JP2003008087A - 熱電素子モジュール及びその製法 - Google Patents

熱電素子モジュール及びその製法

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JP2003008087A
JP2003008087A JP2001375692A JP2001375692A JP2003008087A JP 2003008087 A JP2003008087 A JP 2003008087A JP 2001375692 A JP2001375692 A JP 2001375692A JP 2001375692 A JP2001375692 A JP 2001375692A JP 2003008087 A JP2003008087 A JP 2003008087A
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thermoelectric
thermoelectric semiconductor
resin
element module
substrate
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JP2001375692A
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English (en)
Inventor
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
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Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱効率に優れ、熱電素子モジュールの機械的
強度を向上することができると共に、動作信頼性が向上
した高性能の熱電素子モジュール及びその製法を提供す
る。 【解決手段】 複数枚の基板を対向して配置すると共
に、該対向する複数枚の各基板の対向面にそれぞれ導電
性の金属電極を接合又は蒸着し、且つ該金属電極を介し
て複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せ
て配設してなる熱電素子モジュールにおいて、各熱電半
導体素子の間、又は各熱電半導体素子の間及び基板と金
属電極との間に生じた空隙に、電気絶縁性及び断熱性を
有する熱硬化樹脂、無機質物質、又は発泡体から選ばれ
る少なくとも1種の充填材を充填することを特徴とする
熱電素子モジュール及びその製法などを提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の熱電素子を
配列させた熱電素子モジュールに関し、さらに詳しく
は、機械的強度や熱履歴に優れ、信頼性の高い、ゼーベ
ック効果を利用する発電用モジュールとしても、或いは
ペルチェ効果を利用する冷却又は加熱用モジュールとし
ても用い得る熱電素子モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複数枚の基板を対向して配置
すると共に、該対向する複数枚の各基板の対向面にそれ
ぞれ導電性の金属電極を接合し、且つ該金属電極を介し
て複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せ
て配設してなる熱電素子モジュールは広く知られてお
り、多方面にわたり利用されている。これらの熱電素子
モジュールは、例えば、ゼーベック効果、すなわちn型
熱電半導体素子とp型熱電半導体素子を直列に接続し、
該接続部を高温側端部として高温に保持し、該高温側端
部と反対側のn型熱電半導体素子及びp型熱電半導体素
子の各脚部を低温側端部として低温に保持して、該高温
側端部と該低温側端部の問に温度差をつけたときに起電
力が発生する原理を利用し、発電用熱電素子モジュール
として利用されたり、或いは、ペルチェ効果、すなわち
n型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子を直列に接続
し、該接続部とは反対側のn型熱電半導体素子の脚部に
プラス電圧を、p型熱電半導体素子の脚部にはマイナス
電圧をそれぞれ掛け、n型熱電半導体素子からp型熱電
半導体素子へ電流を流すと、n型熱電半導体素子とp型
熱電半導体素子の接合部で熱が吸収され、n型熱電半導
体素子及びp型熱電半導体素子の各脚部に熱が発生さ
れ、逆に、p型熱電半導体素子からn型熱電半導体素子
へ電流を流すと、n型熱電半導体素子とp型熱電半導体
素子の接合部に熱が発生され、n型半導体及びp型半導
体の各脚部で熱が吸収される原理を利用し、冷却又は加
熱用熱電素子モジュールとして利用されている。
【0003】従来のこれら熱電素子モジュールには、1
段モジュール或いは多段モジュールがあるが、対向して
