JP4032769B2 - 情報処理装置、印刷装置及び記憶情報の修正方法 - Google Patents

情報処理装置、印刷装置及び記憶情報の修正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置、印刷装置及び記憶情報の修正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ソフトウェアはCPUの高性能化、メモリ容量の増大に伴って高度化、大規模化してきており、それに連れてソフトウェアには不具合が生じる可能性が高くなっている。このため、CPU、ROM、RAMを持ったシステムにおいて、市場に投入した後でソフトウェアに不具合が発見されたり、これらの不具合が原因でシステム自体を回収するなどの問題が度々生じている。そこで、この問題に対処するためにROMとして電気的に書き換え可能なもの(フラッシュROM)を用い、回収した際にソフトウェアを書き換えて修正したり、ユーザ自身にソフトウェアをバージョンアップさせて対応している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フラッシュROMはこれまで使用されてきた電気的に書き換えが不可能なROM(マスクROM)に比べて高価であるため、フラッシュROMを用いるにしてもフラッシュROMに格納するソフトウェア(バイナリデータ)をなるべく小さくして、メモリ容量の小さいものを使いたい現状がある。また、フラッシュROMを書き換えるとき、書き換えた後のソフトウェアは修正が加わる分だけ書き換え前に比べてデータ量が多くなる傾向があるため、設計時にはフラッシュROMに格納するソフトウェアを最小化しておきたい要望もある。
【0004】
これらの対応策としてフラッシュROMに格納するデータを最小化する方法の一つに、ソフトウェア全体のうち不具合がないであろうと思われる部分をマスクROMに格納しておく方法がある。この場合、マスクROMに格納したデータ量だけフラッシュROMに格納するデータ量が少なくて済み、上記した問題の解決が図れる。しかし、マスクROMは書き換えが不可能であることから、例えばマスクROMに格納した部分に不具合が生じて修正を迫られたとしても、その部分は書き換えることができず、修正の対応ができないという問題が生じていた。
【0005】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、第1の記憶領域に予め格納された既存情報に、後発的に差し替えの必要が生じても、第2の記憶領域に格納する差替情報に基づき、既存情報のうち差し替えが必要になった一部を差し替えることで対応でき、かつ第2の記憶領域において差替情報に必要な格納領域を少なく済ませられる情報処理装置、印刷装置及び記憶情報の修正方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、既存情報及びローダーを含むIPL部が予め格納された書き替え不可能な第1の記憶領域と、前記既存情報差し替えに係る差替情報が格納される書き替え可能な第2の記憶領域と、指定された既存情報を前記第1の記憶領域から読み出す制御手段とを備え、前記IPL部のうち前記既存情報には前記差替情報が前記第2の記憶領域に記憶される位置を示す位置情報が格納され、前記差替情報は、前記既存情報のうち差し替えられるべき部分を示す差替位置情報及び差し替えるべき内容を示す差替内容情報を、一つの前記既存情報につき複数の異なる部分に対応して複数指定可能であり、前記ローダーは、前記既存情報の差し替えが必要になった場合、前記既存情報のうち差し替えるべき少なくとも一の部分について前記差替位置情報及び前記差替内容情報を書き込むことにより、前記差替情報を差し替えなしの旨の内容から差し替えありの旨の内容に変更し、前記制御手段は、前記既存情報に格納された前記位置情報で指定された前記第2の記憶領域内の位に記憶された差替情報が差し替えなしの旨の内容であれば、前記第1の記憶領域から前記既存情報を読み出し、一方、前記差替情報が差し替えありの旨の内容であれば、当該差替情報に基づいて、前記既存情報のうち差替位置情報で指定された部分を差替内容情報に差し替え、この場合において、一つの既存情報に差し替えるべき部分が複数指定された差替情報である場合は、当該既存情報のうち各差替位置情報で指定された複数の部分をそれぞれ対応する各差替内容情報に差し替えることで、一つの情報単位として処理される記憶情報を生成することを要旨とする。
【0007】
この発明によれば、既存情報の差し替えが必要になった場合、ローダーは、前記既存情報のうち差し替えるべき少なくとも一の部分について前記差替位置情報及び前記差替内容情報を書き込むことにより、差替情報を、差し替えなしの旨の内容から差し替えありの旨の内容に変更する。制御手段は、第1の記憶領域から既存情報を読み出すに当たり、既存情報に格納された位置情報により指定された第2の記憶領域内の位置に記憶された差替情報が差し替えなしの旨の内容であれば、前記第1の記憶領域から前記既存情報を読み出す。一方、差替情報が差し替えありの旨の内容であれば、その差替情報に基づいて、既存情報のうち差替位置情報で指定された部分を差替内容情報に差し替え、この場合において、一つの既存情報に差し替えるべき部分が複数指定された差替情報である場合は、当該既存情報のうち各差替位置情報で指定された複数の部分をそれぞれ対応する各差替内容情報に差し替えることで、一つの情報単位として処理される記憶情報を生成する。よって、例えば既存情報に不具合が生じるなど、後発的に既存情報の一部を差し替える必要が生じても、既存情報の一部を差替情報に差し替えることで対応でき、しかも既存情報に複数箇所の不具合が生じた場合でも、既存情報の複数箇所を差替情報において指定された差替内容情報に個別に差し替えることで、既存情報の修正が行える
