JP4029863B2 - 2ウェイクラッチ - Google Patents

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Description

本発明は、車両の駆動系等に適用される2ウェイクラッチに関する。
従来、外輪部材と内輪部材とローラと保持器とを有し、前記内外輪部材のうち外輪部材にカム面を有する2ウェイクラッチとしては、例えば、カム面が一定角のくさび角にて規定される平面のもの(例えば、特許文献1参照)、カム面が滑らかに変化するくさび角にて規定される曲面のもの(例えば、特許文献2参照)、が知られている。
特開平10−226246号公報の図8 特開2001−140896号公報の図3
しかしながら、従来の2ウェイクラッチにあっては、クラッチ係合すべきときに、確実にローラと内外輪部材がロックしてトルクを伝達することができるように、くさび角を所定値以下に制限する必要があるため、2ウェイクラッチの解放時(ニュートラル状態)のローラとカム面とのクリアランスを大きくすることができず、潤滑油中の異物、いわゆるコンタミがローラとカム面との間に挟まり、クラッチ解放時であるにもかかわらずクラッチが急係合してしまうおそれがあった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、クラッチ係合時、確実にローラと内外輪部材とのロックを達成しつつ、クラッチ解放状態において、コンタミがローラとカム面との間に挟まることによるクラッチ急係合を確実に防止することができる2ウェイクラッチを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、外輪部材と内輪部材とローラと保持器とを有し、前記内外輪部材のうち外輪部材にカム面を有する2ウェイクラッチにおいて、前記外輪部材のカム面は、所定のくさび角を規定する基準カム面と、前記ローラのニュートラル位置に対応する位置に形成され、前記基準カム面より径方向外側に窪んだ凹部と、を有し、前記凹部に、外輪部材の外径側に開口する径方向貫通穴を設けた
よって、本発明の2ウェイクラッチにあっては、外輪部材のカム面のうち、ローラのニュートラル位置に対応する位置に、所定のくさび角を規定する基準カム面より径方向外側に窪んだ凹部が形成される。すなわち、基準カム面により所定のくさび角を規定しつつ、ニュートラル状態にてローラとカム面とのクリアランスが大きく確保される。この結果、クラッチ係合時、確実にローラと内外輪部材とのロックを達成しつつ、クラッチ解放状態において、コンタミがローラとカム面との間に挟まることによるクラッチ急係合を確実に防止することができる。
以下、本発明の2ウェイクラッチを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例4に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の2ウェイクラッチが適用されたモーター四輪駆動車を示す全体システム図であり、左右前輪1L,1R(主駆動輪)が内燃機関であるエンジン2によって駆動され、左右後輪3L,3R(従駆動輪)がモーター4(電動モーター)によって駆動可能な前輪駆動ベース車両の例である。すなわち、トランスファーやプロペラシャフトを持たず4WD機能を軽量・コンパクトに実現させた4WDシステムとし、2WD車と同様の広い足元空間を確保し、かつ、4WD作動を発進時と前輪スリップ時等の必要時に限ることで燃費の悪化を最小限に抑えている。
前記エンジン2の出力トルクが、変速機&デフギア5を介して左右前輪1L,1Rに伝達されるようになっている。また、エンジン2の出力トルクの一部は、無端ベルト6を介してジェネレーター7(発電機)に伝達される。e-4WDコントロールユニット8によって制御されるジェネレーター7が発電した電力は、パワーケーブル9a,9bを介してモーター4に供給可能になっている。そのパワーケーブル9a,9bの途中位置には、ジャンクションボックス10が設けられている。前記モーター4の駆動トルクは、ファイナルドライブ11を介して左右後輪3L,3Rに伝達可能になっている。なお、モーター4とファイナルドライブ11により、後輪駆動ユニットRTが構成される。
