JP4032626B2 - 樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。詳細には、自動車用タイヤ、緩衝材等として用いられる樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂に補強性を付与する手段として金属水酸化物を充填する方法が知られ、例えば、特開平10−59713号公報にはスチレン−ブタジエンゴムと水酸化アルミニウム粉末を混練して得られる樹脂組成物が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−59713号公報に記載の組成物であっても引張強度は必ずしも十分ではなく、さらなる強度の向上が要望されていた。
【0004】
本発明の課題は、優れた引張強度を有する樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、樹脂組成物の強度向上について検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、樹脂と平均一次粒子径100nm以下の水酸化アルミニウムとを含有し、かつ電子プローブX線マイクロアナライザーによりビームを直線上に走査してアルミニウムのX線強度を測定したときのX線強度の平均値Xおよび標準偏差Yから算出される指数Y/Xが0.1以下であることを特徴とする樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
また本発明は、水性樹脂エマルジョンと平均一次粒子径100nm以下の水酸化アルミニウムを混合し、攪拌した後、凝集させ、得られたスラリーを固液分離することを特徴とする樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の樹脂組成物は、樹脂と水酸化アルミニウムを含有する。本発明に用いられる樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリブテン樹脂、酢酸ビニルとエチレン、スチレン、アクリル酸または塩化ビニルとの共重合樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴムのような合成樹脂等が挙げられる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0009】
本発明に用いられる水酸化アルミニウムは、Al23・nH2O(nは1〜3)なる組成式を有し、その平均一次粒子径が100nm以下である。この水酸化アルミニウムは、平均一次粒子径が10nm以上、また50nm以下であることが好ましい。なお、水酸化アルミニウムの平均一次粒子径は、Feretの直径として表わすことができ、透過電子顕微鏡の視野を横切る一定方向の2本の平行線で視野内の粒子をはさみ、その平行線間距離として求めることができる(例えば、粉体工学ハンドブック、4頁、昭和40年、朝倉書店発行)。また、水酸化アルミニウムは、結晶構造がギブサイト、ベーマイト、バイヤライト、非晶質等であることが好ましく、中でもベーマイトであることが推奨される。このような特定の粒子径を有する水酸化アルミニウムは、例えば、アルミニウムアルコキシドを加水分解する方法またはアルミン酸アルカリ溶液と硫酸アルミニウムのような酸性溶液とを混合する方法等で調製することができる。これらの調製方法では、得られる水酸化アルミニウムを水等で洗浄してもよく、また、得られる水酸化アルミニウムを連続式湿式粉砕機等に通して懸濁液とし、この懸濁液を50℃〜200℃で5時間〜100時間熱処理してもよい。水酸化アルミニウムの含有量は樹脂100重量部に対し1重量部以上、さらには10重量部以上、また200重量部以下、さらには100重量部以下であることが好ましい。
【0010】
