JP4033643B2 - 圧電/電歪デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

圧電/電歪デバイスおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電/電歪デバイス、同圧電/電歪デバイスを構成する基体および同圧電/電歪デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電/電歪デバイスの一形式として、ヨーロッパ特許(EP1017116A2)明細書に開示されているように、相対向して互いに並列する一対の可動部およびこれら両可動部を一端部側にて互いに連結する連結部を有する基体と、同基体における前記両可動部の少なくとも一方の外側面に配設した圧電/電歪素子とを具備し、制御または検査の対象とする部品を前記基体を構成する前記両可動部の他端部の内面側にて挟持する使用形態を採る圧電/電歪デバイスがある。
【0003】
当該形式の圧電/電歪デバイスは、圧電/電歪素子の変位動作に起因する可動部の作動機能、または、被検出側から入力される可動部の変位を圧電/電歪素子により検出する検出機能を有するもので、これらの機能を有効に利用して、下記のごとき広い用途に使用されている。
【0004】
すなわち、当該形式の圧電/電歪デバイスは、各種トランスデューサ、各種アクチュエータ、周波数領域機能品(フィルタ)、トランス、通信用、動力用の振動子や共振子、発振子、ディスクリミネータ等の能動素子、超音波センサ、加速度センサ、角速度センサ、衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ素子、光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整の機構に用いられる各種アクチュエータ等に使用される。
【0005】
ところで、当該形式の圧電/電歪デバイスは、一般には、基体と少なくとも1つの圧電/電歪素子とからなり、これらは接着剤を介して互いに接着されている。また、基体は、一対の可動部を構成する構成部材とこれら両構成部材を連結する構成部材からなり、これらの構成部材は接着剤を介して互いに接着されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、当該形式の圧電/電歪デバイスは、その構成部材の部材の点数が多くて、コストが高いとともに組立作業が面倒であり、かつ、各構成部材同士を接着剤を介して接着していることから、各構成部材同士の接着にバラツキが生じて、デバイス特性に影響を及ぼすおそれがある。
【0007】
また、当該形式の圧電/電歪デバイスを製造するには、デバイス原盤を適宜に切断して多数取りする手段が採られることから、切断して形成された圧電/電歪デバイスは、切断時に発生する塵埃や切削液、さらには、切断時にデバイス原盤を保持するために使われる接着剤やワックス等の有機成分により汚染されていて、圧電/電歪デバイスの洗浄が容易ではない。
【0008】
また、基体をセラミックス、すなわち、複数枚のセラミックグレーンシート積層体の焼成体で構成する場合、セラミックスが割れ易いため、ジルコニア等の硬い材質のセラミックスを採用する必要があり、硬い材料のセラミックスを採用した場合でも、欠損やクラックが発生しないように適切な切断条件を選定する必要がある。また、基体が硬い材料のセラミックスであることから加工し難く、加工処理数を増やすためには、異なる機能の多くの加工装置を使用する等の配慮をする必要がある。
【0009】
なお、基体を金属材料で構成することも可能であるが、金属材料は切削加工中に摩擦熱で端面が酸化したり、加工端面にバリが残留するため、これらを除去する別工程を追加しなければならない。また、圧電/電歪素子の検査は、デバイス原盤を切断した後でなければすることができない。
【0010】
また、デバイス原盤から切り出してなるデバイスの洗浄には、汚れが容易に除去し得るように、超音波洗浄を採用することが好ましいが、超音波洗浄において洗浄効果を挙げるべく強い超音波を使用すると、デバイスにダメージを与えることがあり、圧電/電歪素子が基体から剥離したり破損することもある。このため、超音波洗浄を採用する場合には、デバイスにダメージを与えない弱い超音波を選定する必要があるが、このような洗浄条件を採用する場合には、切断時に付着する汚れを除去するには長時間を要することになる。
【0011】
圧電/電歪デバイスからの発塵は、例えば、ハードディスクドライブの磁気ヘッドのアクチュエータとして圧電/電歪デバイスを使用する場合にドライブの中で発塵すると、その塵が浮上スライダーとメディアのクラッシュの原因となり、データを破壊するおそれがある。また、圧電/電歪デバイス自身に対しても、その塵が圧電/電歪素子の電極に付着してショートを引起こすおそれがある。このため、ハードディスクドライブに対しては勿論のこと、デバイス自身にも高い清浄化度が要求される。
【0012】
従って、本発明の目的は、当該形式の圧電/電歪デバイスを構成する基体を、1枚の平板を原板とする一体構造とすることにより上記した各問題を解消するとともに、当該基体を構成部材とする圧電/電歪デバイスにおける圧電/電歪素子の変位動作に起因する可動部の作動機能、および、被検出側から入力される可動部の変位を圧電/電歪素子により検出する検出機能を向上させることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は圧電/電歪デバイスに関するもので、相対向して互いに並列する一対の可動部およびこれら両可動部を一端部側にて互いに連結する連結部を有する基体と、同基体における前記両可動部外側面に配設した圧電/電歪素子とを具備し、制御または検査の対象とする部品を前記基体を構成する前記両可動部の他端部の内面側にて挟持する使用形態を採る形式の圧電/電歪デバイスを適用対象とするものである。
【0014】
しかして、本発明に係る圧電/電歪デバイスは、上記した形式の圧電/電歪デバイスを構成する前記基体が可撓性で屈曲可能な1枚の帯状の平板にて一体的に形成されて前記各可動部は前記連結部の各端部から所定長さ他端側へ延びていて、前記各可動部の外側面のそれぞれに圧電/電歪素子が配設されていることを特徴とするものである。
【0015】
当該圧電/電歪ディスクにおいては、前記基体を、可撓性で屈曲可能な金属製の平板にて構成することができ、当該圧電/電歪デバイスは、制御または検査の対象とする部品を、前記基体を構成する前記両可動部の他端部の内面側にて挟持した状態で使用する。
【0016】
本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、前記圧電/電歪素子は前記可動部より短くて、同可動部の他端部側に位置している構成を採ることができるとともに、同可動部の一端部側に位置している構成を採ることができる。
【0017】
本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体を、前記両可動部の他端側に開口する略コ字状を呈する構成とすることができる。この場合には、前記基体に、前記連結部の内面側または外面側に平板部を設ける構成とすることができる。また、本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体を、前記両可動部の他端側に開口する略U字状を呈する構成や、各可動部と連結部の各端部間の連結部位が円弧状の凹所に形成する構成を採ることができる。さらにまた、本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体の各可動部における長手方向の中間部を薄肉状に形成する構成を採ることができる。
【0018】
