JP4031794B2 - 遮熱皮膜施工方法,マスキングピン及び燃焼器尾筒 - Google Patents
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Description
燃焼器尾筒103は、燃焼ガスCGを翼に導く筒体であり、その入口側(燃焼器内筒102側)は円形であるが、出口側(静翼105側)では矩形になっている。この燃焼器尾筒103を冷却するため、燃焼器尾筒103には空冷構造が採用されている。ここで、燃焼器尾筒103に採用している空冷構造を、燃焼器尾筒103の一部を切り取って表した図4、図4をA方向から見た断面図である図5、図3をB方向から見た断面図である図6を参照して説明する。
図4〜図6に示すように、燃焼器尾筒103を形成する壁面は、空気流溝1が形成された外側板2と、内側板3とを接合した二重壁構造体になっている。つまり、燃焼器尾筒103の外周側壁面が外側板2となり、内周側壁面が内側板3となり、燃焼器尾筒103の壁面内部には、燃焼ガスCGの流れ方向に伸びる複数本の空気流溝1が形成されている。更に、外側板2には、空気流溝1に連通する空気吸込穴4が形成され、内側板3には空気流溝1に連通する空気吐出穴5が形成されている。穴4,5の直径は、空気流溝1の溝幅よりも大きくなっている。しかも、空気吸込穴4と空気吐出穴5の位置がずれつつ、空気吸込穴4と空気吐出穴5は千鳥状または碁盤の目状に分散して多数形成されている。
このため圧縮機104(図3参照)から吐出した圧縮空気PAが冷却空気となり、この冷却空気が、空気吸込穴4から空気流溝1内に入って空気流溝1内を流通して燃焼器尾筒103の壁面を空気冷却する。この冷却空気は、空気吐出穴5から排出されて、燃焼器尾筒103の内部空間内に排出される。
このように、燃焼器尾筒103の内周面には、多数(例えば約600〜800個)の空気吐出穴(冷却穴)5が形成されている。このような燃焼器尾筒103の内周面には、遮熱皮膜(TBC:thermal barrier coating)が施される。この遮熱皮膜(TBC)を施す際には、空気吐出穴5が皮膜により閉塞されることを防止するため、空気吐出穴5をマスキングする必要がある。
燃焼器尾筒103の内周面に遮熱皮膜を施す手順は次の通りである。
(i)まず、尾筒内周面の空気吐出穴(冷却穴)5をマスキング材によりマスキングする。なお、現状のマスキング手法は後述する。
(ii)次に、尾筒内周面をブラスト処理して尾筒内周面を粗面化する。
(iii)粗面化した尾筒内周面に、下地金属層(アンダーコート)を溶射により形成する。
(iv)下地金属層の上に、ジルコニアを主成分とするセラミックス材料を溶射して遮熱層(トップコート)を形成する。
(v)マスキング材を取り外す。
従来のマスキング手法の一例では、燃焼器尾筒103の内周面を表す図7に示すように、冷却穴5が並んでいる帯状の領域にマスキングテープ10を貼り、溶射により遮熱皮膜を形成していた。そして皮膜形成後にマスキングテープ10を剥がしていた。したがって、図8に示すように、マスキングテープ10を剥がした跡の帯状の領域11には遮熱皮膜が形成されない。加えて、マスキングテープはブラスト用とコーティング用の2種類の貼りつけ,剥がしを行うため、これに時間を要する。
また従来のマスキング手法の他の例では、図9に示すように、燃焼器尾筒103の内周面(内側板3)に形成した冷却穴5に、マスキングピンMP1を挿入して、溶射により遮熱皮膜TBCを形成していた。マスキングピンMP1は、多数枚のマスキングテープ(ビニール系のテープ)を重ねたものを、円筒型の型により打ち抜いて円柱状にしたものであり、燃焼器尾筒103の内周側の表面(内側板3の表面)から突出している。
図9に示す例では、溶射の際に溶射角度αが存在するため、突出したマスキングピンMP1により影となる領域βができ、この影の領域βでは遮熱皮膜TBCが形成されない。また、皮膜形成後にマスキングピンMP1を引抜くと、遮熱皮膜TBCのうち黒塗りしたブリッジング部分BがマスキングピンMP1と共にはぎ取られてしまい、この部分にも遮熱皮膜TBCが形成されない。
上述したように、図7,図8に示す従来技術では、マスキングテープ10を用いてマスキングをしているため、帯状の広い領域11には遮熱皮膜が形成されていなかった。ガスタービンを長期に亘り使用すると、燃焼器尾筒103のうち遮熱皮膜が形成されていない領域11は、下地金属層(耐酸化層)が無いための酸化減肉及びメタル温度上昇による亀裂の発生や、亀裂の成長による損傷が発生しており問題となっていた。
また図9に示す従来技術では、影となる領域βや、ブリッジング部分Bがはぎ取られた部分で遮熱皮膜が形成されないため、同様に、遮熱皮膜が形成されていない部分において、メタル温度上昇による亀裂の発生や、亀裂の成長による損傷が発生しており問題となっていた。また、ビニール系のマスキングテープを重ねたマスキングピンMP1が冷却穴5内に焼きついてしまうことがあり、マスキングピンMP1を取り外すのに時間がかかっていた。
なお、マスキングピンMP1を、燃焼器尾筒103の内周面(内側板3の表面)から突出させているのは、溶射の際にマスキングピンMP1が焼け焦げて高さが低くなっても、マスキングピンMP1の取り外しを容易にすることを考慮したものである。
