JP4587232B2 - 圧電/電歪デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

圧電/電歪デバイスおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、圧電/電歪デバイスに関する。
圧電/電歪デバイスの一形式として、左右一対の可動部およびこれら両可動部を一端側にて互いに連結する固定部を有する基体と、同基体の前記両可動部の少なくとも一方の側面に配設してなる圧電/電歪素子を具備する形式の圧電/電歪デバイスや、左右一対の可動部、これら両可動部を一端部側にて互いに連結する固定部、および、これら両可動部を他端部側にて互いに連結する取付部を有する基体と、同基体の前記両可動部の少なくとも一方の側面に配設してなる圧電/電歪素子を具備する形式の圧電/電歪デバイスがある(特許文献1を参照)。
当該形式の圧電/電歪デバイスは、圧電/電歪素子の変位動作に起因する可動部の作動機能、または、被検出側から入力される可動部の変位を圧電/電歪素子により検出する検出機能を有するもので、これらの機能を有効に利用して、下記のごとき広い用途に使用されている。
すなわち、当該形式の圧電/電歪デバイスは、各種トランスデューサ、各種アクチュエータ、周波数領域機能品(フィルタ)、トランス、通信用、動力用の振動子や共振子、発振子、ディスクリミネータ等の能動素子、超音波センサ、加速度センサ、角速度センサ、衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ素子、光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整の機構に用いられる各種アクチュエータ等に使用される。
ところで、当該形式の圧電/電歪デバイスは、一般には、デバイス原盤を適宜の大きさに切断して形成されるもので、デバイス原盤は、基体原盤の表裏両面に圧電/電歪素子を接着剤を介して接着して構成され、または、これらを一体に形成して構成されている。なお、基体原盤は、複数枚のシートを積層し焼成して構成されている。
ヨーロッパ特許(EP1017116A2)明細書
このように、当該形式の圧電/電歪デバイスは、その構成部品の部品点数が多くて、コストが高いとともに組立作業が面倒であり、かつ、各構成部品同士を接着剤を介して接着していることから、各構成部品同士の接着にバラツキが生じて、デバイス特性に影響を及ぼすおそれがある。
また、当該形式の圧電/電歪デバイスを形成するには、デバイス原盤を適宜に切断して多数取りする手段が採られることから、切断して形成された圧電/電歪デバイスは、切断時に発生する塵埃や切削液、さらには、切断時にデバイス原盤を保持するために使われる接着剤やワックス等の有機成分により汚染されていて、圧電/電歪デバイスの洗浄が容易ではない。
また、基体をセラミックスで構成する場合は、セラミックスが割れ易いため、ジルコニア等の硬い材質のセラミックスを採用する必要があり、硬い材料のセラミックスを採用した場合でも、欠損やクラックが発生しないように適切な切断条件を選定する必要がある。また、基体が硬い材料のセラミックスであることから加工し難く、加工処理数を増やすためには、異なる機能の多くの加工装置を使用する等の配慮をする必要がある。
基体を金属材料で構成することも可能であるが、金属材料は切削加工中に摩擦熱で端面が酸化したり、加工端面にバリが残留するため、これらを除去する別工程を追加しなければならない。また、圧電/電歪素子の検査は、デバイス原盤を切断した後でなければできない。
また、デバイス原盤から切り出したデバイスの洗浄には、汚れが容易に除去し得る超音波洗浄を採用することが好ましいが、超音波洗浄において洗浄効果を挙げるべく強い超音波を使用すると、デバイスにダメージを与えることがあり、圧電/電歪素子が基体から剥離したり破損することもある。このため、超音波洗浄を採用する場合には、デバイスにダメージを与えない弱い超音波を選定する必要があるが、このような洗浄条件を採用する場合には、切断時に付着する汚れを除去するには長時間を要することになる。
圧電/電歪デバイスからの発塵は、例えば、ハードディスクドライブの磁気ヘッドのアクチュエータに圧電/電歪デバイスを使用する場合にドライブの中で発塵すると、その塵が浮上スライダーとメディアのクラッシュの原因となり、データを破壊するおそれがある。また、圧電/電歪デバイス自身に対しても、その塵が圧電/電歪素子の電極に付着してショートを引起こすおそれがある。このため、ハードディスクドライブに対しては勿論のこと、デバイス自身にも高い清浄化度が要求される。
従って、本発明の目的は、当該形式の圧電/電歪デバイスを構成する基体を、1枚の平板を原板とする一体構造とすることにより、上記した各問題を解消することにある。
本発明は、圧電/電歪デバイス、および、圧電/電歪デバイスの製造方法に関するもので、本発明に係る圧電/電歪デバイスは、下記の2種類の形式の圧電/電歪デバイスであり、また、本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方法は、上記した2種類の形式の圧電/電歪デバイスを製造する方法である。
本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスは、内側面を互いに対向して前後方向に延びる左右一対の可動部、前記両可動部の後端部と連結し前記後端部から前方に延びる平板状の固定部、および、前記両可動部の前端部と連結し前記前端部から後方に延び前記固定部とは互いに分離している平板状の取付部を有する基体と、前記基体の前記両可動部の外側面に配設した一対の圧電/電歪素子を具備し、制御または検査の対象とする部品を前記取付部上に配置する使用形態を採る形式の圧電/電歪デバイスである。
しかして、本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体は1枚の平板を打抜きして形成された平板状の打抜構造体の所定の部位を屈曲して形成されていて、前記各可動部は前記固定部および前記取付部の左右の各側縁部から所定高さ起立して互いに対向して、前記固定部および前記取付部の前記各側縁部に沿って延びていることを特徴とするものである。
本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体を構成する前記固定部の前端部と前記取付部の後端部間には左右方向に延びるスリット状溝部が介在し、かつ、前記固定部および前記取付部の左右の側縁部と前記各可動部の根元部間には前後方向に延びるスリット状溝部が介在する構成を採ることができる。また、当該圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体を構成する前記固定部の前端部と前記取付部の後端部間には、左右方向および前後方向に延びる方形状の溝部が介在する構成を採ることができる。
また、本発明に係る第2の形式の圧電/電歪デバイスは、内側面を互いに対向して前後方向に延びる左右一対の可動部、前記両可動部の後端部と連結し前記後端部から前方に延びる平板状の固定部、前記両可動部の前端部と連結し前記前端部から後方に延び前記固定部とは互いに分離している平板状の取付部、および、前記取付部と一体で前記取付部、前記各可動部および前記固定部を包囲する連結部を有する基体と、前記基体の前記両可動部の外側面に配設した一対の圧電/電歪素子を具備し、制御または検査の対象とする部品を前記取付部上に配置する使用形態を採る形式の圧電/電歪デバイスである。
しかして、本発明に係る第2の形式の圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体は1枚の平板を打抜きして形成された平板状の打抜構造体の所定の部位を屈曲して形成されていて、前記各可動部は前記固定部および前記取付部の左右の各側縁部から所定高さ起立して、互いに対向して前記固定部および前記取付部の前記各側縁部に沿って延び、かつ、前記各可動部、前記固定部および前記取付部は前記連結部の中央空間部内に位置していることを特徴とするものである。
本発明に係る第2の形式の圧電/電歪デバイスにおいては、前記連結部の前記中央空間部における前記固定部の後端部側は閉鎖状態にある構成を採ることができ、また、前記連結部の前記中央空間部における前記固定部の後端部側は開放状態にある構成を採ることができる。
本発明に係るこれらの形式の圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体を構成する前記固定部および前記取付部の左右の各側縁部と前記各可動部の根元部間の連結部は円弧状を呈する構成とすることができ、また、前記基体を構成する前記各可動部は、前後方向の中間部位が他の部位に比較して薄く形成される構成を採ることができる。
本発明に係るこれらの形式の圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体を構成する前記各可動部を、その上縁から屈曲して延びて前記固定部の表面に当接する補強部を具備する構成とすることができ、また、前記基体を構成する前記各可動部を、その後端部から屈曲して内側へ延びて前記固定部の表面に当接する補強部を具備する構成とすることができ、また、前記基体を構成する前記固定部の後端部における前記各可動部間に補強部材が介在する構成とすることができる。
本発明に係るこれらの形式の圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体を構成する前記固定部を、前記各可動部の後端部から後方へ延出する構成とすることができ、前記基体を構成する前記取付部を、前記各可動部の前端部側から前方へ延出する構成とすることができる。
本発明に係るこれらの形式の圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体を、可撓性で屈曲加工の可能な金属製の平板にて構成するようにすることができる。
本発明に係る圧電/電歪デバイスの第1の製造方法は、本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスを製造する方法であり、当該第1の製造方法は、前記基体の形成材料として可撓性で屈曲加工の可能な平板を採用し、前記平板を、前記基体が平面状に展開された形状に打抜き加工して打抜構造体を形成し、前記打抜構造体の所定の部位を屈曲して、前記固定部と、前記固定部の左右の各側縁部から所定高さ起立する前記各可動部と、前記取付部を一体に有する基体を形成することを特徴とするものである。
