JP5058087B2 - 波長可変半導体レーザ - Google Patents

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本発明は、波長可変半導体レーザに関し、より特定的には、発振波長を10ナノメートル(nm)以上変化させることのできる、単一モード半導体レーザに関する。
今日の光ファイバ通信システム用の光源として広く用いられている分布帰還型半導体レーザ(DFBレーザ)は、活性層内若しくはその近傍に回折格子が形成された半導体レーザである。DFBレーザに於いては、回折格子のピッチで決まる特定波長(ブラッグ波長)近傍の光を選択的に増幅出来るので、単一モード発振を安定的に得ることが出来る。その反面、従来のDFBレーザに於いては、一旦発振が起こるとレーザ共振器中のキャリア密度が固定されるために、発振波長を自由に変化させることが出来ないという問題点があった。
そこで、特許文献1に記載のDFB型波長可変半導体レーザは、活性導波路と非活性導波路のペアを一つの周期として当該ペアを複数個含み、片方又は両方の導波路に回折格子を形成した、サンプルドグレーティングに類似の構成を有することとし、両端面に無反射コーティングを施している。
更に、特許文献1に記載のDFB型波長可変半導体レーザは、活性導波路同士、及び、非活性導波路同士で、上部電極を電気的に接続して、各々の組を独立に電流駆動出来る構成を備えている。電流注入によるフリーキャリアプラズマ効果により非活性導波路の屈折率が下がると、ブラッグ波長も短波長側にシフトする。共振縦モード波長も同時に変化するが、その変化分は共振器の平均屈折率で決まり、ブラッグ波長の変化分とも一致する。従って、同一の縦モードを保ったままで、5nm程度の連続波長変化が可能となる。
但し、サンプルドグレーティングの反射スペクトルは、一般に複数の反射ピークを有するため、そのままでは複数の波長で発振する可能性もある。
そこで、活性領域長と波長制御領域長とを足し合わせて成る周期長を、共振器の前方と後方とで変え、且つ、前後の波長制御領域に別々に電流注入出来る構成を実現すれば、サンプルドグレーティングのピーク波長が1つだけ重なり合う様にバーニア制御を行うことが出来、連続波長可変幅を6nm〜7nmにまで広げ、又は、不連続な縦モード跳びを許容すれば広帯域波長可変動作を行わせることも可能である。
他方、活性層領域には回折格子を設けずに、隣接する受動導波層領域に回折格子を設けた分布ブラッグ反射鏡レーザ(DBRレーザ)に於いては、DFBレーザと同様に、単一モード発振が可能である。又、DBR領域に電流を注入すると、発振波長を最大で5nm〜10nm程度、短波長側にシフトさせることが出来る。但し、安定に発振を継続させるためには、活性層領域と受動導波層領域との間に位相調整領域を設け、電流の注入によってレーザの縦モード位置をブラッグ反射のピークと一致させる制御を行う必要性がある。
更に、DBR部分の設計を工夫することによって、発振波長を広範囲に変えられる、波長可変レーザを実現することが出来る。例えば、特許文献2のサンプルドグレーティングDBRレーザ(SG−DBRレーザ)では、活性領域の前後に、前方反射鏡及び後方反射鏡として、周期的に回折格子を除去したサンプルドグレーティングを用いている。これらの反射鏡は、上記周期で決まる複数の反射ピークを有しており、又、前後反射鏡のピーク間隔が異なる様に設計されている。反射鏡部分の導波路の屈折率は、通常のDBRレーザと同様に電流注入によって、反射ピーク位置を短波長側にシフトさせることが出来る。従って、前方反射鏡と後方反射鏡とへの注入電流制御により、ただ一つの反射ピークを一致させ、その波長でレーザ発振を起こすことが出来、広帯域な波長可変動作が可能となる。但し、前後の反射鏡への注入電流に加えて、上述の位相制御電流も同時に制御する必要性があり、波長制御手順は一般に複雑になる。
特許第3237733号公報 米国特許第4896325号明細書
従来のDFB型波長可変半導体レーザに於いては、安定な単一縦モードが得やすいものの、連続的な波長可変範囲が10nm未満であり、両端面を無反射コーティングしているために、十分に高い光出力(典型的には20mW以上)が得られないという問題点があった。
又、従来のSG−DBRレーザに於いては、広帯域波長可変動作が可能である反面、前後のDBR電流と位相制御電流とを独立に調節する複雑な波長制御が必須であり、素子の特性評価にも時間がかかるという問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決するために成されたものであり、簡便な波長制御方法で以って、安定な単一縦モードを維持しつつ、広い波長可変範囲と高い光出力とを両立し得る波長可変半導体レーザを得ることを、その目的とする。