なお、冷却穴5に、現有のマスキング材である黒鉛棒やポリエチレン被覆銅線によるマスキングピンを挿入してマスキングすることが考えられた。しかし、現有のマスキング材である黒鉛棒やポリエチレン被覆銅線による詰物(マスキングピン)を冷却穴5に挿入しても、冷却穴5が未貫通穴であり、その穴深さが1mm程度と浅いため、処理の途中で現有の詰物が外れたり、逆に、穴に焼きついてしまい、皮膜形成後にマスキングピンを取り外すことができなかった。また燃焼器尾筒では、TBC施工後の熱処理は行わないため、マスキングピンを熱処理により焼消させることはできなかった。
上記課題を解決する本発明の遮熱皮膜施工方法の構成は、表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、前記冷却穴に、前記部材の表面から突出することのないマスキングピンを挿入してから、溶射による遮熱皮膜形成をすることを特徴とする。
また本発明の遮熱皮膜施工方法の構成は、表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、前記冷却穴に、前記部材の表面から突出することのないマスキングピンを挿入するマスキング工程と、前記部材の表面をブラスト処理して粗面化するブラスト処理工程と、粗面化した部材の表面に、溶射による遮熱皮膜形成をする遮熱皮膜形成工程とを有することを特徴とする。
また本発明の遮熱皮膜施工方法の構成は、表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、前記冷却穴に、前記部材の表面から概ね遮熱皮膜の膜厚分突出するマスキングピンを挿入してから、溶射による遮熱皮膜形成をすることを特徴とする。
また本発明の遮熱皮膜施工方法の構成は、表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、前記冷却穴に、前記部材の表面から概ね遮熱皮膜の膜厚分突出するマスキングピンを挿入するマスキング工程と、前記部材の表面をブラスト処理して粗面化するブラスト処理工程と、粗面化した部材の表面に、溶射による遮熱皮膜形成をする遮熱皮膜形成工程と、前記冷却穴周囲の遮熱皮膜の面取り工程とを有することを特徴とする。
また本発明の遮熱皮膜施工方法の構成は、表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、前記冷却穴に、前記部材の表面から突出するマスキングピンを挿入してから、溶射による遮熱皮膜形成をする遮熱皮膜施工方法において、溶射時の熱によるマスキングピンの収縮後にその突出の寸法が遮熱皮膜の膜厚分以下となるようにしたことを特徴とする。
また本発明の遮熱皮膜施工方法の構成は、表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、前記冷却穴に、前記部材の表面から突出し溶射時の熱による収縮後にその突出の寸法が遮熱皮膜の膜厚分以下となるようにしたマスキングピンを挿入するマスキング工程と、前記部材の表面をブラスト処理して粗面化するブラスト処理工程と、粗面化した部材の表面に、溶射による遮熱皮膜形成をする遮熱皮膜形成工程と、前記冷却穴周囲の遮熱皮膜の面取り工程とを有することを特徴とする。
また本発明の遮熱皮膜施工方法の構成は、前記冷却穴は、貫通していない穴、または、貫通している穴であったり、前記部材はガスタービンの燃焼器尾筒であり、前記冷却穴は前記燃焼器尾筒を形成する壁面の内周面に形成されていることを特徴とする。
また本発明の遮熱皮膜施工方法の構成は、前記マスキングピンは、耐ブラスト性に優れる弾力と、溶射による熱に耐える耐熱性と、遮熱皮膜形成後に前記冷却穴から全体が取り出せる離型性と、優れた装着性と、遮熱皮膜材が堆積することのない濡れ性を有する材料で形成されていたり、前記マスキングピンは、シリコン系のゴム弾性体で形成されていたり、前記マスキングピンは、前記冷却穴に注入した液状シリコンゴム弾性体が乾燥・硬化して形成されたものであったり、前記マスキングピンは、シリコンゴム弾性体シートを型により打ち抜いて形成したもの、若しくは金型により成形したものであることを特徴とする。
また本発明のマスキングピンは、耐ブラスト性に優れる弾力と、溶射による熱に耐える耐熱性と、遮熱皮膜形成後に前記冷却穴から全体が取り出せる離型性と、優れた装着性と、遮熱皮膜材が堆積することのない濡れ性を有する材料で形成されていたり、前記マスキングピンは、前記冷却穴に注入した液状シリコンゴム弾性体が乾燥・硬化して形成されたものであったり、前記マスキングピンは、シリコンゴム弾性体シートを型により打ち抜いて形成したもの、若しくは金型により成形したものであることを特徴とする。また前記マスキングピンの外径は、前記冷却穴径に対して略1割大きくしたものであることを特徴とする。
また本発明の燃焼器尾筒は、上述した遮熱皮膜施工方法により、内周面に遮熱皮膜が形成されていることを特徴とする。
図2はシリコンゴム弾性体シートを型により打ち抜いて形成、若しくは金型により成形したマスキングピンを用いた、本発明の実施の形態にかかる遮熱皮膜施工方法を示す説明図である。
図3はガスタービンのうち燃焼器を配置した部分を示す構成図である。
図4は燃焼器尾筒を形成する壁面の一部を切り取って示す破断斜視図である。
図5は図4をA方向から見た断面図である。
図6は図4をB方向から見た断面図である。
図7はマスキングテープによりマスキングした燃焼器尾筒の内周面を示す平面図である。
図8はマスキングテープを取り外した燃焼器尾筒の内周面を示す平面図である。
図9は従来のマスキングピンを挿入した燃焼器尾筒を示す断面図である。
図10は円板型のマスキングピンの形状を示す図である。
図11は脚付き円板型のマスキングピンの形状を示す図である。