本発明に係る第1の製造方法においては、前記打抜構造体は、方形の平板の左右の側部に側縁部に沿って前後方向に延びる一対の直線状の側方溝部と前記両側方溝部を中間部にて互いに連結する左右方向に延びる直線状の中央溝部からなるH形状の開口部を有していて、前記平板の前記各側縁部を前記側方溝部に沿って屈曲加工することにより、前記各側縁部を前記各可動部に形成するとともに、前記各側方溝部間の部位を前記固定部および前記取付部に形成するようにすることができる。
また、本発明に係る第1の製造方法においては、前記打抜構造体は方形の平板の中央部に方形の開口部を有していて、前記平板の各側縁部を前記開口部の側縁部に沿って屈曲加工することにより、前記平板の前記各側縁部を前記各可動部に形成するとともに、前記各側方溝部間の部位を前記固定部および前記取付部に形成するようにすることができる。
本発明に係る圧電/電歪デバイスの第2の製造方法は、本発明に係る第2の形式の圧電/電歪デバイスを製造する方法であり、当該第2の製造方法は、前記基体の形成材料として可撓性で屈曲加工の可能な平板を採用し、前記平板を、前記基体平面状に展開された形状に打抜き加工して打抜構造体を形成し、前記打抜構造体の所定の部位を屈曲して、前記固定部と、前記固定部の左右の各側縁部から所定高さ起立する前記各可動部と、前記取付部と、前記連結部を一体に有する基体を形成することを特徴とするものである。
本発明に係る第2の製造方法においては、前記打抜構造体は方形の平板の中央開口部の内部に方形の平板部を有するとともに、前記平板部の左右の側部に側縁部に沿って前後方向に延びる一対の直線状の側方溝部と前記両側方溝部を中間部にて互いに連結する左右方向に延びる直線状の中央溝部からなるH形状の開口部を有していて、前記平板部の各側縁部を前記側方溝部に沿って屈曲加工することにより、前記各側縁部を前記各可動部に形成し、前記各側方溝部間の部位を前記固定部および前記取付部に形成し、かつ、前記中央開口部の外周の部位を前記連結部に形成するようにすることができる。
本発明に係るこれらの製造方法においては、前記打抜構造体の開口部を、前記平板の打抜き加工と同時に打抜きして形成し、または、前記平板の打抜き加工後の穴開け加工にて形成するようにすることができる。
本発明に係る圧電/電歪デバイスは、作動原理上、固定部と取付部が可撓性を有する2つの側縁部に緊密に連結されていることが必要とされるなかで、これらが一体成形されているので、作動原理上の最も好ましい形態を具現化している。
例えば、上記した2つまたは3つの要部を金属製として溶着した場合においては、溶着の熱による歪み、材質劣化、焼き鈍し等の熱処理工程での問題を考慮しなければならない。これに対して、本発明に係る各圧電/電歪デバイスを構成する基体のごとく、1枚の平板を成形材料として一体的に成形されているものは、これが金属製であっても、これらの懸念は全くなく、また、一体成形時の加工硬化による連結部の強度の向上も期待することができる。
本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、部品(例えばハードディスクドライブの磁気ヘッド)と組合わせた場合、部品の高さとデバイスの高さの和が組立後の高さにはならずにこれより低くなるため、コンパクトな構成とし得る利点がある。デバイスの高さでは、可動部の板の厚み分と接着剤の厚み分が部品の高さに加わるが、冒頭で記述した公知のデバイスに比較して組立後の高さを低くできて、省スペース化の効果がある。また、部品を固定部上に接着するのみで簡単に組立ができ、かつ、接着面積を広くとることができるため、接着強度をより強固にし得て、衝撃によっても脱落し難い構造とすることができる利点がある。
本発明に係る圧電/電歪デバイスのうちの第1,第2の圧電/電歪デバイスにおいては、その構造上、取付部および固定部の被接着部品に対する接着部位に、接着剤が入る窪みをプレスにて形成することが容易であり、これにより、接着強度を増加させたり接着剤のはみ出しを抑制することができる。また、部品組立の際に用いる位置決め用の基準位置(穴等)を形成することも容易である。このため、後工程で部品をデバイス上の取付部に組立てたり、固定部をサスペンションのジンバルに取付ける際の組立精度を上げて、歩留まりを一層向上させることができる。デバイスを組立てる前に圧電/電歪素子を予め検査して組立てることで、組立後のデバイスの特性不良を大幅に低減することができる。
また、本発明に係る第2の形式の圧電/電歪デバイスにおいては、第1の圧電/電歪デバイスが有する作用効果を奏し得ることは勿論であるが、特に、取付部と一体の連結部を有するもので、当該連結部を、ハードディスクドライブの磁気ヘッド(スライダー)を支持するジンバルとして機能させることができるという大きな利点がある。
本発明に係る圧電/電歪デバイスは、上記した2種類の形式の圧電/電歪デバイスを基本とするもので、これらの基本構造の圧電/電歪デバイスにおいては、いずれの基体も、平板を成形材料(原板)とする一体構造のもので原則的に1個の構成部品で構成されていることから、構成部品は基体と圧電/電歪素子の2種類となり、圧電/電歪デバイスの構成部品を大幅に低減できるとともに、構成部品の組付工数を低減できて、コストを大幅に軽減することができる。
また、本発明に係る各形式の圧電/電歪デバイスにおいては、構成部品の部品点数が極めて少なくて、各構成部品同士の接着部位も極めて少ないことから、各構成部品同士の接着のバラツキが皆無またはほとんどなくて、設定された精度の高いデバイス特性を有するものである。
また、本発明に係る各圧電/電歪デバイスにおいては、その形成にあっては、デバイス原盤を多数の部位にて切断する手段を採ることがなく、デバイス原盤の切断時に発生する塵埃やその他の汚染物による汚染がない。このため、圧電/電歪デバイスを組立てる際に、予め、基体および圧電/電歪素子を洗浄しておけば、形成された圧電/電歪デバイスでは汚染が皆無またはほとんど無くて、圧電/電歪デバイスの洗浄を省略することができ、または、簡単に済ますことができる利点がある。
本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、第1の形式の圧電/電歪デバイスにあっては本発明に係る第1の製造方法により、第2の形式の圧電/電歪デバイスにあっては本発明に係る第2の製造方法により、それぞれ容易に、かつ、廉価に製造することができる。
発明の実施の形態
本発明に係る圧電/電歪デバイスにおける第1の形式の圧電/電歪デバイスは、内側面を互いに対向して前後方向に延びる左右一対の可動部、前記両可動部の後端部と連結し前記後端部から前方に延びる平板状の固定部、および、前記両可動部の前端部と連結し前記前端部から後方に延び前記固定部とは互いに分離している平板状の取付部を有する基体と、前記基体の前記両可動部の外側面に配設した一対の圧電/電歪素子を具備し、制御または検査の対象とする部品を前記取付部上に配置する使用形態を採る圧電/電歪デバイスである。
また、本発明に係る圧電/電歪デバイスにおける第2の圧電/電歪デバイスは、内側面を互いに対向して前後方向に延びる左右一対の可動部、前記両可動部の後端部と連結し前記後端部から前方に延びる平板状の固定部、前記両可動部の前端部と連結し前記前端部から後方に延び前記固定部とは互いに分離している平板状の取付部、および、前記取付部と一体で前記取付部、前記各可動部および前記固定部を包囲する連結部を有する基体と、前記基体の前記両可動部の外側面に配設した一対の圧電/電歪素子を具備し、制御または検査の対象とする部品を前記取付部上に配置する使用形態を採る圧電/電歪デバイスである。
図1には、上記した第1の圧電/電歪デバイス、および、第2の圧電/電歪デバイスの多数の実施形態(第1の実施形態〜第10の実施形態)を示している。
図1(a)に示す第1圧電/電歪デバイス10aは、本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスの範疇に属するもので、図2に示す状態で使用されるものである。第1圧電/電歪デバイス10aは、図3および図4に示す方法で形成される。図2に示す矢印a線および矢印b線は、本発明に係る圧電/電歪デバイスの方向性を規定するもので、矢印a線は圧電/電歪デバイスの前後方向を示し、矢印b線は圧電/電歪デバイスの左右方向を示している。
第1圧電/電歪デバイス10aは、基体11と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなるもので、基体11は、細幅で長尺の板状の左右一対の可動部11a,11bと、両可動部11a,11bを後端部側にて互いに連結する平板状の固定部11cと、両可動部11a,11bを前端部側にて互いに連結する平板状の取付部11dにて構成されている。
基体11においては、各可動部11a,11b、固定部11c、および取付部11dが、H形状の開口部11eにて分割されている。開口部11eは、左右一対の側方溝部11e1,11e2と、これら両側方溝部11e1,11e2を前後方向の中央部で互いに連結する中央溝部11e3とからなり、左側の可動部11aは、側方溝部11e1にて同溝部11e1に沿って屈曲されて、固定部11cおよび取付部11dに対して直交状態に起立している。同様に、右側の可動部11bは、側方溝部11e2にて同溝部11e2に沿って屈曲されて、固定部11cおよび取付部11dに対して直交状態に起立している。
かかる構成の基体11には、各可動部11a,11bの外側面に、各圧電/電歪素子12a,12bがエポキシ樹脂等からなる接着剤を介して接着されている。各圧電/電歪素子12a,12bは、圧電/電歪層と電極膜からなる多層体であって、各可動部11a,11bとは同一形状で、所定長さ短く形成されていて、各可動部11a,11bの固定部11c側の端部に一致して接着されて、各可動部11a,11bの取付部11d側の端部から所定長さを残した前方の部位まで延びている。
当該基体11においては、その取付部11dの上面側には、例えば、被制御部品であるハードディスク用の磁気ヘッドH(スライダー)が接着されて固定されて、その下面側にてサスペンションのジンバルに接着されて固定される。なお、この場合、磁気ヘッドHとサスペンションの取付け位置を上記とは逆に、固定部11cに変更することができ、これによってもデバイスの機能は何等変わらない。また、磁気ヘッドHとサスペンションの取付け位置の固定部11cおよび取付部11dに対する取付け部位を表裏逆に変更することもでき、これによってもデバイスの機能は何等変わらない。但し、圧電/電歪素子12a,12bの端子部にコンタクトする外部電極の配線をサスペンション上で逆に配線する必要がある。
