレーパ20をトナー収納容器31側に突出させることができない場合とは、トナー収納容器31の凹部形成部35aがトナー供給口50の導通口53と対面していない状態にある場合や、スクレーパ20がトナー収納容器31側に突き出ていない状態でトナー供給口50内に充填されたトナーが凝固することによって、上記スクレーパ20のトナー収納容器31側への移動が妨げられる場合を指す。
なお、フェルト61と接触する係止部材60の接触面をラック歯車、またはローレット加工面のような凹凸面として、フェルト61と係止部材60との間にはたらく摩擦力を増加、もしくは安定化させてもよい。
一方、シャッタ板58aにより導通口53が開かれた状態で、係止部材60がトナー供給口50側に引き出された状態となる場合には、スクレーパ20は係止部材60によりトナー供給口51側に回避できない状態となる。このとき、トナー収納容器31を回動させようとしても、図9(a)に示すように、スクレーパ20もトナー収納容器31側に突き出された状態(すなわち、第1凹部41へ押し込まれた状態)となるため、トナー収納容器31は回動することができない。このとき、トナー収納容器31を無理に回動させようとすると、スクレーパ20、係止部材60、シャッタ板58a、トナー収納容器31の駆動部となる本体側連結部80(連結部材、ギヤなど)の破損などの故障が発生するおそれがある。本実施形態の構成によれば、上記シャッタ板58aを開く動作に伴って係止部材60を強制的に移動させることができ、シャッタ板58aが開かれた状態では、スクレーパ20はトナー供給口50側に回避させることができるため、トナー収納容器31は回動可能となる。このため、前記故障などの発生を防止できる。
また、未使用のトナー収納容器31を装着したトナー供給装置30においては、封止シール62により導通口53が封止接着されている。これにより、ユーザーの誤操作等によりトナー収納容器31の排出口43からトナーがこぼれ落ちることを確実に防止することができる。シャッタ板58aにより導通口53が開かれ、トナー収納容器31が回動を開始すると、最初の1回転で封止シール62により導通口53の封止接着が引き剥がされ、導通口53からのトナーの供給が可能となる。このとき、上記したように、封止シール62の他端はスクレーパ20に固定されているので、排出口43から引き剥がされた封止シール62はスクレーパ20によって保持されている。それゆえ、封止シール62によってトナー収納容器31の回動が妨げられることを防止できる。よって、引き剥がされた封止シール62が、その後のトナー収納容器31の動作の支障の原因となることがない。
また、シャッタ板58aを勢いよくスライドさせて開けた場合には、弾性端部58dはシャッタ板案内部58bの内壁に衝突して止まる。このとき、シャッタ板58aをさらにスライドさせて開状態とする力が働き、シャッタ板58aが撓むなどして、シャッタ板58aがシャッタ板案内部58bにくい込み、シャッタ板58aを閉じることができなくなるなどの故障が発生するおそれがある。本実施形態の構成では、弾性端部58dの断面形状をU字型とすることにより、弾性端部58dのシャッタ板案内部58bに衝突する際の衝撃が低減され、シャッタ部材58の故障を防止できる。
さらに、シャッタ板案内部58bに設けられた切り欠き部58eに、弾性端部58dを嵌合させることにより、シャッタ板58aを閉じた状態で係止する機能も付加できる。
なお、本実施の形態では、弾性端部58dの断面形状がU字型である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、弾性端部58dの断面形状は、その他、コの字状など、切り欠き部58eに嵌合可能であるとともに、シャッタ板案内部58bや閉じツメ104に衝突した時の衝撃を低減することのできる形状であればよい。
また、係止部材60の形状についても、本実施の形態において説明したものに限定されることなく、シャッタ板58aの開閉動作に連動して移動し、シャッタ板58aを閉じる動作を行った場合にトナー供給口50内へ移動してスクレーパ20を第1凹部41内へ押し込むことができるものであればよい。上記係止部材60の材料としては、弾性及び耐衝撃性という性質を備えたポリアセタール樹脂(POM)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂{ABS}などが好ましく、また、シャッタ部材58を構成する他の部材と同じ材料を用いることが設計上好ましい。
また、本実施形態のプリンタ100は、ストッパー58gを備えているため、シャッタ板58aが閉じられた状態で、ストッパー58gがシャッタ板58aに設けられたロックツメ58fを係止することができる。これにより、不必要にシャッタ板58aが開かれることを防止することができる。すなわち、封止シール62が引き剥がされた後に、ユーザーが不用意にシャッタ板58aを開けてしまい、トナー供給口51から外部にトナーが流出し、ユーザーやトナー収納容器31などが汚れることを防ぐことができる。