図12は脚付き円板型で周囲に突起を設けたマスキングピンの形状を示す図である。
図13はシリコンゴム弾性体シートを型により打ち抜いて形成、若しくは金型により成形したマスキングピンを用いた、本発明の実施の形態にかかる遮熱皮膜施工方法の別の例を示す説明図である。
このマスキングピンは、次の(1)〜(4)の材料特性を有するゴム弾性体により形成した。
(1)溶射による熱に耐える耐熱性。
(2)冷却穴に挿入した後にブラスト処理をしてブラストによる振動が作用しても、冷却穴から脱落しない弾性。
(3)遮熱皮膜が形成された後に、冷却穴から容易に取り外すことができ、冷却穴に焼きつくことがない離型性。
(4)遮熱皮膜材をはじいて遮熱皮膜材が積層されることがない濡れ性(悪い濡れ性)。
上記(1)〜(4)の特性を有する材料を、実験による検証をして探したところ、液状シリコンゴム弾性体(シリコンガスケット)を乾燥・硬化させて形成したマスキングピン、または、シリコンゴム弾性体シートを型により打ち抜いて形成したマスキングピンが最適であることを突き止めた。
具体的には、液状シリコンゴム弾性体(シリコンガスケット)としては、Three Bond社製の型番1207 Fの液状シリコンゴム弾性体(その組成は、主にSi及びO、耐熱温度は250°C)が、シリコンゴム弾性体シートとしては、Three Bond社製のシリコンゴム弾性体シート(その組成は、主にSi及びO、耐熱温度は200°C)が最適であることがわかった。
液状マスキングは、種類によっては母材との密着性が高過ぎ、離型性の劣るものがあるが、そのような場合は、Si系,フッ素系の離型スプレーの使用が効果的である。
なお、液状シリコンゴム弾性体としては、上述したThree Bond社製のものにかぎらず、その組成が主にSi及びOとなっているものであれば、上述した(1)〜(4)の材料特性を有するので、このような液状シリコンゴム弾性体をマスキングピンの材料として選定することができる。
また、シリコンゴム弾性体シートとしては、上述したThree Bond社製のものにかぎらず、その組成が主にSi及びOとなっているものであれば、上述した(1)〜(4)の材料特性を有するので、このようなシリコンゴム弾性体シートをマスキングピンの材料として選定することができる。
またマスキング材料選定のために行った実験とは、燃焼器尾筒と同じ組成でなる試験片に、燃焼器尾筒に形成する空冷構造(空気流溝,空気吸込穴,空気吐出穴(冷却穴))と同様な穴を形成し、冷却穴に各種の材料を挿入して実験を行った。実験では、冷却穴に材料を挿入した試験片を大気中で10分間に亘り200°Cに加熱した後に、材料を取り出して上記特性(1)〜(4)を判断するものと、冷却穴に材料を挿入した試験片をアルゴンガス雰囲気中で1分間に亘り400°Cに加熱した後に、材料を取り出して上記特性(1)〜(4)を判断するものとを行った。これは、燃焼器尾筒に溶射をする場合には、燃焼器尾筒の母材メタルが常時200°C程度の温度になることと、溶射材料の温度(溶融粉末温度)が瞬間的に400°C程度に達することを考慮したものである。
また本実施の形態で用いるマスキングピンの寸法は、燃焼器尾筒の冷却穴に挿入した際は、コーティング厚さ程度突出しているが、コーティング後には1割程度収縮し、結果的には、燃焼器尾筒の表面(内周面)から突出しない寸法(逆に少し引っ込んだ状態)としている。
なお液状シリコンゴム弾性体では、冷却穴に注入する時には液状であるが、その後に乾燥するとともに体積収縮して硬化し、硬化したものが冷却穴に挿入されたマスキングピンとなるが、硬化後の寸法が、燃焼器尾筒の表面(内周面)から突出しない寸法となるように注入量を調整する。
次に、ガスタービンの燃焼器尾筒の壁面の内周面(内周側の表面)に、遮熱皮膜を施工する方法の一例を説明する。この例では、液状シリコンゴム弾性体を乾燥・硬化させて形成したマスキングピンを用いる。
図1Aに示すように、ガスタービンの燃焼器尾筒を形成する壁面20には、その壁面内部に空気流溝21が形成され、その内周面20inには空気流溝21に連通する冷却穴(空気吐出穴)22が形成され、その外周面20outには空気流溝21に連通する空気吸込穴(図示省略)が形成されている。冷却穴22及び空気吸込穴の穴径(直径)は、空気流溝21の溝幅よりも大きくなっている。壁面の内周面20inに遮熱皮膜を施すには、まず、図1Aに示す冷却穴22、及び、空気流溝21のうち冷却穴22に臨む部分に、離型剤(シリコンやフッ素等)を付ける。
次に、図1Bに示すように、注射器31により、冷却穴22、及び、空気流溝21のうち冷却穴22に臨む部分に液状シリコンゴム弾性体32を注入する。この液状シリコンゴム弾性体32は、具体的には、Three Bond社製の型番1207 F等の200〜250℃の耐熱を有する液状シリコンゴム弾性体である。この液状シリコンゴム弾性体32は、液状(ゲル状)となっているため、冷却穴22、及び、空気流溝21のうち冷却穴22に臨む部分に容易に注入することができる。ただし、液状シリコンゴム弾性体32は、ある程度の粘度を有しているため、空気流溝21のうち冷却穴22に臨む部分を越えて空気流溝21の内部深くに浸透することはない。
この場合、注入した液状シリコンゴム弾性体32の表面が、内周面20inに対して盛り上がった状態になるまで注入する。この注入量については、後述する。なお、注射器31の代わりにヘラ等を用いて注入することができる。いずれにしろ、注入するだけでよいので、作業は容易である。