また、本発明は、本発明に係る圧電/電歪デバイスを構成する基体を製造する方法であり、前記基体の形成材料として可撓性で屈曲加工の可能な平板を採用し、同平板を前記基体が平面状に展開された形状の平板に切断して細幅状の原板とし、同原板の所定の部位を屈曲して前記両可動部と前記連結部が一体の前記基体を形成することを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明は、本発明に係る圧電/電歪デバイスを製造する方法であり、前記基体の形成材料として、可撓性で屈曲加工の可能な平板を採用し、同平板を前記基体が平面状に展開された形状の平板に切断して細幅状の原板とし、同原板の所定の部位を屈曲することにより、前記両可動部と前記連結部が一体の前記基体を形成して、同基体を構成する両可動部の外側面のそれぞれに圧電/電歪素子を貼着して圧電/電歪デバイスを形成することを特徴とするものである。さらにまた、本発明に係る圧電/電歪デバイスを製造する他の製造方法は、前記基体の形成材料として、可撓性で屈曲加工の可能な平板であってその所定の部位に圧電/電歪素子が接着されている平板を採用し、同平板を前記圧電/電歪素子と一体に前記基体が平面状に展開された形状に切断して細幅状の原板とし、同原板の所定の部位を屈曲することにより、前記両可動部と前記連結部が一体の前記基体、および、前記両可動部の外側面のそれぞれに圧電/電歪素子が貼着されている圧電/電歪デバイスを形成することを特徴とするものである。
【0020】
【発明の作用・効果】
本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、圧電/電歪デバイスを構成する基体が1枚の帯状の平板で構成された一体構造のもので、基体は原則的には1個の構成部材で構成されていることから、構成部材は基体と圧電/電歪素子の2種類となり、圧電/電歪デバイスの構成部材を大幅に低減できるとともに、構成部材の組立工数を低減できて、コストを大幅に軽減することができる。また、本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、構成部材の部材の点数が極めて少なくて、各構成部材同士の接着部位も極めて少ないことから、各構成部材同士の接着のバラツキが皆無またはほとんどなくて、設定された精度の高いデバイス特性を有するものである。
【0021】
本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、上記した特殊な構造の基体における両可動部の外側面のそれぞれに圧電/電歪素子を備えている。このため、当該圧電/電歪デバイスにおいては、両圧電/電歪素子の駆動に起因して両可動部における部材の取付部位での変位量が大きくなり、圧電/電歪素子の変位動作に起因する可動部の作動機能、および、被検出側から入力される可動部の変位を圧電/電歪素子により検出する検出機能を大幅に向上させることができる。
【0022】
このように有効な圧電/電歪デバイスは、本発明に係る上記した各製造方法により容易かつ安価に製造することができるが、特に、本発明に係る圧電/電歪デバイスを構成する基体については、その形成材料として可撓性で屈曲加工の可能な平板を採用して、同平板を前記基体が平面状に展開された形状に切断して細幅状の原板とし、同原板の所定の部位を屈曲して両可動部と前記連結部が一体の基体を形成する製造方法を採ることにより、容易かつ安価に製造することができるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明は、相対向して互いに並列する一対の可動部およびこれら両可動部を一端部側にて互いに連結する連結部を有する基体と、同基体における両可動部の外側面に配設した圧電/電歪素子を具備してなる圧電/電歪デバイスであって、基体を、1枚の帯状の平板で一体的に、コ字状またはU字状に屈曲して形成されているものである。図1は、本発明に係る圧電/電歪デバイスの多数の実施形態(第1の実施形態〜第8の実施形態)を模式的に示しているものである。
【0024】
図1の(a)〜(f)に示す第1〜第6の各実施形態は、基体がコ字状を呈する圧電/電歪デバイスであり、同図の(g)に示す第7の実施形態は、基体がU字状を呈する圧電/電歪デバイスであり、かつ、同図の(h)に示す第8の実施形態は、基体がコ字状を呈していて、各可動部と連結部の各端部間の連結部位が円弧状の凹所に形成されている圧電/電歪デバイスである。
【0025】
第1の実施形態である第1圧電/電歪デバイス10a、および、第2の実施形態である第2圧電/電歪デバイス10bは、本発明に係る圧電/電歪デバイスの基本的な構成を有するもので、第1圧電/電歪デバイス10aは図2および図3に示す方法により形成され、かつ、第2圧電/電歪デバイス10bは図4に示す方法により形成されている。
【0026】
第1圧電/電歪デバイス10aは、図3(c)に示すように、基体11と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなり、基体11は、細幅で長尺の原板をコ字状に屈曲して形成されているもので、左右一対の可動部11a,11bと、両可動部11a,11bを一端部側にて互いに連結する連結部11cにて構成されている。当該基体11においては、各可動部11a,11bの外側面に、各圧電/電歪素子12a,12bがエポキシ樹脂等からなる接着剤を介して接着されている。
【0027】
各圧電/電歪素子12a,12bは、圧電/電歪層と電極膜からなる多層体であって、各可動部11a,11bとは同一形状で、所定長さ短く形成されていて、各可動部11a,11bにおける一端部側にて連結部11cに近接して接着されて、各可動部11a,11bの他端部側へ所定長さ延びている。
【0028】
第1圧電/電歪デバイス10aにおいては、基体11の連結部11cには、図示しないアクチュエータが配設され、かつ、両可動部11a,11b間には、たとえば図示しない被制御部品であるハードディスク用の磁気ヘッド(スライダ)が配設されて使用される。
【0029】
しかして、第1圧電/電歪デバイス10aを構成する基体11を構成するための原板としては、図3(b)に示す原板11Aが採用されており、同原板11Aは、図2(a),(b)および図3(a)に示す方法により形成されている。図3(b)に示す原板11Aは、同図に示す2点鎖線に沿って屈曲加工を施すことにより、図3(c)に示す第1圧電/電歪デバイス10aに形成される。
【0030】
原板11Aの構成部材は、基本的には、図2(a),(b)に示す平板11A1であるが、各圧電/電歪素子12a,12bとなる、2枚の長尺の圧電/電歪素子原板12A,12Bが接着されているものである。両圧電/電歪素子原板12A,12Bが接着されている平板11A1は、図3(a)に示す1点鎖線、およびこれに平行な線に沿って多数の部位にて切断され、これにより、同図(b)に示す原板11Aが多数形成される。原板11Aは、同図(b)に示す2点鎖線に沿って屈曲加工を施されて、同図(c)に示す第1圧電/電歪デバイス10aが形成される。
【0031】
平板11A1は可撓性であって、ヤング率が100GPa以上の金属製の平板であることが好ましい。これに該当する鉄系材料としては、SUS301、SUS304、AISI653、SUH660等のオーステナイト系ステンレス鋼、SUS430、SUS434等のフェライト系ステンレス鋼、SUS410、SUS630等のマルテンサイト系ステンレス鋼、SUS6312、AISI632等のセミオーステナイト系ステンレス鋼、エルマージングステンレス鋼、各種ばね鋼等の鋼材を挙げることができる。また、非鉄系材料としては、チタン−ニッケル合金等の超弾性チタン合金、黄銅、白銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ベリリウム銅、リン青銅、ニッケル、ニッケル鉄合金、チタン等を挙げることができる。
【0032】
なお、基体を金属材料で構成する際には、基体の少なくとも可動部に対応する部位が、冷間圧延加工されている金属板を採用することが好ましい。
【0033】
しかして、第1圧電/電歪デバイス10aは、従来のこの種形式の圧電/電歪デバイスと同様に機能するものであるが、基体11が原板11Aを構成部材とする一体構造のものであることから、下記のごとき作用効果を奏するものである。
【0034】
すなわち、第1圧電/電歪デバイス10aは、原板11Aのみからなる一体構造の基体11を構成部材とするもので、構成部材は基体11と圧電/電歪素子(12a,12b)の2種類となり、圧電/電歪デバイス10aの構成部材を大幅に低減できるとともに、構成部材の組立工数を大幅に低減できて、コストを大幅に軽減することができる。
【0035】