前記ジェネレーター7は、無端ベルト6を介して伝達された回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、e-4WDコントロールユニット8からの発電指令に応じた電力をモーター4へ伝達する。なお、エンジン冷却方式および永久磁石内蔵構造を採用することで、高出力化を図っている。
前記ジャンクションボックス10は、内蔵したモニター回路により通電電流、ジェネレーター電圧、モーター電圧(逆起電圧)をリアルタイムに監視し、システム制御信号及びフェイルセーフ判断信号をe-4WDコントロールユニット8に伝達し、大容量リレーにて電源のON/OFFを行う。なお、車室内空間を犠牲にしない室外レイアウトとしている。
前記パワーケーブル9a,9bは、ジャンクションボックス10を介してジェネレーター7とモーター4を電気的に接続し、左右後輪3L,3Rを駆動する電力を伝達する。なお、ジャンクションボックス10と同様に、車室内空間を犠牲にしない室外レイアウトとしている。
前記モーター4は、パワーケーブル9bを介して供給された電力により駆動力を発生する。モーター4の回転方向や回転数等は、e-4WDコントロールユニット8からのモーター制御指令により制御される。このモーター4の外部出力部(モーター軸)は、ファイナルドライブ11に連結されていて、回転力をファイナルドライブ11に伝達する。なお、モーター4の内部にはサーミスタが設置してあり、e-4WDコントロールユニット8でモーター4の温度を監視している。
前記ファイナルドライブ11は、2ウェイクラッチ12と、電磁クラッチ13と、ギア減速機14と、ディファレンシャルギア15を有し、4WD走行時には2ウェイクラッチ12を係合し、2WD走行時には2ウェイクラッチ12を解放することにより後輪フリクションを低減させるようにしている。このファイナルドライブ11の詳しい説明は後述する。
前記e-4WDコントロールユニット8は、4WDスイッチ20により「4WD」が選択されているとき、必要に応じて4WD制御を行う制御手段である。このe-4WDコントロールユニット8には、4WDスイッチ20からのスイッチ信号、ABSコントロールユニット21からの4輪の各車輪速信号、自動変速機コントロールユニット22からのシフト位置信号、エンジンコントロールユニット23からのアクセル開度信号、等が入力される。e-4WDコントロールユニット8では、入力情報に基づいて演算処理を行い、ジェネレーター7に対してジェネレーター制御指令、2ウェイクラッチ12に対してクラッチ制御指令、モーター4に対してモーター制御指令、ジャンクションボックス10に対してリレー制御指令、をそれぞれ出力する。
前記e-4WDコントロールユニット8での制御概要を説明すると、4WDスイッチ20により「4WD」が選択されている時に発進から必要に応じて4WD制御を行う。つまり、e-4WDコントロールユニット8では、「4WD」の選択時で、かつ、発進時または前輪スリップ時には、最適な後輪駆動トルクを演算し、そのトルクが得られるようにジェネレーター7と2ウェイクラッチ12とモーター4とをそれぞれ制御する。このとき、e-4WDコントロールユニット8とエンジンコントロールユニット23との間ではCAN通信(Controller Area Network通信)が行われ、エンジン出力を調整し、4WDらしい安心感のある走行を確保している。また、前輪スリップの発生に伴い4WD制御を開始した後、左右前輪1L,1Rのスリップが収まると、ジェネレーター7の発電を停止し、後輪駆動ユニットRTの2ウェイクラッチ12を切り離して2WD状態にする。
一方、4WDスイッチ20により「2WD」が選択されている時は、2ウェイクラッチ12を切り離して後輪フリクションを小さい状態に保つことで燃費の悪化を防いでいる。なお、システムに異常が発生した場合には、コンビネーションメーター24内の4WD警告灯25を点灯させて異常を知らせる。さらに、4WD走行時には、4WD表示灯26を点灯させて4WD走行中であることをドライバーに知らせる。
図2は実施例1の2ウェイクラッチ12が適用されたモーター四輪駆動車のファイナルドライブ11を示す断面図である。
