JP4030668B2 - 溶融球状シリカの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融球状シリカの製造方法に関する。さらに詳しくは、諸性質の制御が容易で、生産性が大幅に向上した溶融球状シリカを破砕シリカから製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体封止用樹脂組成物のフィラーとして、シリカを主体とするフィラーが使用されている。そして、半導体の高集積度化に伴って、上記したフィラーをより高充填した半導体封止用樹脂組成物が求められている。
【0003】
そして近年、高充填化するためのフィラーとして、球状シリカを主体とするフィラーが研究・開発されている。
上記した球状シリカを製造する方法のひとつとして、破砕シリカを溶融させて球状化させる方法が行われている。
【0004】
通常、破砕シリカを溶融させて球状シリカを製造する方法として、特開平2−145415号公報や特開平8−119618号公報に記載されているように、破砕シリカを、酸素−可燃性ガスによる火炎に供給して溶融する方法が採用される。
しかしながら、破砕シリカを火炎により溶融する際、破砕シリカの流動性不足のため、破砕シリカの供給速度が不安定になるという問題が発生する。そのため、上記方法では、得られる球状シリカの性質を制御するのが困難であったり、製造が定常的に行えないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、破砕シリカから球状シリカを製造する方法において、生産性がよい製造方法、すなわち、製造が定常的に行え、得られる球状シリカの性質を制御できる製造方法が求められてきた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題に鑑み、鋭意研究した結果、破砕シリカに煙霧シリカを混合した原料を用いることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、破砕シリカに煙霧シリカを、破砕シリカと煙霧シリカの合計量に基づいて、0.5〜30重量%の範囲で添加し、混合した後、火炎中に供給することを特徴とする溶融球状シリカの製造方法である。
【0008】
本発明で用いられる破砕シリカは、特に限定されず、合成シリカおよび/または天然シリカを原料とするものが好適に用いられる。
上記合成シリカとしては、ハロゲン化シランの加水分解によるもの、オルガノシリケートの加水分解によるもの、珪酸アルカリの中和によるものが挙げられ、上記天然シリカとしては、珪石、珪砂、水晶等が挙げられる。
また、上記破砕シリカは、通常、これら原料を、ジェットミルやボールミル等の公知の方法で破砕したものとして使用できる。
【0009】
上記破砕シリカの平均粒径は、特に限定されず、必要とする球状シリカの平均粒径を勘案して適宜決定すればよい。通常、平均粒径2〜60μmのものが好適であり、より好ましくは3〜20μmである。なお、通常、火炎溶融方法により得られる球状シリカの平均粒径や粒度分布は、原料として使用される破砕シリカの平均粒径や粒度分布とほぼ等しくなる。
【0010】
一方、本発明で用いられる煙霧シリカは、いわゆるシラン化合物を気相加水分解して得られるシリカである。上記煙霧シリカの原料であるシラン化合物としては、公知のものが特に制限なく使用できる。例えば、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシランの如きハロゲン化シランあるいはモノメチルトリクロロシランなどの揮発性を有しかつ加水分解可能なシラン化合物であればいずれでもよい。
【0011】
上記煙霧シリカの比表面積は、特に限定されないが、生産性等を勘案すると、100m2/g以上のものが好適に用いられる。
また、上記煙霧シリカは、生産性等を勘案すると、表面が疎水化処理されていることが好ましい。
上記疎水化処理は、一般的に疎水化剤として用いられている有機珪素化合物、例えばヘキサメチルジシラザン、テトラシクロシロキサン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等により行われる。疎水化処理としては、それ自体公知の方法が採用される。
【0012】
本発明において、上記破砕シリカと煙霧シリカとを混合することにより、生産性のよい溶融球状シリカを製造することができる。
本発明において、破砕シリカと煙霧シリカの混合割合は、破砕シリカと煙霧シリカの合計重量を基準にして、破砕シリカが99.5〜70重量%でありそして煙霧シリカが0.5〜30重量%の範囲である。
【0013】
