JP4027134B2 - 用紙処理装置及び画像形成システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、用紙に穿孔する穿孔手段を備えた用紙処理装置及びこの用紙処理装置を備えた画像形成装置並びに用紙処理装置と画像形成装置とからなる画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の技術として例えば(1)特開2001−25995公報記載の発明が知られている。この発明は、シートに孔を明けるパンチ及びダイと、このパンチ及びダイが前記シートに孔を明けたときに生じるパンチ屑を搬送するパンチ屑搬送手段と、パンチ屑搬送手段によって搬送されてきたパンチ屑を受け止めるパンチ屑箱とを備えていることを特徴とし、パンチ屑搬送手段としてスクリュー式の搬送装置を採用し、また、パンチ屑箱を画像形成装置本体の外側に着脱可能に設け、このパンチ屑箱を画像形成装置本体から取り外したとき、パンチ屑搬送手段の駆動は停止させるが画像形成装置の画像形成は継続させるように構成されている。これにより、パンチ屑が装置の外部にゴミとして散乱することがなく、また、パンチ屑箱を取り外しても画像形成動作を継続するので、画像形成の生産性の高めることができる旨、記載されている。
【0003】
また、加工したときの屑を収容する手段を備えたものとして、例えば(2)特開平7−112861号公報、(3)特開平6−155393号公報にそれぞれ記載された発明も知られている。
【0004】
(2)の公報には、パンチかす受け入れ容器が画像形成装置本体の側板に形成した開口部を介して画像形成装置外から着脱できるように構成され、さらに、パンチかす受け入れ容器を透明なプラスチックなどの材料によって形成することにより、装置外からパンチかす受け入れ容器内が視認できるように構成された画像形成装置が開示されている。また、この公報には、パンチかす受け入れ容器を画像形成装置本体の側面に配置し、外部からパンチかすの処理が容易に行えるようにした構成も開示されている。
【0005】
(3)の公報には、複写機本体の側部に設けられた開閉カバーにパンチ機構が取り付けられ、さらに、前記開閉カバーにパンチ機構によってパンチ孔を明ける際に発生するパンチ屑を貯蔵する排紙タンクが着脱可能に設けられた構成が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記(1)の公報に開示された発明では、パンチ屑箱は複写機の本体の後部(操作側からみて背面側)に取り外し可能に取り付けられているので、たとえパンチ屑箱を取り外したときに画像形成の動作が継続して行われるにしても、操作がしにくいという問題がある。
【0007】
また、前記(2)の公報に開示された発明では、パンチ屑箱を画像形成装置外から着脱できるようにしているが、側板に設けていることから、パンチ屑箱を取り替えるための空間を側板の外部側に設けておく必要があり、その分の設置スペースが必要となる。また、パンチ屑箱の設置側から複写機の本体の内部深くまでパンチ屑箱を設けることができないので、複写機本体の側板の内側の近くで孔明け動作を行わせる必要があり、用紙の搬送方向をパンチ孔の穿孔位置に合わせて規制する必要があった。
【0008】
さらに、前記(3)の公報に開示された発明では、複写機本体の側部に設けられた開閉カバーにパンチ機構が取り付けられ、さらに、開閉カバーにパンチ機構によってパンチ孔を明ける際に発生するパンチ屑を貯蔵する排紙タンクが着脱可能に設けられているので、開閉カバーを開閉するためのスペースを複写機本体の側部に設ける必要がある。このため、複写機本体が小型化されたとしても前述のように開閉カバーを開閉し、排紙タンクを取り出すことが可能な設置スペースが複写機本体側部に必要となり、結局、大きな設置スペースが必要となり、省スペース化の要求に応えることができない。
【0009】