しかして、当該圧電/電歪デバイス10aを構成する基体11は、図3(a)に示す原板11Aを成形材料とするもので、原板11Aを同図(b)に示すように屈曲して形成されているものである。原板11Aは、可撓性で屈曲加工が可能な平板を打抜き加工してなる打抜構造体であって、基体11を平面状に展開した形状に形成されている。原板11Aを構成する平板は、強度的には金属製であることが好ましい。
平板は、ヤング率が100GPa以上の金属製であることが好ましく、鉄系材料としては、SUS301、SUS304、AISI653、SUH660等のオーステナイト系ステンレス鋼、SUS430、SUS434等のフェライト系ステンレス鋼、SUS410、SUS630等のマルテンサイト系ステンレス鋼、SUS6312、AISI632等のセミオーステナイト系ステンレス鋼、エルマージングステンレス鋼、各種ばね鋼鋼材等を挙げることができる。また、非鉄系材料としては、チタン−ニッケル合金等の超弾性チタン合金、黄銅、白銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ベリリウム銅、リン青銅、ニッケル、ニッケル鉄合金、チタン等を挙げることができる。
原板11Aは、平板を打抜き加工に付されて形成されているもので、H形状の開口部11eを具備している。開口部11eは、平板の打抜き加工時に同時に形成されているもので、原板11Aの左右の各側部に前後両端側に延びる一対の直線状の側方溝部11e1,11e2と、これら両側方溝部11e1,11e2をその前後の中間部にて互いに連結する直線状の中央溝部11e3からなる。
基体11は、原板11Aの左右の各側縁部を、各側方溝部11e1,11e2にて、同溝部11e1,11e2の幅の中心をその長手方向に延びる中心線L1,L2に沿って直角に屈曲することにより形成されている。原板11Aの左右の各側部をこのように屈曲加工することにより、各側方溝部11e1,11e2の側縁部位が各可動部11a,11bに形成されているとともに、中央溝部11e3の後側の部位が固定部11cに形成され、かつ、前側の部位が取付部11dに形成されている。
このように、原板11Aによって一体に構成された基体11には、図4(a)に示すように、その各可動部11a,11bの外側面に圧電/電歪素子12a,12bを接着剤を介して接着されて、同図(b)に示す第1圧電/電歪デバイス10aが形成される。形成された第1圧電/電歪デバイス10aは、従来のこの種形式の圧電/電歪デバイスと同様に機能するとともに、基体11が原板11Aにて一体的に構成されていることから、下記のごとき作用効果を奏するものである。
すなわち、第1圧電/電歪デバイス10aにおいては、基体11が1枚の原板11Aを成形材料とする一体構造のもので1個の構成部品で構成されていることから、構成部品は基体11と圧電/電歪素子12a,12bの2種類となり、圧電/電歪デバイスとしての構成部品を大幅に低減できるとともに、構成部品の組付工数を大幅に低減できて、コストを大幅に軽減することができる。
また、第1圧電/電歪デバイス10aにおいては、構成部品の部品点数が極めて少なくて、各構成部品同士の接着部位も極めて少ないことから、各構成部品同士の接着のバラツキが皆無またはほとんどなくて、設定された精度の高いデバイス特性を有するものとなる。
また、第1圧電/電歪デバイス10aにおいては、その形成にあっては、従来のごとくデバイス原盤を多数の部位にて切断する手段を採ることがなく、デバイス原盤の切断時に発生する塵埃、その他の汚染物の付着に起因する汚染がない。このため、第1圧電/電歪デバイス10aの組立てに際して、予め、基体11および圧電/電歪素子12a,12bを洗浄しておけば、組立てられた圧電/電歪デバイス10aは汚染が皆無またはほとんど無くて、第1圧電/電歪デバイス10aの洗浄を省略することができ、または、簡単に済ますことができるという大きな利点がある。
図1(b)に示す第2圧電/電歪デバイス10bは、本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスの範疇に属するものである。第2圧電/電歪デバイス10bは、第1圧電/電歪デバイス10aとは基体の構成をわずかに異にするにすぎないもので、図6(b)に示すように、基体13と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなり、基体13は、細幅で長尺の板状の左右一対の可動部13a,13bと、両可動部13a,13bを後端部側にて互いに連結する平板状の固定部13cと、両可動部13a,13bを前端部側にて互いに連結する平板状の取付部13dにて構成されている。
基体13においては、各可動部13a,13b、固定部13c、および取付部13dが、H形状の開口部13eにて分割されていて、かかる構成に関するかぎり、第1圧電/電歪デバイス10aの基体11と同一構成である。
しかして、基体13においては、各可動部13a,13bの固定部13cおよび取付部13dに対する連結部位である屈曲部13a1,13b1が、固定部13c,13dの表面より窪んだ円弧状を呈している。 当該基体13を構成する原板13Aは、図5(a)に示すように、基体11の原板11Aと同一のもので、各可動部13a,13bを屈曲形成する際の屈曲形状を異にするものである。すなわち、当該屈曲加工においては、各可動部13a,13bの基部に円弧状の屈曲部13a1,13b1を形成している。当該基体13には、図6(a)に示すように、各可動部13a,13bの外側面に各圧電/電歪素子12a,12bを接着することにより、第2圧電/電歪デバイス10bが形成される。
第2圧電/電歪デバイス10bは、第1圧電/電歪デバイス10aとは同一の機能を有するとともに、略同様の作用効果を奏するものであるが、特に、各可動部13a,13bが円弧状の屈曲部13a1,13b1を介して、固定部13cおよび取付部13dに連結していることから、各可動部13c,13dの可動性が向上していて、高いデバイス機能を有するものである。
また、当該第2圧電/電歪デバイス10bにおいては、各可動部13a,13bの固定部13cおよび取付部13dに対する垂直度の精度を出し易くして、煽り方向変位を抑えることができる。また、固定部13cおよび取付部13dに対して、各可動部13a,13bの左右方向の位置が円弧状の屈曲部の曲げ方を変えることで設定することができるため、デバイスの設計の幅を広げることができる。
図1(c)に示す第3圧電/電歪デバイス10cは、本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスの範疇に属するものである。第3圧電/電歪デバイス10cは、第2圧電/電歪デバイス10bとは基体の構成のわずかの部位を異にするが、その他の構成は同じである。
しかして、第3圧電/電歪デバイス10cは、図8(b)に示すように、基体14と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなるもので、基体14は、細幅で長尺の板状の左右一対の可動部14a,14bと、両可動部14a,14bを後端部側にて互いに連結する平板状の固定部14cと、両可動部14a,14bを前端部側にて互いに連結する平板状の取付部14dにて構成されている。
基体14においては、各可動部14a,14bの前後方向の中間部が、所定長さにわたって薄肉部14a1,14b1に形成されているが、この点を除いては基体13と同一に構成されている。また、基体14の原板14Aは、図7(a)に示すように、各可動部14a,14bを構成することになる、H形状の開口部14eの左右の各側部に薄肉部14a1,14b1を具備するもので、図7(b)に示す2点鎖線L1,L2に沿って、基体13と同様に屈曲加工され、図8(a)に示すように、各可動部14a,14bの外側面に各圧電/電歪素子12a,12bを接着することにより、第3圧電/電歪デバイス10cが形成される。
第3圧電/電歪デバイス10cは、第2圧電/電歪デバイス10bとは同一の機能を有するとともに、略同様の作用効果を奏するものであるが、特に、各可動部14a,14bがその中間部に前後方向に延びる薄肉部14a1,14b1を具備することから、各可動部14a,14bの可動性が一層高くて、一層高いデバイス機能を有するものである。
なお、原板14Aの薄肉部14a1,14b1を形成する手段としては、化学エッチッング、マイクロブラスト、イオンミリング等により部分的に肉を除去して厚みを薄くする方法や、研削により切削して厚みを薄くする方法等を採ることができる。また、特殊な手段としては、所定長さの穴を開けた板と穴の無い板を重ねて張り合わせして、穴に対応する部位を薄肉部に形成した板を原板として採用することもできる。
図1(d)に示す第4圧電/電歪デバイス10dは、本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスの範疇に属するものである。第4圧電/電歪デバイス10dは、第1圧電/電歪デバイス10aとは基体の構成のわずかの部位を異にするが、その他の構成は同じである。
第4圧電/電歪デバイス10dは、図10(b)に示すように、基体15と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなり、基体15は、細幅で長尺の板状の左右一対の可動部15a,15bと、両可動部15a,15bを後端部側にて互いに連結する平板状の固定部15cと、両可動部15a,15bを前端部側にて互いに連結する平板状の取付部15dと、各可動部15a,15bの後端部側上縁から固定部15cの表面に延びて当接する左右一対の補強部15f,15gにて構成されている。
基体15は、各補強部15f,15gを具備している点を除けば、基体11と同一に構成されている。また、基体15の原板15Aは、図9(a)に示すように打抜き加工されていて、各可動部15a,15bを構成すべき後端部に左方向および右方向に延びる補強部15f,15gの構成部位を具備していて、図9(b)に示すように2点鎖線L1,L2等に沿って屈曲加工され、図10(a)に示すように、各可動部15a,15bの外側面に各圧電/電歪素子12a,12bを接着することにより、第4圧電/電歪デバイス10dが形成されている。
第4圧電/電歪デバイス10dは、第1圧電/電歪デバイス10aとは同一の機能を有するとともに、略同様の作用効果を奏するものであるが、特に、各補強部15f,15gにより固定部15cを補強しているものである。各補強部15f,15gは、固定部15c上に接着されているが、その接着手段としては、スポット溶接、圧着、かしめ、半田付け、ロウ付け、エポキシ樹脂、UV硬化型樹脂等の接着剤等による接着手段を採用することができる。これらの接着手段のうちでも、スポット溶接が特に好ましい。
