JP4344990B2 - 点火コイル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、点火コイル、より詳しくはエンジンのプラグホールに直接搭載されるスティックタイプの点火コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
スティックタイプの点火コイルとして、特許文献1には、中心コア部全体がエポキシ樹脂により固定された点火コイルが紹介されている。図6に、同文献記載の点火コイルと同タイプの点火コイルの軸方向断面図を示す。図に示すように、点火コイル100は、中心コア部101と二次スプール102と二次巻線103と一次スプール104と一次巻線105と外周コア106とハウジング107とコネクタ部112とを備えている。
【0003】
ハウジング107は、円筒状を呈している。中心コア部101は、丸棒状であって、ハウジング107のほぼ中央に配置されている。中心コア部101は、中心コア108とチューブ109とインシュレータ110とを備えている。中心コア108は、短冊状の珪素鋼板が径方向に積層され形成されたいわゆる積層コアである。インシュレータ110は、中心コア108の軸方向両端に配置されている。チューブ109は、中心コア108およびインシュレータ110を覆っている。
【0004】
コネクタ部112は、中心コア部101の上方に配置されている。コネクタ部112の下面には、調芯リブ113が配置されている。調芯リブ113により中心コア部101の調芯が行われている。また、コネクタ部112の下面には、コネクタ側係合爪115が配置されている。
【0005】
二次スプール102は、円筒状であって、中心コア部101の外周側に配置されている。二次スプール102の上端には、スプール側係合爪114が配置されている。スプール側係合爪114は、コネクタ側係合爪115に係止されている。二次巻線103は、二次スプール102の外周面に巻回されている。一次スプール104は、円筒状であって、二次巻線103の外周側に配置されている。一次巻線105は、一次スプール104の外周面に巻回されている。外周コア106は、スリットの入った円筒状であって、一次巻線105の外周側に配置されている。
【0006】
エポキシ樹脂111は、ハウジング107内に配置された上記各部材間に注入されている。そして、各部材間で硬化している。エポキシ樹脂111は、各部材間の絶縁を確保する役割を有する。また、各部材を固定する役割を有する。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−111545号公報(第4頁−6頁、第3図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、中心コア108の線膨張係数と、エポキシ樹脂111の線膨張係数と、はそれぞれ異なる。また、点火コイル100には、エンジンの停止、駆動に伴う冷熱サイクル負荷が加わる。したがって、仮に、中心コア108自体を、直接エポキシ樹脂111により覆うと、中心コア108とエポキシ樹脂111との間に熱応力が発生する。そして、この熱応力によりエポキシ樹脂111にクラックが発生するおそれがある。
【0009】
そこで、同文献記載の点火コイル100においては、中心コア108をチューブ109により覆っている。そして、このチューブ109により熱応力を緩和している。
【0010】
しかし、チューブ109は、線膨張係数の格差に起因する熱応力の発生を抑制するためだけに配置される部材である。すなわち、チューブ109は、点火プラグに高電圧を発生させるという点火コイル100本来の機能とは、何ら関係の無い部材である。このため、同文献記載の点火コイル100によると、チューブ109を配置する分だけ組み付け工数が増加していた。また、部品点数が多く、構造が複雑であった。
【0011】
本発明の点火コイルは上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、チューブのような熱応力緩和部材が必須ではなく、組み付け工数が少ない点火コイルを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決するため、本発明の点火コイルは、中心コアを持つ棒状の中心コア部と、該中心コア部の外周側に配置される筒状の内周側スプールと、該内周側スプールの外周面に巻回され、該内周側スプールの軸方向一端から引き出される引出部を持つ内周側巻線と、該内周側巻線の外周側に配置される筒状の外周側スプールと、該外周側スプールと前記内周側巻線との間に配置される内周側樹脂体と、該内周側スプールの軸方向一端側に配置され、該引出部を固定する軸端側樹脂体と、を備えてなる点火コイルであって、前記中心コア部は、軸方向一端部が前記内周側樹脂体よりも動粘度の高い前記軸端側樹脂体により保持され、軸方向他端部が前記内周側スプールの底部により保持されており、前記中心コア外周面と前記内周側スプール内周面との間には前記軸端側樹脂体が配置されない隙間が区画されていることを特徴とする。
