JP4033887B2 - Dbr型波長可変光源 - Google Patents

Dbr型波長可変光源 Download PDF

Info

Publication number
JP4033887B2
JP4033887B2 JP2006516885A JP2006516885A JP4033887B2 JP 4033887 B2 JP4033887 B2 JP 4033887B2 JP 2006516885 A JP2006516885 A JP 2006516885A JP 2006516885 A JP2006516885 A JP 2006516885A JP 4033887 B2 JP4033887 B2 JP 4033887B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dbr
optical waveguide
active region
region
light source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006516885A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2005091452A1 (ja
Inventor
直樹 藤原
伸浩 布谷
順裕 菊池
泰夫 柴田
洋 八坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Publication of JPWO2005091452A1 publication Critical patent/JPWO2005091452A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4033887B2 publication Critical patent/JP4033887B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/06Arrangements for controlling the laser output parameters, e.g. by operating on the active medium
    • H01S5/062Arrangements for controlling the laser output parameters, e.g. by operating on the active medium by varying the potential of the electrodes
    • H01S5/0625Arrangements for controlling the laser output parameters, e.g. by operating on the active medium by varying the potential of the electrodes in multi-section lasers
    • H01S5/06255Controlling the frequency of the radiation
    • H01S5/06256Controlling the frequency of the radiation with DBR-structure
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/10Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region
    • H01S5/12Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region the resonator having a periodic structure, e.g. in distributed feedback [DFB] lasers
    • H01S5/125Distributed Bragg reflector [DBR] lasers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Lasers (AREA)