注入した液状シリコンゴム弾性体32は、放置すると乾燥して硬化するが、乾燥・硬化するのに併せて体積収縮する。このように体積収縮して乾燥・硬化することにより、冷却穴22及び空気流溝21に挿入されたマスキングピンMP2となる(図1C参照)。この場合、マスキングピンMP2が、内周面20inから突出しないように、図1Bにおいて液状シリコンゴム弾性体32を注入する量を調整している。つまり、部材である冷却穴22の表面から突出することのないマスキングピンMP2としている。但し、材料等の条件によっては収縮し難い場合もあるので、そのときはマスキングピンMP2の表面を手で押圧して平らにしている。液状シリコンゴム注入には、一定圧力で一定量の供給が重要であり、市販されているディスペンサーの使用も効率的である。
冷却穴22及び空気流溝21の寸法には、バラツキがあるが、マスキングピンMP2は、冷却穴22及び空気流溝21に注入した液状シリコンゴム弾性体32が乾燥・硬化したものであるため、冷却穴22及び空気流溝21に緊密に挿入された状態となっている。
液状シリコンゴム弾性体32が乾燥・硬化することにより、マスキングピンMP2が挿入された状態となったら、図1Dに示すように、内周面20inに対してアルミナ(Al2O3)を吹き付けるブラスト処理をして粗面化する。このとき、マスキングピンMP2は弾性があるため、ブラスト処理によるアンカー効果が働かずその衝撃が作用しても、冷却穴22から脱落することはない。
ブラスト処理が終わったら、図1Eに示すように、内周面20inにMCrAlYを溶射して下地金属層(アンダーコート)41を形成する。このとき、マスキングピンMP2は、濡れ性が悪いので、マスキングピンMP2の上に溶射された溶射金属は、はじかれてしまい、マスキングピンMP2の上にMCrAlY溶射金属が堆積することは殆どない。また、少々堆積するケースがあったとしても、エアブローとペーパー研磨で全て除去可能である。
下地金属41の形成が終わったら、図1Fに示すように、下地金属41に、ジルコニアを主成分とするセラミックス材料を溶射して遮熱層(トップコート)42を形成する。このとき、マスキングピンMP2は、濡れ性が悪いので、マスキングピンMP2の上に溶射された溶射金属は、はじかれてしまい、マスキングピンMP2の上にセラミックス材料溶射金属が堆積することは殆どない。また、少々堆積するケースがあったとしても、エアブローとペーパー研磨で全て除去可能である。
マスキングピンMP2は、内周面20inから突出していないので、MCrAlYやセラミックス材料を溶射したときに突出部材による影ができることはなく、必要な部分全面に溶射をすることができる。つまり、内周面20inからの突出部材による溶射の影により内周面20inの周囲にセラミックス材料が溶射されない部分が生じることがなくなる。影により溶射されない部分が生じると、金属母材表面が露出して長期の使用により微小亀裂等が発生することが考えられるが、溶射の影により内周面20inの周囲にセラミックス材料が溶射されない部分が生じることがないので、耐熱性及び耐久性がよりすぐれたものとなる。
また、マスキングピンMP2は耐熱性があるので、MCrAlYやセラミックス材料を溶射したときであっても、マスキングピンMP2が焼け焦げたり溶けたりすることはない。
遮熱層42の形成が終わったら、針やピンによりマスキングピンMP2を引っ掛けて冷却穴22から取り外す。マスキングピンMP2は冷却穴22に焼きつくことがない離型性を有しているので、冷却穴22や空気流溝21内にマスキング材料が残ることなく、マスキングピンMP2の全体をきれいに取り外すことができる(図1G参照)。このとき、針やピンを用いてマスキングピンMP2を取り外すことができるので、取り外し作業は簡単にできる。
このようにして、燃焼器尾筒を形成する壁面の内周面20inに、遮熱皮膜(下地金属層41及び遮熱層42)を施すことができ、しかも、必要部分のすべての面に遮熱皮膜を施すことができる。したがって、燃焼器尾筒は遮熱皮膜により熱保護され、温度上昇による亀裂や損傷が発生することがなくなり、信頼性の高い燃焼器尾筒を製作することができる。
またマスキング作業としては、液状シリコンゴム弾性体32の注入や、針等によるマスキングピンMP2の取り外しだけであるため、比較的容易である。この取り外し用の工具としては、カエリのついた針や、グランドパッキン取り外し用パッキンツール等が有望である。また、注入にサンエイテック社製ディスペンサーを用いることで、一定圧,一定量の注入が可能となる。
次に、ガスタービンの燃焼器尾筒を形成する壁面の内周面(内周側の表面)に、遮熱皮膜を施工する方法の他の例を説明する。この例では、シリコンゴム弾性体シートを型により打ち抜いて形成したマスキングピンを用いる。この場合、打ち抜きだけでは縦断面形状が台形となるため、切断終了間際には刃を回転させている。また、ピンを大量に品質良く製造する方法として、金型を用いた成型法がある。
この方法では、図2Aに示すように、断面形状が平板又はゲタ型(又は脚付)のマスキングピンMP3を、冷却穴22、及び、空気流溝21のうち冷却穴22に臨む部分に挿入する。または、図2Bに示すように、断面形状がテーパ型のマスキングピンMP4を、冷却穴22、及び、空気流溝21のうち冷却穴22に臨む部分に挿入する。この場合、マスキングピンMP3,MP4は、壁面20の内周面20inから突出しないような寸法にしている。
