JP4033822B2 - Dbr型波長可変光源 - Google Patents

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Description

本発明はDBR型波長可変光源に関し、より詳細には、連続波長可変幅が広く素子の経時的劣化に伴う発振波長の変化に容易に対応可能で、波長シフト時の出力安定性に優れるDBR型波長可変光源に関する。
DBR型レーザは通信用の波長可変光源として用いられており、その発振メカニズムや波長可変メカニズムについては既に報告がなされている(例えば、非特許文献1参照。)。
図8は、従来のDBR型波長可変光源の基本構造を説明するための図で、図8(a)は断面図、図8(b)は上面図である。この光源は、基板81上に設けられた活性領域82の両端に位置する非活性領域83の双方もしくは一方に、絶縁領域85を介してDBR領域(分布反射器)84を有しており、その発振波長は、共振器長により決まる縦モード波長のうちDBR領域84のブラッグ波長に対応する縦モード波長のみが選択されることで決定される。
また、この光源では、活性領域82に注入される活性領域電流86に加え、電極88を介してDBR領域84に注入されるDBR制御電流87が制御される構成となっており、このDBR制御電流87がDBR領域84ヘ注入されることで生じる屈折率変化に伴い、縦モード波長とブラッグ波長とを共に短波長側にシフトすることが可能である。
ただし、DBR領域84へのDBR制御電流87の注入に対する感度は、縦モード波長よりもブラッグ波長の方が敏感で、より短波長側にシフトする。したがって、DBR領域84へのDBR制御電流87の注入に対して、最初は連続的に発振波長が短波長ヘとシフトするが、縦モード波長の変化がブラッグ波長の変化に追従できなくなると、図9に示すように、隣の縦モードに発振が飛ぶ現象が生じる。これを「モードホップ」といい、DBRレーザ等のDBR型波長可変光源には原理的に発振不可能な波長帯が存在することとなる。
一方、連続的な波長変化が可能な波長帯は、図10(a)に示すように、「連続波長可変幅」と呼ばれ、光源としては、連続波長可変幅の広いものが要求される。一般に、DBRレーザの連続波長可変幅の拡大のためには、以下のような2つの方法がある。
第1の方法は、レーザ共振器長の中で、活性領域長を相対的に短縮することである。図8に示したDBRレーザの実効共振器長は活性領域長LとDBR実効長Leffの和で表される。ここで、Leffは非特許文献1の定義に従った。レーザ共振器の中で、波長可変のための屈折率変化を目的として電流注入が可能な領域はDBR領域84のみであるから、屈折率変化が生じる領域長はDBR実効長Leffである。これに対して、活性領域長Lは波長シフトに寄与しない領域である。レーザ共振器長のうち、波長シフトに寄与する領域を長くする(具体的には、活性領域長Lを短くするかDBR実効長Leffを長くする)ことで、縦モード波長のDBR制御電流87に対する感度がブラッグ波長の感度に近づき、連続波長可変幅が拡大できる。
また、DBRレーザにおける連続波長可変幅は、次式により決定される。
Figure 0004033822
この式(1)において、左辺のΔλconは連続波長可変幅、右辺のλは波長、neffは実効屈折率である。式(1)から分るように、連続波長可変幅Δλconの広帯域化のためには、活性領域長Lを短縮することが最も効果的である。
また、上記の連続波長可変幅Δλcon拡大の効果に加えて、発振波長のDBR制御電流87に対する感度も向上する効果により、DBR制御電流87の注入電流密度を低く抑えることができ、電流注入に伴う本来の波長シフトを相殺する方向で作用する発熱が低く抑えられるため、連続波長可変幅全域の波長シフトが可能となる。
図10(b)は、連続波長可変幅の活性領域長依存性を説明するための図で、この依存性は、前側のDBR長が200μm、後側のDBR長が400μm、回折格子結合定数が共に120cm‐1の場合のものである。この依存性によれば、通常の300μm程度の活性領域長をもつDBRレーザの連続波長可変幅は0.5nmと狭いが、活性領域長を短縮化して30μmとした場合には、理論的には10nm以上の連続波長可変幅が得られることとなる。すなわち、活性領域長を1/10とすると20倍の連続波長可変幅が得られることとなる。この場合は、最初にモードホップが生じるまでが使用帯域となり、第1の連続波長可変幅を帯域とする。