また、第1圧電/電歪デバイス10aにおいては、構成部材の点数が極めて少なくて、各構成部材同士の接着部位も極めて少ないことから、各構成部材同士の接着のバラツキが皆無またはほとんどなくて、設定された精度の高いデバイス特性を有するものとなる。
【0036】
また、第1圧電/電歪デバイス10aにおいては、基体11の構成部材である原板11Aの形成材料(平板11A1)には、圧電/電歪素子原板12A,12Bを予め接着しておき、平板11A1を圧電/電歪素子原板12A,12Bと一体に切断することにより原板11Aを形成する構成を採用しているため、圧電/電歪デバイスの組立時に、圧電/電歪素子12a,12bを、極めて細くて小さい部位である各可動部11a,11bに接着する作業を解消することができ、組立が容易であるとともに、圧電/電歪素子12a,12bの各可動部11a,11bに対する接着精度を一層向上させることができる。
【0037】
図1(b)に示す第2の実施形態である第2圧電/電歪デバイス10bは、本発明に係る圧電/電歪デバイスの他の基本的な構成を有するもので、図4に示す方法で形成される。
【0038】
第2圧電/電歪デバイス10bは、図4(c)に示すように、基体13と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなるもので、この点では、第1圧電/電歪デバイス10aと同様であるが、第1圧電/電歪デバイス10aとは、各圧電/電歪素子12a,12bの配設位置のみが相違している。第2圧電/電歪デバイス10bにおいては、各圧電/電歪素子12a,12bは、各可動部13a,13bにおける他端部側に接着されて、各可動部11a,11bの一端部側、すなわち、基体13の連結部13c側へ所定長さ延びている。
【0039】
しかして、第2圧電/電歪デバイス10bを構成する基体13を構成するための原板としては、図4(b)に示す原板13Aが採用されており、同原板13Aは、同図(a)に示す平板13A1を1点鎖線に沿って切断することにより形成されている。平板13A1には、その前後の端縁部に圧電/電歪素子原板12A,12Bが接着されていて、平板13A1は、2箇所の1点鎖線のみならず、これらの1点鎖線に平行な図示しない多数の切断線に沿っても切断されて、多数の原板13Aが切り出されるものである。
【0040】
原板13Aは、図4(b)に示す2点鎖線に沿って屈曲加工されて、同図(c)に示す第2圧電/電歪デバイス10bに形成される。第2圧電/電歪デバイス10bは、両圧電/電歪素子12a,12bが両可動部13a,13bの他端部側に位置している点で、第1圧電/電歪デバイス10aとは構成を異にするが、その他の点では同一構成である。従って、第2圧電/電歪デバイス10bは、第1圧電/電歪デバイス10aと類似する機能を有するとともに、同様の作用効果を奏するものである。
【0041】
図1(c),(d)に示す第3の実施形態および第4の実施形態である第3,第4圧電/電歪デバイス10c,10dは、第1圧電/電歪デバイス10aを基本構成とするものであり、また、同図(e),(f)に示す第5の実施形態および第6の実施形態である第5,第6圧電/電歪デバイス10e,10fは、第2圧電/電歪デバイス10bを基本構成とするものである。
【0042】
図1(c)に示す第3圧電/電歪デバイス10cは、図5(c)に示すように、基体14と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなるもので、この点では、第1圧電/電歪デバイス10aと同様であるが、基体14を構成する連結部14cに平板部14dが設けられている点で、第1圧電/電歪デバイス10aとは相違する。平板部14dは、両可動部14a,14b間内にて連結部14cの内面側に位置している。平板部14dは、連結部14cを補強すべく機能するとともに、連結部14cをアクチュエータ等の支持部として使用する場合の、アクチュエータ等に対する接着面積を拡大すべく機能する。
【0043】
しかして、第3圧電/電歪デバイス10cの基体14を構成するための原板としては、図5(b)に示す原板14Aが採用されており、同原板14Aは、同図(a)に示す平板14A1を1点鎖線に沿って切断することにより形成されている。平板14A1には、その表面の前後の中間部の2箇所に圧電/電歪素子原板12A,12Bが接着されているとともに、その裏面の前後の中央部に平板部14dを形成する平板状部材14Dが接着されている。平板14A1は、同図(a)に示す1点鎖線およびこれらに並列する図示しない切断線に沿って切断されて、多数の原板14Aが切り出される。
【0044】
原板14Aは、図5(b)に示す2点鎖線に沿って屈曲加工されていて、同図(c)に示す第3圧電/電歪デバイス10cに形成されている。第3圧電/電歪デバイス10cは、平板部14dを備えている点で、第1圧電/電歪デバイス10aとは構成を異にするが、その他の点では同一構成である。従って、第3圧電/電歪デバイス10cは、第1圧電/電歪デバイス10aと同様の機能を有するとともに、同様の作用効果を奏するものであるが、平板部14dに起因して、連結部14cに対して補強する機能、および、接着面積を拡大する機能を有するものである。
【0045】
図1(d)に示す第4圧電/電歪デバイス10dは、図6(c)に示すように、基体15と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなるもので、この点においては、第1圧電/電歪デバイス10aと同様であるが、基体15を構成する連結部15cに平板部15dが設けられている点で、第1圧電/電歪デバイス10aとは相違する。平板部15dは、両可動部15a,15b間とは反対側である連結部15cの外面側に位置している。平板部15dは、連結部15cをアクチュエータ等の支持部として使用する場合の、アクチュエータ等に対する接着面積を拡大すべく機能する。
【0046】
しかして、第4圧電/電歪デバイス10dの基体15を構成するための原板としては、図6(b)に示す原板15Aが採用されており、同原板15Aは、同図(a)に示す平板15A1を1点鎖線に沿って切断することにより形成されている。平板15A1には、その表面の前後の中間部の2箇所に圧電/電歪素子原板12A,12Bが接着されているとともに、その表面の前後の中央部に平板部15dを形成する平板状部材15Dが接着されている。平板15A1は、同図(a)に示す1点鎖線およびこれらに並列する図示しない切断線に沿って切断されて、多数の原板15Aが切り出される。
【0047】
原板15Aは、図6(b)に示す2点鎖線に沿って屈曲加工されていて、同図(c)に示す第4圧電/電歪デバイス10dに形成されている。第4圧電/電歪デバイス10dは、平板部15dを備えている点で、第1圧電/電歪デバイス10aとは構成を異にするが、その他の点では同一構成である。従って、第4圧電/電歪デバイス10dは、第1圧電/電歪デバイス10aと同様の機能を有するとともに、同様の作用効果を奏するものであるが、平板部15dに起因して、連結部15cに対して接着面積を拡大する機能を発揮する。
【0048】
図1(e)に示す第5圧電/電歪デバイス10eは、同図(b)に示す第2圧電/電歪デバイス10bを基本構成とするもので、図7(c)に示すように、基体16と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなり、この点においては、第2圧電/電歪デバイス10bと同様であるが、基体16を構成する連結部16cに平板部16dが設けられている点で、第2圧電/電歪デバイス10bとは相違する。平板部16dは、両可動部16a,16b間とは反対側の連結部16cの外面側に位置している。平板部16dは、連結部16cをアクチュエータ等の支持部として使用する場合の、アクチュエータ等に対する接着面積を拡大すべく機能する。
【0049】
しかして、第5圧電/電歪デバイス10eの基体16を構成するための原板としては、図7(b)に示す原板16Aが採用されており、同原板16Aは、同図(a)に示す平板16A1を1点鎖線に沿って切断することにより形成されている。平板16A1には、その表面の前後の端部の2箇所に圧電/電歪素子原板12A,12Bが接着されているとともに、その表面の前後の中央部に平板部16dを形成する平板状部材16Dが接着されている。平板16A1は、同図(a)に示す1点鎖線およびこれらに並列する図示しない切断線に沿って切断されて、多数の原板16Aが切り出されるものである。
