JP4037232B2 - ベニヤ単板搬送装置及びベニヤ単板搬送方法 - Google Patents

ベニヤ単板搬送装置及びベニヤ単板搬送方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
略上下に複数枚堆積されているベニヤ単板群の最上のベニヤ単板を保持部材で持ち上げると共に搬送部材へ到達させ、次に到達したベニヤ単板の厚み方向の枚数を検出後、搬送部材でベニヤ単板を所望位置に搬送するベニヤ単板搬送装置及びベニヤ単板搬送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術の1例としての装置の構成を概略側面図である図1及び図1の一部AA視図である図2に基づいて説明する。
図1に示すWは略上下に複数枚堆積されているベニヤ単板であり、後述する制御器(図示せず)により最上のベニヤ単板Wが所定の高さを保つ様に昇降機3が自動的に制御されている。
5はベニヤ単板Wを保持・解放自在な保持部材であり、シリンダ7と対になって矢印EF方向に直交する方向に複数配備されている。更に保持部材5を詳細に説明すると図2に示すように、基部5aには鋭利な先端5bを有する一対の爪5cが軸5dを介して回動自在に取り付けられている。そして、鋭利な先端5bは実線の状態で基部5aの底部5eから先端5bまでの距離がベニヤ単板の厚さとほぼ等しく設定されている。更に鋭利な先端5bを実線から二点鎖線で示す間を回動させるべく図示するように両爪5cの上端内側角部に当接される2つの面5hが上方に向かって互いに遠ざかる様に傾斜している当て座5fがピストンロッド5iに固定され、該当て座5fを実線から二点鎖線で示す間を往復移動させるシリンダ5gが基部5aに配備されている。更に基部5aはシリンダ7のピストンロッド7aに取り付けられ、そして図1に示すように、シリンダ7の作動により、保持部材5は略上下方向である矢印CD方向に往復移動される。そして各々のシリンダ7は水平台9に取り付けられ、該水平台9は基台1に取り付けられているレール11に沿って、略水平方向である矢印EF方向に移動自在に配備されている。そして13は水平台9を同方向に往復移動させるシリンダである。
【0003】
21は到達したベニヤ単板Wを所望位置に搬送する搬送ロールであり、回転自在に基台1に取り付けられ、そして電動機25により、回転・停止される。また搬送ロール21に向かって傾斜する面23aを有するガイド23も基台1に取り付けられている。
27は搬送ロール21で搬送可能な位置にベニヤ単板Wが到達したことを検出する光電形近接スイッチ、リミットスイッチ等の検出器である。
31は後述するようにベニヤ単板の枚数を検出する検出ロールであり、垂直台33に回転自在に取り付けられている。そして垂直台33は基台1に取り付けられているレール35に沿って移動自在に配備され、その移動方向は検出ロール31が搬送ロール21に向かう方向であるところの矢印GH方向である。そして37は垂直台33を同方向に往復移動させるシリンダである。
39は垂直台33の矢印GH方向の位置を検出するアブソリュート型エンコーダー等の位置検出器である。
また、検出器27及び/又は位置検出器39からの信号に基づいて、シリンダ5f、7、13、37、電動機25を後述するように制御する制御器(図示せず)が設けられている。
【0004】
尚、制御器は搬送ロール21に到達したベニヤ単板に対し、シリンダ37を作動させて、検出ロール31を矢印G方向に下降させ、そしてベニヤ単板に当接して該検出ロール31が停止した時の垂直台33の矢印GH方向の位置を位置検出器39で検出させ、その検出信号により、搬送ロール21と検出ロール間の隙間を演算し、その演算値が予め設定してあるベニヤ単板の厚みと比較して枚数を検出する。尚、通常ベニヤ単板は厚さが一定ではなく部分的に厚くなっていることがあるため該演算知が厚みの1.5倍以下か1.5倍を越えるかで、搬送ロール21に到達しているベニヤ単板が厚み方向で1枚か2枚かを判断する。
【0005】
