JP4029208B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過型の回折格子等、母材の上に2層以上の樹脂を積層することにより所定の光学特性を持たせた光学素子の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、樹脂同士の界面に良好な付着力を持たせ、耐環境性を向上させた光学素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
透過型の回折格子等の光学素子の中には、ガラス等の母材の表面に所定の表面形状パターンを有する第1層目の樹脂層を形成し、その上に第1層目の樹脂と異なる屈折率を有する第2層目の樹脂層を形成し、これらの樹脂間での光の干渉を利用して所定の光学特性を有するようにしたものがある。その例を図6に示す。図6は断面図であるが、かえって分かりにくくなるのでハッチングを省略する。
【0003】
図6において母材であるガラス等の透明基板11の上にシランカップリング処理層14が形成され、その上に第1層目の樹脂層12が形成されている。そして、樹脂層12の表面には回折格子等の光学的特性を与えるようにパターンが形成されている。樹脂層12の上にはさらにシランカップリング処理層15が形成され、その上に第1の樹脂層12と屈折率の異なる第2の樹脂層13が形成されている。そして、第1の樹脂層12と第2の樹脂層13の屈折率の違いと、両者の間に形成されたパターン形状によって、所定の光学特性を有するようになっている。
【0004】
このような光学素子においてシランカップリング処理層は、透明基板11と第1の樹脂層12、及び第1の樹脂層12と第2の樹脂層13の接着のために使用されている。第1の樹脂層12と第2の樹脂層13の接着は、シランカップリング剤のようなプライマー層を用いる方法の他に、短波長の紫外線照射、スパッタリング処理、プラズマ処理等により境界面を改質し、密着性を良くする方法が使用されており、たとえば特開2001−255408号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シランカップリング剤による接着は、無機材料と有機材料の接着には適しているが、有機材料同士の接着には適していない。そのため、図6に示す例においては、透明基板11と第1層目の樹脂層12の接着は良好に行われるものの、第1の樹脂層12と第2の樹脂層13間の接着は、必ずしも良好に行われない。従って、このような光学素子は耐環境性が良好でなく、使用中に樹脂層の剥がれが発生する場合がある。
【0006】
また、短波長の紫外線照射、スパッタリング処理、プラズマ処理等により境界面を改質し、密着性を良くする方法を使用した場合、これらの処理に伴い、樹脂層が変色する可能性があるという問題点がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、母材の上に2層以上の樹脂を積層することにより所定の光学特性を持たせた光学素子であって、樹脂層同士の密着性を安定させ、耐環境性に優れたものを製造する方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、無機材料からなる母材の表面に2層以上の樹脂を積層して光学素子を形成する方法であって、母材表面にシランカップリング剤からなるプライマー層を形成し、当該プライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1層目の樹脂の上から、前記プライマー層のうち第1層目の樹脂に覆われていない部分に第2層目の樹脂が付着されるように第2層目の樹脂を付着させ、以後、3層目以上の樹脂を積層する場合は、前記プライマー層のうち当該層より下層の樹脂に覆われていない部分に当該層の樹脂が付着されるように当該層の樹脂を付着させる工程を繰り返すことにより、母材の上に2層以上の樹脂を積層する工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項1)である。
【0009】
本手段においては、母材表面にプライマー層を形成し、これを接着層として第1層目の樹脂を積層する点は、従来の技術と同じである。しかし、本手段においては、プライマー層の面積を第1層目の樹脂の面積より大きくしておき、プライマー層に第1層目の樹脂で覆われていない部分を作っておく、そして、第2層目の樹脂を積層するとき、第2層目の樹脂の端部がプライマー層のうち第1層目の樹脂に覆われていない部分に付着するように、第2層目の樹脂を形成する。
【0010】
このようにすると、第2層の樹脂も、プライマー層を介して母材と接着される。この接着は無機材料と有機材料の接着なので強固で安定している。よって、第1層目の樹脂と第2の層目の樹脂の間の結合も強固で安定したものとなり、耐環境性に優れたものとなる。
【0011】