図1(e)に示す第5圧電/電歪デバイス10eは、本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスの範疇に属するものである。第5圧電/電歪デバイス10eは、第4圧電/電歪デバイス10dとは基体の構成のわずかの部位を異にするもので、その他の構成は同じである。
しかして、第5圧電/電歪デバイス10eは、図12(b)に示すように、基体16と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなるもので、基体16は、細幅で長尺の板状の左右一対の可動部16a,16bと、両可動部16a,16bを後端部側にて互いに連結する平板状の固定部16cと、両可動部16a,16bを前端部側にて互いに連結する平板状の取付部16dと、各可動部16a,16bの各端部から内向きにフランジ状に屈曲する補強部16f,16gにて構成されている。
基体16は、各補強部16f,16gの形状が各補強部15f,15gの形状とは異なる点を除けば、基体15と同一に構成されている。また、基体16の原板16Aは、図11(a)に示すように打抜き加工されていて、各可動部16a,16bを構成することとなる部位の前後の端部に、前方および後方に所定長さ突出する突出部位を備え、図11(a)に示す2点鎖線L1,L2等に沿って同図(b)に示すように屈曲加工され、図12(a)に示すように、各可動部16a,16bの外側面に各圧電/電歪素子12a,12bを接着することにより、第5圧電/電歪デバイス10eが形成される。
なお、第5圧電/電歪デバイス10eにおいては、補強部16f,16gは固定部16cおよび取付部16dとは非接着状態にあるが、固定部16cおよび取付部16d上に接着することが一層好ましい。接着手段としては、スポット溶接、圧着、かしめ、半田付け、ロウ付け、エポキシ樹脂、UV硬化型樹脂等の接着剤等による接着等の手段を採用することができる。これらの接着手段のうちでも、スポット溶接が特に好ましい。
第5圧電/電歪デバイス10eは、第1圧電/電歪デバイス10aとは同一の機能を有するとともに、略同様の作用効果を奏するものであるが、特に、各補強部16f,16gにより固定部16cおよび取付部16dを補強しているものである。
図1(f)に示す第6圧電/電歪デバイス10fは、本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスの範疇に属するものである。第6圧電/電歪デバイス10fは、第1圧電/電歪デバイス10aとは基体に補強部材を付加した点で異なるが、その他の構成は同じである。
しかして、第6圧電/電歪デバイス10fは、図14(b)に示すように、基体17と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなるもので、基体17は、細幅で長尺の板状の左右一対の可動部17a,17bと、両可動部17a,17bを後端部側にて互いに連結する平板状の固定部17cと、両可動部17a,17bを前端部側にて互いに連結する平板状の取付部17dと、各可動部17a,17bの後端部側間に介装されて固定部17cの表面に接着された板状の補強部材17fにて構成されている。
基体17の原板17Aは、図13(a)に示すように、基板11の原板11Aと同一形状のもので、図13(b)に示すように、2点鎖線L1,L2に沿って屈曲加工され、図14(a)に示すように、両可動部17a,17bの一端部側間にて補強部材17fを固定部17cの表面に接着し、かつ、各可動部17a,17bの外側面に各圧電/電歪素子12a,12bを接着することにより、第6圧電/電歪デバイス10fが形成される。第6圧電/電歪デバイス10fは、第4圧電/電歪デバイス10dとは同一の機能を有するとともに、略同様の作用効果を奏するものである。
図1(g)に示す第7圧電/電歪デバイス10gは、本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスの範疇に属するものである。第7圧電/電歪デバイス10gは、第1圧電/電歪デバイス10aとは基体の固定部および取付部の形状が異なるが、その他の構成は同じである。
第7圧電/電歪デバイス10gは、図16(b)に示すように、基体18と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなる。基体18は、細幅で長尺の板状の左右一対の可動部18a,18bと、両可動部18a,18bを後端部側にて互いに連結する平板状の固定部18cと、両可動部18a,18bを前端部側にて互いに連結する平板状の取付部18dにて構成されている。固定部18cは、両可動部18a,18bの後端部側から後方へ所定長さ突出し、かつ、取付部18dは、両可動部18a,18bの前端部側から前方へ所定長さ突出している。従って、固定部18cおよび取付部18dは、第1圧電/電歪デバイス10aの基体11における固定部11cおよび取付部11dより拡大されていて、大きな面積を確保している。
基体18は、固定部18cおよび取付部18dの面積が拡大されている点を除けば、基体11と同一に構成されている。また、基体18の原板18Aは、図15(a)に示すように、固定部18cを構成することとなる部位から後方へ所定長さ突出する部位を備え、また、取付部18dを構成することとなる部位から前方へ所定長さ突出する部位を備えていて、図15(b)に示すように2点鎖線L1,L2に沿って屈曲加工され、図16(a)に示すように、各可動部18a,18bの外側面に各圧電/電歪素子12a,12bを接着することにより、第7圧電/電歪デバイス10gが形成される。
第7圧電/電歪デバイス10gは、第1圧電/電歪デバイス10aとは同一の機能を有するとともに、略同様の作用効果を奏するものであるが、特に、固定部18cおよび取付部18dを拡大して、サスペンションのジンバルへの接着面積の拡大、および、ハードディスクドライブの磁気ヘッド等の被制御部品に対する接着面積の拡大を図ることができる。
図1(h)に示す第8圧電/電歪デバイス10hは、本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスの範疇に属するものである。第8圧電/電歪デバイス10hは、第1圧電/電歪デバイス10aとは基体の構成を大きく異にするものである。
しかして、第8圧電/電歪デバイス10hは、図18(b)に示すように、基体19と一対の圧電/電歪素子12a,12bからなるもので、基体19は、細幅で長尺の板状の左右一対の可動部19a,19bと、両可動部19a,19bを後端部側にて互いに連結する平板状で細幅の固定部19cと、両可動部19a,19bを前端部側にて互いに連結する平板状で細幅の取付部19dにて構成されている。
当該基体19の原板19Aは、図17(a)に示すように、平板を打抜き加工して略正方形の開口部19eを形成されているものである。基体19は、原板19Aの左右の各側部を、開口部19eの各開口縁部にて、同図(b)に示すように、同開口縁部に沿って前後方向に延びる中心線L1,L2に沿って直角に屈曲することにより形成されている。原板19Aの左右の各側部をこのように屈曲加工することにより、各開口縁部の側縁部位が各可動部19a,19bに形成されているとともに、両開口縁部の側縁部位間が固定部19cおよび取付部19dに形成されている。
このように、原板19Aにて一体に構成された基体q9には、図18(a)に示すように、その各可動部19a,19bの外側面に圧電/電歪素子19a,19bを接着剤を介して接着されて、同図(b)に示す圧電/電歪デバイス10hが形成される。組立てられた圧電/電歪デバイス10hは、従来のこの種形式の圧電/電歪デバイスと同様に機能するものであるが、基体19が1枚の原板19Aによって一体的に構成されていることから、第1圧電/電歪デバイス10aと略同様の作用効果を奏するものである。
当該第8圧電/電歪デバイス10hは、固定部19cおよび取付部19dが小さくてアクチュエータや被制御部品に対する接着面積が小さいが、たとえば、スポット溶接のように小さい接着面積で部品を強固に接合できる手段を採ることができる場合には、大きい固定部や取付部は余計な錘(質量)として作用することになる。当該第8圧電/電歪デバイス10hは、この点で他の圧電/電歪デバイス10a〜10gとは相違し、余計な質量が無い分、共振周波数を高く設定することができて、アクチュエータの動作を高速化することができる利点がある。
上記した各実施形態に係る圧電/電歪デバイス10a〜10hにおいては、各基体11,13〜19を形成する原板として採用している打抜構造体では、各開口部11e,13e〜19eを、打抜き加工時に同時に打抜いて形成しているが、これらの原板の各開口部11e,13e〜19eについては、所定形状に打抜かれた原板を打抜き手段以外の手段、例えば、レーザー加工、放電加工、ドリル加工、超音波加工、エッチング等の穴開け加工手段にて形成するようにすることができる。これらの穴開け加工手段においては、エッチング以外の手段では、穴加工端面にバリが発生する場合があるが、バリはエッチング処理やブラスト処理にて簡単に除去することができる。
また、各圧電/電歪デバイス10a〜10hの基体11,13〜19を構成する可動部11a,11b…の折曲げ角度は、固定部11c…および取付部11d…に対してほぼ垂直とすることが好ましく、交差角度は90±10度、好ましくは90±5度、より好ましくは90±1度とする。可動部11a,11b…の折曲げ角度が90度からずれると、煽り方向の変位が大きくなる。なお、上記した符号…は、対応する部位の他の符号を省略したことを意味するもので、記載を簡略にするため使用している。
屈曲加工されて形成された基体11,13〜19については、洗剤、有機溶剤等を使用する超音波洗浄に付すことが好ましい。超音波洗浄においては、パワーを強くしても基体が破壊するようなことがないため、パワーの強い超音波洗浄により汚れを簡単に除去することができる。
また、各圧電/電歪デバイス10a〜10hでは、基体と圧電/電歪素子をそれぞれ別体に形成して、各圧電/電歪素子を基体の可動部に接着することにより構成しているが、本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、基体に形成する前の原板の可動部となる部位、または、基体の可動部に、圧電/電歪層および電極をスパッタ、CVD、MBE等の手段で成膜したり、ゾルゲル法にて成膜することにより、圧電/電歪素子を基体に直接形成するようにすることができる。
上記した各実施形態に係る圧電/電歪デバイス10a〜10hを構成する圧電/電歪素子12a,12bは、圧電/電歪層とこれに電界を印加するための一対の電極を備えるもので、ユニモルフ型、バイモルフ型等の圧電/電歪素子である。なかでも、ユニモルフ型の圧電/電歪素子は、派生する変位の安定性に優れ、かつ、軽量化にとって有利であることから、圧電/電歪デバイスの構成部品として適している。
