JP4035948B2 - 熱電素子モジュール及びその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の熱電素子を配列させた熱電素子モジュールに関し、さらに詳しくは、熱効率に優れ、且つ信頼性の高い、ゼーベック効果を利用する発電用モジュールとしても、或いはペルチェ効果を利用する冷却又は加熱用モジュールとしても用い得る熱電素子モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複数枚の基板を対向して配置すると共に、該対向する複数枚の各基板の対向面にそれぞれ導電性の金属電極を接合し、且つ該金属電極を介して複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せて配設してなる熱電素子モジュールは広く知られており、多方面にわたり利用されている。
これらの熱電素子モジュールは、例えば、図5に示すように、いわゆるゼーベック効果、すなわちn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子を直列に接続し、該接続部を高温側端部として高温に保持し、該高温側端部と反対側のn型熱電半導体素子及びp型熱電半導体素子の各脚部を低温側端部として低温に保持して、該高温側端部と該低温側端部の問に温度差をつけたときに起電力が発生する原理を利用し、発電用熱電素子モジュールとして利用されたり、或いは、図6に示すように、いわゆるペルチェ効果、すなわちn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子を直列に接続し、該接続部とは反対側のn型熱電半導体素子の脚部にプラス電圧を、p型熱電半導体素子の脚部にはマイナス電圧をそれぞれ掛け、n型熱電半導体素子からp型熱電半導体素子へ電流を流すと、n型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子の接合部で熱が吸収され、n型熱電半導体素子及びp型熱電半導体素子の各脚部に熱が発生され、逆に、p型熱電半導体素子からn型熱電半導体素子へ電流を流すと、n型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子の接合部に熱が発生され、n型半導体及びp型半導体の各脚部で熱が吸収される原理を利用し、冷却又は加熱用熱電素子モジュールとして利用されている。
【0003】
従来のこれら熱電素子モジュールには、1段モジュール或いは多段モジュールがあるが、対向して配置される基板が2枚である1段モジュールの場合の基本的構造は、図3に模式的断面図として示したような構造である。すなわち、熱電素子モジュールAは、対向する2杖の基板1、1′の対向面2、2′にそれぞれ金属電極4、4′が接合されており、これらの金属電極4、4′を介して複数のn型熱電半導体素子5及びp型熱電半導体素子6が交互に接続されて構成されている。図3において図示を省略したが、一般に、金属電極4、4′は、基板1、1′に例えば接着剤等の接合手段で接合されており、またn型熱電半導体素子5及びp型熱電半導体素子6は、金属電極4、4′に、例えば半田層等の接合手段で接合されている。また、同様に図3において図示を省略したが、基板1、1′の外面3、3′には、一般に、加熱手段、冷却手段或いは被冷却物等の部品ないし設備が接合される。すなわち、当該熱電素子モジュールがゼーベック効果を利用する発電用熱電素子モジュールとして用いられる場合であって、基板1の対向面2側がn型熱電半導体素子5とp型熱電半導体素子6の各脚部の低温側端部側であり、基板1′の対向面2′側がn型熱電半導体素子5とp型熱電半導体素子6の接合部の高温側端部側であるとすれば、基板1の外面3には、例えば放熱フィン等の上記各脚部の低温側端部を低温に保持するための冷却手段が接合され、一方基板1′の外面3′には、例えば受熱フィン等の上記接続部の高温側端部を高温に保持するための加熱手段が接合される。また、当該熱電素子モジュールがペルチェ効果を利用する例えば冷却用熱電素子モジュールとして利用される場合であって、電流がp型熱電半導体素子6からn型熱電半導体素子5へ流され、基板1の対向面2側がn型熱電半導体素子5とp型熱電半導体素子6の各脚部の吸熱側端部側であり、基板1′の対向面2′側がn型熱電半導体素子5とp型熱電半導体素子6の接合部の発熱側端部側であるとすれば、基板1の外面3には、上記各脚部の吸熱側端部により冷却する被冷却物が接合され、一方基板1′の外面3′には、例えば放熱フィン等の上記接続部の発熱側端部の熱を放熱するための冷却手段が接合されている。
【0004】
こうした熱電素子モジュールにおいては、一般に、基板として、セラミック板が用いられている。しかし、この基板としてセラミック板を用いた従来の熱電素子モジュールにおいては、セラミック板は、熱伝導性が劣るので、熱効率や冷却効率が悪いという問題がある。すなわち、ゼーベック効果を利用する発電用熱電素子モジュールとして用いる場合は、高温側端部を高温保持するための加熱も、低温側端部を低温保持するための冷却も熱伝導性が劣るセラミック基板を通して行うこととなり、必然的に熱効率や冷却効率は低下する。また、ペルチェ効果を利用する冷却又は加熱用熱電素子モジュールとして用いる場合も、吸熱側端部による被冷却物の冷却も、発熱側端部による被加熱物の加熱も、熱伝導性が劣るセラミック基板を通して行うこととなるために、必然的に熱効率や冷却効率は低下する。
また、熱電素子の上下をセラミック板で固定しているために、熱電素子モジュールの構造が剛体構造となって、熱電素子が壊れやすいという問題がある。
さらに、従来の熱電素子モジュールにおいて、熱電素子として用いるp型熱電半導体素子及びn型熱電半導体素子は、脆性材料であるために、熱電素子モジュールに衝撃や荷重が加わった場合や、熱電素子モジュール使用時に、熱電素子に熱応力が加わった場合には、熱電素子が破壊されて、割れや欠けが生じる恐れがある。また、これらの熱電素子は、耐湿性に劣り、結露・融解を繰り返す間や高湿度の雰囲気下において、熱電素子が腐食し、素子性能が劣化する恐れもあった。例えば、ゼーベック係数に優れると発表されたランタノイド硫化物系の熱電素子の場合には、その硫黄成分により、硫酸成分の如き腐食性物質が副生される可能性なども考えられ、耐湿対策も必要であった。
