JP2001320127A - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

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JP2001320127A
JP2001320127A JP2000133740A JP2000133740A JP2001320127A JP 2001320127 A JP2001320127 A JP 2001320127A JP 2000133740 A JP2000133740 A JP 2000133740A JP 2000133740 A JP2000133740 A JP 2000133740A JP 2001320127 A JP2001320127 A JP 2001320127A
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optical
semiconductor laser
wavelength
mach
grating
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JP2000133740A
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English (en)
Inventor
Takashi Kato
隆志 加藤
Manabu Shiozaki
学 塩崎
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光出力と発振波長とを独立に制御することが
可能な構造を有する半導体レーザを提供する。 【解決手段】 本発明の半導体レーザ10は、多波長で
ほぼ同じ強度の回折ピークを有する多波長回折グレーテ
ィング18を有する光学部品12と、光学部品12と光
学的に結合された一端16、所定の反射率を有する他端
36、一端16と他端36との間に設けられた光増幅部
26およびマッハツェンダ型干渉部28を有する光学デ
バイス14と、を備え、光増幅部26は半導体活性層3
2を含み、マッハツェンダ型干渉部28は半導体活性層
32に光学的に結合された光導波路34の屈折率を変え
るための複数の電極38を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発振波長を変化さ
せることが可能な半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の半導体レーザとして、例えば文
献1("Step-tunable(100GHz) hybridlaser based on V
ernier effect between Fabry-Perot cavity and sampl
ed fibre Bragg grating", ELECTRONICS LETTERS 27th
May 1999 Vol.35 No.11, pp.904-906)に開示されてい
るものがある。この半導体レーザは、コア部に多波長回
折グレーティングが形成された光ファイバと、ファブリ
・ペロー(FP)型半導体レーザとを光学的に結合して
構成されている。
【0003】そしてこの半導体レーザでは、FP型半導
体レーザに注入する注入電流によりFPモードを調整す
ることで、発振される光の波長をステップ的に変化させ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の半導体レーザでは、発振される光の波長のみな
らず発振される光の出力も注入電流に依存するため、注
入電流によってFPモードを調整して所望の波長の光を
得たとしても、所望の出力の光が得られるとは限らなか
った。
【0005】そこで本発明は、光出力と発振波長とを独
立に制御することが可能な構造を有する半導体レーザを
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ
は、多波長でほぼ同じ強度の回折ピークを有する多波長
回折グレーティングを有する光学部品と、光学部品と光
学的に結合された一端、所定の反射率を有する他端、一
端と他端との間に設けられた光増幅部およびマッハツェ
ンダ型干渉部を有する光学デバイスと、を備え、光増幅
部は半導体活性層を含み、マッハツェンダ型干渉部は半
導体活性層に光学的に結合された光導波路の屈折率を変
えるための複数の電極を有する。
【0007】この半導体レーザでは、光学部品の多波長
回折グレーティングと光学デバイスの所定の反射率を有
する他端との間で共振器が構成される。ここで、光学部
品の多波長回折グレーティングの反射スペクトルはほぼ
同じ反射強度の複数の反射率ピーク波長を有する。また
マッハツェンダ型干渉部は、伝搬する光の強度に波長依
存性を生じさせ得る。そして、レーザ発振は多波長回折
グレーティングの反射率とマッハツェンダ型干渉部を通
る光の強度との積が最大となる波長で起こり得る。
【0008】ここで、電極を介してマッハツェンダ型干
渉部に電圧あるいは電流を加えて光導波路の屈折率を変
更する。すると、光学的な光路差が変更され、マッハツ
ェンダ型干渉部を通る光の強度の波長依存性は変化す
る。その結果、多波長回折グレーティングの反射率とマ
ッハツェンダ型干渉部を通る光の強度との積が最大とな
る波長も変化し、レーザ発振される光の波長が変化す
る。
【0009】また本発明の半導体レーザでは、光学デバ
イスは、光増幅部に含まれる半導体活性層と、マッハツ
ェンダ型干渉部に含まれる光導波路を構成する半導体層
とを有する半導体デバイスである、ことを特徴としても
よい。
【0010】また本発明の半導体レーザでは、光学デバ
イスは、光増幅部を有する半導体光増幅器と、マッハツ
ェンダ型干渉部を有するマッハツェンダ型干渉器とを含
