JP4030082B2 - アーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オシレーション装置を備えたアーテイキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アーティキュレート式ダンプトラックは、運転室を有する前部車体と排土自在なダンプボデイを有する後部車体との連結部にアーテイキュレート用の垂直軸を有すると共に、前後方向の水平軸を備えており、この水平軸回りに回動可能、すなわちオシレーションを可能として走行時の前後輪の接地性を向上し、車体の安定性を良好にしている。以下に、アーテイキュレート式ダンプトラックの詳細について説明する。
【0003】
図4はアーティキュレート式ダンプトラックの側面図であり、図5はその平面図である。前輪2を有する前部車体1と、後輪4を有する後部車体3とはオシレーション装置である連結装置10により連結されている。前部車体1には運転室が設けられ、後部車体3には土砂等を積載するダンプボデイ5が搭載されており、排土時には細い2点鎖線に示すようにダンプボデイ5を図示しないダンプシリンダにより後方にダンプして排土する。
図6は図4のP部である連結装置10の斜視図である。前部車体1には連結部材11の一端が矢印のように前後方向の水平軸X−X回りに回動可能、すなわちオシレーション可能に取着されており、連結部材11の他端には、後部車体フレーム7が垂直軸Y−Y回りに回動可能に取着されている。
【0004】
走行中、旋回する場合には図5に示すように、前部車体1を垂直軸Y−Y(図6参照)回りに細い2点鎖線に示すように右あるいは左に回動させ、旋回するようになっている。前部車体1と後部車体3とは水平軸X−X(図6参照)回りに回動し、オシレーション可能となっているため、旋回時にタイヤへの負担が均等にかかり、外側の車輪が沈むのを防ぐため、過酷な条件の軟弱地でも安定した走行が可能であり、車両の転倒を防止し、タイヤの寿命を延ばすことができる。
【0005】
しかしながら、排土時にダンプボデイを上げてダンプしたときには重心位置が高くなり、地形が左右方向に傾斜していたり、後輪の片側が軟弱地盤上にあるような場合には後部車体がオシレーション可能であるため、左右方向に転倒し易いという問題がある。
【0006】
この問題を解決するために、出願人は特開平9−254831号公報で前部車体と後部車体との連結部に、前後方向の水平軸回りに回動自在なオシレーション装置を備えたアーティキュレート式ダンプトラックにおいて、ブレーキディスクと、このブレーキディスクをブレーキするブレーキキャリパとよりなるオシレーション固定手段を備えた構成としたアーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置を提案している。このようなアーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置であれば、オシレーションを固定することによって前部車体の重量を後部車体に付加し、後部車体の転倒を防止することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平9−254831号公報に開示されたアーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置では、ブレーキディスクをブレーキするブレーキキャリパとよりなるオシレーション固定手段が必要であるので装置が複雑でコストの高いものになってしまう。
【0008】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、アーティキュレート式ダンプトラックに新たな装置を付け加えることなく、駆動装置をそのまま利用することにより、簡単な構成でアーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置を提供することを目的としている。