次に作用を説明すると、図1の初期状態では各々の保持部材5は図2に示すように、シリンダ5gのピストンロッド5iは伸長していて、自重により爪5cの先端5bは実線で示すように互いに開き合っている状態である。また図1に示すように、シリンダ7、13、37の夫々のピストンロッドは縮小していて、保持部材5は矢印D方向に上昇状態で待機、水平台9は矢印F方向で待機、検出ロール31は矢印H方向に上昇状態で待機している。また搬送ロール21は電動機25により停止状態である。
【0006】
次に初期状態で運転が開始され、検出器27からベニヤ単板を非検出の信号が制御器に入力されると、制御器からの信号により、図3(a)に示すようにシリンダ7のピストンロッド7aを伸長作動させて、各保持部材5を最上のベニヤ単板Wに向けて下降させ、各保持部材5を該ベニヤ単板Wに当接させて、図2に示す爪5cの先端5bをベニヤ単板Wに刺し込む。次に前記下降させてから刺し込むのに充分な時間が経過後、制御器からの信号で図2に示すシリンダ5gのピストンロッドを縮小作動させて当て座5fを二点鎖線で示すように下降させ、爪5cの先端5bを二点鎖線で示すように閉じさせて、両爪5cの間のベニヤ単板Wを挟むことで保持させる。
【0007】
次に前記保持させるのに充分な時間が経過後、制御器からの信号で図3(b)に示すように、シリンダ7のピストンロッド7aを縮小作動させ、ベニヤ単板Wを保持状態で各保持部材5を矢印D方向に上昇させる。次いで図3(c)に示すように、シリンダ13のピストンロッドを伸長作動させて、水平台9を矢印E方向に移動させ、ベニヤ単板Wを搬送ロール21に到達させる。この時、ベニヤ単板Wは搬送ロール21で搬送するのに充分な位置に到達している。
【0008】
次に検出器27がベニヤ単板Wを検出し、その検出信号が制御器に入力されると、制御器からの信号で、図2に示すシリンダ5gのピストンロッド5iを伸長作動させて、当て座5fを実線で示す位置に上昇させると、主にベニヤ単板Wの自重により爪5cの先端5bが実線で示す元の位置に開き、その結果ベニヤ単板Wの保持を解放させ、図4(a)に示すように該ベニヤ単板Wを落下させて搬送ロール21に接触させる。
次に制御器からの信号で、図4(b)に示すように、シリンダ37のピストンロッドを伸長作動させて、検出ロール31を矢印G方向に下降させ、ベニヤ単板Wを搬送ロール21と検出ロール31で挟持させると共に、シリンダ13のピストンロッドを縮小作動させて、水平台9を矢印F方向の元の位置に戻す。次に検出ロール31の下降が終了するのに充分な時間が経過後、垂直台33の下降して停止している位置を検出した位置検出器39からの信号が制御器に入力される。そして制御器は入力された信号により演算し、この場合は搬送ロール21と検出ロール31で挟持しているベニヤ単板Wが1枚であると判断する。
【0009】
次に制御器からの信号で、図4(c)に示すように、電動機25を駆動させて、搬送ロール21を図より見て反時計方向に回転させ、ベニヤ単板Wを所望位置に搬送する。次にベニヤ単板Wが所望位置に搬送され、続いてベニヤ単板を搬送可能な状態となると、検出器27からベニヤ単板を非検出となった信号が制御器に入力され、制御器からの信号により、シリンダ37のピストンロッドを縮小させて、垂直台33を元の位置に上昇させると共に、運転開始からの同様な動作を繰り返させる。
【0010】
また、ベニヤ単板Wを保持部材5で保持した後、持ち上げた際、最上層及びこれに隣り合う2枚のベニヤ単板間が真空状態に近くなること等の理由で図5(a)に示すように、2枚目のベニヤ単板W1も一緒に持ち上がった場合を説明する。
この場合、図5(b)に示すように、シリンダ13のピストンロッドを伸長作動させて、水平台9を矢印E方向に移動させると、ベニヤ単板W、W1の2枚を搬送ロール21に到達させてしまう。同様に、これらベニヤ単板W、W1は搬送ロール21で搬送するのに充分な位置に到達している。
【0011】
次に検出器27がベニヤ単板Wを検出し、その検出信号が制御器に入力されると、制御器からの信号で、同様な動作でベニヤ単板Wの保持を解放させ、図5(c)に示すように該ベニヤ単板W、W1を搬送ロール21上に落下させる。
