発明の前提技術.
図1はこの発明に係る設定表示装置、並びに当該設定表示装置に接続されるプログラマブルコントローラ(PLC)を示す主要システム構成図である。図2は図1の設定表示装置に接続される第2の設定表示装置を示すシステム構成図である。
まず、図1の設定表示装置のシステム構成について説明する。図1の設定表示装置100は後述のPLC150に接続され、当該PLC150に対する設定情報の書込みやモニタ情報の読出しを行なう。設定表示装置100は、設定表示装置100の内部動作を制御するCPU101、CPU101とバス接続されたFLASHメモリやEEPROM等のシステムメモリ102、CPU101とバス接続されユーザが作成した情報を格納するFLASHメモリやEEPROM等のプログラムメモリ103、CPU101とバス接続されデータを一時的に格納しておくSRAM等のRAM104を備えている。
また、設定表示装置100は、上記CPU101とバス接続され下記PLC150から受信したデータを一時的に格納するSRAM等の受信バッファメモリ105と、上記CPU101とバス接続され下記PLC150へ送信するデータを一時的に格納するSRAM等の送信バッファメモリ108を備えている。上記受信バッファメモリ105は、下記PLC150から受信したデータレジスタの内容を格納するデータメモリ106と、下記PLC150から受信したデバイスのON/OFF情報を格納するビットメモリ107を有する。上記送信バッファメモリ108は、下記PLC150へ送信するデータレジスタの内容を格納するデータメモリ109と、下記PLC150へ送信するデバイスのON/OFF情報を格納するビットメモリ110を有する。
また、設定表示装置100は、上記CPU101と接続され下記PLC150に対してキー操作によりデータの設定や各種指令を行う操作キー112と、上記CPU101とバス接続され文字・図形・データメモリの値やビットメモリのON/OFFの状態の表示を行なうディスプレイ113と、下記プログラミングツール114と接続し上記設定表示装置100と間のデータのやり取りを行なうインターフェース回路115と、前段の装置(下記PLC150)に接続した際にデータのやり取りを行なうためのインターフェース回路116と、後段の装置(第2の設定表示装置200)に接続した際にデータのやり取りを行なうためのインターフェース回路117を備えている。プログラミングツール114は、上記インターフェース回路115に接続し、上記ディスプレイ113に表示するプログラムを作成するパソコンなどである。
次に、図1のPLC150のシステム構成について説明する。PLC150は制御対象機械を制御するプログラマブルコントローラであり、当該PLCの内部動作を制御するCPU151と、当該CPU151とバス接続されたFLASHメモリやEEPROM等のシステムメモリ152と、上記CPU151とバス接続されユーザが作成した情報を格納するFLASHメモリやEEPROM等のプログラムメモリ153と、上記CPU151とバス接続されデータを一時的に格納しておくSRAM等のRAM154と、上記CPU151とバス接続され各種制御情報を格納するSRAM等のデバイスメモリ155を備えている。上記デバイスメモリ155は、データレジスタの内容を格納するデータメモリ156と、デバイスのON/OFF情報を格納するビットメモリ157を有する。
また、PLC150は、外部機器から上記PLC150への入力信号158を上記CPU151へ入力に適した形に処理する入力処理部159と、外部機器を制御するための出力信号160を生成するための出力処理部161と、上記PLC150の制御プログラムを作成するパソコンなどのプログラミングツール162と上記PLC150を接続した際のデータのやり取りを行なうインターフェース回路163と、上記設定表示装置100と上記PLC150を接続した際のデータのやり取りを行なうためのインターフェース回路164を備えている。
次に、図2の第2の設定表示装置のシステム構成について説明する。図2の設定表示装置200は、図1の設定表示装置100を通してPLC150に接続され、当該PLC150に対する設定情報の書込みやモニタ情報の読出しを行なう。設定表示装置200のシステム構成は、図1の設定表示装置100と同様であり、内部動作を制御するCPU201、システムメモリ202、プログラムメモリ203、RAM204、受信バッファメモリ205、送信バッファメモリ208を備えている。上記受信バッファメモリ205は、PLC150から受信したデータレジスタの内容を格納するデータメモリ206と、PLC150から受信したデバイスのON/OFF情報を格納するビットメモリ207を有する。上記送信バッファメモリ208は、PLC150へ送信するデータレジスタの内容を格納するデータメモリ209と、PLC150へ送信するデバイスのON/OFF情報を格納するビットメモリ210を有する。また、設定表示装置200は、キー操作によりデータの設定や各種指令を行う操作キー212と、文字・図形・データメモリの値やビットメモリのON/OFFの状態の表示を行なうディスプレイ213と、プログラミングツール214と接続するためのインターフェース回路215と、前段の装置(図では設定表示装置100)に接続した際のデータのやり取りを行なうためのインターフェース回路216と、後段の装置に接続した際のデータのやり取りを行なうためのインターフェース回路217を備えている。プログラミングツール214は、上記インターフェース回路215に接続し、上記ディスプレイ213に表示するプログラムを作成するパソコンなどである。