Description

本発明はDBR型波長可変光源に関し、より詳細には、1つの波長制御電流により広帯域な連続波長可変が可能なDBR型波長可変光源に関する。
DBR型レーザは光通信用の波長可変光源として用いられており、その発振メカニズムや波長可変メカニズムについては既に報告がなされている(例えば、非特許文献1および非特許文献2)。
図12は、従来技術に係るDBR型波長可変光源の基本構造を説明するための図である。図12Aは、光導波路を含み基板11に垂直な面における断面図を示している。図12Bは、図12Aの断面表示XIIB−XIIBを含み基板11に平行な面における、断面図(上面図)を示している。このDBR型波長可変光源においては、基板11上に設けられた活性領域光導波路12の両側に、非活性領域光導波路13a、13bが配置されている。活性領域光導波路12と非活性領域光導波路13a、13bの境界部には、それぞれ絶縁領域15a、15bがある。非活性領域光導波路13a、13bには、絶縁領域15a、15bと接して、回折格子から構成されるDBR領域(分布反射器)14a、14bがそれぞれ形成されている。上述した各光導波路の上部と側面には上クラッド層9が形成されている。本DBR型波長可変光源の発振波長は、共振器長により決まる縦モード波長のうち、DBR領域14a、14bのブラック反射帯域内に存在する縦モード波長のみが選択されることにより決定される。
絶縁領域15a、15bは、高抵抗の領域である。電極18a、18b、18cとオーミック接触を取るために、上クラッド層9の上に形成されるInGaAsP層(図12Aに示していない)の一部を除去することによって、絶縁領域15a、15bは形成される。すなわち、絶縁領域15a、15bは、DBR制御電流17と活性領域電流16とを絶縁分離する機能を持っている。
DBR(分布反射器)領域14a、14b内には、一定ピッチの凸凹が形成されており、このピッチに対応する波長の光、すなわちブラッグ波長の光が選択的に強い反射を受ける。実際にはブラッグ波長を中心として数nmの高反射帯域が形成され、この高反射帯域内において回折格子として作用する。
図12Aにおいては、絶縁領域15a、15bは、上述した回折格子が存在しない領域として表現されている。これは、前述のように、絶縁領域15a、15bは、高抵抗のために電流が流れないので、回折格子を設けたとしても屈折率変化にはなんら寄与しない領域であるためである。したがって、絶縁領域15a、15bに回折格子が形成されていてもかまわない。
このDBR型波長可変光源においては、電極18cを介して活性領域光導波路12に活性領域電流16が注入され、また、電極18a、18bを介してDBR領域14a,14bにDBR制御電流17が注入される構成となっている。このDBR制御電流17がDBR領域14a、14bへ注入されることによって、DBR領域14a,14bの屈折率変化が生じる。この屈折率変化に伴って、上述した縦モード波長とブラッグ波長の両方を、短波長側にシフトさせることが可能である。
ただし、DBR領域14a、14bへのDBR制御電流17の注入によって生ずる屈折率変化に伴う波長シフトの感度は、縦モード波長に比べてブラッグ波長の方がより敏感である。すなわち、ブラッグ波長が、より速く短波長側にシフトする。その理由は、活性領域光導波路12と非活性領域光導波路13a、13bによって構成されるレーザ共振器のうち、DBR制御電流17を注入すると、非活性領域光導波路13a、13bまたはDBR領域14a、14bにのみ、屈折率の変化を生じさせるからである。すなわち、ブラッグ波長シフトはDBR領域14a、14bの屈折率変化のみを反映しているのに対し、縦モード波長シフトはレーザ共振器全体の屈折率変化を反映しているためである。一般に、縦モード波長シフト量は、次の式(1)にしたがって計算できる。
Figure 0004033887
上式(1)において、Δλは縦モード波長シフト量、λは縦モード波長、Δλはブラッグ波長シフト量、λはブラッグ波長、Leff−fおよびLeff−rは前側(front)および後側(rear)DBR領域の実効長であり、Lは活性領域長である。ここで、LeffはDBR領域14a、14bの実効的な長さである。この長さは、実効長もしくは有効長とよばれており、非特許文献2の定義に従った。
ここで、DBR(分布反射器)とその実効長について、さらに説明をする。先にも述べたように、DBR領域内には一定ピッチの凸凹が形成されており、このピッチに対応する波長の光、すなわちブラッグ波長の光が選択的に強い反射を受ける。このブラッグ波長を中心として数nmの幅の高反射帯域が形成され、DBRはこの高反射帯域内において回折格子として作用する。
図13は、DBR領域14a、14bにおける反射の様子を説明する図である。ブラッグ反射が発生する高反射帯域内の波長の光は、図13に示すように分布的に反射を受ける。したがって、光が感じる伝播長は、実際のDBR領域14a、14bの長さに比べて短くなる。この長さは、実効長と呼ばれている。
図14および図15は、DBR領域の長さに対する実効長の計算結果を示す図である(導波路伝播損失Γα=10cm−1を仮定した)。図14は、回折格子結合定数κをパラメータとして、DBR領域の長さと実効長の関係を示す図である。図15は、各結合定数値κにおける、実効長飽和値を示す表である。
図14および図15より、DBR領域14a、14bの長さが短い場合には(図13において、DBR領域の長さが、実効長の増減に寄与する領域61a、61bの範囲の長さである場合)、実効長はDBR領域の長さに対し直線的に増加する。一方、DBR領域14a、14bの長さがより長くなる場合には(図13においてDBR領域の長さが、実効長の増減にほとんど寄与しない領域62a、62bの範囲の長さである場合)、実効長の値は飽和し、一定値の実効長飽和値に安定する。
実効長と同様に、DBR領域の反射率もDBR領域の長さが長くなるにつれて向上する。発振光は、活性領域の近傍のDBR領域において、最も強い反射を受ける。したがって、ある程度DBR領域が長くなると、反射率は一定値に収束する。前述したように、DBR(回折格子)の実効長は回折格子の分布的な反射状態を考慮した場合に、伝播光が感ずる光路長である。したがって、回折格子すなわちDBR領域の長さに対して、反射率と実効長は極めて類似した増減を示す。
DBR領域と活性領域を集積してDBR型波長可変光源を構成する場合においては、反射率は、活性領域とDBR領域の接合部の結合損失によっても左右されてしまう。このため、反射率は、設計上のパラメータとして適切ではない。そこで、反射率を反映し、かつ活性領域とDBR領域の接合部の結合損失の影響を受けない実効長が、素子設計パラメータとして採用されている。DBR領域の実効長は、レーザ共振器長、縦モード間隔、ブラッグ反射率等に関係するパラメータであり、この実効長の値を考慮することによって、効率的なDBR型レーザの設計が可能である。
さて、前式(1)の右辺2項目の分子(Leff−f+Leff−r)は屈折率可変領域(すなわちDBR領域)の実効長の総和を、分母(L+Leff−f+Leff−r)は全共振器長を示している。厳密に言えば、全共振器長には絶縁領域15a、15bの長さも加えるべきである。しかし、絶縁領域15a、15bは5〜10μmと極めて短く構成されているため、全共振器長に対する誤差の影響は少ない。そこで、式(1)中においては、絶縁領域15a、15bの長さは省略した。
式(1)によれば、縦モード波長シフト量Δλは、右辺第2項の係数による分だけブラッグ波長シフト量Δλより小さい。したがって、DBR制御電流17を増加し続ければ、いずれは縦モード波長λがブラッグ反射帯域から長波長側(波長の長い側)に外れてしまい、レーザ発振は、短波長側にある別の隣の縦モードに遷移する。すなわち、モード跳びが生ずる。よって、DBR制御電流17を増加し続ければ、連続な波長シフトと離散的なモード跳びとを繰り返しながら、発振波長は短波長側へシフトしてゆく。