そこで、本発明者らは、搬入されてきた用紙に穿孔する穿孔手段と、前記穿孔手段によって穿孔された穿孔屑を搬送する穿孔屑搬送手段と、前記穿孔屑搬送手段によって搬送される穿孔屑を収容する穿孔屑収容手段とを備えた用紙処理装置において、前記穿孔屑収容手段を、前記用紙処理装置の前面側に設けた用紙処理装置、あるいは、前記穿孔屑収容手段を、用紙の搬送方向と平行な側であって前記用紙処理装置本体内部を開放する開閉可能な開閉扉側に設けた用紙処理装置をすでに提案している。この用紙処理装置では、穿孔屑を用紙搬送方向と直交する方向に設けた搬送搬送手段(搬送ベルト)上に落下させ、開閉扉の内側に設けた穿孔屑収容手段に落とし込んで穿孔屑を収容するようにしている。
【0016】
そこで、本発明の目的は、穿孔屑が装置前側板を通過して再び装置内部に搬送される前に、穿孔屑を強制的に穿孔屑搬送手段から引き離すようにして確実に穿孔屑収容手段に収納できる用紙処理装置及び画像形成システムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、第1の手段は、搬入されてきた用紙に穿孔する穿孔手段と、前記穿孔手段によって穿孔された穿孔屑を搬送する穿孔屑搬送手段と、前記穿孔屑搬送手段によって搬送される穿孔屑を収容する穿孔屑収容手段とを備えた用紙処理装置において、前記穿孔屑搬送手段から穿孔屑を剥離し、強制的に落下させる穿孔屑剥離手段を有することを特徴とする。
【0026】
このように構成すると、穿孔屑搬送手段に付着した穿孔屑は、確実に剥離され穿孔屑収納手段側に落下するので、装置内部の機構部に穿孔屑が入り込んで不具合を生じるおそれはない。
【0027】
の手段は、第1手段に係る用紙処理装置と、入力された画像情報に基づいて記録媒体に可視画像を形成する画像形成装置とから画像形成システムを構成したことを特徴とする。
【0028】
このように画像形成システムを構成すると、穿孔屑が装置内部の機構部に進入することなく前側板の外側で穿孔屑収納手段に確実に収容できるので、穿孔屑が原因となってシステムが停止することはない。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0030】
《機械的構成》
図1は第1の実施形態に係る画像形成装置PRと用紙処理装置としての用紙後処理装置FRからなる画像形成システムのシステム構成を示す斜視図、図2は前記画像形成システムの内部構造の概略を示す構成図である。これらの図において、画像形成装置PRは、複写機能を有し、画像読み取り部31と、画像書き込み部32と、給紙部33と、原稿給送部34とから基本的に構成されている。画像読み取り部31は、いわゆるスキャナによって主走査方向の走査を行うとともに副走査方向に移動させて原稿を読み取る公知のものである。原稿は自動原稿給送装置(ADF)とも称される原稿給送部34によってコンタクトガラス上に給送され、光学的に読み取られる。画像書き込み部32は、レーザダイオード、ポリゴンミラー、fθレンズなどを使用した公知の光学系から構成され、この光学系によって感光体表面に光書き込みを行い、光書き込みによって形成された潜像をトナー現像して顕像化し、用紙に転写することにより画像が形成される。形成された画像は定着部で定着された後、排紙ローラ35によって用紙後処理装置FR側に排出される。給紙部33は、この実施形態では4段設けられ、図において右側にあたる用紙引き出し方向には縦搬送路36が設けられ、各給紙段から引き出された用紙を画像書き込み部32に供給する。
【0031】
用紙後処理装置FRには、画像形成装置PRから画像形成済みの用紙が矢印Mで示される方向から搬入される。用紙後処理装置FRには、画像形成装置PRから搬送されてくる用紙に対して穿孔するための穿孔ユニット4が、入口ローラ1の用紙搬送方向下流側であって搬送ローラ6の上流側に設けられている。穿孔ユニット4の下方には穿孔後の穿孔屑を搬送する搬送ユニット5が図3の図2におけるA−A線で断面した概略構成図に示すように用紙搬送方向に直交する方向に設けられ、前記搬送ユニット5によって、穿孔屑搬送方向Qに穿孔屑23(図4、図5参照)が搬送される。穿孔屑23の搬送方向Qは、ユーザが操作やジャム処理等を行う操作側OPで、ユーザはこの操作側OPに位置して用紙後処理装置FRもしくは画像形成装置PRに操作部37から所望の処理を入力し、あるいは、トナー交換、用紙のジャム処理などを行う。トナー交換、用紙のジャム処理は、操作側OPの筐体の一部である前カバー14を開放して行われ、前記穿孔屑収容ホッパ3を前記前カバー14の内側に設ける。これにより、穿孔屑は、前カバー14の内側に設けられた穿孔屑収容ホッパ3内に対して行われる。穿孔屑23を搬送する搬送ユニット5と穿孔屑収容ホッパ3の詳細は後述する。