配置される基板が2枚である1段モジュールの場合の基
本的構造は、図3に模式的断面図として示したような構
造である。すなわち、熱電素子モジュールAは、対向す
る2杖の基板1、1’の対向面2、2’にそれぞれ金属
電極4、4’が接合されており、これらの金属電極4、
4’を介して複数のn型熱電半導体素子5及びp型熱電
半導体素子6が交互に接続されて構成されている。図3
において図示を省略したが、一般に、金属電極4、4’
は、基板1、1’に例えば接着剤等の接合手段で接合さ
れており、またn型熱電半導体素子5及びp型熱電半導
体素子6は、金属電極4、4’に、例えば半田層等の接
合手段で接合されている。また、同様に図3において図
示を省略したが、基板1、1’の外面3、3’には、一
般に、加熱手段、冷却手段或いは被冷却物等の部品ない
し設備が接合される。すなわち、当該熱電素子モジュー
ルがゼーベック効果を利用する発電用熱電素子モジュー
ルとして用いられる場合であって、基板1の対向面2側
がn型熱電半導体素子5とp型熱電半導体素子6の各脚
部の低温側端部側であり、基板1’の対向面2’側がn
型熱電半導体素子5とp型熱電半導体素子6の接合部の
高温側端部側であるとすれば、基板1の外面3には、例
えば放熱フィン等の上記各脚部の低温側端部を低温に保
持するための冷却手段が接合され、一方基板1’の外面
3’には、例えば受熱フィン等の上記接続部の高温側端
部を高温に保持するための加熱手段が接合される。ま
た、当該熱電素子モジュールがペルチェ効果を利用する
例えば冷却用熱電素子モジュールとして利用される場合
であって、電流がp型熱電半導体素子6からn型熱電半
導体素子5へ流され、基板1の対向面2側がn型熱電半
導体素子5とp型熱電半導体素子6の各脚部の吸熱側端
部側であり、基板1’の対向面2’側がn型熱電半導体
素子5とp型熱電半導体素子6の接合部の発熱側端部側
であるとすれば、基板1の外面3には、上記各脚部の吸
熱側端部により冷却する被冷却物が接合され、一方基板
1’の外面3’には、例えば放熱フィン等の上記接続部
の発熱側端部の熱を放熱するための冷却手段が接合され
ている。
【0004】こうした熱電素子モジュールにおいては、
一般に、基板として、セラミック板が用いられている。
しかし、この基板としてセラミック板を用いた従来の熱
電素子モジュールにおいては、セラミック板は、熱伝導
性が劣るので、熱効率や冷却効率が悪いという問題があ
る。すなわち、ゼーベック効果を利用する発電用熱電素
子モジュールとして用いる場合は、高温側端部を高温保
持するための加熱も、低温側端部を低温保持するための
冷却も熱伝導性が劣るセラミック基板を通して行うこと
となり、必然的に熱効率や冷却効率は低下する。また、
ペルチェ効果を利用する冷却又は加熱用熱電素子モジュ
ールとして用いる場合も、吸熱側端部による被冷却物の
冷却も、発熱側端部による被加熱物の加熱も、熱伝導性
が劣るセラミック基板を通して行うこととなるために、
必然的に熱効率や冷却効率は低下する。また、熱電素子
の上下をセラミック板で固定しているために、熱電素子
モジュールの構造が剛体構造となって、熱電素子が壊れ
やすいという問題がある。さらに、従来の熱電素子モジ
ュールにおいて、熱電素子として用いるp型熱電半導体
素子及びn型熱電半導体素子は、脆性材料であるため
に、熱電素子モジュールに衝撃や荷重が加わった場合
や、熱電素子モジュール使用時に、熱電素子に熱応力が
加わった場合には、熱電素子が破壊されて、割れや欠け
が生じる恐れがある。また、これらの熱電素子は、耐湿
性に劣り、結露・融解を繰り返す間や高湿度の雰囲気下
において、熱電素子が腐食し、素子性能が劣化する恐れ
もあった。例えば、ゼーベック係数に優れると発表され
たランタノイド硫化物系の熱電素子の場合には、その硫
黄成分により、硫酸成分の如き腐食性物質が副生される
可能性なども考えられ、耐湿対策も必要であった。
【0005】従来の熱電素子モジュールが持つ問題点な
どを解決するために、これまで種々のものが提案されお
り、例えば、特開平5−275754号公報では、セラ
ミック基板と電極との接合材を熱硬化性樹脂にして、熱
応力を吸収してサーモモジュールの耐久性を向上したも
のが、特開平11−307825号公報では、保護板や
固定部材を配置して、熱応力による破壊及び変形の発生
を防止したものが、特開2000−164942号公報
では、熱電素子の電極との接合面以外の面に、ポリイミ
ド蒸着重合膜からなる絶縁材による被膜を施し、熱電モ
ジュールの強度を向上し信頼性が向上するものが、特開
平10−178216号公報や特開2000−5893
0号公報では、図4に示すようなスケルトン構造を有す
る熱電素子であって、仕切板に保持された熱電素子構造
にすることにより、冷却効率の低下を防止すると共に、
熱電素子の長寿命化を図ったものなどが開示されてい
る。しかし、これらの提案にも拘わらず、従来の熱電素
子モジュールが持つ問題点などを解決し、熱効率や冷却