煙霧シリカの配合量が0.5重量%未満の場合、生産性が向上し難く、配合量が30重量%を越えると、得られる溶融球状シリカの流動分布等の諸性質が変化し易くなる。
また上記破砕シリカと煙霧シリカの混合方法は、特に限定されず、それ自体公知の方法が用いられる。
【0014】
本発明において、上記した破砕シリカと煙霧シリカとの混合物を、火炎中に供給し溶融する方法としては、それ自体公知の方法が用いられる。例えば、特公平3−36761号公報に記載されている方法、すなわち気体または液体燃料に、酸素または空気などの支燃ガスを混合しそしてバーナーにて燃焼させた火炎中に、エジェクター、スクリューフィーダー、流動層を用いる方法により原料シリカを供給して溶融させ、溶融球状シリカを生成させ、該溶融球状シリカをサイクロンに導いて固気分離する方法が好適である。
【0015】
【実施例】
本発明を具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例中での評価は、以下のように行った。
【0016】
・平均粒径
SK LASER PRO−7000(セイシン企業製)を用い、レーザー回折散乱法により測定した。
・粒子形状
SEMにより測定した。
・供給状況
供給機の内部圧力の変動と、火炎の濃淡の変動により評価した。
【0017】
実施例1
以下のような操作を行い溶融球状シリカを得た。まず、平均粒径8μmの球状シリカをボールミルで粉砕した破砕シリカ(平均粒径5.7μm、比表面積3.0m2/g)99重量%と、煙霧シリカ(比表面積200m2/g)1重量%を混合し、原料シリカを得た。
【0018】
次いで、中心管、円周管、外周管からなる3重管バーナーを設置した円筒状溶融炉を用い、得られた原料シリカ(供給速度1.0kg/h)を酸素(流量4m3/h)と共に同伴させて円周管より導入し、水素3(流速8m3/h)を中心管および外周管より供給して、火炎を形成させて溶融し、粗溶融シリカを得た。
そして、得られた租溶融シリカをサイクロンに導入し、固気分離を行い溶融球状シリカを得た。結果を表1に示す。
なお、得られた溶融球状シリカの粒度分布は、破砕シリカの粒度分布とほぼ同じであった。
【0019】
実施例2
原料シリカの供給量を2.0kg/hとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0020】
実施例3
煙霧シリカの量を5重量%、原料シリカの供給量を2.1kg/hとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0021】
参考例1
煙霧シリカの量を40重量%とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
なお、得られた溶融球状シリカの粒度分布は、破砕シリカの粒度分布とは異なっていた。
【0022】
実施例4
ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水化煙霧シリカを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った結果を表1に示す。
【0023】
比較例1
煙霧シリカを添加しない以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
結果として、安定的に生産できず、また粒子同士がくっついた塊状粒子がみられた。
【0024】
【表1】
【0025】
表1に示すとおり、煙霧シリカを配合した破砕シリカを用いると、安定的に製造でき、また得られる溶融シリカも、ほぼ真球状であった。一方、煙霧シリカを配合していない破砕シリカでは、安定的に生産できず、さらに得られる溶融シリカも塊状粒子がみられた。
【0026】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、生産性良く溶融シリカを製造することができる。
さらに、本発明の方法により得られる溶融シリカは、塊状物が非常に少ないので、エポキシ樹脂等に配合した場合、樹脂を流動性の良好なものにできる。
Claims (4)
- 破砕シリカに煙霧シリカを、破砕シリカと煙霧シリカの合計量に基づいて、0.5〜30重量%の範囲で添加し、混合した後、火炎中に供給することを特徴とする溶融球状シリカの製造方法。
- 破砕シリカの平均粒径が2〜60μmの範囲である請求項1記載の溶融球状シリカの製造方法。
- 煙霧シリカの比表面積が100m2/g以上である請求項1記載の溶融球状シリカの製造方法。
- 煙霧シリカが、疎水化剤である有機珪素化合物で表面が疎水化された疎水性煙霧シリカである請求項1記載の溶融球状シリカの製造方法。
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