JP4032509B2 - 洗濯機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドラム式洗濯機、全自動洗濯機などの洗濯機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の洗濯機の制御装置では、排水弁に出力を与えている間排水弁が一定の状態を維持するようにしていた。例えば、全自動洗濯機の排水弁などは、制御装置から排水弁へ出力している間排水できる状態を維持し、排水弁への出力を遮断することで排水しない状態に切り換えていた。
【0003】
近年、エコロジーが叫ばれてきたこともあり、排水弁への出力を行うたびに、排水から止水、止水から排水と交互に切り換わる排水弁を採用するようになってきた。
【0004】
このような状況の中、排水弁については、電源オフの間止水できていることが望ましい。しかし、この種の洗濯機の制御装置では、電源スイッチをオフすると排水弁の状態がそのまま維持されてしまい、排水弁を止水した状態にするため、電源スイッチをオフする前に、特別の操作を行う必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の洗濯機の制御装置では、使用者が排水弁の状態を判断し、排水弁を切り換える操作を行った後にしか、電源スイッチをオフすることができず、不便であった。
【0006】
また、電源プラグを電源コンセントに差し込むだけでは、排水弁の状態を切り換えることができず、電源スイッチを入れるなど操作をしなくては、排水弁を適正な状態にできなかった。
【0007】
例えば、排水弁が排水状態で電源スイッチをオフした場合、排水弁が排水状態のままとなってしまう。そのため、電源プラグを電源コンセントに差し込んだ後、電源スイッチをオンしなくては、水を貯めることができず、バスポンプなどを利用する場合、動作が複雑になってしまっていた。
【0008】
本発明は上記課題を解決するもので、電源スイッチがオフされた場合や洗濯機の一連の動作が終了した場合など、電源開閉手段を開状態にする前に、排水弁を確実に特定の状態にし、使い勝手を向上することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、電源開閉手段に直列接続された排水弁の状態を保持手段である減速ギアにより電源が供給されなくても保持できるようにし、洗濯機の一連の動作を逐次制御する制御手段は、モータによって保持手段である減速ギアを駆動して排水手段を閉状態まで駆動し、排水手段が閉状態になったことが負荷状態検知手段から入力された後に電源開閉手段を開状態にしてモータへの通電を停止することで、保持手段である減速ギアで排水弁を特定の状態に維持するようにしたものである。
【0010】
これにより、電源開閉手段を開状態にする前に、確実に排水弁を特定の状態にすることができるので、使い勝手を向上することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、水槽と、前記水槽に内包された洗濯兼脱水槽と、弁を減速ギアを介してモータにより駆動するよう構成され、前記水槽から洗濯水を排水する排水手段とを備えた洗濯機に用いられる制御装置であって、前記排水手段に直列接続された電源開閉手段と、前記排水手段の排水状態あるいは止水状態のいずれかの状態を電源が供給されなくても保持できる、前記減速ギアである保持手段と、前記洗濯兼脱水槽、前記排水手段および前記保持手段を制御して洗濯機の一連の動作を逐次制御する制御手段と、前記排水手段の状態を検知して前記制御手段に入力する負荷状態検知手段とを備え、前記制御手段は、前記モータによって前記保持手段である減速ギアを駆動して前記排水手段を閉状態まで駆動し、前記排水手段が閉状態になったことが前記負荷状態検知手段から入力された後に前記電源開閉手段を開状態にして前記モータへの通電を停止することで、前記保持手段である減速ギアで前記排水手段を止水状態に維持するようにしたものであり、電源開閉手段を開状態にする前に確実に排水手段を止水状態にすることができ、風呂水を溜めたりする場合に便利であり、また、排水中に排水を中止したいときは電源をオフすることで排水を中止することができ、使い勝手を向上することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、水槽と、前記水槽に内包された洗濯兼脱水槽と、弁を減速ギアを介してモータにより駆動するよう構成され、前記水槽から洗濯水を排水する排水手段とを備えた洗濯機に用いられる制御装置であって、前記排水手段に直列接続された電源開閉手段と、前記排水手段の排水状態あるいは止水状態のいずれかの状態を電源が供給されなくても保持できる、前記減速ギアである保持手段と、前記洗濯兼脱水槽、前記排水手段および前記保持手段を制御して洗濯機の一連の動作を逐次制御する制御手段と、前記排水手段の状態を検知して前記制御手段に入力する負荷状態検知手段とを備え、前記制御手段は、前記モータによって前記保持手段である減速ギアを駆動して前記排水手段を閉状態まで駆動し、前記排水手段が閉状態になったことが前記負荷状態検知手段から入力された後に前記電源開閉手段を開状態にして前記モータへの通電を停止することで、前記保持手段 