次に制御器からの信号で、図5(d)に示すように、シリンダ37のピストンロッドを伸長作動させて、検出ロール31を矢印G方向に下降させ、ベニヤ単板W、W1を搬送ロール21と検出ロール31で挟持させると共に、シリンダ13のピストンロッドを縮小作動させて、水平台9を矢印F方向の元の位置に戻す。次に検出ロール31の下降が終了するのに充分な時間が経過後、垂直台33の下降して停止している位置を検出した位置検出器39からの信号が制御器に入力される。そして制御器は入力された信号により演算し、搬送ロール21と検出ロール31で挟持しているベニヤ単板が2枚であると判断する。
次に制御器からの信号で、以後の動作を停止させると共に、警報等を鳴らして管理者に知らせ、管理者が手作業で1枚のベニヤ単板だけを昇降機3上のベニヤ単板に重ね合わせる等していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来装置では、搬送ロール21に到達しているベニヤ単板が厚み方向で2枚の場合は、2枚を検出後の動作を停止させていた。
そのため管理者が復旧動作をさせるまでは生産が停止し、生産性が悪いという問題があった。
【0013】
本発明は、上記した従来の問題点を解決するために発明されたものであり、その課題とする処は、生産性の良いベニヤ単板搬送装置及びベニヤ単板搬送方法を提供することにある。
【0014】
【問題点を解決するための手段】
このため、以下のベニヤ単板搬送装置及びベニヤ単板搬送方法を提供する。
略上下に複数枚堆積されているベニヤ単板群の水平方向一方側に設けられ、ベニヤ単板を搬送する搬送部材と、
該ベニヤ単板群の上方で、ベニヤ単板を保持可能な位置とベニヤ単板から離れた待機位置との間を上下動可能で、且つ水平往復移動により、保持したベニヤ単板を、該搬送部材によりベニヤ単板が搬送可能となる位置へ移動させる保持部材と、
該搬送部材で搬送可能な位置にベニヤ単板が到達したことを検出する第1検出器と、
該搬送可能な位置に到達したベニヤ単板の枚数を検出する検出機構と、
搬送部材でベニヤ単板を、前記待機位置にある保持部材によるベニヤ単板群からのベニヤ単板保持動作の妨げとならぬ位置に搬送したことを検出する第2検出器と、
保持部材を、前記待機位置に待機させた状態であって第2検出器が前記搬送したことを検出している時、保持部材を前記保持可能な位置に下降させ、次いで上昇及び水平移動によりベニヤ単板を前記搬送可能となる位置へ移動させた後、保持部材の移動を停止し、また第1検出器からの検出信号により、検出機構でベニヤ単板の枚数を検出し、
検出された枚数が1枚の時は、保持部材によるベニヤ単板の保持を解放し、次いで搬送部材でベニヤ単板を搬送すると共に、保持部材を待機位置へと水平移動させ、
検出された枚数が2枚の時は、ベニヤ単板を保持した状態で保持部材を待機位置の方向へ少なくとも所定量移動させた後に該移動を停止し、次いで搬送部材で搬送可能な位置に残っているベニヤ単板を搬送し、次に第2検出器によりベニヤ単板を前記妨げとならぬ位置に搬送したことを検出すると、保持部材を前記搬送可能となる位置へ移動させて次いで保持部材の移動を停止し、次いで保持部材によるベニヤ単板の保持を解放した後、搬送部材でベニヤ単板を搬送すると共に、保持部材を待機位置へと水平移動させ、
次に第2検出器が前記搬送したことを検出している時、保持部材を前記保持可能な位置に下降させ、以後同様に、第1検出器、、第2検出器、検出機構による各検出に応じて保持部材及び搬送部材の作動を制御する制御器と、
で構成するベニヤ単板搬送装置(請求項1)と、
略上下に複数枚堆積されているベニヤ単板群の最上のベニヤ単板に向かって、上方より下降・上昇自在且つ略水平方向に往復移動自在で、更にベニヤ単板を保持・解放自在な保持部材と、
ベニヤ単板を所望位置に搬送する搬送部材と、
搬送部材にベニヤ単板が到達したことを検出する検出器と、
搬送部材に到達しているベニヤ単板が厚み方向で1枚又は2枚以上であるかを検出する検出機構と、