図16は、従来技術にかかるDBR型波長可変光源のDBR制御電流と発振波長との関係を示す図である。連続的な波長シフトと、離散的なモード跳びを頻繁に繰り返している。発振波長の可変制御特性の全体は離散的なものとなり好ましくない。連続波長可変幅(連続波長シフト帯域幅)ΔλCONは、非特許文献3に従えば、以下の式で表わされる。
Figure 0004033887
上式(2)において、ΔλCONは連続波長可変幅、neffは実効屈折率を表している。波長可変レーザとしては、この連続波長可変幅ΔλCONの広いものが好ましい。
図17は、従来技術にかかるDBR型波長可変光源における、波長シフトを説明するスペクトル図である。上で説明した離散的なモード跳びにより、波長可変制御特性が離散的になってしまうのは、縦モード波長とブラッグ波長との間で、前述したDBR制御電流の注入量に対する波長変化に感度差があるからである。図17Aから図17Cに示すように、DBR制御電流を増加させていくことによって、ブラッグ波長の変化に対応しているストップバンドの変化は、縦モード波長の変化に対応している発振波長の変化に比べて、変化の感度が高い。ストップバンドは、より速く短波長側にシフトしてゆく。したがって、DBR制御電流増加により、ストップバンド(ブラッグ反射帯域)に対して、発振波長は相対的に長波長側に移動してゆく。図17Cの状態を超えて、さらにDBR制御電流を増加させれば、モード跳びが発生する。
このモード跳びを回避する方法としては、位相調整領域を付加して多電極構成で波長制御を行う方法がある(非特許文献1参照)。しかし、制御項目が増えるため、制御が簡単でなくなる。さらに、素子経時劣化時の各制御電流の変動を予想するのが難しく、実用上の問題となってしまう。一つの制御電流によって、簡単で広帯域な波長可変制御を実現するためには、前記式(2)からわかるように活性領域長Lを短縮することが最も効果的である。
図18は、活性領域長Lを短縮したDBR型波長可変光源の波長可変特性を示す特性図である。活性領域長Lを短縮することで、連続可変できる波長範囲を広帯域化し、図18で示すように広いモードホップフリー(連続波長可変)な帯域が得られる。非特許文献3に示された実験結果によれば、活性領域長Lを変化させてDBR型レーザを作製し、理論値通りの広帯域化が得られている。
次に、図12に示したような一般的な従来技術によるDBR型波長可変光源において、発振モードの初期位相、発振閾値電流およびキャリア密度の関係について補足説明をする。図12Aにおいて、活性領域光導波路12のキャリア密度は、活性領域電流16の増加に伴って急激に増加する。一旦レーザ発振が起こると、活性領域光導波路12のキャリア密度はクランプされる(ほぼ一定値に安定となる)。さらに活性領域電流16を増加させるとキャリア密度は非常にゆるやかに増加してゆく。発振モードの初期位相を決定する活性領域光導波路12の屈折率は、この領域のキャリア密度の増加に伴い減少するという関係がある。すなわち、発振閾値電流の値により初期位相が決定し、発振閾値電流が大きければ発振モードはその分だけ短波長側にシフトしていることになる。その後は活性領域電流16を増加させてもキャリア密度がクランプされているため、初期位相はほとんど変わらない。
DBR制御電流により波長可変制御を行った場合には、DBR制御電流17の注入に伴う反射率の減少から、活性領域電流16の発振閾値電流が増加する。連続波長可変幅の拡大のために活性領域光導波路12の長さを短縮しただけのDBR型レーザにおいては、活性領域光導波路12の利得が不足してしまう。この利得不足を補うため、活性領域光導波路12の前後にあるDBR領域14a、14bの長さをその実効長飽和値に達するまで十分長くして、高反射率とすることにより、レーザ発振が停止するのを防止していた。したがって、波長可変制御時において、発振閾値電流が増加することはあっても、発振閾値電流の変化率を制御することは出来なかった。
なお、上述したような従来技術を開示する公知文献として、次の非特許文献1から非特許文献3を挙げることができる。
半導体フォトニクス工学P.306〜311 監修:池上徹彦 コロナ社1995年1月10日発行 半導体レーザP.283〜288 応用物理学会編/伊賀健一 編著 オーム社 平成6年10月25日発行 波長可変半導体レーザの高性能化に関する研究(博士論文)P.39〜43、P.54〜59、P.65〜68 石井啓之 1999年3月
上述したような活性領域光導波路12の活性領域長Lの短縮による方法では、式(2)のΔλCONを大きく超えて連続波長シフトさせることはできず、3nm程度の連続波長シフトが限界である。6nm以上の連続波長シフト幅を実現しようとすれば、活性領域光導波路12の活性領域長Lを30μm程度まで短縮する必要がある。活性領域長Lを短縮したことにより生じる活性領域光導波路12の利得不足を補うため、高反射率が得られるようにDBR領域14を長くしなければならない。この結果、このような従来技術によるDBR型レーザは、低出力の光源となってしまう問題があった。それに加えて、活性領域光導波路12の活性領域長Lと利得、および発振モードの位相条件を予め厳密に決定しておかなければ、波長シフトを開始してすぐにモード跳びが発生してしまう問題があった。
図19は、活性領域長Lを短縮したDBR型波長可変光源において、初期位相条件が適切でない場合の波長可変特性を示す特性図である。図19に示すように、上述した各条件を適切に設計しないと、波長シフトを開始した後すぐにモード跳びが生じてしまい、実用上の問題となっていた。
本発明は、上に述べたような従来技術の問題点に鑑み、より広帯域幅で連続的に発振波長の可変制御、すなわち、連続波長シフトが可能な波長可変特性をもち、6nm以上の連続波長シフトが可能でありながら、従来技術に比べて高出力なDBR型波長可変光源を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の構成は、基板上に、クラッド層で囲まれた光導波路を備えるDBR型波長可変光源において、DBR制御電流により発振波長を可変制御が可能であって、実効長飽和値の95%以上の実効長に相当する長さの区間に回折格子を有する第1のDBR領域を含む第1の非活性領域光導波路と、前記DBR制御電流により発振波長を可変制御が可能であって、前記第1のDBR領域より短い長さの区間に回折格子を有する第2のDBR領域を含む第2の非活性領域光導波路と、前記第1の非活性領域光導波路および前記第2の非活性領域光導波路が両端に光学的に接続され、前記DBR制御電流とは独立に活性領域電流により発光状態を制御される活性領域光導波路とを備えることを特徴とする。
また、高出力を得るためには、前側の(第2の)DBR領域の回折格子の実効長はその実効長飽和値の75%以下となるように形成し、両DBR領域の端面には反射防止膜を施したものが好ましい。
さらに、発振波長シフト量とブラッグ波長シフト量の比が0.9以上1.1以下であることが好ましい。この比がこの範囲に入っていれば、完全モードホップフリー条件(発振波長シフト量とブラッグ波長シフト量の比が1)を満たさなくても、ほとんどの場合にモード跳びが生じないからである。
また、本発明の他の実施態様においては、基板上に、クラッド層で囲まれた光導波路を備えるDBR型波長可変光源において、DBR制御電流により発振波長を可変制御が可能であって、実効長飽和値の75%以下の実効長に相当する長さの区間に回折格子を有する第1のDBR領域を含む第1の非活性領域光導波路と、前記DBR制御電流により発振波長を制御が可能であって、実効長飽和値の75%以下の実効長に相当する長さの区間に回折格子を有する第2のDBR領域を含む第2の非活性領域光導波路と、前記第1の非活性領域光導波路および前記第2の非活性領域光導波路が両端に光学的に接続され、前記DBR制御電流とは独立に活性領域電流により発光状態を制御される活性領域光導波路と、前記第1の非活性領域光導波路の前記活性領域光導波路とは反対側の端面に配置された高反射膜と、前記第2の非活性領域光導波路の前記活性領域光導波路とは反対側の端面に配置された反射防止膜とを備えことを特徴とする。