【0032】
穿孔ユニット4によって穿孔された用紙Pは、搬送コロ6の下流に配置された分岐爪27,28によって各搬送経路に搬送され、次後処理工程の仕分け、あるいは、スティプル等の処理工程を通過して排紙トレイ9上に積載される。単純排出であれば上側の搬送路を通ってプルーフトレイ29上に排紙され、積載される。
【0033】
仕分けの場合には、分岐爪27によって搬送ローラ対7側の搬送路を開放し、分岐爪28によって搬送ローラ対10側の搬送路を閉鎖することによってシフト機能を有する排紙トレイ9側に排紙ローラ対8を介して排紙する。シフト機能は排紙トレイ9を用紙搬送方向に直交する方向に部毎に移動させて1部毎に仕分ける機能である。
【0034】
スティプルの場合には、分岐爪27によって搬送ローラ対7側の搬送路を開放し、分岐爪28によって搬送ローラ対10側の搬送路を開放しスティプル排紙ローラ11からスティプルトレイ12に用紙を排紙する。スティプルトレイ12では、1枚毎に叩きコロによって後端フェンス側に用紙を叩き落とし、排紙方向と直交する方向の用紙端部をジョガーフェンスで揃え、1部分集積されると、ステイプラ13で用紙端部(ここでは後端)を綴じ、放出ベルトによって排紙ローラ対8側に綴じた用紙束を押し上げて、シフトトレイ9に排紙する。
【0035】
このように、穿孔ユニット4と穿孔屑収容ホッパ3は各後処理工程の最上流に配置されているため、基本的にはどの用紙に対しても穿孔することができ、穿孔された用紙をそのままプルーフトレイ29に、あるいはシフトトレイ9に排紙して仕分け、あるいは穿孔された用紙を綴じてシフトトレイ9に排紙することが可能である。
【0036】
図4は穿孔ユニット4と穿孔屑収容ホッパ3の詳細を示す図である。穿孔ユニット4は、図4において矢印M方向から搬送されてきた用紙に対して穿孔刃15の動作によって穿孔する。穿孔ユニット4の穿孔機構は、用紙を所定の位置に停止させた後に、用紙の搬送方向に垂直な方向に穿孔刃15を動作(上下動作)させて穿孔するプレスパンチ方式(図10、図11)でも、用紙を搬送させながら用紙の搬送速度と同期させるように穿孔刃15を回転させて穿孔するロータリーパンチ方式(図12、図13)でもよく、孔明け方式は問わない。いずれの穿孔手段でも穿孔された用紙から切り離され、落下した穿孔屑23は、用紙ガイド15aのさらに下方に設けられた穿孔屑搬送ユニット5によって前カバー14側に配置された穿孔屑収容ホッパ3の内部に落下し、収容される。
【0037】
図5は穿孔屑搬送ユニット5の詳細及び穿孔屑搬送ユニット5と穿孔ユニット4と穿孔屑収容ホッパ3との位置関係を示す概略構成図である。同図において、用紙ガイド15aに案内されて穿孔刃15位置まで搬送されてきた用紙は、穿孔位置で一旦停止し、穿孔刃15を用紙側に下降させることにより打ち抜かれる。穿孔刃15によって打ち抜かれて発生した穿孔屑23は、用紙ガイド15aの下方に設けられた穿孔屑搬送ユニット5の穿孔屑搬送ベルト18上に落下する。穿孔屑搬送ベルト18は従動側のタイミングプーリ17と駆動側のタイミングプーリ19間に所定の張力が掛けられた状態で張架され、穿孔屑23が落下した側の穿孔屑搬送ベルト18が図5の矢印Q方向(穿孔屑搬送方向)に移動し、これに伴って穿孔屑23は操作(前カバー14)側OPに搬送される。穿孔屑搬送ベルト18は駆動側のタイミングプーリ19と一体化されたウォームホイール19aがウォーム20と噛み合い、ウォーム20の回転によって図示反時計方向に回転し、これにより、搬送屑23を前記Q方向に搬送することができる。ウォーム20はステッピングモータ22からタイミングベルト21を介して回転駆動される。穿孔屑搬送ベルト18によって操作側OPに搬送されてきた穿孔屑23は、穿孔屑ガイド16のガイドを通過して穿孔屑収容ホッパ3の内部に落下し、収容される。穿孔屑収容ホッパ3は開閉可能な前カバー14の内側(用紙後処理装置内部側)に着脱可能な構成により装着されている。
【0038】
