JP4034446B2 - グリル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はグリル庫内で魚等の被調理物を加熱するガスグリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃焼装置の一つであるガステーブルこんろにおいては、魚等の被調理物を加熱調理できるグリルを備えたタイプのものがある。
こうしたグリルは、図3に示すように、被調理物を載せる焼網20aと、焼網20aを載せたまま手前にスライドさせて引き出す受皿30と、燃料ガスを燃焼させて被調理物を加熱するバーナ40と、これらを収める加熱庫10から構成される。
【0003】
被調理物を加熱庫10に収納した場合に、焼網20aの位置は、加熱庫10内の内底面から比較的に高い位置にあると、バーナ40の近くに被調理物が置かれることになるので熱効率が良く、単時間で被調理物が加熱されるという利点がある。
【0004】
これに対し、焼網20aの位置が加熱庫10内の内底面から比較的に低い位置にあると、被調理物を載せた受皿30を加熱庫10から出し入れする際や、焼網20a上の被調理物を裏返す際に、加熱庫10の入口部上端に被調理物や手が接触しにくくなり、被調理物を扱い易いという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、焼網の位置が加熱庫内の高い位置にあると、被調理物の厚さが厚い場合には、被調理物の出し入れや返しの操作がやり難いという問題があり、一方、焼網の位置が加熱庫内の低い位置にあると、バーナから遠い位置に被調理物が置かれて熱効率が悪くなり、調理に時間がかかることになる。
そこで、本発明のガスグリルは上記課題を解決し、被調理物の厚みがあっても被調理物全体を効率よく加熱調理することができるようにすると共に、被調理物の出し入れ及び裏返しを容易にできるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載のガスグリルは、
被調理物を収納してバーナの燃焼熱により加熱調理するための加熱庫と、
上記加熱庫内の被調理物を載置する焼網と、
上記被調理物からの焼き脂を受けるように上記焼網の下方に設けられ、上記焼網と共に加熱庫から前後方向にスライドして出し入れされる受皿とを備えたグリルにおいて、
支点を中心に回動するとともに、上記焼網の前部および後部をそれぞれ支持する前部回動部材および後部回動部材と、
上記前部回動部材と後部回動部材とを互いに連結し、これら両回動部材を同一角度に回動させて上記焼網の載置面を水平に保つ連結部材と、
上記前部回動部材と後部回動部材との回動角を、鉛直上方向と、この鉛直上方向を基準として前方向に所要角傾斜する方向との間に規制する回動規制手段と、
上記受皿が加熱庫内に収納される場合に、上記後部回動部材に当接して、当該後部回動部材とこの後部回動部材に連結される前部回動部材を鉛直上向に支持する当接部材、
を有するリンク機構を設け、
当該リンク機構は、
上記受皿の加熱庫からの引き出時においては、上記後部回動部材と前部回動部材とを各々の自重により前方向下向きに回動させて、上記焼網を下降させ、
上記受皿を加熱庫内に収納する際にあっては、上記後部回動部材と上記当接部材とを当接させ、上記後部回動部材および後部回動部材に連結される前部回動部材を鉛直上方向に回動させて、上記焼網を上昇させるものであることを要旨とする。
【0008】
また、上記課題を解決する本発明の請求項2記載のガスグリルは、請求項1記載のガスグリルにおいて、
上記リンク機構は、上記焼網の載置面が上記加熱庫入口から収納完了位置までの加熱庫内にある場合にのみ、当該焼網を上昇または下降させるものであることを要旨とする。
【0009】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のガスグリルは、受皿と焼網間に設けたリンク機構により、受皿の出し入れに伴って焼網の載置面を水平に保ちながら焼網を昇降させると共に、受皿に対する焼網の相対位置を前後移動させる。