【0050】
原板16Aは、図7(b)に示す2点鎖線に沿って屈曲加工されていて、同図(c)に示す第5圧電/電歪デバイス10eに形成されている。第5圧電/電歪デバイス10eは、平板部16dが形成されている点で、第2圧電/電歪デバイス10bとは構成を異にするが、その他の点では同一構成である。従って、第5圧電/電歪デバイス10eは、第2圧電/電歪デバイス10bと同様の機能を有するとともに、同様の作用効果を奏するものであるが、平板部16dに起因して、連結部16cに対して接着面積を拡大する機能を発揮する。
【0051】
図1(f)に示す第6圧電/電歪デバイス10fは、同図(b)に示す第2圧電/電歪デバイス10bを基本構成とするもので、図8(c)に示すように、基体17と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなり、基体17を構成する連結部17cに平板部17dが設けられている点においては、第5圧電/電歪デバイス10eと同一構成である。但し、第6圧電/電歪デバイス10fは、両可動部17a,17bの長手方向の中間部が所定の長さにわたって薄肉部17a1,17b1に形成されており、この点において、第5圧電/電歪デバイス10eとは相違する。両可動部17a,17bの薄肉部17a1,17b1は、両可動部17a,17bの変位量を高めるべく機能する。
【0052】
しかして、第6圧電/電歪デバイス10fの基体17を構成するための原板としては、図8(b)に示す原板17Aが採用されており、同原板17Aは、同図(a)に示す平板17A1を1点鎖線に沿って切断することにより形成されている。平板17A1には、その表面の前後の端部の2箇所に圧電/電歪素子原板12A,12Bが接着されているとともに、その表面の前後の中央部に平板部17dを形成する平板状部材17Dが接着されている。
【0053】
また、平板17A1においては、その前後方向における中間部の2箇所の部位が所定の長さにわたって薄肉部17a1,17b1に形成されている。平板17A1は、同図(a)に示す1点鎖線およびこれらに並列する図示しない切断線に沿って切断されて、多数の原板17Aが切り出されるものである。
【0054】
原板17Aは、図8(b)に示す2点鎖線に沿って屈曲加工されていて、同図(c)に示す第6圧電/電歪デバイス10fに形成されている。第6圧電/電歪デバイス10fは、各可動部17a,17bが薄肉部17a1,17b2を有している点においては、第5圧電/電歪デバイス10eとは構成を異にするが、その他の点においては同一構成である。従って、第6圧電/電歪デバイス10fは、第5圧電/電歪デバイス10eと同様の機能を有するとともに、同様の作用効果を奏するものであるが、薄肉部17a1,17b1に起因して、各可動部17a,17bの変位量を増大する機能を発揮する。
【0055】
なお、平板17A1や、基体17における各可動部17a,17bの薄肉部17a1,17b1については、エッチング、レーザ加工、放電加工、イオンミリング、サンドブラスト、ドリル加工等の手段を採用して形成することができるとともに、打ち抜き加工した板を余分に準備して、これを基板の対応する部位に張り合わせることにより形成することができる。
【0056】
図1(g),(h)に示す第7,第8の実施形態である第7圧電/電歪デバイス10gおよび第8圧電/電歪デバイス10hは、第1,第2の実施形態である第1圧電/電歪デバイス10aおよび第2圧電/電歪デバイス10bとは形式を異にするものである。
【0057】
第7の実施形態である第7圧電/電歪デバイス10gは、図9(c)に示すように、基体18と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなり、基体18を構成する連結部18cは円弧状を呈している点において、第2圧電/電歪デバイス10bとは相違する。円弧状の連結部18cは、両可動部18a,18bの変位量の増大と円滑な変位動作を図るべく機能する。
【0058】
しかして、第7圧電/電歪デバイス10gの基体18を構成するための原板としては、図9(b)に示す原板18Aが採用されており、同原板18Aは、同図(a)に示す平板18A1を1点鎖線に沿って切断することにより形成されている。平板18A1には、その表面の前後の端部の2箇所に圧電/電歪素子原板12A,12Bが接着されているもので、平板18A1は、同図(a)に示す1点鎖線およびこれらに並列する図示しない切断線に沿って切断されて、多数の原板18Aが切り出される。
【0059】
原板18Aは、図9(b)に示す2点鎖線に沿って屈曲加工されていて、同図(c)に示す第7圧電/電歪デバイス10gに形成されている。第7圧電/電歪デバイス10gは、両可動部18a,18bを連結する連結部18cが円弧状を呈している点において、第2圧電/電歪デバイス10bとは構成を異にするが、その他の点においては同一の構成である。従って、第7圧電/電歪デバイス10gは、第2圧電/電歪デバイス10bと同様の機能を有するとともに、同様の作用効果を奏するものであるが、円弧状の連結部18cに起因して、両可動部18a,18bの変位量の増大と円滑な変位動作を図るべく機能する。
【0060】
図1(h)に示す第8圧電/電歪デバイス10hは、図10(c)に示すように、基体19と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなり、基体19を構成する各可動部19a,19bと連結部19cとを連結する連結部位19c1、19c2が円弧状の凹所に形成されている点において、第2圧電/電歪デバイス10bとは相違する。円弧状凹所の連結部位19c1、19c2は、両可動部19a,19bの変位量の増大と円滑な変位動作を図るべく機能する。
【0061】
しかして、第8圧電/電歪デバイス10hの基体19を構成するための原板としては、図10(b)に示す原板19Aが採用されており、同原板19Aは、同図(a)に示す平板19A1を1点鎖線に沿って切断することにより形成されている。平板19A1は、その前後の中間部の2箇所の部位が波形状に形成されている。これらの波形状部位19c3、19c4は、連結部位19c1、19c2に対応するもので、原板19Aが屈曲加工された際に、連結部位19c1、19c2を形成する。平板19A1には、その表面の前後の端部の2箇所に圧電/電歪素子原板12A,12Bが接着されている。平板19A1は、同図(a)に示す1点鎖線およびこれらに並列する図示しない切断線に沿って切断されて、多数の原板19Aが切り出されるものである。
【0062】
原板19Aは、図10(b)に示す2点鎖線に沿って屈曲加工されていて、同図(c)に示す第8圧電/電歪デバイス10hに形成される。第8圧電/電歪デバイス10hは、両可動部19a,19bを連結部19cに連結する連結部位19c1、19c2が円弧状の凹所に形成されている点において、第2圧電/電歪デバイス10bとは構成を異にするが、その他の点においては同一構成である。従って、第8圧電/電歪デバイス10hは、第2圧電/電歪デバイス10bと同様の機能を有するとともに、同様の作用効果を奏するものであるが、連結部位19c1、19c2に起因して、両可動部19a,19bの変位量の増大と円滑な変位動作を図るべく機能する。
【0063】
以上の各圧電/電歪デバイスの製造する方法において、圧電/電歪素子原板を張り付けた平板11A1〜19A1を切断する手段としては、ダイシング加工、ワイヤーソー加工等の機械加工や、YAGレーザ、エキシマレーザ等のレーザ加工や、電子ビーム加工等の手段を採用することができる。
【0064】
上記した各実施形態に係る圧電/電歪デバイス10a〜10hを構成する圧電/電歪素子12a,12bは、圧電/電歪層とこれに電界を印加するための一対の電極を備えるもので、ユニモルフ型、バイモルフ型等の圧電/電歪素子である。これらの圧電/電歪素子のうちでも、ユニモルフ型の圧電/電歪素子は、派生する変位の安定性に優れ、かつ、軽量化にとって有利であることから、圧電/電歪デバイスの構成部品として適している。
【0065】
