JP5923460B2 - 点火コイル用誘磁鉄芯,及び,これを備える内燃機関用点火コイル - Google Patents

点火コイル用誘磁鉄芯,及び,これを備える内燃機関用点火コイル Download PDF

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Description

本発明は、点火コイル用誘磁鉄芯及び内燃機関用点火コイルに関し、特に、線素型鉄心を用いたものに関する。
従来より、内燃機関用点火コイルでは、積層鉄心又は紛体鉄心等を用い、渦電流損(鉄損)を抑制させる検討が行われている。例えば、特開2004−356468号公報(特許文献1)では、角柱状の誘磁線素を格子状に配置させ、この隙間に絶縁材を埋めて一体物とさせた線素型鉄心が紹介されている。
特開2004−356468号公報
しかしながら、特許文献1の技術によれば、エポキシ樹脂等の絶縁層(絶縁積層体)を誘磁線素の全周囲に塗布形成してから誘磁線素を互いに固着させる為、当該絶縁層の形成工程が非常に煩雑となる(特許文献1の実施例2)。また、特許文献1では、誘磁線素群を液状のエポキシ樹脂へ含浸させてからこれを硬化固着させることも紹介されている(特許文献1の実施例4)。しかし、これによれば、誘磁線素間の寸法設定,含浸樹脂の硬化時間といった線素の固着工程が煩雑となる。
また、線素型鉄心は、鉄心断面における誘磁性材の占有率が低下するので、外形寸法をこれに応じて設定しなければ磁気飽和に至り、予定の磁束変化を発生させることができなくなる。このように、線素型鉄心は、誘磁線素間に絶縁材を介在させて渦電流を抑制させる効果が得られる反面、誘磁性材の占有率低下に伴うデメリットが生じる。
本発明は上記課題に鑑み、製作が容易な線素型の点火コイル用誘磁鉄心の提供を目的とし、また、渦電流損の抑制効果を略維持させた上で誘磁性材の占有率低下を抑え得る線素型鉄心を用いた内燃機関用点火コイルの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では次のような点火コイル用誘磁鉄心とする。即ち、角柱状の複数の線素を行方向及び列方向に配列させた線素群によって成り、且つ、前記線素が互いに固着され前記線素群が一体物とされた点火コイル用誘磁鉄心において、
前記線素の断面構造は、第1エッジ及びこれに略平行な第2エッジを具備する誘磁性材と、前記第1エッジ及び前記第2エッジの各々に積層され且つ双方のエッジが互いに独立した領域を成す絶縁積層体と、から成り、
前記線素群は、前記線素の積層方向を前記行方向へ略一致させた第1線素群と、前記線素の積層方向を前記列方向へ略一致させた第2線素群と、から成り、且つ、前記行方向及び前記列方向について、前記第1線素群の線素と前記第2線素群の線素とが交互かつ格子状の配列とされたこととする。
上記課題を解決するため、本発明では次のような点火コイル用誘磁鉄心とする。即ち、角柱状の複数の線素を行方向及び列方向に配列させた線素群によって成り、且つ、前記線素が互いに固着され前記線素群が一体物とされた点火コイル用誘磁鉄心において、
前記線素の断面構造は、第1エッジ及びこれに略平行な第2エッジを具備する誘磁性材と、前記第1エッジ及び前記第2エッジの各々に積層され且つ双方のエッジが互いに独立した領域を成す絶縁積層体と、から成り、
前記線素群は、前記線素の積層方向を前記行方向へ略一致させた第1線素群と、前記線素の積層方向を前記列方向へ略一致させた第2線素群と、から成り、前記線素は、前記行方向及び前記列方向より成る断面が略正方形とされたこととする。
また、本発明では次のような内燃機関用点火コイルの構成としても良い。即ち、上述した発明の何れかに記載の点火コイル用誘磁鉄心と、当該点火コイル用誘磁鉄心の長手方向に磁束変化を生じさせるコイルアセンブリと、を有することとする。