む、ことを特徴としてもよい。
【0011】前者のようにすれば、光増幅部とマッハツ
ェンダ型干渉部とを有する光学デバイスは一つの半導体
デバイスとして構成され、光結合効率が向上される。ま
た後者のようにすれば、光学デバイスは別々に構成され
た半導体光増幅器とマッハツェンダ型干渉器とを光学的
に結合することで構成される。
【0012】また本発明の半導体レーザは、多波長回折
グレーティングを有する光学部品と、光学部品と光学的
に結合された一端、一端と対向する他端、一端と他端と
の間に設けられた光増幅部および超周期グレーティング
が設けられた光導波路を含む光導波路部を有する光学デ
バイスと、を備え、光増幅部は半導体活性層を含み、光
導波路部は半導体活性層に光学的に結合された光導波路
の屈折率を変えるための複数の電極を有する。
【0013】この半導体レーザでは、光学部品の多波長
回折グレーティングと光導波路部の超周期グレーティン
グとの間で共振器が構成される。ここで、光学部品の多
波長回折グレーティングの反射スペクトルは複数の反射
率ピーク波長を有する。また、光導波路部の超周期グレ
ーティングの反射スペクトルも複数の反射率ピーク波長
を有する。そしてレーザ発振は、光学部品の多波長回折
グレーティングの反射率と、光導波路部の超周期グレー
ティングの反射率との積が最大となる波長で起こり得
る。
【0014】ここで、電極を介して光導波路部に電圧あ
るいは電流を加えて光導波路の屈折率を変更する。する
と、超周期グレーティングの反射スペクトルの反射率ピ
ーク波長は変化する。その結果、光学部品の多波長回折
グレーティングの反射率と光導波路部の超周期グレーテ
ィングの反射率との積が最大となる波長も変化し、レー
ザ発振される光の波長が変化する。
【0015】また本発明の半導体レーザでは、光学デバ
イスは、光増幅部に含まれる半導体活性層と、光導波路
部に含まれる光導波路を構成する半導体層とを有する半
導体デバイスである、ことを特徴としてもよい。このよ
うにすれば、光増幅部と光導波路とを有する光学デバイ
スは一つの半導体デバイスとして構成され、光結合効率
が向上される。
【0016】また本発明の半導体レーザでは、多波長回
折グレーティングは、等間隔に配置された所定周期の複
数のグレーティング部を有する、ことを特徴としてもよ
い。このようにすれば、多波長回折グレーティングの反
射率ピークを与える波長は、グレーティング部の所定周
期と、等間隔に配置された複数のグレーティング部の間
隔とにより規定される。
【0017】また本発明の半導体レーザでは、多波長回
折グレーティングは、第1の屈折率を有する複数の第1
グレーティング部と、第2の屈折率を有する複数の第2
グレーティング部とを有し、該第1グレーティング部と
該第2グレーティング部とは交互に連続して配置されて
いる、ことを特徴としてもよい。このようにすれば、超
周期グレーティングの反射率ピークを与える波長は、第
1グレーティング部および第2グレーティング部が有す
る周期と、第1グレーティング部および第2グレーティ
ング部の繰り返し周期とにより規定される。
【0018】また本発明の半導体レーザでは、多波長回
折グレーティングは、等間隔に配置されたチャープされ
た複数のグレーティング部を有する、ことを特徴として
もよい。このようにすれば、多波長回折グレーティング
の反射率ピークを与える波長は、チャープされたグレー
ティング部に含まれる周期と、等間隔に配置された複数
のグレーティング部の間隔とにより規定される。
【0019】また本発明の半導体レーザでは、多波長回
折グレーティングは、それぞれ異なる周期の複数のグレ
ーティング部を有し、各々のグレーティング部は空間的
に重ねて配置されている、ことを特徴としてもよい。こ
のようにすれば、超周期グレーティングの反射率ピーク
を与える波長は、複数のグレーティング部のそれぞれ異
なる周期により規定される。そして、各々のグレーティ
ング部は空間的に重ねて配置されているため、多波長回
折グレーティングの長さを短くすることができる。ま
た、各波長のグレーティングを書き込む際、アポタイズ
をかけることにより、重ね書きの際の干渉を抑えること
ができる。
【0020】また本発明の半導体レーザは、光学デバイ
スに光学的に結合され、光増幅部で発生された光を変調
するためのマッハツェンダ型変調器を更に備え、光学デ
バイスは、マッハツェンダ型変調器と光学部品との間に
配置されている、ことを特徴としてもよい。このように
すれば、マッハツェンダ型変調器によって光を変調する
ことができる。
【0021】また本発明の半導体レーザでは、光学部品
は光ファイバを含み、多波長回折グレーティングは光フ
ァイバに設けられている、ことを特徴としてもよい。こ
のようにすれば、光ファイバに設けられた多波長回折グ
レーティングにより一方の反射器が構成される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
による半導体レーザの実施形態について説明する。な
お、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0023】図1は、本発明による半導体レーザの第1
実施形態の構成を模式的に示す平断面図であり、また図
2は、図1におけるII−II線に沿った断面図である。
【0024】図示の通り、半導体レーザ10は光ファイ
バ(光学部品)12と半導体デバイス(光学デバイス)
14とを備えている。これら光ファイバ12と半導体デ
バイス14とは、図示しない搭載部材に収納されてい
る。
【0025】光ファイバ12は2つの端部を有し、これ
らのうちレンズ形状を有する一方の端部12aは半導体
デバイス14の第1の端面16と対向していて、この端
部12aと第1の端面16とが光学的に結合可能な位置
に光ファイバ12が配置されている。この光ファイバ1
