以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、レストラン等の飲食店で実用に供される注文データ管理システムに本発明の作業指示機能を適用した場合である。
図1は、本実施の形態における注文データ管理システムの全体構成図である。本システムは、注文データの入力処理機能を有した複数台の無線ハンディターミナル1と、各無線ハンディターミナル1と無線通信が可能な無線部2と、システムの中枢を担うコントローラ3と、注文伝票を印字発行する伝票発行機4と、注文を受けた料理品の調理指示機能及び調理完了指示機能を有した厨房用端末5と、客の会計処理機能を有したPOS端末6とから構成されている。コントローラ3と、伝票発行機4,厨房用端末5及びPOS端末6とは、通信回線であるLAN(Local Area Network)7で接続されている。
コントローラ3には、当該飲食店が提供する各種料理品の品目,価格等の料理品情報を、その料理品を特定するメニューコード別に設定記憶したメニューファイル8が設けられている。また、当該飲食店の各卓毎に設けられた複数の呼出釦9の操作信号が、それぞれA/D(アナログ/ディジタル)コンバータ10を介してコントローラ3に入力されるようになっている。さらに、後述する作業指示画面110(図13を参照)を表示可能なリスト出力部としての表示器11がコントローラ3に接続されている。
図2は、コントローラ3の要部構成を示すブロック図である。コントローラ3は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)31、プログラム等の固定的データが予め格納されたROM(Read Only Memory)32、可変的なデータを記憶するための各種メモリエリアが形成されるRAM(Random Access Memory)33、現在の日付及び時刻を計時する計時手段としての時計部34、LAN7に接続されるLANインターフェイス35、前記メニューファイル8等を保存するためのHDD(Hard Disk Drive)装置36、前記表示器11が接続され、該表示器11に表示データを出力する表示器インターフェイス37、前記無線部2が接続され、該無線部2との間で無線データを送受信する無線部インターフェイス38、前記各A/Dコンバータ10によってディジタル変換された呼出釦9の操作信号を入力するI/Oポート39等で構成されている。そしてCPU31と、ROM32,RAM33,時計部34,LANインターフェイス35,HDD装置36,表示器インターフェイス37,無線部インターフェイス38及びI/Oポート39とは、アドレスバス,データバス等のバスラインで接続されている。HDD装置36は、コントローラ3に内蔵されていてもよいし、外付されていてもよい。
かかる構成のコントローラ3において、RAM33には、特に図3に示すように、注文管理ファイル331,客席状態テーブル332,作業待ちカウンタ333及び状態コマンドバッファ334の各種メモリエリアが形成されている。
注文管理ファイル331は、各卓毎にそれぞれ設定された卓識別符号としての客席番号に対応して、その卓に着いている客の人数と、当該客が注文した料理品のデータであるメニューコード,数量,金額及び調理完了フラグとを記憶するメモリエリアである。
客席状態テーブル332は、各卓の客席番号に対応して、その卓の状態を表わす状態情報と、作業順位と、呼出フラグと、呼出順位とをそれぞれ記憶するメモリエリアである。卓の状態としては、客が着いていない空卓状態(状態情報を“0”とする)と、卓に水または茶等が出された水出し状態(状態情報を“1”とする)と、卓に着いている客が注文した料理品のデータが入力された注文状態(状態情報を“2”とする)と、注文された料理品が全て卓に配膳された配膳状態(状態情報を“3”とする)と、客が会計のために離席した会計状態(状態情報を“4”とする)とがある。作業順位は、水出し状態,注文状態または会計状態にある卓に対して店員が行う各種作業の優先順位である。因みに、水出し状態の卓に対しては、その卓の客から注文を受ける注文入力作業が行われる。注文状態の卓に対しては、調理が完了した料理品を配膳する配膳作業が行われる。会計状態にある卓に対しては、その卓の後片付け作業が行われる。呼出フラグは、対応する客席番号の卓の呼出釦9が操作されると“1”にセットされるフラグである。呼出順位は、呼出釦9が操作された順番である。
