JP4032292B2 - コイル用一体コアの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中心コアと外周コアとが一体となったコイル用一体コア、およびこのコイル用一体コアの製造方法、およびこのコイル用一体コアを用いた点火コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
点火コイルは、一次コイル部の自己誘導作用により発生した電圧を、一次コイル部と二次コイル部との相互誘導作用により昇圧し、点火プラグに火花を発生させる装置である。
【0003】
点火コイルは、ハウジングと中心コアと二次スプールと一次スプールと外周コアとを備える。ハウジングは、円筒状であって点火コイルの外殻を形成する。中心コアは、棒状であってハウジングのほぼ中央に配置されている。二次スプールは、筒状であって中心コアの外周側に配置されている。二次スプールの外周面には、二次導線からなる二次コイル部が配置されている。一次スプールは、筒状であって二次コイル部の外周側に配置されている。一次スプールの外周面には、一次導線からなる一次コイル部が配置されている。外周コアは、スリットを有する筒状であって一次コイル部の外周側に配置されている。
【0004】
図12に、従来の中心コアと外周コアの配置図を示す。図に示すように、中心コア100は、互いに絶縁された短冊状の珪素鋼板101が、多数枚積層され形成されている。外周コア102は、中心コア100から離間して配置されている。外周コア102は、一枚の珪素鋼板が丸められて形成されている。外周コア102は、点火コイル外に磁力線が漏出するのを抑制している。外周コア102は、軸方向に延びるスリット103を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、中心コア100と外周コア102とは、別体として配置されている。このため、コイルの部品点数が多く、コイルの組み付けが煩雑である。本発明のコイル用一体コアおよびその製造方法およびそれを用いた点火コイルは、上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、コイルの部品点数を少なくできるコイル用一体コア、およびこのコイル用一体コアの簡単な製造方法、およびこのコイル用一体コアを用いた点火コイルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決するため、本発明のコイル用一体コアは、棒状の中心コア部と、筒状の外周コア部と、該中心コア部と該外周コア部とを連結する連結部と、を備え、磁性体の線材を束ねて一体に形成され、且つ、前記連結部を形成する前記線材の延びる方向が前記中心コア部を形成する前記線材の延びる方向および前記外周コア部を形成する前記線材の延びる方向と同一であることを特徴とする。つまり、本発明のコイル用一体コアは、従来の中心コアと外周コアとが一体化したものである。本発明のコイル用一体コアによると、コイルの部品点数が少なくて済む。このため、コイルの組み付けが容易になる。
【0007】
(2)好ましくは、前記線材は、表面が絶縁層により覆われている構成とする方がよい。上述したように、従来、中心コアは珪素鋼板が積層され形成されていた。この珪素鋼板の断面積は比較的大きかった。このため、発生する渦電流損も大きかった。したがって、二次コイル部に発生する電圧が低くなるおそれがあった。また、発熱量が大きくなるおそれがあった。
【0008】
これに対し、本構成の中心コア部および外周コア部は、比較的小径の線材が束ねられて形成されている。そして、線材の表面は、絶縁層により覆われている。このため、本構成によると渦電流損が小さくなる。また、本構成によると発熱量が小さくなる。また、本構成によると磁束回収率が向上する。
【0009】
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記外周コア部は、周方向に連続している構成とする方がよい。前出の図12に示すように、従来、外周コア102には、周方向の絶縁を確保するためにスリット103が形成されていた。しかしながら、本構成の線材は、絶縁層により絶縁が確保されている。このため、本構成の外周コア部はスリットを有していない。すなわち、本構成の外周コア部は、周方向に連続している。したがって、本構成によると、コイル用一体コアの製造が簡単になる。
【0010】