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記差替情報を、前記差替位置情報と前記差替内容情報とを含むテーブルで記憶することを要旨とする。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記既存情報は一つの独立した情報単位であり、前記既存情報には当該既存情報の前記第1の記憶領域における位置情報が記憶された構成であって、前記制御手段は前記位置情報と現在の読込位置情報とを基に前記第1の記憶領域における読み込むべきアドレスを設定し、前記読み込むべきアドレスから所定サイズだけ格納データを読み込み、その部分に前記差替情報を取り込むことにより前記既存情報の一部を前記差替情報に差し替えることを要旨とする。
【0013】
この発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、制御手段によって読み込むべきアドレスから所定サイズだけ格納データが読み込まれ、その部分に差替情報が取り込まれて既存情報の一部が差替情報に差し替えられる。従って、一つの独立した情報単位のうち所定の一部が差替情報に差し替えられ、既存情報の部分的修正が行える。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記制御手段はプログラムを機能単位で分割したときの構成単位となるモジュールであり、前記モジュールはアプリケーションからの指令に基づき、前記既存情報と前記差替情報とを用いて一つの情報単位として前記記憶情報を生成し、当該記憶情報を前記アプリケーションに返信することを要旨とする。
【0015】
この発明によれば、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、既存情報と差替情報とを用いて記憶情報を生成する処理は、アプリケーションからの指令に基づきモジュールが行っている。従って、アプリケーションは既存情報と差替情報とに基づき記憶情報を生成する処理を意識せずに済み、このような操作が行われていることを意識することなしに記憶情報の読み込みが行える。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記既存情報は、前記情報処理装置を製品化するときに予め載せられるデフォルト情報であることを要旨とする。
【0017】
この発明によれば、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、既存情報はデフォルト情報であるので、例えばデフォルト情報に不具合が生じてもその不具合部分を差替情報に基づき修正が行える。
【0022】
請求項6に記載の発明では、印刷装置は請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の前記情報処理装置と、印刷媒体に印刷処理を実行する印刷機構と備えたことを要旨とする。
【0023】
この発明によれば、請求項1〜5のうちいずれか一項と同様の作用が得られる。
請求項7に記載の発明では、書き替え不可能な第1の記憶領域には既存情報及びローダーを含むIPL部が予め格納され、前記既存情報には当該既存情報に対応する差替情報が、書き替え可能な第2の記憶領域に記憶される位置を示す位置情報が格納されており、前記差替情報は、前記既存情報のうち差し替えられるべき部分を示す差替位置情報及び差し替えるべき内容を示す差替内容情報を、一つの前記既存情報につき複数の異なる部分に対応して複数指定可能であり、前記ローダーは、前記既存情報の差し替えが必要になった場合、前記既存情報のうち差し替えるべき少なくとも一の部分について前記差替位置情報及び前記差替内容情報を書き込むことにより、前記差替情報を差し替えなしの旨の内容から差し替えありの旨の内容に変更し、制御手段は、前記第1の記憶領域から既存情報を読み出すに当たり、該既存情報に格納された前記位置情報で指定された前記第2の記憶領域内の位置に記憶された差替情報が差し替えなしの旨の内容であれば、前記第1の記憶領域から前記既存情報を読み出し、一方、前記差替情報が差し替えありの旨の内容であれば、当該差替情報に基づいて、前記既存情報のうち差替位置情報で指定された部分を差替内容情報に差し替え、この場合において、一つの既存情報に差し替えるべき部分が複数指定された差替情報である場合は、当該既存情報のうち各差替位置情報で指定された複数の部分をそれぞれ対応する各差替内容情報に差し替えることで、一つの情報単位として処理される記憶情報を生成することを要旨とする。
【0024】
この発明によれば、請求項1と同様の作用が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明をプリンタに具体化した情報処理装置、印刷装置及び記憶情報の修正方法の第1実施形態を図1〜図10に従って説明する。
【0026】
図1は、プリンタ1の斜視図である。印刷装置としてのプリンタ1は圧電素子(ピエゾ)を用いたインクジェット式であり、供給トレイ2にセットされた単票紙や、ロール紙ホルダ3にセットされたロール紙を文字印刷或いはカラー印刷する。プリンタ1のケース4の正面側(図1の手前側)には排紙口5が形成され、印刷処理が済んだ印刷媒体としての用紙6は排紙トレイ7に乗せられた状態で排紙口5から排出される。
【0027】
プリンタ1のケース4にはその正面右側端部にメモリーカードドライブ8が組み付けられ、メモリーカードドライブ8にはメモリーカード9がアダプタ10を介して差し込まれる。メモリーカード9はその種類としてコンパクトフラッシュ(R)、スマートメディア(R)、メモリースティック(R)等があり、各々専用のアダプタ10に装着された状態でメモリーカードドライブ8へ差し込まれる。また、メモリーカード9にはデジタルカメラ(図示省略)で撮影された画像データが記憶されている。
【0028】
プリンタ1のケース4にはその右側上部に操作パネル11が配置され、操作パネル11にはLCD(液晶画面)12と複数の操作ボタン13とが配設されている。そして、LCD12に表示される設定要項を見ながら、操作ボタン13を操作して所望の印刷条件が設定される。また、ケース4の上部にはモニタ(プレビューモニタ)14が取り付けられている。モニタ14の画面15にはメモリーカード9に記憶された画像データが表示され、ホストコンピュータ16(図2参照)を用いずともメモリーカード9の画像データやプリントレイアウトの確認作業が行える。