そして、受皿を引き出すと、焼網が下がって低い位置に移動すると共に、受皿よりも手前に移動する。
従って、受皿を引き出した時に焼網の載置面が低くなるので、厚みのある被調理物でも載置できる。
更に、受皿に対して焼網が手前に移動するので、被調理物の出し入れ及び裏返しを円滑に行うことができる。
また、焼網上に被調理物を載せて加熱庫内に受皿を収納すると、取り出し時に低い位置にあった焼網は、受皿の収納に伴い、被調理物全体を充分な高さまで押し上げ、受皿に対して適正位置にセットされるため、被調理物を効率よく加熱調理することができる。
【0010】
また、リンク機構が受皿の出し入れに連動し、その当接部材が受皿の位置に応じて支点を中心に回動部材を回動させて焼網の載置面を移動する。この場合に、連結部材が前後の回動部材を連結しているため、前後一対の回動部材を同一角度に回動し、焼網の載置面を水平に保つ。
従って、受皿を引き出した位置で、焼網の載置面を手前でかつ低い位置に移動させることができる。
【0011】
また、上記構成を有する本発明の請求項3記載のガスグリルは、焼網の載置面が加熱庫入口から収納完了位置までの加熱庫内にある場合にのみ、リンク機構が焼網を昇降する。
つまり、焼網は、収納された加熱庫内で昇降され、加熱庫入口を通過する際に昇降されない。
従って、厚みのある被調理物であっても、収納または引き出し途中に、加熱庫の入口に引っ掛かかることはない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のガスグリルの好適な実施形態について説明する。
図4は、ガスグリルを備えた後方排気式のテーブルこんろの外観図を示している。
テーブルこんろは、トッププレート3に2組のこんろバーナ4a、4bが設けられ、それらの周囲に設けられたごとく5a、5b上に調理鍋(図示せず)を載せ、テーブルこんろの前面に設けられる操作ボタン21a、21bを押すことによりそれぞれのこんろバーナ4a、4bが点火され、ごとく5上の調理鍋が加熱されるものである。
【0013】
また、こんろバーナ4a、4b間の器体の中心部に、魚等を焼くためのグリル1が設けられ、操作ボタン21cを押して点火し加熱調理が行われる。
グリル1は、図1〜図2に示すように、被調理物を収納して加熱する加熱庫10を備え、加熱庫10内で魚等を加熱調理するものである。
加熱庫10内には、上方左右に燃料ガスを燃焼させて被調理物を加熱する表面燃焼式のバーナ40と、中間位置に被調理物を載せる焼網20とが設けられ、底面に焼網20を載せたまま手前にスライドさせて引き出すことができる受皿30が載置されている。
この受皿30は、被調理物から落下する焼脂を受けるための浅い皿である。
【0014】
また、加熱庫10の正面には、受皿30を手前に引き出す取手16と、受皿30を引き出す時に連動して開閉するグリル扉18とが設けられ、そのグリル扉18にはガラス製の覗き窓18aが設けられる。
このグリル扉18は、加熱庫10前部の入口部に回動自在に軸支され、かつ着脱可能に取り付けられ、後述するように、受皿30の出し入れと連動する連結レバー35が可動自在に連結され、受皿30を加熱庫10から出し入れする際に、連動して開閉されるように設けられる。
【0015】
バーナ40は、加熱庫10の上部左右側面に設けられ、このバーナ40からの燃焼排ガスを加熱庫10内にこもらせて被調理物を加熱する。
バーナ40は、多孔質セラミックスの平面プレートに多数の小炎口を貫通させた燃焼面を有する全1次空気式のバーナ40で、燃焼面は、垂直面に対してやや上方向に傾斜させて設置される。
【0016】
加熱庫10の後方には、仕切壁71を介して並設される排気室60が設けられ、この仕切壁71に開口して加熱庫10と排気室60とを連通する連通口70が設けられる。