作業待ちカウンタ333は、客が卓に案内されてからその客が離席し卓の片付けが完了するまでの間に店員によって行われる各種作業の項目別にその作業の待ち回数をカウントするメモリエリアである。作業項目としては、前記注文入力作業を表わす「注文待ち」と、前記配膳作業を表わす「配膳待ち」と、前記後片付け作業を表わす「片付待ち」と、呼出釦9が操作された卓まで出向いて客の要求等を聞く呼出応答作業を表わす「呼出有り」とがある。
状態コマンドバッファ334は、各卓の状態を通知するコマンドを受信順に蓄積記憶するメモリエリアである。コマンドは、卓の状態を表わすコマンド種別と、その卓の客席番号と、そのコマンドが処理済になると“1”セットされる処理済フラグとからなる。コマンド種別としては、水出し状態にあることを通知する水出しコマンドと、注文状態にあることを通知する注文コマンドと、配膳状態にあることを通知する配膳コマンドと、会計状態にあることを通知する会計コマンドと、空卓状態にあることを通知する片付け完了コマンドと、呼出状態が解除されたことを通知する呼出解除コマンドとがある。
しかして、コントローラ3のCPU31は、コントローラ3の電源オンまたはリセット操作等に応動して、図4の流れ図に示す卓状態管理処理を開始する。先ず、ST(ステップ)1として客席状態テーブル332の状態情報,作業順位,呼出フラグ及び呼出順位の各情報をクリアする。また、ST2として作業待ちカウンタ333の各作業項目別カウント値N1〜N4を“0”にリセットする。次に、ST3として後述する作業指示画面表示処理を行い、表示器11に作業指示画面110の初期画面を表示させたならば、CPU31は、ST4として状態コマンドバッファ334を検索して未処理の状態コマンドの有無を判断する。そして、未処理の状態コマンドが格納されていない場合には、格納されるまで待機する。
未処理の状態コマンドを検出すると、CPU31は、コマンドの種別に応じた処理を実行する。
図4中、ST5として未処理の水出しコマンドを検出した場合には、CPU31は、そのコマンド中の客席番号で客席状態テーブル332を検索して、当該客席番号に対応した状態情報が“0”(空席状態)か否かを判断する。そして、状態情報が“0”であった場合には、CPU31は、図5に具体的に示す水出しコマンド処理を実行する。先ず、当該客席番号に対応した状態情報を“1”(水出し状態)に更新する。また、作業待ちカウンタ333の作業項目「注文待ち」に対応したカウント値N1を“1”だけカウントアップする。そして、客席状態テーブル332の当該客席番号に対応した作業順位エリアに上記カウント値N1をセットして、CPU31は、この水出しコマンド処理を終了する。なお、当該客席番号に対応した状態情報が“0”以外であった場合には、水出しコマンド処理を実行しない。
因みに、水出しコマンドはCPU31の水出し管理処理のなかで生成され、状態コマンドバッファ334に格納される。すなわち、店員が来店した客を空卓まで案内し、ハンディターミナル1を操作してその卓の客席番号及び客の人数を入力し伝送すると、これらの情報が無線部2を介してコントローラ3に取り込まれる。これにより、CPU31は水出し管理処理を実行して、注文管理ファイル331の該当する客席番号に対応した人数エリアに人数を格納する。また、コマンド種別「水出し」と、入力された客席番号と、“0”にリセットされた処理済フラグとから水出しコマンドを生成して、状態コマンドバッファ334に格納するものとなっている。
