JP4036094B2 - フィレットローリング加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィレットローリング加工装置に関し、特に内燃機関用のクランクシャフトのジャーナル部やクランクピン部のフィレット部(内隅アール部)にロール掛けを施すフィレットローリング加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のクランクシャフト用のフィレットローリング加工装置においては、ジャーナル部およびクランクピン部ごとに相互に独立したロール掛け機構を設けて、複数の加工部位でのロール掛けを同時に行うことを基本とするものであるが、例えばV型6気筒エンジン用のクランクシャフトのように隣接するジャーナル部間に二つ以上のクランクピン部が配置されていてそのクランクピン部の総数が多い場合には必要数のロール掛け機構を並設するにも限界がある。このようなことから、特許文献1に記載のように、クランクピン部を二つのグループにグループ分けする一方で、クランクピン総数の半分の数のロール掛け機構を設けるとともに、そのロール掛け機構をクランクシャフトの軸心方向にシフト動作させ、実質的にシフト動作の前後二工程に分けることで全部のクランクピン部のロール掛けを施すことが行われている。
【0003】
なお、上記特許文献1に記載の技術に関連して、隣接するロール掛け機構同士の距離を一段と狭めるために、特許文献2に記載のように隣接するロール掛け機構同士のヒンジ部を互いにオフセットさせたものも提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特公平7−80028号公報 (第1図および第2図)
【0005】
【特許文献2】
特開平5−253756号公報 (図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の従来の技術では、一つのクランクシャフトについて少なくとも二工程に分けてロール掛けを施す必要があるため、加工時間が長くなって生産性の低下が余儀なくされる。また、各ロール掛け機構を二つのグループのロール掛けに共通して使用するためには、それら二つのグループのクランクピン部の配置が共に同一でなければならず、適用できるクランクシャフトの種類が著しく制約されることとなって好ましくない。
【0007】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、特に加工対象となるクランクシャフトのジャーナル部やクランクピン部のピッチが小さく且つそれらの数が多い場合であっても、隣接するロール掛け機構同士の配置密接度を高めつつジャーナル部およびクランクピン部のロール掛けに必要な数だけロール掛け機構を配置して、一工程の加工で全てのジャーナル部およびクランクピン部のロール掛けを終えることができるようにした構造を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ヒンジ開閉式の一対のアームと、それらアーム同士を開閉駆動するべくアーム同士の間に架橋的に配置された直動型アクチュエータと、一端がいずれか一方のアームに、他端が機械本体側のベースフレームにそれぞれ揺動可能に連結された支持アームとを備えたロール掛け機構を上記ヒンジ軸心方向に複数個並設し、クランクシャフトのジャーナル部およびクランクピン部をそれぞれに上記ロール掛け機構にて個別に加圧挟持した上で、ジャーナル部の軸心を回転中心としてクランクシャフトを回転させながらアーム先端に装着されたフィレットローラにより上記ジャーナル部およびクランクピン部のフィレット部にロール掛けを施すようにしたフィレットローリング加工装置であることを前提としている。
【0009】
その上で、上記ヒンジ軸心方向に並設されたロール掛け機構群には、アーム同士を連結しているヒンジ軸心位置からアームと直動型アクチュエータとの連結位置までの長さであるアーム長が相互に異なる三種類のものが混在しているとともに、アーム長が最も大きいジャーナル部ロール掛け機構がジャーナル部の加工を、それ以外の二種類のアーム長のクランクピン部ロール掛け機構がクランクピン部の加工をそれぞれ司るようになっていて、アーム長が小さいクランクピン部ロール掛け機構とアーム長が大きいクランクピン部ロール掛け機構とは、ベースフレームに対する支持アームの揺動中心を互いに同一軸線上のものとして設定する一方、アーム長が大きいクランクピン部ロール掛け機構については、そのヒンジ軸心位置およびアームと支持アームとの連結位置をアーム長が小さいクランクピン部ロール掛け機構の同等位置に対して反加工部位寄りにオフセットさせて配置したことを特徴とする。
【0010】