さらに、本発明の別の実施態様においては、基板上に、クラッド層で囲まれた光導波路を備えるDBR型波長可変光源において、DBR制御電流により発振波長を可変制御が可能であって、実効長飽和値の75%以下の実効長に相当する長さの区間に回折格子を有するDBR領域を含む非活性領域光導波路と、前記非活性領域光導波路に光学的に接続され、前記DBR制御電流とは独立に活性領域電流により発光状態を制御される活性領域光導波路と、前記非活性領域光導波路の前記活性領域光導波路とは反対側の端面に配置された反射防止膜と、前記活性領域光導波路の前記非活性領域光導波路とは反対側の端面に配置された高反射膜とを備えることを特徴とする。すなわち、光源サイズをさらに小型化するには長い側の(第1の)DBR領域を高反射膜で置き換えたものが好ましい。
DBR領域の反射率を適切に決定すれば、発振閾値の増減率を最適化することができ、式(3)の関係を満足する光源が実現できる。
連続波長シフトの広帯域化と同時に光源出力も高くするためには、後側のDBR領域29は高反射率が得られるように十分に長くし、前側のDBR領域24の長さを短縮するのが好ましい。発振光の出射側のDBR領域が短ければ、光の透過率が向上するからである。前述のように反射率と実効長とは相関があるため、前側のDBR領域24の長さを実効長の増減に寄与する臨界長さ以下(図13において、実効長の増減に寄与する領域61a,61b)の範囲で増減させれば、発振波長シフト制御時の発振閾値電流の増加率ΔIthを制御でき、連続波長可変量(可変幅)を拡大することができる。
背景技術において述べたように、実効長はDBR領域の長さに依存する。DBR領域を十分に長くした場合(長さ1000μm)に一定値に飽和した実効長を、実効長飽和値として図15に示した。図15の表の中で示した回折格子結合定数κは、通常のDBR型レーザの作成方法(ウェットエッチング、ドライエッチング)で比較的容易に形成できる範囲である。この範囲において、DBR領域の実効長を実効長飽和値の75%以下となるようにすると、約50%(もしくはそれ以上)の透過率が得られ、より高い光出力が得られる。
本発明のDBR型波長可変光源によれば、発振波長シフト制御時の発振閾値電流の変化率を適切に制御することができる。さらに、従来の連続波長可変幅の理論値(式(2)のΔλCON)を超えてさらに広帯域な連続波長シフトが可能となり、加えて、より高いレーザ発振光の出力を得ることができる。
[図1A]本発明の実施例1に係るDBR型波長可変光源を示す断面図である。
[図1B]本発明の実施例1に係るDBR型波長可変光源のIB−IBの断面図である。
[図2A]本発明の実施例2に係るDBR型波長可変光源を示す図である。
[図2B]本発明の実施例2に係るDBR型波長可変光源のIIB−IIBの断面図である上面図である。
[図3A]本発明の実施の形態に係るDBR型波長可変光源の波長シフトにおけるスペクトルを説明する図である。
[図3B]本発明の実施の形態に係るDBR型波長可変光源の波長シフトにおけるスペクトルを説明する図である。
[図3C]本発明の実施の形態に係るDBR型波長可変光源の波長シフトにおけるスペクトルを説明する図である。
[図4]本発明の実施の形態に係るDBR型波長可変光源の波長可変特性を示す特性図である。
[図5]発振波長シフト量のブラッグ波長シフト量に対する比を示す特性図である。
[図6]本発明の実施例1に係るDBR型波長可変光源の波長可変特性を示す特性図である。
[図7]本発明の実施例1に係る発振波長と式(1)による理論値からのずれ量を示す特性図である。
[図8]本発明の実施例1に係るDBR型波長可変光源のI−L特性を示す特性図である。
[図9]本発明の実施例1に係るDBR型波長可変光源において、閾値電流変動によりもたらされる波長シフトと図7で示す値との比較を示す特性図である。
[図10A]本発明の実施例3に係るDBR型波長可変光源を示す断面図である。
[図10B]本発明の実施例3に係るDBR型波長可変光源のXB−XBの断面図である。
[図11]本発明の実施例4に係る集積化したDBR型波長可変光源アレイの構成図である。
[図12A]従来技術に係るDBR型波長可変光源の構成を示す断面図である。
[図12B]従来技術に係るDBR型波長可変光源のXIIB−XIIBの断面図である。
[図13]光の反射の様子を示す図である。
[図14]実効長のDBR領域の長さに対する依存性を示す特性図である。
[図15]実効長の飽和値を示す表である。
[図16]従来技術に係るDBR型波長可変光源の波長可変制御特性を示す特性図である。
[図17A]従来技術に係るDBR型波長可変光源の波長シフトにおけるスペクトルを説明する図である。
[図17B]従来技術に係るDBR型波長可変光源の波長シフトにおけるスペクトルを説明する図である。
[図17C]従来技術に係るDBR型波長可変光源の波長シフトにおけるスペクトルを説明する図である。
[図18]活性領域を短縮したDBR型波長可変光源の波長可変特性を示す特性図である。
[図19]活性領域を短縮したDBR型波長可変光源において、初期位相条件が適切でない場合の波長可変特性を示す特性図である。
以下に図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るDBR型波長可変光源の構造を説明するための図である。図1に示すように、基板21上には、電流注入や光励起等による発光機能を持っている活性領域光導波路22と、この活性領域光導波路22の両側にあり、電流注入や光励起などにより発振波長を制御できる非活性領域光導波路23a、23bが設けられている。非活性領域光導波路23a、23bのバンドギャップは、活性領域光導波路22のバンドギャップよりも大きい。これらの活性領域光導波路22および非活性領域光導波路23a、23bは、本発明のDBR型波長可変光源の光導波路を構成している。
また、後側の非活性領域光導波路23bは、DBR領域のDBR実効長が実効長飽和値の95%以上の長さに相当するような十分に長いDBR領域29と、絶縁領域25bを有している。したがって、このDBR領域29は、十分に高反射率である。一方、活性領域光導波路22を介して反対側にある前側の非活性領域光導波路23aは、DBR実効長が後側DBR領域29の長さよりも短い前側DBR領域24と、絶縁領域25aを有している。
前述のように、DBR型波長可変光源は、一定値の活性領域電流26で駆動している場合であっても、活性領域電流26の発振閾値電流が増加していれば活性領域光導波路22のキャリア密度も増加しており、このキャリア密度の増加に伴い屈折率が減少している。
活性領域光導波路22の屈折率の減少は、縦モード波長λを短波長側にシフトさせる効果がある。そこで、DBR制御電流27の注入に伴い決定されるブラッグ波長シフト量Δλと、DBR制御電流27の注入および発振閾値電流の増加により決定される縦モード波長シフト量Δλとを、一致させることができれば、ブラッグ波長λと縦モード波長λはリンクしながら一体的にシフトする。したがって、モード跳びの問題を解消することができる。これは、式(1)の右辺第2項の分子(Leff−f+Leff−r)が分母(L+Leff−f+Leff−r)と等しくなることを意味しており、この場合の縦モード波長シフト量Δλは以下の式(3)で示される。
Figure 0004033887
この式(3)の意味するところは、レーザ共振器を構成する活性領域光導波路22の屈折率と前側DBR領域24および後側DBR領域29の屈折率とが、等しく減少することである。そのため、DBR制御電流17の注入に伴ってDBR領域24の屈折率が減少し続ける限り、発振波長(縦モード波長)はモード跳びを起こさずに短波長側にシフトする。したがって、初期位相を考慮して厳密な設計を行わなくても、図19に示したような波長シフトを開始した後すぐにモード跳びが生ずる現象は起こらない。