上で示した樹脂と水酸化アルミニウムを含有する樹脂組成物は、水酸化アルミニウムが分散しているものである。樹脂組成物中の水酸化アルミニウムの分散状態の評価は、電子プローブX線マイクロアナライザー(以下、EPMAという。)により、樹脂組成物の断面にビームを当てて直線上に移動させながら各点におけるアルミニウムの特性X線の強度を測定し、得られる全走査点についてのX線強度の標準偏差を求め、この標準偏差を指標として行うことができる。この標準偏差を用いれば、水酸化アルミニウムの分散状態をある程度評価できる。しかし、樹脂に充填される水酸化アルミニウムの全体量が異なると、分散状態が同等であっても、標準偏差の絶対値が変化する。そこで、本発明では、水酸化アルミニウムの充填量に影響されない分散状態の指標として、上で示した全走査点についてのX線強度から求められる平均値Xおよび標準偏差Yを用い、これらから算出した指数Y/Xを分散状態の指標とする。本発明の樹脂組成物は、この指数Y/Xが0.1以下である。また、指数Y/Xは小さいほど、樹脂組成物中の水酸化アルミニウムの分散性が高いことになり、0.07以下、さらには0.04以下であることが好ましい。また、EPMA測定でのビームの走査距離は長いほど、樹脂組成物の多くの部分における水酸化アルミニウムの分散状態が表されるので、100μm以上、さらには200μm以上であることが好ましい。
【0011】
本発明の樹脂組成物は、例えば、水性樹脂エマルジョンと平均一次粒子径100nm以下の水酸化アルミニウムを混合し攪拌した後、得られる混合物中の樹脂と水酸化ルミニウムとを凝集させ、得られるスラリーを固液分離する方法で製造することができる。一方、樹脂と水酸化アルミニウム粉末を混練する方法では、樹脂中での水酸化アルミニウムの分散が十分ではなく、前述した指数Y/Xを満足する樹脂組成物を得ることが難しい。
【0012】
樹脂組成物の製造に用いる水性樹脂エマルジョンとしては、例えば、水に、水中での水酸化アルミニウムの表面電位とその符号が同じ表面電位を有し得る合成樹脂の粒子を分散させて乳状にしたもの等が挙げられる。合成樹脂としては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリブテン樹脂、酢酸ビニルとエチレン、スチレン、アクリル酸または塩化ビニルとの共重合樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴムまたはイソプレンゴム等が挙げられ、その平均粒子径は通常0.5μm以下である。これらの樹脂粒子が水中に分散してエマルジョンとなるが、それらのなかでも、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、イソプレンゴムラテックスの適用が推奨される。水性樹脂エマルジョンには水以外の他の分散媒が含まれていてもよく、他の分散媒としては水と相溶性を示すアルコール等が挙げられる。水性樹脂エマルジョンの固形分濃度は通常20重量%以上、80重量%以下である。
【0013】
水性樹脂エマルジョンに混合される水酸化アルミニウムは、平均一次粒子径が100nm以下、好ましくは1nm以上、50nm以下である。この水酸化アルミニウムは、平均二次粒子径が3μm以下、さらには1μm以下であることが好ましく、また、結晶構造がギブサイト、ベーマイト、バイヤライト、非晶質等であることが好ましく、中でもベーマイトであることが好ましい。水酸化アルミニウムは、懸濁液、コロイド溶液または含水固形物として水性樹脂エマルジョンと混合される。このときに用いられる含水固形物としては、50〜70重量%の水分を含むものが挙げられる。水性樹脂エマルジョンに混合される水酸化アルミニウムの量は、樹脂組成物に含有される水酸化アルミニウムの所望の量になるように適宜決定すればよい。
【0014】
水性樹脂エマルジョンと平均一次粒子径100nm以下の水酸化アルミニウムとの混合は、得られる混合物中での樹脂の表面電位と水酸化アルミニウムの表面電位とが同じ符号になる条件で行われることが好ましく、例えば、水酸化アルミニウムスラリーのpHを4〜9に調節した後、その調節したpHにおいて表面電位が正である樹脂のエマルジョンを添加する方法、水酸化アルミニウムスラリーのpHを10〜12に調節した後、その調節したpHにおいて表面電位が負である樹脂のエマルジョンを添加する方法、pH4〜9の水に水酸化アルミニウムと該水のpHにおいて表面電位が正である樹脂のエマルジョンとを添加する方法、pH10〜12の水に水酸化アルミニウムと該水のpHにおいて表面電位が負である樹脂のエマルジョンとを添加する方法等で行うことができる。