効率に優れ、機械的強度や熱履歴などへの信頼性が向上
した熱電素子モジュールは、少なく、十分に満足できな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
熱電素子モジュールの取り巻く状況に鑑み、従来の熱電
素子モジュールがもつ問題点を解消し、熱効率に優れ、
熱電素子モジュールの強度を向上することができると共
に、動作信頼性が向上した高性能の熱電素子モジュール
及びその製法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
対し鋭意研究を重ねた結果、熱電素子モジュールを構成
するに当たり、熱電素子として用いるn型及びp型の各
熱電半導体素子の間に生じた空隙に、電気絶縁性及び断
熱性を有する樹脂などを充填することにより、熱電素子
モジュールに衝撃や荷重が加わった場合でも、熱電素子
が破壊されず、信頼性や耐久性が向上することができ、
本発明の目的を達成できることを見出した。本発明は、
これらの知見に基づいて完成に至ったものである。
【0008】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
複数枚の基板を対向して配置すると共に、該対向する複
数枚の各基板の対向面にそれぞれ導電性の金属電極を接
合又は蒸着し、且つ該金属電極を介して複数のn型及び
p型の熱電半導体素子を互に隣り合せて配設してなる熱
電素子モジュールにおいて、各熱電半導体素子の間、又
は各熱電半導体素子の間及び基板と金属電極との間に生
じた空隙に、電気絶縁性及び断熱性を有する熱硬化樹
脂、無機質物質、又は発泡体から選ばれる少なくとも1
種の充填材を充填することを特徴とする熱電素子モジュ
ールが提供される。
【0009】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、複数枚の基板は、炭素質材料からなる
炭素質基板で構成されることを特徴とする熱電素子モジ
ュールが提供される。さらに、本発明の第3の発明によ
れば、第1の発明において、熱硬化樹脂は、エポキシ樹
脂、エポキシ樹脂に末端にグリシジル基を有するポリア
ルキレングリコール重合体とアミン系化合物とを混合し
た樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、縮合型シリコーン樹脂及びそ
れらの樹脂に無機質物質又は発泡体を混合した樹脂より
なる群の中から選ばれる熱硬化性樹脂の硬化物であるこ
とを特徴とする熱電素子モジュールが提供される。
【0010】一方、本発明の第4の発明によれば、基板
の対向面に導電性の金属電極を接合又は蒸着する接合/
蒸着工程(A)、金属電極を介して複数のn型及びp型
の熱電半導体素子を互に隣り合せて配設する熱電半導体
素子配設工程(B)、及び各熱電半導体素子の間、又は
各熱電半導体素子の間及び基板と金属電極との間に生じ
た空隙に、電気絶縁性及び断熱性を有する熱硬化樹脂、
無機質物質、又は発泡体から選ばれる少なくとも1種の
充填材を充填する絶縁性/断熱性物質充填工程(C)を
含むことを特徴とする第1〜3のいずれかの発明の熱電
素子モジュールの製造方法が提供される。
【0011】また、本発明の第5、6の発明によれば、
第4の発明において、熱電半導体素子配設工程(B)及
び絶縁性/断熱性物質充填工程(C)は、予め、型内に
熱電半導体素子を配置する工程(イ)と、該型内に電気
絶縁性及び断熱性を有する熱硬化性樹脂を流し込み硬化
させる工程(ロ)と、及び熱電半導体素子と熱硬化樹脂
とのブロックを離型し取り出す工程(ハ)を含むことを
特徴とする、また、さらに、ブロックを熱電半導体素子
と直交する方向に切断する工程(ニ)を含むことを特徴
とする熱電素子モジュールの製造方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 1.基板 本発明の熱電素子モジュールに用いる基板としては、従
来使用されていたセラミックス基板や、炭素質基板が用
いられ、炭素質基板が好ましい。その炭素質基板として
は、一般に、炭素繊維を補強材とし、炭素をマトリック
スとする炭素繊維強化炭素複合材料、或いは等方性高密
度炭素材料などの炭素質材料からなる板状物が用いられ
る。この炭素質基板の厚さは、必要に応じて適宜設定す
ることができるが、一般に、強度やコストの点から0.
3〜5mmが適当である。
【0013】上記炭素質基板に用いる炭素繊維強化炭素
複合材料としては、従来から知られた種々の炭素繊維強
化炭素複合材料を、適宜選択して用いることができる。
炭素繊維強化炭素複合材料には、一般に、炭素繊維の配
列の仕方に種々あり、炭素繊維を一方向にそろえて配列
して束にした1次配向のもの、炭素繊維を平織、綾織、
朱子織等の織布にした2次配向のもの、炭素繊維をいわ
ゆる立体織した3次配向のものなどがあり、また炭素繊
維をフェルトや短繊維にして用いたものなどがある。本
