JP2003113936A - 自動変速機の電動式レンジ切換装置 - Google Patents

自動変速機の電動式レンジ切換装置

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JP2003113936A
JP2003113936A JP2001304884A JP2001304884A JP2003113936A JP 2003113936 A JP2003113936 A JP 2003113936A JP 2001304884 A JP2001304884 A JP 2001304884A JP 2001304884 A JP2001304884 A JP 2001304884A JP 2003113936 A JP2003113936 A JP 2003113936A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マニュアルシャフトの角度を検出するポテンシ
ョメータの出力特性のずれを学習し、マニュアルシャフ
トの回転制御の精度を向上させる。 【解決手段】レンジ毎に設定される所定範囲内にポテン
ショメータの検出角度が入ったときに、そのときの角度
の変化速度を演算し、その後、前記変化速度を維持して
変化する位置学習用角度データを設定する。そして、位
置学習用角度データとポテンショメータの検出角度との
偏差に基づいて、マニュアルシャフトの位置決めを行う
ディテント機構による引き込み動作の開始及び完了を判
断する。前記引き込み動作の完了が判断されたときの検
出角度と前回の検出角度との平均値を、引き込み動作の
完了時に対応する検出角度として求め、該検出角度に基
づいて、レンジ毎の角度目標を補正するための補正値を
学習する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マニュアルバルブ
の切り換えを行うマニュアルシャフトをモータで回転駆
動する構成の自動変速機の電動式レンジ切換装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、マニュアルシャフトの角度を
ポテンショメータで検出し、該検出角度が要求レンジに
対応する目標値になるように、前記マニュアルシャフト
を回転駆動するモータをフィードバック制御する構成の
自動変速機の電動式レンジ切換装置が知られている。
【0003】特開平07−280083号公報に開示さ
れる電動式レンジ切換装置では、レンジ切り換え中に、
ポテンショメータで検出されるシャフト角度の変化速度
が所定値以上になったときに、ディテント機構によるシ
ャフトの引き込み動作の開始と判断し、その後前記変化
速度が微小である状態が一定時間以上継続したときに、
前記一定時間内にポテンショメータで検出されたシャフ
ト角度の平均値を、実際のレンジ位置に対応するシャフ
ト角度検出値として学習する構成となっている。
【0004】上記構成によって、ポテンショメータの出
力値のずれによって、モータのフィードバック制御の精
度が悪化することが回避される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
にシャフト角度の検出値の変化速度に基づいて引き込み
動作の開始を判断する構成では、角度検出信号にノイズ
が重畳したときに、誤判断を生じ易いという問題があっ
た。また、検出角度の変化速度が一定時間以上微小であ
るときに引き込み完了(停止状態)を判断するが、通過
するレンジ位置ではマニュアルシャフトがディテント機
構の遊びで停止状態になるのが10ms程度の微小時間
で、然も、ディテント機構のスプリングの振動による検
出角度の変動があるため、引き込み完了の判断を精度良
く行うのが困難であるという問題があった。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、実際のレンジ位置に対応するマニュアルシャフト
の角度検出値をより精度良く学習できる自動変速機の電
動式レンジ切換装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのため、請求項1記載
の発明では、モータで回転駆動されるマニュアルシャフ