次に、上記構成のトナー供給装置30のプリンタ100内での動作について、上記説明にて用いた図面、及び、図13(a)、図13(b)、図14(a)、および図14(d)に基づいて、詳細に説明する。図13(a)〜図14(b)は、トナー供給装置30からトナーが供給される動作を説明するための断面図である。
上記にて説明したトナー供給装置30は、前記した図6に示すように、トナー収納容器31が支持部材32によって支持された状態にて、第3容器部35における凹部形成部35aの第1凹部41及び第2凹部42と、支持部材32との間に、空間が形成された状態となっている。この状態にて、プリンタ100内にて、図1に示す駆動源85からの駆動力によって、トナー供給容器30が円筒軸を中心に回転すると、トナー供給容器30の第1容器部33及び第2容器部34(図4)の位置にあるトナーが、搬送部36・39に沿って搬送される。このとき、搬送されたトナーは、第3容器部35に集まる。
第3容器部35に集まったトナーは、図5に示す第1凹部41に設けられたトナー排出口43から、第1凹部41に排出される。
具体的には、図13(a)に示すように、第1凹部41とスクレーパ20とが対向し、該第1凹部41の底壁部31bに、スクレーパ20のトナー排出シート22の先端部分が接触していない状態では、基台部21のシート保持部21aが第3容器部35側に倒れ込んでいる。この図13(a)に示す状態から、トナー27を収容しているトナー収納容器31が円筒軸を中心に回転方向Rに回転すると、図13(b)に示すように、第1凹部41のトナー排出口43を封止していた封止シール62の一端が引き剥がされ、トナー排出口43から第1凹部41にトナーを排出することが可能になる。そして、スクレーパ20のトナー排出シート22の先端部分が第1凹部41の底壁部41bに接触する。上記したように、引き剥がされた封止シール62の他端はスクレーパ20に固定されたままとなるため、開封後に外れた封止シール62がトナー収納容器31の回動部の隙間に噛み込みトナー収納容器31をロックしてしまうことを確実に防止できる。すなわち、トナー収納容器31の回転動作が封止シール62によって妨げられることを防止できる。
前記したように、第1凹部41は、トナー供給容器31の回転方向Rに対して下流側に設けられた、トナー収納容器31の内外を貫通するトナー排出口43を有している。そのため、図13(b)に示すように、トナー収納容器31の回転により、トナー排出口43が、トナー収納容器31内のトナー27の表面に接触すると、トナー収納容器31の回転に伴って、トナー排出口43から、第1凹部41と支持部材32との間にトナーが流入する。
上記トナー収納容器31の回転により、スクレーパ20が設けられているトナー供給口50の位置を、第1凹部41全体が通過すると、図8(b)に示すように、第1凹部41と第2凹部42との間にある凹部形成部35の外周面に、トナー排出シート22の先端部分及びシート保持部21aの先端部が当接する。このとき、第1凹部41と支持部材32との間にトナー27が保持された状態で、トナー収納容器31が回転する。
さらに、トナー収納容器31が回転すると、図14(a)に示すように、第2凹部42とスクレーパ20とが対向し、スクレーパ20のトナー排出シート22の先端部分が第2凹部42の底壁部42bを摺動する。第2凹部42は、トナー収納容器31の内外を貫通する開口部分を有していないので、第2凹部42と支持部材32との間の空間に、トナー供給容器31内のトナー27が流入することはない。この場合にも、第1凹部41と支持部材32との間にトナー27aが保持された状態で、トナー収納容器31が回転する。
その後、第1凹部41と支持部材32との間にトナー27aが保持されて搬送された状態で、第1凹部41が再び、スクレーパ20に対向する。そして、スクレーパ20のトナー排出シート22の先端部分が第1凹部41の底壁部41bに接触すると、図14(b)に示すように、第1凹部41と支持部材32との間のトナー27aが、トナー排出シート22の先端部分ですくい上げられる。このとき、上記第1凹部41の底壁部41bは、トナー収納容器31の外周面に略平行となる、なだらかな傾斜を有しているので、第1凹部41側からトナー排出シート22上を通って、トナー供給口50へとトナー27aがスムーズに送り出される。