つまり、従来のアーティキュレート式ダンプトラックは全ての車輪を駆動する全輪駆動になっており、その駆動装置には、後述する、前輪4と後輪5の回転差を吸収するためのインタアクスルデフ53と、軟弱地で前輪4又は後輪5がスリップするのを防止するために、前輪4と後輪5が回転差なく駆動できるようにインタアクスルデフ53をロックするインタアクスルデフロック71とが設けられている。また、左右の車輪の回転差を吸収するためのフロントデフ53およびリアデフ56,58と、軟弱地で左右の一方の車輪がスリップするのを防止するために、右輪と左輪が回転差なく駆動できるようにフロントデフ53又はリアデフ56,58をロックするデフロック72,73,74が設けられている。そして、インタアクスルデフロック71又はデフロック72,73,74を必要に応じて作動させるコントローラ及びインタアクスルデフロック弁36又はデフロック弁35などのデフロック作動手段を設けているので、本発明は、上記駆動装置をそのまま利用し、コントローラに新たな機能を付加することにより、簡単な構成でアーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置を提供することができるのである。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、運転室を有する前部車体と、排土自在なダンプボデイを有する後部車体とを水平軸回りに回動自在に連結し、フロントブレーキとフロントデフとフロントデフロックとを備えたフロントアクスルを前部車体に備え、リアブレーキとリアデフとリアデフロックを備えたリアアクスルを後部車体に備え、インタアクスルデフとインタアクスルデフロックとを備えたトランスファ装置を前部車体に備え、トランスファ装置のインタアクスルデフとフロントアクスルのフロントデフを接続するフロントプロペラシャフトと、トランスファ装置のインタアクスルデフとリアアクスルのリアデフを接続するリアプロペラシャフトとを備え、前輪と後輪を制動するブレーキ作動手段と、フロントデフとリアデフとをロックするデフロック作動手段と、インタアクスルデフをロックするインタデフロック作動手段とを備えたアーティキュレート式ダンプトラックにおいて、後部車体の左右方向の傾斜を検出する横方向傾斜センサと、横方向傾斜センサからの信号が所定の転倒閾値を越えた場合は、ブレーキ作動手段とデフロック作動手段とインタデフロック作動手段とを作動させる信号を出力するコントローラとを備えた構成としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によると、後部車体の傾斜が転倒閾値を越える時はブレーキ作動手段と、デフロック作動手段と、インタデフロック作動手段とを作動させ前部車体と後部車体の相対回転がないように固定し、車体の駆動装置をそのまま、用いることで、新たな装置を付け加えることなく、簡単な構成でコストの低い転倒防止装置を提供できる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のアーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置において、転倒警報器を付設し、コントローラは、さらに、横方向傾斜センサからの信号が所定の警報閾値を越えた場合は転倒警報器を作動させる信号を出力する構成としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によると、請求項1の発明の効果に加えて、オペレータに後部車体の傾きが大きいことを転倒警報装置で知らせることが出来るので、オペレータはダンプボデイを下げて後部車体の転倒を未然に防止でき安全である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のアーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置において、ダンプボデイが上がった状態か否かを検出するダンプボデイ状態検出器を付設し、コントローラは、さらに、ダンプボデイ状態検出器からのダンプボデイが上がった状態である検出信号がコントローラに入力されたら、横方向傾斜センサからの信号が所定の警報閾値を越えた場合は転倒警報器を作動させる信号と、横方向傾斜センサからの信号が所定の転倒閾値を越えた場合はブレーキ作動手段とデフロック作動手段とインタデフロック作動手段とを作動させる信号とを発生する構成としている。
【0014】
請求項3に記載の発明によると、請求項2の発明の効果に加えて、車両が走行中に後部車体が傾いて、転倒警報装置が作動したり、コントローラが駆動装置を固定したりという誤作動が発生しないので走行中に予期せず駆動装置が固定されることがなく駆動装置の保護ができ、車両に路面からのショックも発生せず安定した走行できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図を参照しながら説明する。
【0016】
なお、従来例で説明した部分は同一の符号を付け説明を省略する。
【0017】
図1に基づいて実施形態を説明する。