これらの方法では、水酸化アルミニウムの表面電位をpHで調節しているが、水酸化アルミニウムをアニオン系薬剤またはカチオン系薬剤で表面処理することで水酸化アルミニウムの表面電位を調節することもできる。混合物中の水酸化アルミニウムの表面電位の符号と樹脂の表面電位の符号が異なると、水性樹脂エマルジョンと水酸化アルミニウムを混合すると同時に不均一な凝集物が生成することがある。なお、樹脂の表面電位は、水性樹脂エマルジョン中の合成樹脂粒子のゼータ電位として表わすことができ、また水酸化アルミニウムの表面電位は該水酸化アルミニウムの懸濁液、コロイド溶液または含水固形物中の水のpHにおけるゼータ電位として表わすことができる。混合は、水性樹脂エマルジョンのpHと水酸化アルミニウムの懸濁液、コロイド溶液または含水固形物中の水のpHとが実質的に等しい条件で行われることが好ましい。前者のpHと後者のpHとの差が通常1以下、好ましくは0.5以下である。
【0015】
水性樹脂エマルジョンと平均一次粒子径100nm以下の水酸化アルミニウムを混合して得られる混合物には、必要に応じて塩化ナトリウムのような塩析効果を示す無機塩;アミン系オリゴマー、ポリアクリル酸ナトリウムのような高分子凝集剤等を添加することが好ましい。とりわけ、高分子凝集剤の適用が推奨される。高分子凝集剤を用いることによって、混合物中の樹脂エマルジョンと水酸化アルミニウムとが凝集して得られる凝集物の固液分離性を向上させることができる。また、混合では、伸展油(プロセスオイルと呼ばれることもある。)、酸化防止剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、ワックス、凝固助剤のような添加剤、硫黄のような加硫剤または加硫促進剤等を添加してもよい。
【0016】
水性樹脂エマルジョンと特定の粒子径の水酸化アルミニウムを混合して得られた混合物は、攪拌された後、凝集させられ、スラリーとなる。凝集は、例えば、混合物のpHを変える方法または無機塩の飽和溶液に混合物を滴下する方法等で行うことができ、例えば、pH10〜12の混合物を酸性溶液に滴下する方法、pH4〜9の混合物をアルカリ溶液に滴下する方法または塩化ナトリウム飽和溶液に混合物を滴下する方法等で行うことができる。混合物を酸性溶液に滴下する方法では、酸性溶液に混合物を滴下するとともに硫酸、硝酸、塩酸のような酸を添加して初期の酸性溶液のpHを維持するようにpHを調節しながら行うことが好ましく、また混合物をアルカリ溶液に滴下する方法では、アルカリ溶液に混合物を滴下するとともに水酸化ナトリウム、アンモニアのような塩基を添加して初期のアルカリ溶液のpHを維持するようにpHを調節しながら行うことが好ましい。
【0017】
凝集させて得られたスラリーは、樹脂と水酸化アルミニウムとを含有する固体の樹脂組成物と水溶液とに固液分離される。固液分離は真空濾過、加圧濾過、遠心分離等で行うことができる。固液分離された樹脂組成物は、必要に応じて乾燥される。乾燥は、例えば、通気バンド乾燥器、トンネル乾燥器、エプロン乾燥器のような連続式材料移送型乾燥器、溝型攪拌乾燥器、捏和乾燥器のような材料攪拌型乾燥器等で行うことができる。乾燥温度は通常50℃以上、130℃以下である。
【0018】
固液分離して得られる樹脂組成物は、優れた引張強度を有する。また、この樹脂組成物は水酸化アルミニウムの充填量が同じである従来の水酸化アルミニウム含有樹脂組成物に対し難燃性にも優れる。樹脂がスチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴムまたはイソプレンゴムであるとき、樹脂組成物には、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、老化防止剤、軟化剤、粘着剤、水酸化アルミニウム以外の充填剤、増量剤または着色剤が配合されていてもよく、また必要に応じて、これらを配合された樹脂組成物を混練し、プレス加硫、かん加硫、トランスファー成形加硫、射出成形加硫または押出し連続加硫等を施してもよい。この樹脂組成物は、水酸化アルミニウム含有量を多くしたマスターバッチとして用いることもできる。このマスターバッチは、樹脂に対する水酸化アルミニウムの量が多いことを除けば、上で示したものと同様にして製造することができる。得られたマスターバッチは、所定量の樹脂と混練され、成形されて成形体となる。