上記スクレーパ20には、立て壁23a・23b(図10(a))が設けられているので、送り出されたトナーを、トナー供給口50からトナーホッパ8へスムーズに送り出すことができる。すなわち、上記立て壁23a・23bが設けられることにより、トナー供給装置30からトナーホッパ21へのトナーの搬送方向に対して垂直となる方向にトナーが流れ出すことを防止して、上記トナー供給装置30側からトナーホッパ8(図3)の方向であるトナーの搬送方向に沿ってトナーをスムーズに搬送することができる。
また、立て壁23a・23bに取付けられたブロッキング防止部材26は、凹部形成部35aを摺動するスクレーパ20の動きに連動して、トナー搬送路52上を、トナーの搬送方向と平行な方向に移動する(図8(a)(b))。従って、図8(b)に示すように、スクレーパ20に備えられたトナー排出シート22の先端部が、第1凹部41と第2凹部42との間にある凹部形成部35の外周面に当接すると、図15に示すように、ブロッキング防止部材26の先端部分がトナー供給口50の外部にはみ出した状態となる。つまり、ブロッキング防止部材26の先端部分が、トナー供給口50の導通口53から、トナーホッパ8側に押出された状態となる。これにより、トナー供給口50のトナー搬送路52上のトナーを、トナーホッパ8側へ確実に送り出すことができるので、導通口53付近にトナーが滞留することを防止して、トナー供給容器31から排出されたトナーを確実にトナーホッパ8に供給することができる。
なお、本実施の形態では、ブロッキング防止部剤26の先端部分が、導通口53からトナー供給口50の外部に押し出されて、トナーホッパ8側にはみ出る構成としているが、これに限定されるものではない。すなわち、導通口53付近でのトナーの滞留を防止するためには、図16に示すように、ブロッキング防止部剤26’の先端部分が導通口53まで移動する構成であればよい。該構成によっても、導通口53にトナーが滞留することを防止して、導通口53付近のトナーを、トナーホッパ8側に送り出すことができる。
また、上記では、第2凹部と支持部材32との空間に、トナーが保持されていない場合について説明したが、該空間には、第1凹部41と支持部材32との間の空間に流入したトナー27aの一部が保持される場合がある。すなわち、トナー収納容器31の回転により、第1凹部41と支持部材32との間の空間に流入したトナー27aの一部が、トナー収納容器31の第3凹部に設けられた案内片形成部35b・35c(図5)側に漏れ出ることがある。このような場合、上記案内片形成部35b・35cに設けられた排出案内片44b・44cにより、該案内片形成部35b・35c上のトナーが第1凹部41及び第2凹部42に搬送されて集められる。従って、第1凹部41と支持部材32との間の空間(以下、第1の空間と記載する)、及び、第2凹部42と支持部材32との間の空間(第2の空間と記載する)には、案内片形成部35b・35c上に漏れ出たトナーが保持されることがある。
このように、案内片形成部35b・35c上に漏れ出たトナーのうち、第1の空間に集められたトナーは、図13(a)(b)及び図14(a)(b)に基づいて説明したように、第1凹部41のトナー排出口43から排出されたトナーとともに、トナー供給口50に送り出される。一方、案内片形成部35b・35c上に漏れ出たトナーのうち、第2の空間にトナーが搬送された場合には、図14(a)に示すように、第2凹部42の底壁部42bをスクレーパ20が摺動することにより、トナー排出シート22の先端部分で、上記第2の空間のトナーがすくい上げられる。すくい上げられたトナーは、第2凹部42側からトナー排出シート22上を通って、トナー供給口50へと送り出されるので、案内片形成部35b・35c上に漏れ出たトナーを無駄にすることなく、トナーホッパ8に供給して現像に用いることができる。
上記のように、トナー収納容器31を回転させることにより、第1凹部41内にトナーを流入させて、トナー供給口50に搬送することができる。そのため、トナー収納容器31内のトナーの残量が少ない場合にも、トナー収納容器31内にて重力方向に対して下方に位置するトナーを、上記第1の空間にトナーを流入させることができる。従って、トナー収納容器31内のトナーの残量に大きく依存することなく、第1の空間にトナーを流入させることができるので、上記第1凹部41によって搬送されたトナーを、トナー供給口50を介してトナーホッパ8側へと好適に送り出すことができる。
また、トナー供給口50は、図3に示すように、トナー収納容器31の円筒軸Lよりも上方に位置するように、プリンタ100に装着されている。そのため、上記第1の空間に保持されたトナーを、円筒状のトナー収納容器31に設けられた第1凹部41の底壁部41bに沿って、トナー供給口50にスムーズに落下させることができる。これにより、トナー供給装置30からトナーホッパ8へのトナーの供給を好適に行うことができる。