前記ファイナルドライブ11は、ファイナルドライブケース30内には、モータ軸が連結される入力ギア軸31と、2ウェイクラッチ12及び電磁クラッチ13を有する中間ギア軸32と、ドライブギア33を入力とし左右の後輪ドライブシャフトを出力とするディファレンシャルギア15と、の3軸が互いに平行に配置されている。なお、このファイナルドライブケース30内には、ギア類の潤滑性を確保し温度上昇を防止するため、ギアの一部が浸漬するレベルまで潤滑油が封入されている。
前記入力ギア軸31は、一端部にモーター4のモーター軸挿入部31aを有し、他端部に第1ギア部31bを有する。
前記中間ギア軸32は、一端部に第3ギア部32aを形成し、他端部に2ウェイクラッチ12及び電磁クラッチ13を設けている。
前記2ウェイクラッチ12は、第1ギア部31bと噛み合うと共に、内周に多角形状のカム面を形成した第2ギア付き外輪12a(外輪部材)と、中間軸32に固定され外周面は円筒面とされた内輪12b(内輪部材)と、前記内外輪12a,12bにより形成されたくさび空間に挟まれたローラ12cと、該複数のローラ12cを保持する保持器12dと、を有する(図3参照)。
前記電磁クラッチ13は、クラッチ係合時にe-4WDコントロールユニット8からの電流が印加される電磁コイル13aと、該電磁コイル13aを収納するフィールドコア13bと、前記第2ギア付き外輪12aに固定されたロータ13cと、前記保持器12dとフィールドコア13bとの軸方向空間位置に配置されたスイッチばねやアーマチュアによる保持器拘束機構13dと、を有する。すなわち、電磁コイル13aへの通電により保持器12dを拘束した状態で内外輪12a,12bが相対回転することで、前記ローラ12cをくさび空間へ移動させるクラッチ係合と、電磁コイル13aへの通電を解除(非通電)により保持器12dの拘束を解除することで、前記ローラ12cを第2ギア付き外輪12aとのクリアランスが確保される内輪12bの中立位置に保持するクラッチ解放と、が制御される。
前記ディファレンシャルギア15は、ファイナルドライブケース30に対し回転可能に支持されたデフケース15aの外周位置に第3ギア部32aと噛み合うドライブギア33を固定している。そして、前記デフケース15aと、該デフケース15aと一体に回転するピニオンメートシャフト15bと、該ピニオンメートシャフト15bに設けられたピニオン15cと、該ピニオン15cに噛み合うと共に左右の後輪ドライブシャフトがスプライン嵌合される左右のサイドギア15d,15eと、を有して構成されている。
前記ギア減速機14は、前記第1ギア部31bと前記第2ギア付き外輪12aと前記第3ギア部32aと前記ドライブギア33により構成され、第1ギア部31bと第2ギア付き外輪12aとの第1減速比と、第3ギア部32aとドライブギア33との第2減速比とを掛け合わせた減速比を得る。
図3は実施例1の2ウェイクラッチ12を示す断面図、図4は実施例1の2ウェイクラッチ12を示す要部拡大図、図5は実施例1の2ウェイクラッチ12のローラ12cと保持器12dとの寸法関係を示す図である。
実施例1では、図3に示すように、第2ギア付き外輪12aと内輪12bとローラ12cと保持器12dとを有し、前記内外輪12a,12bのうち第2ギア付き外輪12aにカム面を有する2ウェイクラッチ12において、図4に示すように、前記第2ギア付き外輪12aのカム面は、所定のくさび角θを規定する基準カム面12eと、前記ローラ12cのニュートラル位置に対応する位置Pに形成され、前記基準カム面12eより径方向外側に窪んだ三角状の凹部12fと、を有する。
前記基準カム面12eは、一定角度のくさび角θにて規定される平面にて形成し、前記凹部12fは、前記平面による基準カム面12eより径方向外側に配置している。つまり、第2ギア付き外輪12aの内面には、図3に示すように、基準カム面12eにより正八角形のカム面が構成され、前記凹部12fは、正八角形カム面の2つの平面が交差する各交差角部に形成されている。
前記保持器12dのローラポケット12gは、図5に示すように、ローラポケット外輪側寸法Lout<ローラ直径Lr<ローラポケット内輪側寸法Linの関係が成立する設定としている。
次に、作用を説明する。
[後輪駆動ユニットに2ウェイクラッチを採用する際の課題]
例えば、特開平10−226246号公報には、4輪駆動車の駆動経路上に設置することで、車両の走行状態に応じて電気的に駆動力の伝達と遮断を行うことができる2ウェイクラッチが記載されている。