図1は連結装置10で連結された前部車体1と後部車体3に設けられた後部車体転倒防止装置のハード構成ブロック図を示したものである。前部車体1に設けられたコントローラ20には車速計21と、ダンプボデイ5が積荷か空荷かを検出する積空識別器22と、図示しない排土レバーが操作されたか否かを検出する排土レバーセンサ25とが接続され、また、コントローラ20には後部車体3に設けられた、後部車体3の左右方向の傾斜を検出する横方向傾斜計23と、ダンプボデイ5が上がった状態か否かを検出するダンプボデイ状態検出器24とが接続されて信号をコントローラ20に送っている。
【0018】
そして、コントローラ20には転倒警報器31と、フロントブレーキ弁32と、リアブレーキ弁33と、パーキングブレーキ弁34と、デフロック弁35と、インタアクスルデフロック弁36とが接続され、コントローラ20からの出力信号により作動するようになっている。フロントブレーキ弁32と、リアブレーキ弁33と、パーキングブレーキ弁34と、デフロック弁35と、インタアクスルデフロック弁36とは電磁操作切換弁であり、コントローラ20からの出力信号により図示しないポンプからの圧油を送ったり、またはタンク(図示せず)にドレンさせる。フロントブレーキ弁32はフロントブレーキ81に、リアブレーキ弁33は前部リアブレーキ82と後部リアブレーキ83に、パーキングブレーキ弁34はパーキングブレーキ59に接続している。デフロック弁35はフロントデフロック72と前部リアデフロック73と後部リアデフロック74とに、インタアクスルデフロック弁36はインタアクスルデフロック71に、それぞれ接続している。フロントブレーキ81と、前部リアブレーキ82と,後部リアブレーキ83と、パーキングブレーキ59と、フロントデフロック72と、前部リアデフロック73と、後部リアデフロック74と、インタアクスルデフロック71とはフロントブレーキ弁32と、リアブレーキ弁33と、パーキングブレーキ弁34と、デフロック弁35と、インタアクスルデフロック弁36とからそれぞれ送られた圧油により、それぞれ作動するようになっている。
【0019】
コントローラ20は、マイクロコンピュータ又は高速数値演算装置等の演算処置装置により構成されており、所定の書換え可能なメモリ20a(いわゆるRAM)を有している。コントローラ20は、横方向傾斜計23からの信号がメモリ20a内に記憶している所定の第1閾値の警報閾値を超えた場合、例えば、横方向傾斜計23の信号が後部車体3の左右方向傾斜が5度を超えた信号であると、転倒警報器31に信号を出力し、少なくともランプ及びブザーのいずれか一方の転倒警報器31を作動させる。そして、さらに後部車体3の左右方向傾斜が増してメモリ20a内に記憶している第2閾値の転倒閾値、例えば、7度を超えると、コントローラ20はフロントブレーキ弁32と、リアブレーキ弁33と、パーキングブレーキ弁34と、デフロック弁35と、インタアクスルデフロック弁36とに信号を出力してそれぞれを作動させる。なお、第1,2閾値は任意の値に調整可能となっている。
【0020】
車速計21はコントローラ20に接続され、トランスミッション51の出力軸の回転数を検出して、検出信号をコントローラ20に送っている。ダンプボデイ5が積荷状態であるか、空荷状態であるかを識別する積空識別器22はコントローラ20に接続され、後輪4を支持している図示しない後輪サスペンションの圧力を検出して検出信号をコントローラ20に送っている。図示しない排土レバーが操作されたか否かを検出する排土レバーセンサ25は排土レバーの位置を検出するリミットスイッチ又は排土レバーの角度を検出するポテンショメータ等を用いており、図示しない排土レバーの位置を又は角度の信号をコントローラ20に送っている。ダンプボデイ5が上がった状態か否かを検出するダンプボデイ状態検出器24はダンプボデイ5の位置を検出するリミットスイッチ又はダンプボデイ5の角度を検出するポテンショメータ等を用いており、ダンプボデイ5の位置又は角度の信号をコントローラ20に送っている。
【0021】
駆動装置は次のような構成になっている。エンジン50の出力軸はトルクコンバータ51aの入力軸と接続し、トルクコンバータ51aの出力軸はトランスミッション51の入力軸と接続し、トランスミッション51の出力軸は出力をフロントアクスル91とリアアクスルである前部リアアクスル92及び後部リアアクスル93に分けて伝達するトランスファ装置52とが接続している。そして、トランスファ装置52は前側でフロントプロペラシャフト95を介してフロントアクスル91に、後側でリア第1プロペラシャフト96とリア第2プロペラシャフト94を介して前部リアアクスル92に接続して、エンジン50の出力をトランスファ装置52内部のギヤにより分けて最終的に前輪2と後輪4に伝える。前部リアアクスル92及び後部リアアクスル93はそれぞれのギアボックス55及びギアボックス57と後部リアプロペラシャフト97とを介して接続している。