である減速ギアで前記排水手段を排水状態に維持するようにしたものであり、電源開閉手段を開状態にする前に確実に排水手段を排水状態にして洗濯機内に水が溜まらないようにできるため、屋外で雨水が溜まったり、溜まった水が凍結するのを防止することができる。
【0013】
請求項に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、制御手段は、排水手段の状態を変更したときから、一定時間電源開閉手段を閉状態にするようにしたものであり、排水手段の状態を変化させるのに時間を要する場合でも、また、排水手段の状態変化と電源開閉手段を開状態にすることが同時に生じたとしても、確実に意図通りに排水手段の状態を変化させることができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
(実施例1)
図2に示すように、水槽70は、洗濯兼脱水槽71を内包し、洗濯兼脱水槽71の底部に攪拌翼72を回転自在に設けている。減速機構73は、直流ブラシレスモータ74からの駆動力を減速して洗濯時には攪拌翼72に伝達し、脱水時には洗濯兼脱水槽71に伝達する。
【0016】
このときの脱水と洗濯の切り換えは、排水弁(排水手段)75を駆動することにより行われ、排水弁75を駆動すると、洗濯水の排水が行われるとともに、減速機構73のクラッチが切り換わり脱水運転が行われる。
【0017】
この排水弁75は、弁を減速ギアを介してモータ(いずれも図示せず)により駆動するように構成し、制御装置76からの出力に応じてモータを回転させ、減速ギアで減速して弁を開閉することによって、排水状態、止水状態を交互に繰り返すよう構成している。また、モータへの通電を停止した場合、減速ギアによって排水状態または止水状態を維持できるよう構成している。
【0018】
また、図1に示すように、排水弁75から負荷状態検知手段77を経由して、制御手段78に排水状態か止水状態かを入力している。
【0019】
洗濯槽蓋79は、中央部に蝶番を持った折り畳み構造とし、外枠80の上面開口部を覆っている。給水弁81は、水道水を給水するもので、洗濯兼脱水槽71に給水する。水位検知手段82は水槽70の下部にある接続部(トリップ点)83の水圧を電気的な周波数に変換することにより水位を検知している。
【0020】
パルス発生手段84は、直流ブラシレスモータ74に取り付けており、直流ブラシレスモータ74の回転数に応じたパルスを出力し、そのパルスを制御装置76に入力するように構成している。
【0021】
制御装置76は、図1に示すように構成しており、直流ブラシレスモータ74、排水弁75などの動作を制御し、洗濯、すすぎ、脱水などの一連の行程を逐次制御する。また、制御装置76は、マイクロコンピュータよりなる制御手段78からの信号により排水弁75、給水弁81等を制御するパワースイッチング手段85と、直流ブラシレスモータ74を制御するインバータ制御手段86と、操作パネル87内に配設したキースイッチからなる入力手段88と、発光ダイオードなどの表示装置からなる表示手段89と、圧電ブザーなどからなる報知手段90を備えている。
【0022】
なお、制御手段78は、パルス発生手段84の出力パルスにより、洗濯兼脱水槽71内に投入した洗濯物の布量・布質を判定する。91は交流電源であり、電源リレー(電源開閉手段)92は排水弁75や給水弁81などの負荷と交流電源91とを接続している。
【0023】
入力手段88は、図3に示すように、電源を入り切りする電源スイッチ88a、運転開始および一時停止を行うスタートスイッチ88b、コースを設定するコーススイッチ88cなどで構成している。また、表示手段89は発光ダイオードで構成しており、コース内容を表示するコース表示部89a、異常内容を表示する異常内容表示部89b、運転状態を表示する運転表示部89cなどで構成している。
【0024】
直流ブラシレスモータ74は、内蔵される3相巻線93を有するステータ(図示せず)と、リング状の2極の永久磁石を配設しているロータ(図示せず)と、ロータの位置を検出する位置検出手段94とで構成している。
【0025】