【0029】
図2は、プリンタ1の電気的構成図である。プリンタ1は装置全体を制御する制御装置17を内蔵し、制御装置17はCPU18、マスクROM19、フラッシュROM20、RAM21、ASIC22を備えている。これら部材18〜22はバス23を通じて相互に接続されている。CPU18はマスクROM19やフラッシュROM20に記憶されたプログラムに基づき、RAM21を作業領域としてプリンタ1を駆動させるとともに、メモリーカード9から取り込んだ画像データをモニタ14に表示させる。また、ASIC22はCPU18からの制御信号に基づき駆動される。
【0030】
プリンタ1は制御装置17にI/F24と駆動回路25とを備え、I/F24を介してホストコンピュータ16と接続されている。また、プリンタ1は印刷処理を行う印刷機構としての印刷処理部26を備え、印刷処理部26は例えばキャリッジ、記録ヘッド、キャリッジモータ、紙送りモータ等のメカ機構により構成される。ASIC22はI/F24を介してホストコンピュータ16から入力する印刷データや、メモリーカード9に記憶された画像データに基づき、駆動回路25を介して印刷処理部26に印刷を実行させる。
【0031】
図3は、プリンタ1のソフトウェアを概念的に示す構成図である。同図に示すアプリケーション28、セレクタ29、複数のモジュール30〜33はソフトウェアであるが、図中ではこれらをCPU18と協働して生成される部材として図示している。また、メモリーカード9として第1のメモリーカード(例えばコンパクトフラッシュ(R))34、第2のメモリーカード(例えばメモリースティック(R))35、第3のメモリーカード(例えばスマートメディア)36の3つが同時に図示されているが、これらを一度にプリンタ1に接続できるわけではなく、実際にはこのうち1つが接続される。
【0032】
セレクタ29と複数のモジュール30〜33はOSとして機能するソフトウェアであり、ファイル構造を管理するファイルシステムを構築している。アプリケーション28はファイルシステムを使用するソフトウェアであり、チェンジドライブ(Change Drive )処理に応じた指令信号をセレクタ29に出力してセレクタ29にドライブ切替を実行させる。また、アプリケーション28はオープン(Open)、リード(Read)、ライト(Write )、クローズ(Close )、シーク(Seek)の各処理に応じた指令信号をセレクタ29を介して各モジュール30〜33に出力し、各モジュール30〜33に対し指令信号に応じた各種処理を実行させる。
【0033】
チェンジドライブ処理はセレクタ29のカレントドライブを切り替える処理であり、セレクタ29はチェンジドライブ処理として、アプリケーション28から指令信号としてドライブ名を入力し、そのドライブ名にカレントドライブを切り替える。本例では、Aドライブ〜Dドライブの4種類があり、チェンジドライブによりカレントドライブが切り替えられて4種類の間でドライブ設定が実行される。なお、セレクタ29はチェンジドライブ処理が成功或いは失敗したかの旨の信号をアプリケーション28に出力する。
【0034】
各モジュール30〜33はソフトウェア(プログラム)を機能単位で分割した場合の一部分であり、第1のモジュール30、第2のモジュール31、第3のモジュール32、ROMモジュール33がある。各モジュール30〜32はそれぞれ第1のメモリーカード34、第2のメモリーカード35、第3のメモリーカード36を動作させるモジュールである。また、ROMモジュール33はフラッシュROM20のデータ内容を処理してファイルシステムとして動作するモジュールである。
【0035】
アプリケーション28はセレクタ29がAドライブのとき第1のモジュール30に、Bドライブのとき第2のモジュール31に、Cドライブのとき第3のモジュール32に、DドライブのときROMモジュール33に接続される。そして、各モジュール30〜33はアプリケーション28からセレクタ29を介してオープン処理、リード処理、ライト処理、クローズ処理、シーク処理の各処理に応じた指令信号をそれぞれ入力し、各種処理を実行する。
【0036】
オープン処理はファイルを開く処理であり、各モジュール30〜33はオープン処理として、ファイル名とオープンモードをアプリケーション28から入力し、それに応じたファイルハンドル37(図4参照)をアプリケーション28に出力する。リード処理はファイルを読み込む処理であり、各モジュール30〜33はリード処理として、アプリケーション28から読込データを格納する場所と読込サイズとファイルハンドル37とを入力し、実際に読み込む読込データをアプリケーション28に出力する。
【0037】
また、ライト処理はファイルを書き込む処理であり、各モジュール30〜33はライト処理として、アプリケーション28から書込データの書き込み場所と書込サイズとファイルハンドル37とを入力し、実際に書き込んだ書込データを出力する。シーク処理はファイルの読込位置と書込位置を移動する処理であり、各モジュール30〜33はシーク処理として、移動する位置とファイルハンドル37と基準点(先頭、終端、任意)とを入力し、実際のファイル位置を出力する。クローズ処理はファイルを閉じる処理であり、各モジュール30〜33はクローズ処理として、ファイルハンドル37を入力している。
【0038】
ここで、ファイルハンドル37とはファイルを識別するための内部処理上にのコードであり、RAM21に一旦記憶される。また、ファイルハンドル37は図4に示すようにその情報として「ファイル名」、「そのファイル名が持つ情報のIPL部の先頭アドレス」、「そのファイル名が持つ情報の書換可能部の先頭アドレス」、「現在のファイル読込位置」、「ファイルサイズ」、「オープンモード」を記憶している。このうちオープンモードには、「読込専用」、「書込専用」、「読み書き」、「書込追記」がある。
【0039】