【0019】
このようにして得られる本発明の樹脂組成物は、例えば、自動車タイヤ(トレッド、チューブ等)、緩衝材、ベルト、ホース、フォーム、フィルム、カーペット裏打ち材、電線被覆材等として用いることができる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例1
ガラス製容器に、アルミニウムアルコキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウムスラリー(結晶構造:ベーマイト、平均一次粒子径:5nm、固形分濃度:7重量%)286gを入れ、スラリーのpHを10.7に調節し、加熱して65℃にした。このスラリーに、65℃に加熱したスチレン−ブタジエンゴムラテックス(スチレン含有率:35重量%、固形分濃度:24.4重量%、表面電位の符号:負、pH10.7、住友化学工業製)410gを添加し、600rpmで攪拌し混合した後、攪拌を続けながら、25重量%NaCl水溶液260mL、老化防止剤(商品名:アンチゲン6C、住友化学工業製)0.2g、伸展油(商品名:フッコール アロマックス3、富士興産製)37.5gを順に添加し、混合して粘稠な液を得た。
【0021】
水1.85L、25重量%NaCl水溶液337mL、0.1N硫酸269mL、凝固助剤(商品名:スミレーズTE−5、住友化学工業製)0.44gを混合し、加熱して65℃にした後、この混合液に、600rpmで攪拌しながら、上で得られた粘稠な液を分液漏斗を使って滴下し、凝集させ、スラリーを得た。滴下は、混合液のpHが3.6〜4.0になるように0.1N硫酸を適宜添加し調節しながら行った。滴下終了後、スラリーを10分間攪拌し、真空ろ過装置を使って固液分離した。得られた固形分を該固形分の2倍重量となる80℃の水で洗浄した後、1cm角に破砕し、80℃のオーブンで4時間乾燥した。
【0022】
得られた乾燥物47gをラボプラストミル(商品名、型番:20−200C、ブレード:B−75、東洋精機製)に入れ、温度105℃、回転数80rpmの条件で混練した後、促進剤(商品名:ソクシノールCZ、住友化学工業製)0.3g、促進剤(商品名:ソクシノールD、住友化学工業製)0.3g、硫黄0.42g、酸化亜鉛0.6g、ステアリン酸0.6g、老化防止剤(商品名:アンチゲン3C、住友化学工業製)0.45g、ワックス(商品名:サンノックN、大内新興化学工業製)0.45gを入れ、5分間混練した後、170℃の加熱プレスで20分間加硫成形して、樹脂組成物を得た。
【0023】
得られた樹脂組成物の断面を、EPMA(商品名:EPM−810Q、島津製作所製)を用い、加速電圧20kV、吸収電流0.01μA、ビーム径10μmφ、走査距離400μmの条件でビームを走査して、アルミニウムの特性X線の強度を測定し、全走査点についてのX線強度の平均値Xと標準偏差Yを求め、これらから指数Y/Xを算出した。このときの指数Y/Xは0.038であった。EPMAチャートを図1に示す。また、樹脂組成物を成形、切断してダンベル状3号形の試験片を作製し、この試験片の引張強度をオートグラフAGS−500B(商品名、島津製作所製)を用い、JIS K−6251に準じて測定した。このときの引張強度は6.8MPaであった。
【0024】
比較例1
アルミニウムアルコキシドを加水分解し、乾燥して得られた水酸化アルミニウム粉末(結晶構造:ベーマイト、平均一次粒子径:13nm)6gとスチレン−ブタジエンゴム(商品名:住友SBR HS−1、住友化学工業製)41gをラボプラストミル(商品名、型番:20−200C、ブレード:B−75、東洋精機製)に入れ、温度105℃、回転数80rpmの条件で混練した後、促進剤(商品名:ソクシノールCZ、住友化学工業製)0.3g、促進剤(ソクシノールD、住友化学工業製)0.3g、硫黄0.42g、酸化亜鉛0.6g、ステアリン酸0.6g、老化防止剤(商品名:アンチゲン3C、住友化学工業製)0.45g、ワックス(商品名:サンノックN、大内新興化学工業製)0.45gを入れ、5分間混練した後、170℃の加熱プレスで20分間加硫成形して、樹脂組成物を得た。