【0022】
トランスファ装置52には入力を前輪2と後輪4への出力に分けて伝達し、また、前輪2と後輪4との回転差を吸収するために差動装置であるインタアクスルデフ53が設けられ、さらに、インタアクスルデフ53を固定して差動装置を非作動状態にするインタアクスルデフロック71が設けられている。
【0023】
インタアクスルデフ53の前側は差動装置であるフロントデフ54に接続している。さらに、フロントデフ54を固定して差動装置を非作動状態にするフロントデフロック72が設けられている。フロントデフ54の出力軸は左右の終減速装置84に接続し、終減速装置84には前輪2が装着されている。また、フロントアクスル91には前輪2を制動するフロントブレーキ81が設けられている。
【0024】
インタアクスルデフ53の後側は一方のリアアクスルである前部リアアクスル92のギアボックス55を介して差動装置である一方のリアデフである前部リアデフ56に接続している。さらに、前部リアデフ56を固定して差動装置を非作動状態にする前部リアデフロック73が設けられている。前部リアデフ56の出力軸は左右の終減速装置85に接続し、終減速装置85には後輪4が装着されている。また、前部リアアクスル92には後輪4を制動する前部リアブレーキ82が設けられている。
【0025】
前部リアアクスル92はギアボックス55、57を介して他方のリアアクスルである後部リアアクスル93の差動装置である他方のリアデフである後部リアデフ58に接続している。さらに、後部リアデフ58を固定して差動装置を非作動状態にする後部リアデフロック74が設けられている。後部リアデフ58の出力軸は左右の終減速装置86に接続し、終減速装置86には後輪4が装着されている。また、後部リアアクスル93には後輪4を制動する後部リアブレーキ83が設けられている。
【0026】
各差動装置を非作動状態にするインタアクスルデフロック71、フロントデフロック72、前部リアデフロック73、後部リアデフロック74はそれぞれの差動装置のギア53a,54a,56a,58aと一方のピニオンギア53b,54b,56b,58bとを油圧クラッチなどの手段により固定する。従って、インタアクスルデフロック71、フロントデフロック72、前部リアデフロック73、後部リアデフロック74が作動すると、それぞれの差動装置のギア53a,54a,56a,58aと一方のピニオンギア53b,54b,56b,58bと、他方のピニオンギア53c,54c,56c,58cとは固定され、相互の回転差は発生しない。
【0027】
インタアクスルデフ53の後側と前部リアアクスル92との接続しているリア第2プロペラシャフト94にはパーキングブレーキ59が設けられており、プロペラシャフト94を駐車時に制動している。
【0028】
図2は、車体とエンジン50、トランスミッション51などの駆動装置の配置を示した側面図であり、図3は同様な平面図である。
【0029】
次に、実施形態の作用を説明する。
図4の細い2点鎖線で示したように土砂等を積載したダンプボデイ5を排土のためにダンプしたときに、地面が左右方向に傾斜していたり、あるいは後輪4の左右どちらかの地盤が軟弱であるような場合、後部車体3は左右方向に傾斜する。このとき後部車体3の重心位置は高くなっており、後部車体3の左右方向の傾斜角が所定の角度以上に達すると、連結部材11部で水平軸X−X回りにオシレートし、転倒する。それを防止するために、コントローラ20は後部車体3に設けられた横方向傾斜計23からの信号が所定の第1閾値を超えた場合、例えば、横方向傾斜計23の信号が後部車体3の左右方向傾斜が5度を超えた信号であると、転倒警報器31に信号を出力して、作動させ、オペレータに注意を促す。そして、さらに左右方向傾斜が増して第2閾値の7度を超えた場合にはコントローラ20はフロントブレーキ弁32と、リアブレーキ弁33と、パーキングブレーキ弁34と、デフロック弁35と、インタアクスルデフロック弁36とに信号を出力してそれぞれを作動させる。
【0030】
すると、フロントブレーキ弁32が作動することにより、前輪2は左右とも固定され、リアブレーキ弁33が作動することにより、後輪4は左右とも固定され回転しなくなる。そして、デフロック弁35が作動することにより、フロントデフロック72と前部リアデフロック73と後部リアデフロック74とが作動し、結局各差動装置であるフロントデフ54と前部リアデフ56と後部リアデフ58とはそれぞれ固定され、それぞれの差動装置はそれぞれブレーキで固定された前輪2、後輪4と連結され回転しなくなる。さらに、インタアクスルデフロック弁36が作動することにより、インタアクスルデフロック71が作動してインタアクスルデフ53が固定され、フロントアクスル91と前部リアアクスル92と後部リアアクスル93とがフロントプロペラシャフト95とリア第1プロペラシャフト96とリア第2プロペラシャフト94と後部リアプロペラシャフト97とを介して結合する。つまり、フロントアクスル91と前部リアアクスル92及び後部リアアクスル93とは機械的に固定され、相対的な回転は出来なくなる。