連続波長可変幅を拡大するための第2の方法として、図11に示すように、基板111上に設けた活性領域112とDBR領域114の間に位相調整領域113を設け、電極118を介して注入される活性領域電流116およびDBR制御電流117に加えて、さらに位相調整電流115により伝播光の位相を調整することでモードホップを回避する方法がある。この方法は、伝播光の位相調整を行うため、厳密には連続波長可変幅の拡大ではないが、擬似的に広帯域の連続波長シフトが可能である。
Kotaki他、「IEE‐Proceedings‐J‐(Optoelectronics),April 1991;vol.138,no.2;p.171−177
しかしながら、上述した第1および第2の方法には以下のような問題がある。
先ず、第1の方法においては、活性領域を短縮化するため単位長さ当たりの利得を向上させることが求められることに加え、波長シフト時(すなわちDBR制御電流注入時)はDBR領域の導波路増大に伴い実効的な反射率が低下して閾値利得が1〜2桁上昇し、さらに、光出力も低下してしまうという問題が生じる。すなわち、波長シフト時に利得不足によって途中で発振が停止してしまうか、仮に発振しても利得飽和により低出力となって実用化そのものが困難となってしまう。
また、第2の方法では、波長制御項目はDBR制御電流と位相調整電流の2つとなり、それらを同時にかつ複雑に制御する必要があるが、実際の使用時にはDBR制御電流と位相調整電流に対する波長マップをもとに波長制御を行わなくてはならず制御が困難であるという問題がある。さらに、素子の劣化により、DBR制御電流および位相調整電流の電流注入条件の変化を予想することが容易ではなく実用上の信頼性を低下させてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、連続波長可変幅が広く素子の経時的劣化に伴う発振波長の変化に容易に対応可能で、波長シフト時の出力安定性に優れるDBR型波長可変光源を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、第1の発明は、基板上に、クラッド層で囲まれた光導波路を備えるDBR型波長可変光源であって、前記光導波路は、発光機能を有する活性領域を含む活性導波路と、前記活性領域よりも大きいバンドギャップを持ち、前記活性導波路の両端の各々において前記活性導波路に光学的に結合するように連設された非活性領域を含む非活性導波路とを備え、前記非活性導波路の各々は、前記活性領域の前記両端との2つの接合部近傍を除いて単一モード導波路として構成され、絶縁領域を介して前記活性領域に光学的に接続された波長可変機能を有するDBR領域を含み、前記絶縁領域は、前記接合部を覆い、活性領域電流とDBR制御電流との相互リークを防止し、前記活性領域ならびに前記2つの接合部近傍の非活性領域上において、導波路幅が前記単一モード導波路の導波路幅よりも広く、導波路断面の縦横比がセルフイメージング効果を有するように設定された多モード干渉型導波路が構成されており、前記多モード干渉型導波路の再集光点で前記単一モード導波路が接続されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、基板上に、クラッド層で囲まれた光導波路を備えるDBR型波長可変光源であって、前記光導波路は、発光機能を有する活性領域を含み、前記活性領域の一端の劈開端面に高反射膜を有する活性導波路と、前記活性領域よりも大きいバンドギャップを持ち、前記活性導波路の他端において前記活性導波路に光学的に結合するように連設された非活性領域を含む非活性導波路とを備え、前記非活性導波路は、前記活性領域の前記他端の接合部近傍を除いて単一モード導波路として構成され、絶縁領域を介して前記活性領域に光学的に接続された波長可変機能を有するDBR領域を含み、前記絶縁領域は、前記接合部を覆い、活性領域電流とDBR制御電流との相互リークを防止し、前記活性領域ならびに前記接合部近傍の非活性領域上において、導波路幅が前記単一モード導波路の導波路幅よりも広く、導波路断面の縦横比がセルフイメージング効果を有するように設定された多モード干渉型導波路が構成されており、前記多モード干渉型導波路の再集光点で前記単一モード導波路が接続されていることを特徴とする。
好ましくは、前記多モード干渉型導波路が、前記活性導波路と当該活性導波路に接する絶縁領域の一部とにより構成される。
さらに、好ましくは、前記多モード干渉型導波路の長さが、前記DBR領域への制御電流の非注入時の当該DBR領域におけるブラッグ波長に対する多モード干渉型導波路のフォーカス長と、波長シフト量が最大時の当該DRR領域におけるブラッグ波長に対する多モード干渉型導波路のフォーカス長との間にあることとしたり、あるいは、前記多モード干渉型導波路の幅が、前記DBR領域への制御電流の非注入時の当該DBR領域におけるブラッグ波長に対してフォーカス条件を満足する多モード干渉型導波路の幅と、波長シフト量が最大時の当該DBR領域におけるブラッグ波長に対してフォーカス条件を満足する多モード干渉型導波路の幅との間にあることとすることができる