ここで、前記点火コイル用誘磁鉄心は、前記コイルアセンブリの巻線内部へ配置される第1の鉄心部位と、前記第1の鉄心部位に連設され且つ当該第1の鉄心部位を通過する閉磁路を形成させる第2の鉄心部位と、から内燃機関用点火コイルが構成されると更に良い。
本発明に係る点火コイル用誘磁鉄心によると、異なる積層方向とされた誘磁線素群を配列させることにより、誘磁線素間の絶縁構造を極めて容易に形成させることが可能となる。
また、本発明に係る内燃機関用点火コイルによると、誘磁線素群が「算木崩し状」に配列されるので、誘磁線素の寸法がこれに隣接する線素によって細分化されると供に、誘磁線素の板幅方向への寸法が其のまま誘磁性材の寸法となり誘磁性材領域の面積向上が図られる。このため、当該内燃機関用点火コイルでは、渦電流損の抑制効果を低下させることなく誘磁線素の占有率を向上させ、所望の磁束変化、即ち、所望の昇圧電圧を出力させることが可能となる。
実施の形態に係る内燃機関用点火コイルの内部構造を示す図。 実施の形態に係る内燃機関用点火コイルの完成体を示す図。 実施の形態に係る点火コイル用誘磁鉄心の製造工程を示す図。 点火コイル用誘磁鉄心の一部断面図を示す図(実施の形態と従来例の比較)。 点火コイル用誘磁鉄心の一部断面図を示す図(実施の形態に係る変更例)。
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して具体的に説明する。図1(工程1)に示す如く、本実施の形態に係る内燃機関用点火コイル(以下、点火コイルと呼ぶ)は、中心鉄心体210と高圧構造体130とが準備され、これらが組付けられる。
中心鉄心体210は、I字鉄心部位310(特許請求の範囲における第1の鉄心部位)に絶縁テープ215が巻層され、この絶縁層に一次コイル212が巻回されている。また、当該中心鉄心部位210の端部には、端子部213を二角状に配備させたフレーム体214が嵌着され、一次コイル212の端部が端子部213に導通接続される。
高圧構造体130は、二次コイルを巻回させたボビン体120が主構造部131に収容され、当該ボビン体120の半体部が頭部カバー110によって覆われている。図示の如く、高圧構造体130の外部では、ボビン体120が覆われると供に当該ボビン体120によって挿通孔121が形成される。
一方、高圧構造体130の内部では、二次コイル及びボビン体120と其の外周構造(主構造部及び頭部カバーの内壁)によって所定の隙間が形成され、此処に絶縁性樹脂(エポキシ樹脂等)140が含浸されている。また、高圧構造体130の内部では、二次コイルの出力端が高圧端子(図示なし)に導通され、この高圧端子は、高圧タワー(図示なし)を介して、点火プラグとの電気的接続が行われる。
そして、高圧構造体130は、二次ボビン120の挿通孔121へ中心鉄心体210が挿入され、これにより、二次コイルの内周部へ一次コイル212が同軸的に配置されることとなる。より具体的には、中心軸側から、「I字鉄心部位310→絶縁テープの巻層→一次コイル212→二次ボビン120→二次コイル→エポキシ樹脂→頭部カバー110」といった構造が形成される。
工程2では、先の組立体に外周鉄心部位320,330(第2の鉄心部位)を装着させ、コイルアセンブリ(一次コイル,二次コイル,鉄心から成る構成)が形成される。本実施の形態に係るコイルアセンブリは、両コイルの巻線内部へI字鉄心部位310が配置され、この鉄心部位310の両端に連設するように外周鉄心部位320,330が各々配置されることとなる。
コイルアセンブリでは、この外周鉄心部位320,330を伴って、I字鉄心部位310を通過する閉磁路が形成される。即ち、当該コイルアセンブリでは、一次コイル212における通過電流が変化すると、この閉磁路に高密度の磁束を変化・発生させ、二次コイルから誘導起電力を出力させる。本実施の形態に係る鉄心310〜330は、角柱状の誘磁線素から成る線素型鉄心が用いられ、以下、これを総称して点火コイル用誘磁鉄心300または誘磁鉄心300と呼ぶ。