図4中、ST6として未処理の注文コマンドを検出した場合には、CPU31は、そのコマンド中の客席番号で客席状態テーブル332を検索して、当該客席番号に対応した状態情報が“1”(水出し状態)か否かを判断する。そして、状態情報が“1”であった場合には、CPU31は、図6に具体的に示す注文コマンド処理を実行する。先ず、当該客席番号に対応した状態情報を“2”(注文状態)に更新する。また、作業待ちカウンタ333の作業項目「配膳待ち」に対応したカウント値N2を“1”だけカウントアップする。そして、客席状態テーブル332の当該客席番号に対応した作業順位エリアに上記カウント値N2をセットする。また、作業待ちカウンタ333の作業項目「注文待ち」に対応したカウント値N1を“1”だけカウントダウンする。そして、このカウント値N1が“0”より大きいか否かを判断する。カウント値N1が“0”より大きい場合には、他に注文待ちの卓が存在するので、客席状態テーブル332から状態情報が“1”(水出し状態)の客席番号を全て取得し、この取得した客席番号に対応した全ての作業順位を“1”ずつ小さな値に変更する。すなわち、例えば2位であれば1位というように順位を繰上げる。カウント値N1が“0”の場合には、上記処理を実行しない。以上で、CPU31は、注文コマンド処理を終了する。なお、当該客席番号に対応した状態情報が“1”以外であった場合には、CPU31は、注文コマンド処理を実行しない。
因みに、注文コマンドはCPU31の注文受付処理のなかで生成され、状態コマンドバッファ334に格納される。すなわち、店員がハンディターミナル1を操作して卓の客席番号とともにその卓の客から受けた注文データを入力し伝送すると、これらの情報が無線部2を介してコントローラ3に取り込まれる。これにより、CPU31は、注文受付処理を実行して、注文管理ファイル331の該当する客席番号に対応した注文データエリアにメニューコード,数量及び金額の注文データを格納する。また、注文を受けたメニュー商品の調理指示データを作成して、厨房用端末5に送信する。さらに、コマンド種別「注文」と、入力された客席番号と、“0”にリセットされた処理済フラグとから注文コマンドを生成して、状態コマンドバッファ334に格納するものとなっている。
図4中、ST7として未処理の配膳コマンドを検出した場合には、CPU31は、そのコマンド中の客席番号で客席状態テーブル332を検索して、当該客席番号に対応した状態情報が“2”(注文状態)か否かを判断する。そして、状態情報が“2”であった場合には、CPU31は、図7に具体的に示す配膳コマンド処理を実行する。先ず、当該客席番号に対応した状態情報を“3”(配膳状態)に更新する。また、作業待ちカウンタ333の作業項目「配膳待ち」に対応したカウント値N2を“1”だけカウントダウンする。そして、このカウント値N2が“0”より大きいか否かを判断する。カウント値N2が“0”より大きい場合には、他に配膳待ちの卓が存在するので、客席状態テーブル332から状態情報が“2”(注文状態)の客席番号を全て取得し、この取得した客席番号に対応した全ての作業順位を“1”ずつ小さな値に変更して順位を繰上げる。カウント値N2が“0”の場合には、上記処理を実行しない。以上で、CPU31は、配膳コマンド処理を終了する。なお、当該客席番号に対応した状態情報が“2”以外であった場合には、CPU31は、配膳コマンド処理を実行しない。
因みに、配膳コマンドはCPU31の調理完了処理のなかで生成され、状態コマンドバッファ334に格納される。すなわち、厨房の店員は、料理品の調理が完了すると、厨房用端末5の操作部を操作して、その料理品のメニューコードと注文した客の客席番号とを入力する。すると、これらの情報がLAN7を経由してコントローラ3に取り込まれる。これにより、CPU31は調理完了処理を実行して、注文管理ファイル331の該当する客席番号に対応して格納された注文データのなかから、調理を完了した料理品の調理完了フラグをセットする。次に、該当する客席番号に対応して格納された注文データの調理完了フラグがすべてセットされているか否かを判断する。そして、調理完了フラグがすべてセットされていた場合には、コマンド種別「配膳」と、該当する客席番号と、“0”にリセットされた処理済フラグとから配膳コマンドを生成して、状態コマンドバッファ334に格納するものとなっている。