これを実現するために、DBR領域の反射率を適切に決定することによって、発振閾値電流の増減率を最適化することができ、式(3)の関係を満足する光源が実現できる。連続波長シフト幅の広帯域化と同時に高い光出力を得るためには、後側のDBR領域29は高反射率を得るように十分に長くし、前側のDBR領域24の長さを短縮するのが好ましい。発振光の出射側のDBR領域の長さが短ければ、光の透過率が向上するからである。前述のように、反射率とDBR領域の実効長との間には相関があるため、前側のDBR領域24の長さを実効長の増減に寄与する臨界長さ以下(図13において、実効長の増減に寄与する領域61a、61b)の範囲で増減させれば、波長可変制御時の発振閾値電流の増加率ΔIthを自在に変更でき、連続波長シフト範囲を拡大することができる。
図3は、本発明の実施の形態に係るDBR型波長可変光源の波長シフト時におけるスペクトルを説明する図である。本発明を用いた場合には、図3Aから図3Cに示すようにDBR制御電流を増加させていくことによって、波長シフトを行っても、ブラッグ波長(ストップバンド)と発振波長が等しい量だけ短波長側へシフトしている。すなわち、ストップバンドに対して発振波長が相対的に移動することがない。この場合、図4で示すように完全にモード跳びが発生しない(モードホップフリー)の連続波長シフトが実現できる。
したがって、従来の連続波長可変幅を拡大したレーザ(活性領域の短いDBR型波長可変光源)と比べて活性領域光導波路22をより長くしても、モード跳びが起こらず、同等、もしくはそれ以上の連続波長シフト幅が得られる。また、前側のDBR領域24の長さの短縮に伴って透過率が向上し、高出力化が得られる。
図5は、発振波長シフト量とブラッグ波長シフト量の比と、前側のDBR領域の長さとの関係を示す特性図である。活性領域光導波路22の長さをパラメータとして、30μm、54.5μm、100μmと変化させている。活性領域光導波路22の両端に接する絶縁領域25a、25bをそれぞれ10μm、後側のDBR領域29の長さを400μmとし、回折格子結合定数κを100cm−1とした。図5横軸の前側DBR領域24の長さについては、30、50、80、100μmから400μmまで変化させている。また、この実験に用いたDBR型波長可変光源のDBR領域は、導波路損失が下記の式(4)で表されるものを用いた。
Figure 0004033887
この式(4)において、左辺は導波路の光閉じ込め効率を考慮した伝播光に対する導波路損失で、右辺ΔλBraggはブラッグ波長シフト量を示す。
図5より、前側DBR領域24の長さを短縮するにつれて、式(3)で示した条件に近づき、下記に説明するように連続波長シフト幅を広帯域化することがわかる。すなわち、活性領域光導波路22の長さを30μmとしたときは、前側DBR領域24の長さが200μm以上の範囲において、式(3)の条件が成立する理想的な波長可変特性を示した。しかし、活性領域光導波路22の長さを短縮し過ぎたため発振利得が不足し、発振波長を4nmシフトさせると発振が停止してしまう。
また、活性領域光導波路22の長さを100μmとしたときは、発振の停止は起こらないものの、発振波長シフト量とブラッグ波長シフト量の比の値が0.6〜0.7の範囲となり、理想的な条件(比が1)にすることができない。さらに、3nmの波長シフトを行ったところで、モード跳びが生じてしまう。
一方、活性領域光導波路22の長さを54.5μmとしたときは、広い波長帯域で連続波長シフトが可能である。そこで、活性領域光導波路22の長さを54.5μmとした場合において、連続波長シフト帯域が広くかつ比較的高出力が得られた素子(前側DBR領域24の長さが80μmの場合)の特性について、以下の実施例に基づいて、更に詳細に説明する。このとき、発振波長シフト量とブラッグ波長シフト量の比は、0.9である。
図1は、本発明の実施例1に係るDBR型波長可変光源の構成を示す図である。本実施例1においては、基板21としてInPを用い、発振波長1.55μmの光源を作製した場合について説明する。図1Aは、光導波路を含む基板21に垂直な面における断面図である。また、図1Bは、図1Aの断面表示IB−IBを含む基板21に平行な面における断面図(上面図)である。
バンドギャップ波長1.57μmのInGaAsPの活性領域光導波路22の両端(前後)に、バンドギャップ波長1.3μmのInGaAsPの非活性領域光導波路23a、23bを形成した。活性領域光導波路22の長さは54.5μmとし、その両端に接する絶縁領域25a、25bは10μm、前側DBR領域24および後側DBR領域29は、それぞれ長さを80μmと400μmとし、回折格子結合定数κは100cm−1とした。図15より、回折格子結合定数κは100cm−1のときの、実効長飽和値は、49.9μmである。一方、前側DBR領域24の長さ80μm時のDBR実効長は、図14に示した関係から37μmとなる。したがって、このとき、前側DBR領域24の実効長は、実効長飽和値の約75%の長さとなっている。
尚、絶縁領域25a、25bは、図1には示されていないが、電極28a、28b、28cにオーミック接触を取るための上クラッド層の上に形成したInGaAsP層の一部を除去して形成される領域である。電極28a、28b、28cを形成しない部分のInGaAsP層を除去することで、DBR制御電流27と活性領域電流26を分離する絶縁領域が25a、25b形成される。
前側DBR領域24は、長さを80μmとして発振波長シフト制御時に適切な閾値電流の変動を誘発させるように作製し、測定を行った。導波路幅は全て1.5μmとして、単一モード動作のDBR型波長可変光源とした。活性領域光導波路22の導波路幅は、非活性領域光導波路23a、23bよりも広くし、セルフイメージング効果を持たせた擬似シングルモード導波路等によって構成しても良い。
活性領域光導波路22と非活性領域光導波路23a、23bはバットジョイント法により光学的に接合し、素子構造は、通常のDBR型波長可変光源と同様に埋め込み構造とした。素子構造については、埋め込み構造に限らず、リッジ構造で作製しても同様の効果が得られる。また、両DBR領域の端面には、それぞれ反射防止膜20a、20bを施してある。
活性領域光導波路22と非活性領域光導波路23a、23bとはバンドギャップ波長の異なる半導体結晶で構成されている。活性領域光導波路22は電流注入や光励起等による発光機能を有する。前側DBR領域24および後側DBR領域29は、DBR制御電流27の注入による屈折率変化に伴う波長可変機能を有している。
図6は、本発明の実施例1に係るDBR型波長可変光源の波長可変特性を示す特性図である。発振波長のシフト量の実験値およびブラッグ波長のシフト量の実験値を示す。同時に、上記のブラッグ波長のシフト量の実験値を式(1)に代入して得られる、発振波長シフト量の計算値も示している。発振波長シフト量とブラッグ波長シフト量の比は0.9で、ほぼ完全なモード跳びのない(モードホップフリーな)連続波長シフトが可能となっている。DBR制御電流27を60mAまで注入することにより、6nmの連続波長シフト幅を実現している。図6において、横軸のDBR制御電流27が−9mAから始まっているのは、活性領域光導波路22からのリーク電流のためである。DBR制御電流27が−9mAの状態は、DBR領域のゼロバイアス(アース状態)に対応している。図6より、式(1)より予想される連続波長シフト(計算値)と比べて、実験値のほうがより大きい連続波長シフトを生じていることが分かる。
図7は、本発明の実施例1に係るDBR型波長可変光源において、発振波長の実験値と式(1)による理論値とのずれ量を説明する特性図である。縦軸には、発振波長の連続波長シフト量の実験値と式(1)を用いた発振波長の連続波長シフト量の理論計算値との差分を示す。横軸には、DBR制御電流を示している。図7より、DBR制御電流27を増加させていくにしたがって、従来技術の式(1)から予測される連続波長シフト量計算値と比較して、約2nm大きい連続波長シフト量を生じていることがわかる。
図8は、本発明の実施例1に係るDBR型波長可変光源のI−L特性を示す特性図である。本実施例1の効果を詳しく実証するため、活性領域電流26に対する光出力依存性(I−L特性)を、DBR制御電流27をアース状態から60mAまで変化させて測定を行った。活性領域電流26が、発振閾値電流に達するときに、本DBR型波長可変光源は発振を開始する。図8に示すように、DBR制御電流27を増加させることによって、発振閾値電流は7mAから20mAまで徐々に増加し、13mAの発振閾値電流の変動が誘発されていることを確認できる。また、発振波長シフト制御時においても、1mW以上、最大4.7mWの高い光出力が得られている。