トを、ディテント機構により複数のレンジにそれぞれ対
応する角度に位置決めするよう構成されると共に、回転
角センサで検出される前記マニュアルシャフトの角度
を、要求レンジに対応する目標値に一致させるべく前記
モータを制御する自動変速機の電動式レンジ切換装置に
おいて、回転角センサで検出されるマニュアルシャフト
の角度が各レンジ毎に予め設定された所定範囲に入った
ときの角度検出値の変化速度を求め、前記所定範囲に入
った後前記変化速度を保って変化する学習用角度データ
を設定し、前記学習用角度データに交差する前記回転角
センサによる検出角度に基づいて、前記目標値又は前記
回転角センサの検出値を補正するための補正値を学習す
る構成とした。
【0008】上記構成によると、レンジ切り換えに伴っ
てマニュアルシャフトが回転駆動され、各レンジ毎に予
め設定された角度範囲内に入ると、該角度範囲への侵入
時における角度変化速度が求められる。そして、該侵入
時の変化速度のまま角度が変化すると仮定した場合の時
間毎の角度を示す学習用角度データが設定される。
【0009】一方、実際の検出角度は、前記角度範囲に
侵入した後で、ディテント機構の引き込み動作が開始さ
れることで、前記侵入時の変化速度よりもより急激に増
大又は減少変化するようになるが、引き込み動作が完了
すると検出角度が大きく変動しない状態になり、この引
き込み動作の完了状態で前記学習用角度データが検出角
度に追い付いて交差することになる。
【0010】従って、前記交差が発生した時点の検出角
度が、引き込み動作完了状態での検出角度、即ち、当該
レンジに対応すべき検出角度となり、該引き込み動作完
了状態での検出角度に基づいて、レンジ毎の目標値又は
回転角センサの検出値を補正するための補正値を学習す
る。請求項2記載の発明では、回転角センサで検出され
るマニュアルシャフトの角度が各レンジ毎に予め設定さ
れた所定範囲に入ったときの角度検出値の変化速度を求
め、前記所定範囲に入った後前記変化速度を保って変化
する学習用角度データを設定し、前記学習用角度データ
と前記回転角センサで検出された角度との偏差に基づ
き、ディテント機構によるレンジ位置へのマニュアルシ
ャフトの引き込み動作が開始されたか否かを判別し、引
き込み動作の開始が判別された後に、前記偏差に基づき
引き込み動作が完了したか否かを判別し、該引き込み動
作の完了が判別されたときの回転角センサによる検出角
度に基づいて、目標値又は回転角センサの検出値を補正
するための補正値を学習する構成とした。
【0011】上記構成によると、実際の検出角度は、デ
ィテント機構の引き込み動作が開始されることで、所定
範囲に侵入したときの変化速度よりもより急激に増大又
は減少変化するようになるから、センサによる検出角度
と学習用角度データとの偏差が大きくなり、これによっ
て引き込み動作の開始が判断される。一方、引き込み動
作が完了すると、センサによる検出角度が大きく変動し
ない状態になり、この引き込み動作の完了状態で前記学
習用角度データが検出角度に追い付いて交差し、前記偏
差はその絶対値が小さくなると共に、交差後は偏差の方
向(大小関係)が逆転することになるから、このような
傾向に合致しているか否かに基づいて引き込み動作の完
了が判断される。
【0012】引き込み動作完了状態での検出角度は、当
該レンジに対応すべき検出角度であるから、該引き込み
動作完了が判断されたときの検出角度に基づいて、レン
ジ毎の目標値又は回転角センサの検出値を補正するため
の補正値を学習する。請求項3記載の発明では、上記請
求項2の構成において、引き込み動作の完了が判別され
たときの回転角センサによる検出角度と、回転角センサ
による前回の検出角度との平均値を演算し、該平均値に
基づいて補正値を学習する構成とした。
【0013】上記構成によると、引き込み動作の完了
が、学習用角度データと検出角度との偏差に基づいて判
断されると、該判断時の検出角度をそのときのレンジに
対応すべき角度とするのではなく、前回値と今回値との
平均値をそのときのレンジに対応すべき角度とする。請
求項4記載の発明では、回転角センサによる検出角度の
変化速度の低周波成分を抽出し、該低周波成分に基づい
て学習用角度データを設定する構成とした。
【0014】上記構成によると、検出角度の変化速度の