この実施形態では、穿孔屑搬送ベルト18の前カバー14側の装置本体の前側板45の前カバー側に穿孔屑搬送ベルト18の従動側のタイミングプーリ17が突出し、この突出した位置から穿孔屑ガイド16に穿孔屑を受け渡すようになっている。そして、その下部に穿孔屑ホッパ3が設けられている。したがって、前カバー14と前側板45との間に穿孔屑ホッパ3、穿孔屑ガイド6およびタイミングプーリ17の一部が少なくとも位置している。
【0039】
図6は開閉可能な前カバー14の内側(ここでは、前カバー14の内面14d)に着脱可能な構成により装着されている穿孔屑収容ホッパ3の詳細を示す図である。穿孔屑収容ホッパ3にはマグネット25が装着されており、開閉可能な前カバー14の内側の面14dに貼付もしくは埋め込まれているブラケット24に磁気的に吸着して保持される。また、磁気的に吸着させる際に前カバー14と穿孔屑収容ホッパ3との相対的な位置決めのために、ガイドとして前カバー14の内面14dの一部に位置決めピン14a,14bを設け、また、穿孔屑収容ホッパ3の側面に位置決め孔3a,3bを設けている。これにより、前記位置決めピン14a,14bに前記位置決め孔3a,3bを挿入し、マグネット25とブラケット24によって穿孔屑収容ホッパ3を保持させている。これにより、前記位置決めピン14a,14bが穿孔屑収容ホッパ3のガイドとして機能する。なお、マグネット25は、穿孔屑収容ホッパ3内に穿孔屑23が満杯になったときに穿孔屑収容ホッパ3を保持できるだけの磁気的吸着力を備えている必要があるが、脱着の容易性を考慮すると前記保持できるだけの吸着力で充分でもある。なお、前カバー14はジャム処理やトナー交換の際にも開閉され、その際、穿孔屑収容ホッパ3が振動し、山形に堆積した穿孔屑23の山が崩れ、均されるので、満杯になるまでの収容量が多くなる。
【0040】
図7及び図8は用紙後処理装置FRの穿孔屑搬送機構を示す要部平面図で、図7は前カバー14が閉鎖されている通常の使用状態を、図8は前カバー14が開放された状態をそれぞれ示す。図8から分かるように、前カバー14は用紙後処理装置FR本体の操作側OPからみて左側に設けられた支軸26を中心に回動自在に設けられている。前カバー14が開いた状態になると穿孔屑収容ホッパ3も一体に開き、閉じた状態になると一体に閉じる。
【0041】
穿孔屑収容ホッパ3は、前カバー14が閉じた状態のときには、図2のように操作側OPから見ると搬送経路をふさいだ状態になっており、仮にジャム処理等で搬送ガイド板を開閉しようとしても、穿孔屑収容ホッパ3が図2の位置に固定され、退避しなければジャム処理等の邪魔になる。したがって、ジャム処理等で前カバー14を開いたときには、前カバー14と一体となって穿孔屑収容ホッパ3も移動する必要がある。逆に言えば、前カバー14を開いた状態で穿孔屑収容ホッパ3も移動してジャム処理等の邪魔にならなければ、穿孔屑収容ホッパ3も大きくすることができ、穿孔屑の収容容量を増加させることができる。
【0042】
《電気的構成》
制御装置350は、図9に示すように、CPU360、I/Oインターフェース370等を有するマイクロコンピュータからなり、画像形成装置PR本体のコントロールパネルの各スイッチ等、および入口センサ2、排紙トレイ9上への用紙の排紙は、排紙トレイ9上の紙面高さを検知するセンサなどの各センサからの信号がI/Oインターフェース370を介してCPU360へ入力される。
【0043】
CPU360は、入力された信号に基づいて、穿孔(パンチ)ユニット4の穿孔刃15の上下方向の動作、穿孔屑搬送ユニット5の搬送動作、スティプルトレイ12における用紙搬送方向と直交する方向の整合動作(ジョギング動作)、スティプルユニット13による綴じ動作、綴じた後の用紙束の排出動作、排紙トレイ9の昇降動作、用紙の搬送方向と平行な方向を揃えるために用紙を後端フェンス側に叩き落とす叩きコロの動作などの各動作を制御する。スティプル排紙ローラ11を駆動する図示しないスティプル搬送モータのパルス信号はCPU360に入力されてカウントされ、このカウントに応じて叩きコロやジョギング動作が制御される。
【0044】
