JP2004051774A - タイヤ用トレッドゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐候性及び加工性が良好で、シリカ配合ゴム組成物に匹敵する力学的物性を有するタイヤ用トレッドゴム組成物及びこれを使用した空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】天然ゴム及びジエン系合成ゴムの少なくとも1種からなるゴム成分100重量部に対して、カーボンブラック10〜100重量部、及び、シリカ層及びシランカップリング剤層層を有する改質炭酸カルシウム、又はシリカ層、有機酸層及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウム20〜100重量部を含有してなるタイヤ用トレッドゴム組成物。
【選択図】なし
【解決手段】天然ゴム及びジエン系合成ゴムの少なくとも1種からなるゴム成分100重量部に対して、カーボンブラック10〜100重量部、及び、シリカ層及びシランカップリング剤層層を有する改質炭酸カルシウム、又はシリカ層、有機酸層及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウム20〜100重量部を含有してなるタイヤ用トレッドゴム組成物。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性、加工性及び補強性に優れたタイヤ用トレッドゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤ用ゴム組成物の充填剤としては、カーボンブラックが主に用いられていた。しかし、近年の自動車産業における低燃費化の要求を満たすため、カーボンブラックの一部をシリカに代替することにより、低燃費性(転動抵抗の低減)とウェットグリップ性のバランスを改善することが検討されてきている。
【0003】
しかし、シリカを配合するゴム組成物は、従来のカーボンブラックを配合したゴム組成物に比べて、(1)未加硫ゴムの粘度が高い、(2)シリカの自己凝集性が高いので、その分散が容易ではない、(3)モース硬度が高く、ゴム混練機や成形機など加工機械の摩耗が激しくなる場合があるなどの問題を生じる。更に、カーボンブラック配合ゴム組成物に匹敵するタイヤ特性を発現させるために、シリカとともに高価なシランカップリング剤を大量に用いる必要があり、コスト面でも問題があった。
【0004】
このような問題を解決する手段として、種々の充填剤、例えば、炭酸カルシウムなどを配合することが試みられている(特開平11−269307号公報、特開平09−194634号公報、特開平09−077915、特開平09−150606号公報、特開平10−087896号公報等参照)。
【0005】
周知のとおり、炭酸カルシウムは、ゴムの増量剤、補強剤などとして広く使用されており、炭酸カルシウムを配合したゴム組成物は、未加硫状態での粘度が低く、また、シリカと比較してロールなどへの巻付き性が良好であるという利点がある。
【0006】
しかし、炭酸カルシウムをタイヤ用トレッドゴム組成物の特性改良のために多量に使用すると、ゴム組成物の弾性特性や、耐摩耗性、耐発熱性などが悪くなるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、加工性及び耐候性が良好であって、しかも、シリカ配合ゴム組成物と同等の力学的物性を有するゴム組成物を得ることを主な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、優れた物性を有するタイヤ用トレッドゴム組成物を得ることを目的として、鋭意検討した結果、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分に、カーボンブラック、並びに、特定の構造を有する改質炭酸カルシウムを配合したゴム組成物が、耐候性及び加工性に優れ、しかも力学的物性の低下が少ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、次の技術的構成を包含する。
【0010】
項1:天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分100重量部に対して、(1)カーボンブラック10〜100重量部、並びに、(2)シリカ層及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウム20〜100重量部を配合したタイヤ用トレッドゴム組成物。
【0011】
項2:天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分100重量部に対して、(1)カーボンブラック10〜100重量部、並びに、(2)(i)シリカ層、(ii)脂肪酸類及び樹脂酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸からなる有機酸層、及び(iii)シランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウム20〜100重量部を配合したタイヤ用トレッドゴム組成物。
【0012】
項3:改質炭酸カルシウムの平均粒子径が、0.01〜1.0μmである項1又は2のいずれかに記載のタイヤ用トレッドゴム組成物。
【0013】
項4:項1乃至3のいずれかに記載のトレッドゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、具体的に説明する。
【0015】
ゴム成分
ゴム成分としては、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種が用いられる。
【0016】
ジエン系合成ゴムとしては、架橋可能なジエン系ゴムが用いられる。ジエン系合成ゴムの具体的な例としては、例えば、シス−1,4−ポリイソプレン、乳化重合スチレンブタジエン共重合体、溶液重合スチレンブタジエン共重合体、低シス−1,4−ポリブタジエン、高シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロプレン、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。
【0017】
上述したゴム成分の中でも、天然ゴム、シス−1,4−ポリイソプレン、乳化重合スチレンブタジエン共重合体、溶液重合スチレンブタジエン共重合体、低シス−1,4−ポリブタジエン、及び高シス−1,4−ポリブタジエンが、特に好適に用いられる。
【0018】
ゴム成分は、上述した天然ゴム又はジエン系合成ゴムを1種用いてもよく、また2種以上混合して用いてもよい。混合比は、要求される特性などに応じて、適宜設定することができる。
【0019】
カーボンブラック
本発明で用いるカーボンブラックとしては、ゴム補強用として通常用いられているものが使用できる。
【0020】
特に、窒素吸着法によるBET比表面積が70m2/g以上のものが好ましく、70〜220m2/gのものがより好ましく、70〜200m2/gのものがさらに好ましい。
【0021】
カーボンブラックのBET比表面積が低すぎる場合には、十分な耐摩耗性を有するゴム組成物が得られないので好ましくない。逆にカーボンブラックのBET比表面積が高すぎる場合には、分散が悪くなり、引張特性、引裂強さ、耐屈曲亀裂性などが低下するので好ましくない。
【0022】
改質炭酸カルシウム
本発明において使用する改質炭酸カルシウムとしては、シリカ層及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウム、又は、シリカ層、脂肪酸類及び樹脂酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸からなる有機酸層、及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウムのいずれかが用いられる。
【0023】
シリカ層、有機酸層及びシランカップリング剤層は、原料炭酸カルシウム粒子又は処理された炭酸カルシウム粒子の表面の全部又は一部を覆う構造のものであればよく、必ずしも、表面全てを連続的に覆う必要はない。
【0024】
改質炭酸カルシウムの原料となる炭酸カルシウムとしては、公知の重質炭酸カルシウム、合成(沈降性)炭酸カルシウムなどを用いることができる。