この連通口70は、開口部上端が焼網20における被調理物の載置面より少し低い位置となるように設けられる。
また、加熱庫10の底面には外部空気が進入できる隙間(図略)が設けられている。
【0017】
焼網20と受皿30との間には、受皿30の出し入れに伴って焼網20の載置面を移動するリンク機構を設ける。
このリンク機構は、回動力が与えられることにより、回転支点を中心に回動する回動部と、焼網20の載置面を水平に保ちながら焼網20を移動する連結部と、
焼網20の載置面が加熱庫10入口部10aから収納位置までの加熱庫10内にある場合に限り、受皿30の位置に応じて回動部を作用させる当接部とを構成する。
【0018】
この回動部は、受皿30上の前後位置でそれぞれ回動する一対の焼網支持枠6、6を備え、その焼網支持枠6、6上に焼網20が載置される。
焼網支持枠6が保持される支え板3には、受皿30のフランジ面に当接する取付面3bと、板状部材を長辺方向に沿ってL字形に折り曲げた立設面3aとが形成される。
この支え板3の立設面3aには、焼網支持枠6の回動中心となる支点孔3dと、その下方に焼網支持枠6の回動角度を規制する円孤状の長孔3cとが設けられ、支え板3の取付面3bには、下方に向けてL字形の係止片3fが切り起こされ、これらの支点孔3d、長孔3c、係止片3fが長辺方向の前後左右にそれぞれ形成される。
一方、支え板3に対して受皿30のフランジ面30aには、支え板3の係止片3fが嵌合する角孔30bが四隅に設けられ、フランジ面30aの左右に各々の支え板3が向い合って組み付けされる。
また、金属棒材を「井」の字状に組み合わせて溶接した固定棒3gが支え板3の取付面3b下面に溶接され、左右の支え板3、3を所定間隔に固定する。
【0019】
焼網支持枠6は、金属棒材を折り曲げて形成され、支え板3の支点孔3dに挿入される支点軸6aと、支点孔3d下方の長孔3cに挿入されて長孔3cにより回動角度が規制される規制軸6bと、支点軸6aの上方に凸状に折り曲げられて焼網20を載せる段部6dを備えた受け軸6cとが形成される。
また、これら受け軸6cと規制軸6bとは、支点軸6aを挟んで反対側に溶接されて一体的に焼網支持枠6が形成される。
この焼網支持枠6は、向い合う立設面3aの左右に回動自在に保持され、支点軸6aと規制軸6bの両端縁は、支え板3の左右に張り出し、支点軸6aの先端にローラ9aが、規制軸6bの先端にローラ9bがそれぞれ左右に回動自在に設けられる。
また、前後の焼網支持枠6、6の規制軸6bには、ローラ9bの外側に連結部である連動アーム15がそれぞれ左右に挿通されて連結され、その外側から止め輪38が装着されて抜け止めされる。
従って、前後の焼網支持枠6は、連動アーム15により同じ方向および角度で回動するようにリンクされる。
【0020】
焼網20は、金属棒材で形成した矩形枠20aに、同じく多数の金属棒材20b、20b…を等間隔に溶接したものである。
この焼網20の四隅には、焼網支持枠6の段部6dに摺動自在に係合する半丸状の曲げ面を形成した受け部20cが形成され、受け部20cが焼網支持枠6の段部6dの外周面に載置され、焼網20は段部6dにより左右に位置決めされると共に、受け部20cの係合により前後に位置決めされる。
【0021】
加熱庫10の奥側の左右両壁面には、底面中間位置から後方壁面に向けて受皿30の進退方向に延びる長溝孔8が設けられる。
左右の軸7の端部には、鍔部をもったローラ9c、9dがこの長溝孔8内の前後に遊挿され、ローラ9c、9dは、この長溝孔8内を回転して進退動自在に移動できるように設けられる。
また、軸7は、加熱庫10内を横切り、加熱庫10の両外側にグリル扉18を開閉する左右の連結レバー35に回動自在に連結され、受皿30が加熱庫10に収納されるとローラ9c、9dが受皿30の下側になるように設けられる。
この軸7の中央付近には上側に凸状に曲げ形成される当接部7aが設けられ、この当接部7aは、受皿30が押し込まれると、受皿30の上方から焼網支持枠6の規制軸6bに当接する位置関係に設けられる。