本発明のDBR型波長可変光源によれば、連続波長可変幅が広く素子の経時的劣化に伴う発振波長の変化に容易に対応可能で、波長シフト時の出力安定性に優れるDBR型波長可変光源を提供することが可能となる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のDBR型波長可変光源の構成例を説明するための図で、基板11上には、電流注入や光励起等による発光機能を有する活性領域12およびバンドギャップが活性領域12のそれよりも大きな非活性領域13が設けられており、これらの領域(12、13)には、各々、活性導波路と非活性導波路とが設けられて光導波路を構成している。また、非活性領域13は、DBR領域14と絶縁領域15とを有している。ここで、活性領域12の導波路(活性導波路)幅はDBR領域14の導波路(非活性導波路)幅よりも広く設定されている。
この活性領域12の導波路とそれに接する絶縁領域15の一部は、セルフイメージング効果を有するように幅と長さ(縦横比)が設定された多モード干渉型導波路構造とされ、その余の非活性領域13は単一モード導波路として構成されている。
この単一モード導波路は、セルフイメージング効果を有する多モード干渉型導波路の再集光点に配置され、DBR領域14と活性領域12とは絶縁領域15を介して光学的に接合されている。このDBR領域14は、活性領域12よりバンドギャップの大きな半導体結晶で形成され、電流注入による屈折率変化による波長可変機能を有している。
なお、図示はしないが、これら活性領域12と非活性領域13の導波路の上下は、導波路よりも相対的にバンドギャップが大きなクラッド層で囲まれている。また、活性領域12を含む多モード干渉型導波路部には回折格子が設けられていない一方、非活性領域13の少なくとも一部に回折格子が形成されている。さらに、非活性領域13の少なくとも一部に電流注入を可能とする構成とされている。
DBR型波長可変光源をこのように構成することにより、利得が向上する効果(効果1)と飽和利得が向上する効果(効果2)とが得られる。
先ず、効果1について説明する。この効果は、光閉込効率が向上することにより実効的な利得が向上することによる効果である。ここでは、光閉込効率の向上による実効利得の向上効果を、ファブリペローレーザの発振条件式を例として説明する。
ファブリペローレーザの発振条件は次式で与えられ、
Figure 0004033822
この式において、Rは反射率、Γは閉じ込め係数、gは利得、αは損失、Lはレーザの共振器長である。ファブリペローレーザは、式(2)の左辺が1以上の条件でレーザ発振する。DBRレーザにおける発振条件は、反射率と損失の項が複雑となるが、基本的にはファブリペローレーザと同様と考えてよい。左辺の(g−α)は、利得gから損失αを差し引いた「実利得」であり、活性領域の結晶により決定されるパラメータであり、基本的に不変である。
一方、Γ(g−α)は「実効利得」であり、実際のレーザ発振時にはこの実効利得がレーザの特性を決定する。ここで重要なことは、閉じ込め係数Γは活性領域の構造パラメータであり、活性領域体積の増加に伴って大きな値をとるようになるという点である。本発明のDBR型波長可変光源においては、活性領域の導波路幅を拡大して活性領域体積を増大させることで閉じ込め効率Γを高くしている。その結果、閉じ込め係数Γと実利得(g−α)の積である実効利得Γ(g−α)が向上することとなる。
次に、効果2について説明する。本発明のDBR型波長可変光源が備える非活性領域を伝播した単一モード光は、幅広の活性領域に入射すると多モードに展開されて増幅を受ける。すなわち、伝播光が活性領域の全体に分散し、単位面積当たりの光強度が低い状態で増幅を受けるため飽和利得が向上し、その結果、高出力化する。
本発明のDBR波長可変光源においては、上述した2つの効果(効果1と効果2)により、活性領域が高利得化・高出力化する。なお、活性領域を含む多モード干渉型導波路の幅と長さの比(縦横比)は適切に選択することが必要で、縦横比を最適化することで、セルフイメージング効果により、展開した多モード光を単一モード光に再集光させることが可能である。セルフイメージング効果を有する多モード干渉型導波路の再集光点に単一モードの非活性領域を配置すれば、活性領域は全体として擬似的に単一モード導波路とみなせるため、単一モードDBRレーザが実現できる(以下では、セルフイメージング効果を有する多モード干渉型導波路を「MMI導波路」、その導波路構造を「MMI構造」と表記する)。