図11および図12には、圧電/電歪デバイス10a〜10hを構成する圧電/電歪素子12a,12bとして、好適に採用される数例の圧電/電歪素子21〜24を示している。
【0066】
図11(a)に示す圧電/電歪素子21は、圧電/電歪層が1層である単層構造のもので、圧電/電歪層21a、一対の第1,第2電極21b,21c、および、一対の端子21d,21eにて構成されている。同図(b)に示す圧電/電歪素子22は、圧電/電歪層が2層である2層構造のもので、圧電/電歪層22a(22a1,22a2)、両圧電/電歪層22a1,22a2間に介在する第1電極22b、両圧電/電歪層22a1,22a2の外側面を包囲する第2電極22c、および、一対の端子22d,22eにて構成されている。
【0067】
また、図12に示す圧電/電歪素子23,24は、圧電/電歪層が4層である4層構造のものである。同図(a)に示す圧電/電歪素子23は、圧電/電歪層23a(23a1〜23a4)、これらの両圧電/電歪層間に介在し包囲する第1,第2電極23b,23c、および、一対の端子23d,23eにて構成されている。
【0068】
また、同図(b)に示す圧電/電歪素子24は、圧電/電歪素子23とは端子の配設部位を異にするもので、圧電/電歪層24a(24a1〜24a2)、これらの両圧電/電歪層間に介在し包囲する第1,第2電極24b,24c、および、一対の端子24d,24eにて構成されている。
【0069】
これらの各圧電/電歪素子21〜24は、各圧電/電歪デバイスの圧電/電歪素子12a,12bとして、圧電/電歪デバイスの用途に応じて適宜採用されるものである。
【0070】
各圧電/電歪素子21〜24を構成する圧電/電歪層21a〜24aには圧電セラミックスが用いられるが、電歪セラミックス、強誘電セラミックス、反強誘電セラミックス等を用いることも可能である。但し、圧電/電歪デバイスをハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決め手段等に使用する場合には、磁気ヘッドの取付部における変位量と駆動電圧または出力電圧とのリニアリティが重要であることから、歪み履歴の小さい材料を用いることが好ましい。抗電界が10kV/mm以下の材料を用いることが好ましい。
【0071】
圧電/電歪層21a〜24aを形成するための材料としては、具体的には、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス等の単独、または、これらの適宜の混合物等を挙げることができる。特に、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛を主成分とする材料、または、チタン酸ナトリウムビスマスを主成分とする材料が好適である。
【0072】
圧電/電歪層21a〜24aを形成するための材料には、適宜の材料を添加して、圧電/電歪層の特性を調整することができる。添加材としては、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セシウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸化物、または、最終的に酸化物となる材料の単独、もしくは、これらの適宜の混合物等を挙げることができる。
【0073】
例えば、主成分であるジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛等に、ランタンやストロンチウムを含有させることにより、抗電界や圧電特性を調整し得る利点がある。なお、シリカ等のガラス化し易い材料の添加は避けるべきである。何故ならば、シリカ等のガラス化し易い材料は、圧電/電歪層の熱処理時に圧電/電歪層と反応し易く、その組成を変化させて圧電特性を劣化させるからである。
【0074】
各圧電/電歪素子21〜24を構成する電極21b,21c〜24b,24cは、室温で固体であって、導電性に優れた金属材料で形成されることが好ましい。金属材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属の単体、または、これら金属の合金等を挙げることができる。また、これらの金属材料に圧電/電歪層と同じ材料または異なる材料のセラミックスを分散させてなるサーメット材料を用いることもできる。
【0075】
各圧電/電歪素子21〜24は、圧電/電歪層21a〜24aと各電極21b,21c〜24b,24cを互いに積層した状態で、一体的に焼成することにより形成することが好ましい。この場合には、電極としては、白金、パラジウム、またはこれらの合金等の高融点金属材料からなるもの、高融点金属材料と圧電/電歪層の形成材料や他のセラミックス材料との混合物であるサーメット材料からなる電極を採用することが好ましい。電極の厚みは、圧電/電歪素子の変位に影響を及ぼす要因になることから、極力薄い薄膜状であることが好ましい。このため、圧電/電歪層と一体に焼成されて形成される電極が極力薄い薄膜状となるためには、電極を形成する材料は金属ペースト、例えば金レジネートペースト、白金レジネートペースト、銀レジネートペースト等の形態で使用することが好ましい。
【0076】
各圧電/電歪素子21〜24の厚みは、各実施形態の圧電/電歪デバイスの圧電/電歪素子12a,12bとして使用する場合には、40μm〜180μmの範囲が好ましい。厚みが40μm未満である場合には、取扱い中に破損し易く、また、厚みが180μmを越える場合には、デバイスの小型化が困難となる。また、圧電/電歪素子は、圧電/電歪素子23,24のごとく多層構造とすることによりその出力を増加させて、デバイスの変位の拡大を図ることができる。また、圧電/電歪素子を多層構造とすることにより、デバイスの剛性が向上することから、デバイスの共振周波数が高くなって、デバイスの変位動作を高速化できる利点がある。
【0077】
各圧電/電歪素子21〜24は、圧電/電歪層と電極を印刷またはテープ成形により積層して焼成してなる大面積の原板を、ダイサー、スライサー、ワイヤーソウ等により所定寸法に多数個切出す手段で作成される。圧電/電歪素子21〜24は、公知のセラミックス基体に比較して薄くて硬度が低いため、原板の切削速度を速く設定できて高速で大量に加工処理できる。
【0078】
各圧電/電歪素子21〜24は、単純な板状構造であって取扱いが容易であり、また、汚れの付着量が少なくて汚れを除去し易い。但し、圧電/電歪素子21〜24は、セラミックス材料を主体とすることから、超音波洗浄では、適切な洗浄条件を設定する必要がある。原板から切出された圧電/電歪素子においては、US洗浄で精密洗浄した後、大気中、100℃〜1000℃で熱処理することにより、セラミックス材料の微細な気孔に入り込んでいる水分と有機物を完全に除去するようにすることが好ましい。
【0079】
以上の各圧電/電歪素子21〜24の製造を総合すれば、圧電/電歪素子の製造には、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法等の厚膜形成法や、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相成長法(CVD)、めっき法等の薄膜形成法を採用することができる。これらの製造方法を採用して圧電/電歪素子を形成するには、圧電/電歪素子を、基体または基体の原板である平板上に直接形成することができ、また、適宜の支持基板上に形成し、これを剥がして基体または平板上に貼り付けるようにしてもよい。
【0080】
各実施形態に係る圧電/電歪デバイス10a〜10hを構成する圧電/電歪素子12a,12bとして、各圧電/電歪素子21〜24を採用する場合、各圧電/電歪素子21〜24の基体に対する接着手段としては、エポキシ樹脂、UV樹脂、ホットメルト接着剤等の樹脂系接着剤や、ガラス、セメント、半田、ロウ材等の無機系の接着剤を使用することが好ましく、また、樹脂系接着剤に金属粉末やセラミックス粉末を混合したものを使用することもできる。接着剤の硬度はショアDで80以上が好ましい。
【0081】