(4)好ましくは、前記線材は、占積率の高い形状を呈している構成とする方がよい。占積率とは、コイル用一体コアの体積に対する線材体積の占める割合をいう。例えば、線材同士の間に隙間が介在すると、隙間体積の分だけ占積率が低下する。このため、コイルの電圧変換効率が低下する。そして、二次コイル部に発生する電圧が低くなる。
【0011】
この点、本構成のコイル用一体コアを形成する線材は、占積率の高い形状を呈している。したがって、本構成によると、二次コイル部に所望の高電圧を発生させることができる。
【0012】
(5)好ましくは、上記(4)の構成において、前記線材は、六角柱状を呈している構成とする方がよい。本構成によると、線材同士の間に隙間が形成されない。すなわち、線材を密に配置することができる。このため、本構成によると、より確実に、二次コイル部に所望の高電圧を発生させることができる。
【0013】
(6)好ましくは、前記線材同士が軸方向に継がれた継ぎ目を持つ構成とする方がよい。つまり、本構成は、線材を継ぎ足してコイル用一体コアを形成するものである。本構成によると、比較的長さが短い線材を有効利用することができる。このため、コイル用一体コアの製造コストが低くなる。
【0014】
(7)また、上記課題を解決するため、本発明のコイル用一体コアの製造方法は、棒状の中心コア部と、筒状の外周コア部と、該中心コア部と該外周コア部とを連結する連結部と、を備え、磁性体の線材を束ねて一体に形成されたコイル用一体コアの製造方法であって、該線材の束をキャビティに充填するキャビティ充填工程と、該線材の充填された該キャビティに、該コイル用一体コアと型対称な凸型を挿入し、余分な該線材を該キャビティから押し出す凸型挿入工程と、押し出された余分な該線材を除去する線材除去工程と、を有することを特徴とする。
【0015】
つまり、本発明のコイル用一体コアの製造方法は、キャビティ充填工程と凸型挿入工程と線材除去工程とを有するものである。キャビティ充填工程においては、型のキャビティに線材の束を充填する。凸型挿入工程においては、コイル用一体コアと型対称な形状の凸型を、線材束が充填されたキャビティに挿入する。凸型をキャビティに挿入すると、コイル用一体コアを形成しない余分な線材が、キャビティから押し出される。線材除去工程においては、この余分な線材を除去する。本発明の製造方法によると、比較的簡単にコイル用一体コアを製造することができる。
【0016】
(8)また、上記課題を解決するため、本発明のコイル用一体コアの製造方法は、棒状の中心コア部と、筒状の外周コア部と、該中心コア部と該外周コア部とを連結する連結部と、を備え、磁性体の線材を束ねて一体に形成されたコイル用一体コアの製造方法であって、該線材の束を、該コイル用一体コアと同じ形状の同形キャビティに充填する同形キャビティ充填工程と、充填された該線材のうち、該同形キャビティからはみ出す該線材を切断する線材切断工程と、該同形キャビティから該コイル用一体コアを取り出す一体コア取り出し工程と、切断された該線材および新しく補充された該線材を、該同形キャビティに充填する同形キャビティ再充填工程と、を有し、該線材切断工程から該同形キャビティ再充填工程までを繰り返し行うことを特徴とする。
【0017】
つまり、本発明のコイル用一体コアの製造方法は、同形キャビティ充填工程と線材切断工程と一体コア取り出し工程と同形キャビティ再充填工程とを有するものである。また、線材切断工程と一体コア取り出し工程と同形キャビティ再充填工程とを繰り返し行うものである。
【0018】
同形キャビティ充填工程においては、型の同形キャビティに線材の束を充填する。ここで、同形キャビティは、コイル用一体コアと同じ形状を呈している。このため、線材を同形キャビティに充填しても、コイル用一体コアを形成しない余分な線材は、同形キャビティに入ることができない。このため、余分な線材は、同形キャビティからはみ出すことになる。線材切断工程においては、このはみ出した線材を切断する。はみ出した線材を切断すると、線材束はコイル用一体コアの形状となる。一体コア取り出し工程においては、このコイル用一体コアを取り出す。同形キャビティ再充填工程においては、空になった同形キャビティに、先程はみ出した線材と、新たに補充された線材とを、充填する。この後、線材切断工程と一体コア取り出し工程と同形キャビティ再充填工程とを繰り返し行う。
【0019】
本発明の製造方法によると、簡単にコイル用一体コアを量産することができる。また、本発明の製造方法によると、同形キャビティ充填工程で余った線材は、同形キャビティ再充填工程に利用される。同様に、この同形キャビティ再充填工程で余った線材は、次回の同形キャビティ再充填工程で利用される。このように、本発明の製造方法によると、余った線材を捨てることなく使うことができる。このため、線材スクラップが発生しない。したがって、本発明の製造方法によると、コイル用一体コアの製造コストが低くなる。