本発明の主題に係る波長可変半導体レーザは、活性領域と、回折格子を含む非活性領域とから成る対を長手方向に沿って複数個有する前方反射領域と、前記前方反射領域に繋がる非活性な後方反射領域とから成る構造の素子を備えており、前記前方反射領域は、複数のピークを含む反射スペクトルを有し、前記後方反射領域は、単峰性のピークを含む反射スペクトルを有し、前記前方反射領域の前記活性領域及び前記非活性領域並びに前記後方反射領域のそれぞれに対して、独立に電流が注入され、後方端面に最も近い活性領域の領域長のみがその他の全ての活性領域の領域長よりも伸ばされていることを特徴とする。
本発明の主題によれば、簡便な波長制御方法で以って、10nm以上の広い波長可変範囲を有する波長可変半導体レーザを実現することが出来る。特に、本発明の主題は、発振波長の制御性に優れ、従来技術では必須であった位相調整領域を省略可能とした。
以下、この発明の主題の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る波長可変半導体レーザが有する素子の構成例を模式的に示す縦断面図である。又、図2(a)は図1の素子の上面図であり、図2(b)は図2(a)に示す断線Y1−Y1に関する縦断面図である。以下、図1及び図2に基づいて、本素子の構成を記載する。
図1に於いて、n−InP下クラッド層(厚みは1μm以下。)25の上面上には、全体として見た場合にはInGaAsPから成る単一モードの導波層が形成されている。この導波層は、前方反射領域18と後方反射領域17とに大別される。
その内で、前方反射領域18は、活性領域9と波長制御領域10とから成る一対の領域が周期的に繰り返された構造を有している(周期長13)。活性領域9は、多重量子井戸活性層等より成る発光層である活性層9A(図2(b))を含んでおり、順方向に活性層電流1が注入されると光学利得が発生して発光する。回折格子5が形成された波長制御領域10は、活性領域9よりも大きなバンドギャップを有しており、活性領域9からの発光を殆ど吸収しない非活性領域として機能する。
他方、後方反射領域17は、波長制御領域10と同様に非活性領域であり、(1)1層のInGaAsPから成るメインの受動導波層(第1受動導波層)20のみから成る部分と、(2)受動導波層20の一部と、当該受動導波層20の一部に並行近接配置されてp−InP上クラッド層24内に埋め込まれた所定の厚みを有する膜から成る第2受動導波層23とから構成される、長手方向の長さがそれぞれ異なる2個の垂直マッハツェンダー結合器21,22とを、有している。図1に於いては、長手方向の所定長が長い第2受動導波層23を第2受動導波層23Aと記載し、長手方向の所定長が短い第2受動導波層23を第2受動導波層23Bと記載している。活性領域9で発生した光(強度分布はガウス分布となっている。)の一部(ガウス分布の裾野部分)はp−InP上クラッド層24内にも存在するので、活性領域9で発生した光は後方反射領域17に於いて第2受動導波層23A,23B内をも伝搬し得る。
尚、本実施の形態では、半導体の多層薄膜(エピタキシャル膜)の内で、基板(図示せず。基板の厚みは、例えば300μmである。)に近い位置に配設されている薄膜を「下部」と、活性層9Aを挟んで上記下部の薄膜と反対側に配設されている薄膜を「上部」と、それぞれ定義している。
上記の導波層の上にはp−InP上クラッド層24が形成され、更にp−InP上クラッド層24の上面上には、電気抵抗を削減化するためのp−InGaAsPコンタクト層14及びp型の上部電極6(活性層電極27、波長制御電極28)が形成されている。又、n−InP上クラッド層25の下面上には、下部電極乃至はn型共通電極8が形成されている。
図2(a)に示す様に、或る活性領域9の上方に位置するp−InGaAsPコンタクト層14及びp型の活性層電極27と、当該活性領域9と対を成す波長制御領域10の上方に位置するp−InGaAsPコンタクト層14及びp型の波長制御電極28とは、ギャップを挟んで互いに隣り合って配置されており、従って、互いに電気的に分離されている。そして、波長制御電極28をその間に挟んで素子の長手方向に隣り合う各活性層電極27は、長手方向に沿って延在した直線部分の電極配線27Lによって、互いに電気的に接続されている。同様に、活性層電極27をその間に挟んで素子の長手方向に隣り合う各波長制御電極28もまた、長手方向に沿って延在した直線部分の電極配線28Lによって、互いに電気的に接続されている。従って、活性層電極27及び波長制御電極28に対しては、各々別々に、電流を注入出来る構成が、本素子に形成されている。又、図2(b)は、活性層電極27を介して、活性層9Aに活性層電流1を注入する状態を模式的に示している。
