JP4029308B2 - 断熱箱体の解体方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄時における分別性、リサイクル性に優れた断熱箱体の解体方法に係り、より詳しくは、箱体の強度を低下させることなく内箱と発泡断熱材との分離を容易に行うことができる断熱箱体の解体方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、冷蔵庫などの断熱箱体は、薄板鋼板からなる外箱と、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂などの熱可塑性樹脂のシートを熱成形して得られた成型品からなる内箱と、それらを結合して得た外殻内に形成された空隙に充填された発泡ウレタンなどの発泡樹脂である断熱材とから構成されてる。すなわち、内箱および外箱と発泡ウレタンが接着され、これらの一体化した構造によって優れた剛性が発揮される。
【0003】
しかしながら、最近の環境保護に基づき、廃棄された断熱箱体に用いられている素材の分別を行う必要があるが、発泡ウレタンと内箱および外箱を剥離する際に、発泡ウレタンが被接着物の内箱と外箱に残存して、その後に行う再利用に係る有効活用に大きな支障を来すことになる。このため、解体時には被接着物である内箱と外箱から発泡ウレタンなどの断熱材を容易に剥離できるものでありながら、使用中には一体化した構造体としての剛性が確保できる断熱箱体の構造仕様が提案されている。
【0004】
図7は、例えば特開平7−133980号公報に開示された冷蔵庫の断熱箱体の一例を示す断面図である。この冷蔵庫の断熱箱体は、外箱20と内箱21を結合して得られた外殻内の空隙部分に、発泡断熱材22を充填したものである。このとき、外箱20は、壁面から突出する摩擦補助部材23と、発泡断熱材22との接触面に配設する離型部材24とを備え、また、内箱21は、壁面から突出する摩擦補助部材25と、発泡断熱材22との接触面に配設する離型部材24とを備えている。これら摩擦補助部材23,25は、外箱20および内箱21と一体に配設されると共に、離型部材24を介して切欠部26が発泡断熱材22中に埋設された構造を有している。離型部材24は、熱可塑性を有する合成樹脂材料、もしくは一方向にのみ易剥離性を有する材料からなっている。
【0005】
すなわち、上述の断熱箱体は、要部に設けて突出した構造の摩擦補助部材23,25の切欠部26によってアンカ効果を得ることができるので、発泡断熱材22と外箱20および内箱21とが一体化している。この摩擦補助部材23,25は、外箱20および内箱21の表面に設けた離型部材24を介して発泡断熱材22と接しているので、断熱箱体を使用した後の解体時に任意の処理を施して、容易に剥離することができる。
【0006】
例えば、離型部材24にEVA樹脂(エチレンー酢酸ビニル共重合体)のフィルムを用い、外箱20および内箱21の表面層に配設した後に、発泡ウレタンを断熱材として充填することによって、外箱20および内箱21と発泡ウレタンが接着して一体化するので、高剛性な断熱箱体を得ることができる。このようにして得られた断熱箱体が使用後に廃棄されたときに、これを解体するときは加熱して、離型部材24である前記樹脂の融点以上の80℃から140℃に加温すると、前記樹脂の溶融に伴って接着強度が大幅な低下を来すので、容易に剥離することができる。
【0007】
このようにして構成された冷蔵庫の断熱箱体は、外箱20および内箱21の壁面から突出した構造の摩擦補助部材23,25が発泡断熱材22に埋没していので、箱体の強度を低下させることなく維持できるうえ、外箱20および内箱21の壁面から突出する摩擦補助部材23,25と、発泡断熱材22との接触面に離型部材24を配設しているので、廃棄時における発泡断熱材22と外箱20および内箱21との分離が容易に出来て優れた分別性が得られ、リサイクル性に優れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成した従来の冷蔵庫の断熱箱体は、外箱20および内箱21が発泡断熱材22と接する面に離型部材24を配設して、外箱20および内箱21と発泡断熱材22との分離を可能にしている。さらに、外殻の内部表面に摩擦補助部材23,25を配設して発泡断熱材22に埋設した構造としているので、外殻と発泡断熱材22を強固に結合して、強度メンバーとして活用している。