【0031】
この時、後部車体3は転倒方向に傾いていき、図示しないアクスルと後部車体3との間にある左右の一方のサスペンションが縮んでストロークエンドになり、反対側のサスペンションが伸び切ってストロークエンドになると、車体は前部リアアクスル92と後部リアアクスル93を持上げようとする。すると、リアアクスルである前部リアアクスル92と後部リアアクスル93の傾斜が増加していくが、上記のようにフロントアクスル91と前部リアアクスル92及び後部リアアクスル93とが結合し相対的な回転は出来なくなっているのでプロぺラシャフトにはねじれが発生する。つまり、転倒しようとする力がプロペラシャフト94を介してフロントアクスル91に伝わり、後部車体3はフロントアクスル91も含めた前部車体1の重量により転倒が阻止されることになる。
【0032】
従って、本発明による転倒防止装置によれば、車体の駆動装置をそのまま、用いることで、新たな装置を付け加えることなく、簡単な構成でコストの低い転倒防止装置を提供できる。
【0033】
なお、本実施形態では後部車体3にはリアアクスルが2本のもので説明したが、リアアクスルが1本のものでも、本発明の作用及び効果には変わりがない。
【0034】
また、転倒警報装置31を作動させるためには、コントローラ20を介さずに、横方向傾斜計23は後部車体3の左右方向傾斜が第1閾値を超えたら、接点が閉じるリミットスイッチを備えたものとして、直接転倒警報装置31を作動する警報発生手段であっても良い。
【0035】
さらに、転倒警報装置31を作動させる閾値の第1閾値を更に細分化して、第1a閾値を正常、第1b閾値を注意、第1c閾値を警告と判定する閾値として、コントローラ20で識別し、転倒警報装置31を例えば、正常では青色ランプ、注意では黄色ランプ、警告では赤色ランプとしたり、ブザー音を正常では無音、注意では断続音、警告では連続音としてもよい。
【0036】
このようにすることで、オペレータに後部車体3の傾きが大きいことを転倒警報装置31で知らせることが出来るので、オペレータはダンプボデイ5を下げて後部車体3の転倒を未然に防止でき安全である。
【0037】
また、車両が走行中に後部車体が傾いて、転倒警報装置31が作動したり、コントローラ20が駆動装置を固定したりしないように、車両を停止して排土するために、オペレータにより図示しない排土レバーが操作されてダンプボデイ5が上がっていると確認した場合には、転倒警報装置31の作動や駆動装置のロックを行うようにすることが望ましい。このために、排土レバーセンサ25からの検出信号が所定値以上で図示しない排土レバーが操作されていることを示す信号がコントローラ20に送信された場合には、コントローラ20は横方向傾斜計23からの信号を上記のように判断して、転倒警報装置31を作動させたり、駆動装置を固定したりしても良い。
【0038】
また、ダンプボデイ状態検出器24からの検出信号が所定値以上でダンプボデイ5が上がった状態であることを示す信号がコントローラ20に送信された場合には、上記と同様に、コントローラ20は横方向傾斜計23からの信号を上記のように判断して、転倒警報装置31を作動させたり、駆動装置を固定したりしても良い。
【0039】
また、排土レバーセンサ25からの検出信号が所定値以上で図示しない排土レバーが操作されていることを示す信号と、ダンプボデイ状態検出器24からの検出信号が所定値以上でダンプボデイ5が上がった状態であることを示す信号とが同時にコントローラ20に送信された場合には、上記と同様に、コントローラ20は横方向傾斜計23からの信号を上記のように判断して、転倒警報装置31を作動させたり、駆動装置を固定したりしても良い。
【0040】
このようにすることで、車両が走行中に後部車体3が傾いて、転倒警報装置31が作動したり、コントローラ20が駆動装置を固定したりという誤作動が発生しないので走行中に予期せず駆動装置が固定されることがなく駆動装置の保護ができ、車両に路面からのショックも発生せず安定した走行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハード構成ブロック図である。
【図2】アーティキュレート式ダンプトラックの駆動装置の配置の説明図である。
【図3】図2を上面から見た配置図である。