低周波成分を抽出することで、検出角度の微振動やノイ
ズの重畳による影響を排除し、マニュアルシャフトの角
度の平均的な変化速度を求め、該変化速度から学習用角
度データを設定する。請求項5記載の発明では、前記補
正値を、マニュアルシャフトの回転方向毎に個別に学習
する構成とした。
【0015】上記構成によると、マニュアルシャフトの
回転方向毎に補正値を学習させ、回転方向に応じて補正
に用いる補正値を使い分ける。請求項6記載の発明で
は、回転角センサによる検出角度に基づいて演算された
最新の補正値と前回までの制御用補正値との偏差の絶対
値が所定値以上であるときに、前記制御用補正値を所定
値だけ最新の補正値に近づけ、前記制御用補正値によっ
て目標値又は回転角センサの検出値を補正する構成とし
た。
【0016】上記構成によると、新たに補正値が演算さ
れる毎に、目標値又は回転角センサの検出値を補正する
のに用いる補正値を最新のものに切り換えるのではな
く、新たな補正値とそれまでに補正制御に用いていた制
御用補正値との偏差が所定以上に拡大したときに、制御
用補正値を最新の補正要求に所定値だけ近づけるように
し、最新の補正値に対して応答遅れを有して制御用補正
値が近づくようにする。
【0017】
【発明の効果】請求項1記載の発明によると、学習用角
度データに対する実際の検出角度の交差に基づいて引き
込み動作の完了を判断するから、引き込み完了状態の判
断に継続性が要求されず、引き込み完了状態が短い時間
であっても学習が可能であり、かつ、検出角度の微振動
に大きな影響を受けずに補正値の学習を行わせることが
できるという効果がある。
【0018】請求項2記載の発明によると、学習用角度
データに対する実際の検出角度の偏差から引き込み動作
を精度良く判断でき、かつ、引き込み動作の開始が判断
されていることを前提に引き込み動作の完了を判断させ
るので、引き込み動作の完了が誤判断されることを回避
でき、以って、誤学習の発生を未然に防止できるという
効果がある。
【0019】請求項3記載の発明によると、引き込み動
作の完了状態に適合すべき検出角度を、完了状態での角
度検出値に変動があっても、精度良く求めることができ
るという効果がある。請求項4記載の発明によると、角
度検出値のばらつきに影響されて、学習用角度データの
設定に用いる変化速度が大きく変動することが回避さ
れ、引き込み動作がない場合に対応する学習用角度デー
タを精度良く設定できるという効果がある。
【0020】請求項5記載の発明によると、回転角セン
サがヒステリシスを有する場合であっても、各レンジに
対応する検出角度を精度良く学習させることができ、回
転方向によるモータ制御精度のばらつきを回避できると
いう効果がある。請求項6記載の発明によると、レンジ
切り換え毎に演算される補正値のばらつきによって補正
制御が大きく変動することがなく、安定的でかつ高精度
な補正制御を行わせることができるという効果がある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。図1は、実施の形態における自動変速機の電動式
レンジ切換装置のシステム構成図である。この図1にお
いて、車両用自動変速機1には、電動式レンジ切換装置
のアクチュエータとしてのモータ2が取り付けられる。
【0022】前記モータ2の出力軸には減速機構3が設
けられ、該減速機構3を介してマニュアルシャフト4を
回転駆動するよう構成される。前記マニュアルシャフト
4には、該マニュアルシャフト4を複数のレンジにそれ
ぞれ対応する角度に位置決めするためのディテント機構
5が取り付けられる。前記ディテント機構5は、マニュ
アルシャフト4に固定されて一体に回転するディテント
レバー5A、ディテントレバー5Aの周縁に各レンジに
対応して形成される切欠きに係合するローラを支持する
と共に、該ローラを切欠きに向けて押圧付勢するディテ
ントスプリング5Bなどから構成され、マニュアルシャ
フト4を、Pレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Dレンジ,
2レンジ,1レンジのいずれかに対応する角度に位置決
めする。
【0023】前記マニュアルシャフト4の回転運動は、
図示省略したマニュアルバルブ(スプールバルブ)の軸