又、図1に示す様に、本素子の長手方向に於ける前方端面上には無反射コーティング4Aが施されており、素子の長手方向に於ける後方端面上には、反射率が90%以上の高反射コーティング4が施されているので、本素子は後述する様に素子の光出力7の強度を高く取り得る構成を有している。例えば、本実施の形態によれば、20mW以上の高い出力を有するレーザ光が出射される。
図3は、図1の第1及び第2垂直マッハツェンダー結合器21,22に相当する垂直マッハツェンダー結合器の構成を示す縦断面図である。図3の紙面の左側の受動導波層20に入射した単一モードの光32は、二重導波層から成る垂直マッハツェンダー結合器の入射側境界面36に於いて、偶モードの光34と奇モードの光33に分解される。ここで、偶モードの光34と奇モードの光33との有効屈折率差をΔnとして表記する。この有効屈折率差Δnは、図1の第2受動導波層23A,23Bに適用される図3の第2受動導波層23を成す材料、当該材料の膜の膜厚及び第2受動導波層23と受動導波層20との間の距離d等の設計パラメータの設定が成されたならば、後述する波長粗調電流19の変化がない限りは、所定値として与えられる。従って、図3の垂直マッハツェンダー結合器の長手方向の長さLを、図3の垂直マッハツェンダー結合器内を伝搬する光の波長が所定の波長λ0であるとすると、
λ0=L×Δn/N(Nは正の整数) ・・・式(1)
に基づいて、所定の波長λ0の正の整数倍に選定しておくならば、垂直マッハツェンダー結合器を横断した後の光33,34は、出射側境界面37に於いて、再び単一モードの光35として結合されて、出射モードの光35は出射側境界面37より受動導波層20内を伝搬する。
図4は、入射モード光32の強度分布ないしはスペクトルのピーク値に於ける中心波長をλ0と設定して、上述の様に式(1)に基づき(中心波長λ0/有効屈折率差Δn)の正の整数倍として垂直マッハツェンダー結合器の長さLを選定することで、それぞれが図1に示す様な長さLが互いに異なる第2受動導波層23を有する2種類の垂直マッハツェンダー結合器21,22を直列に組み合わせたときに於ける波長選択の原理を示す図である。図4(a)に示す様に、長手方向の長さLが長い第2受動導波層23Aを有する第1垂直マッハツェンダー結合器21から成る干渉計の透過スペクトルでは、波長軸上の繰り返し周期FSRが相対的に短く、逆に、長さLが短い第2受動導波層23Bを有する第2垂直マッハツェンダー結合器22から成る干渉計では、図4(b)に示す様に、繰り返し周期FSRが相対的に長くなる。そこで、各干渉計の透過スペクトルの中心波長λ0を一致させたときの両結合器21,22より成る複合干渉計は、図4(c)に示す様に、単峰性に近い透過スペクトルを有することになる。従って、図1に於いて、複合干渉計から成る後方反射領域17を透過した導波光の殆どは、反射率90%以上の高反射コーティング4が施された後端面より成る高反射鏡により反射されるが、上記高反射鏡の波長依存性が無視出来得る程に小さいとすれば、単峰性に近いスペクトルの形状が保たれたままの反射光が、前方反射領域18に向かう。この反射スペクトルのピーク波長、即ち、中心波長λ0に関しては、既述した式(1)に基づけば、後方反射領域17に対して波長粗調電流(Ic)19を注入して、有効屈折率差Δnを変化させることによって、広い波長範囲(数10nm程度)に渡って中心波長λ0を変化させることが可能である。
本実施の形態では、一例として、2種類の垂直マッハツェンダー結合器21,22を直列に組み合わせているが、更に多くの数の、長さLが互いに異なる垂直マッハツェンダー結合器(干渉計)を直列に組み合わせる事によって、理想的には、複合干渉計の透過スペクトルが1個のピークを有する様に、後方反射領域17を設計することが出来る。
その意味で、複合干渉計の透過スペクトル乃至は後方反射鏡の反射スペクトルの形状が「単峰性」であるとは、1個のピークP0(図4(c)参照。)のみから成る完全な単峰性を意味するのみならず、図4(c)に示す様な透過スペクトルの裾野の部分の各ピークP1A,P1B,P2A,P2Bに於ける強度が、中心波長λ0であるピークP0に於ける強度と比較して十分に小さいために、各ピークP0,P1A,P1B,P2A,P2Bを結ぶ包絡線PEがガウス分布となる様な、単峰性に近い透過スペクトルの形状をも意味する概念であると、定義する。