図19および図20には、本発明に係る圧電/電歪デバイス10a〜10hを構成する圧電/電歪素子12a,12b、および、後述する本発明に係る圧電/電歪デバイス20a,20bを構成する圧電/電歪素子22a,22bに好適に採用される数例の圧電/電歪素子31〜34を示している。
図19(a)に示す圧電/電歪素子31は、圧電/電歪層が1層である1層構造のもので、圧電/電歪層31a、上下一対の第1,第2電極31b,31c、および、一対の端子31d,31eにて構成されている。同図(b)に示す圧電/電歪素子32は、圧電/電歪層が2層である2層構造のもので、圧電/電歪層32a,32b、両圧電/電歪層32a,32b間に介在する第1電極32c、両圧電/電歪層32a,32bの外側面を包囲する第2電極32d、および、一対の端子32e,32fにて構成されている。
また、図20に示す圧電/電歪素子33,34は、圧電/電歪層が4層である4層構造のものである。同図(a)に示す圧電/電歪素子33は、圧電/電歪層33a,33b,33c,33d、これらの両圧電/電歪層間に介在し包囲する第1,第2電極33e,33f、および、一対の端子33g,33hにて構成されている。また、同図(b)に示す圧電/電歪素子34は、圧電/電歪素子33とは端子の配設部位を異にするもので、圧電/電歪層34a,34b,34c,34d、これらの両圧電/電歪層間に介在し包囲する第1,第2電極34e,34f、および、一対の端子34g,34hにて構成されている。
これらの各圧電/電歪素子31〜34は、各圧電/電歪デバイスの圧電/電歪素子12a,12bや、圧電/電歪素子22a,22bの用途に応じて適宜採用されるものである。
各圧電/電歪素子31〜34を構成する圧電/電歪層には圧電セラミックスが用いられるが、電歪セラミックス、強誘電セラミックス、反強誘電セラミックス等を用いることも可能である。但し、圧電/電歪デバイスをハードディスクドライブの磁気ヘッド位置決め等に使用する場合には、取付部の変位量と駆動電圧または出力電圧とのリニアリティが重要であることから、歪み履歴の小さい材料を用いることが好ましい。抗電界が10kV/mm以下の材料を用いることが好ましい。
圧電/電歪層を形成するための材料としては、具体的には、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス等の単独、または、これらの適宜の混合物等を挙げることができる。特に、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛を主成分とする材料、または、チタン酸ナトリウムビスマスを主成分とする材料が好適である。
圧電/電歪層を形成するための材料には、適宜の材料を添加して、圧電/電歪層の特性を調整することができる。添加材としては、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セシウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸化物、または、最終的に酸化物となる材料の単独、もしくは、これらの適宜の混合物等を挙げることができる。
例えば、主成分であるジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛等に、ランタンやストロンチウムを含有させることにより、抗電界や圧電特性を調整し得る利点がある。なお、シリカ等のガラス化し易い材料の添加は避けるべきである。何故ならば、シリカ等のガラス化し易い材料は、圧電/電歪層の熱処理時に圧電/電歪層と反応し易く、その組成を変化させて圧電特性を劣化させるからである。
各圧電/電歪素子31〜34を構成する電極は、室温で固体であって、導電性に優れた金属材料で形成されることが好ましい。金属材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属の単体、または、これら金属の合金等を挙げることができる。また、これらの金属材料に圧電/電歪層と同じ材料または異なる材料のセラミックスを分散させてなるサーメット材料を用いることもできる。
各圧電/電歪素子31〜34は、圧電/電歪層と各電極を互いに積層した状態で、一体的に焼成することにより形成することが好ましい。この場合には、電極としては、白金、パラジウム、またはこれらの合金等の高融点金属材料からなるもの、高融点金属材料と圧電/電歪層の形成材料や他のセラミックス材料との混合物であるサーメット材料からなる電極を採用することが好ましい。電極の厚みは、圧電/電歪素子の変位に影響を及ぼす要因になることから、極力薄い薄膜状であることが好ましい。このため、圧電/電歪層と一体に焼成されて形成される電極が極力薄い薄膜状となるためには、電極を形成する材料は金属ペースト、例えば金レジネートペースト、白金レジネートペースト、銀レジネートペースト等の形態で使用することが好ましい。
各圧電/電歪素子31〜34の厚みは、各実施形態の圧電/電歪デバイスの圧電/電歪素子12a,12b、22a,22bとして使用する場合には、40μm〜180μmの範囲が好ましい。厚みが40μm未満である場合には、取扱い中に破損し易く、また、厚みが180μmを越える場合には、デバイスの小型化が困難となる。また、圧電/電歪素子は、圧電/電歪素子33,34のごとく多層構造とすることによりその出力を増加させて、デバイスの変位の拡大を図ることができる。また、圧電/電歪素子を多層構造とすることにより、デバイスの剛性が向上することから、デバイスの共振周波数が高くなって、デバイスの変位動作を高速化できる利点がある。
各圧電/電歪素子31〜34は、圧電/電歪層と電極を印刷またはテープ成形により積層して焼成してなる大面積の原板を、ダイサー、スライサー、ワイヤーソウ等により所定寸法に多数個切出す手段で作成される。圧電/電歪素子31〜34は、公知のセラミックス基体に比較して薄くて硬度が低いため、原板の切削速度を速く設定できて高速で大量に加工処理できる。
各圧電/電歪素子31〜34は、単純な板状構造であって取扱いが容易であり、また、表面積が小さいため汚れの付着量が少なくて汚れを除去し易い。但し、圧電/電歪素子は、セラミックス材料を主体とすることから、超音波洗浄では、適切な洗浄条件を設定する必要がある。原板から切出された圧電/電歪素子においては、US洗浄で精密洗浄した後、大気中、100℃〜1000℃で熱処理することにより、セラミックス材料の微細な気孔に入り込んでいる水分と有機物を完全に除去するようにすることが好ましい。
各実施形態に係る圧電/電歪デバイス10a〜10h,20a,20bを構成する圧電/電歪素子12a,12b、22a,22bとして、各圧電/電歪素子31〜34を採用する場合、各圧電/電歪素子31〜34の基体に対する接着手段としては、エポキシ樹脂、UV樹脂、ホットメルト接着剤等の樹脂系接着剤や、ガラス、セメント、半田、ロウ材等の無機系の接着剤を使用することが好ましく、また、樹脂系接着剤に金属粉末やセラミックス粉末を混合したものを使用することもできる。接着剤の硬度はショアDで80以上が好ましい。
なお、基体における圧電/電歪素子が接着される表面の部位には、予め、ブラスト、エッチング、めっき等の粗面加工を施しておくことが好ましい。接着部位の表面粗さをRa=0.1μm〜5μm程度にすることにより、接着面積を広げて接着強度を向上させることができる。この場合、圧電/電歪素子側の接着部位の表面も粗い方が好ましい。電極を基体とは導通させたくない場合には、最下層の圧電/電歪層の表面に電極を配置しないようにする。
接着剤として、半田、ロウ材を用いる場合には、濡れ性をよくするために、圧電/電歪素子の表面に金属材料の電極層を配置することが好ましい。接着剤の厚みは、1μm〜50μmの範囲であることが好ましい。接着剤の厚みは、薄い方がデバイスの変位および共振特性のばらつきを減らす点、および省スペース化の点で好ましいが、接着強度、変位、共振等の特性を確保するためには、採用する接着剤毎に最適の厚みを設定するようにする。
基体に圧電/電歪素子を接着する際には、圧電/電歪素子の電極が基体の固定部側となるようにして、圧電/電歪素子が固定部の屈曲位置に完全にかかるように接着する。圧電/電歪素子は、基体の固定部側の端部と一致させて接着することが好ましいが、圧電/電歪素子の端子と外部端子との接続を容易にするために、圧電/電歪素子を基体の端部から外方へ突出させて接着してもよい。但し、圧電/電歪素子は、金属製である基体に比較して破損し易いので、取扱いに注意が必要である。
図21は、本発明に係る第1の形式の圧電/電歪デバイスの範疇に属する第1圧電/電歪デバイス10aにおいて、各圧電/電歪素子12a,12bとして圧電/電歪素子34を採用した例を示している。以下では、当該実施形態の第1圧電/電歪デバイス10aを本発明に係る圧電/電歪デバイスの基本構成を有する代表例として、本発明に係る圧電/電歪デバイスの構成、動作、作用効果等を、当該第1圧電/電歪デバイス10aに基づいて詳細に説明する。
当該圧電/電歪デバイス10aにおいて、圧電/電歪素子34の一部が基体11の固定部11cに位置する場合、図22に示すように、一対の可動部11a,11bにおける取付部11dとの境界部と固定部11cとの境界部間の最短距離をLaとし、取付部11dと可動部12a,12bとの境界部分から圧電/電歪素子34の各電極34e,34fのいずれかの端部までの短い方の距離をLbとするとき、(1−Lb/La)が0.4以上であることが好ましく、一層好ましくは0.5〜0.8である。この値が0.4未満である場合には、デバイスの変位を大きくとれない。この値が0.5〜0.8である場合には、デバイスの変位と共振の両立を達成し易い。この場合、可動部12a,12bの一方にのみ、圧電/電歪素子34を接着する構成を採ることもでき、より好ましい実施形態ということができる。なお、圧電/電歪素子34の一部が取付部11dの一部に位置する場合も同様である。
当該圧電/電歪デバイス10aにおいて、両圧電/電歪素子34の各電極34e,34fへの電圧の印加は、各端子34g,34hを通して行われる。各端子34g,34hの位置は、一方の電極34eに対する端子34gが固定部11cの後ろよりに形成され、他方の電極34hに対する端子34hは固定部11cの内壁よりに形成されている。いずれかの端子34g,34hは、基体11と導通させることで、基体11のアースと共有させて省略することができる。接着する圧電/電歪素子34の幅は、基体11の接着部(可動部11a,11bの接着部位)の幅と同一である必要はなく、異なっていてもデバイスの機能上何等問題はない。