図2(a)及び図2(b)には、頭部カバー230の構造が示されている。頭部カバー230の材質は、絶縁性樹脂(PBT,PPS)が用いられるが、これに透磁性のコンパウンドを含有させコイルアセンブリの閉磁路を形成させるようにしても良い。この頭部カバー230は、図示の如く、所定の開口を有する殻状体とされ、更に、フランジ部232が一体的に形成されている。このフランジ部232は、ブッシュ233が埋設され、これを介してエンジンヘッド等に固定される。
また、頭部カバー230は、コネクタ234が設けられ、コネクタ端子244を介してイグナイタ240,コイルの巻線用端子といった部位へ電気的に接続される。本実施の形態では、コネクタ端子244として、電源端子,GND端子,信号端子等が与えられ、これらがハーネス(図示なし)を介して車載ECUに接続されている。
そして、工程3(図2(c)参照)では、頭部カバー230が高圧構造体130へ装着され、この内部に絶縁性のエポキシ樹脂が充填され硬化される。かかる工程では、頭部カバー内の高圧構造体130の周辺、中心鉄心体210の周辺、といった隙間部に、絶縁構造(エポキシ樹脂による構造)が形成されることとなる。
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る誘磁鉄心300の製造工程について説明する。先ず、面材ロールが材料供給装置にセットされ、製造ラインへ投入された面材は、図3(a)に示す如く、後段工程の進捗に応じて適宜の送り量が与えられる。ここで用いられる面材3の断面構造は、誘磁性材30からなる磁性層と、これを挟むように積層された絶縁層31と、が形成されている。
このうち、誘磁性材30は、主として珪素鋼板が用いられるが、パーマアロイといったトランスに適用できる他の材質を用いても良い。また、絶縁層31についても、エポキシ樹脂,エチレン樹脂,テフロン系樹脂,ビニル樹脂等、耐電圧及び耐熱が考慮され適宜に用いられる。
以下の説明では、この面材3について、絶縁層31を含む板厚がd1とされ、其の板幅が適宜に与えられているものとする。また、本実施の形態では、誘磁性材30の板厚d3が「d3=0.35(mm)」として説明するが、実際にはこれに限られるものでなく、使用条件に応じて適宜の板厚を選択すると良い。更に、本実施の形態では、絶縁層31の層厚Δdが「Δd=0.25(mm)」であるとする。即ち、面材3の板厚d1は、「d1=d3+2・Δd=0.4(mm)」であるとする(図4(a)参照)。
上述の如く、本実施の形態によれば、絶縁層31を積層させた材料が用いられるので、線素型鉄心の絶縁領域の形成が容易となる。特に、上述した断面構造のロール材を市販品から調達すると、其の製造工程の簡素化、材料コストの低減化が図られる。
次の工程(角材形成工程)では、先ず、シャーリング装置によって、面材3が適宜の長さ(線素の長手寸法L)で切断される。その後、同シャーリング装置は、切断された短冊状の面材3を板幅方向fyに等ピッチd2で裁断し、角柱状の線素34(誘磁線素とも呼ぶ)を複数形成させる。即ち、誘磁線素34の断面形状は、積層方向fxに板厚d1、板幅方向に板幅d2が与えられる。ここで、本実施の形態では、板厚d1と板幅d2とが同一の寸法であるとする。
尚、積層方向fxとは、面材3における主面の法線方向に一致する方向を指す。板幅方向fyとは、fx−fz面に垂直な方向(面材3が裁断される方向)を指す。また、長手方向fzは、積層方向fx及び板幅方向fyの双方に垂直となる方向を指し、本実施の形態では面材3の送り方向に略一致する。
