JP4030739B2 - 自動変速機の電動式レンジ切換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マニュアルバルブの切り換えを行うマニュアルシャフトをモータで回転駆動する構成の自動変速機の電動式レンジ切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、マニュアルシャフトの角度をポテンショメータで検出し、該検出角度が要求レンジに対応する目標値になるように、前記マニュアルシャフトを回転駆動するモータをフィードバック制御する構成の自動変速機の電動式レンジ切換装置が知られている。
【0003】
特開平07−280083号公報に開示される電動式レンジ切換装置では、レンジ切り換え中に、ポテンショメータで検出されるシャフト角度の変化速度が所定値以上になったときに、ディテント機構によるシャフトの引き込み動作の開始と判断し、その後前記変化速度が微小である状態が一定時間以上継続したときに、前記一定時間内にポテンショメータで検出されたシャフト角度の平均値を、実際のレンジ位置に対応するシャフト角度検出値として学習する構成となっている。
【0004】
上記構成によって、ポテンショメータの出力値のずれによって、モータのフィードバック制御の精度が悪化することが回避される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにシャフト角度の検出値の変化速度に基づいて引き込み動作の開始を判断する構成では、角度検出信号にノイズが重畳したときに、誤判断を生じ易いという問題があった。
また、検出角度の変化速度が一定時間以上微小であるときに引き込み完了(停止状態)を判断するが、通過するレンジ位置ではマニュアルシャフトがディテント機構の遊びで停止状態になるのが10ms程度の微小時間で、然も、ディテント機構のスプリングの振動による検出角度の変動があるため、引き込み完了の判断を精度良く行うのが困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、実際のレンジ位置に対応するマニュアルシャフトの角度検出値をより精度良く学習できる自動変速機の電動式レンジ切換装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1記載の発明では、モータで回転駆動されるマニュアルシャフトを、ディテント機構により複数のレンジにそれぞれ対応する角度に位置決めするよう構成されると共に、回転角センサで検出される前記マニュアルシャフトの角度を、要求レンジに対応する目標値に一致させるべく前記モータを制御する自動変速機の電動式レンジ切換装置において、
回転角センサで検出されるマニュアルシャフトの角度が各レンジ毎に予め設定された所定範囲に入ったときの角度検出値の変化速度を求め、前記所定範囲に入った後前記変化速度を保って変化する学習用角度データを設定し、前記学習用角度データに交差する前記回転角センサによる検出角度に基づいて、前記目標値又は前記回転角センサの検出値を補正するための補正値を学習する構成とした。
【0008】
上記構成によると、レンジ切り換えに伴ってマニュアルシャフトが回転駆動され、各レンジ毎に予め設定された角度範囲内に入ると、該角度範囲への侵入時における角度変化速度が求められる。
そして、該侵入時の変化速度のまま角度が変化すると仮定した場合の時間毎の角度を示す学習用角度データが設定される。
【0009】
一方、実際の検出角度は、前記角度範囲に侵入した後で、ディテント機構の引き込み動作が開始されることで、前記侵入時の変化速度よりもより急激に増大又は減少変化するようになるが、引き込み動作が完了すると検出角度が大きく変動しない状態になり、この引き込み動作の完了状態で前記学習用角度データが検出角度に追い付いて交差することになる。
【0010】
従って、前記交差が発生した時点の検出角度が、引き込み動作完了状態での検出角度、即ち、当該レンジに対応すべき検出角度となり、該引き込み動作完了状態での検出角度に基づいて、レンジ毎の目標値又は回転角センサの検出値を補正するための補正値を学習する。