しかし、この方法では、外箱20および内箱21の全面あるいは一部に離型部材24および摩擦補助部材23,25を配設するための製造工程が必要である。また、廃棄時において、発泡断熱材22と外箱20および内箱21に分別しても、発泡断熱材22の内部には摩擦補助部材23,25が、外箱20および内箱21表面には離型部材24が異物として残存する。
【0009】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、外殻と発泡断熱材が強固に結合することによって断熱箱体の強度を低下させることなく使用に供し、その後、解体時に外殻と断熱箱体を構成する異種材料を発泡断熱材および内箱に残存させることなく分別することができる断熱箱体の解体方法を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る断熱箱体の解体方法は、外箱と内箱により形成した外殻の内部空隙に発泡断熱材を充填してなり、内箱が、少なくとも発泡断熱材と接する部分に剥離機能を備えたシート材で、かつ間口より奥部が広がっており外殻の内部空隙に充填した発泡断熱材と結合しうる断面ほぼΩ状の凹状部を一体に備えた断熱箱体の解体方法であって、内箱に設けた凹状部に切れ込みを入れた後、発泡断熱材との結合を解除して内箱を剥離する工程を備えたものである。
また、上記の断熱箱体の解体方法において、非晶性のポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートからなる内箱を発泡断熱材から剥離する工程を、加熱処理を施した後に行うようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1の斜視図、図2(a)は図1のAーA拡大断面図、図2(b)は凹状部の他の例を示す断面図であり、断熱箱体のうち、板状をなす冷蔵庫の断熱扉に用いる断熱構造体について示す。図において、1は断熱扉の前面に開口部分を形成した外箱を構成する外板、2は外板1の開口部分に合致した大きさの内箱を構成する内板、3は外板1と内板2を一体に結合した外殻であり、4は外殻3の内部空隙に充填した発泡断熱材である。この内板2は、少なくとも発泡断熱材4と接する表面部分5に剥離機能を備えたシート材料を用い、周縁部には間口よりも奥部が広がっている断面ほぼΩ状の凹状部6が設けられた成型品で形成されており、内板2に設けた凹状部6を外板1の開口部分に合致させて一体に結合させる。
なお、図2(b)は凹状部6の他の例を示すもので、断面ほぼ逆三角形状に形成したものである。
【0015】
上記の断熱扉は、外殻3の内部空隙に発泡断熱材4を充填すると、内板2に設けた凹状部6の内面7に発泡断熱材4がまわり込むため、凹状部6が発泡断熱材4との間で構成するアンカ効果によって、外殻3と発泡断熱材4とが強固に結合して、一体化を供するための強度が保持される。
【0016】
また、断熱扉は、先ず、発泡断熱材4を外板1の開口部分に充填し、発泡断熱材4が固化する前に、内板2を外板1の開口部分の端辺部分に合致させて一体に結合してもよい。この発泡断熱材4の充填方法でも、内板2に設けた凹状部6の内面7に発泡断熱材4がまわり込むため、断熱扉は、凹状部6が発泡断熱材4との間で構成するアンカ効果により、外殻3と発泡断熱材4が強固に結合して、一体化を供するための強度が保持される。
【0017】
ここで、断熱扉の内板2の成形方法について詳述する。内板2は、少なくとも発泡断熱材4と接する表面部分5に剥離機能を備えたシート材料を用いた成型品であり、容易に結晶性を示す樹脂を用いて成形する。シート材料は、樹脂の融点以上の温度(150℃〜200℃)に加熱溶融させて、シート状に押し出し、ロールで平滑性を確保した後、冷却して固化する。シート材料は発泡断熱材4と接する少なくとも表面部分に剥離機能を備えていれば、単層に限らず二層以上のシートであってもよい。
【0018】
得られたシート材料を真空成形して、凹状部6を一体に備えた内板2を成形する。
図3(a)〜(d)は、内板2の成形順序を示す工程図である。成形にあたっては、シート2aの両端部をクランプ8で把持し、ヒータ9によって樹脂の融点以上の温度(150℃〜200℃)に加熱して軟化させた後(図3aの加熱工程)、真空成形型10を上昇させてシート2aに密着(エアタイト)させ(図3bのエアタイト工程)、真空成形型10とシート2aの間の空気を真空排除して凹状部6を形成し、冷却して成形する(図3cの成形工程)。そして真空成形型10を降下させて、成型品を取り出す(図3dの離型工程)。