図1に示した構成例は、MMI構造の一部が活性領域となっており、活性領域を線(単一モード導波路)から面(多モード導波路)に展開することで高利得化と高出力化を可能とし、広帯域の連続波長チューニングを実現している。なお、活性領域と非活性領域の接合部の構成には種々のバリエーションがあり得る。例えば、図2のようにMMI構造と活性領域とが一致するようにした構成や、図3のように活性領域の一部がMMI構造となる構成としても同様の効果が得られる。また、これまでの説明では、MMI導波路は長方形構造としたが、長方形に限らず曲線や多角形によっても構成が可能である。さらに、本発明で得られる効果は、活性領域と非活性領域の接合部の接合方法(例えば、バットジョイント法や選択成長法など)によって制限されることはなく、また、接合部の形状も光の伝播方向に対し垂直な直線に限らず斜め直線や曲線であってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明のDBR型波長可変光源について更に詳細に説明する。
本実施例では、図1に示した構成のDBR波長可変光源を、基板11としてInPを用い、発振波長1.55μmの光源を作製した場合について説明する。
バンドギャップ波長1.55μmのInGaAsPの活性領域12の両端(前後)に、バンドギャップ波長1.3μmのInGaAsPの非活性領域13を形成した。活性領域12を長さ30μmの多モード導波路とし、その両端に接する絶縁領域15のうち活性領域12に接する側の長さ2.5μmの部分を多モード導波路としてMMI構造とした。また、絶縁領域15の残りの部分(長さ2.5μm)とDBR領域14は単一モード導波路とした。両端のDBR領域14は、長さをそれぞれ200μmと400μmとし、回折格子結合定数を120cm−1とした。ここで、両DBR領域の実効長の総和は80μmであり、MMI導波路の長さに比較して充分に大きい。
導波路幅に関しては、MMI導波路(多モード導波路)と単一モード導波路の幅を、それぞれ、3.5μmと1μmとして、単一モード動作のDBRレーザとした。活性領域12と非活性領域13はバットジョイント法により光学的に接合し、素子の構造は、通常のDBRレーザと同様に埋め込み構造とした。
活性領域12とDBR領域14はバンドギャップ波長の異なる半導体結晶で構成され、活性領域12は電流注入や光励起等による発光機能、DBR領域14は電流注入による屈折率変化による波長可変機能を有しており、7nmの波長可変帯域が得られた。また、活性領域12の体積増加に伴って飽和利得が向上するために高出力化が実現できた。
なお、MMI導波路と単一モード導波路の接合点付近では、それ以外のMMI導波路内の場所に比べて光子密度が高くなるため、図2や図3に示した構造を採用した場合にはMMI導波路と単一モード導波路の接合点付近のキャリア密度が顕著に低下する(ホールバーニング効果)ために、実際の駆動条件を踏まえた設計が必要となるが、本実施例においては図1の構造を採用しており、MMI導波路と単一モード導波路の接合点周辺には電流注入を行わないので、駆動条件を考慮しなくとも、MMI導波路と単一モード導波路との結合効率が最大となる設計値からのずれを小さくすることが可能となる。
また、MMI導波路と単一モード導波路の接合点付近は矩形形状であるため作製時に結晶欠陥が生じることがあり、ここに電流注入を行うと結晶欠陥を通じて電流リークが発生し、素子劣化が起こり得る。しかしながら、本実施例では、MMI導波路と単一モード導波路の接合点周辺を絶縁領域としており電流注入が行われないため、例え結晶欠陥が存在していたとしても電流リークは発生せず、良好な素子信頼性が得られる。
このようにして得られた本実施例のDBRレーザでは、横方向のモードに対してはマルチモードであるが、セルフイメージング効果により単一モードに集光するため、縦方向(高さ方向)に対する単一モード条件のみを考慮すればよく、活性領域12における活性導波路の膜厚は最大0.5μmまで厚膜化でき、実効利得Γ(g−α)は830cm−1となる。これにより、活性領域12の長さを50μm以下に短縮でき、6nmの以上の波長可変幅をもつDBRレーザができる。なお、MMI導波路の長さと幅は、図4に示した関係に基づいて決定される。
これに対して、従来型の光源では、活性領域と非活性領域の導波路幅はおよそ1μmで共通であり、単一モード動作のためには活性領域の結晶膜厚は0.2μm以下に制限され、実効利得Γ(g−α)は340cm‐1が限界である。