発明においては、種々の炭素繊維の配列の仕方のもの
を、適宜選択して用いることができる。また、炭素繊維
強化炭素複合材料は、一般に、上記各種の配向の仕方の
炭素繊維集合体に、フェノール樹脂などのような熱硬化
性合成樹脂、或いは石油ピッチなどのようなピッチ等の
マトリックス材を含浸させてプリプレグを調製し、かか
るプリプレグを、必要に応じて複数枚積層して、加圧下
に加熱してマトリックス材を硬化させ、さらに不活性雰
囲気中で高温焼成してマトリックス材を炭素化して製造
される。また、炭素繊維が短繊維の場合は、一般に、マ
トリックス材に炭素繊維の短繊維を混合し、該混合物を
所定形状に成形し、該成形物を加圧下に加熱してマトリ
ックス材を硬化させ、さらに不活性雰囲気中で高温焼成
してマトリックス材を炭素化して、炭素繊維強化炭素複
合材料が製造される。炭素質基板に用いる炭素繊維強化
炭素複合材料は、炭素質基板としての所定の厚さの板状
に製造されたものでも良いし、或いはブロック状に製造
された炭素繊維強化炭素複合材料から、それを炭素質基
板としての所定の厚さの板状に切断して切り出されたも
のでも良い。また、上記各種炭素繊維強化炭素複合材料
を構成する炭素繊維、炭素マトリックスは黒鉛化されて
いても差し支えない。
【0014】上記各種炭素繊維強化炭素複合材料の中で
も、炭素繊維が一方向にそろえて配列された1次配向の
炭素繊維強化炭素複合材料のブロックから、それを該炭
素繊維の配列方向に対して直角方向に所定の厚さの板状
に切断して切り出されるような、炭素マトリックス中に
おいて厚さ方向に炭素繊維が配列してなる板状物が、特
に厚さ方向への熱伝導性に優れているので、炭素質基板
として好ましく用いられる。上記炭素繊維強化炭素複合
材料のブロックからの板状物の切り出しは、ワイヤーソ
ー、回転ダイヤモンドソー等のそれ自体公知の切断手段
により行うことができる。
【0015】また、上記炭素質基板に用いる等方性高密
度炭素材料としても、従来から知られた種々の等方性高
密度炭素材料を、適宜選択して用いることができる。等
方性高密度炭素材料は、一般に、生コークスやメソカー
ボンマイクロビーズ等の焼結性を有する黒鉛前駆体の微
粒子を加圧成形しつつ高温で焼成することにより、或い
は黒鉛微粒子やカーボンウイスカー粉体等を、ピッチや
合成樹脂等の炭素前駆体からなるバインダーと混合して
加圧成形、焼成することにより製造される。炭素質基板
に用いる等方性高密度炭素材料は、炭素質基板としての
所定の厚さの板状に製造されたものでも良いし、或いは
ブロック状に製造された等方性高密度炭素材料から、そ
れを炭素質基板としての所定の厚さの板状に切断して切
り出されたものでも良い。また、上記各種等方性高密度
炭素材料は黒鉛化されていても差し支えない。
【0016】上記の炭素繊維強化炭素複合材料或いは等
方性高密度炭素材料のいずれも、一般に、その製造過程
に由来する微細孔を有していてポーラスである。そし
て、これらの材料の微細孔に無機コーティング剤或いは
金属を含浸させ、非多孔質化することによって、当該材
料の熱伝導性や機械的強度などが一層向上される。した
がって、本発明では、必要に応じて、上記各炭素質材料
を、その微細孔に無機コーティング剤或いは金属を含浸
させて炭素質基板として用いることができ、基板の熱伝
導性や機械的強度などを一層の向上させるという観点か
らは、そうすることが好ましい。
【0017】上記の各炭素質材料に含浸させる無機コー
ティング剤としては、液状であって炭素質材料の微細孔
に含浸させることができ、含浸後に硬化して炭素質材料
を非多孔質化する無機質硬化物を形成する各種無機コー
ティング剤を適宜選択して用いることができる。その例
として、常温或いは加熱下に架橋反応が進行してセラミ
ック様の硬化物を形成する無機のケイ素含有ポリマー、
アルミナセメントのようなセメント、水ガラス類等を含
有する無機系バインダーなどが挙げられる。これらの無
機コーティング剤は、その含浸性を高めるために、有機
溶媒で希釈することができる。また、上記無機コーティ
ング剤のなお一層具体的な例を挙げれば、ケイ素含有ポ
リマーを形成するHEATLESS GLASS GA
シリーズ(商品名:ホーマーテクノロジー社製)、ポリ
シラザン類である東燃ポリシラザン(商品名:東燃社
製)、無機バインダーであるレッドプルーフ MR−1
00シリーズ(商品名:熱研社製)等が挙げられる。
【0018】炭素質材料の微細孔に無機コーティング剤
を含浸させる方法としては、炭素質材料に無機コーティ
ング剤を刷毛等により塗布する方法、炭素質材料を無機
コーティング剤中に浸漬する方法、高圧にて炭素質材料
に無機コーティング剤を圧入する方法、高真空にて炭素
質材料に無機コーティング剤を吸入する方法等が挙げら
れる。炭素質材料に含浸された無機コーティング剤は、
硬化される。この際、無機コーティング剤の硬化条件
は、用いた無機コーティング剤の種類に応じて適宜設定