図4中、ST8として未処理の会計コマンドを検出した場合には、CPU31は、そのコマンド中の客席番号で客席状態テーブル332を検索して、当該客席番号に対応した状態情報が“3”(配膳状態)か否かを判断する。そして、状態情報が“3”であった場合には、CPU31は、図8に具体的に示す会計コマンド処理を実行する。先ず、当該客席番号に対応した状態情報を“4”(会計状態)に更新する。また、作業待ちカウンタ333の作業項目「片付待ち」に対応したカウント値N3を“1”だけカウントアップする。そして、客席状態テーブル332の当該客席番号に対応した作業順位エリアに上記カウント値N3をセットして、CPU31は、この会計コマンド処理を終了する。なお、当該客席番号に対応した状態情報が“3”以外であった場合には、CPU31は、会計コマンド処理を実行しない。
因みに、会計コマンドはCPU31の会計データ処理のなかで生成され、状態コマンドバッファ334に格納される。すなわち、店員がPOS端末6を操作して会計を申し出た客が使用していた卓の客席番号を入力すると、この情報がLAN7を経由してコントローラ3に取り込まれる。これにより、CPU31は会計データ処理を実行して、注文管理ファイル331の該当する客席番号に対応して格納された注文データから会計データを作成し、LAN7を介してPOS端末6に送信する。また、コマンド種別「会計」と、該当する客席番号と、“0”にリセットされた処理済フラグとから会計コマンドを生成して、状態コマンドバッファ334に格納するものとなっている。
図4中、ST9として未処理の片付け完了コマンドを検出した場合には、CPU31は、そのコマンド中の客席番号で客席状態テーブル332を検索して、当該客席番号に対応した状態情報が“4”(会計状態)か否かを判断する。そして、状態情報が“4”であった場合には、CPU31は、図9に具体的に示す片付け完了コマンド処理を実行する。先ず、当該客席番号に対応した状態情報を“0”(空席状態)に更新する。また、作業待ちカウンタ333の作業項目「片付待ち」に対応したカウント値N3を“1”だけカウントダウンする。そして、このカウント値N3が“0”より大きいか否かを判断する。カウント値N3が“0”より大きい場合には、他に片付待ちの卓が存在するので、客席状態テーブル332から状態情報が“4”(会計状態)の客席番号を全て取得し、この取得した客席番号に対応した全ての作業順位を“1”ずつ小さな値に変更して順位を繰上げる。カウント値N3が“0”の場合には、上記処理を実行しない。以上で、CPU31は、片付け完了コマンド処理を終了する。なお、当該客席番号に対応した状態情報が“4”以外であった場合には、CPU31は、片付け完了コマンド処理を実行しない。
因みに、片付け完了コマンドはCPU31の呼出釦入力処理のなかで生成され、状態コマンドバッファ334に格納される。すなわちCPU31は、いずれかの卓の呼出釦9が操作され、その操作信号がA/Dコンバータ10を介して入力されたことを検知すると、図11に具体的に示す呼出釦入力処理を実行する。先ず、CPU31は、ST21としてA/Dコンバータ10によってディジタル変換された操作信号が入力されたI/Oポート39のアドレスから、操作された呼出釦9が設けられている卓の客席番号を取得する。次に、CPU31は、ST22として客席状態テーブル332を検索して、当該客席番号に対応した呼出フラグがリセットされているか否かを判断する。呼出フラグがセットされていた場合には、呼出釦9が連続して操作されたので、CPU31は、この呼出釦入力処理を終了する。
これに対し、呼出フラグがリセットされていた場合には、次に、CPU31は、ST23として当該客席番号に対応した状態情報を調べる。ここで、状態情報が“0”であった場合には、空席状態にある卓の呼出釦9が操作された誤操作なので、CPU31は、この呼出釦入力処理を終了する。