ここで留意すべき点は、複数の垂直マッハツェンダー結合器を単に後方反射領域17に設けたのみでは、波長可変幅とサイドモード抑圧比とがトレードオフの関係にあるため、理想的な波長可変半導体レーザは得られないことである。即ち、波長可変幅が大きくなる程に、後方反射鏡の反射スペクトルの内の中心波長λ0に関するスペクトルの半値幅が大きくなり、単一モードでの発振とはならずに、複数モードの発振が生じて、レーザ特性が劣化してしまうと言う問題点がある。
そこで、本発明では、その詳細は後述する様に、複数の垂直マッハツェンダー結合器をサンプルドグレーティングと組み合わせることによって、広い波長可変幅の実現と良好なサイドモード抑圧比の実現とを両立させている。
次に、波長可変動作について記述する。図5(a)に示す様に、前方反射領域18に於いて光が回折格子5で反射されて得られるサンプルドグレーティングの反射スペクトル42は、0次ピーク41を中心として複数の高次ピークが対称に配置された形状になっており、その包絡線42Eは標本化関数sin(x)/xで与えられる。ここで、連続的な波長可変動作を可能とするために、反射スペクトル42の隣接するピークの間隔Wを、波長制御領域10への波長制御電流2の注入による波長シフト量(通常、数nm程度である。)よりも小さくなる様に、回折格子5の間隔を設定する。他方、後方反射領域17の後方反射鏡での反射により得られる反射スペクトル43は、図4(c)に於いて実線で記載した様な単峰性の形状を有している。そこで、単峰性のピークP0の半値幅W0は、前方反射領域18の反射スペクトル42に於ける各ピークの半値幅よりも広く、且つ、前方反射領域18の反射スペクトル42に於ける隣り合う両ピークの間隔Wよりも狭くなる様に、受動導波層20及び第2受動導波層23の材料選定、第2受動導波層23の材料膜の膜厚の設定、並びに受動導波層20と第2受動導波層23との間隔dの設定等の、各種設計事項の設定を実行しておく。
図5(a)に例示する様に、初期状態に於いて、サンプルドグレーティングの反射スペクトル42の0次ピーク41と後方反射鏡の反射スペクトル43のメインピークP0とが重なり合っているときには、そのピークP0,41を与える波長付近の波長で単一の縦モードが選択されて本素子は発振する。
次に、図5(b)に示す様に、前方反射領域18と後方反射領域17の両方にそれぞれ波長制御電流2と波長粗調電流19とを注入して両電流2,19の電流比を調整することで(各電流2,19の変動量に対する各反射スペクトル42,43のピーク41,P0の波長の変動量との対応関係は事前の測定によって得られる。)、0次ピーク41とメインピークP0とが互いに重なった状態を保ちながら、両電流2,19の注入による波長シフト44を実現するならば、同じ縦モードを保ったままで連続的に素子の発振波長を変えることが出来る。
同様に、図5(c)に示す様に、波長制御電流2を注入しない状態に於ける前方反射領域18の反射スペクトル42の−1次ピーク45の波長に、波長粗調電流19の注入量を変更して後方反射鏡の反射スペクトル43のメインピークP0の波長を合わせる。その上で、両ピーク45、P0が重なった状態を保つ様に前方反射領域18と後方反射領域17の両方にそれぞれ波長制御電流2と波長粗調電流19とを注入すると、同じ縦モードを保ったままで連続的に発振波長が変わる。
この様にして、簡便な波長制御方法の駆使で以って、広い波長範囲(数10nm程度)に渡って、ほぼ連続的に単一モードの光出力7の波長を変えることが出来る。ここで、従来のDFB型波長可変半導体レーザとは異なり、素子特性の波長依存性を少なくするためには、サンプルドグレーティングの反射スペクトルに関して、寧ろ同程度の強度の複数の反射ピークが存在している方が望ましい。
後方反射鏡の反射スペクトル43のメインピークP0の高反射コーティング4による反射率を90%以上と言う様に高く設定しておけば、前方反射領域18と後方反射領域17とに於ける反射スペクトルのピークが重なりあった波長に於いて、本素子は必ず発振するので、本実施の形態では、従来のDFB型波長可変半導体レーザ及びSG−DBRレーザの様に、発振に関与するサンプルドグレーティングの反射スペクトルのピーク数が少なくなる様に複雑なバーニア制御を行う必要性は無い。