することができるが、例えば無機コーティング剤がHE
ATLESS GLASSである場合は、一般に約13
0℃で60分間加熱するのが適当である。
【0019】上記の各炭素質材料に含浸させる金属とし
ては、一般に、アルミニウム、銅、或いはこの両者が好
ましい。炭素質材料の微細孔に金属を含浸させる方法と
しては、溶融したアルミニウムや銅などの金属を高温高
圧下にて含浸させる等の方法を用いることができる。ア
ルミニウムを含浸させた炭素質材料としては、CC−M
A(商品名:炭素繊維を一次配列させた先端材料社製の
C/Cコンポジットベース)やC−MA(商品名:先端
材料社製の等方性高密度炭素材料ベース)等が挙げら
れ、また、銅を含浸させた炭素質材料としては、MB−
18(商品名:炭素繊維を一次配列させたメビウス・A
・T社製のC/Cコンポジットベース)等が挙げられ
る。
【0020】2.熱電半導体素子 本発明において、熱電素子モジュールに用いるn型熱電
半導体素子及びp型熱電半導体素子としては、従来から
知られた各種のn型熱電半導体素子及びp型熱電半導体
素子を適宜選択して用いることができ、これらの例とし
て、Bi−Te系、Si−Ge系、ランタノイド硫化物
系等のp型或いはn型の熱電半導体素子が挙げられる。
【0021】3.金属電極 本発明の熱電素子モジュールにおいて、用いられるn型
熱電半導体素子とp型熱電半導体素子とを接続する導電
性の金属電極の金属としては、銅やニッケル等が好まし
く用いられる。金属電極は、前記した基板に接合又は蒸
着して用いられる。基板に接合又は蒸着する方法として
は、従来から知られた種々の方法を適宜、採用すること
ができる。尚、蒸着方法には、メッキ方法も含まれ、無
電解メッキ等の湿式法、真空蒸着、低温スパッタ、イオ
ンプレーティング等の乾式法を挙げることができる。そ
の中でも、無電解メッキや真空蒸着による方法が好まし
く用いられる。
【0022】4.充填材 本発明の熱電素子モジュールは、各熱電半導体素子の
間、又は各熱電半導体素子の間及び基板と金属電極との
間に生じた空隙に、電気絶縁性及び断熱性を有する熱硬
化樹脂、無機質物質、又は発泡体から選ばれる少なくと
も1種の充填材を充填することに最大の特徴がある。従
来の熱電素子モジュールは、前記したように、素子間を
基板でがっちり挟み込んでいるために、すなわち、剛体
構造であるために、またn型熱電半導体素子やp型熱電
半導体素子は脆性材料であるために、熱による歪や外部
からの衝撃や荷重を吸収することが難しく、それが熱電
素子モジュールの故障原因となり、耐久性と信頼性に乏
しかった。そのため、熱電半導体素子の周りの空隙を電
気絶縁性及び断熱性の充填材で充填し、補強することに
より、熱歪による応力や外部衝撃等に対する機械的強度
を向上させ、熱電素子モジュールの耐久性、信頼性を向
上させることができる。このような性能向上のために、
熱電素子間の空隙を埋める充填材には、熱による体積膨
張しにくい材料や、基板又は熱電素子の熱膨張率の近接
した材料などが望ましい。またさらに、熱伝導率の低い
材料、すなわち断熱性の材料を用いることにより、熱変
換の高効率化も期待できる。
【0023】本発明で用いる充填材としては、前記した
ように、電気絶縁性及び断熱性が必須の性能であり、体
積膨張しにくい材料や熱伝導率の低い材料が望ましい
が、さらに、本発明の熱電素子モジュールを効率よく製
造するために、熱硬化性樹脂の硬化物(すなわち、熱硬
化樹脂)が望ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂(ユリア樹脂、メラミ
ン樹脂)、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
縮合型シリコーン樹脂(ゴム)などが挙げられる。これ
らの樹脂には、適宜各種の添加剤や充填剤(材)が配合
されていてもよい。エポキシ樹脂には、エポキシ樹脂
(a)に、末端にグリシジル基を有するポリアルキレン
グリコール重合体(b)とアミン系化合物(c)を適宜
混合した樹脂(例えば重量比a/b/c=100/10
0/31)や、或いはその混合した樹脂に、更に断熱性
を付与するために硼珪酸シリカからなるシリカバルーン
とフェノール樹脂からなるフェノールバルーンを適量混
合したものも挙げられる。縮合型シリコーン樹脂(ゴ
ム)には、室温硬化性の縮合型ポリシロキサン重合体
に、断熱性を付与するために硼珪酸シリカからなるシリ
カバルーンとフェノール樹脂からなるフェノールバルー
ンを適量混合し、更に酸化アンチモンとリン酸エステル
系化合物を配合したものも挙げられる。
【0024】また、熱硬化樹脂以外の充填材としては、
セメント、ヒートレスガラス(常温ガラスコーティング
材)、重防食コーティング材である機能性コーティング
材(セラプロテックス)、シラスバルーン、ガラスシリ
カなどの無機質物質や、セメント等の断熱材に混ぜ込む
発泡剤により発生する気泡、中空フィラーや多孔フィラ