2には、一方の端部12aから所定距離離れたコア部内
の位置に多波長回折グレーティング18が形成されてい
る。
【0026】図3は、光ファイバ12に設けられた多波
長回折グレーティング18を説明するための説明図であ
る。図示の通り、多波長回折グレーティング18は、周
期Λ aのグレーティング部20が周期Λbで等間隔に配置
されて構成されている。この多波長回折グレーティング
18は、次のようにして形成することができる。
【0027】まず、光ファイバ側面に所望の位相格子マ
スクを置き、このマスクにスペクトルの鋭い紫外線(通
常はエキシマレーザを用いる)を照射する。そして、位
相格子マスクを通過した光の干渉効果を利用し、周期Λ
aに相当するビームの強弱によってグレーティング部2
0を作製する。これを間隔Λbで繰り返していくこと
で、図3に示される多波長回折グレーティング18が形
成される。
【0028】図4は、かかる多波長回折グレーティング
18の反射特性を示すグラフである。図4において反射
スペクトルの個々のスペクトルピークは、周期Λaに起
因するスペクトルピークである。そして、個々のスペク
トルピーク列の間隔δλFGは周期Λbによって規定さ
れ、 δλFG = λ0 2/2nΛb で表される。ここでλ0は、周期Λaのグレーティングに
よるブラッグ回折波長、つまりλ0=2nΛaであり、n
は光ファイバ12中を伝搬するモードの実効屈折率であ
る。
【0029】このような多波長回折グレーティング18
として、例えば周期Λaが534nm、周期Λbが1mm、全
長が50mmのものを用いた場合、多波長回折グレーティ
ング18のそれぞれの反射ピークについて、反射率が1
0〜70%、半値幅が0.1〜0.3nmとなる。
【0030】また図5(a)は、多波長回折グレーティ
ング18の他の例を説明するための説明図であり、図5
(b)はこの多波長回折グレーティング18の屈折率分
布を示す図である。この多波長回折グレーティング18
は、第1の屈折率を有する複数の第1グレーティング部
19aと、第1の屈折率と比べて低い第2の屈折率を有
する複数の第2グレーティング部19bとを有してい
る。そして、第1グレーティング部19aと第2グレー
ティング部19bとは交互に連続して配置されている。
これら第1グレーティング部19aおよび第2グレーテ
ィング部19bは、ぞれぞれ一定の周期Λaで形成され
ており、また第1グレーティング部19aと第2グレー
ティング部19bとは周期Λbで交互に配置されてい
る。この多波長回折グレーティング18は次のようにし
て形成することができる。
【0031】まず、光ファイバ側面に所望の位相格子マ
スクを置き、このマスクにスペクトルの鋭い紫外線(通
常はエキシマレーザを用いる)を照射する。そして、位
相格子マスクを通過した光の干渉効果を利用し、周期Λ
aに相当するビームの強弱により均一周期Λaのグレーテ
ィングを所望の長さ分だけ書き込む。次に、周期Λb
屈折率変調を行うため、第1グレーティング部19aを
形成すべき領域にのみ追加光を照射し、第2グレーティ
ング部19bを形成すべき領域には追加光を照射しな
い。これを間隔Λbごとに繰り返すことで、図5(a)
に示される多波長回折グレーティング18が形成され
る。かかる多波長回折グレーティング18においても、
図4に示される反射スペクトルと同様の反射スペクトル
を得ることができる。
【0032】また図6は、多波長回折グレーティング1
8の他の例を説明するための説明図である。
【0033】この多波長回折グレーティング18は、図
3の多波長回折グレーティング18の周期Λaの部分を
同一周期にせず、周期をΛs〜Λeに変化させたチャープ
構造を有する。そしてかかる多波長回折グレーティング
18の反射特性を図7に示す。図7において、反射スペ
クトルの個々のスペクトルピークはそれぞれ周期Λs
Λeに起因するスペクトルピークであり、波長λs(=2
nΛs)〜λe(=2nΛe)の間に反射ピーク列が形成
される。
【0034】更に、多波長回折グレーティング18の他
の例を図8において説明する。この多波長回折グレーテ
ィング18は、Λs〜Λeのそれぞれ異なる周期の複数の
グレーティング部20を有し、各々のグレーティング部
20は図3に示すような周期Λbの繰り返し周期を有し
ている。そして、これら各々のグレーティング部20は
空間的に重ねて配置されている。この場合、隣接する回
折波長スペクトルに影響が出ないように、重ね書きする
個々のグレーティング部20にガウシアンアポタイズを
施し、サイドローブを下げるようにすると好ましい。こ
のようにグレーティング部20を空間的に重ねて配置す
れば、多波長回折グレーティング18の長さ、ひいては
トータルの光ファイバ12の長さを短くすることがで
き、モジュール実装ができなかったり、高周波特性が落
ちたりするおそれが少なくなる。例えば、前記した図3
に示す多波長回折グレーティング18では全長が50m
m程度であったが、図8に示すようにグレーティング部
20を重ね書きすることで全長を3〜6mm程度に短くす
ることができる。なお、かかる多波長回折グレーティン
グ18においても、図7に示される反射スペクトルと同
様の反射スペクトルを得ることができる。
【0035】これらの多波長回折グレーティング18に
より特定の波長の光が選択的に反射され、これによって
半導体レーザ10の共振器における一方の反射器が構成
されている。
【0036】半導体デバイス14は、図1および図2に
示すように、光増幅部26とマッハツェンダ型干渉部2
8とを備えている。
【0037】光増幅部26は、電極30を介してキャリ
アが注入されると光を発生する半導体活性層32を有す
る。またマッハツェンダ型干渉部28は、半導体活性層
32と光学的に結合された光導波路34を構成する半導
体層を有する。
