JP3988230B2 - スティック型点火コイルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのプラグホール内に装着され、点火に必要な高電圧を発生させるスティック型点火コイルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスティック型点火コイルは、図3に示されるように、筒状のハウジングJ1 の内部に、棒状の中心コアJ2 、その外周に配される2次スプールJ3 に巻き付けられた2次コイルJ4 、その外周に配される1次スプールJ5 に巻き付けられた1次コイルJ6 、その外周に配される外周コアJ7 を備える。そして、各隙間には熱硬化性樹脂J8 が充填され、内部の電気絶縁および機械的強度が確保される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
スティック型点火コイルは、エンジンのプラグホール内に装着されるため、非常に限られたスペース内で構成される必要があり、点火コイルとしての性能の確保、絶縁距離の確保、温度変化の伸縮に対する耐熱応力性(各部の寸法の割り振り)の確保が困難であった。つまり、従来のスティック型点火コイルは、部品点数が多くて、小さなスペース内で構成する必要があるため、設計の自由度が小さかった。
また、部品点数が多いため、部品コストの増加、および製造工程数の増加によりスティック型点火コイルのコストが高くなってしまう。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、内部に内蔵される部品点数を減らし(あるいは部品を小さくし)、設計の自由度を広げることのできるスティック型点火コイルの製造方法の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のスティック型点火コイルの製造方法は、次の技術的手段を採用した。
〔請求項1、2の手段〕
請求項1および請求項2の製造方法を用いたことにより、1次スプール無しのスティック型点火コイルが製造できる。
スティック型点火コイルは、点火コイル内で径方向寸法を必要とする1次スプールが存在しないため、他の構成部品の径方向寸法に余裕が生じ、従来に比較して設計の自由度が広がる。このため、従来に比較して、スティック型点火コイルの性能(発生電圧、高絶縁性、耐熱応力性)を高めることができる。
また、1次スプールが無くなるため、部品コストが減少するとともに、1次スプール自体を製造しなくて済むため、製造工程数を減少でき、結果的にスティック型点火コイルのコストを下げることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、実施例と変形例を用いて説明する。
〔第1実施例〕
第1実施例を図1および図2を用いて説明する。図1はスティック型点火コイルの断面図、図2は1次コイルの組付け方法の説明図である。
【0014】
スティック型点火コイル1は、図示しないエンジンの各気筒毎に形成されたプラグホール内に装着され、図示しない点火プラグに電気的に接続されるものである。
この点火コイル1は、樹脂材料よりなる円筒状のハウジング2を備え、その内部には、中心から外側へ向かって、中心コア3、2次スプール4、2次コイル5、1次コイル6、外周コア7が収納されており、各隙間には、熱硬化性絶縁樹脂8(例えばエポキシ樹脂)が充填されている。
【0015】
中心コア3は、円柱形状を呈するもので、薄い珪素鋼板を横方向(軸方向と直交する方向)に積層して設けられている。また、本実施例の中心コア3は、両端に永久磁石3a、3bが装着されており、この両端の磁石3a、3bは中心コア3の励磁極とは逆極性に装着されている。
外周コア7は、ハウジング2の内壁に当接して装着されている。この外周コア7は、薄い珪素鋼板を巻き始めと巻き終わりでスリットを形成するように筒状に丸めたものである。
熱硬化性絶縁樹脂8は、各部品が組み付けられたハウジング2内の隙間に進入して、各部品間の電気絶縁を確実なものとするとともに、各部品を固めて一体化し、振動による破損を防ぐものである。
【0016】
2次スプール4は、2次コイル5を成形する糸巻で、中心コア3の外周に配設されており、樹脂材料で成形されている。
2次コイル5は、絶縁被覆された極細のコイル線を2次スプール4の外周に巻回して筒状に設けられたもので、後述する高圧ターミナル11と電気的に接続されている。
【0017】
1次コイル6は、絶縁被覆され、2次コイル5のコイル線より太いコイル線を巻回して筒状に設けたもので、1次コイル6の外周は、外周コア7(収納体に相当する)の内壁に全周に亘って当接している。
この1次コイル6を構成するコイル線は、絶縁被覆の周囲に、通電によって発生する熱により一旦溶け、冷えると固まる融着材がコーティングされた自己融着線が用いられている。
【0018】
この自己融着線を用いた1次コイル6の組付け方法を、図2を用いて説明する。
まず、外径寸法が大径と小径とに変化可能でスプール形状を呈したコイル成形治具Gを小径にして、その周囲に自己融着線を巻き付けて1次コイル6を作成する(巻回工程)。
次に、図2の(a)に示すように、自己融着線が巻き付けられたコイル成形治具Gを、ハウジング2内に装着された外周コア7の内部に挿入した後、コイル成形治具Gを開いて大径に変化させ、1次コイル6を外周コア7の内壁に押し付ける(拡張工程)。
この状態で、1次コイル6の両端を一旦通電する。すると、自己融着線の融着材が一旦溶けた後に固まり、1次コイル6が外周コア7の内壁に押し付けられた形状で成形される(成形工程)。
その後、図2の(b)に示すように、コイル成形治具Gを窄めて小径に変化させ、コイル成形治具Gを外周コア7から抜き出す(治具取出工程)。
【0019】