ー等の中空球体、加熱時に膨張する熱膨張性層状無機物
などの発泡体などが挙げられる。前記熱硬化樹脂に、上
記の無機質物質や発泡体などを混合して用いることもで
きる。上記のヒートレスガラスには、シラスバルーン、
アルミナ粉末等の無機微粒子を配合して用いることもで
きる。また、シラスバルーンは、微細性、高強度、高白
色の特徴を活かし軽量モルタル用材料や断熱塗料用材料
として用いられている。さらに、中空フィラーや多孔フ
ィラーとしては、硼珪酸塩ガラス等のガラスシリカ、セ
ラミックス等の無機質物質の中空微小球体又はバルーン
からなり、加熱時に膨張する熱膨張性層状無機物として
は、例えば、パーミキュライト、カオリン、マイカ、熱
膨張性黒鉛等が挙げられる。
【0025】基板と金属電極との間や、隣り合う熱電素
子同士の離間した空隙、すなわち基板と熱電素子に囲ま
れた全ての空間を、充填材で充填する方法としては、特
に限定されず、適宜種々の充填方法が選択される。例え
ば、熱電素子を基板上に組み立てた後、熱電素子間の空
隙に充填材を流し込む方法などが挙げられる。中でも、
本発明においては、予め、所望形状、例えば立方体の型
内に、n型、p型の熱電半導体素子を互に隣り合せて配
置する工程(イ)と、該型内に、充填材の電気絶縁性及
び断熱性を有する、例えば、熱硬化性樹脂を型内に流し
込み、離型可能な硬さまで硬化させる工程(ロ)と、熱
電半導体素子と熱硬化樹脂とのブロック(例えば立方
体)を離型し取り出す工程(ハ)と、及び所望により、
さらに、ブロックを熱電半導体素子と直交する方向に切
断する工程(ニ)が採られることが望ましい。このよう
にして、熱電素子間の空隙が充填材で充填された熱電素
子ユニットを得ることができる。
【0026】5.熱良導性電気絶縁薄膜 本発明の熱電素子モジュールでは、金属電極の片面、す
なわち下部電極の場合下面に、上部電極の場合上面に、
熱良導性電気絶縁薄膜を接合してもよい。熱良導性電気
絶縁薄膜は、厚さが数十〜数百μm、好ましくは15〜
100μm程度であり、材料としては、例えば、エポキ
シ系樹脂に熱良導性フィラーを添加したもの、フッ素樹
脂コート、シリコン系熱伝導性接着材などであり、例え
ば、シート状やフィルム状のものを用いることができ
る。
【0027】6.熱電素子モジュールの製造 本発明の熱電素子モジュールの製造は、例えばそれが1
段モジュールである場合、一般に次のように行われる。
すなわち、まず、上記のような、セラミックス基板や、
炭素質材料からなる炭素質基板上に、必要に応じてその
微細孔に上記のような無機コーティング剤又は金属を含
浸させた後、金属電極が接合、形成される。
【0028】例えば、炭素質基板上への金属電極の接
合、形成は、一つの方法として、まず、炭素質基板に、
金属電極と同等の金属箔を、電気絶縁性を備え、金属箔
を炭素質基板に接合できる接合手段によって接合して、
金属貼り積層板を作製する。この金属貼り積層板は、必
要に応じて、炭素質基板の片面のみに金属箔の積層され
た金属貼り積層板とすることも、また両面に金属箔の積
層された金属貼り積層板とすることもできる。次いで、
この得られた金属貼り積層板の金属箔面に、両面に金属
箔の積層された金属貼り積層板の場合は一方の面の金属
箔面に、プリント配線板製造技術として確立されている
フォトリソグラフイー技術を適用して、すなわちフォト
レジストを利用して電極形成に必要な金属箔部分の所望
のパターンを描き、該パターンに準拠してエッチング等
を行って電極形成に不要な金属箔部分の除去を行うこと
等により、この炭素質基板上への金属電極の接合、形成
を行うことができる。
【0029】また、上記炭素質基板上への金属電極の接
合、形成は、他の一つの方法として、炭素質基板に、金
属板を金属電極の所望のパターンに打ち抜いて作製され
た所謂リードフレームを、電気絶縁性を備え、リードフ
レームを炭素質基板に接合できる接合手段によって接合
することにより、エッチング等を行う要なく直接的に行
うこともできる。一般に、上記フォトリソグラフイー技
術を適用する方法は、金属電極の接合、形成工程が比較
的繁雑であるが、微細加工に適しており、一方、上記リ
ードフレームを利用する方法は、微細加工には適さない
が、金属電極の接合、形成工程が比較的簡便であり、相
応の厚さのあるリードフレームを用いて接合、形成され
る金属電極を相応の厚さのあるものとすることによっ
て、大電流に対応でき、抵抗損失の低減された金属電極
を接合、形成することに適している。
【0030】次いで、上記の如くして得られた金属電極
の接合、形成された、例えば、炭素質基板2枚を対向さ
せ、それらに接合、形成されている金属電極を介して、
n型熱電半導体素子及びp型熱電半導体素子を交互に接
続して、熱電半導体素子間が熱硬化樹脂などの充填材で
充填された熱電素子ユニットが用いられ、本発明の熱電
素子モジュールが製造される。この際、金属電極とn型
熱電半導体素子及びp型熱電半導体素子との接合は、半