【0038】光導波路34としては、図1および図9に
示すように、分岐部34aにおいてY字状に分岐された
各光導波路が半導体デバイス14の第2の端面36まで
延びるタイプのもの(分岐型光導波路と呼ぶ)や、図1
0に示すように、分岐部34aにおいてY字状に分岐さ
れた各光導波路が結合部34bにおいて再び一つに結合
され、半導体デバイス14の第2の端面36まで延びる
タイプのもの(分岐結合型光導波路と呼ぶ)のいずれを
用いてもよい。
【0039】この半導体デバイス14の第1の端面16
には反射防止膜が形成されており、一方、これに対向す
る第2の端面36には、第1の端面16より高反射率を
有する反射膜が形成されている。この反射膜により、半
導体レーザ10の共振器における他方の反射器が構成さ
れている。
【0040】この半導体デバイス14では、図1および
図2に示すように、光増幅部26とマッハツェンダ型干
渉部28とはそれぞれ個別の電極30,38を有してい
る。光増幅部26では、電極30を介して半導体活性層
32に注入する注入電流を操作することで、発振される
光の出力を調整することが可能となる。一方、マッハツ
ェンダ型干渉部28では、分岐された一対の光導波路の
うちの少なくとも一方に印加する電圧あるいは電流を操
作することで、一対の光導波路のうちの少なくとも一方
の光導波路の屈折率を変化させることが可能となる。な
お、本実施形態では、分岐された一対の光導波路のうち
の一方に印加する電圧あるいは電流を操作可能な構成を
備えている。そして、一対の光導波路34間で屈折率差
が生じると、一対の光導波路34間で光路差が生じて各
光に位相差が生じる。従って、分岐部34aにおいて分
岐されて一対の光導波路34を伝搬し、半導体デバイス
14の第2の端面36において反射された後戻ってくる
各光を分岐部34aにおいて合波して得られる光の強度
は波長依存性を持つ。
【0041】すなわち、図9および図10に示すよう
に、マッハツェンダ型干渉部28に入射する光の強度を
in、マッハツェンダ型干渉部28からの戻り光の強度
をPou tとすると、戻り光と入射光との光強度の比Pout
/Pinは、図11に示すように波長依存性を持つ。
【0042】この比Pout/Pinが1となる波長、つま
り位相差が0°となる波長λ0は、 λ0 = δLMZ/2mπ で表される。同様に比Pout/Pinが0となる波長、つ
まり位相差が180°となる波長λπは、 λπ = δLMZ/(2m+1)π で表される。ここで、δLMZは一対の光導波路34間で
の光路差であり、mは整数である。
【0043】そして、その周期は、 δλMZ = λ2/2nδLMZ で表される。ここで、λはマッハツェンダ干渉部に入力
する光の波長であり、nは光導波路34の伝搬モードの
屈折率である。
【0044】このような光出力の波長依存性を有するマ
ッハツェンダ型干渉部28において、電極38を介して
光導波路34のうち一方に印加する電圧あるいは電流を
操作し、一対の光導波路34間の屈折率差を変更する
と、一対の光導波路間で光路差が更に変化する。そし
て、図11において破線で示すように、マッハツェンダ
型干渉部28を通った光の強度の波長依存性が変化す
る。すなわち、マッハツェンダ型干渉部28を通った光
の強度の波長依存性は、図11において実線で示される
波形をほぼ保った状態で短波長側へあるいは長波長側へ
シフトする。ここで、マッハツェンダ型干渉部28を電
圧で制御する場合、位相を180°だけ変えるのに必要
な電圧は、当該干渉部28を構成する材料にも依存する
が、逆バイアスで数ボルト程度である。なお、マッハツ
ェンダ型干渉部28を電圧で制御した場合、電流や温度
で制御する場合よりも高速で制御することができる。
【0045】かかる構成の半導体デバイス14は、図2
を参照すると、例えばInP基板上にGaInAsP材料からなる
半導体活性層32と、同じくGaInAsP材料からなる光導
波路34を構成する半導体層とを反応性イオンエッチン
グで形成し、その後それらの層を埋め込むための層を成
長して形成することができる。
【0046】次に、上記した構成の半導体レーザ10に
おいて発振波長が可変となる原理、すなわち半導体レー
ザ10の作用について図12(a)〜(c)を参照しな
がら説明する。
【0047】図12(a)は、光ファイバ12の多波長
回折グレーティング18が有する反射特性を示すグラフ
であり、図12(b)は、マッハツェンダ型干渉部28
に所定の電圧V1が印加されて分岐された一対の光導波
路間で所定の光路差が生じている場合のマッハツェンダ
型干渉部28が有する光強度比Pout/Pinの波長依存
性を示すグラフである。
【0048】レーザ発振は、光ファイバ12の多波長回
折グレーティング18の反射率RFGとマッハツェンダ型
干渉部28を通った光の強度RMZ(光強度比Pout/P
in)との積が最大となる縦モード波長で起こり得る。従
って、図12(b)に示す状態では、光ファイバ12の
多波長回折グレーティング18の反射率ピークと、マッ
ハツェンダ型干渉部28を通った光の強度のピークとが
一致する波長λ1においてレーザ発振が起こる。
【0049】次に、マッハツェンダ型干渉部28に印加
する電圧を所定の電圧V2に変更し、一対の光導波路間
での屈折率差を変化させると、図12(c)に示すよう
にマッハツェンダ型干渉部28を通った光の強度の波長
依存性が変化する。すなわち光強度RMZを示すグラフ
は、図12(b)において示される波形をほぼ保った状
態で長波長側へシフトする。このとき、光ファイバ12
の超周期グレーティング18の反射率RFGとマッハツェ
ンダ型干渉部28を通った光の強度RMZとの積は、波長
λ2において最大となるため、レーザ発振はこの波長λ2
で起こり得る。
【0050】このように、電極38を介して分岐された