ベニヤ単板を非検出の検出器からの信号に基づいて、
保持部材を下降させて最上のベニヤ単板に当接させ、そして該ベニヤ単板を保持させた後、保持状態で該保持部材を上昇させ、次いで該保持部材を略水平方向に移動させて、保持したベニヤ単板を搬送部材に到達させる第1動作を作動させ、次に検出機構でベニヤ単板の枚数を検出させる枚数検出動作を作動させ、その時該ベニヤ単板が1枚の時は、
保持部材でのベニヤ単板の保持を解放させた後、搬送部材で該ベニヤ単板を所望位置に搬送すると共に、保持部材を略水平方向の元の位置に戻す第2動作を作動させ、次にベニヤ単板を非検出となった検出器からの信号に基づいて、前記第1動作から開始させ、
一方枚数検出動作でベニヤ単板が2枚の時は、
保持状態で保持部材を略水平方向の元の位置に戻した後、枚数検出動作を作動させて搬送部材に残っているベニヤ単板の枚数を検出させ、該ベニヤ単板が1枚の時は、搬送部材で該ベニヤ単板を所望位置に搬送する第3動作を作動させ、次にベニヤ単板を非検出となった検出器からの信号に基づいて、保持状態の保持部材を略水平方向に移動させて、保持しているベニヤ単板を搬送部材に到達させる第4動作を作動させ、次に枚数検出動作を作動させて搬送部材に到達したベニヤ単板の枚数を検出させ、該ベニヤ単板が1枚の場合は、第2動作を作動させ、次にベニヤ単板を非検出となった検出器からの信号に基づいて、前記と同様に第1動作から開始させる制御器と、
で構成するベニヤ単板搬送装置(請求項2)と、
複数枚堆積されているベニヤ単板の上面に対し保持部材を作用させベニヤ単板を保持する第1工程と、
保持部材の移動によりベニヤ単板を搬送部材まで移動させる第2工程と、
該ベニヤ単板の搬送部材への移動中又は移動後にベニヤ単板の枚数が1枚か2枚かを検出する第3工程と、
第3工程で検出したベニヤ単板の枚数が1枚の時は、保持部材から搬送部材にベニヤ単板を受け渡して搬送部材によりベニヤ単板を所望位置へ搬送し、
第3工程で検出したベニヤ単板の枚数が2枚の時は、保持部材を前記堆積ベニヤ単板側へ所定量移動させることで該2枚の内の上側のベニヤ単板を前記保持した状態で移動させ、次いで搬送部材が該2枚の内の下側のベニヤ単板を搬送し、次のベニヤ単板を搬送可能となるタイミングに合わせて、保持部材の移動によりベニヤ単板を搬送部材まで移動させ、保持部材から搬送部材にベニヤ単板を受け渡して搬送部材によりベニヤ単板を所望位置へ搬送するベニヤ単板搬送方法(請求項3)と、
略上下に複数枚堆積されているベニヤ単板群の最上のベニヤ単板を保持部材で保持して持ち上げる第1工程と、
次に保持部材でベニヤ単板を搬送部材まで到達させる第2工程と、
次に搬送部材に到達しているベニヤ単板の厚み方向の枚数を検出する第3工程と、
次に第3工程で検出したベニヤ単板が1枚の時は、保持部材によるベニヤ単板の保持を解放すると共に、搬送部材で該ベニヤ単板を所望位置に搬送し、次に第1工程から繰り返し、
また、第3工程で検出したベニヤ単板が2枚の時は、保持部材で保持状態のベニヤ単板をベニヤ単板群上の略元の位置に戻す第4工程と、
次に第4工程後に、搬送部材に残っているベニヤ単板の同方向の枚数を検出する第5工程と、
次に第5工程で検出したベニヤ単板が1枚の時は、搬送部材で該ベニヤ単板を所望位置に搬送し、
次に、第4工程で略元の位置に戻したベニヤ単板を再度保持部材で搬送部材まで到達させ、次に第3工程より繰り返すベニヤ単板搬送方法。
方法(請求項4)と、
を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に発明の実施の形態を説明する。その構成は、制御器による各部材の作動を除いて図1、2に基づいて説明した従来装置の構成と同じであるので説明を省略する。
以下、その作用を適宜従来装置の説明に使用した図と、新たな図6から図8に基づいて説明する。
【0016】
初期状態では従来装置と同様に図2に示すように、シリンダ5gのピストンロッドは伸長していて、爪5cの先端5bは実線で示すように互いに開き合っている状態である。また図1に示すように、シリンダ7、13、37の夫々のピストンロッドは縮小していて、保持部材5は矢印D方向に上昇状態で待機、水平台9は矢印F方向で待機、検出ロール31は矢印H方向に上昇状態で待機している。また搬送ロール21は電動機25により停止状態である。