図6は、フラッシュROM20のメモリマップである。フラッシュROM20はアドレス00〜AFがデータ書き換え不可能な第1の記憶領域としてのIPL部38、アドレスB0以降がデータ書き換え可能な第2の記憶領域としての書換可能部39となっている。フラッシュROM20のIPL部38のうちアドレス00〜0Fには、プリンタ起動時に動作するブートプログラムや書換可能部39のデータを書き換えるプログラムとして機能するLoader40が記憶されている。また、IPL部38のアドレスA0〜AFには各ファイルのデータである既存情報としてのソフトウェア(本例ではファイルデータ41)が記憶されている。
【0040】
ファイルデータ41はデフォルト情報であり、図7に示すようにファイルデータ41には各ファイルごとに「ファイル名」、「IPL部の位置情報」、「書換可能部の位置情報」、「ファイルサイズ」が記憶されている。ファイル名はファイルの名前であり、「IPL部の位置情報」はそのファイルのIPL部38におけるアドレスである。また、「書換可能部の位置情報」はそのファイルが書換可能部39のどの部分に対応しているかを示すアドレスであり、ファイルサイズはファイルが有するサイズ(バイト単位)である。
【0041】
図6に示すように、フラッシュROM20の書換可能部39のうちアドレスB0〜BFにはアプリケーション28が、アドレスC0〜CFにはセレクタ29が、アドレスD0〜DFには各モジュール30〜33が記憶されている。また、書換可能部39のアドレスE0〜EFには差異情報としての差替情報42が記憶されている。アプリケーション28、セレクタ29、各モジュール30〜33、差替情報42はIPL部38のLoader40によって書換え可能となっている。
【0042】
差替情報42はプリンタ出荷時(即ち、IPL部38のデータ書込み時)において、「IPL部38のファイルデータ41と差異なし」という情報が記憶される。一方、プリンタ出荷後においてファイルデータ41に不具合が生じた場合には、この差替情報42に「IPL部38のファイルデータ41のうち所定部分をこの情報に差し替える」という情報が書き込まれる。
【0043】
図5は、差替情報42のメモリマップである。差替情報42は開始点であるアドレスE0から終了マーカーを示すアドレスEFの間をデータ内容としており、構成単位ごとに変更開始位置、変更サイズ、変更内容(全てバイト単位)が記憶されている。差替情報42は複数の変更情報43を有する構成であり、アドレスE0〜E1の間に1つ目の変更情報、アドレスE2〜E3の間に2つ目の変更情報が記憶され、アドレスE3以降も同様の形式で変更情報が記憶される。
【0044】
次に、ROMモジュール33が実行するオープン処理を図8に示すフローチャートに従って説明する。なお、オープン処理ではファイル名とオープンモードとを入力している。
【0045】
まず、ステップ(以下、単にSと記す)100では、オープンモードが「読込専用」か否かを判断する。即ち、オープン処理ではファイル名とオープンモードを入力し、このうちオープンモードが「読込専用」であるか否かを判断する。そして、オープンモードが「読込専用」であればS101に移行し、「読込専用」以外の「書込専用」、「読み書き」、「書込追記」であればこのルーチンを終了する。
【0046】
S101では、入力したファイル名のファイルが有るか否かを判断する。即ち、IPL部38のファイルデータ41を参照して、入力したファイル名がファイルデータ41にあるか否かを判断する。そして、ファイル名がある場合にはS102に移行し、ファイル名がない場合にはこのルーチンを終了する。
【0047】
S102では、入力したファイル名において「IPL部の位置情報」と「書換可能部の位置情報」とを取り込む。即ち、ファイル名をファイルデータ41の中から検索して、「IPL部の位置情報」と「書換可能部の位置情報」とを取得する。
【0048】
S103では、「IPL部の位置情報」をファイルハンドル37へ保存する。即ち、S102で取り込んだ「IPL部の位置情報」をファイルハンドル37の「そのファイル名が持つ情報のIPL部の先頭アドレス」へ保存する。
【0049】
S104では、「書換可能部の位置情報」をファイルハンドル37へ保存する。即ち、S102で取り込んだ「書換可能部の位置情報」をファイルハンドル37の「そのファイル名が持つ情報の書換可能部の先頭アドレス」へ保存する。
【0050】
S105では、現在の読込位置情報としての「現在のファイル読込位置」を先頭にする。即ち、「そのファイル名が持つ情報のIPL部の先頭アドレス」と「現在のファイル読込位置」との間におけるアドレスに換算した相対距離が設定される。以上の処理により、オープン処理が実行されてファイルが開かれる。
【0051】
次に、ROMモジュール33が実行するリード処理を図9に示すフローチャートに従って説明する。なお、リード処理では読込データを格納する場所と、読込サイズと、オープン処理で生成されたファイルハンドル37とを入力している。
【0052】
S200では、ファイルハンドル37を読み込む。即ち、ファイルハンドル37から「そのファイル名が持つ情報のIPL部の先頭アドレス」と、「そのファイル名が持つ情報の書換可能部の先頭アドレス」と、「現在のファイル読込位置」とを読み込む。
【0053】
S201では、読み込むべきアドレスを設定する。即ち、「そのファイル名が持つ情報のIPL部の先頭アドレス」と「現在のファイル読込位置」とを加算し、その加算値を「読み込むべきアドレス」として設定する。
【0054】
S202では、格納データXを格納する。即ち、リード処理時には読込サイズを入力しており、S201で設定した「読み込むべきアドレス」から「読込サイズ」だけ、格納データXとして読込バッファ44(図3参照)へ格納する。
【0055】
S203では、ファイルハンドル37の「そのファイル名が持つ情報の書換可能部の先頭アドレス」に基づき、書換可能部39に記憶された差替情報42のアドレスを取得する。
【0056】
S204では、書換可能部39の内容を反映するためにファイルハンドル37から反映させるべき該当箇所を検索する。即ち、図5に示す変更開始位置、変更サイズ、変更内容が記憶されたテーブルを参照して、反映させるべき該当箇所を検索していく。
【0057】
S205では、該当箇所が有るか否かを判断する。該当する箇所があればS206に進み、該当する箇所がなければこのルーチンを終了する。