【0005】
従来の熱電素子モジュールが持つ問題点などを解決するために、これまで種々のものが提案されおり、例えば、特開平5−275754号公報では、セラミック基板と電極との接合材を熱硬化性樹脂にして、熱応力を吸収してサーモモジュールの耐久性を向上したものが、特開平11−307825号公報では、保護板や固定部材を配置して、熱応力による破壊及び変形の発生を防止したものが、特開2000−164942号公報では、熱電素子の電極との接合面以外の面に、ポリイミド蒸着重合膜からなる絶縁材による被膜を施し、熱電モジュールの強度を向上し信頼性が向上するものが、特開平10−178216号公報や特開2000−58930号公報では、図4に示すようなスケルトン構造を有する熱電素子であって、仕切板に保持された熱電素子構造にすることにより、冷却効率の低下を防止すると共に、熱電素子の長寿命化を図ったものなどが開示されている。
しかし、これらの提案にも拘わらず、従来の熱電素子モジュールが持つ問題点などを解決し、熱効率や冷却効率に優れ、信頼性が向上した熱電素子モジュールは、少なく、十分に満足できなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記熱電素子モジュールの取り巻く状況に鑑み、従来の熱電素子モジュールがもつ問題点を解消し、熱効率に優れ、熱電素子モジュールの強度を向上することができると共に、耐湿性が高く、動作信頼性が向上した高性能の熱電素子モジュール及びその製法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に対し鋭意研究を重ねた結果、熱電素子モジュールを構成するに当たり、熱電素子として用いるn型及びp型の熱電半導体素子の表面に、特定の被膜をコーティングすることにより、熱電素子モジュールに衝撃や荷重が加わった場合でも、熱電素子が破壊されず、信頼性や耐久性が向上することができ、本発明の目的を達成できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、複数枚の基板を対向して配置すると共に、該対向する複数枚の各基板の対向面にそれぞれ導電性の金属電極を接合し、且つ該金属電極を介して複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せて配設してなる熱電素子モジュールにおいて、各熱電半導体素子の電極との接続面以外の面に、下記(a)〜(d)の被膜形成性成分から選ばれる絶縁性のコーティング剤による被膜を任意の形状で施すと共に、隣り合う熱電素子同士を離間させて配設してなることを特徴とする熱電素子モジュールが提供される。
(a)オルガノポリシロキサンを主剤とし、それに架橋剤として官能性側鎖を有するオルガノシロキサンおよび硬化触媒が配合された組成物
(b)セラミックス粒子に高熱用溶媒が配合された組成物
(c)ペルヒドロポリシラザンの有機溶媒溶液
(d)金属酸化物粉末の存在下に低分子量のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を触媒を用いて反応させ、調製されたプレポリマー
【0009】
また、本発明の第2の発明によれば、複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せて配設すると共に、これらの熱電素子の上下両側の面を導電性の電極により接続し、且つ熱電素子の中央部を仕切板に固定してなる熱電素子モジュールにおいて、各熱電半導体素子の電極との接続面以外の面に、前記(a)〜(d)の被膜形成性成分から選ばれる絶縁性のコーティング剤による被膜を任意の形状で施すと共に、隣り合う熱電素子同士を離間させて配設してなることを特徴とする熱電素子モジュールが提供される。
【0010】
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、複数枚の基板は、炭素質材料からなる炭素質基板で構成されることを特徴とする熱電素子モジュールが提供される。
【0011】
さらにまた、本発明の第4の発明によれば、第2の発明において、仕切板は、電気絶縁性を有する耐熱性樹脂からなることを特徴とする熱電素子モジュールが提供される。
【0012】
一方、本発明の第5の発明によれば、基板の対向面に導電性の金属電極を接合する接合工程、金属電極を介して複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せて配設する熱電半導体素子配設工程、及び各熱電半導体素子の電極との接続面以外の面に、絶縁性被膜を施す絶縁性被膜形成工程を含むことを特徴とする第1又は3の発明の熱電素子モジュールの製造方法が提供される。
【0013】
また、本発明の第6の発明によれば、複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せて配設する熱電半導体素子配設工程、熱電素子の上下両側の面を導電性の電極により接続する接続工程、熱電素子の中央部を仕切板に固定してなる熱電素子固定工程、及び各熱電半導体素子の電極との接続面以外の面に、絶縁性被膜を施す絶縁性被膜形成工程を含むことを特徴とする第2又は4の発明の熱電素子モジュールの製造方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
1.基板
本発明の第1の発明等における熱電素子モジュールに用いる基板としては、炭素質基板が用いられ、その炭素質基板としては、一般に、炭素繊維を補強材とし、炭素をマトリックスとする炭素繊維強化炭素複合材料、或いは等方性高密度炭素材料などの炭素質材料からなる板状物が用いられる。この炭素質基板の厚さは、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、強度やコストの点から0.3〜5mmが適当である。
【0015】