【図4】アーティキュレート式ダンプトラックの側面図
【図5】図4の平面図
【図6】図4における連結装置の斜視図である。
【符号の説明】
1…前部車体、2…前輪、3…後部車体、4…後輪、5…ダンプボデイ、10…連結装置、20…コントローラ、23…横方向傾斜センサ、24…ボデイ状態検出器、31…転倒警報機、52…トランスファ装置、53…インタアクスルデフ、54…フロントデフ、56…前部リアデフ、58…後部リアデフ、71…インタアクスルデフロック、72…フロントデフロック、73…前部リアデフロック、74…後部リアデフロック。
Claims (3)
- 運転室を有する前部車体(1)と、排土自在なダンプボデイ(5)を有する後部車体(3)とを水平軸回りに回動自在に連結し、フロントブレーキ(81)とフロントデフ(54)とフロントデフロック(72)とを備えたフロントアクスル(91)を前部車体(1)に備え、リアブレーキ(82.83)とリアデフ(56,58)とリアデフロック(73,74)を備えたリアアクスル(92.93)を後部車体(3)に備え、インタアクスルデフ(53)とインタアクスルデフロック(71)とを備えたトランスファ装置(52)を前部車体(1)に備え、トランスファ装置(52)のインタアクスルデフ(53)とフロントアクスル(91)のフロントデフ(54)を接続するフロントプロペラシャフト(95)と、トランスファ装置(52)のインタアクスルデフ(53)とリアアクスル(92.93)のリアデフ(56,58)を接続するリアプロペラシャフト(94,96,97)とを備え、前輪(2)と後輪(4)を制動するブレーキ作動手段(32,33)と、フロントデフ(54)とリアデフ(56,58)とをロックするデフロック作動手段(35)と、インタアクスルデフ(53)をロックするインタデフロック作動手段(36)とを備えたアーティキュレート式ダンプトラックにおいて、
後部車体(3)の左右方向の傾斜を検出する横方向傾斜センサ(23)と、
横方向傾斜センサ(23)からの信号が所定の転倒閾値を越えた場合は、ブレーキ作動手段(32,33)とデフロック作動手段(35)とインタデフロック作動手段(36)とを作動させる信号を出力するコントローラ(20)とを
備えたことを特徴とするアーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置。 - 請求項1記載のアーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置において、
転倒警報器(31)を付設し、
コントローラ(20)は、さらに、横方向傾斜センサ(23)からの信号が所定の警報閾値を越えた場合は転倒警報器(31)を作動させる信号を出力することを
特徴とするアーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置。 - 請求項2記載のアーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置において、
ダンプボデイ(5)が上がった状態か否かを検出するダンプボデイ状態検出器(24)を付設し、
コントローラ(20)は、さらに、ダンプボデイ状態検出器(24)からのダンプボデイ(5)が上がった状態である検出信号がコントローラ(20)に入力されたら、横方向傾斜センサ(23)からの信号が所定の警報閾値を越えた場合は転倒警報器(31)を作動させる信号と、横方向傾斜センサ(23)からの信号が所定の転倒閾値を越えた場合はブレーキ作動手段(32,33)とデフロック作動手段(35)とインタデフロック作動手段(36)とを作動させる信号とを発生することを
特徴とするアーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置。
Priority Applications (1)
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JP11042199A JP4030082B2 (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | アーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP11042199A JP4030082B2 (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | アーティキュレート式ダンプトラックの後部車体転倒防止装置 |
Publications (2)
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