【0020】
なお、本発明の製造方法により製造されたコイル用一体コアには、線材同士が軸方向に継がれた継ぎ目が形成される。
【0021】
(9)また、上記課題を解決するため、本発明の点火コイルは、ハウジングと、該ハウジング内のほぼ中央に配置された棒状の中心コア部と、該ハウジングの内周面に近接して配置された筒状の外周コア部と、該中心コア部と該外周コア部とを連結する連結部と、を備え、磁性体の線材を束ねて一体に形成され、且つ、前記連結部を形成する前記線材の延びる方向が前記中心コア部を形成する前記線材の延びる方向および前記外周コア部を形成する前記線材の延びる方向と同一であるコイル用一体コアと、該中心コア部と該外周コア部との間に介装される一次コイル部と、該中心コア部と該外周コア部との間に介装される二次コイル部と、を備えてなることを特徴とする。
【0022】
つまり、本発明の点火コイルは、前出の図12に示す従来の点火コイルの中心コア100および外周コア102として、コイル用一体コアを配置するものである。本発明の点火コイルによると部品点数が少なくて済む。また、一次コイル部および二次コイル部は、中心コア部と外周コア部との間隔を目安に介装すればよい。このため、本発明の点火コイルによると一次コイル部および二次コイル部の組み付けが容易である。
【0023】
(10)好ましくは、上記(9)の構成において、前記線材は、表面が絶縁層により覆われている構成とする方がよい。線材は比較的小径である。したがって、本構成によると渦電流損が小さくなる。このため、点火プラグに所望の高電圧を印加することができる。また、本構成によると発熱量が小さくなる。また、本構成によると磁束回収率が向上する。
【0024】
(11)好ましくは、上記(10)の構成において、前記外周コア部は、周方向に連続している構成とする方がよい。本構成の外周コア部はスリットを有しない。このため、点火コイル組み付け時において、ハウジング内にてスリット間隔を確保する必要がない。したがって、本構成によると点火コイルの組み付けが簡単になる。
【0025】
(12)好ましくは、上記(9)の構成において、前記線材は、占積率の高い形状を呈している構成とする方がよい。本構成によると、点火プラグに所望の高電圧を印加することができる。
【0026】
(13)好ましくは、上記(12)の構成において、前記線材は、六角柱状を呈している構成とする方がよい。本構成によると、より確実に、点火プラグに所望の高電圧を印加することができる。
【0027】
(14)好ましくは、上記(9)の構成において、前記コイル用一体コアは、前記線材同士が軸方向に継がれた継ぎ目を持つ構成とする方がよい。本構成のコイル用一体コアは、線材が継ぎ足されて形成されている。本構成によると、比較的長さが短い線材を有効利用することができる。このため、点火コイルの製造コストが低くなる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の点火コイルの実施の形態について説明する。なお、本発明のコイル用一体コアおよびその製造方法についての実施の形態も併せて説明する。
【0029】
(1)第一実施形態
まず、本実施形態の点火コイルの構成について説明する。図1に、本実施形態の点火コイルの軸方向断面図を示す。図に示すように、点火コイル1は、ハウジング2とコイル用一体コア3と二次スプール4と二次コイル部40と一次スプール5と一次コイル部50とコネクタ部6と高圧部7とを備える。
【0030】
ハウジング2は、樹脂製であって円筒状を呈している。コネクタ部6は、コネクタ60とイグナイタ61とを備える。コネクタ60は、ハウジング2の上端外方に突出して配置されている。イグナイタ61は、ハウジング2の上方開口のほぼ中央に収納されている。
【0031】
コイル用一体コア3は、中心コア部30と外周コア部31と連結部32とを備える。中心コア部30は、ハウジング2のほぼ中央であってイグナイタ61の下方に配置されている。外周コア部31は、ハウジング2内周面に近接して配置されている。連結部32は、中心コア部30の上端と外周コア部31の上端とを連結している。なお、コイル用一体コア3については、後で詳しく説明する。
【0032】
二次スプール4は、樹脂製であって円筒状を呈している。二次スプール4は、中心コア部30の外周側に配置されている。二次コイル部40は、二次導線(図略)が巻回され形成されている。二次コイル部40は、二次スプール4の外周面に配置されている。