上述した誘磁線素34は、磁性層の主面(積層方向fxを法線とする面)に絶縁層31が形成され、裁断された面に上述した積層構造が現れる(また、fx−fy面にも表れる)。このように、誘磁線素34の断面構造は、主面の一方の面に現れるエッジ(第1のエッジ)と、当該主面の他方の面に現れるエッジ(第2のエッジ)と、の双方の面に絶縁層31zが配される。この両エッジに現れる絶縁層31は、磁性層を挟んだ配置であるところ、互いに略平行な位置関係を保ち、且つ、互いが交わることなく独立した領域に形成されることとなる。以下の説明では、誘磁線素34に形成された絶縁層31を、絶縁積層体31と呼び換えることとする。
上述の如く、本実施の形態によれば、面材3を角柱状に切断するという単純な製造工程によって、線素型鉄心のユニットを形成する構造体(誘磁線素)が容易に製作される。また、面材3から線素を切り出して用いることにより、歩留りの向上にも寄与することとなる。また、この歩留りを更に向上させる為、面材3の幅寸法を適宜選択すると良い。
次の工程(角材配列工程)では、複数の線素34を配列させ、適宜の線素群35に束ねる。この線素群35は、線素の積層方向が各々定められており、異なる線素群(第1線素群A1と第2線素群A2)を混在させている。以下、線素群35の断面における紙面上下方向を列方向f1と呼び、線素群35の断面における紙面水平方向を行方向f2と呼ぶ。
こうした場合、第1線素群A1は、図3(c)に示す如く、線素34の積層方向fxが線素群35の列方向f1に一致する。一方、第2線素群A2は、線素34の積層方向fxが線素群35の行方向f2に一致する。尚、ここでの一致とは、配置上の誤差が生じ得ることから完全なる一致を指すものでなく、概ね同一方向を指していることを意味する。
そして、本実施の形態では、第1線素群A1と第2線素群A2とが混在するように、線素34が行方向f2及び列方向f1に整列され、互いが密着するように束ねられる。その後、線素群35は、角材固着工程(図3(d)参照)に投入され、全体として一体物となるように互いの線素が樹脂等で固着される。その結果、同工程では、列方向f1の寸法D1,行方向f2の寸法D2,且つ,長さ寸法Lとされた角柱体の誘磁鉄心300が形成される。
上述の如く、本実施の形態に係る誘磁鉄心300は、第1線素群A1と第2線素群A2とが混在するよう鉄心構造の線素が配列されるので、隣接する線素が異なる線素群に属していれば、其の隣接部位に絶縁構造が形成されることとなる。即ち、当該誘磁鉄心300は、異なる積層方向とされた誘磁線素群が混在・配列させることにより、誘磁線素間の絶縁構造が極めて容易に形成される。
線素34では、長手方向fzに変化する磁束に応じて渦電流が発生する。しかし、本実施の形態によると、其の渦電流は、磁性構造の領域内(即ち、板厚の寸法)に応じて制限される。このため、本実施の形態に係る誘磁鉄心の断面構造は、線素を狭い領域に隔離・分断させる絶縁構造が形成されるので、渦電流の経路が効果的に制限され、当該渦電流に伴うエネルギー損失(鉄損)が低減される。
特に、本実施の形態に係る誘磁鉄心300では、行方向f2及び列方向f1に沿って、第1線素群A1に属する線素と、第2線素群A2に属する線素と、が交互に配列される。その結果、これらの線素は、行方向f2及び列方向f1の両方向に整列された格子状の配列とされ、且つ、隣接する線素は、異なる線素群に属するものが配置される。このため、線素と線素との境界部では、図4(a)に示す如く、所定の誘磁性体30がこれに隣接する線素の絶縁積層体31によって覆われる。即ち、鉄心を構成する線素の誘磁性体30は、互いに独立して配備された自己の絶縁積層体と、境界部で隣接する絶縁積層体とによって、其の断面での四方周囲に絶縁構造が形成される。
このように、本実施の形態に係る誘磁鉄心300では、所謂「算木崩し模様」のように誘磁線素が配列されるので、隣接する線素の隙間が小さくなると、誘磁性体30の各々が周囲の絶縁積層体31によって隔離される。当該誘磁鉄心300は、斯くの如く製作が容易であると供に、線素毎に絶縁隔離されることで鉄損の抑制上有利に機能する。