上記炭素質基板に用いる炭素繊維強化炭素複合材料としては、従来から知られた種々の炭素繊維強化炭素複合材料を、適宜選択して用いることができる。炭素繊維強化炭素複合材料には、一般に、炭素繊維の配列の仕方に種々あり、炭素繊維を一方向にそろえて配列して束にした1次配向のもの、炭素繊維を平織、綾織、朱子織等の織布にした2次配向のもの、炭素繊維をいわゆる立体織した3次配向のものなどがあり、また炭素繊維をフェルトや短繊維にして用いたものなどがある。
本発明においては、種々の炭素繊維の配列の仕方のものを、適宜選択して用いることができる。また、炭素繊維強化炭素複合材料は、一般に、上記各種の配向の仕方の炭素繊維集合体に、フェノール樹脂などのような熱硬化性合成樹脂、或いは石油ピッチなどのようなピッチ等のマトリックス材を含浸させてプリプレグを調製し、かかるプリプレグを、必要に応じて複数枚積層して、加圧下に加熱してマトリックス材を硬化させ、さらに不活性雰囲気中で高温焼成してマトリックス材を炭素化して製造される。また、炭素繊維が短繊維の場合は、一般に、マトリックス材に炭素繊維の短繊維を混合し、該混合物を所定形状に成形し、該成形物を加圧下に加熱してマトリックス材を硬化させ、さらに不活性雰囲気中で高温焼成してマトリックス材を炭素化して、炭素繊維強化炭素複合材料が製造される。
炭素質基板に用いる炭素繊維強化炭素複合材料は、炭素質基板としての所定の厚さの板状に製造されたものでも良いし、或いはブロック状に製造された炭素繊維強化炭素複合材料から、それを炭素質基板としての所定の厚さの板状に切断して切り出されたものでも良い。また、上記各種炭素繊維強化炭素複合材料を構成する炭素繊維、炭素マトリックスは黒鉛化されていても差し支えない。
【0016】
上記各種炭素繊維強化炭素複合材料の中でも、炭素繊維が一方向にそろえて配列された1次配向の炭素繊維強化炭素複合材料のブロックから、それを該炭素繊維の配列方向に対して直角方向に所定の厚さの板状に切断して切り出されるような、炭素マトリックス中において厚さ方向に炭素繊維が配列してなる板状物が、特に厚さ方向への熱伝導性に優れているので、炭素質基板として好ましく用いられる。上記炭素繊維強化炭素複合材料のブロックからの板状物の切り出しは、ワイヤーソー、回転ダイヤモンドソー等のそれ自体公知の切断手段により行うことができる。
【0017】
また、上記炭素質基板に用いる等方性高密度炭素材料としても、従来から知られた種々の等方性高密度炭素材料を、適宜選択して用いることができる。等方性高密度炭素材料は、一般に、生コークスやメソカーボンマイクロビーズ等の焼結性を有する黒鉛前駆体の微粒子を加圧成形しつつ高温で焼成することにより、或いは黒鉛微粒子やカーボンウイスカー粉体等を、ピッチや合成樹脂等の炭素前駆体からなるバインダーと混合して加圧成形、焼成することにより製造される。炭素質基板に用いる等方性高密度炭素材料は、炭素質基板としての所定の厚さの板状に製造されたものでも良いし、或いはブロック状に製造された等方性高密度炭素材料から、それを炭素質基板としての所定の厚さの板状に切断して切り出されたものでも良い。また、上記各種等方性高密度炭素材料は黒鉛化されていても差し支えない。
【0018】
上記の炭素繊維強化炭素複合材料或いは等方性高密度炭素材料のいずれも、一般に、その製造過程に由来する微細孔を有していてポーラスである。そして、これらの材料の微細孔に無機コーティング剤或いは金属を含浸させ、非多孔質化することによって、当該材料の熱伝導性が一層向上される。したがって、本発明では、必要に応じて、上記各炭素質材料を、その微細孔に無機コーティング剤或いは金属を含浸させて炭素質基板として用いることができ、基板の熱伝導性を一層の向上させるという観点からは、そうすることが好ましい。
【0019】
上記の各炭素質材料に含浸させる無機コーティング剤としては、液状であって炭素質材料の微細孔に含浸させることができ、含浸後に硬化して炭素質材料を非多孔質化する無機質硬化物を形成する各種無機コーティング剤を適宜選択して用いることができる。その例として、常温或いは加熱下に架橋反応が進行してセラミック様の硬化物を形成する無機のケイ素含有ポリマー、アルミナセメントのようなセメント、水ガラス類等を含有する無機系バインダーなどが挙げられる。これらの無機コーティング剤は、その含浸性を高めるために、有機溶媒で希釈することができる。また、上記無機コーティング剤のなお一層具体的な例を挙げれば、ケイ素含有ポリマーを形成するHEATLESS GLASS GAシリーズ(商品名:ホーマーテクノロジー社製)、ポリシラザン類である東燃ポリシラザン(商品名:東燃社製)、無機バインダーであるレッドプルーフ MR−100シリーズ(商品名:熱研社製)等が挙げられる。
【0020】
炭素質材料の微細孔に無機コーティング剤を含浸させる方法としては、炭素質材料に無機コーティング剤を刷毛等により塗布する方法、炭素質材料を無機コーティング剤中に浸漬する方法、高圧にて炭素質材料に無機コーティング剤を圧入する方法、高真空にて炭素質材料に無機コーティング剤を吸入する方法等が挙げられる。炭素質材料に含浸された無機コーティング剤は、硬化される。この際、無機コーティング剤の硬化条件は、用いた無機コーティング剤の種類に応じて適宜設定することができるが、例えば無機コーティング剤がHEATLESS GLASSである場合は、一般に約130℃で60分間加熱するのが適当である。
【0021】
上記の各炭素質材料に含浸させる金属としては、一般に、アルミニウム、銅、或いはこの両者が好ましい。炭素質材料の微細孔に金属を含浸させる方法としては、溶融したアルミニウムや銅などの金属を高温高圧下にて含浸させる等の方法を用いることができる。アルミニウムを含浸させた炭素質材料としては、CC−MA(商品名:炭素繊維を一次配列させた先端材料社製のC/Cコンポジットベース)やC−MA(商品名:先端材料社製の等方性高密度炭素材料ベース)等が挙げられ、また、銅を含浸させた炭素質材料としては、MB−18(商品名:炭素繊維を一次配列させたメビウス・A・T社製のC/Cコンポジットベース)等が挙げられる。
【0022】
2.熱電半導体素子
本発明の第1及び第2の発明等において、熱電素子モジュールに用いるn型熱電半導体素子及びp型熱電半導体素子としては、従来から知られた各種のn型熱電半導体素子及びp型熱電半導体素子を適宜選択して用いることができ、これらの例として、Bi−Te系、Si−Ge系等のp型或いはn型の熱電半導体素子が挙げられる。