なお、アーム長が小さいクランクピン部ロール掛け機構とアーム長が大きいクランクピン部ロール掛け機構とは、加工部位からヒンジ軸心までの距離とアーム長との比率が共に等しく設定されていることが望ましい。
【0011】
したがって、請求項1に記載の発明では、アーム長が異なる三種類のロール掛け機構を混在させたことによって、それぞれのヒンジ位置や直動型アクチュエータの位置が互いにオフセットすることになり、加工対象となるクランクシャフトのジャーナル部やクランクピン部のピッチが小さく且つそれらの数が多い場合であっても、必要数分のロール掛け機構を隣接配置することが可能となる。これにより、一つのクランクシャフトにおけるジャーナル部やクランクピン部の総数分のロール掛けを一工程で行えることになる。
【0012】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、一つのクランクシャフトにおけるジャーナル部やクランクピン部の総数分のロール掛けを一工程で行えるので、加工時間が短くなり、生産性の向上が図れるほか、ロール掛け機構が増えたとしてもそのヒンジ軸心位置等を互いにオフセットさせて配置したことにより各ロール掛け機構の作動範囲の拡大化を招くことがなく、相対的に設備全体の小型化を達成できる効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1以下の図面は本発明の好ましい実施の形態を示す図で、V型6気筒エンジン用のクランクシャフトにフィレットロール掛け加工を施す場合の例を示している。
【0014】
加工対象となるV型6気筒エンジン用のクランクシャフトSは、先の特公平7−80028号公報に記載のものと同様に、図1,2にも示すように同一軸線上に位置する四つのジャーナル部J,J…とそのジャーナル部J,J…から所定量だけ偏心した六つのクランクピン部P,P…を備えていて、隣接するジャーナル部J,J同士の間に回転位相が異なるクランクピン部P,Pがそれぞれ二つずつ配置されていることになる。そして、ジャーナル部J,J…およびクランクピン部P,P…ともに図3に示すようにその両端にフィレット部(内隅アール部)Fが形成されていて、このフィレットFに対して後述するフィレットローラ7にてフィレットロール掛け加工が施されることになる。
【0015】
図4〜6において、加工対象となるクランクシャフトSは図示外のチャックやセンタで水平姿勢にて両持ち支持された状態でジャーナル部J,J…の軸心を回転中心として回転駆動される。そして、上記クランクシャフトSのジャーナル部J,J…とクランクピン部P,P…とにそれぞれ対応するように、四つのジャーナル部ロール掛け機構1A〜1Dと六つのクランクピン部ロール掛け機構2A〜2FとがクランクシャフトSの長手方向に沿って横一列に配置されている。すなわち、図5,6に示すように各ジャーナル部J,J…に個別に対応する四つのジャーナル部ロール掛け機構1A〜1Dが適宜の間隔で配置されていて、それらの隣接するジャーナル部ロール掛け機構1A,1B,1C,1D同士の間に図9のように長さの異なるクランクピン部ロール掛け機構2A〜2Fがそれぞれ二つずつ配置されている。
【0016】
ジャーナル部ロール掛け機構1A〜1Dは、上下一対のアーム3,4同士をアーム3側のヒンジブラケット5とヒンジピン6とをもって互いに開閉可能に連結したX字状もしくはピンチャ形状のもので、上側のアーム3の先端には図9に示したものと同様にフィレットローラ7を主体とするロールカセット8が、下側のアーム4の先端にはレストローラ9を備えたワークレスト10がそれぞれ装着されている。さらに、上下のアーム3,4の後端部間には直動型アクチュエータとして加圧シリンダ(油圧シリンダ)11が架橋的に連結されている。より具体的には、上側のアーム3には加圧シリンダ11のピストンロッドが、下側のアーム4には加圧シリンダ11のシリンダチューブがそれぞれ連結されていて、上下のアーム3,4同士は加圧シリンダ11の伸縮動作に応じて開閉して上記ロールカセット8とワークレスト10にて該当するジャーナル部J,J…を加圧挟持し、且つその加圧シリンダ11の加圧力をもってフィレットロール掛け加工時の加圧力が付与されるようになっている。ここで、上記のフィレットローラ7を備えたロールカセット8やレストローラ9を備えたワークレスト10は、例えば特開平1−183364号公報および特公平7−29264号公報等で公知である。
【0017】
なお、図4はジャーナル部ロール掛け機構1A〜1Dが該当するジャーナル部J,J…を加圧挟持し且つ二種類のクランクピン部ロール掛け機構2A〜2Fが該当するクランクピン部P,P…を加圧挟持していない状態を示している。
【0018】