図3は設定表示装置のディスプレイに表示されるモニタ用画面例を示し、図3(a)は図1の設定表示装置100のディスプレイ113に表示される画面1000を示し、画面データ作成用のプログラミングツール114により作成される。また、図3(b)は図2の設定表示装置200のディスプレイ113に表示される画面2000を示し、画面データ作成用のプログラミングツール214により作成される。
図3(a)において、画面1000は、PLC150内のデータメモリD0からD9までの連続10点の現在値表示を表わす部品1001と、同じくデータメモリD50からD54までの連続5点の現在値表示を表わす部品1002と、PLC150内のビットメモリM0からM2までの連続3点のランプ表示を表わす部品1003と、文字部品ABC、図形部品△、押圧された際に現在画面が他の画面に切換わる画面移行用タッチキー等の表示部品1004から構成されている。
また、図3(b)において、画面2000は、PLC150内のデータメモリD0からD9までの連続10点の現在値表示を表わす部品2001と、同じくデータメモリD50からD54までの連続5点の現在値表示を表わす部品2002と、PLC150内のビットメモリM10からM12までの連続3点のランプ表示を表わす部品2003と、文字部品ABC、図形部品△、押圧された際に現在画面が他の画面に切換わる画面移行用タッチキー等の表示部品2004から構成されている。
図4は図1の設定表示装置100とPLC150との間のモニタ用通信動作の一例を示した説明図であり、設定表示装置100からPLC150のデバイスメモリにおけるデータレジスタD0からD9までの連続10点、データレジスタD50からD54までの連続5点、及び、補助リレーM0からM2までの連続3点のモニタ処理を行なう場合の説明図である。
図4の設定表示装置100とPLC150との間のモニタ用通信動作において、以降の説明では例えばD0と書かれた場合、D0はアドレス0番のデータレジスタ、(D0)と書かれた場合は、アドレス0番のデータレジスタD0の内容を示すこととする。同様に、例えばM0と書かれた場合、M0はアドレス0番の補助リレー、(M0)と書かれた場合は、アドレス0番の補助リレーM0のON/OFF内容を示すこととする。
図4の例では、設定表示装置100のディスプレイ113に、PLC150のD0からD9までの10点の現在値、D50からD54までの5点の現在値、M0からM2までの3点の現在値を表示する。まず、設定表示装置100は、D0からD9までの10点、D50からD54までの5点という送信データ1005をPLC150へ送信する。この送信データ1005は、PLC150の参照したいデータメモリ156のアドレスを直接指定する外部アドレス指定方式となっている。指定されたアドレスに基づいて、設定表示装置100は、PLC150のデータメモリ156に格納されている、D0から10点、D50から5点に関するデータレジスタの内容を、受信データ1006として受信する。この結果、ディスプレイ113のモニタ値のD0の位置には(D0)、D1の位置には(D1)、・・・・・、D9の位置には(D9)、D50の位置には(D50)、・・・、D54の位置には(D54)が表示される。
同様に、設定表示装置100は、M0からM2まで3点の送信データ1007をPLC150へ送信する。この送信データ1007は、PLC150の参照したいビットメモリ157のアドレスを直接指定する外部アドレス指定方式となっている。そして、設定表示装置100は、PLC150のビットメモリ157の中に格納されている、M0からM2まで3点に関するデータレジスタの内容を、受信データ1008として受信する。この結果、ディスプレイ113のランプ表示部品のM0の位置には(M0)、M1の位置には(M1)、M2の位置には(M2)が表示される。
図5は図2の設定表示装置200と図1のPLC150との間のモニタ用通信動作の一例を示した説明図であり、設定表示装置200からPLC150のデバイスメモリにおけるデータレジスタD0からD9までの連続10点、データレジスタD50からD54までの連続5点、及び、補助リレーM10からM12までの連続3点のモニタ処理を行なう場合の説明図である。