【0023】
3.金属電極
本発明の第1及び第2の発明等の熱電素子モジュールにおいて、用いられるn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子とを接続する金属電極の金属としては、銅やニッケル等が好ましく用いられる。
【0024】
4.コーティング剤
本発明の第1及び第2の発明等の熱電素子モジュールは、熱電半導体素子の電極との接続面以外の面に、下記(a)〜(d)の被膜形成性成分から選ばれる絶縁性のコーティング剤による被膜が施されることに最大の特徴がある。
従来の熱電素子モジュールは、前記したように、素子間を基板でがっちり挟み込んでいるために、すなわち、剛体構造であるために、またn型熱電半導体素子やp型熱電半導体素子は脆性材料であるために、熱による歪や外部からの衝撃や荷重を吸収することが難しく、それが熱電素子モジュールの故障原因となり、耐久性と信頼性に乏しかった。そのため、熱電半導体素子の周りをコーティング剤で補強することにより、熱歪による応力や外部衝撃等に対する機械強度を向上させ、熱電素子モジュールの耐久性、信頼性を向上させることができる。このような性能向上のために、熱電素子をコーティングする材料としては、熱による体積膨張しにくい材料などが望ましい。
【0025】
本発明で用いるコーティング剤の被膜形成性成分は、その一つとして、(a)オルガノポリシロキサンを主剤とし、それに架橋剤として官能性側鎖を有するオルガノシロキサンおよび硬化触媒が配合された組成物(以下「オルガノポリシロキサン組成物」と略称)が用いられる。このオルガノポリシロキサン組成物において、主剤のオルガノポリシロキサンは、メチル基あるいはフェニル基を有するものが好ましい。架橋剤としては、アルコキシ基、アシロキシ基、オキシム基等の官能性側鎖を有するオルガノシロキサンが好ましい。硬化触媒としては、Zn、Al、Co、Sn等の金属を含有する有機化合物およびハロゲンが好ましい。また、このオルガノポリシロキサン組成物は、珪素成分をSiO換算で40%以上含有していることが好ましく、また溶剤、水もしくは水酸基を含有しないものである。また、このオルガノポリシロキサン組成物は、低温加熱や常温乾燥でも硬化して、硬質で密着性に優れたセラミックス被膜を形成する。また、その硬化機構は、主剤のオリガノポリシロキサンの官能基が、まず空気中の水分により加水分解を受けて水酸基に変化し、次に該オリガノポリシロキサンの水酸基を架橋剤のオルガノシロキサンの官能基がアタックし、硬化触媒の作用も受けて脱アルコール反応を起こし、三次元構造の高分子化合物たるポリシロキサン硬化体を形成すると考えられている。いわゆるゾル・ゲル法による金属アルコキシ縮合物となる。かかるオルガノポリシロキサン組成物の例として、ホ−マーテクノロジー株式会社販売のヒートレスガラス(HEATLESS GLASS)(商品名)等が挙げられる。上記オルガノポリシロキサン組成物には、必要に応じて、例えばシロキサン結合が三次元に伸びた網状構造で、珪素原子に一個のメチル基が結合した無機と有機の中間的な構造を有するシリコーン樹脂の微粒子などの他の配合物も添加することができる。上記無機と有機の中間的な構造を有するシリコーン樹脂の例として、東芝シリコーン株式会社販売のトスパール(商品名)等が挙げられる。
【0026】
また、被膜形成性成分の他の一つとして、(b)セラミックス粒子に高熱用溶媒が配合された組成物が用いられる。この組成物における高熱用溶媒の例としては、ブタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤が挙げられる。また、セラミックス粒子の例としては、アルミナ、アルミニウム、ジルコニア、溶融シリカ、パーライト、ムライトなどのセラミックス粒子が挙げられ、その粒径は、必要に応じて適宜選択することができるが、一般に数〜数十μmが適当である。高熱用溶媒は、被膜形成性成分全体で比重が2〜3程度になるように配合したものが好適に用いられる。このセラミックス粒子に高熱用溶媒が配合された組成物の例として、株式会社熱研製のレッドプルーフ(商品名)等が挙げられる。
【0027】
被膜形成性成分のさらに他の一つとして、(c)ペルヒドロポリシラザンの有機溶媒溶液が用いられる。ペルヒドロポリシラザンは、構造式が〔SiHaNHb〕n(式中、aは1〜3、bは0または1である。)で表されるセラミックス前駆体である。このペルヒドロポリシラザンは、例えば、ジクロロシランと溶媒中のピリジンとの錯体生成を経由して合成することにより(ピリジン錯体法)、低分子量環状体の少ない、比較的高分子量のオリゴマーを得ることができる。実際の分子構造は、複雑であるが、不規則な環状部を多く含む、数平均分子量が数千のオリゴマーである。このペルヒドロポリシラザンは、基体表面に塗布後焼成することによりセラミックスに転化され、大気またはそれに準じた雰囲気下で焼成した場合には、シリカガラス(SiO)に転化する。有機溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒が挙げられ、中でもキシレンは、好ましく用いられる。有機溶媒溶液中のペルヒドロポリシラザンの濃度は、必要に応じて適宜選択できるが、高濃度であると水飴状となり作業性に劣るので、適当に粘性を有する範囲とする。かかるペルヒドロポリシラザンの例として、東燃株式会社製の東燃ポリシラザン(商品名)等が挙げられる。また、このペルヒドロポリシラザンの有機溶媒溶液には、必要に応じて、酸化マグネシウム、炭化珪素等のフィラー等を配合することができる。
【0028】