一対の光導波路のうちの少なくとも一方に印加する電圧
あるいは電流を操作し、マッハツェンダ型干渉部28を
通る光の強度の波長依存性を変化させることで、レーザ
発振する波長を変化させることが可能となる。
【0051】この場合、光ファイバ12の多波長回折グ
レーティング18の個々の反射スペクトル幅を、マッハ
ツェンダ型干渉部28を通る光の強度が最大となるピー
ク幅より狭くすると、発振波長が安定するため好まし
い。また、δλMZとδλFGとを適当に選ぶことで、バー
ニア効果により大きな波長ステップ可変幅を得ることも
可能となる。
【0052】以上、本実施形態の半導体レーザ10は、
光増幅部26にキャリアを注入するための電極30とは
別個に、マッハツェンダ型干渉部28に印加する電圧あ
るいは電流を変化させるための電極38を備えている。
そして、当該電極38を介してマッハツェンダ型干渉部
28に印加する電圧あるいは電流を変化させることで、
マッハツェンダ型干渉部28を通る光の強度の波長依存
性を変化させることができる。その結果、多波長回折グ
レーティング18の反射率RFGとマッハツェンダ型干渉
部28を通る光の強度RMZとの積を最大とする波長を変
化させて、レーザ発振する光の波長を変化させることが
可能となる。このとき、発振する光の出力は光増幅部2
6の電極30を介して独立に制御することができるた
め、光出力と発振波長とを独立に制御することができ
る。
【0053】また本実施形態の半導体レーザ10では、
光増幅部26とマッハツェンダ型干渉部28とを有する
光学デバイスを1つの半導体デバイス14として構成し
たため、別々の部品として構成した場合に必要となる光
学的な結合を図るための位置決め作業が不要となり、製
造工程の簡略化を図ることができる。
【0054】なお、波長多重(WDM)光通信分野にお
いて波長多重用光送信機やそのバックアップ光源に本実
施形態の半導体レーザ10を用いた場合、装置構成をコ
ンパクト化することが可能となる。すなわち、n波長で
稼働しているWDMシステムでは、通常バックアップと
して同じくn波のバックアップ光源が必要であるが、本
実施形態の半導体レーザ10をバックアップ光源として
一台準備しておけば、残りの(n−1)台分のバックア
ップ光源の実装部分とコストを節約することができる。
【0055】現在、1.55μm帯のWDM光源とし
て、100GHz(約0.8nm)間隔の光源が用いられて
いるため、WDM光源としては100GHz間隔で発振波
長がステップ的に可変できる半導体レーザ10を用いれ
ばよい。
【0056】また、例えば波長ルーティング装置に本実
施形態の半導体レーザ10を波長可変光源として用いる
ことにより、各ルーティング場所に対応した波長を選択
できるという選択の自由度が増し、また高速な処理が可
能となる。
【0057】次に、本発明による半導体レーザの第2実
施形態について、図13を参照しながら説明する。
【0058】本実施形態の半導体レーザ10は、光増幅
部26で発生された光を変調するためのマッハツェンダ
型変調器40を更に備えている。このマッハツェンダ型
変調器40は、分岐部で2本に分岐された後に結合部で
再び1本に結合される光導波路42と、分岐された一対
の光導波路のそれぞれの屈折率を変化させるための電極
44とを有している。
【0059】このマッハツェンダ型変調器40は、光フ
ァイバ12との間で半導体デバイス14を挟むように配
置されており、半導体デバイス14とマッハツェンダ型
変調器40とは光学的に結合されている。
【0060】なお、半導体デバイス14とマッハツェン
ダ型変調器40とは、それぞれ別個の部品として構成し
てもよいし、マッハツェンダ型変調器40を半導体デバ
イス14上に一体的に設けてもよい。
【0061】半導体デバイス14とマッハツェンダ型変
調器40とを別個の部品として構成する場合は、両者の
光結合効率を上げるため、レンズ等を間に入れると好ま
しい。
【0062】一方、マッハツェンダ型変調器40を半導
体デバイス14上に一体的に設ける場合は、例えばInP
基板上にGaInAsP材料からなる半導体活性層32と、同
じくGaInAsP材料からなるマッハツェンダ型干渉部28
の光導波路34を構成する半導体層と、同じくGaInAsP
材料からなるマッハツェンダ型変調器40の光導波路4
2を構成する半導体層とを反応性イオンエッチングで形
成する。そして、マッハツェンダ型干渉部28とマッハ
ツェンダ型変調器40との境界にあたる光導波路部分に
イオン注入を行い、光導波路34とは屈折率の異なるミ
ラー部44を形成する。あるいはマッハツェンダ型干渉
部28の光導波路34を構成する半導体層と、マッハツ
ェンダ型変調器40の光導波路42を構成する半導体層
とを、それぞれ層の厚さや組成を変えて別々に成長する
ことでも、両者の境界に光反射を生じるミラー部44を
形成することができる。その後、それらの層を埋め込む
ための層を成長する。このようにすれば、ミラー部44
により半導体レーザ10の共振器における他方の反射器
が構成される。なお、この場合はミラー部44が半導体
デバイス14の所定の反射率を有する第2の端面36と
して機能する。
【0063】この半導体レーザ10は、マッハツェンダ
型変調器40の側から光を取り出すようになっている。
そしてこの半導体レーザ10は、マッハツェンダ型変調
器40から出射された光を平行光に調整するための第1
のレンズ46と、平行光を集光するための第2のレンズ
48と、集光された光が伝搬する他の光ファイバ50と
を備えている。そして第1および第2のレンズ46,4
8の間には、光アイソレータ52が配置されている。
【0064】このように、本実施形態の半導体レーザ1
0では、マッハツェンダ型変調器40の側から光を取り
出すことにより、図示しない搭載部材内に光アイソレー
タ52を実装することが可能となる。これに対し、第1