図5の例では、設定表示装置200のディスプレイ213に、PLC150のD0からD9までの10点の現在値、D50からD54までの5点の現在値、M10からM12までの3点の現在値をモニタ表示する。まず、設定表示装置200は、D0からD9までの10点、D50からD54までの5点という送信データ2005を設定表示装置100を通じてPLC150へ送信する。この送信データ2005は、PLC150の参照したいデータメモリ156のアドレスを直接指定する外部アドレス指定方式となっている。指定されたアドレスに基づいて、設定表示装置200は、PLC150のデータメモリ156に格納されている、D0から10点、D50から5点に関するデータレジスタの内容を、受信データ2006として受信する。この結果、ディスプレイ213のモニタ値のD0の位置には(D0)、D1の位置には(D1)、・・・・・、D9の位置には(D9)、D50の位置には(D50)、・・・、D54の位置には(D54)が表示される。
同様に、設定表示装置200は、M10からM12まで3点の送信データ2007を設定表示装置100を通じてPLC150へ送信する。この送信データ2007は、PLC150の参照したいビットメモリ157のアドレスを直接指定する外部アドレス指定方式となっている。そして、設定表示装置100は、PLC150のビットメモリ157の中に格納されている、M10からM12まで3点に関するデータレジスタの内容を、受信データ2008として受信する。この結果、ディスプレイ213のランプ表示部品のM10の位置には(M10)、M11の位置には(M11)、M2の位置には(M12)が表示される。
図6は1台のPLC150に設定表示装置100、200を2台接続したシステム構成を示し、PLC150と設定表示装置100,200との間の通信動作を示した詳細説明図である。
図6において、PLC150は設定表示装置1と接続するための通信ポート(PORT1)及びPLC150の動作状態を表すデバイスメモリ155を備えている。ここで、デバイスメモリ155は、図4及び図5に示すように、データレジスタD0〜D1023を有するデータメモリ156と、データレジスタM0〜M1023を有するビットメモリ157を備えている。図6では、そのうち要素A、要素B、要素Cを代表して示しており、要素AにはデータレジスタD0〜D10並びにD50〜D54のデータ内容が、要素BにはデータレジスタM0〜M2のデータ内容が、要素CにはデータレジスタM10〜M12のデータ内容が格納されている。
通信ポート(PORT1)は予め決められた通信仕様(以下、通信1と呼称)で動作する。
設定表示装置100は、通信ポート(PORT1−1)、通信ポート(PORT1−2)、[情報1、情報2、情報3、結果1]をそれぞれ記憶する記憶メモリ、演算手段1、表示手段1を備えており、PLC150の通信ポート(PORT1)と自身の通信ポート(PORT1−1)間はシリアル接続されている。そして、通信ポート(PORT1−1)の通信仕様はPLC150側の通信ポート(PORT1)で規定された仕様に依存し、PLC150側と同様、通信1で動作するものである。通信ポート(PORT1−2)は後段機器である設定表示装置200と接続され、通信仕様は設定表示装置200の通信ポート(PORT2−1)で規定された仕様に依存し、通信1で動作するものである。
情報2は後段の設定表示装置200から要求された情報であって、設定表示装置100内の記憶メモリに格納され、情報Aと情報Cから構成されている。情報Aは、デバイスメモリ155におけるデータレジスタD0からD9までの連続10点、データレジスタD50からD54までの連続5点のデータ情報であり、情報Cは、デバイスメモリ155における補助リレーM10からM12までの連続3点の情報を示す。
情報3は設定表示装置100自身が必要とする情報であって、設定表示装置100内の記憶メモリに格納され、情報Aと情報Bから構成されている。情報Aは、デバイスメモリ155におけるデータレジスタD0からD9までの連続10点、データレジスタD50からD54までの連続5点のデータ情報であり、情報Cは、デバイスメモリ155における補助リレーM0からM2までの連続3点のデータ情報を示す。
情報1は、情報2と情報3の内容を統合した情報であって、設定表示装置100内の記憶メモリに格納され、この情報に基づいて前段のPLC150へ要求する。結果1は前段PLC150から返信された結果であって、設定表示装置100内の記憶メモリに格納され、情報2に対する結果(結果1−1)と情報3に対する結果(情報1−2)から構成されている。結果1−1は、結果Aと結果Cから構成され、結果Aは、デバイスメモリ155におけるデータレジスタD0からD9までの連続10点、データレジスタD50からD54までの連続5点のデータ内容であり、結果Cは、デバイスメモリ155における補助リレーM10からM12までの連続3点のデータ内容を示す。また、結果1−2は、結果Aと結果Bから構成され、結果Aは、デバイスメモリ155におけるデータレジスタD0からD9までの連続10点、データレジスタD50からD54までの連続5点のデータ内容であり、結果Bは、デバイスメモリ155における補助リレーM0からM2までの連続3点のデータ内容を示す。
演算手段1は、結果1の内容から後段の設定表示装置200へ返信するか、設定表示装置100自身の表示手段1へ情報伝達するかを演算するマイクロプロセッサであり、図1のCPU101に相当する。表示手段1は液晶などの表示素子(図1のディスプレイ113に相当)に対して、演算手段1で演算された結果を伝達し、表示させる手段である。