さらに、好ましくは、前記隙間は、前記中心コア外周面の上部と、前記内周側スプール内周面の上部と、の間に円筒状に形成されている構成とする方がよい。
【0013】
つまり、本発明の点火コイルは、中心コア部を軸端側樹脂体と内周側スプール底部とにより保持するものである。具体的には、棒状の中心コア部の軸方向一端部は、軸端側樹脂体により保持されている。一方、中心コア部の軸方向他端部は、内周側スプール底部により保持されている。さらに、中心コア外周面と内周側スプール内周面との間には軸端側樹脂体が配置されない隙間が区画されている。
【0014】
本発明の点火コイルによると、中心コア部の全体を樹脂体(前出の図6におけるエポキシ樹脂111に相当)により覆う必要がない。このため、中心コア部と樹脂体との間に熱応力が発生するおそれが小さい。したがって、前出の図6におけるチューブ109のような、熱応力緩和部材は必須ではない。故に、本発明の点火コイルは、部品点数が少なく、組み付け工数も少ない。また、製造コストも低い。また、本発明の点火コイルによると、熱応力に起因するクラックが発生するおそれが小さい。このため、本発明の点火コイルは信頼性が高い。
【0015】
ところで、スティックタイプの点火コイルはプラグホールに挿入される。このため、点火コイルの外径はプラグホールの内径に規制される。したがって、点火コイルの外径は、できるだけ小さい方が好ましい。この点、本発明の点火コイルによると、中心コアを覆う熱応力緩和部材が必須ではない分、外径を容易に小さくすることができる。
【0016】
(2)好ましくは、前記軸端側樹脂体は、少なくとも前記中心コア部の軸方向一端部の端面に当接している構成とする方がよい。本構成によると、中心コア部は、軸端側樹脂体と内周側スプール底部との軸方向隙間に、ちょうど挟まれるように保持される。このため、本構成によると、特に中心コア部の軸方向の揺動を抑制することができる。
【0017】
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記軸端側樹脂体は、さらに前記中心コア部の軸方向一端部の外周面を覆っている構成とする方がよい。本構成によると、中心コア部の軸方向一端部が、軸端側樹脂体にちょうど掴まれるように保持される。このため、本構成によると、中心コア部の軸方向の揺動のみならず、径方向の揺動をも確実に抑制することができる。
【0018】
(4)好ましくは、前記中心コアは、圧粉コアである構成とする方がよい。圧粉コアは、例えば、磁性材粒子をコア型に入れ、所定の圧力で圧縮成形した後、所定の熱処理をすることにより得られる。圧粉コアは、積層コアと比較して、外周面の面構成が滑らかである。したがって、本構成によると、熱応力が集中しクラックの起点となる凹凸が、外周面に発現しにくくなる。このため、さらに熱応力に起因するクラックが発生しにくくなる。そして、点火コイルの信頼性が高くなる。
【0019】
(5)好ましくは、前記中心コアは、積層コアである構成とする方がよい。積層コアは、例えば、幅の異なる短冊状の薄い珪素鋼板を多数枚積み重ね、接合することにより得られる。積層コアは、圧粉コアと比較して、製造コストが低い。したがって、本構成によると、点火コイルの製造コストが低くなる。
【0020】
(6)好ましくは、前記中心コア部の軸方向一端部は、前記内周側スプールの軸方向一端よりも内方に配置されている構成とする方がよい。つまり、本構成は、内周側スプールの軸方向一端に対し、中心コア部を凹状に配置するものである。本構成によると、軸端側樹脂体を注入する際において、内周側スプールの軸方向一端がちょうど漏斗のように機能する。すなわち、内周側スプールの側周壁により、注入される軸端側樹脂体が、内周側スプールの内周側に集められる。このため、本構成によると、硬化後の軸端側樹脂体が、比較的簡単に中心コア部の軸方向一端部を保持することができる。
【0021】