また、各圧電/電歪素子21〜24を採用する他の態様としては、圧電/電歪デバイス10a〜10hの製造方法で示したように、基体の元板である平板に圧電/電歪素子原板12A,12Bと同様の圧電/電歪素子原板を接着しておき、この平板を適宜の幅に切断して、基体の原板と一体に切り出す態様を採ることもできる。これにより、図11または図12に示す形状の圧電/電歪素子21〜24が基体の原板上に一体に形成される。
【0082】
なお、基体における圧電/電歪素子が接着される表面の部位には、予め、ブラスト、エッチング、めっき等の粗面加工を施しておくことが好ましい。接着部位の表面粗さをRa=0.1μm〜5μm程度にすることにより、接着面積を増大して接着強度を向上させることができる。この場合、圧電/電歪素子側の接着部位の表面も粗い方が好ましい。電極を基体とは導通させたくない場合には、最下層の圧電/電歪層の表面に電極を配置しないようにする。
【0083】
接着剤として、半田、ロウ材を用いる場合には、濡れ性をよくするために、圧電/電歪素子の表面に金属材料の電極層を配置することが好ましい。接着剤の厚みは、1μm〜50μmの範囲であることが好ましい。接着剤の厚みは、薄い方がデバイスの変位および共振特性のばらつきを減らす点、および省スペース化の点で好ましいが、接着強度、変位、共振等の特性を確保するためには、採用する接着剤毎に最適の厚みを設定するようにする。
【0084】
各圧電/電歪素子21〜24を各実施形態に係る圧電/電歪デバイス10a〜10hに採用する場合の選択は、圧電/電歪デバイス10a〜10hの用途に基づいて行う。圧電/電歪層の層数が少ない圧電/電歪素子では消費電力は小さいが駆動力も小さく、逆に、圧電/電歪層の層数が多い圧電/電歪素子では消費電力は大きいが駆動力も大きい。これらのことを考慮して、圧電/電歪デバイスの用途に適した圧電/電歪素子を選択する。一般には、圧電/電歪素子は、圧電/電歪層が複数層のものが好ましく、圧電/電歪層が3層〜10層の範囲の圧電/電歪素子が好適に採用できる。圧電/電歪素子における電極の位置ずれは、50μm以下であることが好ましい。
【0085】
【実施例】
本実施例では、図1(b)に示す、本発明に係る第2の実施形態である第2圧電/電歪デバイス10bの範疇に属する圧電/電歪デバイスを作成して、当該圧電/電歪デバイスを本発明に係る圧電/電歪デバイスの代表例として挙げ、当該圧電/電歪デバイス基づいて、本発明に係る圧電/電歪デバイスの構成、動作、作用効果等を詳細に説明する。図13には、当該圧電/電歪デバイスを平面的に示している。
【0086】
当該圧電/電歪デバイス30においては、基体31と、一対の圧電/電歪素子32からなるもので、各圧電/電歪素子32として、図12(b)に示す圧電/電歪素子24を採用している。従って、圧電/電歪素子32の各構成部材の以下での説明では、圧電/電歪素子24の各構成部材の24番台の各符号を、32番台の各符号に変更して使用する。
【0087】
当該圧電/電歪デバイス30を構成する基体31は、相対向して互いに並列する一対の可動部31a,31bと、両可動部31a,31bをそれらの一端部にて互いに連結している連結部31cとからなるコ字状を呈するもので、両可動部31a,31bと連結部31cとは、帯状の平板で一体的に形成されているものである。基体31は、両可動部31a,31bの他端部側に開口していて、両可動部31a,31bの他端部側の内側面が、磁気ヘッド等の部品Hを取付けるための取付部位31a1,31b1に形成されている。
【0088】
各圧電/電歪素子32は、各可動部31a,31bにおける他端部の外側面に貼着されて、各可動部31a,31bの他端から一端部側へ所定長さ延びている。また、部品Hは、各可動部31a,31bにおける取付部位31a1,31b1に、各端部を接着剤31a2,31b2を介して固着されている。
【0089】
当該圧電/電歪デバイス30を構成する基体31の各部位、および、圧電/電歪素子32の各部位の寸法は、両可動部31a,31bの部品Hに対する支持強度、両可動部31a,31bが部品Hに付与する変位量等を考慮して最適の寸法関係に設定される。
【0090】
当該圧電/電歪デバイス30においては、例えば、基体31は板厚40μmのSUS304で形成されている。また、圧電/電歪素子32は、図12(b)に示す圧電/電歪素子24を使用しているもので、PZTを使用した4層構造体であって、圧電/電歪層32aの各層の厚みが15μm、各電極32b,32cは3μmの白金、各端子32d,32eは金ペーストからなる薄膜である。各圧電/電歪素子32は、1液の熱硬化エポキシ樹脂接着剤で各可動部31a,31bの外側面に接着される。
【0091】
かかる構成の当該圧電/電歪デバイス30においては、圧電/電歪素子32を駆動電圧20±20Vの1kHzの正弦波で駆動させた場合の、各可動部31a,31bにおける各取付部31a1,31b1の変位を測定したところ、±1.5μmであった。また、正弦波電圧±0.5Vとして周波数を掃引して変位の最大値を示す共振周波数を測定したところ、45kHzであった。
【0092】
次に、本発明に係る圧電/電歪デバイスの動作を、上記した圧電/電歪デバイス30に基づいて説明するに、図13には当該圧電/電歪デバイス30の非作動の状態を示し、また、図14には当該圧電/電歪デバイス30の作動状態を示している。
【0093】
当該圧電/電歪デバイス30において、各圧電/電歪素子32に電圧が印加されていない非作動時には図13に示す状態にあり、圧電/電歪デバイス30の長軸mと、各取付部位31a1,31b1間の中心軸nとはほぼ一致している。この状態で、例えば、図15(a)の波形図に示すように、一方の圧電/電歪素子32における一対の電極32b,32cに所定のバイアス電位Vbを有するサイン波Wbをかけ、同図(b)に示すように、他方の圧電/電歪素子32における一対の電極32b,32cに、前記サイン波Wbとはほぼ180度位相の異なるサイン波Waをかける。
【0094】
これにより、一方の圧電/電歪素子32における一対の電極32b,32cに対して、例えば、最大値の電圧が印加された段階では、一方の圧電/電歪素子32における圧電/電歪層32aは、その主面方向に収縮変位する。このため、当該圧電/電歪デバイス30においては、例えば図14に示すように、基体31の一方の可動部31aに対して図示右方向(矢印A方向)に撓ませる応力が発生することから、可動部31aは同方向に撓む。
【0095】
この場合、他方の圧電/電歪素子32における一対の電極32b,32cは、電圧が印加されない状態にあるため、基体31の他方の可動部31bは一方の可動部31aの撓みに追従して、可動部31aと同方向へ撓む。この結果、両可動部31a,31bは、圧電/電歪デバイス30の長軸mに対して、図示右方向へ変位する。この変位の変位量は、各圧電/電歪素子32に対する印加電圧の最大値に応じて変化する。電圧の最大値が大きくなるほど、変位量は大きくなる。
【0096】
特に、圧電/電歪素子32を構成する圧電/電歪層32aの構成材料として、高い抗電界を有する圧電/電歪材料を採用した場合には、図15の(a),(b)の2点鎖線の波形に示すように、最小値のレベルがわずかに負のレベルとなるように、前記バイアス電位を調整するようにしてもよい。この場合、負のレベルのバイアス電位が印加されている圧電/電歪素子、例えば、他方の圧電/電歪素子32の駆動によって、例えば、基体31の他方の可動部31bに一方の可動部31aの撓み方向と同方向の応力が発生し、取付部位31a1,31b1の変位量をより大きくすることが可能となる。
【0097】
換言すれば、図15の(a),(b)におけるの2点鎖線で示す波形を使用することにより、負のレベルのバイアス電位が印加されている圧電/電歪素子32は、変位動作の主体となっている圧電/電歪素子32をサポートするという機能を持たせることができる。
【0098】
このように、当該圧電/電歪デバイス30においては、圧電/電歪素子32の微小な変位が、基体31の両可動部31a,31bの撓みを利用して大きな変位動作に増幅されて両可動部31a,31bに伝達されることになるため、取付部位31a1,31b1は、圧電/電歪デバイス30の長軸mに対して大きく変位させることが可能となる。
【0099】
当該圧電/電歪デバイス30においては、その機能を一層確実に発揮させるためには、基体31の各部位、および圧電/電歪素子32の各部位の寸法関係を、下記のごとく配慮することが好ましい。
【0100】