方向の動きに変換されるようになっており、マニュアル
バルブが軸方向に変位することで、油圧ポートの開閉が
切り換えられ、各シフトレンジを設定するための摩擦係
合要素の解放・締結が制御される。また、前記マニュア
ルシャフト4には、該マニュアルシャフト4(ディテン
トレバー5A)の角度を検出する回転角センサとしての
ポテンショメータ11が備えられる一方、各レンジのい
ずれに切り換えられているかを検出するインヒビタース
イッチ12が設けられる。
【0024】また、運転者によって操作されるA/Tセ
レクトレバーでP,R,N,D,2,1のいずれのレン
ジが選択されているかを検出するレンジセレクトスイッ
チ13が設けられている。前記ポテンショメータ11,
インヒビタースイッチ12及びレンジセレクトスイッチ
13からの信号は、A/Tコントロールユニット(A/
T C/U)20に入力される。
【0025】前記A/Tコントロールユニット20は、
レンジセレクトスイッチ13からの信号に基づき運転者
が選択しているレンジを判定し、該レンジに対応する位
置にマニュアルシャフト4(マニュアルバルブ)を駆動
すべく、前記ポテンショメータ11で検出される実際の
角度が、選択レンジに対応する目標値に一致するよう
に、前記モータ2をフィードバック制御する。
【0026】ここで、前記ポテンショメータ11の出力
と各レンジに対応するマニュアルシャフト4の角度との
相関が設計値からずれていると、上記フィードバック制
御の結果、マニュアルシャフト4の角度が、レンジに対
応すべき位置からずれることになってしまう。そこで、
前記A/Tコントロールユニット20は、図2,3のフ
ローチャートに示すルーチンに従って、前記ポテンショ
メータ11の出力特性のずれを検出し、かつ、検出した
ずれ量に基づき、前記目標値を補正するための補正値を
学習する。
【0027】図2,3のフローチャートに示すルーチン
は所定微小時間毎に実行され、ステップS100では、
レンジ切り換えに伴って回転駆動されるときのマニュア
ルシャフト4の回転速度を検出する。前記回転速度(角
度の変化速度)は、本ルーチン実行周期間におけるポテ
ンショメータ11の出力(検出角度)の変化量として求
められるが、前記変化量をローパスフィルタに通過させ
て、低周波成分を抽出させるようにする。
【0028】尚、図4の(B)は、ローパスフィルタで
処理される前の変化速度を示し、図4(C)は、ローパ
スフィルタで処理された後の変化速度を示す。ステップ
S101では、ポテンショメータ11による検出角度
が、各レンジ毎に設定される所定範囲内であるか否かを
判別する(図4(A)参照)。検出角度が、レンジ毎の
所定範囲のいずれにも該当しない場合には、ステップS
102へ進み、位置学習用角度データにポテンショメー
タ11による検出角度をセットし、かつ、各フラグ(速
度保持フラグ,引き込み検出フラグ,引き込み完了フラ
グ)を全て0にリセットする。
【0029】一方、検出角度が、レンジ毎の所定範囲に
含まれるようになると、ステップS103へ進み、速度
保持フラグに1がセットされているか否かを判別する。
検出角度がレンジ毎の所定範囲のいずれにも含まれない
場合には、前記ステップS102で、前記速度保持フラ
グが0にリセットされるから、レンジ毎の所定範囲に始
めて入ったときには速度保持フラグ=0であり、ステッ
プS103でNOと判断されてステップS104へ進
む。
【0030】ステップS104では、前記速度保持フラ
グに1をセットし、かつ、今回ステップS100で検出
されたマニュアルシャフト4の回転速度、即ち、前記所
定範囲に侵入したときの回転速度を、保持速度にセット
する。前記速度保持フラグに1がセットされることで、
次回からは、ステップS104を迂回してステップS1
05へ進むことになる。
【0031】ステップS105では、前記保持速度に基
づいて位置学習用角度データを算出する。具体的には、
前回までの位置学習用角度データから、保持速度を示す
前記変化量だけ変化させた値を、今回の位置学習用角度
データとする。検出角度がレンジ毎の所定範囲のいずれ
にも含まれないときに、ステップS102でポテンショ
メータ11による最新の検出角度が位置学習用角度デー
タにセットされるが、前記レンジ毎の所定範囲に入る