以下、第3層目以上の樹脂が積層される場合は、各々の樹脂層の端部が、前記プライマー層に付着するようにすることにより、各層が母材と接着されることになるので、同様の理由により耐環境性に優れたものとなる。
【0012】
前記課題を解決するための第2の手段は、母材の表面に2層以上の樹脂を積層して光学素子を形成する方法であって、母材の表面にケイ素酸化物又は金属酸化物からなる薄膜を形成し、その上にシランカップリング剤からなるプライマー層を形成し、当該プライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1層目の樹脂の上から、前記プライマー層のうち第1層目の樹脂に覆われていない部分に第2層目の樹脂が付着されるように第2層目の樹脂を付着させ、以後、3層目以上の樹脂を積層する場合は、前記プライマー層のうち当該層より下層の樹脂に覆われていない部分に当該層の樹脂が付着されるように当該層の樹脂を付着させる工程を繰り返すことにより、母材の上に2層以上の樹脂を積層する工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項2)である。
【0013】
本手段は、プライマー層の形成に先立ち、母材の表面に金属酸化物からなる薄膜を形成し、その上にプライマー層を形成しているところのみが前記第1の手段と異なっている。本手段は、樹脂層と母材を結合するシランカップリング剤等のプライマー層の効果が少ない母材が用いられる場合に適している。
【0014】
このような母材として典型的なものは、SiO2の含有量が少ない母材、特にSiO2の含有量が5%以下の硝材である。このような母材を使用するときは、母材の表面にケイ素酸化物又は金属酸化物からなる薄膜を形成し、その上にプライマー層を形成することにより、樹脂層との密着性を高めることができる。
【0015】
このような金属酸化薄膜としては、Al2O3等が考えられるが、使用する波長に対して透明度が要求される場合は、Al2O3やTa2O5、Nb2O5等の金属酸化物の薄膜と、SiO2薄膜を交互に積層して多層薄膜を形成し、その透過率を高める方法を採用すればよい。その際、最上層をSiO2薄膜とし、その上にプライマー層を形成すれば、樹脂層との密着性の面から好ましい。
【0016】
前記課題を解決するための第3の手段は、無機材料からなる母材の表面に2層以上の樹脂を積層して光学素子を形成する方法であって、母材の表面にシランカップリング剤からなる第1のプライマー層を形成し、当該第1のプライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1層目の樹脂の上から、シランカップリング剤からなる第2のプライマー層を、第1層目の樹脂を覆い、かつ、第1のプライマー層に達するように形成し、その上から第2層目の樹脂を、第2のプライマー層が第1層目の樹脂を覆っている部分と、第1のプライマー層に達している部分を覆うように付着させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項3)である。
【0017】
本手段と前記第1の手段との違いは、第1層目の樹脂を覆うように第2のプライマー層が形成され、その端部が第1のプライマー層に達して、第1のプライマー層と一体化していることである。よって、製品の構造的には、第1の樹脂層と第2の樹脂層の間にプライマー層が形成されている点が異なる。前述のように、プライマー層は、有機物同士の結合をあまり強固にできないが、ある程度の効果はあるので、本手段においては、第1の樹脂層と第2の樹脂層の密着性をより強固にすることができる。
【0018】
なお、本手段においては、第2層までの製造方法しか限定していないが、第3層以上の樹脂層を有する場合は、例えば、前記第1の手段の方法を採用してもよいし、本手段における第2層目の形成方法と同じ方法を適宜採用してもよい。
【0019】
前記課題を解決するための第4の手段は、母材の表面に2層以上の樹脂を積層して光学素子を形成する方法であって、母材の表面にケイ素酸化物又は金属酸化物からなる薄膜を形成し、その上にシランカップリング剤からなる第1のプライマー層を形成し、当該第1のプライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1層目の樹脂の上から、シランカップリング剤からなる第2のプライマー層を、第1層目の樹脂を覆い、かつ、第1のプライマー層に達するように形成し、その上から第2層目の樹脂を、第2のプライマー層が第1層目の樹脂を覆っている部分と、第1のプライマー層に達している部分を覆うように付着させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項4)である。
【0020】
本手段は、プライマー層の形成に先立ち、母材の表面にケイ素酸化物又は金属酸化物からなる薄膜を形成し、その上に第1のプライマー層を形成しているところのみが前記第3の手段と異なっている。すなわち、本手段は前記第3の手段に前記第2の手段の技術的思想を適用したものであり、その作用効果は、第3の手段の作用効果に、前記第2の手段の説明で述べた作用効果が加わったものとなる。