図13には、当該圧電/電歪デバイス30の各部位の寸法を示しており、各寸法中、L1は圧電/電歪デバイス30の全長でかつ基体31の全長であり、L2は圧電/電歪デバイス30の全幅である。また、L3は基体31の全幅、L4は基体31の両可動部31a,31b間の間隔、L5は可動部31a,31bにおける圧電/電歪素子32の非接着部位の長さであり、L6は圧電/電歪素子32の長さ、L7は圧電/電歪素子32の幅である。
【0101】
また、各寸法中、L8は圧電/電歪素子の実質的駆動部分と部品取付部の固定部が重なる長さ、L9は接着剤に厚み、L10は可動部の厚み、L11は連結部の厚み、L12は可動部の可動部位の長さ、L13は取付部の接合面の長さ、L14は圧電/電歪素子32の実質的駆動部の長さであり、M1は部品Hの長さ、M2は部品Hの幅である。
【0102】
当該圧電/電歪デバイス30においては、基体31の両可動部31a,31b間の間隔L4と部品Hの横方向の長さM1の関係はL4≧M1であり、L4−M1=0001〜0.01mmである。L4<M1の場合には、部品Hを両可動部31a,31b間に挿入する際に両可動部31a,31b間を拡げる必要があり、この際にデバイスを破損させるおそれがある。接着剤の厚みL9は0.005〜0.1mmであり、より好ましくは0.01〜0.05mmである。接着剤の厚みL9が0.1mmより厚い場合には、接着剤が流れ出やすくて所定の寸法の厚みに入れることが難しくなる。
【0103】
基体31の両可動部31a,31b間の間隔L4と部品Hの横方向の長さM1の差が小さい場合には、部品Hを間隔L4に挿入したり、部品Hと各取付部位31a1,31b1間への接着剤の注入が難しくて、接着剤の厚みL9の制御が難しい。接着剤の厚みL9を0.01mmより薄く設定する場合には、部品Hに対する接着強度にばらつきが発生し易い。このため、接着剤の厚みL9は、一層好ましくは0.01〜0.03mmである。
【0104】
基体31のは可動部31a,31bの厚みL10は0.001〜0.2mmであり、より好ましくは0.01〜0.1mmであり、一層好ましくは0.03〜0.08mmである。連結部31cの全幅(長さ)L2、可動部31a,31bの可動部位の長さL12、取付部位31a1,31b1の接着剤の厚みL9、可動部31a,31bの厚みL10等は、できるかぎり小さい方が好ましく、これにより、デバイスの全長L1および全幅L2が小さくなって、デバイスが小型化される。
【0105】
基体31における可動部31a,31bの可動部位の長さL12は0.2〜3mm、好ましくは0.3〜2mmである。両可動部31a,31bの取付部位31a2,31b2の長さL13は、0.05〜2mmである。両可動部31a,31bの間隔L4は0.1〜2mmであり、好ましくは0.2〜1.6mmである。この寸法にあっては、(両可動部31a,31bの長さL3)/(両可動部31a,31bの間隔L4)は0.5〜10、好ましくは0.5〜5である。(両可動部31a,31bの間隔L4)/(可動部31a,31bの厚みL10)は0.5〜20、好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10である。
【0106】
圧電/電歪素子の実質的駆動部分と部品取付部の固定部が重なる長さL8は、可動部31a,31bの厚みL10の1/2より大きいこと、すなわちL8>(L10/2)であることが好ましい。かかる設定によれば、圧電/電歪層32aの駆動力が、変位に対して効率良く作用する。
【0107】
基体の可動部31a,31bにおける取付部位31a,31bの接合面の長さL13は、図13に示す状態では、部品Hのの幅M2と略同一に設定している。しかしながら、部品Hの長さM1がその幅M2より長い場合には、取付部位31a2,31b2の長さL13を長くしない方法として、取付部位31a2,31b2をデバイス10fに見られるように、接着規定長さの取付部位に形成することで、部品Hの長さM1と独立的に取付部位31a,31bの接合面の長さL13を規定する。或いは、部品Hを接着した状態で、部品Hの先端部を取付部位31a2,31b2から突出させるようにすることものできる。
【0108】
圧電/電歪素子の実質的駆動部の長さL14は、可動部31a,31bにおける可動部位の長さL12の20〜95%とすることが好ましく、より好ましくは40〜80%である。
【0109】
当該圧電/電歪デバイス30は、例えば、磁気ヘッドを制御するアクチュエータとして使用することができるとともに、加速度センサーとしても使用することができる。
【0110】
当該圧電/電歪デバイス30を磁気ヘッドを制御するアクチュエータとして使用する場合には、図13に示す部品Hは磁気ヘッドであって、当該圧電/電歪デバイス30は、その基体31の連結部31cにてサスペンションに固定される。サスペンションは、当該圧電/電歪デバイス30を支持するための支持台であって、当該圧電/電歪デバイス30は、サスペンションに固定された状態では、その連結部31c以外の部位がサスペンションから浮いた状態にある。
【0111】
また、当該圧電/電歪デバイス30を加速度センサーとして使用する場合には、図13に示す部品Hは錘であって、錘Hは基体31の両可動部31a,31bにおける取付部位31a1,31b1に接着される。図16は、当該圧電/電歪デバイス30を加速度センサーSとして使用した態様を示し、図17は当該加速度センサーSとして組立てる前の状態が示している。
【0112】
当該加速度センサーSにおいては、錘Hはエポキシ樹脂等の接着剤で、両可動部31a,31bの取付部位31a1,31b1に接着されていて、当該圧電/電歪デバイス30はその連結部31cにて配線基板s1の取付部位s2にエポキシ樹脂等の接着剤を介して固定されている。当該圧電/電歪デバイス30は、この取付状態では、その連結部31c以外の部位が配線基板s1から浮いた状態にある。なお、配線基板s1には、電気接続のための配線や各種の回路が形成されているが、これらについては図示を省略している。
【0113】
当該加速度センサーSにおいては、当該圧電/電歪デバイス30の配線基板s1に対する接着をスポット溶接等で行うことができ、接着にスポット溶接の手段を採れば、接着面積が小さくて強固に取付けることができる。また、錘Hについては、その質量を適宜に設定することにより加速度感度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電/電歪デバイスである8種類の実施形態を模式的に示す斜視図(a)〜(h)である
【図2】第1の実施形態である第1圧電/電歪デバイスの基体を構成する原板を形成するための平板の作成方法を示す斜視図(a)、および同平板の斜視図(b)である。
【図3】第1圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板を作成する方法を示す斜視図(a)、同原板の斜視図(b)、および同原板にて形成された基体からなる圧電/電歪デバイスの斜視図(c)である。
【図4】第2圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板を作成する方法を示す斜視図(a)、同原板の斜視図(b)、および同原板にて形成された基体からなる圧電/電歪デバイスの斜視図(c)である。
【図5】第3圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板を作成する方法を示す斜視図(a)、同原板の斜視図(b)、および同原板にて形成された基体からなる圧電/電歪デバイスの斜視図(c)である。
【図6】第4圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板を作成する方法を示す斜視図(a)、同原板の斜視図(b)、および同原板にて形成された基体からなる圧電/電歪デバイスの斜視図(c)である。
【図7】第5圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板を作成する方法を示す斜視図(a)、同原板の斜視図(b)、および同原板にて形成された基体からなる圧電/電歪デバイスの斜視図(c)である。