(7)好ましくは、さらに、前記内周側巻線の外周側に配置される外周側スプールと、該外周側スプールの外周面に巻回される外周側巻線と、該外周側巻線の外周側に配置され各部材を収納するハウジングと、前記内周側巻線間に浸透する内周側樹脂体と、該外周側巻線間に浸透する外周側樹脂体と、を備え、前記内周側スプールの軸方向一端および前記外周側スプールの軸方向一端は、前記軸端側樹脂体により保持されている構成とする方がよい。
【0022】
つまり、本構成は、中心コア部のみならず、内周側スプール(前出の図6における二次スプール102に相当)および外周側スプール(前出の図6における一次スプール104に相当)までも、軸端側樹脂体により保持するものである。本構成によると、内周側スプールの軸方向一端部、および外周側スプールの軸方向一端部を、別途他の部材により保持する必要がない。このため、例えば、前出の図6における調芯リブ113やコネクタ側係合爪115やスプール側係合爪114などの保持部材が不要となる。したがって、本構成によると、部品点数が少なくなる。
【0023】
(8)好ましくは、上記(7)の構成において、前記内周側樹脂体と前記外周側樹脂体とは、同一の樹脂からなる構成とする方がよい。本構成によると、内周側巻線の固定と、外周側巻線の固定と、を同一の樹脂により行うことができる。このため、両巻線の固定を、同じ工程で行うことができる。したがって、組み付け工数が少なくなる。
【0024】
(9)好ましくは、さらに、前記中心コア部の軸方向一端部外周面と、前記内周側スプール内周面と、の間には、両面間の間隔を調整するスペーサ体が介挿されている構成とする方がよい。つまり、本構成は、中心コア部外周面と内周側スプール内周面との間に、スペーサ体を配置するものである。スペーサ体により、両面間の間隔が調整される。このため、軸端側樹脂体を注入する際、軸方向一端部よりも内方に、軸端側樹脂体が侵入するのを抑制することができる。したがって、本構成によると、軸端形樹脂体の注入作業が容易になる。
(10)好ましくは、さらに、前記内周側スプールの底部は、凸状であり、前記中心コア軸方向他端の角部と該内周側スプールの底部との間には空間を有している構成とする方がよい。本構成によれば、中心コア軸方向他端の角部と内周側スプールの底部との間には空間が形成されているので、中心コア軸方向他端の角部と内周側スプールの底部とは接触しておらず、かつ中心コア軸方向他端と内周側スプールの底部との接触面積が少ない分中心コアと内周側スプールとの間に熱応力に起因するクラックが発生しにくい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の点火コイルの実施の形態について説明する。
【0026】
(1)第一実施形態
まず、本実施形態の点火コイルの構成について説明する。図1に、本実施形態の点火コイルの軸方向断面図を示す。いわゆるスティックタイプの点火コイル1は、エンジンブロックの上部において、気筒毎に形成されたプラグホール(図略)内に収納されている。また、点火コイル1は、後述するように、点火プラグ(図略)と図中下側において接続されている。
【0027】
外周コア20は、一枚の珪素鋼板からなり、長手方向に貫通するスリット(図略)の入った円筒状を呈している。外周コア20の内周側には、圧粉コア21と二次スプール22と二次巻線23と一次スプール24と一次巻線25とが収納されている。
【0028】
圧粉コア21は、磁性材粒子をコア型に入れ、所定の圧力で圧縮成形した後、所定の温度で熱処理することにより得られる。圧粉コア21は、上下方向中央部が拡径した丸棒状を呈している。本実施形態の点火コイル1の中心コア部は、この圧粉コア21単体からなる。
【0029】
二次スプール22は、樹脂製であって有底円筒状を呈している。二次スプール22は、本発明の内周側スプールに含まれる。二次スプール22は、圧粉コア21の外周側に配置されている。二次スプール22は、二次スプール本体220と底部221とからなる。
【0030】
二次スプール本体220は円筒状を呈している。二次スプール本体220内周面の中央部から下部にかけての形状は、対向する圧粉コア21外周面の中央部から下部にかけての形状と、ちょうど型対称になるように形成されている。したがって、圧粉コア21外周面の中央部以下は、二次スプール本体220の内周面に当接して保持されている。
【0031】
底部221は、二次スプール本体220の下端開口を塞いでいる。底部221は凸状を呈している。圧粉コア21の下端部は、底部221により保持されている。
【0032】
また、圧粉コア21外周面の上部と、二次スプール本体220内周面の上部と、の間には、円筒状の隙間26が区画されている。
【0033】