設定表示装置200は通信ポート(PORT2−1)、通信ポート(PORT2−2)、情報4並びに結果4をそれぞれ格納する記憶メモリを有しており、前段の設定表示装置100の通信ポート(PORT1−2)とシリアル接続されている。また、通信ポート(PORT2−2)には後段の設定表示装置が存在しないため、接続されている機器はない。
情報4は設定表示装置200自身が必要とする情報であり、設定表示装置200の記憶メモリに格納され、情報Aと情報Cから構成されている。また、情報4に含まれるデータは前段設定表示装置100に含まれる情報2と同一内容である。
結果4は前段設定表示装置100から返信された結果であり、設定表示装置200の記憶メモリに格納され、結果Aと結果Cから構成されている。また、その内容は前段設定表示装置100の結果1−1と同一内容である。
通信ポート(PORT2−1)、(PORT2−2)については、設定表示装置100と200の機能が同一であるため、設定表示装置100の通信ポート(PORT1−1)、(PORT1−2)の仕様である通信1で動作する。
図6の構成において、各設定表示装置100,200及びPLC150が実行する処理として、設定表示装置200が情報4の内容を通信ポート(PORT2−1)へ出力する処理1、通信ポート(PORT2−1)から前段の設定表示装置100の通信ポート(PORT1−2)へ転送する処理2、後段設定表示装置100からの情報4を情報2へ記憶させる処理3、情報2の内容を情報1へ登録する処理4、設定表示装置100自身が必要とする情報3に基づいて情報1へ登録する処理5、登録された情報1の内容を通信ポート(PORT1−1)へ出力する処理6、設定表示装置100から前段のPLC150へ転送する処理7、要求内容を前段PLC150のデバイスメモリ155に照会する処理8、前段PLC150のデバイスメモリ155からデータ内容を取得し通信ポート(PORT1)へ出力する処理9、前段PLC150の通信ポート(PORT1)から後段の設定表示装置100の通信ポート(PORT1−1)へ返信する処理10、前段のPLC150から返信された内容を結果1として一時的に記憶する処理11、設定表示装置100の演算手段1が結果1の内容を読み出す処理12、演算手段1の演算結果に基づき通信ポート(PORT1−2)へ出力する処理13、演算手段1の演算結果に基づき表示手段1へ伝達する処理14、通信ポート(PORT1−2)から後段の設定表示装置200の通信ポート(PORT2−1)へ転送する処理15、前段設定表示装置100から返信された結果を設定表示装置200の記憶メモリに結果4として格納する処理16からなる。
次に、図6に基づいて、PLC150と設定表示装置100,200との間の通信動作の詳細について説明する。
まず、図1のプログラミングツール114並びに図2のプログラミングツール214により画面データを作成し、それぞれインターフェース115並びに215を介して、設定表示装置100のプログラムメモリ103並びに設定表示装置200のプログラムメモリ203に画面データを転送する。そして、各設定表示装置100並びに200は、上記転送された画面データに基づいて情報3及び情報4を作成する。
例えば、図3(a)のように設定表示装置100のディスプレイ113に画面1000が表示されている場合、情報3には、PLC150内のデータメモリD0からD9までの連続10点の現在値表示を表わす部品1001と、同じくデータメモリD50からD54までの連続5点の現在値表示を表わす部品1002とが情報Aとして、PLC150内のビットメモリM0からM2までの連続3点のランプ表示を表わす部品1003が情報Bとして含んでいる。一方、図3(b)のように設定表示装置200のディスプレイ113に画面2000が表示されている場合、情報4には、PLC150内のデータメモリD0からD9までの連続10点の現在値表示を表わす部品2001と、同じくデータメモリD50からD54までの連続5点の現在値表示を表わす部品2002とが情報Aとして、PLC150内のビットメモリM10からM12までの連続3点のランプ表示を表わす部品2003が情報Cとして含んでいる。
そして、設定表示装置200は、情報4に含まれる内容に基づいて、処理1及び処理2を介して前段の設定表示装置100へ送信する。設定表示装置200から送信された内容は設定表示装置100では処理3を介して情報2へ格納され、設定表示装置100自身で必要とする情報3と合わせ、処理5及び処理6に基づいて情報1へ登録する。設定表示装置100は、情報1に含まれる内容に沿って処理6、処理7を介して前段のPLC150に対し要求する。PLC150は設定表示装置100の要求内容を処理8にてデバイスメモリ155に照会し、その結果を処理9、処理10にて設定表示装置100へ返信する。設定表示装置100はPLC150から受信した結果を処理11にて結果1へ格納する。設定表示装置100の演算手段1は処理12にて結果1に格納されている情報を読み出し、処理14にて表示手段1へ伝達する情報3の結果と処理13にて通信ポート(PORT1−2)へ出力する情報2の結果を区別する。処理14にて伝達された情報3の結果は表示手段1により画面表示される。処理13にて通信ポート(PORT1−2)へ出力された情報2の結果は処理15、処理16を介して設定表示装置200の結果4へ格納される。