なお、用紙後処理装置FRの制御は前記CPU360が図示しないROMに書き込まれたプログラムを、図示しないRAMをワークエリアとして使用しながら実行することにより行われる。
【0045】
《プレスパンチ方式》
図10は穿孔ユニット4にプレスパンチ方式のものを採用した場合の穿孔動作を示す動作説明図、図11は穿孔のためにプレスを行わせるプレス機構の駆動系を示す概略構成図である。図10(a)は初期状態を、同図(b)は穿孔を開始した状態を、同図(c)は穿孔時の状態を、同図(d)は穿孔を終了した直後の状態を、同図(e)は初期状態に戻った状態をそれぞれ示す。
【0046】
図11に示すように穿孔刃15は軸31を中心に回転するカム30によって搬送されてきた用紙Pに対して垂直に動作し、図10(c)の状態で用紙Pに対して穿孔を行う。そのとき用紙Pに対して、図2の入口センサ2を用紙Pの後端が通過してからある一定時間後、或いは、一定パルス後に停止させた状態で穿孔が行われる。その際、軸31に軸着され、軸31と一体に回転するカム30が、軸31を中心に回転することによってカム30の外周面と接触しているホルダ32の内壁を用紙P側に押し下げる。押し下げられたホルダ32は、ホルダ32と係合している穿孔刃15を用紙P側に押し下げ、用紙Pを突き抜けて穿孔が行われる。
【0047】
軸31にはプーリ33が装着されており、タイミングベルト35を介してステッピングモータ34からの駆動により回転する。プーリ33から軸31への駆動は、プーリ33を常にタイミングベルト35を介してステッピングモータ34で回転させて、必要なときに1回転クラッチで軸31に伝達したり、ステッピングモータ34の停止、駆動を繰り返して軸31に伝達するように構成することもできる。
【0048】
《ロータリーパンチ方式》
図12は穿孔ユニット4にロータリーパンチ方式のものを採用した場合の穿孔動作を示す動作説明図、図13はロータリー機構の駆動系を示す概略構成図である。図12(a)は初期状態を、同図(b)は穿孔を開始した状態を、同図(c)は穿孔時の状態を、同図(d)は穿孔を終了した直後の状態を、同図(e)は穿孔時から90°回転した状態をそれぞれ示す。
【0049】
図13にも示すように穿孔刃15は軸36を中心に回転する。一方、穿孔刃15と対になる位置にダイ38が設けられ、ダイ38は軸37を中心に回転する。搬送されてきた用紙Pの後端が図2の入口センサ2を通過してからあらかじめ設定されたパルス数分経過した後の用紙Pの搬送動作に合わせて、穿孔刃15とダイ38が回転を開始し図12(c)の状態で用紙を穿孔する。すなわち、穿孔刃15とダイ38はそれぞれ用紙Pを挟んで対になっている回転体に装着されており、それぞれの回転体は軸36と軸37を中心に回転する。穿孔刃15とダイ38の中心軸36と37にはそれぞれギヤ39と40が装着されており、双方のギヤの噛み合わせによって回転が伝達するようになっている。また、穿孔刃15側のギヤ39にはタイミングベルト42を介してステッピングモータ41から駆動が伝達される。
【0050】
このロータリーパンチ方式の穿孔ユニット4では、用紙を停止させることなく穿孔作業を行うことができるので、画像形成装置の画像形成速度を考慮する必要がなく、また、用紙Pを停止させる必要がないので、制御が簡単になる。
【0051】
ところで、図5に示したように穿孔屑23は穿孔屑搬送ユニット5の穿孔屑搬送ベルト18上に載置された状態で装置前面(操作側)に搬送される。そのとき、穿孔屑23は、前側板45を通過してさらに穿孔屑搬送方向(矢印)に向かって搬送される。そうすることによって、前側板45と前カバー14の間に装備されている穿孔屑収容ホッパ3の中へ、確実に穿孔屑23は落下し積載される。すなわち、穿孔屑搬送ベルト18を駆動する従動側のタイミングプーリ17の穿孔屑搬送方向の先端部は、必ず前側板45よりも前カバー14側に突出している。これにより、穿孔屑搬送ベルト18から穿孔屑が落下する際に前側板45から機械内部(作像手段配設側)に入り込むことはない。
【0052】