請求項2記載の発明では、回転角センサで検出されるマニュアルシャフトの角度が各レンジ毎に予め設定された所定範囲に入ったときの角度検出値の変化速度を求め、前記所定範囲に入った後前記変化速度を保って変化する学習用角度データを設定し、前記学習用角度データと前記回転角センサで検出された角度との偏差に基づき、ディテント機構によるレンジ位置へのマニュアルシャフトの引き込み動作が開始されたか否かを判別し、引き込み動作の開始が判別された後に、前記偏差に基づき引き込み動作が完了したか否かを判別し、該引き込み動作の完了が判別されたときの回転角センサによる検出角度に基づいて、目標値又は回転角センサの検出値を補正するための補正値を学習する構成とした。
【0011】
上記構成によると、実際の検出角度は、ディテント機構の引き込み動作が開始されることで、所定範囲に侵入したときの変化速度よりもより急激に増大又は減少変化するようになるから、センサによる検出角度と学習用角度データとの偏差が大きくなり、これによって引き込み動作の開始が判断される。
一方、引き込み動作が完了すると、センサによる検出角度が大きく変動しない状態になり、この引き込み動作の完了状態で前記学習用角度データが検出角度に追い付いて交差し、前記偏差はその絶対値が小さくなると共に、交差後は偏差の方向(大小関係)が逆転することになるから、このような傾向に合致しているか否かに基づいて引き込み動作の完了が判断される。
【0012】
引き込み動作完了状態での検出角度は、当該レンジに対応すべき検出角度であるから、該引き込み動作完了が判断されたときの検出角度に基づいて、レンジ毎の目標値又は回転角センサの検出値を補正するための補正値を学習する。
請求項3記載の発明では、上記請求項2の構成において、引き込み動作の完了が判別されたときの回転角センサによる検出角度と、回転角センサによる前回の検出角度との平均値を演算し、該平均値に基づいて補正値を学習する構成とした。
【0013】
上記構成によると、引き込み動作の完了が、学習用角度データと検出角度との偏差に基づいて判断されると、該判断時の検出角度をそのときのレンジに対応すべき角度とするのではなく、前回値と今回値との平均値をそのときのレンジに対応すべき角度とする。
請求項4記載の発明では、回転角センサによる検出角度の変化速度の低周波成分を抽出し、該低周波成分に基づいて学習用角度データを設定する構成とした。
【0014】
上記構成によると、検出角度の変化速度の低周波成分を抽出することで、検出角度の微振動やノイズの重畳による影響を排除し、マニュアルシャフトの角度の平均的な変化速度を求め、該変化速度から学習用角度データを設定する。
請求項5記載の発明では、前記補正値を、マニュアルシャフトの回転方向毎に個別に学習する構成とした。
【0015】
上記構成によると、マニュアルシャフトの回転方向毎に補正値を学習させ、回転方向に応じて補正に用いる補正値を使い分ける。
請求項6記載の発明では、回転角センサによる検出角度に基づいて演算された最新の補正値と前回までの制御用補正値との偏差の絶対値が所定値以上であるときに、前記制御用補正値を所定値だけ最新の補正値に近づけ、前記制御用補正値によって目標値又は回転角センサの検出値を補正する構成とした。
【0016】
上記構成によると、新たに補正値が演算される毎に、目標値又は回転角センサの検出値を補正するのに用いる補正値を最新のものに切り換えるのではなく、新たな補正値とそれまでに補正制御に用いていた制御用補正値との偏差が所定以上に拡大したときに、制御用補正値を最新の補正要求に所定値だけ近づけるようにし、最新の補正値に対して応答遅れを有して制御用補正値が近づくようにする。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、学習用角度データに対する実際の検出角度の交差に基づいて引き込み動作の完了を判断するから、引き込み完了状態の判断に継続性が要求されず、引き込み完了状態が短い時間であっても学習が可能であり、かつ、検出角度の微振動に大きな影響を受けずに補正値の学習を行わせることができるという効果がある。
【0018】
請求項2記載の発明によると、学習用角度データに対する実際の検出角度の偏差から引き込み動作を精度良く判断でき、かつ、引き込み動作の開始が判断されていることを前提に引き込み動作の完了を判断させるので、引き込み動作の完了が誤判断されることを回避でき、以って、誤学習の発生を未然に防止できるという効果がある。
【0019】
請求項3記載の発明によると、引き込み動作の完了状態に適合すべき検出角度を、完了状態での角度検出値に変動があっても、精度良く求めることができるという効果がある。
請求項4記載の発明によると、角度検出値のばらつきに影響されて、学習用角度データの設定に用いる変化速度が大きく変動することが回避され、引き込み動作がない場合に対応する学習用角度データを精度良く設定できるという効果がある。