更に、本実施の形態に係る素子では、従来のDFB型波長可変半導体レーザの素子と比べて、DFB部の後方端の反射率が高いので(前方反射領域18から見ると後方反射領域17自体が仮想的なミラーとして機能しているので)、発振光の出力を前方端面側に集中させることが容易となる。従って、本素子の構造は、従来のDFB型波長可変半導体レーザの素子と比べて高い強度の光出力7を得るのに適した構造となっている。
又、本実施の形態では、n-InP基板上に半導体レーザの素子が形成され、InGaAsP導波層を用いる場合について記載しているが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、p-InP基板上に於いて各層の導電性を反転させる構成、或いは、InGaAlAs等の他の長波系材料で導波層を形成する場合に対しても本発明を同様に適用することが可能であり、この様な変形例は当業者であれば容易に実施出来る。
(実施の形態2)
図6は、本実施の形態に係る波長可変半導体レーザの素子の構成を模式的に示す縦断面図であり、実施の形態1に係る図1に対応している。
本実施の形態に係る素子と実施の形態1に係る素子との構造上の唯一の相違点は、複数の活性領域9の内で、後方反射鏡(高反射コーティング4が施された後方端面)に最も近い活性領域(長尺活性領域)46に対してのみ、素子の長手方向に於ける領域長を他の活性領域9と較べて最も長く伸ばした点にある。それにより、長尺活性領域46の直上の電極27の長手方向の長さも伸長される。その他の点は、実施の形態1に係る素子の場合と同一である。尚、長尺活性領域46についてのみ、その長手方向の長さが他の活性領域9の長手方向の長さよりも長く設定されているにすぎないので、活性領域9と波長制御領域10とから成る一対の構造の周期的な配列の乱れは最小限度に抑制されている。
この様な長尺活性領域46の配設により、トータルとしての活性領域長が長くなるので、実施の形態1に係る素子の場合よりも更に高い強度を有する光出力7が得られる。しかも、本素子はDFB型共振器とファブリペロー型共振器との複合共振器構造になるので、素子から一旦外部に出射して再び素子内に戻って来る「戻り光」に対しても、発振モードが乱れずに単一モードの発振を保つことが出来る点で強く、安定なレーザ発振が得られる効果もある。
(実施の形態3)
図7は、本実施の形態に係る波長可変半導体レーザが有する素子の構成例を模式的に示す縦断面図であり、実施の形態1に係る図1に対応している。又、図8(a)は図7の素子の上面図であり、実施の形態1に係る図2(a)に対応している。又、図8(b)は、図8(a)に示す断線Y1−Y1に関する縦断面図であり、実施の形態1に係る図2(b)に対応している。
本実施の形態に係る素子と実施の形態1に係る素子との構造上の唯一の相違点は、前方反射領域18と前方端面乃至は出射面との間に出射領域(出射側)50を設け、他の電流1,2,19とは独立に光増幅器電流47を、光増幅器電極48を介して、出射領域50内に注入可能な半導体光増幅器を備えた点にある。
本半導体光増幅器は、光増幅器電流47が注入されて出射領域50内に入射したレーザ光に利得を持たせた状態に於いては、入射したレーザ光の発振波長を変えること無く、入射時点よりも更に強度が増幅されたレーザ光を光出力7として出射することが出来る。又、光増幅器電流47が注入されない状態に於いては、本半導体光増幅器は、出射領域50内に入射したレーザ光の一部を吸収して、その強度を減衰させる作用を呈することが出来る。
よって、本実施の形態によれば、(1)レーザ光の発振波長を維持しつつ、更に高い強度の光出力7が得られると言う利点、或いは、(2)波長の切り替え中に意図しない波長の光が外部に出射するのを防止出来ると言う利点がある。
尚、半導体光増幅器の出力導波路を曲げて、反射戻り光による悪影響を防止した構成、或いは、広い波長可変幅に対応可能なマッハツェンダー型光変調器等を更に集積した構成等を本実施の形態の構造に実現することが可能であることは言うまでもなく、当業者であれば、本発明の趣旨を損なうことなく、これらの組み合わせを行う事は容易である。
又、本実施の形態の特徴点(半導体光増幅器を出射領域50内に設ける点。)を、図6に例示された実施の形態2に係る波長可変半導体レーザの素子に適用しても良いことは勿論である。
(付記)
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正や変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