これに対し、状態情報が“4”であった場合には、会計状態にある卓の呼出釦9が操作されたので、当該卓を片付けた店員が片付け完了を宣言したものとみなす。そしてCPU31は、ST24としてコマンド種別「片付け完了」と、該当する客席番号と、“0”にリセットされた処理済フラグとから片付け完了コマンドを生成し、状態コマンドバッファ334に格納して、この呼出釦入力処理を終了する。
一方、状態情報が“0”及び“4”以外の“1”〜“3”であった場合には、当該卓の客が呼出釦9を操作したものとみなす。そしてCPU31は、ST25として客席状態テーブル332の当該客席番号に対応した呼出フラグをセットする。また、ST26として作業待ちカウンタ333における作業項目「呼出有り」に対応したカウント値N4を“1”だけカウントアップする。そして、ST27として客席状態テーブル332の当該客席番号に対応した呼出順位エリアにカウント値N4を格納する。しかる後、ST28として後述する作業指示画面表示処理を実行して、CPU31は、この呼出釦入力処理を終了する。
図4中、ST10として未処理の呼出解除コマンドを検出した場合には、CPU31は、そのコマンド中の客席番号で客席状態テーブル332を検索して、当該客席番号に対応した呼出フラグがセットされているか否かを判断する。そして、呼出フラグがセットされていた場合には、CPU31は、図10に具体的に示す呼出解除コマンド処理を実行する。先ず、当該客席番号に対応した呼出フラグをリセットする。また、作業待ちカウンタ333の作業項目「呼出有り」に対応したカウント値N4を“1”だけカウントダウンする。そして、このカウント値N4が“0”より大きいか否かを判断する。カウント値N4が“0”より大きい場合には、他に呼出有りの卓が存在するので、客席状態テーブル332から呼出フラグがセットされた客席番号を全て取得し、この取得した客席番号に対応した全ての作業順位を“1”ずつ小さな値に変更して順位を繰上げる。カウント値N4が“0”の場合には、上記処理を実行しない。以上で、CPU31は、呼出解除コマンド処理を終了する。なお、当該客席番号に対応した呼出フラグがリセットされていた場合には、CPU31は、呼出解除コマンド処理を実行しない。
因みに、呼出解除コマンドはCPU31の呼出解除処理のなかで生成され、状態コマンドバッファ334に格納される。すなわち、呼出釦9が操作された卓に店員が出向いて客と応対する際に、ハンディターミナル1を操作してその卓の客席番号とともに呼出解除用のキーを入力して伝送すると、これらの情報が無線部2を介してコントローラ3に取り込まれる。これにより、CPU31は呼出解除処理を実行して、コマンド種別「呼出解除」と、入力された客席番号と、“0”にリセットされた処理済フラグとから呼出解除コマンドを生成して、状態コマンドバッファ334に格納するものとなっている。
こうして、未処理のコマンドを処理したならば、CPU71は、ST11としてその処理したコマンドの処理済フラグを“1”にセットする。しかる後、ST3に戻り、作業指示画面表示処理を再度実行して、表示器11の作業指示画面110を最新の状態に更新する。以後、状態コマンドバッファ334に未処理の状態コマンドが格納される毎に、CPU31は、コマンドの種別に応じた処理を実行し、その状態コマンドの処理済フラグを“1”にセットするとともに、作業指示画面110をリアルタイムで更新する。
図12は、前記卓状態管理処理のST3及び呼出釦入力処理のST28にて実行される作業指示画面表示処理の要部を示す流れ図である。この処理は、図13の(a)及び(b)に示すレイアウトの作業指示画面110を表示器11に表示させる処理である。因みに、本実施の形態では、作業待ちカウンタ333の作業項目別に、その作業が必要な卓の客席番号を優先順位が高い順に左詰めで一覧にした作業指示リスト111を作業指示画面110に表示させている。