図9は、本発明の実施例1に係るDBR型波長可変光源において、発振閾値電流の変動によりもたらされる発振波長シフト量と、図7で示した発振波長シフト量との比較を示す特性図である。上述の、発振閾値電流の変動による発振波長シフト量(DBR制御電流27をアースした時の閾値電流値は、DBR領域27へのリーク電流を考慮してある)のプロットと、図7に示したプロットを同一グラフ上に描いている。これより、両者は良好な一致を示した。
以上詳細に説明してきたように、本実施例1のDBR型波長可変光源は、従来技術のDBR型波長可変光源と比較して、より広い帯域に渡って、連続波長シフトが可能であることがわかる。従来技術における、モードホップフリーな連続波長シフト量(幅)の理論値を式(2)によって計算すると、4nm(DBR領域の屈折率変化に由来する発振波長変幅)となる。この理論値と比べた場合においても、実施例1のDBR型波長可変光源における連続波長シフト量の実験値は約2nm大きく、より広い連続波長シフト帯域を得ている。さらに、同時に、十分に高い光出力を得ることができた。
実施例2においては、実施例1のDBR型波長可変光源における後側非活性領域光導波路23bをなくして、高反射膜を配置した形態のDBR型波長可変光源を作製した。
図2は、実施例2にかかるDBR型波長可変光源の構造を示す図である。図2Aは、光導波路を含み基板31に垂直な面における断面図を示している。図2Bは、図2Aの断面表示IIB−IIBを含み基板31に平行な面における断面図(上面図)を示している。図2Aに示すように、活性領域光導波路32と非活性領域光導波路33を有しており、非活性領域光導波路33内にDBR領域34が形成されている点は、実施例1と同じ構成である。本実施例2においては、実施例1における長いDBR領域を持つ後側非活性領域導波路を配置せずに、反射率90%の高反射膜39に置き換えている点に特徴がある。非活性領域光導波路33の端面には、反射防止膜30が配置されている。活性領域光導波路32および非活性領域光導波路33の上方および側面には、上クラッド層9が形成されている。上クラッド層9の上には、電極38a、38bが形成され、それぞれの電極から、DBR制御電流37および活性領域電流36が注入される。活性領域光導波路32の長さは40μmとし、その他の構成および素子パラメータは実施例1と同じにして作製した。
実施例2のDBR型波長可変光源により、実施例1と同様に、6nmの連続波長シフト幅と、1mW以上の高い出力を得た。
図10は、実施例3にかかるDBR型波長可変光源の構造を示す図である。図10Aは、光導波路を含み基板41に垂直な面における断面図を示している。図10Bは、図10Aの断面表示XB−XBを含み基板41に平行な面における断面図(上面図)を示している。
本実施例3のDBR型波長可変光源は、実施例1と同様に、基板41上に、活性領域光導波路42と、この活性領域光導波路42の両側にある非活性領域光導波路43a、43bが設けられている。非活性領域光導波路43a、43bには、それぞれ、DBR領域44a、44bが形成されている。活性領域光導波路42および非活性光導波路43a、43bの上方および側面には、上クラッド層9が形成されている。さらに、上クラッド層9の上には、DBR制御電流47を注入する電極48a、48bと、活性領域電流46を注入する電極48cが形成されている。電極48a、48bと電極48cは、高抵抗の領域である絶縁領域25a、25bによって、電気的に絶縁されている。非活性領域導波路43aの端面には、反射防止膜40が配置され、一方、非活性領域光導波路43bの端面には高反射膜49が配置されている。
実施例3においては、両方の非活性領域光導波路43a、43bにおいて、それぞれのDBR領域の長さを、実効長飽和値よりも短い実効長に相当するような長さにしている点に特徴がある。すなわち、実施例1においては、一方の非活性領域光導波路において、DBR領域の長さは、実効長飽和値の95%以上の長さの実効長に相当する長さであり、他方の非活性領域光導波路は、これより短い長さであった。これに対して本実施例3においては、両方の非活性領域光導波路43a、43bにおいて、両方のDBR領域の長さを、実効長飽和値よりも短い実効長に相当する長さとなるようにしている点に特徴がある。そして、一方の非活性光導波路43bの端面には、高反射膜49を配置し、他方の非活性領域光導波路43aの端面には、反射防止膜40を配置する構成となっている。この反射防止膜40のある端面から、発振光を出力する。高反射膜49のある側の非活性領域光導波路43bにおいては、DBR実効長が実効値飽和長より短いため、反射率は十分ではない。しかし、高反射膜49を配置することにより、十分な反射率を得ることができる。
本実施例3のDBR型波長可変光源においては、高反射側のDBR領域の長さを80μm、として、両方のDBR領域の長さ、すなわち両方の非活性領域光導波路43a、43bの長さが等しい構成となっている。しかし、両方の非活性領域光導波路の長さが同一である場合に限定されないのは言うまでもない。(本実施例3は、偶然に、前後のDBR領域の長さが等しい)。その他の素子パラメータは、実施例1の場合と同じである。
この実施例3の構造により、DBR型波長可変光源の素子全体の小型化が可能である。この実施例3のDBR型波長可変光源により、実施例1と同様に6nmの連続波長シフト幅と、1mW以上の高い光出力を得た。
図11は、本発明の実施例4にかかる集積化したDBR型波長可変光源アレイの構成を示す上面図である。本DBR型波長可変光源アレイは、複数の上述した本発明にかかるDBR型波長可変光源50a、50b、50c、50d、50e、50fを一つの基板上に構成している。複数のDBR型波長可変光源はDBR−LDアレイ部51を構成する。それぞれのDBR型波長可変光源50a、50b、50c、50d、50e、50fの出力は、光合成器55によって合成されて、1ポート化する光合波部52を構成する。さらに、光合成部52の出力は、合成光出力レベルの調整を行う光増幅器部53に接続される。各DBR型波長可変光源50a、50b、50c、50d、50e、50fのDBR領域上には、DBR制御電流を注入する電極57a、57b、57c、57d、57e、57fが配置され、活性領域上には、活性領域電流を注入する電極56a、56b、56c、56d、56e、56fが配置されている。尚、本DBR型波長可変光源アレイは、左右対称の構成となっているが、これに限定されるものではない。
各DBR型波長可変光源50a、50b、50c、50d、50e、50fの各回折格子のピッチはそれぞれ異なっており、波長可変が可能な光の波長帯域は異なっている。すなわち、DBR領域の回折格子ピッチが異なる6個の光源からの出力を光合成器55によって合成し、1ポート出力化することで、全体でより広い帯域で波長可変が可能な広帯域波長可変DBR−LDアレイを作成した。本実施例4においては、光合波部52は、S字状にカーブした光導波路と多モード干渉型カプラ(Multi−mode interference coupler:MMIカプラ)により構成した。カプラ部分は光が1ポートに集約できるものであれば、MMIカプラに限らない。出力端58には光出力の調整用に光増幅器部53を備えている。光増幅器の出力端58の端面とDBR−LDアレイ51の端面には反射防止膜を施した。
集積された各々のレーザは6nmの連続波長可変が可能で、全体で計36nm(6個×6nm=36nm:1530−1566nm)の連続波長可変幅が実現できた、また、同時に10mW以上の光出力が実現できた。本実施例4における、各DBR型波長可変光源50a、50b、50c、50d、50e、50fは、実施例1のDBR型波長可変光源に限られず、実施例2、実施例3の形態を使用することも可能である。