重質炭酸カルシウムは、天然に産出する炭酸カルシウム原石を、ローラーミル、高速回転ミル(衝撃剪断ミル)、容器駆動媒体ミル(ボールミル)、媒体撹拌ミル、遊星ボールミル、ジェットミルなどを用いて、乾式または湿式で粉砕する方法などにより、調製できる。
【0025】
合成(沈降性)炭酸カルシウムは、石灰乳−炭酸ガス反応法、塩化カルシウム−ソーダ灰反応法、石灰乳−ソーダ灰反応法等などの公知の方法により得ることができる。具体的には、石灰乳−炭酸ガス反応法の一例として、石灰石原石を、コークスあるいは石油系燃料(重油、軽油)、天然ガス、LPG等で混焼することによって生石灰とし、この生石灰を水和して水酸化カルシウムスラリーとし、これに混焼時に発生する炭酸ガスをバブリングして反応させることによって、炭酸カルシウムを生成する方法等が挙げられる。炭酸ガス反応時の条件を設定することによって、所望のサブミクロンオーダーの微粒子を得ることができる。また、加水分解により水酸化亜鉛となるような亜鉛塩を、水酸化カルシウムスラリーに添加し、これと同時に炭酸ガスをバブリングして反応させ、上記炭酸カルシウムよりもさらに微細な炭酸カルシウムを製造する方法なども適用できる(特許第401044号)。
【0026】
走査型電子顕微鏡で観察した原料炭酸カルシウム粒子の大きさは、好ましくは0.01〜0.2μm程度であり、より好ましくは、0.01〜0.1μm程度である。
【0027】
粒子が大きすぎる場合には、十分な耐摩耗性を有するゴム組成物が得られないので好ましくない。一方、小さすぎる場合には分散が悪くなり、ゴム成分に対する補強効果が損なわれるおそれがあるので好ましくない。
【0028】
原料炭酸カルシウム粒子のBET比表面積は、特に限定されるものではないが、通常、5 〜120 m2/g程度である。BET比表面積のより好ましい範囲は、20〜110 m2/g程度であり、さらに好ましい範囲は50〜100 m2/g 程度である。
BET比表面積が大きすぎる場合には、分散が悪くなり、引張特性、引裂強さ、耐屈曲亀裂性などが低下するので好ましくない。
【0029】
一方、BET比表面積が小さすぎる場合には、十分な耐摩耗性を有するゴム組成物が得られないので好ましくない。
【0030】
ここで、BET比表面積は、気体吸着法に基づいて、炭酸カルシウムへの窒素ガスの吸着量を検出することにより算出することができる。
【0031】
(i)シリカ層
シリカ層は、炭酸カルシウムの表面を、シリカヒドロゾルで処理することにより形成することができる。
【0032】
シリカ層の形成に使用されるシリカヒドロゾルとしては、公知の方法により製造されたものを用いることができる。例えば、酸分解法によるシリカヒドロゾル、具体的には、ケイ酸ナトリウム溶液に、塩酸、硫酸などの無機酸、硫酸アルミニウム、或いは酢酸、アクリル酸などの有機酸、その他の炭酸ガス等の酸性物質を加えることによって生成する非晶質シリカヒドロゾルなどを用いることができる。また、半透膜にケイ酸ナトリウムを通す透析法によって生成されるシリカヒドロゾル、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法によって生成されるシリカヒドロゾルなどを用いてもよい。
【0033】
シリカヒドロゾルによる炭酸カルシウムの処理方法としては、炭酸カルシウムスラリーに適当濃度のケイ酸ナトリウムを加え、攪拌しながら無機酸または有機酸などの酸性物質を滴下し、生成する活性なシリカヒドロゾルによって炭酸カルシウム表面を処理する方法等が挙げられる。
予め調製したシリカヒドロゾルを用いる場合は、炭酸カルシウムスラリーに、シリカヒドロゾルを添加し、強力に攪拌することによって処理してもよい。
【0034】
シリカヒドロゾルの付着量は、特に限定されるものではないが、原料となる炭酸カルシウム100重量部に対して、通常0.5〜15重量部程度であり、より好ましくは1〜12重量部程度であり、さらに好ましくは2〜10重量部程度である。付着量は、付着の対象となる炭酸カルシウムのBET比表面積などに応じて適宜調製される。
【0035】
炭酸カルシウムに対するシリカヒドロゾルの付着量が少なすぎる場合には、後述するシランカップリング剤を結合させるに足る反応部位が少なくなるため、所望のゴム物性を発現できないおそれがある。一方、付着量が多すぎる場合には、炭酸カルシウム表面に付着する以外に余剰のシリカヒドロゾルが溶液中に存在することになるので、乾燥時にシリカヒドロゾルが炭酸カルシウムを強く凝集固化させて、凝集困難な粗大粒子が増大する。このような粗大粒子を含む炭酸カルシウムは、ゴム成分の引裂強さ、耐屈曲亀裂性などを低下させるおそれがある。
【0036】
(ii)有機酸層
有機酸層は、脂肪酸類及び樹脂酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸で、炭酸カルシウムを処理することにより、形成することができる。
【0037】
有機酸層の形成に使用する有機酸は、脂肪酸類又は樹脂酸類のいずれか一方を用いてもよく、また、脂肪酸類及び樹脂酸類の両方を併用してもよい。
【0038】
脂肪酸類としては、炭素数が6〜24程度の飽和若しくは不飽和の脂肪酸、その塩又はエステルなどが挙げられる。
【0039】
炭素数が6〜24程度の飽和若しくは不飽和の脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸などを挙げることができる。特に、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸が好ましい。これらは2種以上混合して用いてもよい。
【0040】
脂肪酸の塩としては、例えば、上記脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩などが挙げられる。
【0041】
また脂肪酸のエステルとしては、例えば、炭素数が6〜24程度の飽和もしくは不飽和の脂肪酸と、炭素数が6〜18程度の低級アルコールを反応させて得られるエステルなどが挙げられる。
【0042】
樹脂酸類としては、例えば、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸などのアビエチン酸類或いはその重合体、不均化ロジン、水添ロジン、重合ロジン、これらの塩(例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)又はエステルなどが挙げられる。これらの中では、アビエチン酸及びデヒドロアビエチン酸が好ましい。
【0043】
有機酸の処理方法としては、例えば、次のような鹸化による方法が挙げられる。
【0044】
有機酸をNaOH水溶液、KOH水溶液などのアルカリ金属水溶液中で加熱しながら鹸化(Na塩、K塩等の金属塩にする)し、溶液状にする。次いで、シリカ層を予め形成した炭酸カルシウムの水懸濁液を、予め30〜50℃に加熱しておき、この懸濁液に前述の溶液状の有機酸石鹸を添加し、攪拌させて、混合し、有機酸層を形成させる。有機酸Naなどの石鹸をそのまま使用する場合は、予め加熱した水溶液を調整しておき、上記と同様の方法で処理を行う。
【0045】
また、鹸化せずに処理する方法も適用できる。例えば、シリカで被覆した炭酸カルシウムを有機酸の融点以上に加温しながら攪拌し、これに有機酸を添加し、攪拌させて、混合することにより、有機酸層を形成させることができる。
【0046】
有機酸の付着量は、原料となる炭酸カルシウム100重量部に対して、通常0.5〜20重量部程度であり、より好ましくは1〜15重量部程度であり、さらに好ましくは2〜12重量部程度である。
【0047】
(iii)シランカップリング剤層
シランカップリング剤層は、炭酸カルシウム表面をシランカップリング剤で処理することにより形成することができる。
【0048】
シランカップリング剤層の形成に使用されるシランカップリング剤としては特に制限はなく、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−プロピル)−ジサルファン、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−プロピル)−テトラサルファン(TESPT)などを挙げることができる。これらは単独で使用しても良く、或いは2種以上を併用して使用しても良い。
【0049】