【0017】
次に初期状態で運転が開始され、検出器27からベニヤ単板を非検出の信号が制御器に入力されると、前記従来装置と同様に制御器からの信号により、図3(a)に示すように、シリンダ7のピストンロッド7aを伸長作動させて、保持部材5により1枚のベニヤ単板Wを保持させる。以後、前記従来装置と同様の作動で図3(b)、図3(c)とベニヤ単板Wを移動させる。
【0018】
次に検出器27がベニヤ単板Wを検出し、その検出信号が制御器に入力されると、制御器からの信号で、図6(a)に示すように、ベニヤ単板Wを保持した状態でシリンダ37のピストンロッドを伸長作動させて、検出ロール31を矢印G方向に下降させ、ベニヤ単板Wを搬送ロール21と検出ロール31で挟持させる。次に検出ロール31の下降が終了するのに充分な時間が経過後、垂直台33の下降して停止している位置を検出した位置検出器39からの信号が制御器に入力される。そして制御器は入力された信号により演算し、搬送ロール21と検出ロール31で挟持しているベニヤ単板Wが1枚であると判断する。
【0019】
この1枚であることの信号が入力されると、制御器は以下の様に各部材を作動させる信号を出す。即ち図2に示すシリンダ5gのピストンロッドを伸長作動させて、当て座5fを実線で示す位置に上昇させ、爪5cの先端5bを実線で示す元の位置に開かせ、図6(b)に示すように、保持部材5によるベニヤ単板Wの保持を解放させる。
【0020】
次に、図6(c)に示すように、電動機25を駆動させて、搬送ロール21を図より見て反時計方向に回転させ、ベニヤ単板Wを所望位置に搬送すると共に、シリンダ13のピストンロッドを縮小作動させて、水平台9を矢印F方向の元の位置に戻す。
ベニヤ単板Wが所望位置に搬送し終わると、検出器27からベニヤ単板を非検出となった信号が制御器に入力され、制御器からの信号により、シリンダ37のピストンロッドを縮小させて、垂直台33を元の位置に上昇させると共に、運転開始からの同様な動作を繰り返させる。
【0021】
また、ベニヤ単板Wを保持部材5で保持した後、持ち上げた際、図5(a)に示すように、2枚目のベニヤ単板W1も一緒に持ち上がった場合を説明する。
図5(b)に示すように、シリンダ13のピストンロッドを伸長作動させて、水平台9を矢印E方向に移動させ、ベニヤ単板W、W1を搬送ロール21に到達させる。同様に、ベニヤ単板Wは搬送ロール21で搬送するのに充分な位置に到達している。
【0022】
次に検出器27がベニヤ単板Wを検出し、その検出信号が制御器に入力されると、制御器からの信号で、図7(a)に示すように、シリンダ37のピストンロッドを伸長作動させて、検出ロール31を矢印G方向に下降させ、ベニヤ単板W、W1を搬送ロール21と検出ロール31で挟持させる。
次に検出ロール31の下降が終了するのに充分な時間が経過後、垂直台33の下降して停止している位置を検出した位置検出器39からの信号が制御器に入力される。そして制御器は入力された信号により演算し、搬送ロール21と検出ロール31で挟持しているベニヤ単板が2枚であると判断する。
【0023】
この2枚であることの信号が入力されると、制御器は以下の様に各部材を作動させる信号を出す。即ち図7(b)に示すように、シリンダ37のピストンロッドを縮小作動させて、検出ロール31を矢印H方向の元の位置に上昇させる。次いで制御器からの信号で、図7(c)に示すように、保持部材5でベニヤ単板Wを保持状態で、シリンダ13のピストンロッドを縮小作動させて、水平台9を矢印F方向の元の位置に戻す。
【0024】
この時、2枚のベニヤ単板W、W1は、保持部材5で持ち上げられてから経過した時間での両ベニヤ単板W、W1間へ空気が入ること、図5(a)の状態から水平移動して図5(b)の状態になる時にベニヤ単板W、W1に作用する力等により分離している。それ故ベニヤ単板Wだけが保持部材5により元の位置へ移動する。