と、前記位置学習用角度データは、侵入時の速度(保持
速度)のまま変化するものとして、実際の検出角度とは
無関係に設定される。
【0032】ステップS106では、レンジの切り換え
方向がP→L方向であるか、逆向きのL→P方向である
かを判別する。尚、本実施形態では、P→L方向がポテ
ンショメータ11による検出角度が減少変化する方向で
(図4参照)、L→P方向がポテンショメータ11によ
る検出角度が増大変化する方向である。
【0033】ステップS106で、制御方向がP→L方
向であると判別されたとき、即ち、ポテンショメータ1
1による検出角度が減少変化するときには、ステップS
107へ進む。ステップS107では、位置学習用角度
データとポテンショメータ11による検出角度との偏差
を、 偏差=位置学習用角度データ−ポテンショメータ11に
よる検出角度 として算出させる。
【0034】一方、ステップS106で、制御方向がL
→P方向であると判別されたとき、即ち、ポテンショメ
ータ11による検出角度が増大変化するときには、ステ
ップS108へ進む。ステップS108では、位置学習
用角度データとポテンショメータ11による検出角度と
の偏差を、 偏差=ポテンショメータ11による検出角度−位置学習
用角度データとして算出させる。
【0035】例えば、制御方向がP→L方向であってポ
テンショメータ11による検出角度が減少変化するとき
には、ディテント機構5の引き込み動作が開始すると、
角度が急激に減少変化することになり(図5参照)、一
定の保持速度で変化する位置学習用角度データがポテン
ショメータ11による検出角度よりも大きくなり、前記
偏差はプラスの値として算出される。
【0036】逆に、制御方向がL→P方向であってポテ
ンショメータ11による検出角度が増大変化するときに
は、ディテント機構5の引き込み動作によって、一定の
保持速度で変化する位置学習用角度データがポテンショ
メータ11による検出角度よりも小さくなるから、やは
り前記偏差はプラスの値として算出される。即ち、ステ
ップS106〜108による偏差の演算処理は、制御方
向がいずれの方向であっても、引き込み動作に伴って発
生する偏差がプラスの値として算出されるようにするも
のである。
【0037】ステップS109では、前記偏差が予め設
定された引き込み開始しきい値(>0)よりも大きくな
ったか否かを判別する。前記偏差が引き込み開始しきい
値よりも大きくなると、ディテント機構5の引き込み動
作が開始されたものと判断し、ステップS110へ進ん
で、引き込み検出フラグに1をセットする。
【0038】ステップS111では、前記引き込み検出
フラグに1がセットされているか否かを判別し、引き込
み検出フラグ=1であれば、ステップS112へ進む。
ステップS112では、前記偏差が予め設定された引き
込み完了しきい値(<0)よりも小さいか否かを判別す
る。例えば、制御方向がP→L方向であり、ポテンショ
メータ11による検出角度が減少変化するときには、引
き込み動作が開始されることで、ポテンショメータ11
による検出角度がそれまでよりも速い速度で減少するよ
うになる結果、一定の速度で減少変化する位置学習用角
度データよりもポテンショメータ11による検出角度が
小さい値を示すようになる。
【0039】しかし、引き込み動作が完了すると、ポテ
ンショメータ11による検出角度は、略一定の値を示す
ようになるため(図4(A)及び図5参照)、この略一
定の値を示す間に、位置学習用角度データがポテンショ
メータ11による検出角度を追い抜き、前記偏差がマイ
ナスに転じることになるものであり、ポテンショメータ
11による検出角度の軌跡に位置学習用角度データの軌
跡が交差することになる。
【0040】前記ステップS112における判別は、上
記のようにして、位置学習用角度データがポテンショメ
ータ11による検出角度を追い抜いた直後であるか否か
を判別するものである。ステップS112で、偏差<引
き込み完了しきい値であると判別されると、ステップS
113へ進み、引き込み完了フラグに1がセットされて
いるか否かを判別する。
【0041】引き込み完了フラグ=0であって、始めて
「偏差<引き込み完了しきい値」になったときには、ス
テップS114〜ステップS117へ進む。ステップS
114では、前記引き込み完了フラグに1をセットし、