【0020】
請求項5記載の発明によると、回転角センサがヒステリシスを有する場合であっても、各レンジに対応する検出角度を精度良く学習させることができ、回転方向によるモータ制御精度のばらつきを回避できるという効果がある。
請求項6記載の発明によると、レンジ切り換え毎に演算される補正値のばらつきによって補正制御が大きく変動することがなく、安定的でかつ高精度な補正制御を行わせることができるという効果がある。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態における自動変速機の電動式レンジ切換装置のシステム構成図である。
この図1において、車両用自動変速機1には、電動式レンジ切換装置のアクチュエータとしてのモータ2が取り付けられる。
【0022】
前記モータ2の出力軸には減速機構3が設けられ、該減速機構3を介してマニュアルシャフト4を回転駆動するよう構成される。
前記マニュアルシャフト4には、該マニュアルシャフト4を複数のレンジにそれぞれ対応する角度に位置決めするためのディテント機構5が取り付けられる。前記ディテント機構5は、マニュアルシャフト4に固定されて一体に回転するディテントレバー5A、ディテントレバー5Aの周縁に各レンジに対応して形成される切欠きに係合するローラを支持すると共に、該ローラを切欠きに向けて押圧付勢するディテントスプリング5Bなどから構成され、マニュアルシャフト4を、Pレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Dレンジ,2レンジ,1レンジのいずれかに対応する角度に位置決めする。
【0023】
前記マニュアルシャフト4の回転運動は、図示省略したマニュアルバルブ(スプールバルブ)の軸方向の動きに変換されるようになっており、マニュアルバルブが軸方向に変位することで、油圧ポートの開閉が切り換えられ、各シフトレンジを設定するための摩擦係合要素の解放・締結が制御される。
また、前記マニュアルシャフト4には、該マニュアルシャフト4(ディテントレバー5A)の角度を検出する回転角センサとしてのポテンショメータ11が備えられる一方、各レンジのいずれに切り換えられているかを検出するインヒビタースイッチ12が設けられる。
【0024】
また、運転者によって操作されるA/TセレクトレバーでP,R,N,D,2,1のいずれのレンジが選択されているかを検出するレンジセレクトスイッチ13が設けられている。
前記ポテンショメータ11,インヒビタースイッチ12及びレンジセレクトスイッチ13からの信号は、A/Tコントロールユニット(A/T C/U)20に入力される。
【0025】
前記A/Tコントロールユニット20は、レンジセレクトスイッチ13からの信号に基づき運転者が選択しているレンジを判定し、該レンジに対応する位置にマニュアルシャフト4(マニュアルバルブ)を駆動すべく、前記ポテンショメータ11で検出される実際の角度が、選択レンジに対応する目標値に一致するように、前記モータ2をフィードバック制御する。
【0026】
ここで、前記ポテンショメータ11の出力と各レンジに対応するマニュアルシャフト4の角度との相関が設計値からずれていると、上記フィードバック制御の結果、マニュアルシャフト4の角度が、レンジに対応すべき位置からずれることになってしまう。
そこで、前記A/Tコントロールユニット20は、図2,3のフローチャートに示すルーチンに従って、前記ポテンショメータ11の出力特性のずれを検出し、かつ、検出したずれ量に基づき、前記目標値を補正するための補正値を学習する。
【0027】
図2,3のフローチャートに示すルーチンは所定微小時間毎に実行され、ステップS100では、レンジ切り換えに伴って回転駆動されるときのマニュアルシャフト4の回転速度を検出する。
前記回転速度(角度の変化速度)は、本ルーチン実行周期間におけるポテンショメータ11の出力(検出角度)の変化量として求められるが、前記変化量をローパスフィルタに通過させて、低周波成分を抽出させるようにする。
【0028】
尚、図4の(B)は、ローパスフィルタで処理される前の変化速度を示し、図4(C)は、ローパスフィルタで処理された後の変化速度を示す。
ステップS101では、ポテンショメータ11による検出角度が、各レンジ毎に設定される所定範囲内であるか否かを判別する(図4(A)参照)。
検出角度が、レンジ毎の所定範囲のいずれにも該当しない場合には、ステップS102へ進み、位置学習用角度データにポテンショメータ11による検出角度をセットし、かつ、各フラグ(速度保持フラグ,引き込み検出フラグ,引き込み完了フラグ)を全て0にリセットする。