次に、前記水平台9が元の位置に戻るのに充分な時間が経過後、図7(d)に示すように、シリンダ37のピストンロッドを伸長作動させて、検出ロール31を矢印G方向に下降させ、ベニヤ単板W1を搬送ロール21と検出ロール31で挟持させる。次に検出ロール31の下降が終了するのに充分な時間が経過後、垂直台33の下降して停止している位置を検出した位置検出器39からの信号が制御器に入力される。そして制御器は入力された信号により演算し、搬送ロール21と検出ロール31で挟持しているベニヤ単板W1が1枚であると判断する。
【0025】
次に制御器からの信号で、図8(a)に示すように、電動機25を駆動させて、搬送ロール21を図より見て反時計方向に回転させ、ベニヤ単板W1を所望位置に搬送する。
ベニヤ単板W1が所望位置に搬送し終わると、検出器27からベニヤ単板を非検出となった信号が制御器に入力され、制御器からの信号により、図8(b)に示すように、シリンダ37のピストンロッドを縮小させて、垂直台33を矢印H方向の元の位置に上昇させると共に、シリンダ13のピストンロッドを伸長作動させて、水平台9を矢印E方向に移動させ、保持部材5で保持し続けていたベニヤ単板Wを搬送ロール21に到達させる。この時、同様にベニヤ単板Wは搬送ロール21で搬送するのに充分な位置に到達している。
【0026】
次に検出器27がベニヤ単板Wを検出し、その検出信号が制御器に入力されると、制御器からの信号で、図6(a)に示すように、シリンダ37のピストンロッドを伸長作動させて、検出ロール31を矢印G方向に下降させ、ベニヤ単板Wを搬送ロール21と検出ロール31で挟持させる。
次に制御器からの信号で、図2に示すシリンダ5gのピストンロッドを伸長作動させて、当て座5fを実線で示す位置に上昇させ、爪5cの先端5bを実線で示す元の位置に開かせ、図6(b)に示すように、保持部材5によるベニヤ単板Wの保持を解放させる。
【0027】
次に制御器からの信号で、図6(c)に示すように、電動機25を駆動させて、搬送ロール21を図より見て反時計方向に回転させ、ベニヤ単板Wを所望位置に搬送すると共に、シリンダ13のピストンロッドを縮小作動させて、水平台9を矢印F方向の元の位置に戻す。
ベニヤ単板Wが所望位置に搬送し終わると、検出器27からベニヤ単板を非検出となった信号が制御器に入力され、制御器からの信号により、シリンダ37のピストンロッドを縮小させて、垂直台33を元の位置に上昇させると共に、運転開始からの同様な動作を繰り返させる。
【0028】
以上の発明の実施の形態によれば、生産性良く、ベニヤ単板を所望位置に搬送できる。
【0029】
尚、実施の形態では、垂直台33の矢印GH方向の位置を検出するのにアブソリュート型エンコーダー等の位置検出器を使用しているが、図1と同様に側面図であるが拡大してある図9に示すように、垂直台33に顎部33aを配備し、該顎部33aに係合するスイッチ41を基部1に配備し、そして実線で示すように、搬送ロール21と検出ロール31で挟持しているベニヤ単板Wが2枚の時はスイッチ41がONされず、またベニヤ単板が1枚の時は垂直台33及び検出ロール31が二点鎖線で示す位置まで下降し、スイッチ41がONされるように設定する。そして前記下降させた時にスイッチ41がONの時はベニヤ単板が1枚で、又スイッチ41がONでない時はベニヤ単板が2枚以上であると、制御器に判断させても良い。
【0030】
また、重なり合う2枚のベニヤ単板が同時に保持部材5により保持された場合、図9に示すように、ベニヤ単板群のベニヤ単板搬送方向上手側に、軸51bを中心として回動自在でベニヤ単板の上に自重で乗り、且つ先端部51aがベニヤ単板の厚みより薄い逆移動防止バー51を配備させ、保持部材5でベニヤ単板Wを矢印F方向に戻すときに、2枚目のベニヤ単板W1が同方向に戻る場合を防止させても良い。
【0031】
尚、発明の実施の形態では、搬送ロール21にベニヤ単板が到達してから該ベニヤ単板の枚数を検出しているが、保持部材5でベニヤ単板を搬送ロール21側に移動させている途中で該ベニヤ単板の枚数を検出させる機構であっても良い。