これらの中では、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−プロピル)−テトラサルファンを用いるのが好ましい。
【0050】
シランカップリング剤の付着量は、特に限定されるものではないが、炭酸カルシウム100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部程度であり、好ましくは0.05〜5重量部程度であり、さらに好ましくは0.1〜3重量部程度である。
【0051】
0.01重量部より少ない場合はゴムと反応するシランカップリング剤の量が少なすぎるため、ゴムに対する補強効果が小さくなり好ましくなく、10重量部より多いとゴム組成物としてのコストが増大するため好ましくない。
【0052】
本発明のシリカ層及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウムは、原料となる炭酸カルシウム又は処理された炭酸カルシウムに、上述したシリカヒドロゾルによる処理、及びシランカップリング剤による処理を行うことによって、製造することができる。
【0053】
また、シリカ層、脂肪酸類及び樹脂酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸からなる有機酸層、及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウムは、原料となる炭酸カルシウム又は処理された炭酸カルシウムに、上述したシリカヒドロゾルによる処理、有機酸による処理、及びシランカップリング剤による処理を行うことによって、製造することができる。
【0054】
より具体的には、以下のような方法で製造することができる。
【0055】
(1)炭酸カルシウムスラリーに、ケイ酸ナトリウムを添加し、次いで、希塩酸を導入することにより、炭酸カルシウムの表面にシリカ層を形成する工程、(2)この炭酸カルシウムスラリーに脂肪酸類及び樹脂酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸を添加して有機酸層を形成する工程、(3)このシリカ層及び有機酸層を形成した炭酸カルシウムスラリーを脱水及び乾燥する工程、(4)得られた炭酸カルシウム粒子を、シランカップリング剤で表面処理することにより、シランカップリング剤層を形成する工程を有する方法によって製造する。
【0056】
走査型電子顕微鏡で観察した改質炭酸カルシウムの平均粒子径は、所期の効果を奏し得る範囲で設定できるが、0.01〜1.0μmが好ましく、0.01〜0.3μmがより好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.2μmである。
【0057】
粒子径が大きすぎる場合には、十分な耐摩耗性を有するゴム組成物が得られないので好ましくない。一方、粒子径が小さすぎる場合には分散性が悪くなり、ゴム成分に対する補強効果が損なわれるおそれがあるので好ましくない。
【0058】
改質炭酸カルシウムのBET比表面積は、30〜120m2/g程度が好ましく、より好ましくは60〜120m2/g程度であり、さらに好ましくは60〜110m2/g程度である。
【0059】
BET比表面積が小さすぎる場合には、充分な耐摩耗性を得ることができない点で好ましくなく、120m2/gより大きい場合には、飛散性が激しくなるため、好ましくない。
【0060】
タイヤ用トレッドゴム組成物
本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物は、ゴム成分に、上述のカーボンブラック及び改質炭酸カルシウムを配合したものである。
【0061】
カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対して、通常10〜100重量部であり、好ましくは20〜100重量部であり、さらに好ましくは20〜90重量部である。
【0062】
カーボンブラックの配合量が少なすぎる場合には、ゴム組成物の耐摩耗性が低下するので好ましくなく、多すぎる場合には、ゴムの粘度が上昇し、加工性が悪くなるため、好ましくない。
【0063】
改質炭酸カルシウムの配合量は、ゴム成分100重量部に対して通常20〜100重量部程度であり、好ましくは30〜90重量部程度であり、さらに好ましくは50〜80重量部程度である。
【0064】
改質炭酸カルシウムの配合量が少なすぎると、配合時の加工性が改善できない点で好ましくなく、多すぎるとゴム組成物の耐摩耗性などの物性が低下するため好ましくない。
【0065】
また、本発明のゴム組成物には、必要に応じて、更に公知の配合剤を加えてもよい。例えば、シリカ、クレー、水酸化アルミニウムなど他の充填剤を適宜併用して用いることができる。更に、プロセスオイル、酸化防止剤、老化防止剤、活性剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、ワックスなどの添加剤、硫黄、加硫促進剤などの加硫剤等も、所望に応じて配合することができる。
本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物は、ゴム成分、カーボンブラック及び改質炭酸カルシウムと、必要に応じて選択したその他の配合剤とを、混練り、熱入れ、押出、加硫などすることにより製造できる。
【0066】
混練りの条件としては、特に制限はなく、混練り装置への投入体積、ローターの回転速度、ラム圧等、混練温度、混練り時間、混練り装置の種類等の諸条件について目的に応じて適宜選択できる。前記混練り装置は特に制限されず、密閉式または開放式いずれのものも用いることができ、例えば、通常ゴム組成物の混練りに用いる公知の混練装置、具体的には、バンバリーミキサー(登録商標)、インターミックス(登録商標)、ニーダー、ロール等が挙げられる。
【0067】
熱入れの条件としては、特に制限はなく、熱入れ温度、熱入れ時間、熱入れ装置等の諸条件について目的に応じて適宜選択できる。熱入れ装置としては、例えば、通常ゴム組成物の熱入れに用いるロール機等が挙げられる。
【0068】
押出しの条件としては、特に制限はなく、押出時間、押出速度、押出装置、押出温度等の諸条件について目的に応じて適宜選択できる。押出装置としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物の押出しに用いる押出機等が挙げられる。押出温度は、適宜決定できる。
【0069】
加硫をおこなう装置、方式、条件等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。加硫をおこなう装置としては、例えばタイヤ用ゴム組成物の加硫に通常用いる金型による成形加硫機等が挙げられる。加硫の条件として、加硫温度は通常100〜190℃である。
【0070】
空気入りタイヤ
本発明の空気入りタイヤは、上述の本発明のゴム組成物を用いて、トレッド部の少なくとも路面に設置する部分が形成される。
空気入りタイヤの構成は、少なくともトレッド部を有するものである限り、特に制限されることはなく、公知の空気入りタイヤの構成を適用し得る。
【0071】
また、空気入りタイヤの製造方法も、特に制限されることはなく、例えば、タイヤ構成部材を巻回して巻回体を形成し、巻回体の外面上にトレッドゴム組成物を貼着して生タイヤを形成し、次いで、所定のモールドに装填し、所定圧力及び所定温度の下で加硫する方法などを挙げることができる。
本発明の空気入りタイヤは、上述の本発明のゴム組成物を用いて形成されることによって、屋外曝露における耐候性が良好で、タイヤ表面の外観を損なうことがなく、また発生した亀裂に起因する耐摩耗性や力学的物性の低下が少ないという効果を有している。
【0072】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
【0073】
実施例1〜3、比較例1〜5
8インチ二本ロールを用いて、表1に示される試料を配合し、それぞれ、実施例1〜3及び比較例1〜5のゴム組成物を得た。これらのゴム組成物を、オシレーティング・ディスク・レオメーター(160℃)で算出した最適加硫時間tc(90)をもとに、プレス加硫をおこない、厚さ2mmのゴムシートとした。
【0074】
なお、実施例及び比較例においては、以下の試料を用いた。
【0075】
ゴム成分