マスキングピンMP3の外形形状は、冷却穴22、及び、空気流溝21のうち冷却穴22に臨む部分の空間形状に一致したものとなるように、シリコンゴム弾性体シートから型抜きしたものである。但し、ピンサイズは穴径に対して5%〜10%程度大きくしてテンションを上げ、耐ブラスト性を向上させている。ここでは穴サイズに対して大きめのピンを挿入するため、多量のピン挿入作業では時間を要し、また挿入状態にバラツキが生じる場合がでてくる。そこで、その挿入には、圧縮空気やピストンにより圧入する工具(シリンジ)を用いることも有効である。また、マスキングピンMP4の半径は、冷却穴22、及び、空気流溝21のうち冷却穴22に臨む部分の径に一致したものとなるように、シリコンゴム弾性体シートを型で打ち抜いて形成したものである。
このようなマスキングピンMP3,MP4は弾性を有しているため、冷却穴22及び空気流溝21の寸法にバラツキがあっても、弾性により冷却穴22及び空気流溝21内にフィットして挿入される。
このようにして、マスキングピンMP3またはマスキングピンMP4を、冷却穴22に挿入したら、図1Dに示すのと同様なブラスト処理による粗面化、図1Eに示すのと同様な溶射による下地金属層の形成、図1Fに示すのと同様な溶射による遮熱層の形成を行う。その後は、マスキングピンMP3またはマスキングピンMP4を、取り外し工具等で引っかけて取り外す。この場合、マスキングピン取り外し時、或いはガスタービン運転時に、周囲のコーティング端面の欠損が生じる事が考えられるので、これを防止するため、穴内に削りカスが侵入しないようにピンを穴に残した状態で、ゴム砥石等により面取りする。
マスキングピンMP3またはマスキングピンMP4は、弾性を有しているため、ブラスト処理による振動が作用しても脱落することはなく、耐熱性があるため溶射による熱に耐えることができ、濡れ性が悪いので遮熱皮膜材が堆積することはなく、離型性があるため容易に取り外すことができる。マスキングピンMP3またはマスキングピンMP4は、壁面20の内周面20inから突出しないような寸法になっているため、溶射の際に影部や悪性状部(コーティングが確実になされていない部分),ブリッジング部等ができることはなく、必要部分に遮熱皮膜を形成することができる。
このようにして、燃焼器尾筒を形成する壁面の内周面20inに、遮熱皮膜(下地金属層41及び遮熱層42)を施すことができ、しかも、必要部分のすべての面に遮熱皮膜を施すことができる。したがって、燃焼器尾筒は遮熱皮膜により熱保護され、アンダーコート(金属層)による耐酸化効果も得られ、温度上昇による亀裂や損傷が発生することがなくなり、信頼性の高い燃焼器尾筒を製作することができる。
なお、上述した実施の形態では、燃焼器尾筒の壁面に形成した未貫通の冷却穴をマスキングするものであったが、最近では燃焼器尾筒の壁面の外周面から内周面にまで貫通した冷却用の小穴を形成することがある。この貫通した小穴の径は、冷却穴の径に比べて小さいものであり、且つ穴深さは4〜5mmと深く、コーティング後の手入れが困難であった。この貫通した小穴に、本実施の形態で用いていた、マスキングピンMP2〜MP4を適用することもできる。
このような小径深穴には、挿入性の観点より液状マスキングが適しているが、注射器による注入では、表面張力のため内部まで侵入せず、溢れてしまう。そこで、一定圧,一定量の注入が可能となるディスペンサーを用いることで、安定した注入を行うことができる。
また、ガスタービンの翼にも、冷却用の貫通穴が形成されており、翼の表面に遮熱皮膜を施す際に貫通穴が塞がれないようにマスキングするためにも、本実施の形態で用いていた、マスキングピンMP2〜MP4を適用することもできる。その他、いわゆるAPS法,HVOF法による溶射皮膜を有する全ての部品に適用可能である。
また以下に、ガスタービンの燃焼器尾筒を形成する壁面の内周面(内周側の表面)に、遮熱皮膜を施工する方法の別の例を説明する。この例では、前述した例と同様にして、シリコンゴム弾性体シートを型により打ち抜いて形成したマスキングピンを用いる。マスキングピンの組成は、シロキサン結合したシリコンが主成分となっている。また、マスキング取り忘れ防止のために、周囲コーティングの白地に対して視認性を良くするため、赤に近い「べんがら色」を付けているが、その着色顔料成分は酸化鉄(Fe2O3)である。
図10〜図12は、本例のマスキングピンの形状を示す図である。まず図10は、円板型のマスキングピンMP5を示している。図10Aは正面図、図10Bは下面図である。ここでは冷却穴径(φ4)に対して、外径をφ4.40±0.05と1割大きいオーバーサイズにすることで、ゴム反撥力を利用して耐ブラスト性を向上させている。また、冷却穴径がφ3の場合に対応したマスキングピンも作成可能である。これは、以下の型式についても同様である。さらに、下面に粘着テープ(不図示)を設け、冷却穴の底面に粘着させることで効果を高めている。この場合、マスキングピンを下面が小径であるテーパ状とすると、耐ブラスト性を確保しつつ冷却穴への挿入が容易となる。
図11は、脚付き円板型のマスキングピンMP6を示している。図11Aは正面図、図11Bは下面図である。ここでは冷却穴径(φ4)に対して、円板状の本体51の外径をφ4.40±0.05と1割大きいオーバーサイズにすることで、ゴム反撥力を利用して耐ブラスト性を向上させている。さらに、本体51の下面中央より延びる円柱状の突き出しピン52を、冷却穴下部の空気流溝に挿入させることで効果を高めている。
図12は、脚付き円板型で周囲に突起を設けたマスキングピンMP7を示している。図12Aは正面図、図12Bは下面図である。ここでは冷却穴径(φ4)に対して、円板状の本体53の外径をφ4.00±0.05と同等の大きさにしているが、その周囲数ヶ所に半径がR0.5の突起55を設けている。そして、これらの突起がφ4.50±0.05の円に内接する配置とし、冷却穴径に対してオーバーサイズにすることで、ゴム反撥力を利用して耐ブラスト性を向上させている。さらに、本体53の下面中央より延びる円柱状の突き出しピン54を、冷却穴下部の空気流溝に挿入させることで効果を高めている。