ここで、導波路における伝播モードの次数について簡単に補足しておくと、導波路における伝播モードは、導波路幅と導波路の膜厚により決定され、例えば、前述の従来型のDBRレーザにおいて導波路幅1μm、膜厚0.2μmの活性領域は、横方向(幅方向)、高さ方向(積層方向)に対し単一モード導波路である。この場合、導波路幅を拡大し1.2μmとすると、導波路膜厚を0.15μmに薄膜化させなければ、横方向の単一モードが維持できない。逆に、膜厚を0.25μmに厚膜化すると、導波路幅は0.8μmに細線化しなければ横方向単一モードが維持できない。すなわち、導波路幅と膜厚とはトレードオフ関係にある。このため、活性領域長は最低でも80μm以上が必要で、3nmの波長シフトが限界だった。従来型ではそれ以上の連続波長シフトを得ようとして活性領域長を短縮化しても、波長シフト時に利得不足により発振が停止してしまうこととなる。
ここで、絶縁領域15について補足説明すると、この絶縁領域15は活性領域12とDBR領域14との間で、活性領域電流とDBR制御電流の相互のリークを防止する効果を奏する。したがって、絶縁領域15を設けることで、活性領域電流とDBR制御電流を各々独立に制御することが可能となり、容易な波長制御が実現できる。
なお、本実施例においてはウェットケミカルエッチングによりクラッド層の表面に溝を形成して活性領域12とDBR領域14との間で300オームの高い絶縁抵抗を得たが、ドライエッチングなどの他の手法による溝加工を行ったり、イオンインプランテーションなどにより高絶縁化することによっても同様の効果を得ることが可能である。
本実施例のDBR型波長可変光源は、実施例1で示した構成とほぼ同様であるが、図5(a)に示すように、MMI構造の中心を対称軸として折り返した構造のDBRレーザである。実際の素子作製に際しては、実施例1で示したDBRレーザをMMI構造の中心16で切断し、その切断面に、図5(b)のように高反射膜17を備えるようにすることにより得られる。これにより、長さが半減し、実施例1のDBRレーザが小型化できる。
なお、図5に示した構成における活性領域12と非活性領域13の接合部は、図1に示したのと同様の構成としたが、図2または図3に示した接合部の構成としても同様に小型化が可能であることは言うまでもない。
本実施例のDBR型波長可変光源の構成は実施例1で説明した構成とほぼ同様であるが、MMI導波路の長さが、DBR制御電流の非注入時におけるブラッグ波長に対するフォーカス長よりも長く設定されている。ここで、フォーカス長とは、MMI導波路と単一モード導波路の結合効率が最大となる伝播長を意味する。
図6は、本実施例における、波長シフト前と最大波長シフト時における単一モード導波路とMMI導波路との結合効率の伝播長依存性を説明するための図である。この図中には、MMI導波路のフォーカス長と、MMI導波路の長さ、および、結合効率の変化分を示している。一方、図7は、MMI導波路の長さを波長シフト前のフォーカス長に一致させた場合の、単一モード導波路とMMI導波路との結合効率の伝播長依存性を説明するための図である。フォーカス長は波長シフトに伴って長くなるが、図6に示したように、MMI導波路の長さを波長シフト前のフォーカス長よりも長くすることにより、結合効率の低下が低減され結合損失を低減させ得る。これにより、実施例1のDBR型波長可変光源と同様の連続波長可変幅を実現すると同時に波長シフト時の出力が安定化される。なお、MMI導波路の長さを最大波長シフト時のフォーカス長以下とすることが好ましい。これは、この上限を越えると、波長シフト前の結合効率の低下が大きくなるからである。
また、フォーカス長とMMI導波路の幅は、図4に示すような相関をもつため、DBR制御電流の非注入時のブラッグ波長に対するフォーカス条件を備えるMMI導波路に比較して、MMI導波路の幅を狭くすることによっても同様の効果が得られることは明らかである。なお、MMI導波路の長さと同様に、その幅も、最大波長シフト時のフォーカス条件を満足するMMI導波路の幅よりも広くすることが好ましい。これは、この下限よりも狭い幅とすると、波長シフト前の結合効率の低下が大きくなるからである。
さらに、本実施例の構成において、図5に示した実施例2の構造により小型化を図った場合においても、本実施例のDBR型波長可変光源が奏する効果が失われるものではないことはいうまでもない。