図7は図6により説明した一連の通信処理のうち、設定表示装置100では情報A、設定表示装置200では情報Cのような2台の設定表示装置で共通しない情報を要求した場合のタイムチャートである。図において、横軸に時間経過、縦軸は構成機器を示しており、PLC150−設定表示装置100間、設定表示装置100−設定表示装置200間の通信仕様はいずれも通信1で動作する。
図7において、設定表示装置100にて実行する処理Aは、設定表示装置100から要求データをPLC150へ送信する処理A1a、PLC150が要求データを受信する処理A1b、PLC150が応答結果を送信する処理A1c、設定表示装置100が応答結果を受信する処理A1dから構成されている。
一方、設定表示装置200にて実行される処理Cは、設定表示装置100への送信処理C2a、設定表示装置100が設定表示装置200の内容を受信する処理C2b、設定表示装置100から設定表示装置200からの要求データをPLC150へ送信する送信処理C21a、PLC150が設定表示装置200からの要求データを設定表示装置100から受信する処理C21b、PLC150が設定表示装置200からの要求データに対する応答結果を設定表示装置100へ送信する処理C21c、設定表示装置100が設定表示装置200からの要求データに対する応答結果を受信する処理C21d、設定表示装置200からの要求データに対する応答結果を設定表示装置200に返信する処理C2c、その結果を設定表示装置200が受信する処理をC2dから構成されている。
また、設定表示装置100の処理Aが終了した後に実行される処理をNEXT1、設定表示装置200の処理Cが終了した後に実行される処理をNEXT2とする。そして、設定表示装置100が処理Aを実行するのに必要な時間をT1a、設定表示装置200が処理Cを実行するのに必要な時間をT2cとする。
図7において、設定表示装置100の処理Aと設定表示装置200の処理Cを同時に要求された場合、まずPLC150に一番近い設定表示装置100の処理Aが実行される。設定表示装置100の処理Aは処理A1a、A1b、A1c、A1dの順に実行され、PLC150のデータを取得する。一方、設定表示装置200の処理Cにおいては、設定表示装置100で実行している処理Aが終了するまでPLC150に対する要求が出来ないため、処理C2a、C2bまで実行した後、処理Aが終了するまで待機する。処理Cの開始からT1a時間後、処理Cに関するPLC150への送信処理C21aが開始され、処理C21b、C21c、C21dの順に実行してPLC150から設定表示装置100に対して応答結果が返信される。PLC150から返信された応答結果を処理C2c、Cd2の順に実行して設定表示装置200へ返信すると同時に設定表示装置100は次処理(NEXT1)を実行する。また、設定表示装置200は処理C開始から終了に費やしたT2c時間後、次処理(NEXT2)を実行する。
図8は図6により説明した一連の通信処理のうち、設定表示装置100及び200いずれも情報Aを要求した場合のタイムチャートである。図において、横軸に時間経過、縦軸は構成機器を示しており、PLC150−設定表示装置100間、設定表示装置100−設定表示装置200間の通信仕様はいずれも通信1で動作する。
図8において、設定表示装置100にて実行する処理Aは、設定表示装置100から要求データをPLC150へ送信する処理A1a、PLC150が要求データを受信する処理A1b、PLC150が応答結果を送信する処理A1c、設定表示装置100が応答結果を受信する処理A1dから構成されている。
一方、設定表示装置200にて実行される処理Aは、設定表示装置100への送信処理A2a、設定表示装置100が設定表示装置200の内容を受信する処理A2b、設定表示装置100から設定表示装置200からの要求データをPLC150へ送信する送信処理A21a、PLC150が設定表示装置200からの要求データを設定表示装置100から受信する処理A21b、PLC150が設定表示装置200からの要求データに対する応答結果を設定表示装置100へ送信する処理A21c、設定表示装置100が設定表示装置200からの要求データに対する応答結果を受信する処理A21d、設定表示装置200からの要求データに対する応答結果を設定表示装置200に返信する処理A2c、その結果を設定表示装置200が受信する処理A2dから構成されている。
また、設定表示装置100の処理Aが終了した後に実行される処理をNEXT1、設定表示装置200の処理Aが終了した後に実行される処理をNEXT2とする。そして、設定表示装置100が処理Aを実行するのに必要な時間をT1a、設定表示装置200が処理Aを実行するのに必要な時間をT2aとする。