・S−SBR SL552:溶液重合形SBR(結合スチレン量24%、シス1、4結合量20%)、JSR(株)製。
・SMR L :標準マレーシアゴム。
・BR−01 :高シス−1,4−ポリブタジエン、JSR(株)製。
【0076】
充填剤
・炭酸カルシウムA:BET比表面積75m2/gの合成炭酸カルシウムスラリーを良く撹拌しながら40℃に加熱した。この合成炭酸カルシウムスラリー100重量部に対し、室温下、水で十倍に希釈したケイ酸ナトリウム(けい酸ナトリウム(和光純薬製))水溶液7重量部を添加し、希塩酸を導入し、炭酸カルシウム表面にシリカ層を生成させた。次に水酸化ナトリウムを添加して90℃に加温撹拌させて鹸化した混合脂肪酸(オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸(和光純薬製))を5重量部添加し、次いで、脱水、乾燥、粉砕を行い、シリカ層及び脂肪酸層を有する炭酸カルシウム粉末を得た。得られた炭酸カルシウムを炭酸カルシウムAとする。
【0077】
・炭酸カルシウムB:炭酸カルシウムAを、ミキサーで攪拌しながら、該炭酸カルシウムA100重量部に対して、2.0重量部のビス−(3−[トリエトキシシリル]−プロピル)−テトラサルファン(デグサ製、Si69)を噴霧し、更に10分間攪拌させた後、100℃×60分間で加熱乾燥させた。得られた炭酸カルシウムを炭酸カルシウムBとする。
【0078】
・炭酸カルシウムC:合成炭酸カルシウム「白艶華CC」、白石工業(株)製。
【0079】
・炭酸カルシウムD:混合脂肪酸を添加しない点を除き、炭酸カルシウムAと同様の操作により得られた改質炭酸カルシウム100重量部に対して2.0重量部のビス−(3−[トリエトキシシリル]−プロピル)−テトラサルファン(デグサ製、Si69)を噴霧し、10分間攪拌させた後、100℃×60分間で加熱乾燥させた。得られた炭酸カルシウムを炭酸カルシウムDとする。
【0080】
・カーボンブラック:旭#80、ISAF、旭カーボン(株)製。
【0081】
・シリカ:ホワイトカーボン、ニプシールVN3、日本シリカ工業(株)製。
【0082】
・シランカップリング剤:ビス−(3−[トリエトキシシリル]−プロピル)テトラサルファン、Si69、デグサ製。
他の配合成分
・プロセスオイル:NP−24、出光興産(株)。
・老化防止剤:ノクラック224、大内新興化学工業(株)製。
・加硫促進剤1:ノクセラーD、大内新興化学工業(株)製。
・加硫促進剤2:ノクセラーCZ、大内新興化学工業(株)製。
【0083】
評価
実施例1〜3及び比較例1〜5のゴム組成物から得られたゴムシートについて、下記の方法で、引張試験、引裂試験、摩耗試験、反発弾性試験、発熱・疲労試験、永久伸び、粘弾性試験、ロール加工性、耐候性(屋外曝露)試験を行った。
【0084】
評価方法
1.引張試験
JIS K 6251に規定された方法に従って、ショッパー抗張力試験機を用い、23℃における下記試験項目の測定を行った。
【0085】
300%モジュラス:300%伸長時の引張強さ
引張強さ :切断時の荷重を試験片の断面積で除した値
モジュラスは伸びに対する引張強さを示し、引張強さは試料の荷重に対する強さを示す。
【0086】
2.引裂強さ
JIS K 6252に規定された方法に従って、ショッパー抗張力試験機を用い、23℃で測定を行った。試験片はクレセント型(切込み有り)を用いた。この値が大きいほど偶発的な欠陥により発生するクラック、チッピングで壊れにくいことを意味する。
【0087】
3.耐摩耗性
島津製作所製のアクロン摩耗試験機を用い、荷重6lb、角度15°の条件下で、予備擦り200回、本擦り1000回で摩耗容積を調べた。
この値が小さいほど耐摩耗性に優れることを意味する。
【0088】
4.反発弾性
JIS K 6255に規定された方法に従って、リュプケ式反発弾性試験装置を用いて23℃における値を測定した。試験片の厚みは12.5mm、直径29mmの円柱状のものを使用した。この値が大きいことは、タイヤトレッドゴム組成物として使用した場合の転動抵抗の改善(減少)を予想させるものである。
【0089】
5.発熱及び疲労試験(HBU)
JIS K 6265に規定された方法に従って、フレキソメーターを用いて初期温度40℃からの発熱温度と永久歪みを測定した。試験片は直径17.80mm、高さ25.0mmの円柱状のものを使用し、静的圧縮応力1MPaを、毎分1800回、4m/mのストロークで与え、25分間経過時の発熱温度(△t)、永久歪み(CS)を測定した。
発熱温度、永久歪みとも値が低いほど好ましい。特に内部発熱が大きいと、走行中にタイヤがバーストするなどの原因となる。
【0090】
6.永久伸び
ダンベル状1号形を使用し、標線は40mmとした。上記1.の引張試験における切断時の伸びの50%分を伸長し、30分間この状態で保持した。30分経過後、外力を除き、さらに30分間静置し、この時の残留伸びを測定した。結果は、原長(40mm)に対する残留伸びを百分率で標記した。この値が小さいほど、応力による歪みが残留しにくくなることを意味し、タイヤトレッドゴム組成物として使用した場合の転動抵抗の改善(減少)が予測される。
【0091】
7.粘弾性試験
レオロジー(RHEOLOGY)社製、粘弾性測定装置DVEレオスペクトラー(DVE RHEO SPECTOLER)を用い、初期歪み10%、周波数20Hz、振幅0.1%の条件で、tanδ(0℃と60℃)を測定した。0℃のtanδが大きいほどウェットスキッド性能に優れ、60℃のtanδが小さいほど転動抵抗に優れることを意味する。即ち、0℃のtanδは大きく、60℃のtanδが小さいほど良好である。
【0092】
8.ロール加工性
ロール加工性は、ゴム混練時における、練り生地のロールへの巻付きやすさから評価した。ロールへの巻付きが良いものほど混練、あるいは添加薬品を混入しやすい。評価は充填剤混入時における生地の巻付き度合いを重視し、巻付きやすいものから順に、◎が非常に良好、○が良好、△がやや良い、×が悪い、××が非常に悪いとして、5段階で示した。
【0093】
9.耐候性試験
95mm×25mm×2mmの試験片をループ状にした状態で、南面45°の角度でセットして、30日後の亀裂の発生具合を評価した。
評価は亀裂の大きさと総数でおこない、亀裂の大きさが小さいもの程良好で、且つ亀裂の総数が少ないものほど良好とした。亀裂の大きさは、1〜3mmのもの(X)と、3mm以上(Y)のもの個数の割合で以下の順で分類した。A;(X:Y=100:0)> B;(=75:25)>C;(=50:50)>D;(=25:75)>E;(=0:100)。亀裂の総数は、1:少ない>2:多い>3:無数の三段階で評価した。即ち、A−1が最も良好で、E−3が最も悪い評価となる。評価が良いものほど、タイヤ表面の外観を損なうことがなく、また発生した亀裂に起因する耐摩耗性や力学的物性の低下が少ないということを意味する。
【0094】
【表1】
【0095】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3のゴム組成物は、比較例1〜5のゴム組成物に比べて、力学的物性も良好で、特に永久伸びに優れている。また、耐候性が格段に優れている。
【0096】
比較例1は、カーボンブラックを単独で配合したゴム組成物であり、耐候性が最も悪いことが分かった。
【0097】
比較例2〜3は、カーボンブラック及びシリカを併用して配合したゴム組成物であり、耐候性が比較例1に次いで悪く、更に永久伸びが悪いことが分かった。
【0098】
比較例4は、0.02μmの炭酸カルシウムAをカーボンブラックと併用して配合したゴム組成物であり、耐候性が悪く、反発弾性、HBU、永久伸びが悪いことが分かった。
【0099】
比較例5は、0.04μmの炭酸カルシウムCを配合したゴム組成物であり、耐候性はカーボンブラックやシリカに比べると良好であるが、引張強さ、引裂強さ、耐摩耗性などが劣ることが分かった。
【0100】
【発明の効果】
本発明のタイヤ用トレッドゴム用組成物は、シリカ配合ゴム組成物と同等のゴム補強性を示し、しかも、加工性及び耐候性に優れている。
【0101】