【0019】
一般に、結晶性構造を呈する材料は接着性に劣るのに対し、非晶性構造を呈する材料は接着性に優れている。シート材料として非晶性のポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートを用いると、前記の真空成形法により成形した内板2は、成形工程の冷却時に急冷することによって非晶性構造を呈するので、断熱材である発泡ウレタンとの接着性に優れ、凹状部6が構成するアンカ効果だけでなく、一層強固で一体化した構造を得ることができる。
【0020】
さらに、使用に供した後の断熱扉を、内板2を形成する樹脂を結晶性に変態することができる温度以上でアニール処理を行えば、容易に結晶性を示す。結晶性を示す内板2を用いた断熱扉は、内板2と発泡断熱材4が接着性に劣るので、良好な離型性を示して解体時の剥離を容易に行うことができるとともに、表面に発泡断熱材4が接着したままで残存し難く、良好に分別することができる。
【0021】
一方、内板2の周縁部に位置している凹状部6は、前記の真空成形方法において、真空成形型10から離型することができる大きさであり、かつ、凹状部6が構成するアンカ効果が発揮できる大きさである。例えば、真空成形型10に対する内板2の投影面積が10万mm2 〜50万mm2 である場合、凹状部6の間口寸法は5mm以上であれば、真空成形時に離型による凹状部6の変形は起こりにくい。ただし、離型時の凹状部分6の変形は、シート材料の弾性率や真空成形型10の形状にも起因するので、実使用に即した寸法を選択することが肝要である。
【0022】
発明者は、例えば間口5mm、奥部10mm、深さ10mmである凹状部6を備えた内板2を用いた断熱扉から、内板2に対して垂直方向に引張力を加え、そのときの内板2が断熱材と剥離する力を調べた。
図4は、内板2が断熱材と剥離する力を調べる実験方法を示す断面図である。外板1の開口部分の端辺部分を外板固定部材11で固定し、引張伸びが無視できる材質でできた切り欠き部を備えた引張部材12を、内板2の凹状部6内に埋め込み樹脂などを用いて固定させる。
【0023】
前記の方法で固定した引張部材12を引張治具13でつかみ、引張速度20mm/minで内板2を垂直方向に引っ張り、そのときの引張力を検出器14で測定した。内板2には、断熱材方向に対する投影面積が10万mm2 と50万mm2 の2種類の大きさのものを用い、剥離機能を備える結晶性ポリプロピレンからなる内板2と、接着機能を備えるABSを用いた内板2とを比較して実験した。実験結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
表1から明らかなように、内板2の投影面積が10万mm2 の場合、剥離機能を備えたポリプロピレンからなる内板2は、平均650Nの力で断熱材と剥離し、接着機能を備えたABSからなる内板2は、平均610Nの力で断熱材と剥離した。また、内板2の投影面積が50万mm2 の場合、剥離機能を備えたポリプロピレンからなる内板2は、平均480Nの力で断熱材と剥離し、接着機能を備えたABSからなる内板2は、平均440Nの力で断熱材と剥離した。
【0026】
従って、剥離機能を備えた結晶性ポリプロピレンからなる内板2と、接着機能を備えたABSを用いた内板2の断熱材からの垂直方向の剥離機能は、凹状部6によるアンカ効果によって、ほぼ同等の剥離耐力があることが分かった。また、この断熱扉の実使用上想定される垂直方向の力は、最大でも50Nであるため、使用環境以上の剥離耐力があった。ただし、アンカ効果を発揮できる凹状部6の大きさは、断熱材の強度や使用環境における必要剥離耐力によるので、実使用に際して、任意にその大きさ(開口部および奥部との差)を変化させることが肝要である。
【0027】
[実施の形態2]
次に断熱扉の解体方法について説明する。図5は断熱扉の解体方法を示す工程図で、図2の一部を拡大してある。図に示すように、外板1と内板2の隙間に、例えばマイナスドライバ15のような先端が平たい形状の治工具を用いて内板2の端から挿入し(図5aの治具挿入工程)、発泡断熱材4から引き剥がす方向に外力を加えて内板2を折り曲げ、内板2の端部に折り曲げ部分16を作成する(図5bの折り曲げ後の状態)。こうして、折り曲げ部分16を作成した後、内板2の折り曲げ部分16をつかみ、巻き上げるようにして発泡断熱材4から引き剥がす(図5cの引き剥がし工程)。