【0021】
前記課題を解決するための第5の手段は、無機材料からなる母材の表面に2層以上の樹脂を積層して光学素子を形成する方法であって、母材の表面にシランカップリング剤からなる第1のプライマー層を形成し、当該第1のプライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1のプライマー層のうち、第1層目の樹脂で覆われていない部分を除去し、第1層目の樹脂の上から、シランカップリング剤からなる第2のプライマー層を、第1層目の樹脂を覆い、かつ、母材に達するように形成し、その上から第2層目の樹脂を、第2のプライマー層が第1層目の樹脂を覆っている部分と、母材に達している部分を覆うように付着させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項5)である。
【0022】
前記課題を解決するための第6の手段は、母材の表面に2層以上の樹脂を積層して光学素子を形成する方法であって、母材の表面にケイ素酸化物又は金属酸化物からなる薄膜を形成し、その上にシランカップリング剤からなる第1のプライマー層を形成し、当該第1のプライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1のプライマー層のうち、第1層目の樹脂で覆われていない部分を除去し、第1層目の樹脂の上から、シランカップリング剤からなる第2のプライマー層を、第1層目の樹脂を覆い、かつ、前記薄膜に達するように形成し、その上から第2層目の樹脂を、第2のプライマー層が第1層目の樹脂を覆っている部分と、前記薄膜に達している部分を覆うように付着させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項6)である。
【0023】
これら第5の手段、第6の手段は、それぞれ前記第3の手段、第4の手段とは、第1のプライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1のプライマー層のうち、第1層目の樹脂で覆われていない部分を除去する工程が加わっているところが異なっているのみである。このようにすると、第2のプライマー層を直接母材や母材表面に形成された薄膜に付着させることができるので、第2層目の樹脂層と母材との密着性を強固にでき、対環境性に優れた光学素子を製造することができる。
なお、これら第1の手段から第6の手段の方法は、回折光学素子を製造するのに特に適している。
【0025】
シランカップリング処理層は、無機物と有機物を結合させるプライマー層として優れているので、前記第1の手段から第6の手段に適用するのに好ましい物質である。
【0026】
【実施例】
<実施例1>
図1に示すような光学素子を製造した。以下の図1〜図5は、いずれも円筒状の部材をその中心軸を通る平面で切断した断面図であるが、かえって分かりにくくなるのでハッチングを省略する。
【0027】
母材1として外径60mmのBK7を使用し、その表面にシランカップリング剤KBM503(登録商標:信越化学製)のエチルアルコール/水の混合溶液をスピンコートにて全面に塗布し、ベーキングしてプライマー層4を形成した。その母材と格子形状を有する金型を近接させ、その間隙に未硬化の第1層目の樹脂2を充填した。第1層目の樹脂としては、RC8720(登録商標:大日本インキ製)を使用した。
【0028】
金型は、第1層目の樹脂層2の外径が55mmであり、その表面に格子高20μm、格子ピッチが中心付近で2mm、外周付近で0.12mmとなるピッチ配列のパターンを具備する回折格子が形成されるようなものを用いた。
【0029】
この状態で、母材を通して紫外線を2分間照射し、第1層目の樹脂層2を硬化させた後、離型した。その上にさらに未硬化の第2層目の樹脂3を滴下し、金型と近接させて成形した後、第1層目と同様に紫外線硬化させて離型した。
【0030】
第2層目の樹脂3として、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート58wt%、2-Propenoicacid[5,5'-[9H-fruolene-9-ylidene]bis[(1,1'-biphenyl)-2poly(oxy-2,1-ethanediyl)ester]41.5wt%、光開始剤イルガキュア184(登録商標)0.5wt%からなる組成物を用いた。
【0031】
2層目の樹脂層3用の金型は、2層目の樹脂層3の外径が58mm、表面がフラットとなるようなものを用いた。よって、1層目の樹脂層2の外径より2層目の樹脂層3の外径が3mm大きく、1.5mmの幅だけ、全円周にわたって、2層目の樹脂層3が、プライマー層4に付着することになる。