インバータ制御手段86は、パワートランジスタ(IGBT)と逆導通ダイオードの並列回路からなるスイッチング素子で構成しているインバータ95と、ダイオードブリッジ96と、チョークコイル97と、平滑用コンデンサ98から構成されている。不揮発性記憶手段99は、電源が供給されなくても記憶内容が消滅しないもので、制御手段78により一連の動作の運転状況を記憶している。
【0026】
上記構成において図4を参照しながら動作を説明する。ステップ100にて、まず使用者が電源プラグを電源コンセントに入れたり、ブレーカを入れたりして電源を供給する。ステップ101にて制御手段78は電源オフ状態とする。ステップ102にて制御手段78は使用者が電源スイッチ88aを押すまで待機する。
【0027】
この待機の間に、使用者は洗濯する衣類を洗濯兼脱水槽71に投入し、洗剤を入れ、運転できるようにセットする。ステップ102にて電源スイッチ88aが押されると、ステップ103にて電源リレー92をオンするとともに、電源オン状態にする。その後、ステップ104にてスタートスイッチ88bが押されるまで待つ。
【0028】
つぎに、ステップ105にて給水行程を行う。これは、水位検知手段82が所定の水位を検知するまで、給水弁81から水や湯を給水する。そして、ステップ106にて洗い行程を行う。これは、インバータ制御手段86に通電することによって、直流ブラシレスモータ74を反転駆動させ、その水流によって、洗濯する衣類を洗浄する。水位に応じた洗い時間を経過したとき、制御手段78は洗い行程を終了し、ステップ107にて排水弁75を開状態にして、ステップ108にて排水行程を行う。
【0029】
排水が完了すると、ステップ109にて中間脱水行程を行う。これは、直流ブラシレスモータ74に短時間連続通電することによって、洗濯兼脱水槽71を高速回転させ、衣類にしみこんだ洗剤液を絞り出し、すすぎ性能を確保するものである。
【0030】
つぎに、ステップ110にて排水弁75を閉状態にし、ステップ111にて新たな水や湯を給水する給水行程を行い、ステップ112にてすすぎ行程を行う。これは、前述の洗浄行程と同様の動作を数分間行うものである。その後、ステップ113にて排水弁75を開状態にし、ステップ114にて排水行程を行う。必要ならば、この給水行程、すすぎ行程、排水行程、中間脱水行程を複数回くり返す。
【0031】
最後にステップ115にて脱水行程を行う。これは、前述の中間脱水行程と同様の動作を数分間行うものである。すすぎの終わった衣類を乾燥させるために、ある程度水分を取り除くために行う。そして、ステップ116にて排水弁75を閉状態にする。ステップ117にて排水弁75が閉状態になるまで待機する。その後、ステップ118にて報知手段90を吹鳴させ、使用者に運転の終了を告げる。その後、制御手段78はステップ119にて電源リレー92をオフする。
【0032】
このように本実施例によれば、電源リレー92をオフする前に、確実に排水弁75を閉状態にすることができる。
【0033】
なお、本実施例では、正常に運転終了する場合に限り、排水弁75が確実に閉状態になっているかを判断しているが、あらゆる場面での排水弁75の開閉を確認しながら行っても同様の効果が期待できる。また、排水弁75を開状態にする場合にも、状態を確認しながら行っても同様の効果が期待できる。
【0034】
また、本実施例では、正常に運転終了する場合についてのみ記述したが、運転状況を記憶したり、途中で排水弁75を変化させるときに強制的に電源リレー92をオンしたりしても、同様の効果を期待できる。
【0035】
また、本実施例では、電源リレー92を開状態にする前に排水弁75を閉じて止水状態にしているが、電源リレー92を開状態にする前に排水弁75を排水状態にしてもよく、この場合は、洗濯機内に水が溜まらないようにできるため、屋外で雨水が溜まったり、溜まった水が凍結するのを防止することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、水槽と、前記水槽に内包された洗濯兼脱水槽と、弁を減速ギアを介してモータにより駆動するよう構成され、前記水槽から洗濯水を排水する排水手段とを備えた洗濯機に用いられる制御装置であって、前記排水手段に直列接続された電源開閉手段と、前記排水手段の排水状態あるいは止水状態のいずれかの状態を電源が供給されなくても保持できる、前記減速ギアである保持手段と、前記洗濯兼脱水槽、前記排水手段および前記保持手段を制御して洗濯機の一連の動作を逐次制御する制御手段と、前記排水手段の状態を検知して前記制御手段に入力する負荷状態検知手段とを備え、前記制御手段は、前記モータによって前記保持手段である減速ギアを駆動して前記排水手段を閉状態まで駆動し、前記排水手段が閉状態になったことが前記負荷状態検知手段から入力された後に前記電源開閉手段を開状態にして前記モータへの通電を停止することで、前記保持手段である減速ギアで前記排水手段を止水状態に維持するようにしたから、電源開閉手段を開状態にする前に確実に排水手段を止水状態にすることができ、風呂水を溜めたりする場合に便利であり、また、排水中に排水を中止したいときは電源をオフすることで排水を中止することができ、使い勝手を向上することができる。