【0029】
一方、検出角度が、レンジ毎の所定範囲に含まれるようになると、ステップS103へ進み、速度保持フラグに1がセットされているか否かを判別する。
検出角度がレンジ毎の所定範囲のいずれにも含まれない場合には、前記ステップS102で、前記速度保持フラグが0にリセットされるから、レンジ毎の所定範囲に始めて入ったときには速度保持フラグ=0であり、ステップS103でNOと判断されてステップS104へ進む。
【0030】
ステップS104では、前記速度保持フラグに1をセットし、かつ、今回ステップS100で検出されたマニュアルシャフト4の回転速度、即ち、前記所定範囲に侵入したときの回転速度を、保持速度にセットする。
前記速度保持フラグに1がセットされることで、次回からは、ステップS104を迂回してステップS105へ進むことになる。
【0031】
ステップS105では、前記保持速度に基づいて位置学習用角度データを算出する。
具体的には、前回までの位置学習用角度データから、保持速度を示す前記変化量だけ変化させた値を、今回の位置学習用角度データとする。
検出角度がレンジ毎の所定範囲のいずれにも含まれないときに、ステップS102でポテンショメータ11による最新の検出角度が位置学習用角度データにセットされるが、前記レンジ毎の所定範囲に入ると、前記位置学習用角度データは、侵入時の速度(保持速度)のまま変化するものとして、実際の検出角度とは無関係に設定される。
【0032】
ステップS106では、レンジの切り換え方向がP→L方向であるか、逆向きのL→P方向であるかを判別する。
尚、本実施形態では、P→L方向がポテンショメータ11による検出角度が減少変化する方向で(図4参照)、L→P方向がポテンショメータ11による検出角度が増大変化する方向である。
【0033】
ステップS106で、制御方向がP→L方向であると判別されたとき、即ち、ポテンショメータ11による検出角度が減少変化するときには、ステップS107へ進む。
ステップS107では、位置学習用角度データとポテンショメータ11による検出角度との偏差を、
偏差=位置学習用角度データ−ポテンショメータ11による検出角度
として算出させる。
【0034】
一方、ステップS106で、制御方向がL→P方向であると判別されたとき、即ち、ポテンショメータ11による検出角度が増大変化するときには、ステップS108へ進む。
ステップS108では、位置学習用角度データとポテンショメータ11による検出角度との偏差を、
偏差=ポテンショメータ11による検出角度−位置学習用角度データ
として算出させる。
【0035】
例えば、制御方向がP→L方向であってポテンショメータ11による検出角度が減少変化するときには、ディテント機構5の引き込み動作が開始すると、角度が急激に減少変化することになり(図5参照)、一定の保持速度で変化する位置学習用角度データがポテンショメータ11による検出角度よりも大きくなり、前記偏差はプラスの値として算出される。
【0036】
逆に、制御方向がL→P方向であってポテンショメータ11による検出角度が増大変化するときには、ディテント機構5の引き込み動作によって、一定の保持速度で変化する位置学習用角度データがポテンショメータ11による検出角度よりも小さくなるから、やはり前記偏差はプラスの値として算出される。
即ち、ステップS106〜108による偏差の演算処理は、制御方向がいずれの方向であっても、引き込み動作に伴って発生する偏差がプラスの値として算出されるようにするものである。
【0037】
ステップS109では、前記偏差が予め設定された引き込み開始しきい値(>0)よりも大きくなったか否かを判別する。
前記偏差が引き込み開始しきい値よりも大きくなると、ディテント機構5の引き込み動作が開始されたものと判断し、ステップS110へ進んで、引き込み検出フラグに1をセットする。
【0038】
ステップS111では、前記引き込み検出フラグに1がセットされているか否かを判別し、引き込み検出フラグ=1であれば、ステップS112へ進む。
ステップS112では、前記偏差が予め設定された引き込み完了しきい値(<0)よりも小さいか否かを判別する。
例えば、制御方向がP→L方向であり、ポテンショメータ11による検出角度が減少変化するときには、引き込み動作が開始されることで、ポテンショメータ11による検出角度がそれまでよりも速い速度で減少するようになる結果、一定の速度で減少変化する位置学習用角度データよりもポテンショメータ11による検出角度が小さい値を示すようになる。