Claims (8)

  1. 基板上に、クラッド層で囲まれた光導波路を備えるDBR型波長可変光源において、
    DBR制御電流により発振波長の可変制御が可能であって、実効長飽和値の95%以上の実効長に相当する長さの区間に回折格子を有する第1のDBR領域を含む第1の非活性領域光導波路と、
    前記DBR制御電流により発振波長可変制御が可能であって、実効長飽和値の75%以下の実効長に相当する長さの区間に回折格子を有する第2のDBR領域を含む第2の非活性領域光導波路であって、前記第2のDBR領域の長さは前記実効長が直線的に変化する範囲にあることと
    前記第1の非活性領域光導波路および前記第2の非活性領域光導波路が両端に光学的に接続され、前記DBR制御電流とは独立に活性領域電流により発光状態を制御される活性領域光導波路と
    を備えたことを特徴とするDBR型波長可変光源。
  2. 基板上に、クラッド層で囲まれた光導波路を備えるDBR型波長可変光源において、
    DBR制御電流により発振波長の可変制御が可能であって、実効長飽和値の75%以下の実効長に相当する長さの区間に回折格子を有する第1のDBR領域を含む第1の非活性領域光導波路であって、前記第1のDBR領域の長さは前記実効長が直線的に変化する範囲にあることと、
    前記DBR制御電流により発振波長の可変制御が可能であって、実効長飽和値の75%以下の実効長に相当する長さの区間に回折格子を有する第2のDBR領域を含む第2の非活性領域光導波路であって、前記第2のDBR領域の長さは前記実効長が直線的に変化する範囲にあることと、
    前記第1の非活性領域光導波路および前記第2の非活性領域光導波路が両端に光学的に接続され、前記DBR制御電流とは独立に活性領域電流により発光状態を制御される活性領域光導波路と、
    前記第1の非活性領域光導波路の前記活性領域光導波路とは反対側の端面に配置された高反射膜と、
    前記第2の非活性領域光導波路の前記活性領域光導波路とは反対側の端面に配置された反射防止膜と
    を備えたことを特徴とするDBR型波長可変光源。
  3. 基板上に、クラッド層で囲まれた光導波路を備えるDBR型波長可変光源において、
    DBR制御電流により発振波長の可変制御が可能であって、実効長飽和値の75%以下の実効長に相当する長さの区間に回折格子を有するDBR領域を含む非活性領域光導波路であって、前記第DBR領域の長さは前記実効長が直線的に変化する範囲にあることと、
    前記非活性領域光導波路に光学的に接続され、前記DBR制御電流とは独立に活性領域電流により発光状態を制御される活性領域光導波路と、
    前記非活性領域光導波路の前記活性領域光導波路とは反対側の端面に配置された反射防止膜と、
    前記活性領域光導波路の前記非活性領域光導波路とは反対側の端面に配置された高反射膜と
    を備えたことを特徴とするDBR型波長可変光源。
  4. 発振波長とブラッグ発振波長とがリンクしながら一体的にシフトすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のDBR型波長可変光源。
  5. 発振波長シフト量とブラッグ波長シフト量の比が0.9 以上1.0以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のDBR型波長可変光源。
  6. 前記各非活性導波路は、前記各DBR領域のいずれかと前記活性領域光導波路との間に、それぞれ絶縁領域を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のDBR型波長可変光源。
  7. 前記活性領域光導波路の長さが30μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のDBR型波長可変光源。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載される複数のDBR型波長可変光源であって、前記複数のDBR型波長可変光源の各々の回折格子の周期が異なることと、
    前記複数の複数のDBR型波長可変光源からの各々の出力光を1ポートにまとめて合成光を出力させるための光結合器と、
    前記合成光の出力を調整する光半導体増幅器と
    を備えることを特徴とする集積化DBR型波長可変光源。
JP2006516885A 2004-03-23 2005-03-23 Dbr型波長可変光源 Active JP4033887B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004083998 2004-03-23
JP2004083998 2004-03-23
PCT/JP2005/005246 WO2005091452A1 (ja) 2004-03-23 2005-03-23 Dbr型波長可変光源