二次巻線23は、本発明の内周側巻線に含まれる。二次巻線23は、二次スプール本体220の外周面に巻回されている。二次巻線23は、二次スプール本体220上端から上方に向かって引き出された引出部230を有している。
【0034】
一次スプール24は、樹脂製であって有底円筒状を呈している。一次スプール24は、二次巻線23の外周側に配置されている。一次スプール24は、一次スプール本体240と高圧タワー241とからなる。
【0035】
高圧タワー241は、前記底部221を覆っている。高圧タワー241のほぼ中央には、金属製であって下方に開口するカップ状の高圧ターミナル242が配置されている。高圧ターミナル242は、二次巻線23と電気的に接続されている。また、高圧ターミナル242のカップ底壁には、金属製のコイルスプリング243が止着されている。コイルスプリング243には、点火プラグが弾接している。また、高圧タワー241のほぼ全面は、ゴム製のプラグキャップ244により覆われている。点火プラグは、このプラグキャップ244の内周側に圧入される。プラグキャップ244上端には、前記外周コア20下端が挿入されている。
【0036】
一次スプール本体240は、円筒状を呈している。一次巻線25は、一次スプール本体240の外周面に巻回されている。
【0037】
一方、外周コア20上端には、ゴム製の支持リング30が環装されている。支持リング30は、プラグホールの口縁に弾接している。支持リング30の上方には、コネクタ部31が配置されている。コネクタ部31は、ケース310と複数のコネクタピン311とからなる。ケース310は、樹脂製であって角筒状を呈している。ケース310内部には、前記二次巻線23の引出部230が延在している。また、ケース310内部には、イグナイタ32が配置されている。イグナイタ32は、パワートランジスタ(図略)や混成集積回路(図略)やヒートシンク(図略)などがモールド樹脂により封止され形成されている。コネクタピン311は、金属製であってケース310にインサート成形されている。すなわち、コネクタピン311は、ケース310内外を貫通している。コネクタピン311のケース310内方向端は、引出部230に溶接されている。一方、コネクタピン311のケース310外方向端は、ECU(エンジン制御ユニット、図略)に電気的に接続されている。また、コネクタピン311は、一次巻線25およびイグナイタ32にも電気的に接続されている。
【0038】
軸端側樹脂体40は、エポキシ樹脂からなる。軸端側樹脂体40は、ケース310内に充填されている。そして、前記圧粉コア21の上端部210の端面および外周面を覆っている。また、軸端側樹脂体40は、前記隙間26上端を塞いでいる。なお、上端部210は、本発明の軸方向一端部に含まれる。
【0039】
二次巻線用樹脂体41は、エポキシ樹脂からなる。二次巻線用樹脂体41は、二次スプール22外周面と一次スプール24内周面との間に充填されている。そして、二次巻線23間に浸透している。
【0040】
次に、本実施形態の点火コイル1の通電時の動きについて説明する。ECUからの制御信号は、コネクタピン311を介して、イグナイタ32に伝達される。イグナイタ32により電流の断続が行われると、自己誘導作用により一次巻線25に所定の電圧が発生する。この電圧が、一次巻線25と二次巻線23との相互誘導作用により、昇圧される。そして、昇圧により発生した高電圧が、二次巻線23から、高圧ターミナル242およびコイルスプリング243を介して、点火プラグに伝達される。この高電圧により、点火プラグのギャップに火花が発生する。
【0041】
次に、本実施形態の点火コイル1の樹脂体配置方法について説明する。まず、予め組み付けられた点火コイル1のケース310上端開口から、二次巻線用樹脂体41が、二次スプール22外周面と一次スプール24内周面との間に注入される。そして、二次巻線用樹脂体41は、二次巻線23間に浸透する。次いで、軸端側樹脂体40が、ケース310内に注入される。ここで、軸端側樹脂体40の動粘度は比較的高い。このため、注入時における軸端側樹脂体40の流動性は比較的低い。したがって、軸端側樹脂体40が隙間26まで流下するおそれは小さい。その後、二次巻線用樹脂体41および軸端側樹脂体40を注入した点火コイル1を、所定時間、所定温度で加熱する。そして、これら二種類の樹脂体を熱硬化させる。このようにして、二種類の樹脂体は配置される。
【0042】