当該圧電/電歪デバイス10aは、例えば、基体11を板厚40μmのSUS304で形成されて、全長1.9mm、全幅1.5mmの大きさに形成される。圧電/電歪素子12a,12bとして採用している圧電/電歪素子34は、PZTを使用した4層構造体であって、圧電/電歪層34a〜34dの1層の厚みが15μm、各電極34e,34fは3μmの白金、各端子34g,34hは金ペーストからなる薄膜である。各圧電/電歪素子34は、1液の熱硬化エポキシ樹脂接着剤で各可動部11a,11bの外側面に接着される。
このような大きさに構成した当該圧電/電歪デバイス10aにおいては、圧電/電歪素子34を駆動電圧20±20Vの1kHzの正弦波で駆動させた場合の取付部11dの変位を測定したところ、±1.5μmであった。また、正弦波電圧±0.5Vとして周波数を掃引して変位の最大値を示す共振周波数を測定したところ、45kHzであった。
次に、本発明に係る圧電/電歪デバイスの動作を、上記した第1圧電/電歪デバイス10aに基づいて説明する。
当該圧電/電歪デバイス10aにおいて、各圧電/電歪素子12a,12b(34)に電圧が印加されていない非作動時には図22に示す状態にあり、圧電/電歪デバイス10aの長軸m(固定部11cの長軸)と取付部11dの中心軸nとはほぼ一致している。この状態で、例えば、図23(a)の波形図に示すように、一方の圧電/電歪素子12bにおける一対の電極34e,34fに所定のバイアス電位Vbを有するサイン波Wbをかけ、同図(b)に示すように、他方の圧電/電歪素子12aにおける一対の電極34e,34fに、前記サイン波Wbとはほぼ180度位相の異なるサイン波Waをかける。
しかして、一方の圧電/電歪素子12bにおける一対の電極34e,34fに対して、例えば、最大値の電圧が印加された段階では、一方の圧電/電歪素子12bにおける圧電/電歪層34a〜34dは、その主面方向に収縮変位する。
これにより、当該圧電/電歪デバイス10aにおいては、例えば図24に示すように、一方の可動部11bに対して図示右方向(矢印A方向)に撓ませる応力が発生することから、可動部11bは同方向に撓む。この場合、他方の圧電/電歪素子12aにおける一対の電極34e,34fは、電圧が印加されない状態になるため、他方の可動部11aは一方の可動部11bの撓みに追従して、可動部11bと同方向へ撓む。この結果、両可動部11a,11bは、圧電/電歪デバイス10aの長軸mに対して、図示右方向へ変位する。この変位の変位量は、各圧電/電歪素子12a,12bに対する印加電圧の最大値に応じて変化する。電圧の最大値が大きくなるほど、変位量は大きくなる。
特に、圧電/電歪素子34を構成する圧電/電歪層34a〜34dの構成材料として、高い抗電界を有する圧電/電歪材料を採用した場合には、図23(a),(b)の2点鎖線の波形に示すように、最小値のレベルがわずかに負のレベルとなるように、前記バイアス電位を調整するようにしてもよい。この場合、負のレベルのバイアス電位が印加されている圧電/電歪素子、例えば、他方の圧電/電歪素子12aの駆動によって、例えば、他方の可動部11aに一方の可動部11bの撓み方向と同方向の応力が発生し、取付部11dの変位量をより大きくすることが可能となる。換言すれば、図27(a),(b)における2点鎖線で示す波形を使用することにより、負のレベルのバイアス電位が印加されている圧電/電歪素子12a,12bは、変位動作の主体となっている圧電/電歪素子12b,12aをサポートするという機能を持たせることができる。
このように、当該圧電/電歪デバイス10aにおいては、圧電/電歪素子12a,12bの微小な変位が、両可動部11a,11bの撓みを利用して大きな変位動作に増幅されて両可動部11a,11bに伝達されることになるため、取付部11dは、圧電/電歪デバイス10aの長軸mに対して大きく変位させることが可能となる。
当該圧電/電歪デバイス10aにおいては、その機能を一層確実に発揮させるためには、下記のごとく配慮することが好ましい。すなわち、取付部11dの変位動作を確実なものとするために、圧電/電歪素子12a,12bの実質的駆動部分Lcが固定部11cまたは取付部11dにかかる距離Ldを、可動部11a,11bの厚みbの1/2以上とすることが好ましい。また、可動部11a,11bの内壁間の距離c(X軸方向の距離)と可動部11a,11bの幅d(Y軸方向の距離)との比c/dが0.5〜20となるように構成する。当該比c/dは、好ましくは1〜15であり、さらに好ましくは1〜10である。当該比c/dの規定値は、取付部11dの変位量を大きくし、X軸−Z軸平面内での変位を支配的に得られることを知得したことに基づく規定である。
全長e0の可動部11a,11bにおける実質的な可動長さe(Z軸方向の距離)と、可動部11a,11bの内壁間の距離cとの比e/cは、好ましくは0.5〜10であり、さらに好ましくは0.5〜5である。取付部11dと可動部11a,11bとの連結部の長さf1(Z軸方向の距離)、固定部11cと可動部11a,11bとの連結部の長さf2(Z軸方向の距離)は、短いことが好ましい。取付部11dを短くすることにより、デバイスの軽量化と共振周波数の増大を図ることができる。しかしながら、取付部11dのX軸方向の剛性を確保して、その変位を確実なものとするには、可動部11a,11bの厚みbとの比f1/b,f2/bを2以上、好ましくは5以上とすることが好ましい。また、基体11の屈曲位置L1から可動部12aまでの距離e1x、L1から固定部11cまたは取付部11dまでの距離e1yは、(e1x/b)>1、(e1y/b)>1であって、それぞれ2以上であることが好ましい。
当該圧電/電歪デバイス10aの各部位の実寸法は、部品を取付けるための取付部11dの接着面積、固定部11cを他の部材へ取付けるための接着面積、電極用の端子等の取付けのための接着面積、デバイス全体の強度、耐久性、必要な変位量および共振性、駆動電圧等を考慮して設定することが肝要である。
具体的には、例えば、可動部11a,11bの内壁間の距離cは、好ましくは100μm〜2000μm、さらに好ましくは200μm〜1600μmである。可動部11a,11bの幅dは、好ましくは50μm〜2000μm、さらに好ましくは100μm〜500μmである。可動部11a,11bの厚みbは、Y軸方向への変位成分である煽り変位が効果的に抑制できるように、可動部11a,11bの幅dとの関係がd>bであって、好ましくは2μm〜300μm、さらに好ましくは10μm〜80μmである。
可動部11a,11bにおける実質的な可動長さeは、好ましくは200μm〜3000μm、さらに好ましくは300μm〜2000μmである。取付部11dと可動部11a,11bとの連結長さf1、固定部11cと可動部11a,11bとの連結長さf2は、好ましくは50μm〜2000μm、さらに好ましくは100μm〜1000μmである。
基体11の屈曲位置L1から可動部12aまでの距離e1xは、好ましくは1μm〜300μm、さらの好ましくは5μm〜80μmである。また、基体11の屈曲位置L1から固定部11cまたは取付部11dまでの距離e1yは、好ましくは1μm〜1000μm、好ましくは5μm〜500μmである。なお、基体11の屈曲位置L2から可動部12aまでの距離(距離e1xに対応する距離)、および、基体11の屈曲位置L2から固定部11cまたは取付部11dまでの距離(距離e1yに対応する距離)は、距離e1xおよび距離e1yと同様である。
当該圧電/電歪デバイス10aをこのように構成することにより、X軸方向の変位に対するY軸方向の変位を10%を超えないようにすることができるが、上記した寸法比率と実寸法の範囲内で適宜設定することにより低電圧での駆動が可能であり、X軸方向の変位に対するY軸方向の変位を5%以下に抑制し得るという優れた効果を奏する。換言すれば、取付部11dは、実質的にX軸方向の1軸方向に変位することになって、高速応答性に優れ、低電圧で大きな変位が得られるという優れた特性を有する。
また、当該圧電/電歪デバイス10aにおいては、その主要構成部材である基体11が特有の形状を呈していて、可動部11a,11bが固定部11cおよび取付部11dに対してほぼ直交状態にあって、リブのごとく機能するため、デバイスのY軸方向の剛性を高く設定することができる。このため、当該圧電/電歪デバイス10aにおいては、取付部11dの動作を平面内(X軸−Z軸平面内)のみに選択的に発生させることができて、取付部11dのY軸−Z軸平面内での動作、所謂、煽り方向の動作を抑制することができる。
なお、本発明に係るデバイスにおいては、基体の固定部と取付部の形状を工夫することにより、ハードディスクドライブのサスペンションのジンバルと、デバイスの基体を一体化することも可能である。
なお、図25および図26には、第1圧電/電歪デバイス10aの2つの変形例を示している。これらの両変形例に係る圧電/電歪デバイス10a1,10a2は、基本的には、第1圧電/電歪デバイス10aと同一構成であるが、圧電/電歪デバイス10a1においては、基体11の固定部11cおよび取付部11dのほぼ中央部に、円形状の窪み部11c1,11d1がプレス成形にて形成されており、また、圧電/電歪デバイス10a2においては、基体11の固定部11cおよび取付部11dのほぼ中央部に、円形状の貫通穴11c2,11d2が打ち抜き加工にて形成されている。
圧電/電歪デバイス10a1においては、基体11の固定部11cおよび取付部11dに設けた窪み部11c1,11d1は、固定部11cおよび取付部11dに取付けられる部品を接着するための接着剤を収容すべく機能するもので、窪み部11c1,11d1に収容された接着剤により部品に対する接着強度を増加させることができるとともに、接着剤の接着部位からのはみ出しを防止することができる。
また、圧電/電歪デバイス10a2においては、基体11の固定部11cおよび取付部11dに設けた貫通穴11c2,11d2は、固定部11cおよび取付部11dへの部品の組立(接着)の際の位置決め基準として機能するもので、後工程での組立精度を向上させて、製品の歩留まりを向上させることができる。
図1(i),(j)に示す第9圧電/電歪デバイス20a、第10圧電/電歪デバイス20bは、本発明に係る第2の形式の圧電/電歪デバイスの範疇に属する圧電/電歪デバイスである。これらの各圧電/電歪デバイス20a,20bは、図27および図29に示すように、左右一対の可動部、これら両可動部を後端部側にて互いに連結する固定部、これら両可動部を前端部側にて互いに連結して前記固定部とは互いに分離している取付部、および、取付部と一体で取付部、各可動部および固定部を包囲する連結部を有する基体と、同基体の両可動部の少なくとも一方の側面に配設した圧電/電歪素子を具備することを基本構成とするものであり、他の各実施形態に係る圧電/電歪デバイスとは、基体の構成を大きく異にするものである。