S206では、差替情報42の内容を反映する。即ち、差替情報42を構成する変更情報43において「変更内容」の情報を「変更開始位置」から「変更サイズ」の範囲を反映させて、格納データXを変更内容に差し替える。
【0058】
ここで、プリンタ出荷時(即ち、IPL部38のデータ書込み時)には、差替情報42に「IPL部38のファイルデータ41と差異なし」という情報が記憶される。よって、予めフラッシュROM20に記憶されたファイルデータ41に不具合が生じていない場合には、「IPL部38のファイルデータ41と差異なし」という情報が反映されてファイルデータ41の各ファイルがそのまま使用される。
【0059】
一方、IPL部38のファイルデータ41に不具合や、書き換えたいという要望が生じた場合には、Loader40が起動して差替情報42に「IPL部38のファイルデータ41のうち所定部分をこの情報に差し替える」という情報が書き込まれる。図5に示す差替情報42では複数の変更情報43が書き込まれており、ファイルデータ41を差し替える際には変更情報43の個数分だけ変更が加えられる。
【0060】
差替情報42が書き込まれた後にリード処理が実行されると、ROMモジュール33はIPL部38のファイルデータ41と、書換可能部39の差替情報42(変更情報43)とを読み込む。そして、ROMモジュール33は差替情報42に書き込まれた操作、つまり「読み込むべきアドレス」から「読込サイズ」だけ読み込まれた格納データXを変更情報43の変更内容に各々差し替える。さらに、ROMモジュール33はIPL部38に記憶されたファイルのうち、不具合部分を差替情報42に差し替えたファイルDを取り込み、アプリケーション28はそのファイルDを受け取ってファイル読み込みを実行する。
【0061】
次に、ROMモジュール33が実行するシーク処理を図10に示すフローチャートに従って説明する。なお、シーク処理では移動する位置と、オープン処理時に生成されたファイルハンドル37と、ファイルの読込位置を移動する際の基準点(先頭、終端、任意(今の位置))とを入力している。
【0062】
S300では、基準点が「先頭」であるか否かを判断する。基準点が「先頭」であればS301に進み、「先頭」でなければS302に進む。
S301では、「移動する位置」を「現在のファイル読込位置」として設定する。即ち、基準点が「先頭」である場合には「移動する位置」がそのまま「現在のファイル読込位置」となる。
【0063】
S302では、基準点が「終端」であるか否かを判断する。基準点が「終端」であればS303に進み、「終端」でなければS304に進む。
S303では、ファイルハンドル37の「ファイルサイズ」から「移動する位置」を減算して、その減算値を「現在のファイル読込位置」として設定する。
【0064】
S304では、基準点が「今の位置」であるか否かを判断する。基準点が「今の位置」であればS305に進み、「今の位置」でなければこのルーチンを終了する。
【0065】
S305では、ファイルハンドル37の「現在のファイル読込位置」と「移動する位置」とを加算して、その加算値を新たな「現在のファイル読込位置」として設定する。よって、シーク処理が実行されるとファイルハンドル37の「現在のファイル読込位置」が変化し、ファイル読込位置が移動する。そして、ファイルデータ41を差し替える場合にシーク処理を実行すれば、移動したファイル読込位置に基づく格納データXが差替情報42に差し替えられ、アプリケーション28は差替情報42に差し替えられたファイルDを読み込む。
【0066】
ここで、ROMモジュール33はライト処理を行うべき指令信号を入力したとき、エラー信号をアプリケーション28に出力してライト処理を実行させない。また、ROMモジュール33はクローズ処理を行うべき指令信号を入力したとき、その指令信号に基づきクローズ処理を実行して開状態となったファイルを閉じる。
【0067】
ところで、本例のフラッシュROM20では書換可能部39に記憶されるデータ量の最小化を狙って、IPL部38にファイルデータ41を記憶している。しかし、ファイルデータ41の各ファイルにデータ内容として「書換可能部の位置情報」を持たせ、ファイルに不具合が生じた場合には、その不具合部分を読込バッファ44に一旦格納して差替情報42と差し替える。従って、IPL部38にファイルデータ41を記憶した構成であっても、不具合部分が差替情報42に差し替えられ、実質的にファイルデータ41の修正が行える。
【0068】
従って、この実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)フラッシュROM20のIPL部38にファイルデータ41を記憶しておき、そのファイルデータ41(即ち、各ファイル)に不具合が生じた場合には、不具合部分はフラッシュROM20の書換可能部39に記憶された差替情報42に差し替えられる。従って、書き換え不可能なIPL部38にファイルデータ41を記憶しても、ファイルデータ41に不具合が生じたときには差替情報42によってファイルデータ41を修正することができる。
【0069】
(2)ファイルデータ41をフラッシュROM20のIPL部38に記憶しておくので、フラッシュROM20の書換可能部39に記憶しておくデータ量を最小化することができ、書換可能部39の格納領域を有効利用することができる。
【0070】
(3)ファイルデータ41の不具合部分を差替情報42に差し替える処理は、アプリケーション28からの指令に基づきROMモジュール33が実行している。従って、アプリケーション28はIPL部38のファイルデータ41に書換可能部39の差替情報42を反映させる操作を意識することなしに、修正後のファイルDを読み込むことができる。
【0071】
(4)差替情報42はフラッシュROM20の書換可能部39に記憶されているので、ファイルデータ41に不具合が生じた際には、その都度、新規の差替情報42でファイルデータ41を修正することができる。