さらに、第1凹部41及び第2凹部42と支持部材32との間のトナーは、スクレーパ20が有するトナー排出シート22の先端部分が、第1凹部41・第2凹部の底壁部41b・42bに押し当てられた状態で摺動することにより、第1凹部41及び第2凹部42からトナーをすくい上げて、トナー供給口50側へ掻きだしている。それゆえ、第1の空間及び第2の空間内に集められたトナーを、確実にすくい上げて掻きだすことができるので、トナー収納容器31の第1凹部41及び第2凹部42から、トナー供給口50のトナー搬送路52上へ、トナーを搬送することができる。
さらに、スクレーパ20には、ブロッキング防止部材26が設けられているので、スクレーパ20によって、トナー供給口50に送り出されたトナーを、さらにブロッキング防止部材26によって、トナーホッパ8側へ送り出すことができる。これにより、トナー供給口50の導通口53にトナーが滞留することを防止して、トナー供給装置30からトナーホッパ8へトナーをスムーズに送り出すことができる。
本実施形態の構成によれば、シャッタ板58aが閉じる時にトナー供給口50内へ移動する係止部材60が設けられていることによって、上記スクレーパ20を、トナーのかき出しとトナー収納容器31の回動制限とに兼用することができる。そのため、簡素な構成で、トナー収納容器31から外部に排出されるトナーの供給量の安定化とユーザーの誤操作にとるトナーのこぼれ落ち防止とを実現することができる。
上記のようにして、トナーホッパ8に送り出されたトナーは、図1に示すように、トナーホッパ8内にて、まず、撹拌部材11によって撹拌される。上記撹拌部材11は、撹拌軸11aに撹拌羽根11bが設けられており、撹拌軸11aが回転することにより、撹拌軸11a周りを撹拌羽根11bが回転して、トナーホッパ8内のトナーが撹拌される。続いて、撹拌部材11によって撹拌されたトナーは、該撹拌部材11の撹拌動作によって、供給ローラ12側に送りだされる。供給ローラ13は、撹拌部材11によって送り出されたトナーを、現像装置4に供給する。
以上の動作によって、トナー供給装置30からトナーが排出され、トナー収納容器31内のトナー残量が少なくなった場合には、トナー供給装置30をプリンタ100から取り外し、トナー収納容器31のトナー補給口45(図4)からトナーを供給すればよい。なお、現像装置4で使用された使用済のトナーは、図21および図22に示す、トナー回収容器70に回収される。このため、トナーを無駄にすることなくリサイクルしてトナーを使用できる。
プリンタ100からトナー供給装置30を離脱させる場合には、まず、上記した規制部材によるトナー供給装置30に対する規制を解除する。次いで、プリンタ100にトナー供給装置30を挿入した方向とは逆方向に、トナー供給装置30を移動させ、支持部材32に設けられたリブ57a及び装着案内部57b・57c(図6)によって案内されて、プリンタ100からトナー供給装置30を離脱させる。
このとき、プリンタ100内に設けられた上記したシャッタ変位部材が、図11(a)(b)に示すように、トナー供給装置30の支持部材32に設けられたシャッタ部材58のシャッタ板58aをスライドさせる。プリンタ100にトナー供給装置30が装着されている状態では、シャッタ部材58は開状態となっているので、トナー供給装置30を離脱する場合には、シャッタ部材58が開状態から閉状態となるように、上記シャッタ変位部材がシャッタ板58aをスライドさせる。つまり、図11(b)に示すように、トナー供給口50の導通口53をシャッタ板58aが覆うように、シャッタ板58aをスライドさせる。
上記シャッタ部材58がトナー供給口50を閉状態とするために、シャッタ板58aをスライドさせる場合、トナー供給口50の導通口53付近にトナーが滞留していると、シャッタ板58aのスライドにより、導通口53とトナーホッパ8の図示しないトナー搬入口との間に、トナーがこぼれ落ちることがある。しかしながら、トナー供給口50には、ブロッキング防止部材26が設けられているので、上記したように、該ブロッキング防止部材26によってトナーホッパ8側にトナーが押し出されるので、導通口53付近にトナーが滞留することはない。それゆえ、シャッタ部材58が、トナー供給口50を閉状態とするように動作した場合にも、導通口53からトナーがこぼれ落ちることはない。従って、プリンタ100内での、導通口53からこぼれ出るトナーの飛散を防止できる。
なお、本実施の形態では、図10(a)に示すように、立て壁23a・23bに両端が固定されて、略コの字型を有するブロッキング防止部材26(図12)を用いているが、ブロッキング防止部材の形状はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、上記立て壁23a・23bのそれぞれに、T字型又はL字型等の弾性を有するブロッキング防止部材を取り付けた場合にも、トナー供給口50のトナー搬送路52上に滞留するトナーを、導通口53に向けて押し出すことができる。