軸7の両端部には、ローラ9c、9dの外側にバネ力を連結レバー35に伝えるバネ取付36が挿通し、その外側に連結レバー35の端部が挿通して止め輪38にて抜け止めされる。
また、加熱庫10の前側外部にバネ掛部12が設けられ、一端をこのバネ掛部12に止着され他端をバネ取付36に係止される引っ張りバネ13が設けられ、引っ張りバネ13は、軸7を介して、受皿30を前進方向へ押し出し付勢する。
尚、引っ張りバネ13の力は、後述するように、グリル扉18を開くのに充分な力で、その付勢力だけで焼網支持枠6を回動できないように設定される。
【0022】
また、加熱庫10の入口部寄りの底面には、受皿30の底面に設ける皿段部31に当接してその受皿30の前進動(引出し方向)を規制する手前係止部32が設けられ、受皿30は加熱庫10から最大引出された状態でこの手前係止部32に係止される。
尚、受皿30は、加熱庫10の左右両壁面に設けられるガイド部(図略)により左右両端部が受け止めされて進退自在に装着される。
また、この受皿30を加熱庫10から取り外す場合には、取手16をつかんで上に持ち上げ、皿段部31を手前係止部32から外して取り外す。
【0023】
また、加熱庫10の奥寄りの底面には、受皿30の底面の皿段部31に当接してその受皿30の前進動を規制する弾発性ある板バネ14が、一端をその外底面に止着された状態で底面の切欠穴より出没可能に設けられる。
この板バネ14は、受皿30を加熱庫10に収納させた状態で、受皿30が不用意に加熱庫10より飛び出すことがないように、受皿30の皿段部31を係止する。
【0024】
次に、このようなグリル1における受皿30の収納、引き出し動作を説明する。
取手16をつかんで受皿30を加熱庫10より引き出すと、受皿30の皿段部31が加熱庫10の板バネ14から外れて引き出され、受皿30が加熱庫10底面をスライドして載置された焼網20が同時に引き出される。
この場合に、焼網支持枠6は、焼網20や被調理物の重力により、図面の反時計回りの方向に付勢されており、受皿30の引き出しにつれて、軸7の規制軸6bの後方当接部7bが加熱庫10後部10aに当接したまま、焼網支持枠6の支点軸6aが受皿30とともに前方に移動し、この支点軸6aを中心にして規制軸6bが長孔3cに規制される角度まで図面の時計回りの方向に回動し、焼網20を載せた段部6dを受皿30の真上から斜め前方まで移動する。
この場合に、連動アーム15は前後の焼網支持枠6をリンクしているため、焼網20の載置面は、水平に保たれながら手前に移動して低くなる。
更に、受皿30を引き出すと、連結レバー35に働く引っ張りバネ13の付勢力により、軸7の当接部7aが焼網支持枠6の規制軸6bに当接したまま、ローラ9c、9dが長溝孔8内を前進し、軸7の後方当接部7bが加熱庫10後部10aから離れる。
同時に、連結レバー35の前進動によりグリル扉18は押され、掛止ピン18cを支点として図1の(イ)から(ロ)のように回動して開けられ、受皿30のスライド途中で全開し、加熱庫10の前部入口部上方に回動して収納される。
グリル扉18が全開になると、受皿30を引き出すにつれて軸7の当接部7aが焼網支持枠6の規制軸6bから離れ、受皿30は、加熱庫10の手前係止部32に受皿30の皿段部31を係止する位置まで焼網20と共に一体的に引き出される。
【0025】
一方、今度は逆に、受皿30を引き出した状態から取手16を押し込むと、まず、受皿30が後方にスライドして焼網支持枠6の規制軸6bが加熱庫10の後方寄り位置で軸7の当接部7aに当接する。更にこのまま、加熱庫10の奥方向に受皿30を押し込むと、軸7を介した押し込み力により、引っ張りバネ13の付勢力に抗しながら受皿30と共に連結レバー35が後退する。
このために、グリル扉18は掛止ピン18cを支点として、今度は図1の(ロ)から(イ)の方向に回動する。