【0072】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図11に従って説明する。この実施形態ではファイルデータ41の記憶先がマスクROM19である点が第1実施形態と異なっており、他の基本的な構成は同じであるので、同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0073】
図11は、プリンタ1のソフトウェアを概念的に示す構成図である。ROMモジュール33には第1の記憶領域としてのマスクROM19と第2の記憶領域としてのフラッシュROM20が接続され、ROMモジュール33はマスクROM19およびフラッシュROM20のデータ内容を処理してファイルシステムとして動作する。マスクROM19にはLoader40とファイルデータ41が記憶され、フラッシュROM20にはアプリケーション28、セレクタ29、モジュール30〜33、差替情報42(全て図6参照)が記憶されている。
【0074】
ところで、マスクROM19のファイルデータ41に不具合や、書き換えたいという要望が生じた場合には、Loader40が起動してフラッシュROM20の差替情報42に「マスクROM19のファイルデータ41のうち所定部分をこの情報に差し替える」という情報が書き込まれる。そして、差替情報42が書き込まれた後にリード処理が実行されると、ROMモジュール33はマスクROM19のファイルデータ41と、フラッシュROM20の差替情報42(変更情報43)とを読み込む。
【0075】
続いて、ファイルデータ41と差替情報42との読み込み後、ROMモジュール33はマスクROM19に記憶されたファイルのうち、不具合部分を差替情報42の変更内容に各々差し替える。そして、ROMモジュール33はマスクROM19のファイルのうち不具合部分をフラッシュROM20の差替情報42に差し替えたファイルDを取り込み、アプリケーション28はそのファイルDを受け取ってファイル読み込みを実行する。
【0076】
従来技術でも述べたように、フラッシュROM20はマスクROM19に比べて高価であるので、メモリ容量の小さい安価なものを使用したい現状がある。また、ソフトウェアの書換え時には書換え前よりも修正が加わる分だけデータ容量が大きくなるため、フラッシュROM20に記憶しておくソフトウェアは最小化しておきたい現状もある。本例では、これらの要望を満たすためにマスクROM19にファイルデータ41を記憶する構成としているが、ファイルデータ41の不具合部分をフラッシュROM20の差替情報42に差替可能としたので、実質的にファイルデータ41の修正が行える。
【0077】
この構成では第1実施形態の(1)〜(4)と同様な効果が得られる他に、次の効果が得られる。
(5)フラッシュROM20はマスクROM19に比べて高価であるため、メモリ容量をなるべく抑えて安価なものを用いたい現状がある。本例では安価に手に入るマスクROM19にファイルデータ41を記憶しておくので、フラッシュROM20のメモリ容量は比較的小さくて済み、フラッシュROM20にかかるコストを低く抑えることができる。
【0078】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図12に従って説明する。この実施形態では2つのCPUを用いた構成である点が第1及び第2実施形態と異なっており、異なる部分についてのみ説明する。
【0079】
図12は、プリンタ1のソフトウェアを概念的に示す構成図である。プリンタ1はCPU18(図2参照)の他にもう一つCPU51を備え、本例では例えばCPU18がモニタ14を制御し、CPU51が印刷処理部26を制御している。ROMモジュール33とCPU51とは通信モジュール52を介して接続され、CPU51にはマスクROM53が接続されている。マスクROMにはデータ容量の関係上、フラッシュROM20に記憶できなかったファイルデータ41が記憶されている。
【0080】
ROMモジュール33はCPU51および通信モジュール52を介して第1の記憶領域としてのマスクROM53のファイルデータ41を読み込むことが可能であり、フラッシュROM20およびマスクROM53のデータ内容を処理してファイルシステムとして動作する。ROMモジュール33とマスクROM53を通信可能としておけば、フラッシュROM20の記憶領域に空きがなくなったとき、マスクROM53にファイルデータ41を記憶しておくことで、フラッシュROM20をデータ容量の大きいものに変えることなく対応が図れる。
【0081】
そして、フラッシュROM20のIPL部38に記憶されたファイルデータ41や、マスクROM53に記憶されたファイルデータ41に不具合が生じた場合、ROMモジュール33はその不具合部分をフラッシュROMの書換可能部39に書き込まれた差替情報42に差し替える。そして、ROMモジュール33はマスクROM19,53のファイルのうち、不具合部分をフラッシュROM20の差替情報42に差し替えたファイルDを取り込み、アプリケーション28はそのファイルDを受け取ってファイル読み込みを実行する。
【0082】
この構成では前記第1及び第2実施形態の(1)〜(5)と同様な効果が得られる他に、次の効果が得られる。
(6)プリンタ1が2つのCPU18,51を有する構成において、CPU18により生成されるROMモジュール33は通信モジュール52を介してCPU51側のマスクROM53と通信可能である。従って、マスクROM53に格納領域が余っていれば、その部分にデータを書き込めばCPU18側のフラッシュROM20をメモリ容量の大きいものに変更せずに済む。
【0083】
なお、実施形態は前記に限定されず、以下の態様に変更してもよい。
(変形例1)前記各実施形態において、ファイルデータ41に修正を加える場合にファイルの不具合部分を差替情報42に差し替える構成に限定されない。例えば、ファイルデータ41のファイルに差替情報として付加情報を付加して一つのファイルDとしてもよい。
【0084】
(変形例2)前記各実施形態において、ファイルデータ41に修正を加える場合、ファイルハンドル37の「現在のファイル読込位置」から決まる部分を差替情報42に差し替えて、ファイルの一部を修正する構成に限定されない。即ち、ファイルに不具合が生じたときには、ファイル全体を差替情報42に差し替えるようにしてもよい。