【0033】
一次スプール5は、樹脂製であって円筒状を呈している。一次スプール5は、二次コイル部40の外周側に配置されている。一次コイル部50は、一次導線(図略)が巻回され形成されている。一次コイル部50は、一次スプール5の外周面に配置されている。一次コイル部50は、前記イグナイタ61に電気的に接続されている。なお、一次コイル部50の外周側には、前記外周コア部31が配置されている。
【0034】
高圧部7は、高圧ターミナル70とコイルスプリング71とプラグキャップ72とを備える。高圧ターミナル70は、金属製であって下方に開口するカップ状を呈している。高圧ターミナル70の上底壁上面からは、突起が立設されている。この突起は、二次スプール4の下端開口に挿入されている。また、この突起は二次コイル部40に電気的に接続されている。コイルスプリング71は、金属製であって螺旋状を呈している。コイルスプリング71は、高圧ターミナル70の上底壁下面に固定されている。プラグキャップ72は、ゴム製であって円筒状を呈している。プラグキャップ72は、ハウジング2の下端縁に環装されている。プラグキャップ72の内周側には、点火プラグ(図略)が圧入される。また、コイルスプリング71は、点火プラグに弾接している。
【0035】
エポキシ樹脂9は、ハウジング2内において上記各部材間に浸透している。そして、エポキシ樹脂9は、各部材間の絶縁を確保している。また、エポキシ樹脂9は、各部材を固定している。
【0036】
次に、本実施形態の点火コイルの動きについて説明する。エンジン制御装置(ECU)からの電気信号は、イグナイタ61の電気回路部(図略)に伝達される。伝達された電気信号により、イグナイタ61は一次コイル部50に供給する電流を断続する。電流を断続すると、相互誘導作用により、二次コイル部40に高電圧が発生する。この高電圧が、高圧ターミナル70およびコイルスプリング71を介して、点火プラグに印加される。
【0037】
次に、本実施形態の点火コイルのコイル用一体コアについて詳述する。図2に、本実施形態のコイル用一体コアの部分断面図を示す。図に示すように、中心コア部30は、丸棒状を呈している。また、外周コア部31は、円筒状を呈している。また、中心コア部30と外周コア部31とをつなぐ連結部32は、円板状を呈している。コイル用一体コア3は、多数の線材が束ねられて一体に形成されている。
【0038】
図3に、図2中円A内の拡大図を示す。図に示すように、線材33は、セメンジュール製であって六角柱状を呈している。線材33の表面は、酸化被膜からなる絶縁層34により覆われている。隣り合う線材33の絶縁層34同士は、隙間なく密に配置されている。
【0039】
次に、本実施形態の点火コイルの効果について説明する。本実施形態の点火コイル1には、コイル用一体コア3が配置されている。このため、中心コアと外周コアとを別々に配置する場合と比較して、部品点数が少なくて済む。
【0040】
また、線材33の表面は、絶縁層34により覆われている。言い換えると、小径の線材33同士は絶縁層34により電気的に隔離されている。このため、本実施形態の点火コイルは渦電流損が小さい。また、本実施形態の点火コイルは発熱量が小さい。また、本実施形態の点火コイルは磁束回収率が高い。
【0041】
また、外周コア部31は、周方向に連続しており、スリットを有しない。このため、点火コイル1組み付け時において、ハウジング2内にてスリット間隔を確保する必要がない。
【0042】
また、線材33は、六角柱状を呈している。このため、線材33の占積率は非常に高い。したがって、点火プラグに所望の高電圧を、確実に印加することができる。
【0043】
次に、本実施形態の点火コイルのコイル用一体コアの製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、キャビティ充填工程と凸型挿入工程と線材除去工程とを有する。
【0044】
線材は、粗線材を六角形状のダイスから引き抜くことにより作製される。線材の表面は、引き抜き後の線材を熱処理して形成された絶縁層により覆われている。
【0045】
キャビティ充填工程においては、図4に示すように、金型8に形成された円柱状のキャビティ80に、線材33を充填する。なお、隣り合う線材33同士の間には、例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂からなる樹脂粉が浸透している。
【0046】