次に、本実施形態の点火コイルの効果について説明する。本実施形態の点火コイル1によると、中心コアとして圧粉コア21が配置されている。このため、外周面の面構成が滑らかである。したがって、クラックの起点となる凹凸が、外周面に発現しにくい。また、圧粉コア21は、外周面の形状を作り込みやすい。このため、圧粉コア21外周面の中央部以下は、二次スプール本体220内周面の中央部以下と、隙間無く当接する。したがって、本実施形態の点火コイル1によると、軸端側樹脂体40注入時における圧粉コア21の偏心を抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態の点火コイル1によると、圧粉コア21の上端部210だけが、軸端側樹脂体40により覆われている。そして、軸端側樹脂体40の下方には、隙間26が区画されている。このため、圧粉コア21と軸端側樹脂体40との間に熱応力が発生するおそれが小さい。したがって、前出の図6におけるチューブ109のような、熱応力緩和部材は配置されていない。故に、本実施形態の点火コイル1は、部品点数が少なく、組み付け工数も少ない。また、本実施形態の点火コイル1は製造コストも低い。また、本実施形態の点火コイル1は外径が小さい。また、本実施形態の点火コイル1によると、熱応力に起因するクラックが発生するおそれが小さい。このため、本実施形態の点火コイル1は信頼性が高い。
【0044】
また、本実施形態の点火コイル1によると、圧粉コア21の上端部210が、軸端側樹脂体40にちょうど掴まれるように保持されている。このため、圧粉コア21の軸方向の揺動のみならず、径方向の揺動をも確実に抑制することができる。
【0045】
また、本実施形態の点火コイル1によると、圧粉コア21の上端部210は、二次スプール22の上端よりも下方に配置されている。このため、本実施形態の点火コイル1によると、硬化後の軸端側樹脂体40が、比較的簡単に圧粉コア21の上端部210を保持することができる。
【0046】
(2)第二実施形態
本実施形態と第一実施形態との相違点は、軸端側樹脂体が圧粉コアの上端部の端面に当接している点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
【0047】
図2に、本実施形態の点火コイルの軸方向断面図を示す。なお、図1と対応する部位については、同じ符号で示す。図に示すように、軸端側樹脂体40は、圧粉コア21の上端部210の端面に当接している。本実施形態の点火コイル1によると、特に圧粉コア21の軸方向の揺動を抑制することができる。
【0048】
また、軸端側樹脂体40は、上端部210の外周面まで回り込んでいない。したがって、軸端側樹脂体40の使用量を削減することができる。このため、点火コイル1の製造コストを低減することができる。また、軸端側樹脂体40と圧粉コア21との接触面積が小さい分、軸端側樹脂体40と圧粉コア21との間に熱応力が発生しにくい。
【0049】
(3)第三実施形態
本実施形態と第一実施形態との相違点は、ケース内にイグナイタが配置されていない点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
【0050】
図3に、本実施形態の点火コイルの軸方向断面図を示す。なお、図1と対応する部位については、同じ符号で示す。図に示すように、ケース310内には、イグナイタが配置されていない。イグナイタは、点火コイル1外部に配置されている。本実施形態の点火コイル1によると、軸端側樹脂体40および二次巻線用樹脂体41をケース310上端開口から注入する際、イグナイタが邪魔にならない。このため、これら二種類の樹脂体を注入しやすくなる。
【0051】
(4)第四実施形態
本実施形態と第一実施形態との相違点は、中心コアとして積層コアが配置されている点である。また、外周コアの外周側にハウジングが配置されている点である。また、一次スプールと高圧タワーとが別体である点である。すなわち、本発明の点火コイルを前出の図6に示す従来タイプの点火コイルとして具現化した点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
【0052】
図4に、本実施形態の点火コイルの軸方向断面図を示す。なお、図1と対応する部位については、同じ符号で示す。本実施形態の一次スプール24は、本発明の外周側スプールに含まれる。また、一次巻線25は、本発明の外周側巻線に含まれる。
【0053】