本発明のDBR型波長可変光源の第1の構成例を説明するための図である。 本発明のDBR型波長可変光源の第2の構成例を説明するための図である。 本発明のDBR型波長可変光源の第3の構成例を説明するための図である。 MMI構造の導波路の長さと幅との関係を説明するための図である。 MMI構造の中心を対称軸として折り返した構造の本発明のDBR型波長可変光源を説明するための図である。 実施例3における、波長シフト前と最大波長シフト時における単一モード導波路とMMI導波路との結合効率の伝播長依存性を説明するための図である。 MMI導波路の長さを波長シフト前のフォーカス長に一致させた場合の、単一モード導波路とMMI導波路との結合効率の伝播長依存性を説明するための図である。 従来のDBR型波長可変光源の基本構造を説明するための図で、(a)は断面図、(b)は上面図である。 モードホップ現象を説明するための図である。 連続波長可変幅を説明するための図(a)、および、連続波長可変幅の活性領域長依存性を説明するための図(b)である。 連続波長可変幅を拡大するための第2の方法を説明するための図である。
符号の説明
11、81、111 基板
12、82、112 活性領域
13、83 非活性領域
14、84、114 DBR領域
15、85 絶縁領域
16 MMI構造の中心
17 高反射膜
86 活性領域電流
87、117 DBR制御電流
88、118 電極
113 位相調整領域
115 位相調整電流
116 電流

Claims (4)

  1. 基板上に、クラッド層で囲まれた光導波路を備えるDBR型波長可変光源であって、
    前記光導波路は、発光機能を有する活性領域を含む活性導波路と、前記活性領域よりも大きいバンドギャップを持ち、前記活性導波路の両端の各々において前記活性導波路に光学的に結合するように連設された非活性領域を含む非活性導波路とを備え、
    前記非活性導波路の各々は、前記活性領域の前記両端との2つの接合部近傍を除いて単一モード導波路として構成され、絶縁領域を介して前記活性領域に光学的に接続された波長可変機能を有するDBR領域を含み、前記絶縁領域は、前記接合部を覆い、活性領域電流とDBR制御電流との相互リークを防止し、
    前記活性領域ならびに前記2つの接合部近傍の非活性領域上において、導波路幅が前記単一モード導波路の導波路幅よりも広く、導波路断面の縦横比がセルフイメージング効果を有するように設定された多モード干渉型導波路が構成されており、前記多モード干渉型導波路の再集光点で前記単一モード導波路が接続されていること
    を特徴とするDBR型波長可変光源。
  2. 基板上に、クラッド層で囲まれた光導波路を備えるDBR型波長可変光源であって、
    前記光導波路は、発光機能を有する活性領域を含み、前記活性領域の一端の劈開端面に高反射膜を有する活性導波路と、前記活性領域よりも大きいバンドギャップを持ち、前記活性導波路の他端において前記活性導波路に光学的に結合するように連設された非活性領域を含む非活性導波路とを備え、
    前記非活性導波路は、前記活性領域の前記他端の接合部近傍を除いて単一モード導波路として構成され、絶縁領域を介して前記活性領域に光学的に接続された波長可変機能を有するDBR領域を含み、前記絶縁領域は、前記接合部を覆い、活性領域電流とDBR制御電流との相互リークを防止し、
    前記活性領域ならびに前記接合部近傍の非活性領域上において、導波路幅が前記単一モード導波路の導波路幅よりも広く、導波路断面の縦横比がセルフイメージング効果を有するように設定された多モード干渉型導波路が構成されており、前記多モード干渉型導波路の再集光点で前記単一モード導波路が接続されていること
    を特徴とするDBR型波長可変光源。
  3. 前記多モード干渉型導波路の長さが、前記DBR領域への制御電流の非注入時の当該DBR領域におけるブラッグ波長に対する多モード干渉型導波路のフォーカス長と、波長シフト量が最大時の当該DRR領域におけるブラッグ波長に対する多モード干渉型導波路のフォーカス長との間にあることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のDBR型波長可変光源。
  4. 前記多モード干渉型導波路の幅が、前記DBR領域への制御電流の非注入時の当該DBR領域におけるブラッグ波長に対してフォーカス条件を満足する多モード干渉型導波路の幅と、波長シフト量が最大時の当該DBR領域におけるブラッグ波長に対してフォーカス条件を満足する多モード干渉型導波路の幅との間にあることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のDBR型波長可変光源。
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