さらに、被膜形成性成分の他の一つとして、(d)金属酸化物粉末の存在下に低分子量のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を、触媒を用いて反応させ、調製されたプレポリマーが用いられる。このプレポリマーは、例えば、国際公開番号W090/08168号公報の実施例1〜5の記載に従い、次の製造方法により得ることができる。まず、反応容器に低分子量のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と触媒を投入し、加熱下において反応させる。次に、反応容器に金属酸化物粉末を投入し、攪拌しながら加熱を継続し、所要時間後に反応を終了させ、プレポリマーを得る。このプレポリマーの製造において用いる低分子量のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、レゾルシノールのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等を挙げることができる。また、触媒としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール等を挙げることができる。さらに、金属酸化物粉末としては、特に制限はないが、シリカ粉末、アルミナ粉末、マグネシア粉末が好ましく用いられる。また、このプレポリマーの例として、株式会社ニッケーコー製のセラプロテックス(商品名)等を挙げることができる。
【0029】
熱電半導体素子の電極との接続面以外の面に、上記(a)〜(d)の被膜形成性成分から選ばれる絶縁性のコーティング剤による被膜を施す方法としては、特に限定されず、適宜種々の塗布方法が選択される。例えば、予めコーティングした熱電素子を基板上に組み立てたり、或いは、熱電素子を基板上に組み立てた後、熱電素子へコーティング剤を流し込む方法や、熱電素子をコーティング剤中に浸漬する方法などが挙げられる。中でも、熱電素子にスプレイコート法による予めコーティングする方法や、熱電素子をコーティング剤中に浸漬する方法などが好ましい。これらの方法によって、熱電素子表面に所望の厚さの均一な塗膜を容易に設けることができる。好ましくは、被膜の厚さとしては、熱電素子モジュールの信頼性向上のために、100μm程度が望ましい。
また、熱電半導体素子の電極との接続面以外の面に、被膜を形成する箇所や形状としては、特に限定されず、例えば、熱電素子の側面のみに被膜を施したり、又は熱電素子の側面と基板部をも含めて被膜を施したり、さらには、隣り合う熱電素子同士の離間した空隙、すなわち基板と熱電素子に囲まれた空間を、全てコーティング剤で充填(全充填)することや、片方の基板と熱電素子の側面をコーティング剤で充填(半充填)してもよい。
【0030】
5.仕切板
本発明の第2の発明等における熱電素子モジュールは、両側スケルトン構造の熱電素子モジュールであって、n型及びp型の熱電半導体素子の中央部を仕切板(セパレーターと称することもある)を貫通した状態で固定するものである。
仕切板と熱電半導体素子の間を電気的絶縁状態にするためには、仕切板としては、電気絶縁性を有することが必要であり、また一方の基板が放熱もしくは加熱されるため、耐熱性を有することが必要であり、このようなものとしては、例えば厚さが0.2〜0.5mm程度のガラスエポキシ板、アルマイト加工を施したアルミニウム板、耐熱性プラスチック(耐熱性樹脂)板、或いはヒートレスガラス等にシラスバルーンのような無機フィラーを混ぜ込み焼成した板などがある。
【0031】
6.熱良導性電気絶縁薄膜
本発明の第2の発明等における熱電素子モジュールでは、通常、金属電極の片面、すなわち下部電極の場合下面に、上部電極の場合上面に、熱良導性電気絶縁薄膜を接合する。熱良導性電気絶縁薄膜は、厚さが数十〜数百μm、好ましくは15〜100μm程度であり、材料としては、例えば、エポキシ系樹脂に熱良導性フィラーを添加したもの、フッ素樹脂コート、シリコン系熱伝導性接着材などを用いることができる。
【0032】
7.接合
(1)基板/電極
本発明の第1の発明等の熱電素子モジュールにおいて、炭素質材料からなる炭素質基板と金属電極との接合には、薄くても十分に絶縁性があり、炭素質基板と金属電極とを十分強固に接着することができる手段であれば、種々の手段を適宜選択して用いることができる。この接合には、(イ)炭素質基板に設けられたポリイミド塗膜と、該ポリイミド塗膜に設けられた接着剤層とから構成されてなる接合手段、又は(ロ)炭素質基板に設けられた金属メッキ層と、該金属メッキ層に設けられた接着剤層とから構成されてなる接合手段、又は(ハ)炭素質基板に設けられたプライマー層と、該プライマー層に設けられたエラストマー系の接着剤層とから構成されてなる接合手段が、炭素質基板と金属電極の接着性に一層優れている点において好ましい。すなわち、一般に、炭素質材料は、多くの接着剤と比較的馴染み難く、上記のような、ポリイミド塗膜や、或いは金属メッキ層やプライマー層といった下地を予め設けておく場合に、一層好適に強固に炭素質材料と金属電極とを接着することができる。また、この接合手段は、一般に、熱電素子モジュールにおける厚さ方向への熱伝導性を阻害しないように薄い方が好ましい。
【0033】
上記(イ)の接合手段においては、ポリイミド塗膜は、従来から知られた種々のポリイミド塗料を炭素質基板へ塗布する等して形成することができる。なお、ポリイミド塗料は、ポリアミド酸を溶剤に溶かしたタイプと、ポリイミド樹脂を溶剤に溶かしたタイプのどちらも適用可能であるが、後者の方が、加熱による脱水イミド化の工程が不要であり、比較的低温で絶縁性に優れた塗膜が得られるため好ましい。このような例として、リカコート(商品名:新日本理化社製)が挙げられる。また、ポリイミド塗料には、絶縁性や塗膜の安定性を向上させるために各種添加剤を添加することができる。そして、上記ポリイミド塗膜には、さらに接着剤層を介して金属電極を積層し、その後加熱又は常温にて加圧接着されて、これらポリイミド塗膜及び接着剤層から構成されてなる接合手段によって金属電極が炭素質基板に接合される。上記接着の処理条件は、用いたポリイミド塗料の種類等に応じて適宜設定することができる。
【0034】
また、上記(イ)の接合手段におけるポリイミド塗膜の好適な一形態として、ポリイミド電着塗膜が挙げられる。ポリイミド電着塗膜は、従来から知られた樹脂成分がポリイミドであって媒体がカチオン溶液である種々のポリイミド電着塗料から形成することができる。なお、ポリイミド電着塗料には、絶縁性や、塗膜の安定性を向上させるために各種添加剤を添加することができる。ポリイミド電着塗膜は、上記のようなポリイミド電着塗料を炭素質基板へ電着塗りすることにより得ることができる。電着塗りの方法は、従来から知られた方法を適宜選択、採用して行うことができる。そして、上記ポリイミド電着塗膜には、さらに接着剤層を介して金属電極を積層し、その後加熱又は常温にて加圧接着されて、これらポリイミド塗膜及び接着剤層から構成されてなる接合手段によって金属電極か炭素質基板に接合される。上記接着の処理条件は、用いたポリイミド電着塗料の種類等に応じて適宜設定することができる。