本発明のゴム組成物を使用して作成した空気入りタイヤは、屋外曝露における耐候性が良好であって、タイヤ表面の外観を損なうことがなく、また発生した亀裂に起因する耐摩耗性や力学的物性の低下が少ないという効果を奏する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性、加工性及び補強性に優れたタイヤ用トレッドゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤ用ゴム組成物の充填剤としては、カーボンブラックが主に用いられていた。しかし、近年の自動車産業における低燃費化の要求を満たすため、カーボンブラックの一部をシリカに代替することにより、低燃費性(転動抵抗の低減)とウェットグリップ性のバランスを改善することが検討されてきている。
【0003】
しかし、シリカを配合するゴム組成物は、従来のカーボンブラックを配合したゴム組成物に比べて、(1)未加硫ゴムの粘度が高い、(2)シリカの自己凝集性が高いので、その分散が容易ではない、(3)モース硬度が高く、ゴム混練機や成形機など加工機械の摩耗が激しくなる場合があるなどの問題を生じる。更に、カーボンブラック配合ゴム組成物に匹敵するタイヤ特性を発現させるために、シリカとともに高価なシランカップリング剤を大量に用いる必要があり、コスト面でも問題があった。
【0004】
このような問題を解決する手段として、種々の充填剤、例えば、炭酸カルシウムなどを配合することが試みられている(特開平11−269307号公報、特開平09−194634号公報、特開平09−077915、特開平09−150606号公報、特開平10−087896号公報等参照)。
【0005】
周知のとおり、炭酸カルシウムは、ゴムの増量剤、補強剤などとして広く使用されており、炭酸カルシウムを配合したゴム組成物は、未加硫状態での粘度が低く、また、シリカと比較してロールなどへの巻付き性が良好であるという利点がある。
【0006】
しかし、炭酸カルシウムをタイヤ用トレッドゴム組成物の特性改良のために多量に使用すると、ゴム組成物の弾性特性や、耐摩耗性、耐発熱性などが悪くなるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、加工性及び耐候性が良好であって、しかも、シリカ配合ゴム組成物と同等の力学的物性を有するゴム組成物を得ることを主な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、優れた物性を有するタイヤ用トレッドゴム組成物を得ることを目的として、鋭意検討した結果、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分に、カーボンブラック、並びに、特定の構造を有する改質炭酸カルシウムを配合したゴム組成物が、耐候性及び加工性に優れ、しかも力学的物性の低下が少ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、次の技術的構成を包含する。
【0010】
項1:天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分100重量部に対して、(1)カーボンブラック10〜100重量部、並びに、(2)シリカ層及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウム20〜100重量部を配合したタイヤ用トレッドゴム組成物。
【0011】
項2:天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分100重量部に対して、(1)カーボンブラック10〜100重量部、並びに、(2)(i)シリカ層、(ii)脂肪酸類及び樹脂酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸からなる有機酸層、及び(iii)シランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウム20〜100重量部を配合したタイヤ用トレッドゴム組成物。
【0012】
項3:改質炭酸カルシウムの平均粒子径が、0.01〜1.0μmである項1又は2のいずれかに記載のタイヤ用トレッドゴム組成物。
【0013】
項4:項1乃至3のいずれかに記載のトレッドゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、具体的に説明する。
【0015】
ゴム成分
ゴム成分としては、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種が用いられる。
【0016】
ジエン系合成ゴムとしては、架橋可能なジエン系ゴムが用いられる。ジエン系合成ゴムの具体的な例としては、例えば、シス−1,4−ポリイソプレン、乳化重合スチレンブタジエン共重合体、溶液重合スチレンブタジエン共重合体、低シス−1,4−ポリブタジエン、高シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロプレン、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。
【0017】
上述したゴム成分の中でも、天然ゴム、シス−1,4−ポリイソプレン、乳化重合スチレンブタジエン共重合体、溶液重合スチレンブタジエン共重合体、低シス−1,4−ポリブタジエン、及び高シス−1,4−ポリブタジエンが、特に好適に用いられる。
【0018】
ゴム成分は、上述した天然ゴム又はジエン系合成ゴムを1種用いてもよく、また2種以上混合して用いてもよい。混合比は、要求される特性などに応じて、適宜設定することができる。
【0019】
カーボンブラック
本発明で用いるカーボンブラックとしては、ゴム補強用として通常用いられているものが使用できる。
【0020】
特に、窒素吸着法によるBET比表面積が70m2/g以上のものが好ましく、70〜220m2/gのものがより好ましく、70〜200m2/gのものがさらに好ましい。
【0021】
カーボンブラックのBET比表面積が低すぎる場合には、十分な耐摩耗性を有するゴム組成物が得られないので好ましくない。逆にカーボンブラックのBET比表面積が高すぎる場合には、分散が悪くなり、引張特性、引裂強さ、耐屈曲亀裂性などが低下するので好ましくない。
【0022】
改質炭酸カルシウム
本発明において使用する改質炭酸カルシウムとしては、シリカ層及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウム、又は、シリカ層、脂肪酸類及び樹脂酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸からなる有機酸層、及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウムのいずれかが用いられる。
【0023】
シリカ層、有機酸層及びシランカップリング剤層は、原料炭酸カルシウム粒子又は処理された炭酸カルシウム粒子の表面の全部又は一部を覆う構造のものであればよく、必ずしも、表面全てを連続的に覆う必要はない。
【0024】
改質炭酸カルシウムの原料となる炭酸カルシウムとしては、公知の重質炭酸カルシウム、合成(沈降性)炭酸カルシウムなどを用いることができる。
重質炭酸カルシウムは、天然に産出する炭酸カルシウム原石を、ローラーミル、高速回転ミル(衝撃剪断ミル)、容器駆動媒体ミル(ボールミル)、媒体撹拌ミル、遊星ボールミル、ジェットミルなどを用いて、乾式または湿式で粉砕する方法などにより、調製できる。
【0025】
合成(沈降性)炭酸カルシウムは、石灰乳−炭酸ガス反応法、塩化カルシウム−ソーダ灰反応法、石灰乳−ソーダ灰反応法等などの公知の方法により得ることができる。具体的には、石灰乳−炭酸ガス反応法の一例として、石灰石原石を、コークスあるいは石油系燃料(重油、軽油)、天然ガス、LPG等で混焼することによって生石灰とし、この生石灰を水和して水酸化カルシウムスラリーとし、これに混焼時に発生する炭酸ガスをバブリングして反応させることによって、炭酸カルシウムを生成する方法等が挙げられる。炭酸ガス反応時の条件を設定することによって、所望のサブミクロンオーダーの微粒子を得ることができる。また、加水分解により水酸化亜鉛となるような亜鉛塩を、水酸化カルシウムスラリーに添加し、これと同時に炭酸ガスをバブリングして反応させ、上記炭酸カルシウムよりもさらに微細な炭酸カルシウムを製造する方法なども適用できる(特許第401044号)。
【0026】
走査型電子顕微鏡で観察した原料炭酸カルシウム粒子の大きさは、好ましくは0.01〜0.2μm程度であり、より好ましくは、0.01〜0.1μm程度である。