【0039】
しかし、引き込み動作が完了すると、ポテンショメータ11による検出角度は、略一定の値を示すようになるため(図4(A)及び図5参照)、この略一定の値を示す間に、位置学習用角度データがポテンショメータ11による検出角度を追い抜き、前記偏差がマイナスに転じることになるものであり、ポテンショメータ11による検出角度の軌跡に位置学習用角度データの軌跡が交差することになる。
【0040】
前記ステップS112における判別は、上記のようにして、位置学習用角度データがポテンショメータ11による検出角度を追い抜いた直後であるか否かを判別するものである。
ステップS112で、偏差<引き込み完了しきい値であると判別されると、ステップS113へ進み、引き込み完了フラグに1がセットされているか否かを判別する。
【0041】
引き込み完了フラグ=0であって、始めて「偏差<引き込み完了しきい値」になったときには、ステップS114〜ステップS117へ進む。
ステップS114では、前記引き込み完了フラグに1をセットし、次のステップS115では、ステップS106と同様にして制御方向の判別を行う。
ステップS115で、制御方向がP→L方向であると判別されると、ステップS116へ進んで、P→L方向用の位置学習を行い、制御方向がL→P方向であると判別されると、ステップS117へ進んで、L→P方向用の位置学習を行わせる。
【0042】
即ち、ステップS115における制御方向の判別に基づきステップS116又はステップS117へ進んで、制御方向別に、レンジ毎の角度目標値を補正するための学習補正値を学習させる。
前記ステップS116及びステップS117では同様な処理が行われ、その詳細は、図6のフローチャートは示してある。
【0043】
ステップS200では、ディテント機構5の谷位置に対応するポテンショメータ11の検出角度(ディテント谷位置角度)を、下式に従って算出する。
ディテント谷位置角度=(現在の検出角度+前回の検出角度)/2
現在のポテンショメータ11の検出角度は、図5に示すように、位置学習用角度データがポテンショメータ11の検出角度と交差した直後の値であり、前回のポテンショメータ11の検出角度は、位置学習用角度データがポテンショメータ11の検出角度と交差する直前の値になるから、現在の検出角度と前回の検出角度との平均は、位置学習用角度データがポテンショメータ11の検出角度と交差した時点における検出角度に略相当することになる。
【0044】
ステップS201では、前記ステップS200で演算したディテント谷位置角度から、当該レンジ位置における角度の基準値を減算し、該減算結果を最新学習値にセットする。
最新学習値=ディテント谷位置角度−レンジ位置基準値
前記レンジ位置基準値は、レンジ毎の角度目標値の設計値であり、上記最新学習値は、ポテンショメータ11の検出角度の設計値に対するずれ量を示すことになる。
【0045】
ステップS202では、前回までの制御用学習値とステップS201で求めた最新学習値との偏差の絶対値が、設定値よりも大きいか否かを判別する。
前記偏差の絶対値が設定値よりも大きい場合には、ステップS203へ進み、前回までの制御用学習値を所定値だけ最新学習値に近づける更新処理を行う。
前記制御用学習値とは、レンジ毎の角度目標値(レンジ位置基準値)を補正するのに用いる学習値であって、該制御用学習値で補正した目標値に、ポテンショメータ11の検出角度が一致するように、前記モータ2をフィードバック制御する。
【0046】
レンジ目標値=制御用学習値+レンジ位置基準値
尚、前記制御用学習値は、前述のようにマニュアルシャフト4の回転方向毎に学習され、補正は、そのときの回転方向に対応する補正値を用いて行われる。
前記制御用学習値と、ポテンショメータ11の検出角度のずれ量を示す最新学習値との偏差が大きい場合には、前回までの制御用学習値をそのまま継続して用いた場合、マニュアルシャフト4を要求レンジに対応する位置に精度良く制御することができなくなってしまう可能性がある。
【0047】
但し、前記最新学習値にはばらつきが生じるから、最新学習値をそのまま制御用学習値とすると、誤学習によって目標値が急変する可能性があるので、制御用学習値を最新学習値に向けて徐々に近づけることで、誤学習による目標値の急変を回避するようにしてある。
尚、ポテンショメータ11の角度検出の特性は全体的にシフトするので、前記制御用学習値は、全レンジの目標値の補正に用いる。
【0048】