この従来技術によれば、外輪の内面は多角形カムになっており、保持器とアーマチュアは爪と切り欠きによって回転方向を規制している。トルク伝達は次の動作によって行う。電磁石に電流を流すと、アーマチュアはロータと一体になり、保持器、ローラ、内輪が一体となる。この状態で外輪と内輪に相対回転が発生すると、カム面と内輪の外面との間にくさび角ができ、そのくさび角にローラが食い込むことで、内輪から外輪あるいはその逆方向にトルクを伝達する。ロータはスリーブを介して、内輪に圧入されている。また、ローラと内輪の外面間にクリアランスを形成させ、トルクの伝達を遮断する。しかしながら、上記従来技術にあっては、下記に列挙する問題点がある。
・問題点1
特開平10−226246号公報の図10において、外輪カム面とローラとの中立位置(非係合時)での隙間aが大きく取れないため、潤滑油中の異物であるコンタミが外輪カム面とローラとの間に進入し、堆積し易く、ローラと内輪とのクリアランスが無くなり、トルク遮断中でも、トルク伝達してしまうおそれがある。ちなみに、ニュートラル状態(トルク遮断状態)でのローラとカム面とのクリアランスは約0.1mmであるのに対し、コンタミは大きいものでは0.5mmもあり、大半は0.1mm未満であるが、堆積することにより急係合の原因となる。
また、外輪カム面とローラとの中立位置での隙間aが大きく取れない理由は、クラッチ係合すべきときに、確実にローラと内外輪がロックしてトルクを伝達することができるように、図6に示すように、くさび角θを所定値以下に制限する必要があることによる。
・問題点2
特開平10−226246号公報に記載の従来技術では、外輪カム面とローラ間で形成される空間がほぼ閉じた空間となっているため、潤滑油中の異物であるコンタミが外輪カム面とローラとの間に進入した場合、外部に排出されにくく、時間の経過と共に堆積し易くなる。
[2ウェイクラッチのコンタミによる急係合防止作用]
これに対し実施例1の2ウェイクラッチ12では、第2ギア付き外輪12aのカム面を、所定のくさび角θを規定する基準カム面12eと、ローラ12cのニュートラル位置に対応する位置Pに形成し、基準カム面12eより径方向外側に窪んだ凹部12fと、を有する面とすることで、クラッチ係合時、確実にローラ12cと内外輪12a,12bとのロックを達成しつつ、クラッチ解放状態において、コンタミがローラとカム面との間に挟まることによるクラッチ急係合を確実に防止するようにした。
すなわち、2ウェイクラッチ12の係合時には、基準カム面12eによりくさび角θを所定値以下に制限したままであるため、確実にローラ12cと内外輪12a,12bがロックしてトルクを伝達することができる。なお、くさび角を大きくしてローラとカム面との隙間を確保すること、つまり、コンタミによるクラッチ急係合を防止することも可能であるが、この場合、くさび角が大きいことでクラッチ係合時に小さな外力や変動力が加わってもローラがカム面から外れやすくなる等、ロック機能を低下させてしまう。
一方、2ウェイクラッチ12が解放されているニュートラル状態では、凹部12fとローラ12cとのクリアランスcが大きく確保されるため、潤滑油中の異物であるコンタミが、第2ギア付き外輪12aのカム面とローラ12cとの間に進入してもこれを許容するし、コンタミが堆積したとしてもこれを許容する。このため、第2ギア付き外輪12aのカム面とローラ12cとの間へのコンタミの挟み込みを原因とするクラッチ急係合を確実に防止することができる。
さらに、実施例1では、保持器12dのローラポケット12gを、図5に示すように、ローラポケット外輪側寸法Lout<ローラ直径Lrの関係が成立する設定としているため、ローラ12cの外輪側への抜けを防止できる。加えて、ローラ直径Lr<ローラポケット内輪側寸法Linの関係が成立する設定としているため、保持器12dのローラポケット12gの内側から容易にローラ12cを入れ込むことができる。