次のステップS115では、ステップS106と同様に
して制御方向の判別を行う。ステップS115で、制御
方向がP→L方向であると判別されると、ステップS1
16へ進んで、P→L方向用の位置学習を行い、制御方
向がL→P方向であると判別されると、ステップS11
7へ進んで、L→P方向用の位置学習を行わせる。
【0042】即ち、ステップS115における制御方向
の判別に基づきステップS116又はステップS117
へ進んで、制御方向別に、レンジ毎の角度目標値を補正
するための学習補正値を学習させる。前記ステップS1
16及びステップS117では同様な処理が行われ、そ
の詳細は、図6のフローチャートは示してある。
【0043】ステップS200では、ディテント機構5
の谷位置に対応するポテンショメータ11の検出角度
(ディテント谷位置角度)を、下式に従って算出する。 ディテント谷位置角度=(現在の検出角度+前回の検出
角度)/2 現在のポテンショメータ11の検出角度は、図5に示す
ように、位置学習用角度データがポテンショメータ11
の検出角度と交差した直後の値であり、前回のポテンシ
ョメータ11の検出角度は、位置学習用角度データがポ
テンショメータ11の検出角度と交差する直前の値にな
るから、現在の検出角度と前回の検出角度との平均は、
位置学習用角度データがポテンショメータ11の検出角
度と交差した時点における検出角度に略相当することに
なる。
【0044】ステップS201では、前記ステップS2
00で演算したディテント谷位置角度から、当該レンジ
位置における角度の基準値を減算し、該減算結果を最新
学習値にセットする。 最新学習値=ディテント谷位置角度−レンジ位置基準値 前記レンジ位置基準値は、レンジ毎の角度目標値の設計
値であり、上記最新学習値は、ポテンショメータ11の
検出角度の設計値に対するずれ量を示すことになる。
【0045】ステップS202では、前回までの制御用
学習値とステップS201で求めた最新学習値との偏差
の絶対値が、設定値よりも大きいか否かを判別する。前
記偏差の絶対値が設定値よりも大きい場合には、ステッ
プS203へ進み、前回までの制御用学習値を所定値だ
け最新学習値に近づける更新処理を行う。前記制御用学
習値とは、レンジ毎の角度目標値(レンジ位置基準値)
を補正するのに用いる学習値であって、該制御用学習値
で補正した目標値に、ポテンショメータ11の検出角度
が一致するように、前記モータ2をフィードバック制御
する。
【0046】 レンジ目標値=制御用学習値+レンジ位置基準値 尚、前記制御用学習値は、前述のようにマニュアルシャ
フト4の回転方向毎に学習され、補正は、そのときの回
転方向に対応する補正値を用いて行われる。前記制御用
学習値と、ポテンショメータ11の検出角度のずれ量を
示す最新学習値との偏差が大きい場合には、前回までの
制御用学習値をそのまま継続して用いた場合、マニュア
ルシャフト4を要求レンジに対応する位置に精度良く制
御することができなくなってしまう可能性がある。
【0047】但し、前記最新学習値にはばらつきが生じ
るから、最新学習値をそのまま制御用学習値とすると、
誤学習によって目標値が急変する可能性があるので、制
御用学習値を最新学習値に向けて徐々に近づけること
で、誤学習による目標値の急変を回避するようにしてあ
る。尚、ポテンショメータ11の角度検出の特性は全体
的にシフトするので、前記制御用学習値は、全レンジの
目標値の補正に用いる。
【0048】また、上記実施形態では、前記制御用学習
値によって角度目標値を補正する構成としたが、目標値
(レンジ位置基準値)と比較させるポテンショメータ1
1の検出角度を、前記制御用学習値によって補正する構
成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における自動変速機の電動式レンジ
切換装置を示すシステム構成図。
【図2】実施の形態においてポテンショメータの出力特
性のずれを補正するための補正値の学習を示すフローチ
ャート。
【図3】図2と共に、前記補正値の学習を示すフローチ
ャート。
【図4】実施形態において学習に用いるパラメータの特
性を示すタイムチャート。
【図5】図4(A)のX部分の拡大図。
【図6】実施形態における制御用学習値の更新処理を示