図8において、設定表示装置100の処理Aと設定表示装置200の処理Aを同時に要求された場合、まずPLC150に一番近い設定表示装置100の処理Aが実行される。設定表示装置100の処理Aは処理A1a、A1b、A1c、A1dの順に実行され、PLC150のデータを取得する。一方、設定表示装置200の処理Aにおいては、設定表示装置100で実行している処理Aが終了するまでPLC150に対する要求が出来ないため、処理A2a、A2bまで実行した後、設定表示装置100の処理Aが終了するまで待機する。設定表示装置100の処理Aの開始からT1a時間後、設定表示装置200の処理Aに関するPLC150への送信処理A21aが開始され、処理A21b、A21c、A21dの順に実行してPLC150から設定表示装置100に対して応答結果が返信される。PLC150から返信された応答結果は処理A2c、C2dの順に実行して設定表示装置200へ返信すると同時に設定表示装置100は次処理(NEXT1)を実行する。また、設定表示装置200は処理A開始から終了に費やしたT2a時間後、次処理(NEXT2)を実行する。
ここで、図6のシステム構成では、設定表示装置200からの要求は設定表示装置100が自身で必要とする情報3に含まれているか否かに関係なく、すべてPLC150に対して転送されるため、設定表示装置200の結果4を更新する処理に多大な時間がかかってしまう。
また、設定表示装置100と設定表示装置200の間の通信仕様は設定表示装置100のPLC150と接続する通信ポートの仕様に依存しているため、各設定表示装置間で送受信されるデータの処理時間を短縮することが出来ない。
この発明の主たる第一の目的は、1台のPLCに複数台の設定表示装置をシリアル接続するような構成において、各設定表示装置が必要とするデータの更新時間を短縮することができるようにする。
この発明の主たる第二の目的は、1台のPLCに複数台の設定表示装置をシリアル接続するような構成において、各設定表示装置間の通信仕様を任意に設定でき、各設定表示装置間で送受信されるデータの処理時間を短縮することができるようにする。
実施の形態1.
図9はこの発明の実施の形態1による設定表示装置とPLCを接続したシステム構成を示す図であり、1台のPLC150に設定表示装置100、200を2台接続し、PLC150と設定表示装置100,200との間の通信動作を示した詳細説明図である。
図9において、PLC150は設定表示装置1と接続するための通信ポート(PORT1)及びPLC150の動作状態を表すデバイスメモリ155を備えている。ここで、デバイスメモリ155は、図4及び図5に示すように、データレジスタD0〜D1023を有するデータメモリ156と、データレジスタM0〜M1023を有するビットメモリ157を備えている。図9では、そのうち要素A、要素B、要素Cのみを代表して示しており、要素AにはデータレジスタD0〜D10並びにD50〜D54のデータ内容が、要素BにはデータレジスタM0〜M2のデータ内容が、要素CにはデータレジスタM10〜M12のデータ内容が格納されている。
通信ポート(PORT1)は予め決められた通信仕様(通信1)で動作する。
設定表示装置100は、通信ポート(PORT1−1)、通信ポート(PORT1−2)、[情報1、情報2、情報3、結果1]をそれぞれ記憶する記憶メモリ、演算手段1、表示手段1、出力先切替機能1を備えており、PLC150の通信ポート(PORT1)と設定表示装置100の通信ポート(PORT1−1)間はシリアル接続されている。そして、通信ポート(PORT1−1)の通信仕様はPLC150側の通信ポート(PORT1)で規定された仕様に依存し、PLC150側と同様、通信1で動作するものである。通信ポート(PORT1−2)は後段機器である設定表示装置200と接続され、通信仕様は通信aに設定されており、ここでの通信aは通信1と同様である。
情報2は後段の設定表示装置200から要求された情報であり、設定表示装置100内の記憶メモリに格納され、例えば情報Aと情報Cから構成されている。情報Aは、デバイスメモリ155におけるデータレジスタD0からD9までの連続10点、データレジスタD50からD54までの連続5点のデータ情報であり、情報Cは、デバイスメモリ155における補助リレーM10からM12までの連続3点の情報を示す。
情報3は設定表示装置100自身が必要とする情報であって、設定表示装置100内の記憶メモリに格納され、例えば情報Aと情報Bから構成されている。情報Aは、デバイスメモリ155におけるデータレジスタD0からD9までの連続10点、データレジスタD50からD54までの連続5点のデータ情報であり、情報Cは、デバイスメモリ155における補助リレーM0からM2までの連続3点のデータ情報を示す。
出力先切替機能1は、情報2と情報3を照合する照合手段と、照合結果に基づいて出力先を判定する出力先判定手段を備えている。より詳しくは、照合手段は、後段の設定表示装置200から要求される情報2の中に、設定表示装置100自身が必要とする情報3の情報が含まれているかを照合する。つまり、情報2として情報Aと情報Cが存在し、情報3として情報Aと情報Bが存在する場合、情報2のうち情報3と一致する情報として情報Aが、一致しない情報として情報Cが抽出される。出力先判定手段は、上記照合結果に基づき、情報2のうち情報3と一致しない情報(情報C)を前段のPLC150へ内容を紹介する情報として情報1に登録し、情報2のうち情報3と一致する情報(情報A)を演算手段1に要求する情報として出力先を切り替える。