【0025】
得られた樹脂組成物について、実施例1と同様にして指数Y/Xと引張強度を測定した。このときの指数Y/Xは0.116であり、引張強度は4.1MPaであった。このときのEPMAチャートを図1に示す。
【0026】
実施例2
ガラス製容器に、アルミニウムアルコキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウムスラリー(結晶構造:ベーマイト、平均一次粒子径:13nm、固形分濃度:7重量%)1430gを入れ、スラリーのpHを11に調節し、加熱して65℃にした。このスラリーに、65℃に加熱したスチレン−ブタジエンゴムラテックス(スチレン含有率:35重量%、固形分濃度:22.9重量%、表面電位の符号:負、pH10.7、住友化学工業製)435gを添加し、600rpmで攪拌し混合した後、攪拌を続けながら、25重量%NaCl水溶液184mLを添加し、酸化防止剤(商品名:SL−TNP、共同薬品製)2.87g、オレイン酸(試薬、和光純薬工業製)0.57g、水酸化カリウム(試薬、和光純薬工業製)0.064gおよび水16.52gを混合して得られた混合液を添加し、混合して粘稠な液を得た。
【0027】
水6.46L、25重量%NaCl水溶液1385g、0.1N硫酸678g、凝固助剤(商品名:ハクトールR107、伯東化学製)1.76gを混合し、加熱して65℃にした後、この混合液に、600rpmで攪拌しながら、上で得られた粘稠な液を分液漏斗を使って滴下し、凝集させ、スラリーを得た。滴下終了後、このスラリーを10分間攪拌し、真空ろ過装置を使って固液分離した。得られた固形分を該固形分の2倍重量となる80℃の水で洗浄した後、1cm角に破砕し、80℃のオーブンで4時間乾燥した。得られた乾燥物を成形圧1MPa、温度160℃、5分間の条件でプレス成形して、縦150mm、横150mm、厚さ3mmの成形体を得た。
【0028】
得られた成形体について、実施例1と同じ条件で指数Y/Xを求めた。このときの指数Y/Xは0.017であった。EPMAチャートを図1に示す。上で得られた成形体を切断機(ダンベル社製)で打ち抜き、縦125mm、横6.5mm、厚さ3mmの試験片を作製し、この試験片の酸素指数を酸素指数方式燃焼試験器(型番:ON−1、東洋理化工業製)を用い、JIS−K7201に準じて測定した。このときの酸素指数は23であった。
【0029】
比較例2
アルミニウムアルコキシドを加水分解し、乾燥して得られた水酸化アルミニウム粉末(結晶構造:ベーマイト、平均一次粒子径:13nm)100g、スチレン−ブタジエンゴム(商品名:住友SBR #1500、住友化学工業製)100gとをバンバリーミキサーに入れ、混練した後、成形圧1MPa、温度160℃、5分間の条件でプレス成形して、縦150mm、横150mm、厚さ3mmの成形体を得た。
【0030】
得られた成形体について、実施例2と同じ条件で酸素指数を測定した。このときの酸素指数は22であった。
【0031】
実施例2で得られた成形体は、比較例2で得られた成形体に比べて、高い引張強度を有するだけでなく、その酸素指数が高く難燃性にも優れる。
【0032】
実施例3
ガラス製容器に、アルミニウムアルコキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウムスラリー(結晶構造:ベーマイト、平均一次粒子径:5nm、固形分濃度:7重量%)1429gを入れ、スラリーのpHを10.7に調節し、加熱して65℃にした。このスラリーに、65℃に加熱したスチレン−ブタジエンゴムラテックス(スチレン含有率:35重量%、固形分濃度:24.4重量%、表面電位の符号:負、pH:10.7、住友化学工業製)410gを添加し、600rpmで攪拌し混合した後、攪拌を続けながら、25重量%NaCl水溶液224mL、老化防止剤(商品名:アンチゲン6C、住友化学工業製)0.2g、伸展油(商品名:フッコール アロマックス3、富士興産製)37.5gを順に添加し、混合して粘稠な液を得た。
【0033】