また、本実施の形態では、誘磁線素群が「算木崩し状」に配列されるので、誘磁線素の寸法がこれに隣接する線素によって細分化されると供に、誘磁線素の板幅方向への寸法が其のまま誘磁性材の寸法となり誘磁性材領域の面積向上が図られる。そして、本実施の形態では、線素における絶縁層の層厚が十分小さいことと相俟って、渦電流の抑制効果と誘磁性材の占有率を向上させる効果とを両立させるというメリットがある。これにより、点火コイル10では、渦電流損の抑制効果を低下させることなく誘磁線素の占有率が向上し、所望の磁束変化、即ち、所望の昇圧電圧を出力させることが可能となる。
加えて、本実施の形態に係る誘磁鉄心300は、其の断面形状の板厚d1と板幅d2とが略一致する正四角形を呈している。このため、当該誘磁鉄心300は、行方向f2及び列方向f1の両方向について線素をズレなく整列させることが可能となり、線素を高密度に配列することが可能となる。この点からも、当該誘磁鉄心300では、誘磁性材30の占有率を向上させ、当該鉄心断面の小型化に寄与することとなる。
尚、上述した誘磁鉄心300は、線素間の境界部に僅かな隙間が形成され、其処に充填された樹脂材によって線素間の結合力が与えられている。但し、図5(a)に示す如く、線素(同図の場合、絶縁積層体31)のコーナー部にC面を形成させ、其処に充填樹脂rを充填させることでより高い結合力が得られる。
また、図5(b)に示す如く、線素間の隙間を敢えて設け、線素の境界部での絶縁作用を強化・調整させても良い。これによれば、絶縁積層体31の積層厚保が不十分な面材3を用いても、図5(b)のような構成とすることで、境界部における絶縁性能を補うことが可能となる。
加えて、図1及び図2で説明した点火コイル10によると、I字鉄心部位310の長手方向がコイルの軸方向と略一致するように配置される。従って、当該鉄心部位310は、磁束の貫通方向と線素の長手方向とが略一致する。このため、鉄心を構成する線素は、鉄心のfx方向,fy方向への性質とは対照的に、磁束を効率よく貫通させるよう機能する。
特に、本実施の形態に係る点火コイル10にあっては、外周鉄心部位320,330及びI字鉄心部位310によって閉磁路が形成されるので、磁束の通過経路が確保され、十分な出力性能を期待できる。
図4では、鉄心断面における誘磁性材の占有率について、本実施の形態に係るものと従来例に係るものとが比較されている。図4(a)に示す如く、本実施の形態に係る線素型鉄心は、線素の形状自体がパターンユニットとなり、この集合体によって鉄心断面構造の全体が形成される。ここで、線素の板厚d1及び板幅d2は一致しているものとし、誘磁性材の板厚d3は、「d1=d3+2・Δd」の関係を有するものとする。尚、Δdは、絶縁積層体31の積層厚保を指す。以下、本実施の形態に係る線素型鉄心を線素型鉄心Xと呼ぶ。また、後述する従来例の線素型鉄心について線素型鉄心Yと呼ぶ。
図4(b)には、従来例に係る線素型鉄心の断面構造が示されている。当該線素型鉄心Yは、誘磁性体に絶縁樹脂rを塗布させ、この線素を束ねて圧着させたものである。従って、角柱状の誘磁性体と、其の一辺及びこれに隣接する他辺に積層されたL字状の絶縁樹脂rとから成るパターンが、線素型鉄心Yの要素となる。即ち、線素型鉄心Yは、この要素がパターンユニットとされる。
尚、誘磁性材に渦電流が現れる条件を一致させる為、線素型鉄心Yでは、誘磁性体の板厚を線素型鉄心Xの板厚d3に一致させている。また、配列上の条件を一致させる為、パターンユニットの一辺がd4(d4=d3+Δd)である略正方形としている。また、鉄心X,Yにおける絶縁層は、共に同等の絶縁性能であるとし、其の絶縁層の層厚が等しくΔdであることとする。
先ず、線素型鉄心Xについて、パターンユニット全体の断面積に占める誘磁鉄心構造の割合Rsa(以下、占有率Rsa)を算出する。
次に、線素型鉄心Yについて、パターンユニット全体の断面積に占める誘磁鉄心構造の割合Rsb(以下、占有率Rsb)を算出する。