実施形態の半導体レーザ10のように多波長回折グレー
ティング18が設けられた光ファイバ12の側から光を
取り出す場合は、搭載部材内に光アイソレータ52を組
み込むことが難しいため、光アイソレータ52を外付け
することになる。
【0065】なお、マッハツェンダ型変調器40の側か
ら光を取り出す場合、各波長での超周期グレーティング
18の反射率は30〜90%程度であり、一方光ファイ
バ12の側から光を取り出す場合、各波長での多波長回
折グレーティング18の反射率は1〜70%程度であ
る。
【0066】また本実施形態の半導体レーザ10では、
マッハツェンダ型変調器40によって共振器の外部で発
振される光を変調することができるため、共振器内で変
調する場合に問題となるチャーピングの改善を図って、
単色性の高い発振光を得ることができる。
【0067】次に、本発明による半導体レーザの第3実
施形態について、図14および図15を参照しながら説
明する。
【0068】本実施形態の半導体レーザ10では、半導
体デバイス14の構成が第1実施形態の半導体レーザ1
0と相違する。すなわち、半導体デバイス14は、図1
4および図15に示すように、マッハツェンダ型干渉部
(図1の28)の代わりに光増幅部26と光学的に結合
された光導波路部60を備えており、光導波路部60は
超周期グレーティング62が設けられた光導波路64を
構成する半導体層を有している。
【0069】光導波路部60の超周期グレーティング6
2としては、図3、図5(a)、図6および図8に示さ
れる光ファイバ12の多波長回折グレーティング18と
同様のものを用いることができる。この場合、光導波路
部60の超周期グレーティング62の反射スペクトル幅
を、図4または図7に示される光ファイバ12の多波長
回折グレーティング18の反射スペクトル幅より広くす
ると発振波長が安定化するため好ましい。
【0070】この半導体レーザ10では、光ファイバ1
2の多波長回折グレーティング18と光導波路部60の
超周期グレーティング62との間で半導体レーザの共振
器が構成される。
【0071】この半導体デバイス14では、光増幅部2
6と光導波路部60とはそれぞれ個別の電極30,66
を有している。光増幅部26では、電極30を介して半
導体活性層32に注入する注入電流を操作することで、
発振される光の出力を調整することが可能となる。一
方、光導波路部60では、光導波路64に印加する電圧
あるいは電流を操作することで、光導波路64の屈折率
を変化させることが可能となる。そして光導波路64の
屈折率が変化すると、超周期グレーティング62の反射
スペクトルの反射率ピーク波長はピーク間隔をほぼ一定
に保ったまま短波長側あるいは長波長側へシフトする。
【0072】従って、電極66を介して光導波路部60
に印加する電圧あるいは電流を操作することで、光ファ
イバ12の多波長回折グレーティング18の反射率ピー
ク波長と、光導波路部60の超周期グレーティング62
の反射率ピーク波長とが一致する波長を変化させること
ができる。その結果、レーザ発振される光の波長をステ
ップ的に変化させることが可能となる。
【0073】以上、本実施形態の半導体レーザ10は、
光増幅部26にキャリアを注入するための電極30とは
別に、光導波路部60に印加する電圧あるいは電流を変
化させるための電極66を備えている。そして、当該電
極66を介して光導波路部60に印加する電圧あるいは
電流を変化させることで、光導波路部60の超周期グレ
ーティング62の反射スペクトルの反射率ピーク波長を
ピーク間隔をほぼ一定に保ったままシフトさせることが
できる。その結果、光ファイバ12の多波長回折グレー
ティング18の反射率と光導波路部60の超周期グレー
ティング62の反射率との積を最大とする波長を変化さ
せて、レーザ発振する光の波長を変化させることが可能
となる。このとき、発振される光の出力は光増幅部26
の電極30を介して独立に制御することができるため、
光出力と発振波長とを独立に制御することができる。
【0074】また本実施形態の半導体レーザ10では、
光増幅部26と光導波路部60とを有する光学デバイス
を1つの半導体デバイス14として構成したため、別々
の部品として構成した場合に必要となる光学的な結合を
図るための位置決め作業が不要となり、製造工程の簡略
化を図ることができる。
【0075】次に、本発明による半導体レーザの第4実
施形態について、図16を参照しながら説明する。
【0076】本実施形態の半導体レーザ10は、第3実
施形態の半導体レーザ10と比較して、光増幅部26で
発生された光を変調するためのマッハツェンダ型変調器
40を更に備えている。このマッハツェンダ型変調器4
0は、分岐部で2本に分岐された後に結合部で再び1本
に結合される光導波路42と、分岐された一対の光導波
路のそれぞれの屈折率を変化させるための電極44とを
有している。
【0077】このマッハツェンダ型変調器40は、光フ
ァイバ12との間で半導体デバイス14を挟むように配
置されており、半導体デバイス14とマッハツェンダ型
変調器40とは光学的に結合されている。
【0078】なお、半導体デバイス14とマッハツェン
ダ型変調器40とは、それぞれ別個の部品として構成し
てもよいし、マッハツェンダ型変調器40を半導体デバ
イス14上に一体的に設けてもよい。
【0079】半導体デバイス14とマッハツェンダ型変
調器40とを別個の部品として構成する場合は、両者の
光結合効率を上げるため、レンズ等を間に入れると好ま
しい。
【0080】一方、マッハツェンダ型変調器40を半導
体デバイス14上に一体的に設ける場合は、例えばInP
基板上にGaInAsP材料からなる半導体活性層32と、同
じくGaInAsP材料からなる光導波路部60の光導波路6
4を構成する半導体層と、同じくGaInAsP材料からなる