また、本実施の形態では、ブロッキング防止部材26をスクレーパ20に取付けているが、例えば、トナー供給口50内部に取り付けるようにしてもよい。この場合にも、スクレーパ20の、トナー搬送路52上に配置されるトナー排出シート22の先端部分の動きに合わせて、ブロッキング防止部材がトナー搬送路52上に滞留するトナーを押し出すことができるようにすることが好ましい。すなわち、例えば、トナー供給口50内部にて、トナー排出シート22の先端部分が押し当てられることによって開閉可能なドア状に、ブロッキング防止部材を設ければよい。これにより、スクレーパ20がトナー収納容器31の凹部形成部35aを摺動する際のスクレーパ20の動きに連動して、ブロッキング防止部材が導通口53方向に開くことになり、トナー搬送路52上に滞留するトナーを押し出すことができる。
なお、本発明を、以下のように表現することも可能である。
〔1〕画像形成装置(プリンタ100)の現像装置4に着脱自在に搭載される現像剤供給装置(トナー供給装置30)であって、該現像剤供給装置の現像剤収納容器(トナー収納容器31)を現像剤収納容器の円筒軸L方向に回転させ、現像剤収納容器の側壁に設けられた供給口(トナー排出口43)より現像剤(トナーなど)を供給する構造の現像剤供給装置であって、該現像剤供給装置を現像装置から取外したときに、現像剤供給口(トナー供給口53)をシャッタ機構(シャッタ部材58)により塞ぐと共に、現像剤収納容器の回転を固定する現像剤供給装置において、現像剤収納容器の回転位置を検出し、現像剤供給容器の回転停止位置が、所定の位置となるように制御し、現像剤収納容器の回転を停止させることを特徴とする現像剤供給装置。
この構成によれば、トナー収納容器の回転位置を制御しトナー供給のための動作である回転動作を停止させる場合に、常にトナー供給口が上部に来て、シャッタ機構を正常に動作させることができるように、決められた回転位置になるように停止させることにより、トナーがトナー収納容器から漏れて固まったり、シャッタ機構が正常に働かないことでトナー補給不良やトナー汚れなどのトラブルを未然に防ぎ、安定して良好な現像剤の供給を行うことができる。ここで、上記「常にトナー供給口が上部に来る」とは、トナー収納容器31に設けられたトナー供給口50(トナー排出口43)が、トナーの界面よりも、鉛直方向の上方に位置していることを示している。
〔2〕前記現像剤収納容器と、その現像剤収納容器を回転駆動する駆動機構(駆動部)との係合部(結合部)は、駆動部側と常に一つの回転位置関係で結合するように構成されており、駆動部側を常に所定の回転位置で停止させることを特徴とする上記〔1〕記載の現像剤供給装置。
この構成によれば、駆動側の回転停止位置を常に所定の位置で停止させると共に、トナー供給装置と駆動部側とが一つの回転位置でしか係合しないため、常にトナー供給容器を決まった回転位置にて停止させることができる。
〔3〕前記係合部は継手手段(継手部81)にて構成されており、係合(結合)する突起が継手部手段と(駆動部側結合部87aまたは87b)、トナー供給容器(容器側結合部37aまたは37b)のそれぞれに一ヶ所のみ設けられていることを特徴とする上記〔2〕記載の現像剤供給装置。
この構成によれば、継手手段と現像剤収納容器とにそれぞれ1箇所の係合突起(結合部)しか設けられていないため、現像剤収納容器と駆動部側との係合位置関係が1つに決まる。このため、駆動部を所定の回転位置に停止させることにより、容易に現像剤収納容器をいつも決まった回転位置に停止させることができる。
〔4〕前記係合部の係合する突起は、複数組設けられ、それぞれ半径方向に異なる位置に位置させていることを特徴とする上記〔2〕記載の現像剤供給装置。
この構成によれば、継手手段の継手(駆動部側結合部87a・87b)と、現像剤収納容器側結合部(容器側結合部37a・37b)とのそれぞれに設けられた複数組の係合突起が、円筒軸の半径方向にそれぞれ異なった位置に位置している。このため、現像剤収納容器と、駆動部とが1つの組合せでしか結合しないので、現像剤収納容器と駆動との係合位置関係が1つに決まる。従って、駆動部を所定の回転位置に停止させることにより容易に現像剤収納容器をいつも決まった回転位置に停止させることができる。
〔5〕前記〔1〕ないし〔4〕記載の現像剤供給装置を備えた画像形成装置。
この構成によれば、画像形成装置で上記の効果を得ることができ、トラブルを発生させずに良好な画像形成を常に行うことができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。