すなわち、第2ギア付き外輪12aのカム面に凹部12fを形成したことに伴い、ローラ12cがローラポケット12gから外れて凹部12fへ移動することを防止する必要がある。この新たな要求機能に対し、ローラ12cと保持器12dとの組み立て性を確保しつつ、ローラ12cの外輪側への抜けを防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の2ウェイクラッチ12にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 第2ギア付き外輪12aと内輪12bとローラ12cと保持器12dとを有し、前記内外輪12a,12bのうち第2ギア付き外輪12aにカム面を有する2ウェイクラッチ12において、前記第2ギア付き外輪12aのカム面は、所定のくさび角θを規定する基準カム面12eと、前記ローラ12cのニュートラル位置に対応する位置Pに形成され、前記基準カム面12eより径方向外側に窪んだ凹部12fと、を有するため、クラッチ係合時、確実にローラ12cと内外輪12a,12bとのロックを達成しつつ、クラッチ解放状態において、コンタミがローラ12cとカム面との間に挟まることによるクラッチ急係合を確実に防止することができる。
(2) 前記基準カム面12eは、一定角度のくさび角θにて規定される平面にて形成し、前記凹部12fは、前記平面による基準カム面12eより径方向外側に配置したため、クラッチ係合時、一定のくさび角θを持つ先細りくさび空間へローラ12cを押し込む作用により、ローラ12cと内外輪12a,12bとの高いロック機能を達成することができる。
(3) 前記保持器12dのローラポケット12gは、ローラポケット外輪側寸法Lout<ローラ直径Lr<ローラポケット内輪側寸法Linの関係が成立する設定としたため、ローラ12cと保持器12dとの組み立て性を確保しつつ、ローラ12cの外輪側への抜けを防止することができる。
(4) 主駆動輪をエンジン2により駆動し、従駆動輪をモーター4により駆動し、前記モーター4は、前記エンジン2により駆動されるジェネレーター7にて発電される電気エネルギーによって駆動されるモーター四輪駆動車に適用され、前記従駆動輪の駆動ユニットRTを、前記モーター4を駆動源とするファイナルドライブ11により構成し、前記ファイナルドライブ11内に封入した潤滑油に浸漬されるギア減速機14と共に設けたため、潤滑油に異物が混入しやすく、かつ、潤滑油中の異物であるコンタミによる影響を大きく受ける環境下にありながら、2ウェイクラッチ12が解放された2WD状態において、コンタミによる4WD状態へ駆動力配分が急変されるのを確実に防止することができる。この結果、2WD状態での走行中に4WD状態へ駆動力配分が変更されることなく、駆動力配分の急変に伴う車両挙動変化を抑えて、走行安定性を確保することができる。

実施例2は、外輪に形成した基準カム面を、滑らかに変化するくさび角にて規定される曲面とした例である。
すなわち、実施例2の2ウェイクラッチ12-2は、図7に示すように、第2ギア付き外輪12aと内輪12bとローラ12cと保持器12dとを有し、前記内外輪12a,12bのうち第2ギア付き外輪12aにカム面を有する。
前記第2ギア付き外輪12aのカム面は、滑らかに変化するくさび角にて規定される曲面にて形成した基準カム面12e’と、前記ローラ12cのニュートラル位置に対応する位置Pに形成され、前記基準カム面12e’より径方向外側に窪んだ半円状の凹部12f’と、を有する。なお、他の構成は実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。また、作用も実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の2ウェイクラッチ12-2にあっては、実施例1の(1),(3),(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(5) 前記基準カム面12e’は、滑らかに変化するくさび角にて規定される曲面にて形成し、前記凹部12f’は、前記曲面による基準カム面12e’より径方向外側に配置したため、ローラ12cが内外輪12a,12bへロックする位置でのくさび角を実施例1のくさび角θよりも小さい角度にすることができ、クラッチ係合時、ローラ12cと内外輪12a,12bとの非常に高いロック機能を達成することができる。
実施例3は、凹部12f’に、第2ギア付き外輪12aの外径側に開口する径方向貫通穴12hを設けた例である。
すなわち、実施例3の2ウェイクラッチ12-3は、図8に示すように、第2ギア付き外輪12aと内輪12bとローラ12cと保持器12dとを有し、前記内外輪12a,12bのうち第2ギア付き外輪12aにカム面を有する。