情報1は、出力先切替機能1により前段のPLC150へ内容を紹介する情報(情報C)と設定表示装置100自身が必要とする情報3(情報A及び情報B)の内容を統合した情報(情報A,B,C)であって、設定表示装置100内の記憶メモリに格納され、この情報に基づいて前段のPLC150へ要求する。
結果1は前段PLC150から返信された結果であって、設定表示装置100内の記憶メモリに格納され、情報2に対する結果(結果1−1)と情報3に対する結果(情報1−2)から構成されている。結果1−1は、結果Aと結果Cから構成され、結果Aは、デバイスメモリ155におけるデータレジスタD0からD9までの連続10点、データレジスタD50からD54までの連続5点のデータ内容であり、結果Cは、デバイスメモリ155における補助リレーM10からM12までの連続3点のデータ内容を示す。また、結果1−2は、結果Aと結果Bから構成され、結果Aは、デバイスメモリ155におけるデータレジスタD0からD9までの連続10点、データレジスタD50からD54までの連続5点のデータ内容であり、結果Bは、デバイスメモリ155における補助リレーM0からM2までの連続3点のデータ内容を示す。
演算手段1は、結果1の内容から、出力先切替機能1により要求された情報A及び前段PLC150へ照会した情報Cの結果を取得して後段の設定表示装置2へ返信するか、情報A及び情報Bの結果を取得して設定表示装置100の表示手段1へ伝達するかを演算するマイクロプロセッサであり、図1のCPU101に相当する。表示手段1は液晶などの表示素子(図1のディスプレイ113に相当)に対して、演算手段1で演算された結果を伝達し、表示させる手段である。
設定表示装置200は通信ポート(PORT2−1)、通信ポート(PORT2−2)、情報4並びに結果4をそれぞれ格納する記憶メモリを有しており、前段の設定表示装置100の通信ポート(PORT1−2)とシリアル接続されている。また、通信ポート(PORT2−2)には後段の設定表示装置が存在しないため、接続されている機器はない。
情報4は設定表示装置200自身が必要とする情報であり、設定表示装置200の記憶メモリに格納され、情報Aと情報Cから構成されている。また、情報4に含まれるデータは前段設定表示装置1に含まれる情報2と同一内容である。
結果4は前段設定表示装置100から返信された結果であり、設定表示装置200の記憶メモリに格納され、結果Aと結果Cから構成されている。また、その内容は前段設定表示装置100の結果1−1と同一内容である。
通信ポート(PORT2−1)、(PORT2−2)については、設定表示装置100の通信ポート(PORT1−2)と機能が同一であるため、通信aに設定されている。ここでの通信aは通信1と同様である。
図9の構成において、各設定表示装置100,200及びPLC150が実行する処理として、設定表示装置200が情報4の内容を通信ポート(PORT2−1)へ出力する処理101、通信ポート(PORT2−1)から前段の設定表示装置100の通信ポート(PORT1−2)へ転送する処理102、後段設定表示装置100からの情報4を情報2へ記憶させる処理103、出力先切替機能1の照合手段が情報2の内容を読み出す処理104、同じく照合手段が設定表示装置100自身が必要とする情報3を読み出す処理105、情報3の内容を情報1へ登録する処理106、出力先切替機能1により前段のPLC150へ照会する情報と判断された情報Cを登録する処理107、出力先切替機能1により結果1から結果を参照すると判断した内容を演算手段に伝達する処理108、登録された情報1の内容を通信ポート(PORT1−1)へ出力する処理109、設定表示装置1から前段のPLC150へ転送する処理10、要求内容を前段PLC150のデバイスメモリ155に照会する処理111、前段PLC150のデバイスメモリ155から内容を取得し通信ポート(PORT1)へ出力する処理112、前段PLC150の通信ポート(PORT1)から後段の設定表示装置100の通信ポート(PORT1−1)へ返信する処理113、前段のPLC150から返信された内容を結果1として一時的に記憶する処理114、設定表示装置100の演算手段1が結果1の内容を読み出す処理115、演算結果に基づき通信ポート(PORT1−2)へ出力する処理117、演算結果に基づき設定表示装置100の表示手段1へ伝達する処理116、通信ポート(PORT1−2)から後段の設定表示装置200の通信ポート(PORT2−1)へ転送する処理118、前段設定表示装置100から返信された結果を結果4として格納する処理119からなる。
次に、図9に基づいて、PLC150と設定表示装置100,200との間の通信動作について説明する。