そして、上側のベースフレーム12にはヒンジブラケット13を介してヒンジピン14を揺動中心とする支持アーム15が揺動可能に装着されていて、その支持アーム15に上側のアーム3がヒンジピン16を介して揺動可能に支持されている。すなわち、それぞれのジャーナル部ロール掛け機構1A〜1Dは互いに独立した支持アーム15を介して上側のベースフレーム12に吊り下げ支持されている。ただし、各支持アーム15の揺動中心であるヒンジピン14は互いに同一軸線上に設定されているとともに、その支持アーム15に対する各ジャーナル部ロール掛け機構1A〜1Dの揺動中心であるヒンジピン16もまた互いに同一軸線上に設定されている。
【0019】
一方、長短二種類のクランクピン部ロール掛け機構2A〜2Fは、図7,8にも示すように先のジャーナル部ロール掛け機構1A〜1Dと同様に上下のアーム17,18同士もしくはアーム19,20同士をヒンジピン21または22を介して開閉可能に連結したもので、上側のアーム17,19の先端には図9に示すようにフィレットローラ7を主体とするロールカセット8が、下側のアーム18,20の先端にはレストローラ9を備えたワークレスト10がそれぞれ装着されている。さらに、上下のアーム17,18同士および19,20同士の後端部間には直動型アクチュエータである加圧シリンダ(油圧シリンダ)31または32が架橋的に連結されていて、上下のアーム17,18同士および19,20は加圧シリンダ31または32の伸縮動作に応じて開閉して上記ロールカセット8とワークレスト10にて該当するクランクピン部P,P…を加圧挟持し、且つその加圧シリンダ31または32の加圧力をもってフィレットロール掛け加工時の加圧力が付与されるようになっている。
【0020】
なお、図7,8は、図4,6での錯綜化を避けるために同図からジャーナル部ロール掛け機構1A〜1Dを取り外した状態を示している。
【0021】
上側のベースフレーム12に対向する下側のベースフレーム23にはヒンジブラケット24とヒンジピン25を介して真直な支持アーム26と略くの字状に屈曲した支持アーム27とがクランクピン部ロール掛け機構2A〜2Fの数だけ交互に配置されていて、それらの支持アーム26,27は共通のヒンジピン25を回転中心として揺動可能となっている。
【0022】
そして、真直な揺動アーム26に対し短い方のクランクピン部ロール掛け機構2A,2C,2Eの下側のアーム18がヒンジピン28を介して揺動可能に支持されているとともに、略くの字状の揺動アーム27に対し長い方のクランクピン部ロール掛け機構2B,2D,2Fの下側のアーム20がヒンジピン29を介して揺動可能に支持されている。すなわち、長短二種類のそれぞれのクランクピン部ロール掛け機構2A〜2Fは互いに独立した支持アーム26または27を介して下側のベースフレーム23に上向きで支持されている。ただし、各支持アーム26または27の揺動中心であるヒンジピン25は先に述べたように互いに共通のものとして設定されているものの、その支持アーム26または27に対する長短二種類の各クランクピン部ロール掛け機構2A〜2Fの揺動中心であるヒンジピン28,29同士の位置は所定量α(図9参照)だけ互いにオフセットさせてある。
【0023】
ここで、図9は上記の長短二種類のクランクピン部ロール掛け機構2A,2C,2Eと2B,2D,2Fが共通のクランクピン部Pを加圧挟持したと仮定した場合の状態を示しており、同図から明らかなように一方のクランクピン部ロール掛け機構2A,2C,2Eにおけるアーム17,18同士の回転中心であるヒンジピン21の位置に対して、他方のクランクピン部ロール掛け機構2B,2D,2Fにおけるアーム19,20同士の回転中心であるヒンジピン22の位置を所定量βだけ加工部位とは反対側すなわち反加工部位寄りにオフセットさせてある。同様に、真直な支持アーム26に対する一方のクランクピン部ロール掛け機構2A,2C,2Eの回転中心であるヒンジピン21の位置に対して、略くの字状の支持アーム27に対する他方のクランクピン部ロール掛け機構2B,2D,2Fの回転中心であるヒンジピン29の位置を先に述べたように所定量αだけ加工部位とは反対側すなわち反加工部位よりにオフセットさせてある。
【0024】
そして、一方のクランクピン部ロール掛け機構2A,2C,2Eが加圧挟持したクランクピン部Pの軸心から上下のアーム17,18同士の回転中心であるヒンジピン21の位置までの距離をL1、そのヒンジピン21の位置から上下のアーム17,18と加圧シリンダ31との連結位置までの距離(これをアーム長という)をL2とした場合に、両者の比(レバー比)L1:L2は例えば3:7に設定されている。また、もう一方のクランクピン部ロール掛け機構2B,2D,2Fが加圧挟持したクランクピンPの軸心から上下のアーム19,20同士の回転中心であるヒンジピン22の位置までの距離をL11とし、そのヒンジピン22の位置から上下のアーム19,20と加圧シリンダ32との連結位置までの距離(これをアーム長という)をL12とした場合に、両者の比(レバー比)L11:L12は同様に3:7に設定されている。これにより、一方のクランクピン部ロール掛け機構2A,2C,2Eともう一方のクランクピン部ロール掛け機構2B,2D,2Fのアーム長L2,L12が互いに異なっていたとしても、双方の加圧シリンダ31,32として同一能力(同一圧力および同一ストローク)のものを使用することにより、加工部位には同一の加圧挟持力を付与することができるように設定されている。