前記第2ギア付き外輪12aのカム面は、一定角度のくさび角θにて規定される平面にて形成した基準カム面12eと、前記ローラ12cのニュートラル位置に対応する位置Pに形成され、前記基準カム面12eより径方向外側に窪んだ半円状の凹部12f’と、該凹部12f’に形成され、第2ギア付き外輪12aの外径側に開口する径方向貫通穴12hと、を有する。なお、他の構成は実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
作用を説明すると、実施例1,2では、凹部12f,12f’が形成されているのみであるため、上記問題点2に記載のように、外輪カム面とローラ間で形成される空間がほぼ閉じた空間となり、潤滑油中の異物であるコンタミが外輪カム面とローラとの間に進入した場合、外部に排出されにくくなる。
これに対し、実施例3では、径方向貫通穴12hが、潤滑油の抜け穴であると共に、潤滑油中に含まれるコンタミの抜け穴となり、潤滑油中の異物であるコンタミが、第2ギア付き外輪12aのカム面とローラ12cとの間に進入しても、径方向貫通穴12hから外部に排出され、コンタミが堆積することを防止する。このため、実施例1,2に比べ、第2ギア付き外輪12aのカム面とローラ12cとの間へのコンタミの挟み込みを原因とするクラッチ急係合をより確実に防止することができる。なお、他の作用については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3の2ウェイクラッチ12-3にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記凹部12f’に、第2ギア付き外輪12aの外径側に開口する径方向貫通穴12hを設けたため、径方向貫通穴12hからの潤滑油の抜けに伴ってコンタミも排出でき、第2ギア付き外輪12aのカム面とローラ12cとの間へのコンタミの挟み込みを原因とするクラッチ急係合を、実施例1,2に比べ、より確実に防止することができる。
実施例4は、実施例3において大径の径方向貫通穴12hとすることで、凹部12f’を省略した例である。
すなわち、実施例4の2ウェイクラッチ12-4は、図9に示すように、第2ギア付き外輪12aと内輪12bとローラ12cと保持器12dとを有し、前記内外輪12a,12bのうち第2ギア付き外輪12aにカム面を有する。
前記第2ギア付き外輪12aのカム面は、一定角度のくさび角θにて規定される平面にて形成した基準カム面12eと、前記ローラ12cのニュートラル位置に対応する位置Pに形成され、第2ギア付き外輪12aの外径側に開口する径方向貫通穴12h’と、を有する。前記径方向貫通穴12h’は、ローラ12cの直径より大径に形成され、その内径側開口部12h"を凹部とする。なお、他の構成は実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。また、コンタミの外部排出作用は実施例3と同様であり、他の作用については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例4の2ウェイクラッチ12-4にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(7) 前記凹部は、第2ギア付き外輪12aの外径側に開口する径方向貫通穴12h’の内径側開口部12h"であるため、実質的に凹部を省略した簡単な構成としながら、実施例3と同様に、第2ギア付き外輪12aのカム面とローラ12cとの間へのコンタミの挟み込みを原因とするクラッチ急係合を、実施例1,2に比べ、より確実に防止することができる。
以上、本発明の2ウェイクラッチを実施例1〜実施例4に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜3では、凹部として三角状と半円状のものを示したが、クリアランスの確保と、潤滑油の流動性(=コンタミの排出性)と、を考慮し、実施例1〜3にて示した以外の様々な形状の凹部としても良い。
実施例3,4では、径方向貫通穴として、半径方向に貫通する穴の例を示したが、半径方向に対し傾斜させた穴としても良く、また、クラッチ潤滑のために必要な潤滑油を確保しつつコンタミを排出するため、潤滑油の抜け量調整する形状や機構を設けても良い。