図14は穿孔屑23が穿孔屑収容ホッパ3に収容されるときの状態を示す要部斜視図である。同図から分かるように穿孔屑搬送ベルト18上に乗って穿孔屑23が装置前面(操作側)A方向に搬送され、穿孔屑ガイド16の傾斜した面からなるガイド面を通過して、B方向へと落下していく。B方向へと落下していった穿孔屑23は穿孔屑収容ホッパ3の内部に積載されるわけであるが、穿孔屑ガイド16の傾斜面が平坦であるため、ほぼ同一の個所から落下し、1つの頂を持つ山形の穿孔屑積載ライン3bを形成して積載される。そのため、穿孔屑23の収容可能スペース3cを残しながら穿孔屑収容ホッパ3の満杯検知窓3aまで積載されてしまうため効率よく収容が行われずに、満杯検知が作動してしまう。
【0053】
これに対し図15の要部斜視図に示すように穿孔屑ガイド16のガイド面16aを凸形状に形成し、稜線16bに対して傾斜面を2つ設けると、その稜線16bから両側の面に分かれて穿孔屑23が通過し、2箇所の落下位置からb方向へと落下していく。そのため、穿孔屑収容ホッパ3の内部には図15では、2つの頂を持つような山形の穿孔屑積載ライン3bを形成しながら収容スペースを3cを効率よく使用して穿孔屑が積載されていく。図14と図15の状態を比較すると明らかなように、同一の穿孔枚数であれば、無駄な収容可能スペースは図14に示した従来の方式よりも図15に示した本実施形態の方式の方が少なく、効率よく穿孔屑23が収容されていることがわかる。
【0054】
なお、この実施形態では、1つの稜線16bを持つ山形形状にガイド面16aを形成しているが、穿孔屑ガイド16の傾斜面を通過するときに穿孔屑が分岐されるような分岐板(フラップ状の板)を凸形状に代えて用いても同様に穿孔屑を分散させることができる。
【0055】
図16及び図17は穿孔屑ガイド16に設けられた遮蔽板の動作を示す説明図である。図16及び図17において、穿孔屑ガイド16の上部には支軸46aを介して断面L字型の遮蔽板46が取り付けられている。この遮蔽板46の前記L字型の水平部が常時スプリング47によって穿孔屑ガイド16の穿孔屑落下口16cを閉鎖する方向に弾性付勢されている。これにより、遮蔽板の46の初期状態では、図17に示すように穿孔屑落下口16cは前記水平部により閉鎖され、ここから穿孔屑23が落下することはない。
【0056】
本実施形態では、図16に示すように前カバー14の内側に突起14cが設けられ、この突起が前カバー14を閉鎖した状態で前記遮蔽板46の立ち上がり部を押し、遮蔽板46を前記スプリング47の弾性力に抗して前記支軸46aを中心に遮蔽板46を開放する方向(図示時計方向)に回動させる。これにより穿孔屑ガイド16の穿孔屑落下口16cが開放され、穿孔屑23が穿孔屑収容ホッパ3に落下できる状態となる。
【0057】
したがって、前カバー14が開放された状態では遮蔽板46は穿孔屑落下口16cを閉鎖し、前カバーが閉鎖された状態では遮蔽板46は穿孔屑落下口16cを開放することになる。これにより、前カバー16を閉鎖したときのみ穿孔屑ガイド16からの穿孔屑23の落下が可能になり、前カバー16を開く過程で、あるいは開いた後、さらには、前カバー14を開いたときに発生する振動や風の影響で穿孔屑23が穿孔屑ガイド16を通過して落下することがなくなり、穿孔屑飛散等の不具合を解消することができる。
【0058】
図18及び図19は穿孔屑23が穿孔屑搬送ベルト18から穿孔屑ガイド16に送り出されるときの状態を示す要部拡大図である。図18の状態では、穿孔屑搬送ベルト18によって穿孔屑23が装置前面(操作側)に搬送されてきて、穿孔屑ガイド16のスロープに落下せずに穿孔屑搬送ベルト18に付着してプーリ17の円周を回り、再び装置内部に搬送されてきている。このようになるのは、穿孔屑搬送ベルト18に穿孔屑23の繊維が絡み付くとか、静電気等によって、離れにくくなっているものとが考えられる。
【0059】
このように穿孔屑ガイド16の送り出されずに、穿孔屑23が装置内部に再び搬送されると、穿孔屑搬送ベルト18に付着して移動している間に装置内のどこかで落下して飛散する可能性があるため、本実施形態では、図19に示すように穿孔屑23を穿孔屑搬送ベルト18から引き離すためのブレード48を穿孔屑ガイド16に設けた。ブレード48は穿孔屑ガイド16のガイド面16aに接着し、ブレード先端が穿孔屑搬送ベルト18に当接するかたちとなっている。従って、たとえ穿孔屑23が穿孔屑搬送ベルト18に密着していても、強制的にブレード48によって穿孔屑23は引き剥がされて、穿孔屑収容ホッパ3に落下する。