【0025】
したがって、このように構成されたフィレットローリング加工装置によれば、図4,7に示すように各ジャーナル部ロール掛け機構1A〜1Dおよび各クランクピン部ロール掛け機構2A〜2Fの加圧シリンダ11,31,32を伸長動作させて、上下のアーム3,4や17,18,19,20の先端のフレットローラ7およびレストローラ9(図9参照)にて該当するジャーナル部J,J…およびクランクピン部P,P…をそれぞれ加圧挟持する。
【0026】
この時、各ジャーナル部J,J…は互いに同一軸線上に位置しているので、それらの各ジャーナル部J,J…を加圧挟持したジャーナル部ロール掛け機構1A〜1Dはほぼ横一列に揃うかたちとなるものの、各クランクピン部P,P…は図2に示すようにその回転位相が60°ずつずれているので、それらの各クランクピン部P,P…を加圧挟持したクランクピン部ロール掛け機構2A〜2F同士は図7に示すようにクランクピン部P,P…同士の位相角に応じて少しずつ姿勢のずれを生じることになる。
【0027】
各ジャーナル部ロール掛け機構1A〜1Dおよび各クランクピン部ロール掛け機構2A〜2Fが該当するジャーナル部J,J…やクランクピン部P,P…をそれぞれ加圧挟持したならば、クランクシャフトSを回転駆動させる。クランクシャフトSが回転すると、各ジャーナル部J,J…とそれに接触しているフィレットローラ7とが相対回転してジャーナル部J,J…の長手方向両端のフィレット部F(図3参照)にロール掛け加工が施される。
【0028】
これと同時に、各クランクピン部P,P…はジャーナル部J,J…の周りを公転することから、各クランクピン部ロール掛け機構2A〜2Fは図7に示すように該当するクランクピン部Pを加圧挟持したままで、そのクランクピン部Pの公転運動に追従するべくヒンジピン28,29もしくは25を回転中心として揺動する。すなわち、先に述べたように合計6箇所のクランクピン部P,P…は互いにその回転位相がずれていることから、各クランクピン部ロール掛け機構2A〜2Fは図7に示すように該当するクランクピン部Pを加圧挟持した時点で少しづつずれを生じ、そのずれを持った状態のままでクランクピン部Pの公転運動に追従してヒンジピン26,27もしくは25を回転中心として揺動運動する。その過程において、各クランクピン部P,P…とフィレットローラ7とが相対回転して、クランクピン部P,P…の長手方向両端のフィレット部Fにロール掛け加工が施される。
【0029】
このように本実施の形態によれば、一つのクランクシャフトSが有している4箇所のジャーナル部J,J…と6箇所のクランクピン部P,P…の全てについて一工程にて同時にフィレットロール掛け加工を施すことができる。しかも、アーム長が小さいクランクピン部ロール掛け機構2A,2C,2Eとアーム長が大きいクランクピン部ロール掛け機構2B,2D,2Fとは、ベースフレーム23に対する支持アーム26,27の揺動中心であるヒンジピン25を共通のものとして設定する一方で、アーム長が大きいクランクピン部ロール掛け機構2B,2D,2Fについては、アーム19,20同士を連結しているヒンジピン22の位置および下側のアーム20と支持アーム27とを連結しているヒンジピン29の位置をアーム長が小さいクランクピン部ロール掛け機構2A,2C,2Eの同等位置に対して反加工部位寄りにオフセットさせてあることから、アーム長が大きいクランクピン部ロール掛け機構2B,2D,2Fの揺動範囲をアーム長が小さいクランクピン部ロール掛け機構2A,2C,2Eの揺動範囲と同等範囲内におさめることができ、装置全体の大型化を招かないで済むことになる。
【0030】
その上、先に述べた二種類のクランクピン部ロール掛け機構2A,2C,2Eと2B,2D,2Fはアーム長が異なるにもかかわらずそのレバー比L1:L2およびL11:L12を共に同じ比に設定してあるため、それら二種類のクランクピン部ロール掛け機構2A,2C,2Eおよび2B,2D,2Fの加圧シリンダ31,32としては同一ストロークのものを使用することができ、これによってもまたアーム長の大きなクランクピン部ロール掛け機構2B,2D,2Fの揺動範囲を一段と小さくできる利点がある。
【0031】