なお、これら各マスキングピンのゴム硬さとしては、30〜70HS(スプリング硬さ)のものが耐ブラスト性に効果がある。特に、単純な円板型では硬さ50或いは70HS、脚付き円板型では硬さ50HSとすることが、加工性,耐熱性,耐ブラスト性の観点より優れている。
図13は、本例の遮熱皮膜施工方法を示す説明図である。ここでは上述したマスキングピンMP6を使用する場合を代表で示している。この方法では、図13Aに示すように、マスキングピンMP6を、冷却穴22及び、空気流溝21のうち冷却穴22に臨む部分に挿入する。この場合、マスキングピンMP6は、壁面20の内周面20inから概ねコーティング膜厚分突出した寸法(例えば0.4mm)にしている。
続いて、図13Bに示すように、内周面20inに対してアルミナ(Al2O3)を吹き付けるブラスト処理をして粗面化する。このとき、マスキングピンMP6は弾性があるため、ブラスト処理によるアンカー効果が働かずその衝撃が作用しても、冷却穴22から脱落することはない。
ブラスト処理が終わったら、図13Cに示すように、内周面20inにMCrAlYを溶射して下地金属層(アンダーコート)41を形成する。このとき、マスキングピンMP6は、濡れ性が悪いので、マスキングピンMP6の上に溶射された溶射金属は、はじかれてしまい、マスキングピンMP6の上にMCrAlY溶射金属が堆積することは殆どない。また、少々堆積するケースがあったとしても、エアブローとペーパー研磨で全て除去可能である。
下地金属41の形成が終わったら、図13Dに示すように、下地金属41に、ジルコニアを主成分とするセラミックス材料を溶射して遮熱層(トップコート)42を形成する。このとき、マスキングピンMP6は、濡れ性が悪いので、マスキングピンMP6の上に溶射された溶射金属は、はじかれてしまい、マスキングピンMP6の上にセラミックス材料溶射金属が堆積することは殆どない。また、少々堆積するケースがあったとしても、エアブローとペーパー研磨で全て除去可能である。
なお、コーティング施工時の熱により、マスキングピンMP6は1割程度収縮するため、コーティング最上面より例えば0.2mm程度埋没した状態になり、その後の手入れ,穴周囲の面取り作業が容易となる。若しくは、コーティング施工時の熱によるマスキングピンMP6の収縮後にその突出の寸法が遮熱皮膜の膜厚分以下となるように、収縮前の突出寸法を予め設定しておいても良い。
遮熱層42の形成が終わったら、マスキングピン上に堆積した皮膜の大半をエアブローにて除去し、マスキングピン周辺をダイヤモンドペーパーで軽く磨く。その後、図13Eに示すように、外径が10mmの球状(若しくは円柱状)のアルミナ砥粒入りゴム砥石55で、コーティングの穴周りを面取りする。その他、テーパ状のゴム砥石を使用しても良い。
このとき、ゴム砥石55の回転数は数千rpmオーダーとし、10秒程度作業を行う。この面取りにより、マスキング取り外し時の「周囲コーティング欠損」並びに「実機運転中のコーティング剥離」を低減させることができる。ここではマスキングが入ったままで手入れするのがポイントである。これにより、コーティングの削りカスが冷却穴内部に残留しなくて済む。なお、ゴム砥石を使うのは、フィッティングが良く、且つ柔らかいので、コーティング削り始め時の欠損を防止できるためである。
コーティングの穴周りの面取りが終わったら、カエリが付いたピン(釣り針状でストレート形状に近いもの)若しくはグランドパッキン取り外し用のパッキンツールにより、マスキングピンMP6を引っ掛けて冷却穴22から取り外す。マスキングピンMP6は冷却穴22に焼きつくことがない離型性を有しているので、冷却穴22や空気流溝21内にマスキング材料が残ることなく、マスキングピンMP6の全体をきれいに取り外すことができる(図13F参照)。特に、パッキンツールは螺旋状の針を有しており、ワインのコルク栓を抜く時と同じ要領で、針を回転させつつマスキングピンMP6に差し込み、引っ張ることでマスキングピンMP6を簡単に取り外すことができる。
なお、壁面のR曲げ部付近に開けられた冷却穴については、板金曲げのために穴形状が変形しており、シリコンゴム弾性体シートを型により打ち抜いて形成したマスキングピンを挿入することは難しい。故に、この部分には液状シリコンゴム弾性体を注入し、乾燥・硬化させてマスキングピンを形成すると良い。但し、液状シリコンゴム弾性体の注入はディスペンサーで行う。これにより、一定圧力,一定量のゴムを供給することが可能となる。
ところで、液状シリコンゴム弾性体(シリコンガスケット)としては、大きく分けて下記2種類がある。一つは1液型RTVシリコンゴムであり、これには脱アセトン型,脱オキシム型,脱アルコール型等がある。これらは何れも空気中の水分と反応してそれぞれの脱反応が生じ、硬化してシリコンゴムが生成される。硬化速度は空気の温度,湿度と空気への触れ方に依存するが、概ね10〜15時間程度である。また、換気による脱物質の除去も必要である。もう一つは2液型RTVシリコンゴムであり、これは硬化剤と主剤を混ぜて硬化反応によりシリコンゴムを形成する。1液型と比較して作業性は劣るが、深部硬化が可能である。