【0027】
粒子が大きすぎる場合には、十分な耐摩耗性を有するゴム組成物が得られないので好ましくない。一方、小さすぎる場合には分散が悪くなり、ゴム成分に対する補強効果が損なわれるおそれがあるので好ましくない。
【0028】
原料炭酸カルシウム粒子のBET比表面積は、特に限定されるものではないが、通常、5 〜120 m2/g程度である。BET比表面積のより好ましい範囲は、20〜110 m2/g程度であり、さらに好ましい範囲は50〜100 m2/g 程度である。
BET比表面積が大きすぎる場合には、分散が悪くなり、引張特性、引裂強さ、耐屈曲亀裂性などが低下するので好ましくない。
【0029】
一方、BET比表面積が小さすぎる場合には、十分な耐摩耗性を有するゴム組成物が得られないので好ましくない。
【0030】
ここで、BET比表面積は、気体吸着法に基づいて、炭酸カルシウムへの窒素ガスの吸着量を検出することにより算出することができる。
【0031】
(i)シリカ層
シリカ層は、炭酸カルシウムの表面を、シリカヒドロゾルで処理することにより形成することができる。
【0032】
シリカ層の形成に使用されるシリカヒドロゾルとしては、公知の方法により製造されたものを用いることができる。例えば、酸分解法によるシリカヒドロゾル、具体的には、ケイ酸ナトリウム溶液に、塩酸、硫酸などの無機酸、硫酸アルミニウム、或いは酢酸、アクリル酸などの有機酸、その他の炭酸ガス等の酸性物質を加えることによって生成する非晶質シリカヒドロゾルなどを用いることができる。また、半透膜にケイ酸ナトリウムを通す透析法によって生成されるシリカヒドロゾル、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法によって生成されるシリカヒドロゾルなどを用いてもよい。
【0033】
シリカヒドロゾルによる炭酸カルシウムの処理方法としては、炭酸カルシウムスラリーに適当濃度のケイ酸ナトリウムを加え、攪拌しながら無機酸または有機酸などの酸性物質を滴下し、生成する活性なシリカヒドロゾルによって炭酸カルシウム表面を処理する方法等が挙げられる。
予め調製したシリカヒドロゾルを用いる場合は、炭酸カルシウムスラリーに、シリカヒドロゾルを添加し、強力に攪拌することによって処理してもよい。
【0034】
シリカヒドロゾルの付着量は、特に限定されるものではないが、原料となる炭酸カルシウム100重量部に対して、通常0.5〜15重量部程度であり、より好ましくは1〜12重量部程度であり、さらに好ましくは2〜10重量部程度である。付着量は、付着の対象となる炭酸カルシウムのBET比表面積などに応じて適宜調製される。
【0035】
炭酸カルシウムに対するシリカヒドロゾルの付着量が少なすぎる場合には、後述するシランカップリング剤を結合させるに足る反応部位が少なくなるため、所望のゴム物性を発現できないおそれがある。一方、付着量が多すぎる場合には、炭酸カルシウム表面に付着する以外に余剰のシリカヒドロゾルが溶液中に存在することになるので、乾燥時にシリカヒドロゾルが炭酸カルシウムを強く凝集固化させて、凝集困難な粗大粒子が増大する。このような粗大粒子を含む炭酸カルシウムは、ゴム成分の引裂強さ、耐屈曲亀裂性などを低下させるおそれがある。
【0036】
(ii)有機酸層
有機酸層は、脂肪酸類及び樹脂酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸で、炭酸カルシウムを処理することにより、形成することができる。
【0037】
有機酸層の形成に使用する有機酸は、脂肪酸類又は樹脂酸類のいずれか一方を用いてもよく、また、脂肪酸類及び樹脂酸類の両方を併用してもよい。
【0038】
脂肪酸類としては、炭素数が6〜24程度の飽和若しくは不飽和の脂肪酸、その塩又はエステルなどが挙げられる。
【0039】
炭素数が6〜24程度の飽和若しくは不飽和の脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸などを挙げることができる。特に、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸が好ましい。これらは2種以上混合して用いてもよい。
【0040】
脂肪酸の塩としては、例えば、上記脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩などが挙げられる。
【0041】
また脂肪酸のエステルとしては、例えば、炭素数が6〜24程度の飽和もしくは不飽和の脂肪酸と、炭素数が6〜18程度の低級アルコールを反応させて得られるエステルなどが挙げられる。
【0042】
樹脂酸類としては、例えば、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸などのアビエチン酸類或いはその重合体、不均化ロジン、水添ロジン、重合ロジン、これらの塩(例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)又はエステルなどが挙げられる。これらの中では、アビエチン酸及びデヒドロアビエチン酸が好ましい。
【0043】
有機酸の処理方法としては、例えば、次のような鹸化による方法が挙げられる。
【0044】
有機酸をNaOH水溶液、KOH水溶液などのアルカリ金属水溶液中で加熱しながら鹸化(Na塩、K塩等の金属塩にする)し、溶液状にする。次いで、シリカ層を予め形成した炭酸カルシウムの水懸濁液を、予め30〜50℃に加熱しておき、この懸濁液に前述の溶液状の有機酸石鹸を添加し、攪拌させて、混合し、有機酸層を形成させる。有機酸Naなどの石鹸をそのまま使用する場合は、予め加熱した水溶液を調整しておき、上記と同様の方法で処理を行う。
【0045】
また、鹸化せずに処理する方法も適用できる。例えば、シリカで被覆した炭酸カルシウムを有機酸の融点以上に加温しながら攪拌し、これに有機酸を添加し、攪拌させて、混合することにより、有機酸層を形成させることができる。
【0046】
有機酸の付着量は、原料となる炭酸カルシウム100重量部に対して、通常0.5〜20重量部程度であり、より好ましくは1〜15重量部程度であり、さらに好ましくは2〜12重量部程度である。
【0047】
(iii)シランカップリング剤層
シランカップリング剤層は、炭酸カルシウム表面をシランカップリング剤で処理することにより形成することができる。
【0048】
シランカップリング剤層の形成に使用されるシランカップリング剤としては特に制限はなく、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−プロピル)−ジサルファン、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−プロピル)−テトラサルファン(TESPT)などを挙げることができる。これらは単独で使用しても良く、或いは2種以上を併用して使用しても良い。
【0049】
これらの中では、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−プロピル)−テトラサルファンを用いるのが好ましい。
【0050】
シランカップリング剤の付着量は、特に限定されるものではないが、炭酸カルシウム100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部程度であり、好ましくは0.05〜5重量部程度であり、さらに好ましくは0.1〜3重量部程度である。
【0051】
0.01重量部より少ない場合はゴムと反応するシランカップリング剤の量が少なすぎるため、ゴムに対する補強効果が小さくなり好ましくなく、10重量部より多いとゴム組成物としてのコストが増大するため好ましくない。
【0052】
本発明のシリカ層及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウムは、原料となる炭酸カルシウム又は処理された炭酸カルシウムに、上述したシリカヒドロゾルによる処理、及びシランカップリング剤による処理を行うことによって、製造することができる。
【0053】
また、シリカ層、脂肪酸類及び樹脂酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸からなる有機酸層、及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウムは、原料となる炭酸カルシウム又は処理された炭酸カルシウムに、上述したシリカヒドロゾルによる処理、有機酸による処理、及びシランカップリング剤による処理を行うことによって、製造することができる。