このようにして形成された光学素子を、50℃、湿度90%の雰囲気中に100時間曝したが、界面剥離は発生しなかった。
【0032】
<実施例2>
図2に示すような光学素子を製造した。母材1、1層目の樹脂層2、2層目の樹脂層3の材料は実施例1と同じである。2層目の樹脂層3の形成までの工程は、実施例1と同じであるが、2層目の樹脂層用の金型として、2層目の樹脂層3の外径が58mmで、その表面に格子高20μm、ピッチ200μmの直線状のパターンが形成されるようなものを用いた。
【0033】
さらに、その上から、1層目の樹脂と同じ材質の樹脂を3層目の樹脂5として滴下し、金型と近接させて成形した後、第1層目と同様に紫外線硬化させて離型した。金型は、3層目の樹脂層5の外径が62mmで、表面がフラットとなるようなものを用いた。よって、2層目の樹脂層3の外径より3層目の樹脂層5の外径が4mm大きく、2mmの幅だけ、全円周にわたって、3層目の樹脂層5が、プライマー層4に付着することになる。
このようにして形成された光学素子を、50℃、湿度90%の雰囲気中に100時間曝したが、界面剥離は発生しなかった。
【0034】
<実施例3>
図3に示すような光学素子を製造した。母材1、1層目の樹脂層2、2層目の樹脂層3の材料は実施例1と同じである。1層目の樹脂層2の形成までの工程は、実施例1と同じである。この実施例では、1層目の樹脂層2を形成した後、その上からシランカップリング剤KBM503(登録商標:信越化学製)のエチルアルコール/水の混合溶液をスピンコートにて全面に塗布し、ベーキングして第2のプライマー層6を形成した。第2のプライマー層6とプライマー層4とは、図に示すように、第2のプライマー層6の端部(円周部)で密着している。
【0035】
そして、第2のプライマー層6の上から、未硬化の第2層目の樹脂3を滴下し、金型と近接させて成形した後、第1層目と同様に紫外線硬化させて離型した。第2層目の樹脂は、実施例1と同じものを用い、金型も実施例1と同じものを用いた。この実施例においては、第2の樹脂層3の円周部が1.5mmの幅にわたって、第2のプライマー層6に付着しているが、第2のプライマー層6と第1のプライマー層4が実質的に一体となっているので、第2の樹脂層3を強固に母材1に接着することができる。
このようにして形成された光学素子を、50℃、湿度90%の雰囲気中に100時間曝したが、界面剥離は発生しなかった。
【0036】
<実施例4>
図4に示すような光学素子を形成した。この実施の形態においては、SiO2含有量が5%未満の硝材を母材1として用いた。母材1の外径60mmとした。母材1の上にSiO2と金属酸化膜であるAl2O3とを交互に積層して構成し、最表層をSiO2とした薄膜7をコーティングし、その上に実施例1と同じ方法によりプライマー層4を形成した。その後は、実施例1と同じ方法で、第1の樹脂層2、第2の樹脂層3を形成した。
このようにして形成された光学素子を、50℃、湿度90%の雰囲気中に100時間曝したが、界面剥離は発生しなかった。
【0037】
<実施例5>
図5に示すような光学素子を形成した。この光学素子は、図3に示したものと類似しているが、第2のプライマー層6が直接母材1に付着するようにされている点が異なっている。母材1、1層目の樹脂層2、2層目の樹脂層3の材料は実施例1と同じである。1層目の樹脂層2の形成までの工程は、実施例1と同じである。その後、洗浄により第1のプライマー層4で1層目の樹脂層2に覆われていない部分を除去し、その後第3の実施例と同様の方法で、第2のプライマー層6を形成した。そして、その上に、第3の実施例と同様の方法で第2の樹脂層3を形成した。
【0038】
この方法では、第2のプライマー層6が母材1に直接付着しているので、第2の樹脂層3が確実に母材に接合される。
このようにして形成された光学素子を、50℃、湿度90%の雰囲気中に100時間曝したが、界面剥離は発生しなかった。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、樹脂層同士の密着性を安定させ、耐環境性に優れた光学素子を提供する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例により製造された光学素子の構成を示す概要図である。
【図2】本発明の第2の実施例により製造された光学素子の構成を示す概要図である。
【図3】本発明の第3の実施例により製造された光学素子の構成を示す概要図である。
【図4】本発明の第4の実施例により製造された光学素子の構成を示す概要図である。
【図5】本発明の第5の実施例により製造された光学素子の構成を示す概要図である。
【図6】従来の光学素子の例を示す図である。
【符号の説明】
1…母材
2…第1の樹脂層
3…第2の樹脂層
4…(第1の)プライマー層
5…第3の樹脂層
6…第2のプライマー層
7…SiO2と金属酸化膜であるAl2O3(金属酸化物)からなる薄膜
Claims (6)