【0060】
これにより、穿孔屑2が装置内に落下して不都合を生じることはない。
【0061】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、穿孔屑搬送手段から穿孔屑を剥離し、強制的に落下させる穿孔屑剥離手段を有するので、穿孔屑が装置前側板を通過して再び装置内部に搬送される前に、穿孔屑を強制的に穿孔屑搬送手段から引き離すようにして確実に穿孔屑収容手段に収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置と用紙後処理装置とからなる画像形成システムのシステム構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像形成装置と用紙後処理装置とからなる画像形成システムの内部構成の概略を示す図である。
【図3】図2のA−A線断面における概略構成図である。
【図4】穿孔ユニットと穿孔屑収容ホッパの詳細を示す図である。
【図5】穿孔屑搬送ユニットの詳細及び穿孔屑搬送ユニットと穿孔ユニットと穿孔屑収容ホッパとの位置関係を示す概略構成図である。
【図6】開閉可能な前カバーの内側(用紙後処理装置内部側)に着脱可能な構成により装着されている穿孔屑収容ホッパの詳細を示す図である。
【図7】前カバーが閉鎖されている通常の使用状態における用紙後処理装置の穿孔屑搬送機構を示す要部平面図である。
【図8】前カバーが開放されている状態における用紙後処理装置の穿孔屑搬送機構を示す要部平面図である。
【図9】本実施形態に係る用紙処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図10】穿孔ユニットにプレスパンチ方式のものを採用した場合の穿孔動作を示す動作説明図である。
【図11】穿孔のためにプレスを行わせるプレス機構の駆動系を示す概略構成図である。
【図12】穿孔ユニットにロータリーパンチ方式のものを採用した場合の穿孔動作を示す動作説明図である。
【図13】ロータリー機構の駆動系を示す概略構成図である。
【図14】既出願における穿孔屑が穿孔屑収容ホッパに収容されるときの状態を示す要部斜視図である。
【図15】本発明の実施形態における穿孔屑が穿孔屑収容ホッパに収容されるときの状態を示す要部斜視図である。
【図16】穿孔屑ガイドに設けられた遮蔽板の動作(開放状態)を示す説明図である。
【図17】穿孔屑ガイドに設けられた遮蔽板の動作(閉鎖状態)を示す説明図である。
【図18】穿孔屑が穿孔屑搬送ベルトから穿孔屑ガイドに送り出されるときの既出願の状態を示す要部拡大図である。
【図19】穿孔屑が穿孔屑搬送ベルトから穿孔屑ガイドに送り出されるときの本発明の実施形態の状態を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
3 穿孔屑収容ホッパ
3b 穿孔屑積載ライン
3c 収容可能スペース
4 穿孔ユニット
5 搬送ユニット(
14 前カバー
14a,14b 位置決めピン
14c 突起
15 穿孔刃
16 穿孔屑ガイド
16a ガイド面
16b 稜線
16c 穿孔屑落下口
18 穿孔屑搬送ベルト
23 穿孔屑
45 前側板
46 遮蔽板
47 スプリング
48 ブレード
350 制御装置
360 CPU
FR 用紙後処理装置
PR 画像形成装置

Claims (2)

  1. 搬入されてきた用紙に穿孔する穿孔手段と、
    前記穿孔手段によって穿孔された穿孔屑を搬送する穿孔屑搬送手段と、
    前記穿孔屑搬送手段によって搬送される穿孔屑を収容する穿孔屑収容手段と、
    を備えた用紙処理装置において、
    前記穿孔屑搬送手段から穿孔屑を剥離し、強制的に落下させる穿孔屑剥離手段を有する
    ことを特徴とする用紙処理装置。
  2. 請求項1記載の用紙処理装置と、
    入力された画像情報に基づいて記録媒体に可視画像を形成する画像形成装置と、
    を備えてなる画像形成システム
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