凸型挿入工程においては、図5に示すように、円筒状の凸型81をキャビティ80に挿入する。凸型81を挿入すると、余剰線材330がキャビティ80から押し出される。
【0047】
線材除去工程においては、キャビティ80から押し出された余剰線材330を切除する。余剰線材330を切除すると、キャビティ80に、コイル用一体コアの形状が形成される。それから、このコイル用一体コアを加熱する。そして、線材33間に浸透する樹脂粉を熱硬化させる。この熱硬化により、コイル用一体コアの形状を固定する。そして、最後に完成したコイル用一体コアをキャビティ80から取り出す。このようにして、コイル用一体コアを製造する。本実施形態の製造方法によると、特別な装置などを用いることなく、比較的簡単にコイル用一体コアを製造することができる。
【0048】
(2)第二実施形態
本実施形態と第一実施形態との相違点は、コイル用一体コアに線材同士が軸方向に継がれた継ぎ目が形成されている点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
【0049】
図6に、本実施形態のコイル用一体コアの外周コア部下端付近の部分断面図を示す。なお、図2および図3と対応する部位については、同じ記号で示す。図に示すように、外周コア部31には、線材33同士が軸方向に継がれた継ぎ目35が形成されている。
【0050】
本実施形態のコイル用一体コアの製造方法は、同形キャビティ充填工程と線材切断工程と一体コア取り出し工程と同形キャビテイ再充填工程とを有する。
【0051】
同形キャビティ充填工程においては、まず、図7に示すように、線材充填装置83を金型81の同形キャビティ82の直上に配置する。線材充填装置83には多数の線材33がセットされている。なお、線材33は、第一実施形態と同様の方法で作成する。同形キャビティ82は、コイル一体コアと同じ形状を呈している。次に、図8に示すように、線材充填装置83から同形キャビティ82に線材33を流下させる。そして同形キャビティ82に線材33を充填する。なお、隣り合う線材33同士の間には、例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂からなる樹脂粉が浸透している。ここで、同形キャビティ82底面は、凹凸状を呈している。このため、同形キャビティ82からはみ出す余剰線材330が発生する。
【0052】
線材切断工程においては、同形キャビティ82からはみ出す余剰線材330を切断する。余剰線材330を切断すると、同形キャビティ82に、コイル用一体コアの形状が形成される。それから、このコイル用一体コアを加熱する。そして、線材33間に浸透する樹脂粉を熱硬化させる。この熱硬化により、コイル用一体コアの形状を固定する。
【0053】
一体コア取り出し工程においては、図9に示すように、金型81をスライド移動させる。そして、同形キャビティ82から、完成したコイル用一体コア3を取り出す。その後、同形キャビティ82が空になった金型81は、再び線材充填装置83の直下にスライド移動する。
【0054】
同形キャビティ再充填工程においては、図10に示すように、空になった同形キャビティ82に、先程の余剰線材330を流下させる。また、図11に示すように、新たに補充された補充線材331(図中、ハッチングして示す。)を同形キャビティ82に流下させる。すなわち、本工程においては、余剰線材330と補充線材331とにより、同形キャビティ82が充填される。その後、再び行われる線材切断工程において、余剰線材330および補充線材331が切断される。また、再び行われる一体コア取り出し工程において、余剰線材330と補充線材331との継ぎ目35を持つコイル用一体コアが取り出される。また、再び行われる同形キャビテイ再充填工程において、新たな補充線材が同形キャビティ82に供給される。
【0055】
本実施形態によると、比較的簡単にコイル用一体コアを量産することができる。また、本実施形態によると、線材スクラップの発生を抑制することができる。したがって、コイル用一体コアひいては点火コイルの製造コストが低くなる。
【0056】
(3)その他
以上、本発明の点火コイルの実施の形態について説明した。また、コイル用一体コアおよびその製造方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0057】
例えば、上記実施形態においては、コイル用一体コアの形状を熱硬化性樹脂により固定した。しかしながら、例えば線材束をプレス成形することによりコイル用一体コアの形状を固定してもいい。言い換えると、本発明のコイル用一体コアの製造方法は、上記実施形態の製造方法に特に限定されるものではない。