【0035】
上記(ロ)の接合手段においては、金属メッキ層は、従来から知られた無電解メッキ方法あるいは電解メッキ方法を適宜選択、採用して形成することができる。メッキする金属の例として、銅、ニッケル等が挙げられる。そして、上記金属メッキ層には、さらに接着剤層を介して金属電極を積層し、その後加熱又は常温にて加圧接着されて、これら金属メッキ層及び接着剤層から構成されてなる接合手段によって金属電極が炭素質基板に接合される。
【0036】
上記(イ)或いは(ロ)の接合手段において接着剤層に用いる接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン系接着剤等が挙げられる。例えば、シリコーン系接着剤では、KE1800T(商品名:信越シリコーン社製)、TES−3260(商品名:東芝シリコーン社製)等が好適に用いられる。なお、炭素質材料に含浸させる材料として挙げた上記ヒートレスガラス等の無機コーティング剤も、上記の接着剤として用いることができる。
これらの接着剤を、上記のポリイミド塗膜、或いは金属メッキ層(以下、この段落において「下地」という)の上に塗布する等して接着剤層を形成するが、その方法は、従来から知られた各種塗布方法を適宜選択、採用して行うことができる。接着剤の塗布に当たっては、(a)まず炭素質基板に設けた下地の上に接着剤を塗布し、その塗膜の上に金属電極を積層することもできるし、(b)まず金属電極の片面に接着剤を塗布し、この金属電極を、その接着剤の塗膜面が炭素質基板に設けた下地に接触するように積層することもできるし、(c)炭素質基板に設けた下地の上、及び金属電極の片面の両方に接着剤を塗布し、各接着剤の塗膜面が相互に接触するように積層することもできるし、或いは(d)炭素質基板に設けた下地の上に、半硬化状態のフィルム状に成形された接着剤及び金属電極を順次積層しても良い。なお、金属電極を積層するにあたっては、エアーの残留を無くし確実に密着させるため、ロールや平板プレス等で加圧すると良い。また、接着させるに当たっては、下地及び金属電極に対し、予め後述するような各種プライマーを刷毛塗りする等してプライマー処理を施しておくことができる。
上記接着剤の乾燥ないし加熱硬化の処理条件は、用いた接着剤の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、接着剤として上記のTES−3260(商品名:東芝シリコーン社製)を用いた場合には、150℃60分加熱加圧して形成すると良い。
【0037】
上記(ハ)の接合手段においては、炭素質基板のプライマー処理に用いるプライマーの例としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のプライマーA(商品名)、プライマーX(商品名)とプライマーY(商品名)の混合物等が挙げられる。また、プライマー層に設ける接着剤層を形成する接着剤の例としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSOTEFA−70(商品名:シリコーンエラストマー系接着剤)等のエラストマー系接着剤が好適に用いられる。なお、このエラストマー系の接着剤は、上記(イ)及び(ロ)の接合手段における接着剤層にも用いることができる。また、このエラストマー系の接着剤には、必要に応じて、SiN、SiC、Al等の微細粒子状の熱伝導性フィラーを適量添加することができる。なお、上記熱伝導性フィラーは、上述の(イ)及び(ロ)の接合手段における各種の接着剤層にも添加することができる。そして、上記プライマー層に設けられたエラストマー系の接着剤層は乾燥ないし加熱硬化され、これらプライマー層及び接着剤層から構成されてなる接合手段によって金属電極が炭素質基板に接合される。上記エラストマー系の接着剤層の乾燥ないし加熱硬化の処理条件は、用いたエラストマー系の接着剤の種類等に応じて適宜設定することができる。
【0038】
また、上記(ロ)及び(ハ)の接合手段においては、必要に応じて、用いる各接着剤に微細粒子状のスペーサー機能を有するフィラーを適量添加することができる。このスペーサー機能を有するフィラーの例として、シリカ、球状アルミナ、中空バルーン等が挙げられる。
【0039】
(2)電極/熱電半導体素子
本発明の熱電素子モジュールにおいて、金属電極とn型熱電半導体素子及びp型熱電半導体素子との接合には、半田付け或いはロウ付け等の、従来の熱電素子モジュールにおける金属電極とn型熱電半導体素子及びp型熱電半導体素子との接合手段として知られた各種接合手段を、適宜選択して用いることができる。
【0040】
8.熱電素子モジュールの製造
本発明の第1の発明等の熱電素子モジュールの製造は、例えばそれが1段モジュールである場合、一般に次のように行われる。すなわち、まず、上記のような炭素質材料からなる炭素質基板上に、必要に応じてその微細孔に上記のような無機コーティング剤又は金属を含浸させた後、金属電極が接合、形成される。
【0041】
上記炭素質基板上への金属電極の接合、形成は、一つの方法として、まず、炭素質基板に、金属電極と同等の金属箔を、電気絶縁性を備え、金属箔を炭素質基板に接合できる接合手段によって、好ましくは上記(イ)、(ロ)或いは(ハ)の接合手段によって接合して、金属貼り積層板を作製する。この金属貼り積層板は、必要に応じて、炭素質基板の片面のみに金属箔の積層された金属貼り積層板とすることも、また両面に金属箔の積層された金属貼り積層板とすることもできる。次いで、この得られた金属貼り積層板の金属箔面に、両面に金属箔の積層された金属貼り積層板の場合は一方の面の金属箔面に、プリント配線板製造技術として確立されているフォトリソグラフイー技術を適用して、すなわちフォトレジストを利用して電極形成に必要な金属箔部分の所望のパターンを描き、該パターンに準拠してエッチング等を行って電極形成に不要な金属箔部分の除去を行うこと等により、この炭素質基板上への金属電極の接合、形成を行うことができる。