また、軸7の後方当接部7bが加熱庫10後部10aに当接する位置で、グリル扉18は加熱庫10の入口部を閉じる。
更に、受皿30が加熱庫10内へ送入されていくにつれて、加熱庫10後部10aに当接している軸7を介して押し込み力により、その当接部7aが規制軸6bを押し、押し込み力が焼網支持枠6への回動力となり、焼網支持枠6の支点軸6aを中心に規制軸6bを時計回りの方向に回動し、その段部6dが斜め前方から支点軸6aのほぼ真上になる位置まで回動する。
このように焼網20は、受皿30が加熱庫10内に収納される時に、載置面が加熱庫10の入口部10aを通過してから加熱庫10の後方寄り位置まで押し込まれると、受皿30に対して焼網20の載置面が水平に保たれながら後方に移動しつつ加熱庫10の上方に移動される。
そして、段部6dに載置された焼網20が上方に移動されると同時に、受皿30の皿段部31が加熱庫10の板バネ14に係止され、受皿30を加熱庫10内に納めた状態が保持される。
【0026】
次に、加熱調理について説明する。
燃焼中には、高温の燃焼排ガスが加熱庫10上部にたまり、加熱庫10後方の連通口70へあふれてから、ドラフト効果により排気室60内を上昇する。
この場合に、連通口70の開口部上端より少し高い位置となる焼網20の載置面に置かれた被調理物は、加熱庫10上部に充満する高温の燃焼排ガスの対流に包まれる燃焼熱によって、隅々まで加熱されて良好に調理される。
つまり、被調理物は、焼網20を昇降するリンク機構により、加熱庫の上方に熱気がこもる高温帯内に保持されるので効率よく加熱調理される。
【0027】
以上説明したように、本実施形態のガスグリルによれば、引き出される受皿30に対して焼網20が更に前方に移動しつつ焼網20の載置面が低くなるので、被調理物の出し入れおよび返しが容易になる、
例えば、図1と従来例を示す図3とを比較すると、グリル扉18からの引き出し長さがL2→L1、入口部10a上端までの高さがH2→H1と大きくなるので、被調理物の出し入れおよび返しが容易になる。
【0028】
また、焼網20上に被調理物を載せて加熱庫10内に受皿30を収納すると、取り出し時には低い位置にあった焼網20は、受皿30が収納されると、被調理物全体が加熱庫10の上部側に形成された高温帯に入るのに充分な高さまで押し上げられるため、厚みのある被調理物でも被調理物を効率よく加熱調理することができる。特に、丸干し等、水分の少ない被調理物の場合には、加熱庫10内の熱気で充分加熱され、加熱調理の途中で被調理物を裏返す必要がない。
しかも、受皿30に溜まった焼脂が過熱して発火することがないので、受皿30に水を張る必要がなくなり、グリル1の取り扱いが極めて簡便となる。
【0029】
しかも、受皿30の収納完了直前または引き出し直後の位置、即ち、受皿30が加熱庫10の奥位置にある場合に、焼網20が昇降して所定位置に保持されるので、厚みのある被調理物であっても加熱庫10の入口部10aに引っ掛かることなく、受皿30の出し入れを円滑に行うことができる。
【0030】
また、焼網支持枠6、6を組み込んだ状態で、左右の支え板3が固定棒3gにより一体に固定されるので、焼網支持枠6、6と支え板3、3とがバラバラにならず、掃除後の再組み込みが容易になる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、バーナ40は、被調理物を裏返す必要のない両面焼用のバーナであっても良い。あるいは、他の燃焼方式のバーナであっても良い。
【0032】
また、熱気を加熱庫10にこもらせて加熱調理するのではなく、バーナの輻射熱により直接に被調理物を加熱調理するグリルであっても良い。
【0033】
また、支え板3は、必ずしも板状部材を用いる必要はないが、板状部材を用いると、被調理物から出る焼脂が受皿30に滴下した時に、焼脂が左右に飛び散るのを防ぐ飛散ガードとしても機能するので、加熱庫10内が汚れ難くなるという利点がある。