【0032】
尚、搬送ロール21で搬送されるベニヤ単板が、F方向の待機位置にある保持部材5によるベニヤ単板群からのベニヤ単板保持動作の妨げとならぬ位置に移動したことを検出する第2の検出器を設け、そして搬送ロール21で搬送されるベニヤ単板が、保持部材5によるベニヤ単板群からのベニヤ単板保持動作の妨げとならぬ位置に移動したことを検出した第2の検出器からの信号により、保持部材5を下降させてベニヤ単板を保持させても良い。
【0033】
尚、発明の実施の形態では、保持部材5によりベニヤ単板が1枚又は2枚持ち上がった場合を説明しているが、例えば、ベニヤ単板が3枚持ち上がり、その3枚が搬送ロール21に到達し、そして2枚以上を検出可能とする検出ロール31で3枚を検出した時は、従来装置と同様に、それ以後の作動を停止させると共に、警報等を鳴らして管理者に知らせても良い。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、生産性良く、ベニヤ単板を所望位置に搬送することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来装置及び発明の実施の形態の概略側面図である。
【図2】図1の一部AA視図である。
【図3】従来装置及び発明の実施の形態の作動説明図である。
【図4】従来装置の作動説明図である。
【図5】従来装置及び発明の実施の形態の作動説明図である。
【図6】発明の実施の形態の作動説明図である。
【図7】発明の実施の形態の作動説明図である。
【図8】発明の実施の形態の作動説明図である。
【図9】発明の実施の形態の一部変更例の説明図である。
【符号の説明】
W・・・・・ベニヤ単板
5・・・・・保持部材
21・・・・搬送ロール
27・・・・検出器
31・・・・検出ロール

Claims (4)

  1. 略上下に複数枚堆積されているベニヤ単板群の水平方向一方側に設けられ、ベニヤ単板を搬送する搬送部材と、
    該ベニヤ単板群の上方で、ベニヤ単板を保持可能な位置とベニヤ単板から離れた待機位置との間を上下動可能で、且つ水平往復移動により、保持したベニヤ単板を、該搬送部材によりベニヤ単板が搬送可能となる位置へ移動させる保持部材と、
    該搬送部材で搬送可能な位置にベニヤ単板が到達したことを検出する第1検出器と、
    該搬送可能な位置に到達したベニヤ単板の枚数を検出する検出機構と、
    搬送部材でベニヤ単板を、前記待機位置にある保持部材によるベニヤ単板群からのベニヤ単板保持動作の妨げとならぬ位置に搬送したことを検出する第2検出器と、
    保持部材を、前記待機位置に待機させた状態であって第2検出器が前記搬送したことを検出している時、保持部材を前記保持可能な位置に下降させ、次いで上昇及び水平移動によりベニヤ単板を前記搬送可能となる位置へ移動させた後、保持部材の移動を停止し、また第1検出器からの検出信号により、検出機構でベニヤ単板の枚数を検出し、
    検出された枚数が1枚の時は、保持部材によるベニヤ単板の保持を解放し、次いで搬送部材でベニヤ単板を搬送すると共に、保持部材を待機位置へと水平移動させ、
    検出された枚数が2枚の時は、ベニヤ単板を保持した状態で保持部材を待機位置の方向へ少なくとも所定量移動させた後に該移動を停止し、次いで搬送部材で搬送可能な位置に残っているベニヤ単板を搬送し、次に第2検出器によりベニヤ単板を前記妨げとならぬ位置に搬送したことを検出すると、保持部材を前記搬送可能となる位置へ移動させて次いで保持部材の移動を停止し、次いで保持部材によるベニヤ単板の保持を解放した後、搬送部材でベニヤ単板を搬送すると共に、保持部材を待機位置へと水平移動させ、
    次に第2検出器が前記搬送したことを検出している時、保持部材を前記保持可能な位置に下降させ、以後同様に、第1検出器、、第2検出器、検出機構による各検出に応じて保持部材及び搬送部材の作動を制御する制御器と、
    で構成するベニヤ単板搬送装置。