すなわちCPU31は、作業指示画面表示処理を開始すると、先ず、ST31として卓数カウンタAを“0”に初期化する。次に、ST32として上記卓数カウンタAを“1”だけカウントアップする。そして、ST33として上記卓数カウンタAが当該飲食店に設置されている卓の総数を超えたか否かを判断する。
ここで、卓数カウンタAが卓の総数を超えていない場合には、CPU31は、ST34として客席状態テーブル332のA番目(Aは卓数カウンタの値)に格納されている客席番号に対応した状態情報を取得し、その状態情報から店員の作業が必要な卓か否かを判断する(作業卓判断手段)。
ここで、状態情報が“1”、つまり当該客席番号の卓が水出し状態にある場合には、注文入力作業が必要なので、CPU31は、ST35として客席状態テーブル332のA番目に格納されている客席番号に対応した作業順位Xを取得する。そして、作業指示リスト111の作業項目「注文待ち」に対応した客席番号エリアの左側よりX番目(Xは当該客席番号の作業順位)に当該客席番号が表示されるように、作業指示画面110の表示データを編集する。
また、状態情報が“2”、つまり当該客席番号の卓が注文状態にある場合には、配膳作業が必要なので、CPU31は、ST36として客席状態テーブル332のA番目に格納されている客席番号に対応した作業順位Xを取得する。そして、作業指示リスト111の作業項目「配膳待ち」に対応した客席番号エリアの左側よりX番目に当該客席番号が表示されるように、作業指示画面110の表示データを編集する。
また、状態情報が“4”、つまり当該客席番号の卓が会計状態にある場合には、後片付け作業が必要なので、CPU31は、ST37として客席状態テーブル332のA番目に格納されている客席番号に対応した作業順位Xを取得する。そして、作業指示リスト111の作業項目「片付待ち」に対応した客席番号エリアの左側よりX番目に当該客席番号が表示されるように、作業指示画面110の表示データを編集する。
これに対し、状態情報が“0”、つまり当該客席番号の卓が空席状態にある場合と、状態情報が“3”、つまり配膳状態にある場合には、格別の作業を行う必要がないので、作業指示画面110の表示データを編集しない。
次に、CPU31は、ST38として客席状態テーブル332のA番目に格納されている呼出フラグをチェックする。そして、呼出フラグがセットされていた場合には、CPU31は、ST39として客席状態テーブル332のA番目に格納されている客席番号に対応した呼出順位Yを取得する。そして、作業指示リスト111の作業項目「呼出有り」に対応した客席番号エリアの左側よりY番目に当該客席番号が表示されるように、作業指示画面110の表示データを編集する。呼出フラグがリセットされていた場合には、客からの呼出しがないので、作業指示画面110の表示データを編集しない。
その後、ST32の処理に戻り、卓数カウンタAを“1”だけカウントアップして卓の総数を超えたか否かを判断する。以後、卓数カウンタAが卓の総数を超えるまで、CPU31は、ST34以降の処理を繰返す。すなわち、客席状態テーブル332の客席番号順に卓の状態情報をチェックし、状態情報が“1”の場合には作業指示リスト111の作項目「注文待ち」に対応した客席番号エリアの左側よりX番目に当該客席番号が表示されるように作業指示画面110の表示データを編集し、状態情報が“2”の場合には作業指示リスト111の作業項目「配膳待ち」に対応した客席番号エリアの左側よりX番目に当該客席番号が表示されるように作業指示画面110の表示データを編集し、状態情報が“4”の場合には作業指示リスト111の作業項目「片付待ち」に対応した客席番号エリアの左側よりX番目に当該客席番号が表示されるように作業指示画面110の表示データを編集する。また、客席状態テーブル332の客席番号順に呼出フラグをチェックし、セットされている場合には、作業指示リスト111の作業項目「呼出有り」に対応した客席番号エリアの左側よりY番目に当該客席番号が表示されるように作業指示画面110の表示データを編集する。