【0037】
また、請求項2に記載の発明によれば、水槽と、前記水槽に内包された洗濯兼脱水槽と、弁を減速ギアを介してモータにより駆動するよう構成され、前記水槽から洗濯水を排水する排水手段とを備えた洗濯機に用いられる制御装置であって、前記排水手段に直列接続された電源開閉手段と、前記排水手段の排水状態あるいは止水状態のいずれかの状態を電源が供給されなくても保持できる、前記減速ギアである保持手段と、前記洗濯兼脱水槽、前記排水手段および前記保持手段を制御して洗濯機の一連の動作を逐次制御する制御手段と、前記排水手段の状態を検知して前記制御手段に入力する負荷状態検知手段とを備え、前記制御手段は、前記モータによって前記保持手段である減速ギアを駆動して前記排水手段を閉状態まで駆動し、前記排水手段が閉状態になったことが前記負荷状態検知手段から入力された後に前記電源開閉手段を開状態にして前記モータへの通電を停止することで、前記保持手段である減速ギアで前記排水手段を排水状態に維持するようにしたから、電源開閉手段を開状態にする前に確実に排水手段を排水状態にして洗濯機内に水が溜まらないようにできるため、屋外で雨水が溜まったり、溜まった水が凍結するのを防止することができる。
【0038】
また、請求項に記載の発明によれば、制御手段は、排水手段の状態を変更したときから、一定時間電源開閉手段を閉状態にするようにしたから、排水手段の状態を変化させるのに時間を要する場合でも、また、排水手段の状態変化と電源開閉手段を開状態にすることが同時に生じたとしても、確実に意図通りに排水手段の状態を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の洗濯機の制御装置のブロック回路図
【図2】 同洗濯機の制御装置を備えた洗濯機の断面図
【図3】 同洗濯機の制御装置を備えた洗濯機の操作表示部の正面図
【図4】 同洗濯機の制御装置の動作フローチャート
【符号の説明】
75 排水弁(排水手段)
78 制御手段
92 電源リレー(電源開閉手段)

Claims (3)

  1. 水槽と、前記水槽に内包された洗濯兼脱水槽と、弁を減速ギアを介してモータにより駆動するよう構成され、前記水槽から洗濯水を排水する排水手段とを備えた洗濯機に用いられる制御装置であって、前記排水手段に直列接続された電源開閉手段と、前記排水手段の排水状態あるいは止水状態のいずれかの状態を電源が供給されなくても保持できる、前記減速ギアである保持手段と、前記洗濯兼脱水槽、前記排水手段および前記保持手段を制御して洗濯機の一連の動作を逐次制御する制御手段と、前記排水手段の状態を検知して前記制御手段に入力する負荷状態検知手段とを備え、前記制御手段は、前記モータによって前記保持手段である減速ギアを駆動して前記排水手段を閉状態まで駆動し、前記排水手段が閉状態になったことが前記負荷状態検知手段から入力された後に前記電源開閉手段を開状態にして前記モータへの通電を停止することで、前記保持手段である減速ギアで前記排水手段を止水状態に維持するようにした洗濯機の制御装置。
  2. 水槽と、前記水槽に内包された洗濯兼脱水槽と、弁を減速ギアを介してモータにより駆動するよう構成され、前記水槽から洗濯水を排水する排水手段とを備えた洗濯機に用いられる制御装置であって、前記排水手段に直列接続された電源開閉手段と、前記排水手段の排水状態あるいは止水状態のいずれかの状態を電源が供給されなくても保持できる、前記減速ギアである保持手段と、前記洗濯兼脱水槽、前記排水手段および前記保持手段を制御して洗濯機の一連の動作を逐次制御する制御手段と、前記排水手段の状態を検知して前記制御手段に入力する負荷状態検知手段とを備え、前記制御手段は、前記モータによって前記保持手段である減速ギアを駆動して前記排水手段を閉状態まで駆動し、前記排水手段が閉状態になったことが前記負荷状態検知手段から入力された後に前記電源開閉手段を開状態にして前記モータへの通電を停止することで、前記保持手段である減速ギアで前記排水手段を排水状態に維持するようにした洗濯機の制御装置。
  3. 制御手段は、排水手段の状態を変更したときから、一定時間電源開閉手段を閉状態にするようにした請求項1または2に記載の洗濯機の制御装置。
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