【0028】
このような解体方法によれば、発泡断熱材4を凹状部6の内面7に残存させることがない。また、内板2の凹状部6のアンカ効果による発泡断熱材4との結合は、内板2に対して垂直方向には容易に解除できないが、前述のように内板2を巻き上げるようにして発泡断熱材4から引き剥がすせん断方向には、内板2が少なくとも発泡断熱材4と接する表面部分5に剥離機能を備えるシート材料を用いているので、発泡断熱材4によって拘束されていない方向に変形を加えながら離脱させれば、容易に発泡断熱材4から引き剥がすことができる。
【0029】
さらに、図2の一部を拡大した図6により断熱扉の他の解体方法について説明する。まず、内板2の凹状部6に、カッターなどで切れ込み17を入れる(図6aの切り込み工程)。ついで、内板2の端部(切断した一部の凹状部6a)を残った凹状部分6bの方向に移動させて、発泡断熱材4との結合を解除する(図6bの結合の解除工程)。凹状部6は内板2の周縁部に形成されているので、結合を完全に解除するために、凹状部6近傍の平面部に切り込み18を入れ、残った凹状部6bを移動させると(図6cの結合の完全な解除工程)、より一層、容易に結合を解除することができる。
【0030】
このような結合の解除手段によって、内板2はアンカ効果を有する凹状部6を発泡断熱材4と結合していない(図6dの結合の完全な解除後の状態)方向に移動させるのみであるから、内板2の平坦部はほとんど外力を加えることなく、発泡断熱材4と分離することができる。
また、この解体方法によって、発泡伝熱材4を凹状部6の内面7に残存させることがなく、容易かつ良好な分別状態を得て解体することができる。
【0031】
また、非晶性のポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートからなる内板2を発泡断熱材4から剥離し解体する場合、内板2を結晶性に変態することができる温度以上に加熱処理を施し、接着状態であった発泡断熱材4と離型し易い状態を得る工程を経た後で前記の解体方法を併用して行うと、さらに容易に解体することができる。
【0032】
[実施の形態3]
実施の形態3の内板2に用いるシート材料は、発泡断熱材4と接する表面部分5で互いに誘電しあうことのない極性を示す樹脂である。例えば、発泡断熱材4に極性の高いポリウレタンを用いた場合、内板2には無極性のポリスチレンやポリエチレン、ポリプロピレンなどのシート材料を用いて成形した成型品を用いれば、発泡断熱材4と接する表面部分5で互いに誘電しあうことがないので、内板2は発泡断熱材4との接着性に劣って、良好な離型性を示す。このような断熱扉は、解体時の剥離が容易であるとともに、表面に発泡断熱材4が接着したままで残存し難いので、良好に分別できる。
表2は、発泡断熱材4と接する表面部分5で互いに誘電しあうことのない極性を示す樹脂を用いた内板2と発泡断熱材4との接着性を調べた実験結果を示す。
【0033】
【表2】
【0034】
内板2には無極性樹脂であるポリスチレン(HIPS)、および、極性樹脂であるABSを用いた。前記樹脂の内板2を用いた断熱扉の発泡断熱材4として、極性樹脂のポリウレタンを充填し、内板2を発泡断熱材4から引き剥がして、発泡断熱材4と接する内板2の表面部分に残存するポリウレタンを観察したところ、ポリスチレンの表面部分には、ポリウレタンは全く残存していなかったのに対し、ABSの表面部分には、ポリウレタンが隙間なく残存していた。このように、発泡断熱材4と当接する表面部分で互いに誘電しあうことのない極性を示す樹脂を用いた内板2は、発泡断熱材4を接着させることがないが、発泡断熱材4と接する表面部分で互いに誘電しあう極性を示す樹脂を用いた内板2は、発泡断熱材4を接着させることがわかった。
【0035】
従来もポリスチレンは断熱箱体部品に使用されているが、その場合、薄板鋼板からなる外箱に嵌合させる、もしくは、ネジなどで締結させるなどの手段により、内板が発泡断熱材との接着性に劣っていても、断熱箱体としての強度を保っていた。また、別な態様では、発泡断熱材である発泡ウレタンと接する面に、EVA樹脂などの接着性に優れた多層シートを用いるなどしている。実施の形態3の前記シートを用いた内板2は、凹状部6を備えた成型品であるため、断熱扉は、凹状部6が発泡断熱材4との間で構成するアンカ効果によって、外殻3と発泡断熱材4が強固に結合しているので、一体化を供するための強度が保持された。