本発明の実施の形態1に係る波長可変半導体レーザの素子の構成を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る波長可変半導体レーザの素子上面図及び当該素子上面図に示された断線に関する素子の縦断面図である。 垂直マッハツェンダー結合器の構成を示す縦断面図である。 複合垂直マッハツェンダー結合器による波長選択動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る波長可変半導体レーザに於ける波長可変動作を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る波長可変半導体レーザの素子の構成を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係る波長可変半導体レーザの素子の構成を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係る波長可変半導体レーザの素子上面図及び当該素子上面図に示された断線に関する素子の縦断面図である。
符号の説明
1 活性層電流、2 波長制御電流、4 高反射コーティング、4A 無反射コーティング、5 回折格子、6 上部電極、7 光出力、8 下部電極、9 活性領域、10 波長制御領域、11 波長制御領域長、12 活性領域長、13 周期長、17 後方反射領域、18 前方反射領域、19 波長粗調電流、20 (第1)受動導波層、21 第1垂直マッハツェンダー結合器、22 第2垂直マッハツェンダー結合器、23,23A,23B 第2受動導波層、24 p−InP上クラッド層、25 n−InP下クラッド層、26 波長粗調電極、27 活性層電極、28 波長制御電極、14 p−InGaAsPコンタクト層、30 電流ブロック層、9A 活性層、32 入射モード、33 奇モード、34 偶モード、35 出射モード、36 入射側境界面、37 出射側境界面、38 長干渉計の透過スペクトル、39 短干渉計の透過スペクトル、40 複合干渉計の透過スペクトル、41 0次ピーク、42 サンプルドグレーティングの反射スペクトル、43 後方反射鏡の反射スペクトル、44 電流注入による波長シフト、45 −1次ピーク、46 長尺活性領域、47 光増幅器電流、48 光増幅器電極。

Claims (5)

  1. 活性領域と、回折格子を含む非活性領域とから成る対を長手方向に沿って複数個有する前方反射領域と、前記前方反射領域に繋がる非活性な後方反射領域とから成る構造の素子を備えており、
    前記前方反射領域は、複数のピークを含む反射スペクトルを有し、
    前記後方反射領域は、単峰性のピークを含む反射スペクトルを有し、
    前記前方反射領域の前記活性領域及び前記非活性領域並びに前記後方反射領域のそれぞれに対して、独立に電流が注入され
    後方端面に最も近い活性領域の領域長のみがその他の全ての活性領域の領域長よりも伸ばされていることを特徴とする、
    波長可変半導体レーザ。
  2. 請求項1に記載の波長可変半導体レーザであって、
    前記前方反射領域と前方端面との間の出射領域に半導体光増幅器が設けられていることを特徴とする、
    波長可変半導体レーザ。
  3. 請求項1又は2に記載の波長可変半導体レーザであって、
    前記後方反射領域の前記反射スペクトルに於ける前記単峰性のピークの半値幅は、前記前方反射領域の前記反射スペクトルに於ける各ピークの半値幅よりも広く、且つ、前記前方反射領域の前記反射スペクトルに於ける隣り合う両ピークの間隔よりも狭く設定されていることを特徴とする、波長可変半導体レーザ。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の波長可変半導体レーザであって、
    前記後方反射領域は、
    直列に組み合わされた、前記長手方向に於ける長さが互いに異なる複数の垂直マッハツェンダー結合器を有しており、
    前記複数の垂直マッハツェンダー結合器の各々の透過スペクトルに於けるピークの波長が一致されていることを特徴とする、
    波長可変半導体レーザ。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の波長可変半導体レーザであって、
    前方端面には無反射コーティングが施されており、
    後方端面には反射率が90%以上の高反射コーティングが施されていることを特徴とする、
    波長可変半導体レーザ。
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