【0058】
また、上記実施形態においては、セメンジュール製の線材を用いたが、線材の材質は特に限定しない。磁性材であればよい。また、絶縁層の材質も特に限定しない。例えば、SiO2、Al23、PE、PP、PS、PMMA、PBT、PC、PETなどにより絶縁層を形成してもよい。
【0059】
また、線材の線径も特に限定しない。高周波における劣化が少ないため、線径は小さい方が好ましい。しかしながら、線材の線径が小さくなると、その分線材表面積が大きくなる。このため、線材表面に絶縁層を配置する場合、線材の占積率が低下してしまう。そこで、線材の線径は、占積率との兼ね合いを考慮した上で、適切な値に設定すればよい。なお、本発明のコイル用一体コアは、例示した点火コイル以外の他のコイル、例えば変圧器などに用いることも可能である。
【0060】
【発明の効果】
本発明のコイル用一体コアによると、コイルの部品点数を少なくすることができる。また、本発明のコイル用一体コアの製造方法によると、コイル用一体コアを簡単に製造することができる。また、本発明の点火コイルによると、点火コイルの部品点数が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施形態の点火コイルの軸方向断面図である。
【図2】 第一実施形態のコイル用一体コアの部分断面図である。
【図3】 図2の円A内の拡大図である。
【図4】 第一実施形態のコイル用一体コアの製造方法におけるキャビティ充填工程を示す図である。
【図5】 第一実施形態のコイル用一体コアの製造方法における凸型挿入工程を示す図である。
【図6】 第二実施形態のコイル用一体コアの外周コア部下端付近の部分断面図である。
【図7】 第二実施形態のコイル用一体コアの製造方法における同形キャビティ充填工程の前半を示す図である。
【図8】 第二実施形態のコイル用一体コアの製造方法における同形キャビティ充填工程の後半を示す図である。
【図9】 第二実施形態のコイル用一体コアの製造方法における一体コア取り出し工程を示す図である。
【図10】 第二実施形態のコイル用一体コアの製造方法における同形キャビティ再充填工程の前半を示す図である。
【図11】 第二実施形態のコイル用一体コアの製造方法における同形キャビティ再充填工程の後半を示す図である。
【図12】 従来の点火コイルの中心コアと外周コアの配置図である。
【符号の説明】
1:点火コイル、2:ハウジング、3:コイル用一体コア、30:中心コア部、31:外周コア部、32:連結部、33:線材、330:余剰線材、331:補充線材、34:絶縁層、35:継ぎ目、4:二次スプール、40:二次コイル部、5:一次スプール、50:一次コイル部、6:コネクタ部、60:コネクタ、61:イグナイタ、7:高圧部、70:高圧ターミナル、71:コイルスプリング、72:プラグキャップ、8:金型、80:キャビティ、81:金型、82:同形キャビティ、83:線材充填装置、9:エポキシ樹脂。

Claims (2)

  1. 棒状の中心コア部と、筒状の外周コア部と、該中心コア部と該外周コア部とを連結する連結部と、を備え、磁性体の線材を束ねて一体に形成されたコイル用一体コアの製造方法であって、
    該線材の束をキャビティに充填するキャビティ充填工程と、
    該線材の充填された該キャビティに、該コイル用一体コアと型対称な凸型を挿入し、余分な該線材を該キャビティから押し出す凸型挿入工程と、
    押し出された余分な該線材を除去する線材除去工程と、
    を有するコイル用一体コアの製造方法。
  2. 棒状の中心コア部と、筒状の外周コア部と、該中心コア部と該外周コア部とを連結する連結部と、を備え、磁性体の線材を束ねて一体に形成されたコイル用一体コアの製造方法であって、
    該線材の束を、該コイル用一体コアと同じ形状の同形キャビティに充填する同形キャビティ充填工程と、
    充填された該線材のうち、該同形キャビティからはみ出す該線材を切断する線材切断工程と、
    該同形キャビティから該コイル用一体コアを取り出す一体コア取り出し工程と、
    切断された該線材および新しく補充された該線材を、該同形キャビティに充填する同形キャビティ再充填工程と、を有し、
    該線材切断工程から該同形キャビティ再充填工程までを繰り返し行うコイル用一体コアの製造方法。
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