【0054】
より具体的には、以下のような方法で製造することができる。
【0055】
(1)炭酸カルシウムスラリーに、ケイ酸ナトリウムを添加し、次いで、希塩酸を導入することにより、炭酸カルシウムの表面にシリカ層を形成する工程、(2)この炭酸カルシウムスラリーに脂肪酸類及び樹脂酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸を添加して有機酸層を形成する工程、(3)このシリカ層及び有機酸層を形成した炭酸カルシウムスラリーを脱水及び乾燥する工程、(4)得られた炭酸カルシウム粒子を、シランカップリング剤で表面処理することにより、シランカップリング剤層を形成する工程を有する方法によって製造する。
【0056】
走査型電子顕微鏡で観察した改質炭酸カルシウムの平均粒子径は、所期の効果を奏し得る範囲で設定できるが、0.01〜1.0μmが好ましく、0.01〜0.3μmがより好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.2μmである。
【0057】
粒子径が大きすぎる場合には、十分な耐摩耗性を有するゴム組成物が得られないので好ましくない。一方、粒子径が小さすぎる場合には分散性が悪くなり、ゴム成分に対する補強効果が損なわれるおそれがあるので好ましくない。
【0058】
改質炭酸カルシウムのBET比表面積は、30〜120m2/g程度が好ましく、より好ましくは60〜120m2/g程度であり、さらに好ましくは60〜110m2/g程度である。
【0059】
BET比表面積が小さすぎる場合には、充分な耐摩耗性を得ることができない点で好ましくなく、120m2/gより大きい場合には、飛散性が激しくなるため、好ましくない。
【0060】
タイヤ用トレッドゴム組成物
本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物は、ゴム成分に、上述のカーボンブラック及び改質炭酸カルシウムを配合したものである。
【0061】
カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対して、通常10〜100重量部であり、好ましくは20〜100重量部であり、さらに好ましくは20〜90重量部である。
【0062】
カーボンブラックの配合量が少なすぎる場合には、ゴム組成物の耐摩耗性が低下するので好ましくなく、多すぎる場合には、ゴムの粘度が上昇し、加工性が悪くなるため、好ましくない。
【0063】
改質炭酸カルシウムの配合量は、ゴム成分100重量部に対して通常20〜100重量部程度であり、好ましくは30〜90重量部程度であり、さらに好ましくは50〜80重量部程度である。
【0064】
改質炭酸カルシウムの配合量が少なすぎると、配合時の加工性が改善できない点で好ましくなく、多すぎるとゴム組成物の耐摩耗性などの物性が低下するため好ましくない。
【0065】
また、本発明のゴム組成物には、必要に応じて、更に公知の配合剤を加えてもよい。例えば、シリカ、クレー、水酸化アルミニウムなど他の充填剤を適宜併用して用いることができる。更に、プロセスオイル、酸化防止剤、老化防止剤、活性剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、ワックスなどの添加剤、硫黄、加硫促進剤などの加硫剤等も、所望に応じて配合することができる。
本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物は、ゴム成分、カーボンブラック及び改質炭酸カルシウムと、必要に応じて選択したその他の配合剤とを、混練り、熱入れ、押出、加硫などすることにより製造できる。
【0066】
混練りの条件としては、特に制限はなく、混練り装置への投入体積、ローターの回転速度、ラム圧等、混練温度、混練り時間、混練り装置の種類等の諸条件について目的に応じて適宜選択できる。前記混練り装置は特に制限されず、密閉式または開放式いずれのものも用いることができ、例えば、通常ゴム組成物の混練りに用いる公知の混練装置、具体的には、バンバリーミキサー(登録商標)、インターミックス(登録商標)、ニーダー、ロール等が挙げられる。
【0067】
熱入れの条件としては、特に制限はなく、熱入れ温度、熱入れ時間、熱入れ装置等の諸条件について目的に応じて適宜選択できる。熱入れ装置としては、例えば、通常ゴム組成物の熱入れに用いるロール機等が挙げられる。
【0068】
押出しの条件としては、特に制限はなく、押出時間、押出速度、押出装置、押出温度等の諸条件について目的に応じて適宜選択できる。押出装置としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物の押出しに用いる押出機等が挙げられる。押出温度は、適宜決定できる。
【0069】
加硫をおこなう装置、方式、条件等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。加硫をおこなう装置としては、例えばタイヤ用ゴム組成物の加硫に通常用いる金型による成形加硫機等が挙げられる。加硫の条件として、加硫温度は通常100〜190℃である。
【0070】
空気入りタイヤ
本発明の空気入りタイヤは、上述の本発明のゴム組成物を用いて、トレッド部の少なくとも路面に設置する部分が形成される。
空気入りタイヤの構成は、少なくともトレッド部を有するものである限り、特に制限されることはなく、公知の空気入りタイヤの構成を適用し得る。
【0071】
また、空気入りタイヤの製造方法も、特に制限されることはなく、例えば、タイヤ構成部材を巻回して巻回体を形成し、巻回体の外面上にトレッドゴム組成物を貼着して生タイヤを形成し、次いで、所定のモールドに装填し、所定圧力及び所定温度の下で加硫する方法などを挙げることができる。
本発明の空気入りタイヤは、上述の本発明のゴム組成物を用いて形成されることによって、屋外曝露における耐候性が良好で、タイヤ表面の外観を損なうことがなく、また発生した亀裂に起因する耐摩耗性や力学的物性の低下が少ないという効果を有している。
【0072】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
【0073】
実施例1〜3、比較例1〜5
8インチ二本ロールを用いて、表1に示される試料を配合し、それぞれ、実施例1〜3及び比較例1〜5のゴム組成物を得た。これらのゴム組成物を、オシレーティング・ディスク・レオメーター(160℃)で算出した最適加硫時間tc(90)をもとに、プレス加硫をおこない、厚さ2mmのゴムシートとした。
【0074】
なお、実施例及び比較例においては、以下の試料を用いた。
【0075】
ゴム成分
・S−SBR SL552:溶液重合形SBR(結合スチレン量24%、シス1、4結合量20%)、JSR(株)製。
・SMR L :標準マレーシアゴム。
・BR−01 :高シス−1,4−ポリブタジエン、JSR(株)製。
【0076】
充填剤
・炭酸カルシウムA:BET比表面積75m2/gの合成炭酸カルシウムスラリーを良く撹拌しながら40℃に加熱した。この合成炭酸カルシウムスラリー100重量部に対し、室温下、水で十倍に希釈したケイ酸ナトリウム(けい酸ナトリウム(和光純薬製))水溶液7重量部を添加し、希塩酸を導入し、炭酸カルシウム表面にシリカ層を生成させた。次に水酸化ナトリウムを添加して90℃に加温撹拌させて鹸化した混合脂肪酸(オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸(和光純薬製))を5重量部添加し、次いで、脱水、乾燥、粉砕を行い、シリカ層及び脂肪酸層を有する炭酸カルシウム粉末を得た。得られた炭酸カルシウムを炭酸カルシウムAとする。
【0077】
・炭酸カルシウムB:炭酸カルシウムAを、ミキサーで攪拌しながら、該炭酸カルシウムA100重量部に対して、2.0重量部のビス−(3−[トリエトキシシリル]−プロピル)−テトラサルファン(デグサ製、Si69)を噴霧し、更に10分間攪拌させた後、100℃×60分間で加熱乾燥させた。得られた炭酸カルシウムを炭酸カルシウムBとする。
【0078】