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005091452A1 JPWO2005091452A1 (ja) 2007-08-09
JP4033887B2 true JP4033887B2 (ja) 2008-01-16

Family

ID=34994021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006516885A Active JP4033887B2 (ja) 2004-03-23 2005-03-23 Dbr型波長可変光源

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20070041415A1 (ja)
EP (1) EP1729381A4 (ja)
JP (1) JP4033887B2 (ja)
CN (1) CN1774845B (ja)
WO (1) WO2005091452A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2009116140A1 (ja) 2008-03-18 2011-07-21 富士通株式会社 光半導体素子及びその製造方法
US9209601B2 (en) 2011-08-26 2015-12-08 Oclaro Technology Ltd Monolithically integrated tunable semiconductor laser
GB2493988B (en) 2011-08-26 2016-01-13 Oclaro Technology Ltd Monolithically integrated tunable semiconductor laser
JP2014170903A (ja) * 2013-03-05 2014-09-18 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 波長安定化装置を内蔵した波長可変分布ブラッグ反射(dbr)型半導体光デバイス
US9048618B2 (en) * 2013-03-12 2015-06-02 Finisar Corporation Short gain cavity distributed bragg reflector laser
JP6962515B2 (ja) * 2017-09-07 2021-11-05 住友電工デバイス・イノベーション株式会社 半導体レーザ素子の製造方法
JP2017028231A (ja) * 2015-07-28 2017-02-02 日本電信電話株式会社 波長可変半導体レーザ
CN106981819B (zh) * 2016-01-15 2019-05-28 华为技术有限公司 一种可调激光器及其控制方法
JP6730868B2 (ja) * 2016-07-15 2020-07-29 日本電信電話株式会社 波長可変半導体レーザ
CN107623250B (zh) * 2017-09-30 2020-11-24 武汉华工正源光子技术有限公司 一种短腔长面发射激光器及其制造方法
TWI814190B (zh) * 2021-12-24 2023-09-01 國立中央大學 頻率調變連續波光學雷達裝置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4993036A (en) * 1988-09-28 1991-02-12 Canon Kabushiki Kaisha Semiconductor laser array including lasers with reflecting means having different wavelength selection properties
US4905253A (en) * 1989-01-27 1990-02-27 American Telephone And Telegraph Company Distributed Bragg reflector laser for frequency modulated communication systems
JP2739596B2 (ja) * 1989-07-12 1998-04-15 日本電信電話株式会社 分布反射型半導体レーザ
JPH0555689A (ja) * 1991-08-23 1993-03-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 波長制御機能付分布反射型半導体レーザ
US6330388B1 (en) * 1999-01-27 2001-12-11 Northstar Photonics, Inc. Method and apparatus for waveguide optics and devices
EP1283573A3 (en) * 2001-07-27 2005-02-09 The Furukawa Electric Co., Ltd. A distributed bragg reflector semiconductor laser
US6638773B1 (en) * 2002-05-31 2003-10-28 Applied Optoelectronics, Inc. Method for fabricating single-mode DBR laser with improved yield
JP4074534B2 (ja) * 2003-03-06 2008-04-09 日本電信電話株式会社 半導体レーザ
CN1272885C (zh) * 2003-05-01 2006-08-30 清华大学 分布反馈半导体激光器与电吸收调制器集成光源及制法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1729381A1 (en) 2006-12-06
CN1774845B (zh) 2010-10-06
JPWO2005091452A1 (ja) 2007-08-09
US20070041415A1 (en) 2007-02-22
EP1729381A4 (en) 2009-08-05
CN1774845A (zh) 2006-05-17
WO2005091452A1 (ja) 2005-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4033887B2 (ja) Dbr型波長可変光源
US7366220B2 (en) Tunable laser
US6590924B2 (en) Mirror and cavity designs for sampled grating distributed bragg reflector lasers
US20090092159A1 (en) Semiconductor light-emitting device with tunable emission wavelength
JP2009059729A (ja) 半導体発光素子
US6690688B2 (en) Variable wavelength semiconductor laser and optical module
JP3682367B2 (ja) 分布帰還型半導体レーザ
US6687267B2 (en) Widely tunable laser
JP6186864B2 (ja) 半導体レーザ
JP4469759B2 (ja) 波長可変レーザ
JP2003289169A (ja) 半導体レーザ装置
JP2008103466A (ja) 半導体レーザ
EP1094574A1 (en) Widely wavelength tunable integrated semiconductor device and method for widely wavelenght tuning semiconductor devices
JP2011086714A (ja) 波長可変レーザ
JP5648391B2 (ja) 半導体光装置
JP4594816B2 (ja) 波長可変レーザ
JP4033822B2 (ja) Dbr型波長可変光源
JP5058087B2 (ja) 波長可変半導体レーザ
JP4074534B2 (ja) 半導体レーザ
JPS63186A (ja) 半導体レ−ザ
JP5834910B2 (ja) 半導体レーザ及びその製造方法
JP2000223774A (ja) 波長可変光源
JP2008085214A (ja) 波長可変レーザ
JP5681082B2 (ja) 波長可変半導体レーザ
WO2016152730A1 (ja) 外部共振器型発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071016

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071023

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4033887

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131102

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250