これを比較すると、本実施の形態に係る線素型鉄心Xの占有率Rsaの方が、線素型鉄心Yの占有率と比較して高いことが解る。このように、本実施の形態によると、鉄心断面における誘磁性材の占有率が高いことから、少ない絶縁層で効果的に線素毎に細分させていることが解る。これによると、本実施の形態に係る線素型鉄心Xは、線素毎に細分させる際、鉄心断面(fx−fy面)の寸法を小型化するのに有利となる。このメリットは、点火コイル10の頭部の小型化へ貢献することになる。
尚、従来例の線素型鉄心Yについて、誘磁性体の一辺側を延ばすことで、渦電流についての条件を略同等とさせたまま、先の占有率Rsbを向上させることも考えられる。しかし、このような線素型鉄心によると、鉄心断面が扁平してしまい、これが過ぎると点火コイルにとって不向きな形状となってしまう。この意味においても、本実施の形態に係る線素型鉄心Xは、磁性材の占有面積が高い上、上述した配列を適宜に変更させることで所望の断面形状を得ることが可能となり、設計都合上とても有意なものとされる。
10 内燃機関用点火コイル, 30 誘磁性材, 31 絶縁積層体, 32第1エッジ, 33 第2エッジ, 34線素, 35 線素群, 300 点火コイル用誘磁鉄心, fx 絶縁積層体の積層方向, fy 面材の板幅方向, fz 線素の長手方向, A1 第1線素群, A2 第2線素群, f1 列方向, f2 行方向

Claims (4)

  1. 角柱状の複数の線素を行方向及び列方向に配列させた線素群によって成り、且つ、前記線素が互いに固着され前記線素群が一体物とされた点火コイル用誘磁鉄心において、
    前記線素の断面構造は、第1エッジ及びこれに略平行な第2エッジを具備する誘磁性材と、前記第1エッジ及び前記第2エッジの各々に積層され且つ双方のエッジが互いに独立した領域を成す絶縁積層体と、から成り、
    前記線素群は、前記線素の積層方向を前記行方向へ略一致させた第1線素群と、前記線素の積層方向を前記列方向へ略一致させた第2線素群と、から成り、且つ、前記行方向及び前記列方向について、前記第1線素群の線素と前記第2線素群の線素とが交互かつ格子状の配列とされた、ことを特徴とする点火コイル用誘磁鉄心。
  2. 角柱状の複数の線素を行方向及び列方向に配列させた線素群によって成り、且つ、前記線素が互いに固着され前記線素群が一体物とされた点火コイル用誘磁鉄心において、
    前記線素の断面構造は、第1エッジ及びこれに略平行な第2エッジを具備する誘磁性材と、前記第1エッジ及び前記第2エッジの各々に積層され且つ双方のエッジが互いに独立した領域を成す絶縁積層体と、から成り、
    前記線素群は、前記線素の積層方向を前記行方向へ略一致させた第1線素群と、前記線素の積層方向を前記列方向へ略一致させた第2線素群と、から成り、
    前記線素は、前記行方向及び前記列方向より成る断面が略正方形とされた、ことを特徴とする点火コイル用誘磁鉄心。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の点火コイル用誘磁鉄心と、当該点火コイル用誘磁鉄心の長手方向に磁束変化を生じさせるコイルアセンブリと、を有することを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  4. 前記点火コイル用誘磁鉄心は、前記コイルアセンブリの巻線内部へ配置される第1の鉄心部位と、前記第1の鉄心部位に連設され且つ当該第1の鉄心部位を通過する閉磁路を形成させる第2の鉄心部位と、から成ることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関用点火コイル。
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