図27に示す第9圧電/電歪デバイス20aを構成する基体21は、左右一対の可動部21a,21b、両可動部21a,21bを後端部側にて互いに連結する固定部21c、両可動部21a,21bを前端部側にて互いに連結する取付部21d、および、取付部21dと一体の連結部21eを具備している。
当該基体21は、第7圧電/電歪デバイス10gを構成する基体18に連結部が付加されている形状のものであって、基体21の連結部21eは、中央部に方形の開口部21f1を有する平板状を呈していて、開口部24f1内に、可動部21a,21b、固定部21cおよび取付部21dが一体の状態で位置している。当該連結部21eにおいては、基体21の主要構成部位を包囲していて、連結部21eの両側縁部21e1,21e2がバネ機能を有している。
基体21の原板21Aは、図28(a)に示すように、連結部21eを構成することとなる方形状の開口部21f1と、可動部21a,21b、固定部21cおよび取付部21dを一体に構成することとなる門形状の開口部24f2を有するもので、同図(a)に示す2点鎖線L1,L2に沿って屈曲加工することにより、同図(b)に示す基体21が形成される。このように形成された基体21には、各可動部21a,21bの外側面に各圧電/電歪素子22a,22bを接着することにより、図27に示す第9圧電/電歪デバイス20aが形成される。
当該第9圧電/電歪デバイス20aは、第7圧電/電歪デバイス10gとは同一の機能を有するとともに、略同様の作用効果を奏するものであるが、特に、バネ機能を有する連結部21eを一体に具備していることから、当該連結部21eを、ハードディスクドライブを構成するサスペンションのジンバルとして機能させることができる。換言すれば、当該基体21は、ジンバルの機能を併せて有するものである。
図29に示す第10圧電/電歪デバイス20bを構成する基体23は、左右一対の可動部23a,23b、両可動部23a,23bを後端部側にて互いに連結する固定部23c、両可動部23a,23bを前端部側にて互いに連結する取付部23d、および、取付部23dと一体の連結部23eを具備している。
当該基体23は、第7圧電/電歪デバイス10gを構成する基体18に連結部が付加されている形状のものであって、基体23の連結部23eは、中央部に門形状の開口部23f1を有するとともに、先端部側に後端側が開放された方形状の開口部23f2を有する平板状を呈していて、開口部23f2内に、可動部23a,23b、固定部23cおよび取付部23dが一体の状態で位置している。当該連結部23eにおいては、基体23の主要構成部位を包囲していて、連結部23eの外側の両側縁部23e1,23e2、および、内側の両側縁部23e3,23e4がバネ機能を有している。
基体23の原板23Aは、図30(a)に示すように、連結部23eを構成することとなる門形状の開口部23f1および方形状の開口部23f2と、可動部23a,23b、固定部23cおよび取付部23dを一体に構成することとなる門形状の開口部23f3を有するもので、同図(a)に示す2点鎖線L1,L2に沿って屈曲加工することにより、同図(b)に示す基体23が形成される。このように形成された基体23には、各可動部23a,23bの外側面に各圧電/電歪素子22a,22bを接着することにより、図29に示す第10圧電/電歪デバイス20bが形成される。
当該第10圧電/電歪デバイス20bは、第7圧電/電歪デバイス10gとは同一の機能を有するとともに、略同様の作用効果を奏するものであるが、特に、バネ機能を有する連結部23eを一体に具備していることから、当該連結部23eを、ハードディスクドライブを構成するサスペンションのジンバルとして機能させることができる。換言すれば、当該基体23は、ジンバルの機能を併せて有するものである。また、当該10圧電/電歪デバイス20bにおいては、第9圧電/電歪デバイス20aに比較してより高いバネ機能を有することから、ジンバルの機能をより的確に発揮し得る。
図31は、本発明に係る第2の形式の圧電/電歪デバイスである第9圧電/電歪デバイス20aを搭載したハードディスクドライブ40を示している。当該ハードディスクドライブ40は、サスペンションを備えた公知のもので、ベース41上にはボイスコイル42およびマグネット43を備えていて、ベース41上に設けたアーム44に、第9圧電/電歪デバイス20aを搭載したサスペンション45が取付けられている。なお、符号46は磁気ディスクを示す。
しかして、当該第9圧電/電歪デバイス20aは、図32に示すように、基体21の固定部21c上に磁気ヘッド47(スライダー)を接着剤を介して固定されていて、基体21の連結部21eにおける取付部21d側の裏面側にて、サスペンション45の裏面側に、スポット溶接等の手段で固定されている。当該第19圧電/電歪デバイス20aのこのような取付構造では、基体21の連結部21aが従来のジンバルの機能を有していて、当該第9圧電/電歪デバイス20aのサスペンション45への搭載には、従来のジンバルの使用を省略できる利点がある。
本発明に係る圧電/電歪デバイスである第1圧電/電歪デバイス〜第10圧電/電歪デバイスを示す斜視図(a)〜(j)である 本発明に係る第1圧電/電歪デバイスの被制御部品を搭載した状態の斜視図である。 第1圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板の斜視図(a)、および、同原板を屈曲加工して形成された基体の斜視図(b)である。 第1圧電/電歪デバイスを組立てる状態を示す斜視図(a)、および、組立てられた圧電/電歪デバイスの斜視図(b)である。 本発明に係る第2圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板の斜視図(a)、および、同原板を屈曲加工して形成された基体の斜視図(b)である。 第2圧電/電歪デバイスを組立てる状態を示す斜視図(a)、および、組立てられた圧電/電歪デバイスの斜視図(b)である。 本発明に係る第3圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板の斜視図(a)、および、同原板を屈曲加工して形成された基体の斜視図(b)である。 第3圧電/電歪デバイスを組立てる状態を示す斜視図(a)、および、組立てられた圧電/電歪デバイスの斜視図(b)である。 本発明に係る第4圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板の斜視図(a)、および、同原板を屈曲加工して形成された基体の斜視図(b)である。 第4圧電/電歪デバイスを組立てる状態を示す斜視図(a)、および、組立てられた圧電/電歪デバイスの斜視図(b)である。 本発明に係る第5圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板の斜視図(a)、および、同原板を屈曲加工して形成された基体の斜視図(b)である。 第5圧電/電歪デバイスを組立てる状態を示す斜視図(a)、および、組立てられた圧電/電歪デバイスの斜視図(b)である。 本発明に係る第6圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板の斜視図(a)、および、同原板を屈曲加工して形成された基体の斜視図(b)である。 第6圧電/電歪デバイスを組立てる状態を示す斜視図(a)、および、組立てられた圧電/電歪デバイスの斜視図(b)である。 本発明に係る第7圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板の斜視図(a)、および、同原板を屈曲加工して形成された基体の斜視図(b)である。 第7圧電/電歪デバイスを組立てる状態を示す斜視図(a)、および、組立てられた圧電/電歪デバイスの斜視図(b)である。 本発明に係る第8圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板の斜視図(a)、および、同原板を屈曲加工して形成された基体の斜視図(b)である。 第8圧電/電歪デバイスを組立てる状態を示す斜視図(a)、および、組立てられた圧電/電歪デバイスの斜視図(b)である。 本発明に係る圧電/電歪デバイスを構成する圧電/電歪素子に採用される2例の各圧電/電歪素子の斜視図(a),(b)である。 本発明に係る圧電/電歪デバイスを構成する圧電/電歪素子に採用される他の2例の各圧電/電歪素子の斜視図(a),(b)である。 圧電/電歪素子として図20(b)に示す圧電/電歪素子を採用してなる第1圧電/電歪デバイスの斜視図である。 同圧電/電歪デバイスの非作動状態の平面図である。 同圧電/電歪デバイスの各圧電/電歪素子に印加される電圧の波形図である(a),(b)である。 同圧電/電歪デバイスの作動状態の平面図である。 本発明に係る第1圧電/電歪デバイスの第1の変形例を示す斜視図である。 本発明に係る第1圧電/電歪デバイスの第2の変形例を示す斜視図である。 本発明に係る第9圧電/電歪デバイスの斜視図である。 第9圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板の斜視図(a)、および、同原板を屈曲加工して形成された基体の斜視図(b)である。 本発明に係る第10圧電/電歪デバイスの斜視図である。 第10圧電/電歪デバイスを構成する基体の原板の斜視図(a)、および、同原板を屈曲加工して形成された基体の斜視図(b)である。 第9圧電/電歪デバイスを搭載したハードディスクドライブの斜視図である。 第9圧電/電歪デバイスを搭載したサスペンションの平面図(a)、および、同側面図(b)である。
符号の説明
10a〜10h、10a1,10a2…圧電/電歪デバイス、11…基体、11A…原板、11a,11b…可動部、11c…固定部、11d…取付部、11c1,11d1…窪み部、11c2,11d2…貫通穴、11e…開口部、11e1,11e2…側方溝部、11e3…中央溝部、12a,12b…圧電/電歪素子、13…基体、13A…原板、13a,13b…可動部、13a1,13b1…円弧状の屈曲部、13c…固定部、13d…取付部、13e…開口部、14…基体、14A…原板、14a,14b…可動部、14a1,14b1…薄肉部、14c…固定部、14d…取付部、14e…開口部、15…基体、15A…原板、15a,15b…可動部、15c…固定部、15d…取付部、15e…開口部、15f,15g…補強部、16…基体、16A…原板、16a,16b…可動部、16c…固定部、16d…取付部、16e…開口部、16f,16g…補強部、17…基体、17A…原板、17a,17b…可動部、17c…固定部、17d…取付部、17e…開口部、17f…補強部材、18…基体、18A…原板、18a,18b…可動部、18c…固定部、18d…取付部、18e…開口部、19…基体、19a,19b…可動部、19c…固定部、19d…取付部、19e…開口部、20a,20b…圧電/電歪デバイス、21…基体、21A…原板、21a,21b…可動部、21c…固定部、21d…取付部、21e…連結部、21e1,21e2…側縁部、21f1,21f2…開口部、22a,22b…圧電/電歪素子、