【0042】
また、上記炭素質基板上への金属電極の接合、形成は、他の一つの方法として、炭素質基板に、金属板を金属電極の所望のパターンに打ち抜いて作製された所謂リードフレームを、電気絶縁性を備え、リードフレームを炭素質基板に接合できる接合手段によって、好ましくは上記(イ)、(ロ)或いは(ハ)の接合手段によって接合することにより、エッチング等を行う要なく直接的に行うこともできる。一般に、上記フォトリソグラフイー技術を適用する方法は、金属電極の接合、形成工程が比較的繁雑であるが、微細加工に適しており、一方、上記リードフレームを利用する方法は、微細加工には適さないが、金属電極の接合、形成工程が比較的簡便であり、相応の厚さのあるリードフレームを用いて接合、形成される金属電極を相応の厚さのあるものとすることによって、大電流に対応でき、抵抗損失の低減された金属電極を接合、形成することに適している。
【0043】
次いで、上記の如くして得られた金属電極の接合、形成された炭素質基板2枚を対向させ、それらに接合、形成されている金属電極を介して、n型熱電半導体素子及びp型熱電半導体素子を交互に接続して、本発明の熱電素子モジュールが製造される。この際、金属電極とn型熱電半導体素子及びp型熱電半導体素子との接合は、半田付け等の従来から知られた接合手段で接合することができる。また、本発明の一段の熱電素子モジュールは、基板として炭素質基板が用いられること、及び炭素質基板への金属電極の接合に電気絶縁性を有する接合手段が用いられ、好ましくは上記(イ)、(ロ)或いは(ハ)の接合手段が用いられることの二点を除けば、その基本的構造は、図3に断面を模式的に示した従来の1段の熱電素子モジュールの基本的構造と同様である。また、本発明の多段の熱電素子モジュールも、その基本的構造は、上記二点を除けば、従来の多段の熱電素子モジュールの基本的構造と同様である。
なお、上述のような、複数枚の基板の全て(例えば1段の熱電素子モジュールにおける2枚の基板)に炭素質材料からなる炭素質基板を用いる場合の他、複数枚の基板の内の一部に炭素質基板を用いる場合も、本発明に包含される。したがって、例えば、受熱側の基板のみに炭素質基板を用い、放熱側の基板は、従来のセラミック基板とすることもできる。
【0044】
また、本発明の熱電素子モジュールにおいては、例えばそれが1段モジュールである場合、炭素質基板の外面に、従来の一段の熱電素子モジュールと同様に、加熱手段、冷却手段或いは被冷却物等の部品ないし設備を接合することができる。この炭素質基板の外面へのこれらの部品ないし設備の接合に当たっては、その接合手段は特に電気絶縁性である必要はなく、またこれらの部品ないし設備を強固に炭素質基板に接合できる手段であれば適宜選択して用いることができるが、当該接合に際しても、上記(イ)、(ロ)或いは(ハ)の接合手段が好ましく用いられる。また、本発明の熱電素子モジュールにおいては、例えばそれが1段モジュールである場合、炭素質基板の外面に例えば受熱あるいは放熱用フィンを一体成形することもできる。具体例として、炭素質基板にディスクカッターや鋸刃等でスリットを形成することにより、炭素質基板自体をフィン形状に加工する場合が挙げられる。
【0045】
本発明の第2の発明等の熱電素子モジュールの製造は、第1の発明等の熱電素子モジュールの製造とは若干異なり、熱電素子の中央部を電気絶縁性を有する耐熱性樹脂からなる仕切板に固定してなる熱電素子固定工程を含むことを特徴とする。また、前記したように、通常、金属電極の片面、すなわち下部電極の場合下面に、上部電極の場合上面に、熱良導性電気絶縁薄膜を接合する、熱良導性電気絶縁薄膜接合工程も含む。この第2の発明等の熱電素子モジュールを使用する際には、この熱良導性電気絶縁薄膜を介して、放熱又は吸熱用金属部材などを設置することができる。
また、熱良導性電気絶縁薄膜上に、耐熱性樹脂シートを設置してもよく、この場合、金属電極は、熱良導性電気絶縁薄膜を介して、耐熱性樹脂シートに固定されるので、より正確な位置決め等が可能となる。さらに、耐熱性樹脂シートを介して、放熱又は吸熱用金属部材などを設置することもできる。
【0046】
【実施例】
以下、本発明について、図面を用いた実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に特に限定されるものではない。
【0047】
[実施例1][熱電素子モジュール及びその製法の概要(図1)]
図1は、実施例1の熱電素子モジュールを示す断面図である。基板1、1’として、炭素マトリックス中において厚さ方向に炭素繊維が配列してなる、厚さ1mmの板状の炭素繊維強化炭素複合材料(以下「C/Cコンポジット」という)であるCC(商品名:先端材料社製)を用いた。熱電素子として、n型半導体からなるn型の熱電半導体素子5と、p型半導体からなるp型の熱電半導体素子6を用いるものであり、これらの熱電半導体素子5、6が同一平面上に、間隔をあけて交互に配列され、また、全てのn型の熱電半導体素子5とp型の熱電半導体素子6とが直列に接続されるように、その上下両面に多数の電極4が形成されているものであり、この電極4は、隣り合って配列されているn型及びp型の熱電半導体素子同士の上面同士または下面同士を交互に渡すように熱電半導体素子に接合されている。
このようにして作製される熱電半導体素子5、6の電極4との接合面以外の面である側周面には、絶縁性のコーティング剤による被膜7を形成した。被膜7の形成方法は、熱電素子を基板上に組み立てた後、コーティング剤として、オルガノポリシロキサンを主剤とし、それに架橋剤として官能性側鎖を有するオルガノシロキサンおよび硬化触媒が配合された組成物を用い、このコーティング剤中に浸漬した。
【0048】
[実施例2][スケルトン構造の熱電素子モジュール及びその製法の概要(図2)]