このようにして、燃焼器尾筒を形成する壁面の内周面20inに、遮熱皮膜(下地金属層41及び遮熱層42)を施すことができ、しかも、必要部分のすべての面に遮熱皮膜を施すことができる。したがって、燃焼器尾筒は遮熱皮膜により熱保護され、温度上昇による亀裂や損傷が発生することがなくなり、信頼性の高い燃焼器尾筒を製作することができる。
上記の説明により、本発明については様々な修飾や変形をすることが可能であることは明らかである。よって、本発明は、具体的な記述にとらわれることなく、付記した請求の範囲内で実施されるものと解されたい。
このように、マスキングピンが部材表面から突出していないので、溶射の際にマスキングピンによる影ができることなく、影により遮熱皮膜が形成されない部分が生じることがなくなり、部材表面の全面に遮熱皮膜を形成することができる。このため、耐熱性及び耐久性に優れたものにすることができる。また、マスキングピンの挿入により、冷却穴が遮熱皮膜により閉塞されることがなくなる。
また本発明の遮熱皮膜施工方法では、表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、前記冷却穴に、前記部材の表面から突出することのないマスキングピンを挿入するマスキング工程と、前記部材の表面をブラスト処理して粗面化するブラスト処理工程と、粗面化した部材の表面に、溶射による遮熱皮膜形成をする遮熱皮膜形成工程とを有する。
このように、ブラスト処理工程をする前にマスキングをするため、ブラスト処理により粗面化された表面を乱すことはなく、良好な遮熱皮膜の形成ができる。またマスキングピンが部材表面から突出していないので、溶射の際にマスキングピンによる影ができることなく、部材表面の全面に遮熱皮膜を形成することができる。更に、マスキングピンの挿入により、冷却穴が遮熱皮膜により閉塞されることがなくなる。
また本発明の遮熱皮膜施工方法では、表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、前記冷却穴に、前記部材の表面から概ね遮熱皮膜の膜厚分突出するマスキングピンを挿入してから、溶射による遮熱皮膜形成をするようにした。
若しくは、表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、前記冷却穴に、前記部材の表面から突出するマスキングピンを挿入してから、溶射による遮熱皮膜形成をする遮熱皮膜施工方法において、溶射時の熱によるマスキングピンの収縮後にその突出の寸法が遮熱皮膜の膜厚分以下となるようにした。
このとき、遮熱皮膜施工時の熱により、マスキングピンは1割程度収縮するため、遮熱皮膜最上面より少し埋没した状態になり、その後の手入れ,穴周囲の面取り作業が容易となる。また、マスキングピンの挿入により、冷却穴が遮熱皮膜により閉塞されることがなくなる。
また本発明の遮熱皮膜施工方法では、表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、前記冷却穴に、前記部材の表面から概ね遮熱皮膜の膜厚分突出するマスキングピンを挿入するマスキング工程と、前記部材の表面をブラスト処理して粗面化するブラスト処理工程と、粗面化した部材の表面に、溶射による遮熱皮膜形成をする遮熱皮膜形成工程と、前記冷却穴周囲の遮熱皮膜の面取り工程とを有する。
若しくは、表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、前記冷却穴に、前記部材の表面から突出し溶射時の熱による収縮後にその突出の寸法が遮熱皮膜の膜厚分以下となるようにしたマスキングピンを挿入するマスキング工程と、前記部材の表面をブラスト処理して粗面化するブラスト処理工程と、粗面化した部材の表面に、溶射による遮熱皮膜形成をする遮熱皮膜形成工程と、前記冷却穴周囲の遮熱皮膜の面取り工程とを有する。
このように、ブラスト処理工程をする前にマスキングをするため、ブラスト処理により粗面化された表面を乱すことはなく、良好な遮熱皮膜の形成ができる。また遮熱皮膜施工時の熱により、マスキングピンは1割程度収縮するため、遮熱皮膜最上面より少し埋没した状態になり、その後の手入れ,穴周囲の面取り作業が容易となる。更に、マスキングピンの挿入により、冷却穴が遮熱皮膜により閉塞されることがなくなる。
また本発明の遮熱皮膜施工方法では、前記冷却穴は、貫通していない穴、または、貫通している穴であったり、前記部材はガスタービンの燃焼器尾筒であり、前記冷却穴は前記燃焼器尾筒を形成する壁面の内周面に形成されている。このため、貫通または未貫通の冷却穴を閉塞することなく、燃焼器尾筒の内周面の全面に良好な遮熱皮膜を形成することができる。
また本発明の遮熱皮膜施工方法では、前記マスキングピンは、耐ブラスト性に優れる弾力と、溶射による熱に耐える耐熱性と、遮熱皮膜形成後に前記冷却穴から全体が取り出せる離型性と、優れた装着性と、遮熱皮膜材が堆積することのない濡れ性を有する材料で形成されていたり、前記マスキングピンは、シリコン系のゴム弾性体で形成されていたり、前記マスキングピンは、前記冷却穴に注入した液状シリコンゴム弾性体が乾燥・硬化して形成されたものであったり、前記マスキングピンは、シリコンゴム弾性体シートを型により打ち抜いて形成したものである。このため、マスキングピンが焼け焦げたり、脱落したり、焼きついたりすることなく、良好な遮熱皮膜を形成することができる。