ここで、一方のクランクピン部ロール掛け機構2B,2D,2Fにおけるレバー比L11:L12についてL11の割合を相対的に小さくすれば、もう一方のクランクピン部ロール掛け機構2A,2C,2Eよりも能力の小さな加圧シリンダの使用で対応できることから、エネルギー効率の上でも有利となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】加工対象となるクランクシャフトの一例としてV型6気筒エンジン用のクランクシャフトの概略を示す斜視図。
【図2】図1のクランクシャフトにおけるジャーナル部とクランクピン部との位置関係を示す説明図。
【図3】ジャーナル部およびクランクピン部におけるフィレット部の要部拡大断面図。
【図4】図1のクランクシャフトを加工対象とするフレットローリング加工装置の構成説明図。
【図5】図4の平面説明図。
【図6】図4の垂直断面説明図。
【図7】図4のフレットローリング加工装置においてジャーナル部ロール掛け機構を図示省略した状態を示す構成説明図。
【図8】図7の垂直断面説明図。
【図9】長短二種類のクランクピン部ロール掛け機構が共通のクランクピン部を加圧挟持したと仮定した場合の構成説明図。
【符号の説明】
1A…ジャーナル部ロール掛け機構(アーム長が最大のロール掛け機構)
1B…ジャーナル部ロール掛け機構(アーム長が最大のロール掛け機構)
1C…ジャーナル部ロール掛け機構(アーム長が最大のロール掛け機構)
1D…ジャーナル部ロール掛け機構(アーム長が最大のロール掛け機構)
2A…クランクピン部ロール掛け機構(アーム長が最小のロール掛け機構)
2B…クランクピン部ロール掛け機構(アーム長が中間のロール掛け機構)
2C…クランクピン部ロール掛け機構(アーム長が最小のロール掛け機構)
2D…クランクピン部ロール掛け機構(アーム長が中間のロール掛け機構)
2E…クランクピン部ロール掛け機構(アーム長が最小のロール掛け機構)
2F…クランクピン部ロール掛け機構(アーム長が中間のロール掛け機構)
3,4…アーム
6…ヒンジピン
7…フィレットローラ
11…加圧シリンダ(直動型アクチュエータ)
12…上側のベースフレーム
14…ヒンジピン
15…支持アーム
16…ヒンジピン
17,18…アーム
19,20…アーム
21,22…ヒンジピン
23…下側のベースフレーム
25…ヒンジピン(支持アームの揺動中心)
26,27…支持アーム
28,29…ヒンジピン
31,32…加圧シリンダ(直動型アクチュエータ)
F…フィレット部
J…ジャーナル部
L2,L12…アーム長
P…クランクピン部
S…クランクシャフト

Claims (2)

  1. ヒンジ開閉式の一対のアームと、それらアーム同士を開閉駆動するべくアーム同士の間に架橋的に配置された直動型アクチュエータと、一端がいずれか一方のアームに、他端が機械本体側のベースフレームにそれぞれ揺動可能に連結された支持アームとを備えたロール掛け機構を上記ヒンジ軸心方向に複数個並設し、クランクシャフトのジャーナル部およびクランクピン部をそれぞれに上記ロール掛け機構にて個別に加圧挟持した上で、ジャーナル部の軸心を回転中心としてクランクシャフトを回転させながらアーム先端に装着されたフィレットローラにより上記ジャーナル部およびクランクピン部のフィレット部にロール掛けを施すようにしたフィレットローリング加工装置であって、
    上記ヒンジ軸心方向に並設されたロール掛け機構群には、アーム同士を連結しているヒンジ軸心位置からアームと直動型アクチュエータとの連結位置までの長さであるアーム長が相互に異なる三種類のものが混在しているとともに、
    アーム長が最も大きいジャーナル部ロール掛け機構がジャーナル部の加工を、それ以外の二種類のアーム長のクランクピン部ロール掛け機構がクランクピン部の加工をそれぞれ司るようになっていて、
    アーム長が小さいクランクピン部ロール掛け機構とアーム長が大きいクランクピン部ロール掛け機構とは、ベースフレームに対する支持アームの揺動中心を互いに同一軸線上のものとして設定する一方、
    アーム長が大きいクランクピン部ロール掛け機構については、そのヒンジ軸心位置およびアームと支持アームとの連結位置をアーム長が小さいクランクピン部ロール掛け機構の同等位置に対して反加工部位寄りにオフセットさせて配置したことを特徴とするフィレットローリング加工装置。
  2. アーム長が小さいクランクピン部ロール掛け機構とアーム長が大きいクランクピン部ロール掛け機構とは、加工部位からヒンジ軸心までの距離とアーム長との比率が共に等しく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のフィレットローリング加工装置。
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