図2は、実施例2の熱電素子モジュールを示す断面図である。仕切板8として、ガラスエポキシ樹脂製の耐熱性樹脂を用いた。この仕切板8に対して、熱電半導体素子5、6が貫通した状態で熱電素子の中央部を固定した。熱電素子としては、実施例1と同様に、n型半導体からなるn型の熱電半導体素子5と、p型半導体からなるp型の熱電半導体素子6を用いるものであり、これらの熱電半導体素子5、6が同一平面上に、間隔をあけて交互に配列され、また、全てのn型の熱電半導体素子5とp型の熱電半導体素子6とが直列に接続されるように、その上下両面に多数の電極4が形成されているものであり、この電極4は、隣り合って配列されているn型及びp型の熱電半導体素子同士の上面同士または下面同士を交互に渡すように熱電素子に接合されている。さらに、上部電極4の上面に上側熱良導性電気絶縁性薄膜9を、及び下部電極4の下面に下側熱良導性電気絶縁性薄膜9’を接合した。熱良導性電気絶縁性薄膜9、9’は、エポキシ系樹脂に熱良導性フィラーを添加したものを用いた。
このようにして作製される熱電半導体素子5、6の電極4との接合面以外の面である側周面には、絶縁性のコーティング剤による被膜7を形成した。被膜7の形成方法は、実施例1と同様に、熱電素子を基板上に組み立てた後、コーティング剤として、オルガノポリシロキサンを主剤とし、それに架橋剤として官能性側鎖を有するオルガノシロキサンおよび硬化触媒が配合された組成物を用い、このコーティング剤中に浸漬した。
【0049】
実施例1、2に示すように、熱電素子として用いるn型及びp型の熱電半導体素子の表面に、特定の被膜をコーティングすることにより、熱電素子の強度が補強され、熱電素子モジュールに衝撃や荷重が加わった場合でも、熱電素子が破壊されず、信頼性や耐久性が向上することができた。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、熱効率に優れ、且つ熱電素子モジュールに衝撃や荷重が加わった場合でも、熱電素子が破壊されず、信頼性が高い、高性能の熱電素子モジュールが提供される。本発明の熱電素子モジュールは、熱効率が良く、かつ信頼性が高くて、ゼーベック効果を利用する発電用としても、或いはペルチェ効果を利用する冷却又は加熱用としても機能することができ、種々の分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱電素子モジュール(実施例1)の断面を示す断面図である。
【図2】本発明のスケルトン構造の熱電素子モジュール(実施例2)を示す断面図である。
【図3】従来の熱電素子モジュールの一例を示す断面図である。
【図4】スケルトン構造の熱電素子モジュールの一例を示す断面図である。
【図5】ゼーベック効果の原理を説明する図である。
【図6】ペルチェ効果の原理を説明する図である。
【符号の説明】
1 :基板
1’ :基板
2 :基板の対向面
2’ :基板の対向面
3 :基板の外面
4 :金属電極
5 :n型熱電半導体素子
6 :p型熱電半導体素子
7 :被膜
8 :仕切板
9 :熱良導性電気絶縁薄膜
9’ :熱良導性電気絶縁薄膜

Claims (6)

  1. 複数枚の基板を対向して配置すると共に、該対向する複数枚の各基板の対向面にそれぞれ導電性の金属電極を接合し、且つ該金属電極を介して複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せて配設してなる熱電素子モジュールにおいて、各熱電半導体素子の電極との接続面以外の面に、下記(a)〜(d)の被膜形成性成分から選ばれる絶縁性のコーティング剤による被膜を任意の形状で施すと共に、隣り合う熱電素子同士を離間させて配設してなることを特徴とする熱電素子モジュール。
    (a)オルガノポリシロキサンを主剤とし、それに架橋剤として官能性側鎖を有するオルガノシロキサンおよび硬化触媒が配合された組成物
    (b)セラミックス粒子に高熱用溶媒が配合された組成物
    (c)ペルヒドロポリシラザンの有機溶媒溶液
    (d)金属酸化物粉末の存在下に低分子量のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を触媒を用いて反応させ、調製されたプレポリマー
  2. 複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せて配設すると共に、これらの熱電素子の上下両側の面を導電性の電極により接続し、且つ熱電素子の中央部を仕切板に固定してなる熱電素子モジュールにおいて、各熱電半導体素子の電極との接続面以外の面に、下記(a)〜(d)の被膜形成性成分から選ばれる絶縁性のコーティング剤による被膜を任意の形状で施すと共に、隣り合う熱電素子同士を離間させて配設してなることを特徴とする熱電素子モジュール。
    (a)オルガノポリシロキサンを主剤とし、それに架橋剤として官能性側鎖を有するオルガノシロキサンおよび硬化触媒が配合された組成物
    (b)セラミックス粒子に高熱用溶媒が配合された組成物
    (c)ペルヒドロポリシラザンの有機溶媒溶液
    (d)金属酸化物粉末の存在下に低分子量のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を触媒を用いて反応させ、調製されたプレポリマー
  3. 複数枚の基板は、炭素質材料からなる炭素質基板で構成されることを特徴とする請求項1記載の熱電素子モジュール。
  4. 仕切板は、電気絶縁性を有する耐熱性樹脂からなることを特徴とする請求項2記載の熱電素子モジュール。
  5. 基板の対向面に導電性の金属電極を接合する接合工程、金属電極を介して複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せて配設する熱電半導体素子配設工程、及び各熱電半導体素子の電極との接続面以外の面に、絶縁性被膜を施す絶縁性被膜形成工程を含むことを特徴とする請求項1又は3に記載の熱電素子モジュールの製造方法。
  6. 複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せて配設する熱電半導体素子配設工程、熱電素子の上下両側の面を導電性の電極により接続する接続工程、熱電素子の中央部を仕切板に固定してなる熱電素子固定工程、及び各熱電半導体素子の電極との接続面以外の面に、絶縁性被膜を施す絶縁性被膜形成工程を含むことを特徴とする請求項2又は4に記載の熱電素子モジュールの製造方法。
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