高分子凝集剤(商品名:スミフロックFN−10H、住友化学工業製)を水に溶解して調製した0.1重量%の凝集剤水溶液169ml、水9.7L、25重量%NaCl水溶液1.8Lおよび0.1N硫酸1.4Lを混合し、加熱して65℃にした後、この混合液に、600rpmで攪拌しながら、上で得られた粘稠な液を分液漏斗を使って滴下し、凝集させ、スラリーを得た。滴下は、混合液のpHが3.6〜4.0になるように0.1N硫酸を適宜添加し調節しながら行った。滴下終了後、スラリーを10分間攪拌してから静置した。静置後、スラリー中の固形分は沈降した。上澄み液をアスピレーターで吸い出し、残りの濃縮スラリーを真空ろ過装置を使って固液分離した。得られた固形分を該固形分の2倍重量となる80℃の水で洗浄した後、1cm角に破砕し、80℃のオーブンで4時間乾燥した。得られた乾燥物を実施例1と同様にして成形し樹脂組成物を得た。
【0034】
実施例4
凝固助剤(商品名:スミレーズTE−5、住友化学工業製)1.17g、水9.7L、25重量%NaCl水溶液1.8Lおよび0.1N硫酸1.4Lを混合し、加熱して65℃にした後、この混合液に、600rpmで攪拌しながら、実施例3と同じ方法で得られた粘稠な液を分液漏斗を使って滴下し、凝集させ、スラリーを得た。滴下は、混合液のpHが3.6〜4.0になるように0.1N硫酸を適宜添加し調節しながら行った。滴下終了後、スラリーを10分間攪拌してから静置した。静置した後もスラリー中の固形分は沈降しなかった。スラリーを真空ろ過装置を使って固液分離した。得られた固形分を該固形分の2倍重量となる80℃の水で洗浄した後、1cm角に破砕し、80℃のオーブンで4時間乾燥した。得られた乾燥物を実施例1と同様にして成形し樹脂組成物を得た。
【0035】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、優れた引張強度を有し、成形体またはその材料として有用である。本発明の製造方法によれば、優れた引張強度を有する樹脂組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1、実施例2および比較例1で得られた樹脂組成物の断面のEPMAチャート。

Claims (4)

  1. 樹脂と平均一次粒子径100nm以下の水酸化アルミニウムとを含有し、かつ電子プローブX線マイクロアナライザーによりビームを直線上に走査してアルミニウムのX線強度を測定したときのX線強度の平均値Xおよび標準偏差Yから算出される指数Y/Xが0.1以下であって、樹脂が、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリブテン樹脂、酢酸ビニルとエチレン、スチレン、アクリル酸または塩化ビニルとの共重合樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴムおよびイソプレンゴムから選ばれる合成樹脂であり、
    水酸化アルミニウムの含有量が樹脂100重量部に対し1重量部以上200重量部以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 樹脂がスチレン−ブタジエンゴムである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 水性樹脂エマルジョンと平均一次粒子径100nm以下の水酸化アルミニウムを混合し、攪拌した後、凝集させ、得られるスラリーを固液分離する樹脂組成物の製造方法であり、
    水性樹脂エマルジョンが、水に、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリブテン樹脂、酢酸ビニルとエチレン、スチレン、アクリル酸または塩化ビニルとの共重合樹脂、ポリスチレン、ブタジエンゴム、クロロプレンゴムおよびイソプレンゴムから選ばれる合成樹脂の粒子を分散させて乳状にしたものであり、
    水酸化アルミニウムの使用量が合成樹脂100重量部に対し1重量部以上200重量部以下であることを特徴とする樹脂粗製物の製造方法。
  4. 樹脂がスチレン−ブタジエンゴムである請求項3に記載の製造方法。
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