こうして、ST33にて卓数カウンタAが卓の総数を超えたならば、CPU31は、ST40として作業指示画面110の表示データを表示器11に出力して、当該表示器11に作業指示画面110を表示させる(リスト出力制御手段)。
このように構成された本実施の形態においては、来店した客を店員が空席の卓まで案内し、ハンディターミナル1を操作してその卓の客席番号等を入力し伝送すると、コントローラ3において当該卓の客席番号を有する水出しコマンドが生成されて状態コマンドバッファ334に格納される。これにより、コントローラ3においては水出しコマンド処理が実行されて、当該卓が水出し状態(状態情報=1)として管理される。そして、作業指示画面110における作業指示リスト111の作業項目「注文待ち」に対応する客席番号エリアに当該卓の客席番号が表示される。したがって店員は、作業指示リスト111の作業項目「注文待ち」に対応して表示されている客席番号の卓において、注文入力作業を行う必要があると認識できる。
そして、卓に着いている客から料理品の注文を受けた店員がハンディターミナル1を操作して当該卓の客席番号とともに注文データを入力し伝送すると、コントローラ3において当該卓の客席番号を有する注文コマンドが生成されて状態コマンドバッファ334に格納される。これにより、コントローラ3においては注文コマンド処理が実行されて、当該卓が注文状態(状態情報=2)として管理される。そして、作業指示画面110における作業指示リスト111の作業項目「注文待ち」に対応する客席番号エリアから当該卓の客席番号が消去され、新たに作業項目「配膳待ち」に対応する客席番号エリアに当該卓の客席番号が表示される。したがって店員は、作業指示リスト111の作業項目「配膳待ち」に対応して表示されている客席番号の卓において、配膳作業を行う必要があると認識できる。
そして、1つの卓に着いている客が注文した全ての料理品の調理が完了すると、コントローラ3において当該卓の客席番号を有する配膳コマンドが生成されて状態コマンドバッファ334に格納される。これにより、コントローラ3においては配膳コマンド処理が実行されて、当該卓が配膳状態(状態情報=3)として管理される。そして、作業指示画面110における作業指示リスト111の作業項目「配膳待ち」に対応する客席番号エリアから当該卓の客席番号が消去される。
また、飲食を終えた客から会計の申し出を受けた店員が、POS端末6を操作して当該客が着いていた卓の客席番号を入力し会計データの呼出を指令すると、コントローラ3において当該卓の客席番号を有する会計コマンドが生成されて状態コマンドバッファ334に格納される。これにより、コントローラ3においては会計コマンド処理が実行されて、当該卓が会計状態(状態情報=4)として管理される。そして、作業指示画面110における作業指示リスト111の作業項目「片付待ち」に対応する客席番号エリアに当該卓の客席番号が表示される。したがって店員は、作業指示リスト111の作業項目「片付待ち」に対応して表示されている客席番号の卓において、後片付け作業を行う必要があると認識できる。
また、卓に着いている客がその卓に設けられている呼出釦9を操作すると、その卓は水出し状態,注文状態または配膳状態なので、コントローラ3においては呼出釦入力処理のST25〜28の処理が実行されて、作業指示画面110における作業指示リスト111の作業項目「呼出有り」に対応する客席番号エリアに当該卓の客席番号が表示される。したがって店員は、作業指示リスト111の作業項目「呼出有り」に対応して表示されている客席番号の卓において、呼出応答作業を行う必要があると認識できる。
そして、呼出応答作業を行うために呼出釦9が操作された卓に店員が出向き、ハンディターミナル1を操作して当該卓の客席番号とともに呼出解除用のキーを入力し伝送すると、コントローラ3において当該卓の客席番号を有する呼出解除コマンドが生成されて状態コマンドバッファ334に格納される。これにより、コントローラ3においては呼出解除コマンド処理が実行されて、作業指示画面110における作業指示リスト111の作業項目「呼出有り」に対応する客席番号エリアから当該卓の客席番号が消去される。