また、上記実施形態では、前記制御用学習値によって角度目標値を補正する構成としたが、目標値(レンジ位置基準値)と比較させるポテンショメータ11の検出角度を、前記制御用学習値によって補正する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における自動変速機の電動式レンジ切換装置を示すシステム構成図。
【図2】実施の形態においてポテンショメータの出力特性のずれを補正するための補正値の学習を示すフローチャート。
【図3】図2と共に、前記補正値の学習を示すフローチャート。
【図4】実施形態において学習に用いるパラメータの特性を示すタイムチャート。
【図5】図4(A)のX部分の拡大図。
【図6】実施形態における制御用学習値の更新処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…自動変速機
2…モータ
3…減速機構
4…マニュアルシャフト
5…ディテント機構
11…ポテンショメータ
12…インヒビタースイッチ
13…レンジセレクトスイッチ
20…A/Tコントロールユニット

Claims (6)

  1. モータで回転駆動されるマニュアルシャフトを、ディテント機構により複数のレンジにそれぞれ対応する角度に位置決めするよう構成されると共に、
    回転角センサで検出される前記マニュアルシャフトの角度を、要求レンジに対応する目標値に一致させるべく前記モータを制御する自動変速機の電動式レンジ切換装置において、
    前記回転角センサで検出される角度が各レンジ毎に予め設定された所定範囲に入ったときの角度検出値の変化速度を求め、前記所定範囲に入った後前記変化速度を保って変化する学習用角度データを設定し、前記学習用角度データに交差する前記回転角センサによる検出角度に基づいて、前記目標値又は前記回転角センサの検出値を補正するための補正値を学習することを特徴とする自動変速機の電動式レンジ切換装置。
  2. モータで回転駆動されるマニュアルシャフトを、ディテント機構により複数のレンジにそれぞれ対応する角度に位置決めするよう構成されると共に、
    回転角センサで検出される前記マニュアルシャフトの角度を、要求レンジに対応する目標値に一致させるべく前記モータを制御する自動変速機の電動式レンジ切換装置において、
    前記回転角センサで検出される角度が各レンジ毎に予め設定された所定範囲に入ったときの角度検出値の変化速度を求め、前記所定範囲に入った後前記変化速度を保って変化する学習用角度データを設定し、
    前記学習用角度データと前記回転角センサで検出された角度との偏差に基づき、前記ディテント機構によるレンジ位置への前記マニュアルシャフトの引き込み動作が開始されたか否かを判別し、
    前記引き込み動作の開始が判別された後に、前記偏差に基づき前記引き込み動作が完了したか否かを判別し、
    該引き込み動作の完了が判別されたときの前記回転角センサによる検出角度に基づいて、前記目標値又は前記回転角センサの検出値を補正するための補正値を学習することを特徴とする自動変速機の電動式レンジ切換装置。
  3. 前記引き込み動作の完了が判別されたときの前記回転角センサによる検出角度と、前記回転角センサによる前回の検出角度との平均値を演算し、該平均値に基づいて前記補正値を学習することを特徴とする請求項2記載の自動変速機の電動式レンジ切換装置。
  4. 前記回転角センサによる検出角度の変化速度の低周波成分を抽出し、該低周波成分に基づいて前記学習用角度データを設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動変速機の電動式レンジ切換装置。
  5. 前記補正値を、前記マニュアルシャフトの回転方向毎に個別に学習することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の自動変速機の電動式レンジ切換装置。
  6. 前記回転角センサによる検出角度に基づいて演算された最新の補正値と前回までの制御用補正値との偏差の絶対値が所定値以上であるときに、前記制御用補正値を所定値だけ最新の補正値に近づけ、前記制御用補正値によって前記目標値又は前記回転角センサの検出値を補正することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の自動変速機の電動式レンジ切換装置。
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