【0034】
また、規制軸6bに当接する軸7と連結レバー35とを連結しないで、受皿30を押し込み時に、規制軸6bに当接して焼網支持枠6を時計方向に回動する当接部を加熱庫10から直接に設けても良い。
【0035】
また、受皿30収納時に、焼網支持枠6の受け軸6cを支点軸6aの真上より少し前方方向に配置し、重力による反時計方向への回動力を確実に確保するようにしても良く、焼網支持枠6をバネにより反時計方向に付勢しても良い。
あるいは、押し込み時に規制軸6bに係止し、引き出し時に規制軸6bに係止したまま引き出し力により規制軸6bを反時計方向に回動させ、所定角度まで回動するとその係止を解除する別部品を設けても良い。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のガスグリルによれば、受皿を引き出した時に、受皿に対して焼網が手前に移動して載置面が低くなるので、厚みのある被被調理物でも出し入れ及び裏返しを円滑に行うことができるという優れた効果を奏する。
また、加熱庫内にバーナの燃焼排気をこもらせて加熱調理するグリルに適用した場合には、被調理物全体が高温帯に入るのに充分な高さに被調理物を保持して被調理物全体を効率よく加熱調理できる。
【0037】
また、受皿を引き出した位置で、焼網の載置面を手前でかつ低い位置に移動させるリンク機構をシンプルな構成で設けることができる。
【0038】
また、本発明の請求項3記載のガスグリルによれば、焼網が収納された加熱庫内で昇降され、加熱庫入口を通過する際に昇降されないので、厚みのある被調理物であっても、出し入れの途中で加熱庫入口に引っ掛からず、出し入れをより円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガスグリルの概略図である。
【図2】第1実施形態としての分解斜視図である。
【図3】従来のガスグリルの概略図である。
【図4】ガスグリルの外観図である。
【符号の説明】
昇降装置 2
焼網支持枠 6
軸 7
長溝孔 8
ローラ 9
加熱庫 10
連動アーム 15
取手 16
グリル扉 18
焼網 20
受皿 30
皿段部 31
手前係止部 32
バーナ 40
Claims (2)
- 被調理物を収納してバーナの燃焼熱により加熱調理するための加熱庫と、
上記加熱庫内の被調理物を載置する焼網と、
上記被調理物からの焼き脂を受けるように上記焼網の下方に設けられ、上記焼網と共に加熱庫から前後方向にスライドして出し入れされる受皿とを備えたグリルにおいて、
支点を中心に回動するとともに、上記焼網の前部および後部をそれぞれ支持する前部回動部材および後部回動部材と、
上記前部回動部材と後部回動部材とを互いに連結し、これら両回動部材を同一角度に回動させて上記焼網の載置面を水平に保つ連結部材と、
上記前部回動部材と後部回動部材との回動角を、鉛直上方向と、この鉛直上方向を基準として前方向に所要角傾斜する方向との間に規制する回動規制手段と、
上記受皿が加熱庫内に収納される場合に、上記後部回動部材に当接して、当該後部回動部材とこの後部回動部材に連結される前部回動部材を鉛直上向に支持する当接部材、
を有するリンク機構を設け、
当該リンク機構は、
上記受皿の加熱庫からの引き出時においては、上記後部回動部材と前部回動部材とを各々の自重により前方向下向きに回動させて、上記焼網を下降させ、
上記受皿を加熱庫内に収納する際にあっては、上記後部回動部材と上記当接部材とを当接させ、上記後部回動部材および後部回動部材に連結される前部回動部材を鉛直上方向に回動させて、上記焼網を上昇させるものであることを特徴とするグリル。 - 上記リンク機構は、上記焼網の載置面が上記加熱庫入口から収納完了位置までの加熱庫内にある場合にのみ、当該焼網を上昇または下降させるものである請求項1記載のグリル。
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