図に示すように、積層コア27は、丸棒状を呈している。積層コア27は、幅の異なる短冊状の珪素鋼板を径方向に積み重ねて形成されている。積層コア27の上下端には、それぞれインシュレータ28が配置されている。また、外周コア20の外周側には、樹脂製であって円筒状のハウジング29が配置されている。ハウジング29は、点火コイル1の外殻をなす。ハウジング29は、ケース310と一体に形成されている。ケース310の内部には、軸端側樹脂体40が充填されている。ハウジング29の内部において隙間26以外の部分には、エポキシ樹脂からなる共通樹脂体42が充填されている。共通樹脂体42は、二次巻線23間および一次巻線25間に浸透している。すなわち、共通樹脂体42は、本発明の内周側樹脂体と外周側樹脂体とを兼ねている。
【0054】
本実施形態の点火コイル1に樹脂体を配置する場合は、まず予め組み付けられた点火コイル1に、ケース310上端開口から、共通樹脂体42が注入される。次いで、動粘度の高い軸端側樹脂体40が、ケース310上端開口から注入される。その後、共通樹脂体42および軸端側樹脂体40は、熱硬化される。
【0055】
本実施形態の点火コイル1によると、積層コア27のみならず、二次スプール22上端および一次スプール24上端までも、軸端側樹脂体40により保持されている。このため、例えば、前出の図6における調芯リブ113やコネクタ側係合爪115やスプール側係合爪114などの保持部材が不要となる。したがって、本実施形態の点火コイル1によると、部品点数が少なくなる。
【0056】
また、本実施形態の点火コイル1によると、内周側樹脂体と外周側樹脂体とを共通樹脂体42が兼ねている。このため、二次巻線23の固定と一次巻線25の固定とを、同じ工程で行うことができる。したがって、組み付け工数が少なくなる。
【0057】
(5)第五実施形態
本実施形態と第一実施形態との相違点は、圧粉コア上端部外周面と二次スプール内周面との間に、スペーサ体が介挿されている点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
【0058】
図5に、本実施形態の点火コイルの軸方向断面図を示す。なお、図1と対応する部位については、同じ符号で示す。図に示すように、圧粉コア21の上端部210外周面と、二次スプール22の二次スプール本体220内周面と、間には、樹脂製であって円筒状のスペーサ体211が介挿されいてる。そして、スペーサ体211により、圧粉コア21の上端部210外周面と、二次スプール22の二次スプール本体220内周面と、の間の間隔が調整されている。
【0059】
本実施形態の点火コイル1によると、軸端側樹脂体40をケース310内に注入する際、軸端側樹脂体40の流れをスペーサ211が堰き止めようとする。このため、軸端側樹脂体40の動粘度が比較的低くても、軸端側樹脂体40が隙間26まで流下するおそれが小さい。したがって、本実施形態の点火コイル1によると、軸端側樹脂体40の動粘度を、二次巻線用樹脂体41の動粘度よりも、敢えて高く調整する必要がない。軸端側樹脂体40、二次巻線用樹脂体41として、同じエポキシ樹脂を用いることも可能である。このため、注入作業が容易になる。
【0060】
(6)その他
以上、本発明の点火コイルの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0061】
例えば、上記実施形態の点火コイル1においては、ケース310と軸端側樹脂体40とを別体とした。しかしながら、ケース310と軸端側樹脂体40とを一体としてもよい。すなわち、ケース310を軸端側樹脂体40により形成してもよい。こうすると、部品点数が少なくなる。また、組み付け工数が少なくなる。また、イグナイタ32のモールド樹脂を軸端側樹脂体40により形成してもよい。すなわち、まずパワートランジスタやヒートシンクなどの部品をケース310内に配置し、次いでケース310内に軸端側樹脂体40を注入してもよい。こうすると、部品点数が少なくなる。また、組み付け工数が少なくなる。さらにまた、ケース310およびイグナイタ32のモールド樹脂を軸端側樹脂体40により形成してもよい。こうすると、さらに部品点数が少なくなる。また、さらに組み付け工数が少なくなる。
【0062】
また、上記実施形態の点火コイル1においては、一次スプール24と二次巻線用樹脂体41とを別体とした。しかしながら、一次スプール24と二次巻線用樹脂体41とを一体としてもよい。すなわち、一次スプール24を二次巻線用樹脂体41により形成してもよい。こうすると、部品点数が少なくなる。また、組み付け工数が少なくなる。
【0063】
また、上記実施形態の点火コイル1においては、軸端側樹脂体40、二次巻線用樹脂体41、共通樹脂体42をエポキシ樹脂により形成した。しかしながら、これらの樹脂体は、他の熱硬化性樹脂により形成してもよい。
【0064】