田付け等の従来から知られた接合手段で接合することが
できる。
【0031】また、本発明の熱電素子モジュールは、基
板として、例えば、好ましくは炭素質基板が用いられる
こと、炭素質基板への金属電極の接合に電気絶縁性を有
する接合手段が用いられること、及び基板と金属電極と
の間や、隣り合う熱電素子同士の離間した空隙を充填材
で充填することの三点を除けば、その基本的構造は、図
3に断面を模式的に示した従来の1段の熱電素子モジュ
ールの基本的構造と同様である。また、本発明の多段の
熱電素子モジュールも、その基本的構造は、上記三点を
除けば、従来の多段の熱電素子モジュールの基本的構造
と同様である。なお、上述のような、複数枚の基板の全
て(例えば1段の熱電素子モジュールにおける2枚の基
板)に、例えば、炭素質材料からなる炭素質基板を用い
る場合の他、複数枚の基板の内の一部に炭素質基板を用
いる場合も、本発明に包含される。したがって、例え
ば、受熱側の基板のみに炭素質基板を用い、放熱側の基
板は、従来のセラミック基板とすることもできる。
【0032】また、本発明の熱電素子モジュールにおい
ては、例えばそれが1段モジュールである場合、例え
ば、セラミック基板や炭素質基板の外面に、従来の一段
の熱電素子モジュールと同様に、加熱手段、冷却手段或
いは被冷却物等の部品ないし設備を接合することができ
る。このセラミック基板や炭素質基板の外面へのこれら
の部品ないし設備の接合に当たっては、その接合手段
は、特に電気絶縁性である必要はなく、またこれらの部
品ないし設備を強固にセラミック基板や炭素質基板に接
合できる手段であれば適宜選択して用いることができ
る。また、本発明の熱電素子モジュールにおいては、例
えばそれが1段モジュールである場合、セラミック基板
や炭素質基板の外面に例えば受熱あるいは放熱用フィン
を一体成形することもできる。具体例として、セラミッ
ク基板や炭素質基板にディスクカッターや鋸刃等でスリ
ットを形成することにより、セラミック基板や炭素質基
板自体をフィン形状に加工する場合が挙げられる。
【0033】
【実施例】以下、本発明について、図面を用いた実施例
によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実
施例に特に限定されるものではない。
【0034】[実施例1]〔熱電素子間の空隙が充填材
で充填された熱電素子ユニットの作製(図1)〕 熱電素子モジュールを作製する前に、予め、熱電素子間
の空隙が充填材で充填された熱電素子ユニットを作製す
る。その作製工程は、次の3(イ〜ハ)工程又は所望に
より4(イ〜ニ)工程からなり、図1で示される。尚、
充填材として、熱硬化樹脂、無機質物質、又は発泡体の
中から熱硬化樹脂を選び、用いている。 (イ)所望形状、例えば立方体の型内に、n型、p型の
熱電半導体素子を互に隣り合せて配置する工程であっ
て、図1(a)で示される。型内の内底面に、配置する
間隔に孔を作製し、その孔に、n型(5)、p型(6)
の熱電半導体素子を互に隣り合せて、配置する。 (ロ)該型内に、充填材の電気絶縁性及び断熱性を有す
る充填材としてエポキシ樹脂にシラスバルーンを混ぜた
ものを型内に流し込み、離型可能な硬さまで硬化させる
工程であって、図1(b)で示される。 (ハ)熱電半導体素子と熱硬化樹脂とのブロック(例え
ば立方体)を離型し取り出す工程であって、図1(c)
で示される。 (ニ)所望により、さらに、ブロックを熱電半導体素子
と直交する方向に切断する工程であって、図1(d)で
示される。 このようにして、n型、p型の熱電半導体素子と充填材
との熱電素子ユニットが作製される。
【0035】[実施例2][熱電素子モジュール及びそ
の製法の概要(図2)] 図2(A)は、実施例1の予め作製した熱電素子ユニッ
トを用いた、実施例2の熱電素子モジュールを示す断面
図である。基板1、1’として、炭素マトリックス中に
おいて厚さ方向に炭素繊維が配列してなる、厚さ1mm
の板状の炭素繊維強化炭素複合材料(以下「C/Cコン
ポジット」という)であるCC(商品名:先端材料社
製)を用いた。熱電素子として、n型半導体からなるn
型の熱電半導体素子5と、p型半導体からなるp型の熱
電半導体素子6を用いるものであり、これらの熱電半導
体素子5、6が同一平面上に、間隔をあけて交互に配列
され、また、全てのn型の熱電半導体素子5とp型の熱
電半導体素子6とが直列に接続されるように、その上下
両面に多数の電極4が形成されているものであり、この
電極4は、隣り合って配列されているn型及びp型の熱
電半導体素子同士の上面同士または下面同士を交互に渡
すように熱電半導体素子に接合されている。このように
して作製される熱電半導体素子5、6の電極4との接合
面以外の面である側周面や、電極間と基板との空隙以外
の空隙には、電気絶縁性及び断熱性の熱硬化樹脂などに
よる充填材7が充填されている。また、図2(B)は、
さらに、電極間と基板との空隙も、電気絶縁性及び断熱