23…基体、23A…原板、23a,23b…可動部、23c…固定部、23d…取付部、23e…連結部、23e1,23e2,23e3,23e4…側縁部、23f1,23f2,23f3…開口部、31,32,33,34…圧電/電歪素子、31a、32a,32b、33a〜33d、34a〜34d…圧電/電歪層、31b,31c、32c,32d、33e,33f、34e,34f…電極、31d,31d、32e、32f、33g,33h、34g,34h…端子。40…ハードディスクドライブ、41…ベース、42…ボイスコイル、43…マグネット、44…アーム、45…サスペンション、46…磁気ディスク、47…磁気ヘッド。

Claims (20)

  1. 内側面を互いに対向して前後方向に延びる左右一対の可動部、前記両可動部の後端部と連結し前記後端部から前方に延びる平板状の固定部、および、前記両可動部の前端部と連結し前記前端部から後方に延び前記固定部とは互いに分離している平板状の取付部を有する基体と、前記基体の前記両可動部の外側面に配設した一対の圧電/電歪素子を具備し、制御または検査の対象とする部品を前記取付部上に配置する使用形態を採る圧電/電歪デバイスであり、前記基体は1枚の平板を打抜きして形成された平板状の打抜構造体の所定の部位を屈曲して形成されていて、前記各可動部は前記固定部および前記取付部の左右の各側縁部から所定高さ起立して互いに対向して、前記固定部および前記取付部の前記各側縁部に沿って延びていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  2. 請求項1に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する前記固定部の前端部と前記取付部の後端部間には左右方向に延びるスリット状溝部が介在し、かつ、前記固定部および前記取付部の左右の側縁部と前記各可動部の根元部間には前後方向に延びるスリット状溝部が介在していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  3. 請求項1に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する前記固定部の前端部と前記取付部の後端部間には、左右方向および前後方向に延びる方形状の溝部が介在していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  4. 内側面を互いに対向して前後方向に延びる左右一対の可動部、前記両可動部の後端部と連結し前記後端部から前方に延びる平板状の固定部、前記両可動部の前端部と連結し前記前端部から後方に延び前記固定部とは互いに分離している平板状の取付部、および、前記取付部と一体で前記取付部、前記各可動部および前記固定部を包囲する連結部を有する基体と、前記基体の前記両可動部の外側面に配設した一対の圧電/電歪素子を具備し、制御または検査の対象とする部品を前記取付部上に配置する使用形態を採る圧電/電歪デバイスであり、前記基体は1枚の平板を打抜きして形成された平板状の打抜構造体の所定の部位を屈曲して形成されていて、前記各可動部は前記固定部および前記取付部の左右の各側縁部から所定高さ起立して、互いに対向して前記固定部および前記取付部の前記各側縁部に沿って延び、かつ、前記各可動部、前記固定部および前記取付部は前記連結部の中央空間部内に位置していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  5. 請求項4に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記連結部の前記中央空間部における前記固定部の後端部側は閉鎖状態にあることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  6. 請求項4に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記連結部の前記中央空間部における前記固定部の後端部側は開放状態にあることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する前記固定部および前記取付部の左右の各側縁部と前記各可動部の根元部間の連結部は円弧状を呈していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する前記各可動部は、前後方向の中間部位が他の部位に比較して薄く形成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する前記各可動部は、上縁から屈曲して延びて前記固定部の表面に当接する補強部を具備していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する前記各可動部は、後端部から屈曲して内側へ延びて前記固定部の表面に当接する補強部を具備していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する前記固定部の後端部における前記各可動部間に補強部材が介在していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する前記固定部は前記各可動部の後端部から後方へも延出していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する前記取付部は前記各可動部の前端部側から前方へも延出していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体は、可撓性で屈曲加工の可能な金属製の平板にて構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  15. 内側面を互いに対向して前後方向に延びる左右一対の可動部、前記両可動部の後端部と連結し前記後端部から前方に延びる平板状の固定部、および、前記両可動部の前端部と連結し前記前端部から後方に延び前記固定部とは互いに分離している平板状の取付部を有する基体と、前記基体の前記両可動部の外側面に配設した一対の圧電/電歪素子を具備し、制御または検査の対象とする部品を前記取付部上に配置する使用形態を採る圧電/電歪デバイスを製造する方法であり、前記基体の形成材料として可撓性で屈曲加工の可能な平板を採用し、前記平板を、前記基体が平面状に展開された形状に打抜き加工して打抜構造体を形成し、前記打抜構造体の所定の部位を屈曲して、前記固定部と、前記固定部の左右の各側縁部から所定高さ起立する前記各可動部と、前記取付部を一体に有する基体を形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  16. 請求項15に記載の圧電/電歪デバイスの製造方法において、前記打抜構造体は、方形の平板の左右の側部に側縁部に沿って前後方向に延びる一対の直線状の側方溝部と前記両側方溝部を中間部にて互いに連結する左右方向に延びる直線状の中央溝部からなるH形状の開口部を有していて、前記平板の前記各側縁部を前記側方溝部に沿って屈曲加工することにより、前記各側縁部を前記各可動部に形成するとともに、前記各側方溝部間の部位を前記固定部および前記取付部に形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  17. 請求項15に記載の圧電/電歪デバイスの製造方法において、前記打抜構造体は方形の平板の中央部に方形の開口部を有していて、前記平板の各側縁部を前記開口部の側縁部に沿って屈曲加工することにより、前記平板の前記各側縁部を前記各可動部に形成するとともに、前記各側方溝部間の部位を前記固定部および前記取付部に形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  18. 内側面を互いに対向して前後方向に延びる左右一対の可動部、前記両可動部の後端部と連結し前記後端部から前方に延びる平板状の固定部、前記両可動部の前端部と連結し前記前端部から後方に延び前記固定部とは互いに分離している平板状取付部、および、前記取付部と一体で前記取付部、前記各可動部および前記固定部を包囲する連結部を有する基体と、前記基体の前記両可動部の外側面に配設した一対の圧電/電歪素子を具備し、制御または検査の対象とする部品を前記取付部上に配置する使用形態を採る圧電/電歪デバイスを製造する方法であり、前記基体の形成材料として可撓性で屈曲加工の可能な平板を採用し、前記平板を、前記基体が平面状に展開された形状に打抜き加工して打抜構造体を形成し、前記打抜構造体の所定の部位を屈曲して、前記固定部と、前記固定部の左右の各側縁部から所定高さ起立する前記各可動部と、前記取付部と、前記連結部を一体に有する基体を形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  19. 請求項18に記載の圧電/電歪デバイスの製造方法において、前記打抜構造体は方形の平板の中央開口部の内部に方形の平板部を有するとともに、前記平板部の左右の側部に側縁部に沿って前後方向に延びる一対の直線状の側方溝部と前記両側方溝部を中間部にて互いに連結する左右方向に延びる直線状の中央溝部からなるH形状の開口部を有していて、前記平板部の各側縁部を前記側方溝部に沿って屈曲加工することにより、前記各側縁部を前記各可動部に形成し、前記各側方溝部間の部位を前記固定部および前記取付部に形成し、かつ、前記中央開口部の外周の部位を前記連結部に形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  20. 請求項15〜19にいずれか一項に記載の圧電/電歪デバイスの製造方法において、前記打抜構造体の開口部は、前記平板の打抜き加工と同時に打抜きして形成され、または、前記平板の打抜き加工後の穴開け加工にて形成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
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