【0085】
(変形例3)前記各実施形態において、既存情報(ファイルデータ41)の不具合部分を差替情報42に差し替える処理は、ROMモジュール33のみが行うことに限定されない。例えば、図3に示す各モジュール30〜32がメモリーカード9に記憶された所定データを差替情報42に差し替える処理を実行してもよい。
【0086】
(変形例4)前記各実施形態において、フラッシュROM20のIPL部38やマスクROM19,53に予め格納された既存情報はデフォルト情報に限定されず、例えばフラッシュROM20の書換可能部39に新たに書き加えられた書込情報でもよい。また、デフォルト情報はファイルデータ41に限定されず、例えば印刷データや画像データのプリントレイアウトに関するレイアウト情報や、プリンタ1を起動した際にモニタ14に表示されるロゴマークの画像情報でもよい。
【0087】
(変形例5)前記各実施形態において、既存情報であるファイルデータ41は書き換え不可能なフラッシュROM20のIPL部38やマスクROM19,53に記憶されることに限定されない。例えば、ファイルデータ41は書き換え可能なフラッシュROMの書換可能部39に記憶されてもよく、書換可能部39に記憶されたファイルデータ41の不具合部分を差替情報42に差し替えてもよい。
【0088】
(変形例6)前記各実施形態において、差替情報42はフラッシュROM20の書換可能部39に記憶されることに限定されない。例えば、予めフラッシュROM20のIPL部38に差替情報42を記憶しておき、ファイルデータ41に不具合が生じたときには不具合部分を差替情報42に差し替えるようにしてもよい。
【0089】
(変形例7)前記各実施形態において、既存情報としてのソフトウェアはファイルデータ41に限定されず、例えばプログラム等であってもよい。
(変形例8)前記各実施形態において、予め載せられた既存情報(ファイルデータ41)を差替情報42に差し替える処理はプリンタ1に採用されることに限定されない。例えば、パソコンや計算機など、CPU、ROM(フラッシュROMを含む)、RAMを備えたシステムであれば、その採用対象は特に限定されない。
【0090】
前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(1)請求項1〜8において、前記第1の記憶領域は書き換え不可能な第1の記憶手段(19,53)である。
【0091】
(2)請求項1〜8において、前記第2の記憶領域は書き換え可能な第2の記憶手段(20)である。
(3)請求項1〜8において、互いに通信可能である2つのCPU(18,51)を備え、前記制御手段は2つの前記CPU(18,51)のうち第1のCPU(18)により作動する構成であって、前記第1の記憶領域は第2のCPU(51)のメモリとして機能し、前記制御手段は前記第2のCPUを介して前記第1の記憶手段に格納された前記既存情報を取り込む。
【0092】
(4)請求項1〜8において、前記既存情報には当該既存情報の前記第1の記憶領域における位置情報が記憶された構成であって、前記制御手段は前記位置情報と現在の読込位置情報とを基に前記第1の記憶領域における読み込むべきアドレスを設定し、前記読み込むべきアドレスから所定サイズだけ格納データを読み込み、その部分に前記差替情報を取り込むことにより前記既存情報を前記差替情報に差し替える。
【0093】
(5)請求項10において、前記制御手段は、前記既存情報の少なくとも一部を前記差替情情報に差し替えて、一つの情報単位として前記記憶情報を生成する。
(6)請求項10、前記技術的思想(5)において、前記既存情報には当該既存情報が前記第2の記憶領域のどの部分に対応しているかを示す位置情報が格納され、前記制御手段は前記第2の記憶領域において前記位置情報により決まる部分を前記差替情報として取り込んで、前記既存情報の少なくとも一部を前記差替情報に差し替える。
【0094】
(7)請求項10、前記技術的思想(5),(6)において、前記既存情報は一つの独立した情報単位であり、前記既存情報には当該既存情報の前記第1の記憶領域における位置情報が記憶された構成であって、前記制御手段は前記位置情報と現在の読込位置情報とを基に前記第1の記憶領域における読み込むべきアドレスを設定し、前記読み込むべきアドレスから所定サイズだけ格納データを読み込み、その部分に前記差替情報を取り込むことにより前記既存情報の一部を前記差替情報に差し替える。
【0095】
(8)請求項10、前記技術的思想(5)〜(7)において、前記制御手段はプログラムを機能単位で分割したときの構成単位となるモジュールであり、前記モジュールはアプリケーションからの指令に基づき、前記既存情報と前記差替情報とを用いて一つの情報単位として前記記憶情報を生成し、当該記憶情報を前記アプリケーションに返信する。
【0096】
(9)請求項10、前記技術的思想(5)〜(8)において、前記既存情報は、前記情報処理装置を製品化するときに予め載せられるデフォルト情報である。(10)請求項10、前記技術的思想(5)〜(9)において、前記第1の記憶領域は書き換え不可能な読取専用であり、前記既存情報は読取専用の前記第1の記憶領域に格納されている。
【0097】
(11)請求項10、前記技術的思想(5)〜(10)において、前記第2の記憶領域は書き換え可能であり、前記差替情報は前記第2の記憶領域を書き換えることで前記第2の記憶領域に格納される。
【0098】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、第1の記憶領域に予め格納された既存情報に、後発的に差し替えの必要が生じても、第2の記憶領域に格納する差替情報に基づき、既存情報のうち差し替えが必要になった一部を差し替えることで対応でき、かつ第2の記憶領域において差替情報に必要な格納領域を少なく済ませられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるプリンタの斜視図。
【図2】プリンタの電気的構成図。
【図3】プリンタのソフトウェアを概念的に示す構成図。
【図4】ファイルハンドルの持つ情報を示す構成図。