・炭酸カルシウムC:合成炭酸カルシウム「白艶華CC」、白石工業(株)製。
【0079】
・炭酸カルシウムD:混合脂肪酸を添加しない点を除き、炭酸カルシウムAと同様の操作により得られた改質炭酸カルシウム100重量部に対して2.0重量部のビス−(3−[トリエトキシシリル]−プロピル)−テトラサルファン(デグサ製、Si69)を噴霧し、10分間攪拌させた後、100℃×60分間で加熱乾燥させた。得られた炭酸カルシウムを炭酸カルシウムDとする。
【0080】
・カーボンブラック:旭#80、ISAF、旭カーボン(株)製。
【0081】
・シリカ:ホワイトカーボン、ニプシールVN3、日本シリカ工業(株)製。
【0082】
・シランカップリング剤:ビス−(3−[トリエトキシシリル]−プロピル)テトラサルファン、Si69、デグサ製。
他の配合成分
・プロセスオイル:NP−24、出光興産(株)。
・老化防止剤:ノクラック224、大内新興化学工業(株)製。
・加硫促進剤1:ノクセラーD、大内新興化学工業(株)製。
・加硫促進剤2:ノクセラーCZ、大内新興化学工業(株)製。
【0083】
評価
実施例1〜3及び比較例1〜5のゴム組成物から得られたゴムシートについて、下記の方法で、引張試験、引裂試験、摩耗試験、反発弾性試験、発熱・疲労試験、永久伸び、粘弾性試験、ロール加工性、耐候性(屋外曝露)試験を行った。
【0084】
評価方法
1.引張試験
JIS K 6251に規定された方法に従って、ショッパー抗張力試験機を用い、23℃における下記試験項目の測定を行った。
【0085】
300%モジュラス:300%伸長時の引張強さ
引張強さ :切断時の荷重を試験片の断面積で除した値
モジュラスは伸びに対する引張強さを示し、引張強さは試料の荷重に対する強さを示す。
【0086】
2.引裂強さ
JIS K 6252に規定された方法に従って、ショッパー抗張力試験機を用い、23℃で測定を行った。試験片はクレセント型(切込み有り)を用いた。この値が大きいほど偶発的な欠陥により発生するクラック、チッピングで壊れにくいことを意味する。
【0087】
3.耐摩耗性
島津製作所製のアクロン摩耗試験機を用い、荷重6lb、角度15°の条件下で、予備擦り200回、本擦り1000回で摩耗容積を調べた。
この値が小さいほど耐摩耗性に優れることを意味する。
【0088】
4.反発弾性
JIS K 6255に規定された方法に従って、リュプケ式反発弾性試験装置を用いて23℃における値を測定した。試験片の厚みは12.5mm、直径29mmの円柱状のものを使用した。この値が大きいことは、タイヤトレッドゴム組成物として使用した場合の転動抵抗の改善(減少)を予想させるものである。
【0089】
5.発熱及び疲労試験(HBU)
JIS K 6265に規定された方法に従って、フレキソメーターを用いて初期温度40℃からの発熱温度と永久歪みを測定した。試験片は直径17.80mm、高さ25.0mmの円柱状のものを使用し、静的圧縮応力1MPaを、毎分1800回、4m/mのストロークで与え、25分間経過時の発熱温度(△t)、永久歪み(CS)を測定した。
発熱温度、永久歪みとも値が低いほど好ましい。特に内部発熱が大きいと、走行中にタイヤがバーストするなどの原因となる。
【0090】
6.永久伸び
ダンベル状1号形を使用し、標線は40mmとした。上記1.の引張試験における切断時の伸びの50%分を伸長し、30分間この状態で保持した。30分経過後、外力を除き、さらに30分間静置し、この時の残留伸びを測定した。結果は、原長(40mm)に対する残留伸びを百分率で標記した。この値が小さいほど、応力による歪みが残留しにくくなることを意味し、タイヤトレッドゴム組成物として使用した場合の転動抵抗の改善(減少)が予測される。
【0091】
7.粘弾性試験
レオロジー(RHEOLOGY)社製、粘弾性測定装置DVEレオスペクトラー(DVE RHEO SPECTOLER)を用い、初期歪み10%、周波数20Hz、振幅0.1%の条件で、tanδ(0℃と60℃)を測定した。0℃のtanδが大きいほどウェットスキッド性能に優れ、60℃のtanδが小さいほど転動抵抗に優れることを意味する。即ち、0℃のtanδは大きく、60℃のtanδが小さいほど良好である。
【0092】
8.ロール加工性
ロール加工性は、ゴム混練時における、練り生地のロールへの巻付きやすさから評価した。ロールへの巻付きが良いものほど混練、あるいは添加薬品を混入しやすい。評価は充填剤混入時における生地の巻付き度合いを重視し、巻付きやすいものから順に、◎が非常に良好、○が良好、△がやや良い、×が悪い、××が非常に悪いとして、5段階で示した。
【0093】
9.耐候性試験
95mm×25mm×2mmの試験片をループ状にした状態で、南面45°の角度でセットして、30日後の亀裂の発生具合を評価した。
評価は亀裂の大きさと総数でおこない、亀裂の大きさが小さいもの程良好で、且つ亀裂の総数が少ないものほど良好とした。亀裂の大きさは、1〜3mmのもの(X)と、3mm以上(Y)のもの個数の割合で以下の順で分類した。A;(X:Y=100:0)> B;(=75:25)>C;(=50:50)>D;(=25:75)>E;(=0:100)。亀裂の総数は、1:少ない>2:多い>3:無数の三段階で評価した。即ち、A−1が最も良好で、E−3が最も悪い評価となる。評価が良いものほど、タイヤ表面の外観を損なうことがなく、また発生した亀裂に起因する耐摩耗性や力学的物性の低下が少ないということを意味する。
【0094】
【表1】
【0095】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3のゴム組成物は、比較例1〜5のゴム組成物に比べて、力学的物性も良好で、特に永久伸びに優れている。また、耐候性が格段に優れている。
【0096】
比較例1は、カーボンブラックを単独で配合したゴム組成物であり、耐候性が最も悪いことが分かった。
【0097】
比較例2〜3は、カーボンブラック及びシリカを併用して配合したゴム組成物であり、耐候性が比較例1に次いで悪く、更に永久伸びが悪いことが分かった。
【0098】
比較例4は、0.02μmの炭酸カルシウムAをカーボンブラックと併用して配合したゴム組成物であり、耐候性が悪く、反発弾性、HBU、永久伸びが悪いことが分かった。
【0099】
比較例5は、0.04μmの炭酸カルシウムCを配合したゴム組成物であり、耐候性はカーボンブラックやシリカに比べると良好であるが、引張強さ、引裂強さ、耐摩耗性などが劣ることが分かった。
【0100】
【発明の効果】
本発明のタイヤ用トレッドゴム用組成物は、シリカ配合ゴム組成物と同等のゴム補強性を示し、しかも、加工性及び耐候性に優れている。
【0101】
本発明のゴム組成物を使用して作成した空気入りタイヤは、屋外曝露における耐候性が良好であって、タイヤ表面の外観を損なうことがなく、また発生した亀裂に起因する耐摩耗性や力学的物性の低下が少ないという効果を奏する。
Claims (4)
- 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分100重量部に対して、(1)カーボンブラック10〜100重量部、並びに、(2)シリカ層及びシランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウム20〜100重量部を配合したタイヤ用トレッドゴム組成物。
- 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分100重量部に対して、(1)カーボンブラック10〜100重量部、並びに、(2)(i)シリカ層、(ii)脂肪酸類及び樹脂酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸からなる有機酸層、及び(iii)シランカップリング剤層を有する改質炭酸カルシウム20〜100重量部を配合したタイヤ用トレッドゴム組成物。
- 改質炭酸カルシウムの平均粒子径が、0.01〜1.0μmである請求項1又は2のいずれかに記載のタイヤ用トレッドゴム組成物。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のトレッドゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
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