【図8】第6圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板を作成する方法を示す斜視図(a)、同原板の斜視図(b)、および同原板にて形成された基体からなる圧電/電歪デバイスの斜視図(c)である。
【図9】第7圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板を作成する方法を示す斜視図(a)、同原板の斜視図(b)、および同原板にて形成された基体からなる圧電/電歪デバイスの斜視図(c)である。
【図10】第8圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板を作成する方法を示す斜視図(a)、同原板の斜視図(b)、および同原板にて形成された基体からなる圧電/電歪デバイスの斜視図(c)である。
【図11】本発明に係る圧電/電歪デバイスを構成する圧電/電歪素子に採用される2例の各圧電/電歪素子の斜視図(a),(b)である。
【図12】本発明に係る圧電/電歪デバイスを構成する圧電/電歪素子に採用される他の2例の各圧電/電歪素子の斜視図(a),(b)である。
【図13】圧電/電歪素子として図12(b)に示す圧電/電歪素子を採用して形成した本発明の実施例に係る圧電/電歪デバイスの平面図である。
【図14】同圧電/電歪デバイスの作動状態の平面図である。
【図15】同圧電/電歪デバイスの各圧電/電歪素子に印加される電圧の波形図である(a),(b)である。
【図16】圧電/電歪デバイスを加速度センサーとして使用した態様を示す概略的斜視図である。
【図17】加速度センサーの組立てる前の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10a〜10h…圧電/電歪デバイス、11…基体、11A…原板、11A1…平板、11a,11b…可動部、11c…連結部、12a,12b…圧電/電歪素子、12A,12B…圧電/電歪素子原板、13…基体、13A…原板、13A1…平板、13a,13b…可動部、13c…連結部、14…基体、14A…原板、14A1…平板、14a,14b…可動部、14c…連結部、14D…平板状部材、14d…平板部、15…基体、15A…原板、15A1…平板、15a,15b…可動部、15c…連結部、15D…平板状部材、15d…平板部、16…基体、16A…原板、16A1…平板、16a,16b…可動部、16c…連結部、16D…平板状部材、16d…平板部、17…基体、17A…原板、17A1…平板、17a,17b…可動部、17a1,17b1…薄肉部位、17c…連結部、17D…平板状部材、17d…平板部、18…基体、18A…原板、18A1…平板、18a,18b…可動部、18c…連結部、19…基体、19A…原板、19A1…平板、19a,19b…可動部、19c…連結部、19c1,19c2…連結部位、19c3,19c4…波形状部位、21,22,23,24…圧電/電歪素子、21a…圧電/電歪層、22a1,22a2…圧電/電歪層、23a1〜23a4…圧電/電歪層、24a1〜24a4…圧電/電歪層、21b,21c、22b,22c、23b,23c、24b,24c…電極、21d,21e、22d,22e、23d,23e、24d,24e…端子、30…圧電/電歪デバイス、31a,31b…可動部、31a1,31b1…取付部位、31c…連結部、32…圧電/電歪素子、32a…圧電/電歪層、32b,32c…電極、32d,32e…端子。H…部品、S…加速度センサー、s1…配線基板、s2…取付部位。

Claims (12)

  1. 相対向して互いに並列する一対の可動部およびこれら両可動部を一端部側にて互いに連結する連結部を有する基体と、同基体における前記両可動部外側面に配設した圧電/電歪素子とを具備し、制御または検査の対象とする部品を前記基体を構成する前記両可動部の他端部の内面側にて挟持する使用形態を採る圧電/電歪デバイスであり、前記基体は可撓性で屈曲可能な1枚の帯状の平板にて一体的に形成されて前記各可動部は前記連結部の各端部から所定長さ他端側へ延びていて、前記各可動部の外側面のそれぞれに前記圧電/電歪素子が配設されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  2. 請求項1に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記圧電/電歪素子は前記可動部より短くて、同可動部の他端部側に位置していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  3. 請求項1に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記圧電/電歪素子は前記可動部より短くて、同可動部の一端部側に位置していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  4. 請求項1に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体は前記両可動部の他端側に開口する略コ字状を呈していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  5. 請求項4に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体は前記連結部の内面側または外面側に平板部を備えていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  6. 請求項1に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体は前記両可動部の他端側に開口する略U字状を呈していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  7. 請求項1に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する各可動部と連結部の各端部間の連結部位が円弧状の凹所に形成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体の各可動部における長手方向の中間部が薄肉状に形成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体は金属製の平板にて構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスを構成する基体を製造する方法であり、前記基体の形成材料として可撓性で屈曲加工の可能な平板を採用し、同平板を前記基体が平面状に展開された形状の平板に切断して細幅状の原板とし、同原板の所定の部位を屈曲して前記両可動部と前記連結部が一体の前記基体を形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスを構成する基体の製造方法
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスを製造する方法であり、前記基体の形成材料として、可撓性で屈曲加工の可能な平板を採用し、同平板を前記基体が平面状に展開された形状の平板に切断して細幅状の原板とし、同原板の所定の部位を屈曲することにより、前記両可動部と前記連結部が一体の前記基体を形成して、同基体を構成する両可動部の外側面のそれぞれに圧電/電歪素子を貼着して圧電/電歪デバイスを形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスを製造する方法であり、前記基体の形成材料として、可撓性で屈曲加工の可能な平板であって所定の部位に圧電/電歪素子が接着されている平板を採用し、同平板を前記圧電/電歪素子と一体に前記基体が平面状に展開された形状に切断して細幅状の原板とし、同原板の所定の部位を屈曲することにより、前記両可動部と前記連結部が一体の前記基体、および、前記両可動部の外側面のそれぞれに圧電/電歪素子が貼着されている圧電/電歪デバイスを形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
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