【図5】フラッシュROMに記憶された差替情報のメモリマップ。
【図6】フラッシュROMのメモリマップ。
【図7】ファイルデータのデータ内容を示す構成図。
【図8】ファイルのオープン(Open)処理時に実行されるフローチャート。
【図9】ファイルのリード(Read)処理時に実行されるフローチャート。
【図10】ファイルのシーク(Seek)処理時に実行されるフローチャート。
【図11】第2実施形態におけるプリンタのソフトウェアを概念的に示す構成図。
【図12】第3実施形態におけるプリンタのソフトウェアを概念的に示す構成図。
【符号の説明】
1 印刷装置としてのプリンタ
6 印刷媒体としての用紙
19 第1の記憶領域としてのマスクROM
20 第2の記憶領域としてのフラッシュROM
26 印刷機構としての印刷処理部
28 アプリケーション
33 制御手段及びモジュールを構成するROMモジュール
38 第1の記憶領域としてのIPL部
39 第2の記憶領域としての書換可能部
41 既存情報としてのファイルデータ
42 差異情報としての差替情報
53 第1の記憶領域としてのマスクROM
D 記憶情報としてのファイル
X 格納データ

Claims (7)

  1. 既存情報及びローダーを含むIPL部が予め格納された書き替え不可能な第1の記憶領域と、
    前記既存情報差し替えに係る差替情報が格納される書き替え可能な第2の記憶領域と、
    指定された既存情報を前記第1の記憶領域から読み出す制御手段とを備え、
    前記IPL部のうち前記既存情報には前記差替情報が前記第2の記憶領域に記憶される位置を示す位置情報が格納され、
    前記差替情報は、前記既存情報のうち差し替えられるべき部分を示す差替位置情報及び差し替えるべき内容を示す差替内容情報を、一つの前記既存情報につき複数の異なる部分に対応して複数指定可能であり、
    前記ローダーは、前記既存情報の差し替えが必要になった場合、前記既存情報のうち差し替えるべき少なくとも一の部分について前記差替位置情報及び前記差替内容情報を書き込むことにより、前記差替情報を差し替えなしの旨の内容から差し替えありの旨の内容に変更し、
    前記制御手段は、前記既存情報に格納された前記位置情報で指定された前記第2の記憶領域内の位に記憶された差替情報が差し替えなしの旨の内容であれば、前記第1の記憶領域から前記既存情報を読み出し、一方、前記差替情報が差し替えありの旨の内容であれば、当該差替情報に基づいて、前記既存情報のうち差替位置情報で指定された部分を差替内容情報に差し替え、この場合において、一つの既存情報に差し替えるべき部分が複数指定された差替情報である場合は、当該既存情報のうち各差替位置情報で指定された複数の部分をそれぞれ対応する各差替内容情報に差し替えることで、一つの情報単位として処理される記憶情報を生成することを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記差替情報を、前記差替位置情報と前記差替内容情報とを含むテーブルで記憶することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記既存情報は一つの独立した情報単位であり、前記既存情報には当該既存情報の前記第1の記憶領域における位置情報が記憶された構成であって、
    前記制御手段は前記位置情報と現在の読込位置情報とを基に前記第1の記憶領域における読み込むべきアドレスを設定し、前記読み込むべきアドレスから所定サイズだけ格納データを読み込み、その部分に前記差替情報を取り込むことにより前記既存情報の一部を前記差替情報に差し替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  4. 前記制御手段はプログラムを機能単位で分割したときの構成単位となるモジュールであり、前記モジュールはアプリケーションからの指令に基づき、前記既存情報と前記差替情報とを用いて一つの情報単位として前記記憶情報を生成し、当該記憶情報を前記アプリケーションに返信することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  5. 前記既存情報は、前記情報処理装置を製品化するときに予め載せられるデフォルト情報であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の前記情報処理装置と、印刷媒体に印刷処理を実行する印刷機構と備えたことを特徴とする印刷装置。
  7. 書き替え不可能な第1の記憶領域には既存情報及びローダーを含むIPL部が予め格納され、前記既存情報には当該既存情報に対応する差替情報が、書き替え可能な第2の記憶領域に記憶される位置を示す位置情報が格納されており、
    前記差替情報は、前記既存情報のうち差し替えられるべき部分を示す差替位置情報及び差し替えるべき内容を示す差替内容情報を、一つの前記既存情報につき複数の異なる部分に対応して複数指定可能であり、
    前記ローダーは、前記既存情報の差し替えが必要になった場合、前記既存情報のうち差し替えるべき少なくとも一の部分について前記差替位置情報及び前記差替内容情報を書き込むことにより、前記差替情報を差し替えなしの旨の内容から差し替えありの旨の内容に 変更し、
    制御手段は、前記第1の記憶領域から既存情報を読み出すに当たり、該既存情報に格納された前記位置情報で指定された前記第2の記憶領域内の位置に記憶された差替情報が差し替えなしの旨の内容であれば、前記第1の記憶領域から前記既存情報を読み出し、一方、前記差替情報が差し替えありの旨の内容であれば、当該差替情報に基づいて、前記既存情報のうち差替位置情報で指定された部分を差替内容情報に差し替え、この場合において、一つの既存情報に差し替えるべき部分が複数指定された差替情報である場合は、当該既存情報のうち各差替位置情報で指定された複数の部分をそれぞれ対応する各差替内容情報に差し替えることで、一つの情報単位として処理される記憶情報を生成することを特徴とする記憶情報の修正方法。
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