- 無機材料からなる母材の表面に2層以上の樹脂を積層して光学素子を形成する方法であって、母材表面にシランカップリング剤からなるプライマー層を形成し、当該プライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1層目の樹脂の上から、前記プライマー層のうち第1層目の樹脂に覆われていない部分に第2層目の樹脂が付着されるように第2層目の樹脂を付着させ、以後、3層目以上の樹脂を積層する場合は、前記プライマー層のうち当該層より下層の樹脂に覆われていない部分に当該層の樹脂が付着されるように当該層の樹脂を付着させる工程を繰り返すことにより、母材の上に2層以上の樹脂を積層する工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
- 母材の表面に2層以上の樹脂を積層して光学素子を形成する方法であって、母材の表面にケイ素酸化物又は金属酸化物からなる薄膜を形成し、その上にシランカップリング剤からなるプライマー層を形成し、当該プライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1層目の樹脂の上から、前記プライマー層のうち第1層目の樹脂に覆われていない部分に第2層目の樹脂が付着されるように第2層目の樹脂を付着させ、以後、3層目以上の樹脂を積層する場合は、前記プライマー層のうち当該層より下層の樹脂に覆われていない部分に当該層の樹脂が付着されるように当該層の樹脂を付着させる工程を繰り返すことにより、母材の上に2層以上の樹脂を積層する工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
- 無機材料からなる母材の表面に2層以上の樹脂を積層して光学素子を形成する方法であって、母材の表面にシランカップリング剤からなる第1のプライマー層を形成し、当該第1のプライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1層目の樹脂の上から、シランカップリング剤からなる第2のプライマー層を、第1層目の樹脂を覆い、かつ、第1のプライマー層に達するように形成し、その上から第2層目の樹脂を、第2のプライマー層が第1層目の樹脂を覆っている部分と、第1のプライマー層に達している部分を覆うように付着させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
- 母材の表面に2層以上の樹脂を積層して光学素子を形成する方法であって、母材の表面にケイ素酸化物又は金属酸化物からなる薄膜を形成し、その上にシランカップリング剤からなる第1のプライマー層を形成し、当該第1のプライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1層目の樹脂の上から、シランカップリング剤からなる第2のプライマー層を、第1層目の樹脂を覆い、かつ、第1のプライマー層に達するように形成し、その上から第2層目の樹脂を、第2のプライマー層が第1層目の樹脂を覆っている部分と、第1のプライマー層に達している部分を覆うように付着させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
- 無機材料からなる母材の表面に2層以上の樹脂を積層して光学素子を形成する方法であって、母材の表面にシランカップリング剤からなる第1のプライマー層を形成し、当該第1のプライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1のプライマー層のうち、第1層目の樹脂で覆われていない部分を除去し、第1層目の樹脂の上から、シランカップリング剤からなる第2のプライマー層を、第1層目の樹脂を覆い、かつ、母材に達するように形成し、その上から第2層目の樹脂を、第2のプライマー層が第1層目の樹脂を覆っている部分と、母材に達している部分を覆うように付着させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
- 母材の表面に2層以上の樹脂を積層して光学素子を形成する方法であって、母材の表面にケイ素酸化物又は金属酸化物からなる薄膜を形成し、その上にシランカップリング剤からなる第1のプライマー層を形成し、当該第1のプライマー層に第1層目の樹脂を付着させた後、第1のプライマー層のうち、第1層目の樹脂で覆われていない部分を除去し、第1層目の樹脂の上から、シランカップリング剤からなる第2のプライマー層を、第1層目の樹脂を覆い、かつ、前記薄膜に達するように形成し、その上から第2層目の樹脂を、第2のプライマー層が第1層目の樹脂を覆っている部分と、前記薄膜に達している部分を覆うように付着させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
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