また本発明のマスキングピンは、耐ブラスト性に優れる弾力と、溶射による熱に耐える耐熱性と、遮熱皮膜形成後に前記冷却穴から全体が取り出せる離型性と、優れた装着性と、遮熱皮膜材が堆積することのない濡れ性を有する材料で形成されていたり、前記マスキングピンは、前記冷却穴に注入した液状シリコンゴム弾性体が乾燥・硬化して形成されたものであったり、前記マスキングピンは、シリコンゴム弾性体シートを型により打ち抜いて形成したものである。このため、マスキングピンが焼け焦げたり、脱落したり、焼きついたりすることなく、良好な遮熱皮膜を形成することができる。また前記マスキングピンの外径は、前記冷却穴径に対して略1割大きくしたものである。これによりテンションを上げ、耐ブラスト性を向上させている。
また本発明の燃焼器尾筒は、上述した遮熱皮膜施工方法により、内周面に遮熱皮膜が形成されているため、メタル温度上昇による亀裂や損傷が発生することなく製品性能が向上する。
Claims (15)
- 表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、
前記冷却穴に、前記部材の表面から突出するマスキングピンを挿入してから、溶射による遮熱皮膜形成をする遮熱皮膜施工方法において、溶射時の熱によるマスキングピンの収縮後にその突出の寸法が遮熱皮膜の膜厚分以下となるようにしたことを特徴とする遮熱皮膜施工方法。 - 表面に冷却穴が形成された部材の表面に対して、溶射により遮熱皮膜を形成する遮熱皮膜施工方法であって、
前記冷却穴に、前記部材の表面から突出し溶射時の熱による収縮後にその突出の寸法が遮熱皮膜の膜厚分以下となるようにしたマスキングピンを挿入するマスキング工程と、
前記部材の表面をブラスト処理して粗面化するブラスト処理工程と、
粗面化した部材の表面に、溶射による遮熱皮膜形成をする遮熱皮膜形成工程と、
前記冷却穴周囲の遮熱皮膜の面取り工程と、
を有することを特徴とする遮熱皮膜施工方法。 - 前記冷却穴が、貫通していない穴、または、貫通している穴であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遮熱皮膜施工方法。
- 前記部材がガスタービンの燃焼器尾筒であり、
前記冷却穴が前記燃焼器尾筒を形成する壁面の内周面に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遮熱皮膜施工方法。 - 前記マスキングピンが、耐ブラスト性に優れる弾力と、溶射による熱に耐える耐熱性と、遮熱皮膜形成後に前記冷却穴から全体が取り出せる離型性と、優れた装着性と、遮熱皮膜材が堆積することのない濡れ性を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の遮熱皮膜施工方法。
- 前記マスキングピンが、シリコン系のゴム弾性体で形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遮熱皮膜施工方法。
- 前記マスキングピンが、前記冷却穴に注入した液状シリコンゴム弾性体が乾燥・硬化して形成されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遮熱皮膜施工方法。
- 前記マスキングピンが、シリコンゴム弾性体シートを型により打ち抜いて形成したもの、若しくは金型により成形したものであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遮熱皮膜施工方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の遮熱皮膜施工方法に用いるマスキングピンであって、
耐ブラスト性に優れる弾力と、溶射による熱に耐える耐熱性と、遮熱皮膜形成後に前記冷却穴から全体が取り出せる離型性と、優れた装着性と、遮熱皮膜材が堆積することのない濡れ性を有する材料で形成されていることを特徴とするマスキングピン。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遮熱皮膜施工方法に用いるマスキングピンであって、
前記冷却穴に注入した液状シリコンゴム弾性体が乾燥・硬化して形成されることを特徴とするマスキングピン。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遮熱皮膜施工方法に用いるマスキングピンであって、
シリコンゴム弾性体シートを型により打ち抜いて形成したもの、若しくは金型により成形したものであることを特徴とするマスキングピン。 - 前記冷却穴に挿入される方向に向かって突出した形状として、その断面形状がゲタ型又はテーパ型となることを特徴とする請求項11に記載のマスキングピン。
- 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の遮熱皮膜施工方法に用いるマスキングピンであって、
前記冷却穴径に対して1割大きくした外径を備えたことを特徴とするマスキングピン。 - 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の遮熱皮膜施工方法に用いるマスキングピンであって、
前記冷却穴径と同径の円板形状を有するとともに、
当該円板形状の外周に複数の突起部分を設けることで、当該突起部分に外接する円の直径を前記冷却穴径に対して1.25割大きくすることを特徴とするマスキングピン。 - 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の遮熱皮膜施工方法により、内周面に遮熱皮膜が形成されていることを特徴とする燃焼器尾筒。
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