以上の工程の後に、2次コイル5および中心コア3を1次コイル6内に組み付け、最終的に熱硬化性絶縁樹脂8が真空充填され、熱硬化されて点火コイル1が完成する。つまり、1次コイル6の外周が外周コア7の内壁に押し付けられた状態で、且つ1次スプールを用いることなく、点火コイル1が完成する。
【0020】
点火コイル1へ制御信号を与えるコネクタ9は、プラグホールから突出するようにハウジング2の上端に設けられており、このコネクタ9には1次コイル6に制御信号を供給するターミナル10がインサート成形されている。なお、ターミナル10へ制御信号を供給するスイッチング回路(図示しない)は、点火コイル1の外部に配置されている。
【0021】
高圧ターミナル11は、ハウジング2の下端にインサート成形又は圧入されており、スプリング12と電気的に接続している。このスプリング12は、点火コイル1をプラグホール内に装着した際に点火プラグと電気的に接続するもので、2次コイル5の発生した高電圧は、高圧ターミナル11とスプリング12を介して点火プラグに印加される。
ハウジング2の下端開口部には、ゴムからなるプラグキャップ13が装着されており、このプラグキャップ13が点火プラグに装着される。
【0022】
この第1実施例のスティック型点火コイル1は、ハウジング2内に径方向寸法を必要とする1次スプールが存在しない。このため、他の構成部品の径方向寸法に余裕が生じ、従来に比較して設計の自由度が広がる。つまり、ハウジング2内において、中心コア3、2次スプール4、2次コイル5、1次コイル6、外周コア7および熱硬化性絶縁樹脂8の径方向寸法を大きくすることができ、スティック型点火コイル1の性能(発生電圧、高絶縁性、耐熱応力性)を高めることができる。
【0023】
1次スプールが無いため、部品コストが減少するとともに、1次スプール自体を製造しなくて済むため、製造工程数を減少でき、結果的に本発明により高性能化したスティック型点火コイル1のコストを低く抑えることができる。
1次コイル6の外周が、外周コア7の内壁の全周に亘って当接しているため、1次スプールが無くとも1次コイル6の径方向の位置決めが行われ、結果的に1次コイル6の配置のバラツキを無くすことができる。
【0024】
この第1実施例では、径方向寸法が変化するコイル成形治具Gと自己融着線を用いて、1次スプールを用いることなく、1次コイル6の外周が外周コア7の内壁に押し付けられた状態を実現したが、上記の1次コイル6の組付け方法に代えて、次の組付け方法を採用しても良い。
まず、径方向寸法が変化しないコイル成形治具に1次コイル線を巻き付ける(巻回工程)。次に、コイル線が巻き付けられたコイル成形治具を、外周コア7の内部に挿入した後にコイル線の巻きを緩めてコイル線の自己復元力で1次コイル6を外周コア7の内壁に向けて拡張させる(拡張工程)。そして、コイル成形治具を外周コア7から抜き出す(治具取出工程)。
その後は、上記の実施例と同様、2次コイル5および中心コア3を1次コイル6内に組み付け、熱硬化性絶縁樹脂8を真空充填することで点火コイル1が完成する。
【0031】
〔変形例〕
上記の実施例では、外周コア7の周囲にハウジング2を備える例を示したが、ハウジング2を廃止して外周コア7によって周囲を覆っても良い。なお、この場合は、外周コア7のスリットにゴムを焼付けて、内部をシールする。
上記の実施例では、中心コア3に永久磁石3a、3bを装着した例を示したが、永久磁石3a、3bを用いない点火コイルに本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】スティック型点火コイルの断面図である(第1実施例)。
【図2】1次コイルの組付け方法を示す説明図である(第1実施例)。
【図3】 スティック型点火コイルの断面図である(従来例)。
【符号の説明】
1 スティック型点火コイル
2 ハウジング
3 中心コア
4 2次スプール
5 2次コイル
6 1次コイル
7 外周コア(収納体)
8 熱硬化性絶縁樹脂
9 コネクタ
G コイル成形治具
Claims (2)
- 筒状に巻かれた2次コイルおよびその外周に同心的に配される筒状に巻かれた1次コイルを備え、エンジンのプラグホール内に装着されるスティック型点火コイルの製造方法は、
外径寸法が変化可能なコイル成形治具の外径を小径にして、その周囲に自己融着線を巻き付ける巻回工程と、
自己融着線が巻き付けられた前記コイル成形治具を、内周面に前記1次コイルが嵌まる溝のない円筒面を成す収納体の内部に挿入した後、前記コイル成形治具を大径に変化させ、前記1次コイルを前記収納体の内壁に押し付ける拡張工程と、
前記1次コイルを一旦通電加熱し、前記1次コイルを前記収納体の内壁に押し付けた状態に成形する成形工程と、
前記コイル成形治具を小径に変化させ、前記コイル成形治具を前記収納体から抜き出す治具取出工程とを備え、
前記1次コイルが装着された前記収納体の内部に前記2次コイルを組付けた後、前記1次コイルと前記2次コイルの隙間に絶縁樹脂が充填されることを特徴とするスティック型点火コイルの製造方法。 - 筒状に巻かれた2次コイルおよびその外周に同心的に配される筒状に巻かれた1次コイルを備え、エンジンのプラグホール内に装着されるスティック型点火コイルの製造方法は、
1次コイル線をコイル成形治具に巻き付ける巻回工程と、
コイル線が巻き付けられた前記コイル成形治具を、内周面に前記1次コイルが嵌まる溝のない円筒面を成す収納体の内部に挿入した後、前記コイル線の巻きを緩め、前記コイル線の自己復元力で前記1次コイルを前記収納体の内壁に向けて拡張させる拡張工程と、
前記コイル成形治具を前記収納体から抜き出す治具取出工程とを備え、
前記1次コイルが装着された前記収納体の内部に前記2次コイルを組付けた後、前記1次コイルと前記2次コイルの隙間に絶縁樹脂が充填されることを特徴とするスティック型点火コイルの製造方法。
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