マッハツェンダ型変調器40の光導波路42を構成する
半導体層とを反応性イオンエッチングで形成する。そし
て、光導波路部60の光導波路64内に超周期グレーテ
ィング62を形成する。その後、それらの層を埋め込む
ための層を成長する。
【0081】この半導体レーザ10は、マッハツェンダ
型変調器40の側から光を取り出すようになっている。
そしてこの半導体レーザ10は、マッハツェンダ型変調
器40から出射された光を平行光に調整するための第1
のレンズ46と、平行光を集光するための第2のレンズ
48と、集光された光が伝搬する他の光ファイバ50と
を備えている。そして第1および第2のレンズ46,4
8の間には、光アイソレータ52が配置されている。
【0082】このように、本実施形態の半導体レーザ1
0では、マッハツェンダ型変調器40の側から光を取り
出すことにより、図示しない搭載部材内に光アイソレー
タ52を実装することが可能となる。これに対し、第3
実施形態の半導体レーザ10のように多波長回折グレー
ティング18が設けられた光ファイバ12の側から光を
取り出す場合は、搭載部材内に光アイソレータ52を組
み込むことが難しいため、光アイソレータ52を外付け
することになる。
【0083】また本実施形態の半導体レーザ10では、
マッハツェンダ型変調器40によって共振器の外部で発
振される光を変調することができるため、共振器内で変
調する場合に問題となるチャーピングの改善を図って、
単色性の高い発振光を得ることができる。
【0084】なお、本発明は上記した実施形態に限定さ
れることなく種々の変形が可能である。
【0085】例えば、光増幅部26とマッハツェンダ型
干渉部28、あるいは光増幅部26と光導波路部60を
半導体デバイス14として一体的に設けることなく、光
増幅部26とマッハツェンダ型干渉部28、あるいは光
増幅部26と光導波路部60をそれぞれ別々にSi基板や
セラミクス基板(AlN、Al2O3等)上に実装し、得られる
光増幅器とマッハツェンダ型干渉器、あるいは光増幅器
と光導波路部材とにより光学デバイスを構成してもよ
い。この場合、光増幅器とマッハツェンダ型干渉器、あ
るいは光増幅器と光導波路材の光結合効率を上げるた
め、レンズ等を間に入れると好ましい。
【0086】また、半導体デバイス14と光学部品とし
ての光ファイバ12とにより半導体レーザ10を構成す
ることなく、光学部品として光導波路内に超周期グレー
ティングが設けられた光導波路部材を用いてもよい。そ
して、光導波路部材を半導体デバイス14と一体的に設
けてもよい。なお、光学部品として光ファイバ12を用
いる場合、光導波路部材を用いる場合に必要となる超周
期グレーティングを半導体基板上に作成するという難し
い作業を避けることができる。特に第1および第2実施
形態の半導体レーザ10のように、光ファイバ12とマ
ッハツェンダ型干渉部28との組み合わせによれば、超
周期グレーティングを半導体基板上に作成するという難
しい作業を避けることができるため製作が容易である。
【0087】また、光学部品として光ファイバ12を用
いた場合、光増幅部26とマッハツェンダ型干渉部28
とに設けられた2箇所の電極30,38、あるいは光増
幅部26と光導波路部60とに設けられた2箇所の電極
30,66により光出力と発振波長と制御することがで
きるため、光学部品として3箇所の電極により制御する
ことが必要となる光導波路部材を用いる場合と比べて制
御が容易である。
【0088】また、光学部品として光ファイバ12を用
いた場合は2箇所の電極により制御を行うため、3箇所
の電極により制御する場合と比べて各電流のクロストー
ク(漏れ電流)や各電流注入に伴う発熱(温度変化)の
影響を抑えて、発振される光の波長のずれを抑えること
ができる。
【0089】
【発明の効果】本発明の半導体レーザでは、マッハツェ
ンダ型干渉部または光導波路部は独自の電極を備えてい
る。従って、当該電極を介して印加する電圧あるいは電
流を変化させることで、レーザ発振される光の出力の制
御とは独立してレーザ発振される光の波長を変化させる
ことが可能となる。
【0090】かかる半導体レーザは、例えばWDM光通
信分野において波長多重用光送信機やそのバックアップ
光源に好適に用いることができ、その場合は波長多重用
光送信機の装置構成のコンパクト化を図ることが可能と
なる。またかかる半導体レーザは、例えば波長ルーティ
ング装置における波長可変光源としても好適に用いるこ
とができ、かかる場合は各ルーティング場所に対応した
波長を選択できるという選択の自由度が増し、また高速
な処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による半導体レーザの第1実施
形態の構成を模式的に示す平断面図である。
【図2】図2は、図1におけるII−II線に沿った断面図
である。
【図3】図3は、多波長回折グレーティングの具体例を
示す図である。
【図4】図4は、図3に示す多波長回折グレーティング
の反射特性を示すグラフである。
【図5】図5(a)は、多波長回折グレーティングの他
の具体例を示す図である。また、図5(b)は、図5
(a)に示す多波長回折グレーティングの屈折率分布を
示す図である。
【図6】図6は、多波長回折グレーティングの他の具体
例を示す図である。
【図7】図7は、図6に示す多波長回折グレーティング
の反射特性を示すグラフである。
【図8】図8は、多波長回折グレーティングの他の具体
例を示す図である。
【図9】図9は、マッハツェンダ型干渉部の光導波路の
具体例を示す図である。
【図10】図10は、マッハツェンダ型干渉部の光導波
路の他の具体例を示す図である。
【図11】図11は、マッハツェンダ型干渉部からの戻
り光と、マッハツェンダ型干渉部に入射する入射光との
光強度の比Pout/Pinの波長依存性を示すグラフであ
