JP4035663B2 - ゲル状芳香剤組成物 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
この発明は、化粧室、更衣室、自動車などの室内、車内で使用されるゲル状芳香剤組成物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種のゲル状芳香剤組成物は、長期間にわたって芳香を放つようにする目的で、ジプロピレングリコールアルキルエーテル及び／又はプロピレングリコールアルキルエーテルを香料とともにゲル化剤に混入したもの（特開昭６３−４３６６６号）、マグネシウム粉末、活性炭、ゼオライト、及びシリカをベースとする吸収剤から選択される固体無機担体材料を香料とともにゲル化剤に混入したもの（特開昭５９−５５２５５号）等が存在する。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特開昭６３−４３６６６号に示されるゲル状芳香剤組成物は、芳香の持続期間末期の香り起ちに劣るという課題を有しており、特開昭５９−５５２５５号に示されるゲル状芳香剤組成物は、不揮発成分を多量に含むことによる残渣の増加という課題を有していた。
【０００４】
そこで、この発明は、長期間にわたって芳香を放つと共に、特に芳香の持続期間末期の香り起ちに優れ、しかも芳香の持続期間終了後の残渣の少ないゲル状芳香剤組成物を提供することを目的として成されたものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
そのため、この発明に係るゲル状芳香剤組成物は、香料を含浸させたポリマーの粒子をゲル化剤に混入したものとしている。
この発明で使用されるポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられ、ポリマーの粒子径は、０．１〜１００００μｍの範囲で平均粒子径が１〜５０００μｍ（多孔質ポリマーの場合は０．１〜１００μｍの範囲で平均粒子径が１〜５０μｍ）とするのが好ましい。ポリマーの粒子の平均粒子径が、１μｍ以下では香料の保持力が弱く芳香の持続性がなく持続期間末期の香り起ちが余り改善されず、又５０００μｍ以上（多孔質ポリマーの場合は５０μｍ以上）では香料の保持力が強すぎて持続時間初期、持続時間末期にかかわらず芳香し難くなり好ましくない。
【０００６】
又、前記ポリマーの粒子の混入量は、０．０１〜５重量％とするのが好ましい。ポリマーの粒子の混入量が、０．０１重量％以下では芳香の持続期間末期の香り起ち及び芳香の持続性の向上がまったく現れず、５重量％以上では芳香の持続期間終了後の残渣が多くなり好ましくない。
この発明で使用される香料としては、例えば、フローラル系、シトラス系、フルーツ系、グリーン系、コスメティック系等の一般に広く利用される天然香料、合成香料、あるいはそれらの混合物等の何れでもよく、特に限定されるものではない。又、香料の配合量は、０．１〜１０重量％とするのが好ましい。
【０００７】
この発明で使用されるゲル化剤としては、例えば、カラギーナン、寒天、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ジェランガム、ゼラチン、アミノ酸、カルボキシメチルセルロース及びその金属塩、キチン・キトサン、アルギン酸ナトリウム、ワックス、ステアリン酸ソーダ等が挙げられるが、特に限定されるものではない。又、ゲル化剤の配合量は、０．１〜２０重量％とするのが好ましい。
【０００８】
【実施例】
以下、この発明に係るゲル状芳香剤組成物を実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例１〜５、比較例
表１に示す配合量にしたがい、レモン系調合香料にポリマーの粒子（ポリエチレン、エチレンビニルアセテート共重合体）又は多孔質ポリマーの粒子（ポリメタクリル酸エステル）と活性剤を加え攪拌したものを、約８０°Ｃに昇温した後約６０°Ｃまで降温させたカラギーナン水溶液又は寒天水溶液に混入し、さらにこれを約５０°Ｃまで降温させてから、その１５０ｇを２００ｃｃビーカーに入れ、室温で約１時間放冷することにより、この発明に係るゲル状芳香剤組成物を得た。さらに、ポリマーの粒子を加える以外は前記と同様の調製を行い、比較例とする従来のゲル状芳香剤組成物を得た。
【０００９】
次に、これらゲル状芳香剤組成物の芳香の持続性について、研究員１０名による官能評価、及び香り濃度の計測を行った。官能評価は、評価点５〜０（５：非常に強い、４：強い、３：普通、２：やや弱い、１：弱い、０：匂わない）の６段階評価で、使用開始直後、持続期間初期、持続期間中期、持続期間後期、持続期間末期について、それぞれのゲル状芳香剤組成物に点数をつけ平均値をとった。結果を表２に示す。又、香り濃度の計測は、それぞれのゲル状芳香剤組成物５０ｇを直径７０ｍｍの軟膏つぼに充填し、香り濃度測定装置（Ａｌａｂａｓｔｅｒ ＵＶ ＥＫＷ・８６０３；Ｂ＆Ｈ LABO.CO.,LTD.製）にて経時的に計測した。結果を図１に示す。
【００１０】
【表１】

【００１１】
【表２】

【００１２】
【発明の効果】
この発明に係るゲル状芳香剤組成物は、以上に述べたように構成されており、長期間にわたって芳香を放つと共に、特に芳香の持続期間末期の香り起ちに優れ、しかも芳香の持続期間終了後の残渣の少ないものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明に係るゲル状芳香剤組成物の香り濃度の経時的計測値を示すグラフである。

Claims (3)

1. 組成物の全体量に対する香料配合量が０．１〜１０重量％、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体からなる群から選択される少なくとも１種のポリマー配合量が０．０１〜５重量％であり、香料配合量が前記ポリマー配合量の５〜１００倍（重量）であり、香料を含浸させた前記ポリマーの粒子をゲル化剤に混入することを特徴とするゲル状芳香剤組成物。
2. 前記ポリマーが、多孔質ポリマーであることを特徴とする請求項１に記載のゲル状芳香剤組成物。
3. 前記ポリマーの粒子の平均粒子径が、１〜５０００μｍであることを特徴とする請求項１又は２に記載のゲル状芳香剤組成物。

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