  2. 略上下に複数枚堆積されているベニヤ単板群の最上のベニヤ単板に向かって、上方より下降・上昇自在且つ略水平方向に往復移動自在で、更にベニヤ単板を保持・解放自在な保持部材と、
    ベニヤ単板を所望位置に搬送する搬送部材と、
    搬送部材にベニヤ単板が到達したことを検出する検出器と、
    搬送部材に到達しているベニヤ単板が厚み方向で1枚又は2枚以上であるかを検出する検出機構と、
    ベニヤ単板を非検出の検出器からの信号に基づいて、
    保持部材を下降させて最上のベニヤ単板に当接させ、そして該ベニヤ単板を保持させた後、保持状態で該保持部材を上昇させ、次いで該保持部材を略水平方向に移動させて、保持したベニヤ単板を搬送部材に到達させる第1動作を作動させ、次に検出機構でベニヤ単板の枚数を検出させる枚数検出動作を作動させ、その時該ベニヤ単板が1枚の時は、
    保持部材でのベニヤ単板の保持を解放させた後、搬送部材で該ベニヤ単板を所望位置に搬送すると共に、保持部材を略水平方向の元の位置に戻す第2動作を作動させ、次にベニヤ単板を非検出となった検出器からの信号に基づいて、前記第1動作から開始させ、
    一方枚数検出動作でベニヤ単板が2枚の時は、
    保持状態で保持部材を略水平方向の元の位置に戻した後、枚数検出動作を作動させて搬送部材に残っているベニヤ単板の枚数を検出させ、該ベニヤ単板が1枚の時は、搬送部材で該ベニヤ単板を所望位置に搬送する第3動作を作動させ、次にベニヤ単板を非検出となった検出器からの信号に基づいて、保持状態の保持部材を略水平方向に移動させて、保持しているベニヤ単板を搬送部材に到達させる第4動作を作動させ、次に枚数検出動作を作動させて搬送部材に到達したベニヤ単板の枚数を検出させ、該ベニヤ単板が1枚の場合は、第2動作を作動させ、次にベニヤ単板を非検出となった検出器からの信号に基づいて、前記と同様に第1動作から開始させる制御器と、
    で構成するベニヤ単板搬送装置。
  3. 複数枚堆積されているベニヤ単板の上面に対し保持部材を作用させベニヤ単板を保持する第1工程と、
    保持部材の移動によりベニヤ単板を搬送部材まで移動させる第2工程と、
    該ベニヤ単板の搬送部材への移動中又は移動後にベニヤ単板の枚数が1枚か2枚かを検出する第3工程と、
    第3工程で検出したベニヤ単板の枚数が1枚の時は、保持部材から搬送部材にベニヤ単板を受け渡して搬送部材によりベニヤ単板を所望位置へ搬送し、
    第3工程で検出したベニヤ単板の枚数が2枚の時は、保持部材を前記堆積ベニヤ単板側へ所定量移動させることで該2枚の内の上側のベニヤ単板を前記保持した状態で移動させ、次いで搬送部材が該2枚の内の下側のベニヤ単板を搬送し、次のベニヤ単板を搬送可能となるタイミングに合わせて、保持部材の移動によりベニヤ単板を搬送部材まで移動させ、保持部材から搬送部材にベニヤ単板を受け渡して搬送部材によりベニヤ単板を所望位置へ搬送するベニヤ単板搬送方法。
  4. 略上下に複数枚堆積されているベニヤ単板群の最上のベニヤ単板を保持部材で保持して持ち上げる第1工程と、
    次に保持部材でベニヤ単板を搬送部材まで到達させる第2工程と、
    次に搬送部材に到達しているベニヤ単板の厚み方向の枚数を検出する第3工程と、
    次に第3工程で検出したベニヤ単板が1枚の時は、保持部材によるベニヤ単板の保持を解放すると共に、搬送部材で該ベニヤ単板を所望位置に搬送し、次に第1工程から繰り返し、
    また、第3工程で検出したベニヤ単板が2枚の時は、保持部材で保持状態のベニヤ単板をベニヤ単板群上の略元の位置に戻す第4工程と、
    次に第4工程後に、搬送部材に残っているベニヤ単板の同方向の枚数を検出する第5工程と、
    次に第5工程で検出したベニヤ単板が1枚の時は、搬送部材で該ベニヤ単板を所望位置に搬送し、
    次に、第4工程で略元の位置に戻したベニヤ単板を再度保持部材で搬送部材まで到達させ、次に第3工程より繰り返すベニヤ単板搬送方法。
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