本発明の2ウェイクラッチは、左右前輪をエンジンにより駆動する前輪駆動ベースのモーター四輪駆動車への適用例を示したが、左右後輪をエンジンにより駆動する後輪駆動ベースのモーター四輪駆動車へも適用することができるのは勿論のこと、駆動源(エンジンやモーター等)から入力される駆動入力を、2ウェイクラッチ及び減速機を介して出力する様々な車両用動力伝達系に適用することができる。さらに、車両用動力伝達系に限らずコンタミが問題となる適用箇所であれば、産業機器等の2ウェイクラッチとしても適用することもできる。
実施例1の2ウェイクラッチが適用されたモーター四輪駆動車を示す全体システム図である。 実施例1の2ウェイクラッチが適用されたモーター四輪駆動車のファイナルドライブを示す断面図である。 実施例1の2ウェイクラッチを示す断面図である。 実施例1の2ウェイクラッチの一部拡大断面図である。 実施例1の2ウェイクラッチの保持器のローラポケット寸法の設定関係を示す図である。 2ウェイクラッチのくさび角を小さな角度に設定した場合のロック作用説明図である。 実施例2の2ウェイクラッチを示す断面図である。 実施例3の2ウェイクラッチを示す半断面図である。 実施例4の2ウェイクラッチを示す半断面図である。
符号の説明
1L,1R 左右前輪(主駆動輪)
2 エンジン
3L,3R 左右後輪(従駆動輪)
4 モーター(電動モーター)
5 変速機&デフギア
6 無端ベルト
7 ジェネレーター(発電機)
8 e-4WDコントロールユニット
9a,9b パワーケーブル
10 ジャンクションボックス
11 ファイナルドライブ
12 2ウェイクラッチ
12a 第2ギア付き外輪(外輪部材)
12b 内輪(内輪部材)
12c ローラ
12d 保持器
12e,12e’ 基準カム面
12f,12f’ 凹部
12g ローラポケット
13 電磁クラッチ
14 ギア減速機
15 ディファレンシャルギア
20 4WDスイッチ
21 ABSコントロールユニット
22 自動変速機コントロールユニット
23 エンジンコントロールユニット
24 コンビネーションメーター
25 4WD警告灯
26 4WD表示灯

Claims (6)

  1. 外輪部材と内輪部材とローラと保持器とを有し、前記内外輪部材のうち外輪部材にカム面を有する2ウェイクラッチにおいて、
    前記外輪部材のカム面は、所定のくさび角を規定する基準カム面と、前記ローラのニュートラル位置に対応する位置に形成され、前記基準カム面より径方向外側に窪んだ凹部と、を有し、
    前記凹部に、外輪部材の外径側に開口する径方向貫通穴を設けたことを特徴とする2ウェイクラッチ。
  2. 外輪部材と内輪部材とローラと保持器とを有し、前記内外輪部材のうち外輪部材にカム面を有する2ウェイクラッチにおいて、
    前記外輪部材のカム面は、所定のくさび角を規定する基準カム面と、前記ローラのニュートラル位置に対応する位置に形成され、前記基準カム面より径方向外側に窪んだ凹部と、を有し、
    前記凹部は、外輪部材の外径側に開口する径方向貫通穴の内径側開口部であることを特徴とする2ウェイクラッチ。
  3. 請求項1または2に記載された2ウェイクラッチにおいて、
    前記基準カム面は、一定角度のくさび角にて規定される平面にて形成したことを特徴とする2ウェイクラッチ。
  4. 請求項1に記載された2ウェイクラッチにおいて、
    前記基準カム面は、滑らかに変化するくさび角にて規定される曲面にて形成したことを特徴とする2ウェイクラッチ。
  5. 請求項1乃至の何れか1項に記載された2ウェイクラッチにおいて、
    前記保持器のローラポケットは、ローラポケット外輪側寸法<ローラ直径<ローラポケット内輪側寸法の関係が成立する設定としたことを特徴とする2ウェイクラッチ。
  6. 請求項1乃至の何れか1項に記載された2ウェイクラッチにおいて、
    主駆動輪をエンジンにより駆動し、従駆動輪を電動モーターにより駆動し、前記電動モーターは、前記エンジンにより駆動される発電機にて発電される電気エネルギーによって駆動されるモーター四輪駆動車に適用され
    前記従駆動輪の駆動ユニットを、前記電動モーターを駆動源とするファイナルドライブにより構成し、前記ファイナルドライブ内に封入した潤滑油に浸漬されるギア減速機と共に設けたことを特徴とする2ウェイクラッチ。
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