る。
【図12】図12は、半導体レーザにおいて発振波長が
可変となる原理を説明するための説明図である。図12
(a)は、光ファイバの多波長回折グレーティングの反
射特性を示している。図12(b)は、マッハツェンダ
型干渉部が有する光強度比の波長依存性を示している。
図12(c)は、マッハツェンダ型干渉部が有する光強
度比の波長依存性がシフトした状態を示している。
【図13】図13は、本発明による半導体レーザの第2
実施形態の構成を模式的に示す平断面図である。
【図14】図14は、本発明による半導体レーザの第3
実施形態の構成を模式的に示す平断面図である。
【図15】図15は、図14のXV−XV線に沿った断面図
である。
【図16】図16は、本発明による半導体レーザの第4
実施形態の構成を模式的に示す平断面図である。
【符号の説明】
10…半導体レーザ、12…光ファイバ、14…半導体
デバイス、16…第1の端面、18…多波長回折グレー
ティング、20…グレーティング部、26…光増幅部、
28…マッハツェンダ型干渉部、32…半導体活性層、
34…光導波路、36…第2の端面、38…電極、40
…マッハツェンダ型変調器、60…光導波路部、62…
超周期グレーティング、64…光導波路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H079 AA02 AA12 BA01 DA16 EA05 EA07 EA08 EB04 GA01 KA11 KA18 5F073 AA83 AB12 AB21 AB25 AB28 CA12 DA25 EA29

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多波長でほぼ同じ強度の回折ピークを有
    する多波長回折グレーティングを有する光学部品と、 前記光学部品と光学的に結合された一端、所定の反射率
    を有する他端、前記一端と前記他端との間に設けられた
    光増幅部およびマッハツェンダ型干渉部を有する光学デ
    バイスと、を備え、 前記光増幅部は半導体活性層を含み、 前記マッハツェンダ型干渉部は前記半導体活性層に光学
    的に結合された光導波路の屈折率を変えるための複数の
    電極を有する、半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 前記光学デバイスは、前記光増幅部に含
    まれる前記半導体活性層と、前記マッハツェンダ型干渉
    部に含まれる前記光導波路を構成する半導体層とを有す
    る半導体デバイスである、請求項1に記載の半導体レー
    ザ。
  3. 【請求項3】 前記光学デバイスは、前記光増幅部を有
    する半導体光増幅器と、前記マッハツェンダ型干渉部を
    有するマッハツェンダ型干渉器とを含む、請求項1に記
    載の半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 多波長回折グレーティングを有する光学
    部品と、 前記光学部品と光学的に結合された一端、前記一端と対
    向する他端、前記一端と前記他端との間に設けられた光
    増幅部および超周期グレーティングが設けられた光導波
    路を含む光導波路部を有する光学デバイスと、を備え、 前記光増幅部は半導体活性層を含み、 前記光導波路部は前記半導体活性層に光学的に結合され
    た前記光導波路の屈折率を変えるための複数の電極を有
    する、半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 前記光学デバイスは、前記光増幅部に含
    まれる前記半導体活性層と、前記光導波路部に含まれる
    前記光導波路を構成する半導体層とを有する半導体デバ
    イスである、請求項4に記載の半導体レーザ。
  6. 【請求項6】 前記多波長回折グレーティングは、等間
    隔に配置された所定周期の複数のグレーティング部を有
    する、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体レーザ。
  7. 【請求項7】 前記多波長回折グレーティングは、第1
    の屈折率を有する複数の第1グレーティング部と、第2
    の屈折率を有する複数の第2グレーティング部とを有
    し、該第1グレーティング部と該第2グレーティング部
    とは交互に連続して配置されている、請求項1〜5のい
    ずれかに記載の半導体レーザ。
  8. 【請求項8】 前記多波長回折グレーティングは、等間
    隔に配置されたチャープされた複数のグレーティング部
    を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体レー
    ザ。
  9. 【請求項9】 前記多波長回折グレーティングは、それ
    ぞれ異なる周期の複数のグレーティング部を有し、各々
    のグレーティング部は空間的に重ねて配置されている、
    請求項1〜5のいずれかに記載の半導体レーザ。
  10. 【請求項10】 前記光学デバイスに光学的に結合さ
    れ、前記光増幅部で発生された光を変調するためのマッ
    ハツェンダ型変調器を更に備え、 前記光学デバイスは、前記マッハツェンダ型変調器と前
    記光学部品との間に配置されている、請求項1〜9のい
    ずれかに記載の半導体レーザ。
  11. 【請求項11】 前記光学部品は光ファイバを含み、前
    記多波長回折グレーティングは前記光ファイバに設けら
    れている、請求項1〜10のいずれかに記載の半導体レ
    ーザ。
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