【0036】
以上述べた各実施の形態における断熱扉は、内板2に安価な汎用樹脂であるポリスチレンやポリプロピレンを用いて構成することができるので、安定して供給され、安価である工業生産として非常に適している。また、内板2が備える凹状部6を利用して、塩化ビニルやエラストマーなどからなるパッキンを挿入して、内板2の周縁部に設ければ、断熱扉の周囲から逃げる熱量を押さえることができるので、断熱性能をさらに高めることができる。
【0037】
なお、本発明は、以上に述べた各実施の形態において説明し、かつ図面に示した断熱箱体およびその解体方法に限定されるものではなく、例えば、同じ冷蔵庫に用いる断熱箱体において、フランジや奥部にある角部などの意匠性を損なうことのない部分に、同様の間口より奥部が広がっている凹状部を設けても、同様の効果を得ることができる。また、実施の形態で示したような連続した凹状部の形成に限定せず、部分的に、要部に凹状部を設けても、同様の効果を得ることができる。また、用途を冷蔵庫の断熱扉や断熱箱体に限定することなく、建材や車両用の断熱パネル、軽量構造体などの外殻と発泡樹脂の接合仕様に適用してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る断熱箱体の解体方法は、外箱と内箱により形成した外殻の内部空隙に発泡断熱材を充填してなり、内箱が、少なくとも発泡断熱材と接する部分に剥離機能を備えたシート材で、かつ間口より奥部が広がっており外殻の内部空隙に充填した発泡断熱材と結合しうる断面ほぼΩ状の凹状部を一体に備えた断熱箱体の解体方法であって、内箱に設けた間口より奥部に広がっている凹状部に切れ込みを入れた後、発泡断熱材との結合を解除して内箱を剥離する工程を備えたので、発泡断熱材を凹状部の内面に残存させることがなく、従って、容易かつ良好な分別状態を経て解体することができる。
【0045】
また、非晶性のポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートからなる内箱を発泡断熱材から剥離する工程を、加熱処理を施した後に行うようにしたので、内箱を結晶性に変態することができ、接着状態であった発泡断熱材と離型した状態を得て、容易に解体できる状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の斜視図である。
【図2】 図1のA−A断面図および凹状部の他の例の説明図である。
【図3】 実施の形態1の内板制作の工程図である。
【図4】 内板の結合状態を調べる実験方法の説明図である。
【図5】 実施の形態2の工程図である。
【図6】 実施の形態2の他の工程図である。
【図7】 従来の断熱箱体の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 外板(外箱)、2内板(内箱)、2a シート材料、3 外殻、4 発泡断熱材、5 発泡断熱材と接する表面部分、6 間口より奥部が広がっている凹状部、7 凹状部の内面、8 クランプ、9 ヒータ、10 真空成形型、11外板固定部材、12 引張部材、13 引張治具、14 検出器、17 凹状部近傍の平面部。
Claims (2)
- 外箱と内箱により形成した外殻の内部空隙に発泡断熱材を充填してなり、前記内箱が、少なくとも前記発泡断熱材と接する部分に剥離機能を備えたシート材で、かつ間口より奥部が広がっており前記外殻の内部空隙に充填した発泡断熱材と結合しうる断面ほぼΩ状の凹状部を一体に備えた断熱箱体の解体方法であって、前記内箱に設けた凹状部に切れ込みを入れた後、前記発泡断熱材との結合を解除して内箱を剥離する工程を備えたことを特徴とする断熱箱体の解体方法。
- 非晶性のポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートからなる内箱を発泡断熱材から剥離する工程が、加熱処理を施した後に行われることを特徴とする請求項1記載の断熱箱体の解体方法。
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