性の熱硬化樹脂などによる充填材7が充填されている図
である。
【0036】実施例2に示すように、熱電素子として用
いるn型及びp型の熱電半導体素子の側周面や空隙に
は、例えば、熱硬化性樹脂の硬化物からなる充填材が充
填されることにより、熱電素子の強度が補強され、熱電
素子モジュールに衝撃や荷重が加わった場合でも、熱電
素子が破壊されず、信頼性や耐久性が向上することがで
きる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、熱効率に優れ、且つ熱
電素子モジュールに衝撃や荷重が加わった場合でも、熱
電素子が破壊されず、信頼性が高い、高性能の熱電素子
モジュールが提供される。本発明の熱電素子モジュール
は、熱効率が良く、かつ信頼性が高くて、ゼーベック効
果を利用する発電用としても、或いはペルチェ効果を利
用する冷却又は加熱用としても機能することができ、種
々の分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱電素子ユニットの作製工程とそ
の概要を示す図である。
【図2】本発明の熱電素子モジュール(実施例2)の断
面を示す断面図である。
【図3】従来の熱電素子モジュールの一例を示す断面図
である。
【図4】スケルトン構造の熱電素子モジュールの一例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 :基板 1’ :基板 2 :基板の対向面 2’ :基板の対向面 3 :基板の外面 4 :金属電極 5 :n型熱電半導体素子 6 :p型熱電半導体素子 7 :充填材 8 :仕切板 9 :熱良導性電気絶縁フレキシブルシート状薄膜 9’ :熱良導性電気絶縁フレキシブルシート状薄膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の基板を対向して配置すると共
    に、該対向する複数枚の各基板の対向面にそれぞれ導電
    性の金属電極を接合又は蒸着し、且つ該金属電極を介し
    て複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せ
    て配設してなる熱電素子モジュールにおいて、各熱電半
    導体素子の間、又は各熱電半導体素子の間及び基板と金
    属電極との間に生じた空隙に、電気絶縁性及び断熱性を
    有する熱硬化樹脂、無機質物質、又は発泡体から選ばれ
    る少なくとも1種の充填材を充填することを特徴とする
    熱電素子モジュール。
  2. 【請求項2】 複数枚の基板は、金属を含浸させた炭素
    質材料からなる炭素質基板で構成されることを特徴とす
    る請求項1記載の熱電素子モジュール。
  3. 【請求項3】 熱硬化樹脂は、エポキシ樹脂、エポキシ
    樹脂に末端にグリシジル基を有するポリアルキレングリ
    コール重合体とアミン系化合物とを混合した樹脂、ウレ
    タン樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエ
    ステル樹脂、縮合型シリコーン樹脂及びそれらの樹脂に
    無機質物質又は発泡体を混合した樹脂よりなる群の中か
    ら選ばれる熱硬化性樹脂の硬化物であることを特徴とす
    る請求項1記載の熱電素子モジュール。
  4. 【請求項4】 基板の対向面に導電性の金属電極を接合
    又は蒸着する接合/蒸着工程(A)、金属電極を介して
    複数のn型及びp型の熱電半導体素子を互に隣り合せて
    配設する熱電半導体素子配設工程(B)、及び各熱電半
    導体素子の間、又は各熱電半導体素子の間及び基板と金
    属電極との間に生じた空隙に、電気絶縁性及び断熱性を
    有する熱硬化樹脂、無機質物質、又は発泡体から選ばれ
    る少なくとも1種の充填材を充填する絶縁性/断熱性物
    質充填工程(C)を含むことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の熱電素子モジュールの製造方法。
  5. 【請求項5】 熱電半導体素子配設工程(B)及び絶縁
    性/断熱性物質充填工程(C)は、予め、型内に熱電半
    導体素子を配置する工程(イ)と、該型内に電気絶縁性
    及び断熱性を有する熱硬化性樹脂を流し込み硬化させる
    工程(ロ)と、及び熱電半導体素子と熱硬化樹脂とのブ
    ロックを離型し取り出す工程(ハ)を含むことを特徴と
    する請求項4記載の熱電素子モジュールの製造方法。
  6. 【請求項6】 さらに、ブロックを熱電半導体素子と直
    交する方向に切断する工程(ニ)を含むことを特徴とす
    る請求項5記載の熱電素子モジュールの製造方法。
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