すフローチャート。
【符号の説明】
1…自動変速機 2…モータ 3…減速機構 4…マニュアルシャフト 5…ディテント機構 11…ポテンショメータ 12…インヒビタースイッチ 13…レンジセレクトスイッチ 20…A/Tコントロールユニット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータで回転駆動されるマニュアルシャフ
    トを、ディテント機構により複数のレンジにそれぞれ対
    応する角度に位置決めするよう構成されると共に、 回転角センサで検出される前記マニュアルシャフトの角
    度を、要求レンジに対応する目標値に一致させるべく前
    記モータを制御する自動変速機の電動式レンジ切換装置
    において、 前記回転角センサで検出される角度が各レンジ毎に予め
    設定された所定範囲に入ったときの角度検出値の変化速
    度を求め、前記所定範囲に入った後前記変化速度を保っ
    て変化する学習用角度データを設定し、前記学習用角度
    データに交差する前記回転角センサによる検出角度に基
    づいて、前記目標値又は前記回転角センサの検出値を補
    正するための補正値を学習することを特徴とする自動変
    速機の電動式レンジ切換装置。
  2. 【請求項2】モータで回転駆動されるマニュアルシャフ
    トを、ディテント機構により複数のレンジにそれぞれ対
    応する角度に位置決めするよう構成されると共に、 回転角センサで検出される前記マニュアルシャフトの角
    度を、要求レンジに対応する目標値に一致させるべく前
    記モータを制御する自動変速機の電動式レンジ切換装置
    において、 前記回転角センサで検出される角度が各レンジ毎に予め
    設定された所定範囲に入ったときの角度検出値の変化速
    度を求め、前記所定範囲に入った後前記変化速度を保っ
    て変化する学習用角度データを設定し、 前記学習用角度データと前記回転角センサで検出された
    角度との偏差に基づき、前記ディテント機構によるレン
    ジ位置への前記マニュアルシャフトの引き込み動作が開
    始されたか否かを判別し、 前記引き込み動作の開始が判別された後に、前記偏差に
    基づき前記引き込み動作が完了したか否かを判別し、 該引き込み動作の完了が判別されたときの前記回転角セ
    ンサによる検出角度に基づいて、前記目標値又は前記回
    転角センサの検出値を補正するための補正値を学習する
    ことを特徴とする自動変速機の電動式レンジ切換装置。
  3. 【請求項3】前記引き込み動作の完了が判別されたとき
    の前記回転角センサによる検出角度と、前記回転角セン
    サによる前回の検出角度との平均値を演算し、該平均値
    に基づいて前記補正値を学習することを特徴とする請求
    項2記載の自動変速機の電動式レンジ切換装置。
  4. 【請求項4】前記回転角センサによる検出角度の変化速
    度の低周波成分を抽出し、該低周波成分に基づいて前記
    学習用角度データを設定することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1つに記載の自動変速機の電動式レンジ
    切換装置。
  5. 【請求項5】前記補正値を、前記マニュアルシャフトの
    回転方向毎に個別に学習することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1つに記載の自動変速機の電動式レンジ
    切換装置。
  6. 【請求項6】前記回転角センサによる検出角度に基づい
    て演算された最新の補正値と前回までの制御用補正値と
    の偏差の絶対値が所定値以上であるときに、前記制御用
    補正値を所定値だけ最新の補正値に近づけ、前記制御用
    補正値によって前記目標値又は前記回転角センサの検出
    値を補正することを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1つに記載の自動変速機の電動式レンジ切換装置。
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