また、第四実施形態の点火コイル1においては、二次スプール22を内周側に、一次スプール24を外周側に配置したが、この配置は内外逆であってもよい。
【0065】
また、第一、第二、第三実施形態の点火コイル1においては、中心コアとして圧粉コア21を用いた。また、第四実施形態の点火コイル1においては、中心コアとして積層コア27を用いた。しかしながら、例えば断面正六角形の細い線材を束ねて中心コアを形成してもよい。また、中心コアの上下端の少なくとも一方に、永久磁石を配置してもよい。
【0066】
【発明の効果】
本発明によると、熱応力緩和部材が必須ではなく、組み付け工数が少ない点火コイルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施形態の点火コイルの軸方向断面図である。
【図2】 第二実施形態の点火コイルの軸方向断面図である。
【図3】 第三実施形態の点火コイルの軸方向断面図である。
【図4】 第四実施形態の点火コイルの軸方向断面図である。
【図5】 第五実施形態の点火コイルの軸方向断面図である。
【図6】 従来の点火コイルの軸方向断面図である。
【符号の説明】
1:点火コイル、20:外周コア、21:圧粉コア、210:上端部(軸方向一端部)、211:スペーサ体、22:二次スプール(内周側スプール)、220:二次スプール本体、221:底部、23:二次巻線(内周側巻線)、230:引出部、24:一次スプール、240:一次スプール本体、241:高圧タワー、242:高圧ターミナル、243:コイルスプリング、244:プラグキャップ、25:一次巻線、26:隙間、27:積層コア、28:インシュレータ、29:ハウジング、30:支持リング、31:コネクタ部、310:ケース、311:コネクタピン、32:イグナイタ、40:軸端側樹脂体、41:二次巻線用樹脂体、42:共通樹脂体(内周側樹脂体、外周側樹脂体)。

Claims (11)

  1. 中心コアを持つ棒状の中心コア部と、
    該中心コア部の外周側に配置される筒状の内周側スプールと、
    該内周側スプールの外周面に巻回され、該内周側スプールの軸方向一端から引き出される引出部を持つ内周側巻線と、
    該内周側巻線の外周側に配置される筒状の外周側スプールと、
    該外周側スプールと前記内周側巻線との間に配置される内周側樹脂体と、
    該内周側スプールの軸方向一端側に配置され、該引出部を固定する軸端側樹脂体と、
    を備えてなる点火コイルであって、
    前記中心コア部は、軸方向一端部が前記内周側樹脂体よりも動粘度の高い前記軸端側樹脂体により保持され、軸方向他端部が前記内周側スプールの底部により保持されており、前記中心コア外周面と前記内周側スプール内周面との間には前記軸端側樹脂体が配置されない隙間が区画されていることを特徴とする点火コイル。
  2. 前記隙間は、前記中心コア外周面の上部と、前記内周側スプール内周面の上部と、の間に円筒状に形成されている請求項1に記載の点火コイル。
  3. 前記軸端側樹脂体は、少なくとも前記中心コア部の軸方向一端部の端面に当接している請求項1に記載の点火コイル。
  4. 前記軸端側樹脂体は、さらに前記中心コア部の軸方向一端部の外周面を覆っている請求項に記載の点火コイル。
  5. 前記中心コアは、圧粉コアである請求項1に記載の点火コイル。
  6. 前記中心コアは、積層コアである請求項1に記載の点火コイル。
  7. 前記中心コア部の軸方向一端部は、前記内周側スプールの軸方向一端よりも内方に配置されている請求項1に記載の点火コイル。
  8. さらに、前記外周側スプールの外周面に巻回される外周側巻線と、該外周側巻線の外周側に配置され各部材を収納するハウジングと、前記内周側巻線間に浸透する前記内周側樹脂体と、該外周側巻線間に浸透する外周側樹脂体と、を備え、
    前記内周側スプールの軸方向一端および前記外周側スプールの軸方向一端は、前記軸端側樹脂体により保持されている請求項1に記載の点火コイル。
  9. 前記内周側樹脂体と前記外周側樹脂体とは、同一の樹脂からなる請求項に記載の点火コイル。
  10. さらに、前記中心コア部の軸方向一端部外周面と、前記内周側スプール内周面と、の間には、両面間の間隔を調整するスペーサ体が介挿されている請求項1に記載の点火コイル。
  11. 前記内周側スプールの底部は、凸状であり、前記中心コア軸方向他端の角部と該内周側スプールの底部との間には空間を有している請求項1に記載の点火コイル。
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