また、卓の片付けを終えた店員がその卓に設けられている呼出釦9を操作すると、その卓は会計状態なので、コントローラ3においては呼出釦入力処理のST24の処理が実行される。すなわち、当該卓の客席番号を有する片付け完了コマンドが生成されて状態コマンドバッファ334に格納される。これにより、コントローラ3においては片付け完了コマンド処理が実行されて、当該卓が空席状態(状態情報=0)として管理される。そして、作業指示画面110における作業指示リスト111の作業項目「片付待ち」に対応する客席番号エリアから当該卓の客席番号が消去される。
このように本実施の形態では、飲食店において、客が卓に案内されてからその客が離席し卓の片付けが完了するまでの間に店員によって行われる注文入力作業,配膳作業,後片付け作業等の各種作業の項目毎に、その作業が必要な卓の客席番号を一覧にした作業指示リスト111を表示器11にリアルタイムで表示するようにしている。したがって、この作業指示リスト111を各店員が確認することによって、どの卓に対してどのような作業をすればよいのかが一目で分かるようになる。
例えば今、図13(a)に示す内容の作業指示画面110が表示器11に表示されたとする、この場合、作業指示リスト111の内容から、客席番号「12」と「9」の卓に対しては、注文入力作業をすればよいことが分かる。また、客席番号「2」,「1」,「7」及び「8」の卓に対しては、配膳作業をすればよいことが分かる。また、客席番号「10」と「5」の卓に対しては、後片付け作業をすればよいことが分かる。また、客席番号「11」と「9」の卓に対しては、呼出応答作業をすればよいことが分かる。
そして、例えば店員が客席番号「2」の卓に着いた客から注文を受け、ハンディターミナル1にその注文データ等を入力すると、作業指示画面110の作業指示リスト111は、同図(b)に示すように更新される。すなわち、作業項目「注文待ち」に対応して表示されていた客席番号「2」が、作業項目「配膳待ち」に対応して表示されるようになる。これにより、店員は、客席番号「2」の店員に対しては次に配膳作業を行えばよいことが容易に分かる。
このように本実施の形態によれば、作業指示リスト111を表示出力することによって、注文受付作業,配膳作業,後片付け作業等の各種作業が必要な卓及びその作業内容を店員に的確に指示することができるので、各種作業の効率を高めることができる。
また、本実施の形態では、各種作業の項目とその作業が必要な卓の客席番号とを作業順位の早い順番に並べて作業指示リスト111を出力するようにしている。したがって、店員は、リストの順番に卓に出向いて該当する作業を処理すればよいので、例えば会計を終えた客がいた卓が長い時間にわたり片付けられないような作業手順ミスを未然に防ぐことができる。
また、本実施の形態では、客が店員を呼出す際に使用する呼出釦9を、当該卓が会計状態のときに操作されたときには当該卓の片付作業が完了したことを宣言する釦としている。したがって、既存のシステムをそのまま利用して、卓の片付け作業が終わったことをコントローラ3に容易に知らせられるようになる。
なお、前記実施の形態では、リスト出力部を表示器11とし、この表示器11に作業指示リスト111を表示させたが、リスト出力部をプリンタや音声合成装置とし、作業指示リスト111を印刷または音声出力する作業指示装置も本発明に含まれるものである。
また、前記実施の形態では、作業指示リスト111の作業項目を「注文待ち」,「配膳待ち」,「片付待ち」,「呼出有り」の4項目としたが、これ以外の作業項目を有するものも本発明に含まれるのは言うまでもないことである。また、作業指示リスト111のレイアウトも図13に示すものに限定されないのは勿論である。
1…ハンディターミナル、2…無線部、3…コントローラ、5…厨房用端末、6…POS端末、9…呼出釦、11…表示器、110…作業指示画面、111…作業指示リスト、331…注文管理ファイル、332…客席状態テーブル、333…作業待ちカウンタ、334…状態コマンドバッファ。