まず、図1のプログラミングツール114並びに図2のプログラミングツール214により画面データを作成し、それぞれインターフェース115並びに215を介して、設定表示装置100のプログラムメモリ103並びに設定表示装置200のプログラムメモリ203に画面データを転送する。そして、各設定表示装置100並びに200は、上記転送された画面データに基づいて情報3及び情報4を作成する。
設定表示装置200は、情報4に含まれる内容に基づいて、処理101及び処理102を介して前段の設定表示装置100へ送信する。設定表示装置200から送信された内容は設定表示装置100では処理103を介して情報2へ格納される。出力先切替機能1の照合手段は処理104、105により設定表示装置100が自己で必要とする情報3と後段の設定表示装置200から要求のあった情報2を読み出し、内容が一致するかどうかを照合する。出力先切替機能1の出力先判定手段は照合手段により内容が一致しない情報Cについては処理107を介して情報1へ登録し、一致する情報Aについては処理108を介して演算手段1に伝達する。設定表示装置100は、情報1に含まれる内容に沿って処理109、処理110を介して前段のPLC150に対し要求する。PLC150は設定表示装置100の要求内容を処理111にてデバイスメモリ155に照会し、その結果を処理112、処理113にて設定表示装置100へ返信する。設定表示装置100はPLC150から受信した結果を処理114にて結果1へ格納する。設定表示装置100の演算手段1は結果1の内容を処理115により取得し、処理116にて表示手段1へ伝達する情報3の結果と、処理108により要求された情報A及び前段PLC150へ照会した情報Cの結果を処理117にて通信ポート(PORT1−2)へ出力する情報2の結果を区別する。処理116にて伝達された情報3の結果は表示手段1により画面表示される。処理117にて通信ポート(PORT1−2)へ出力された情報2の結果は処理118、処理119を介して設定表示装置200の結果4へ格納される。
図10は、図9のシステム構成における設定表示装置の出力先切替機能の処理を説明するためのフローチャートである。
図10において、後段機器である設定表示装置200からの情報4の要求が開始された場合(S101)、情報4の中から1つの情報を選択し、前段機器である設定表示装置100へ送信する(S102)。設定表示装置100は上記選択された要求を自身の記憶メモリに情報2として格納する。次に、設定表示装置100の出力先切替機能1は、上記情報2の中に、設定表示装置100自身が有する情報3と一致する情報があるか否かを照合する(S104)。S104において、情報3と一致する情報が有れば、当該選択された情報に対する結果を結果1から取得し(S108)、後段機器である設定表示装置200へ当該結果を返信する(S109)。S104において、情報3と一致する情報が無ければ情報1へ登録し(S105)、その内容を前段機器であるPLC150へ照会する(S106)。そして、前段機器であるPLC150から情報1に関する結果を取得すると、設定表示装置100の結果1へ格納して(S107)、選択された情報に対する結果を取得した結果1から後段機器である設定表示装置200へ返信する。
図11は図9のシステム構成における一連の通信処理をタイムチャートにしたものである。図11(a)は設定表示装置100では情報A、設定表示装置200では情報Cのような2台の設定表示装置の間で共通しない情報を要求した場合のタイムチャートを示し、図11(b)は設定表示装置100、設定表示装置200いずれも情報Aを要求したような2台の設定表示装置で共通する情報を要求した場合のタイムチャートである。
図11(a)については、図7のタイムチャートで説明したものと同様である。
図11(b)において、横軸に時間経過、縦軸は構成機器を示しており、PLC150−設定表示装置100間は通信1、設定表示装置100−設定表示装置200間は通信aで動作する。ここでの通信aは通信1と同一である。
図11(b)において、設定表示装置100にて実行する処理Aは、設定表示装置100から要求データをPLC150へ送信する処理A1a、PLC150が要求データを受信する処理A1b、PLC150が応答結果を送信する処理A1c、設定表示装置100が応答結果を受信する処理A1dから構成されている。
また、図11(b)において、設定表示装置200にて実行される処理Aは、設定表示装置100へ要求データを送信する処理A2a、設定表示装置100が設定表示装置200からの要求データを受信する処理A2b、設定表示装置200からの要求データに対する応答結果を設定表示装置100から設定表示装置200に返信する処理A2c、その結果を設定表示装置200が受信する処理A2dから構成されている。
また、設定表示装置100の処理Aが終了した後に実行される処理をNEXT1、設定表示装置200の処理Aが終了した後に実行される処理をNEXT2とする。そして、設定表示装置100が処理Aを実行するのに必要な時間をT1a、設定表示装置200が処理Aを実行するのに必要な時間をT2aとする。
図11(a)について、各設定表示装置で共通しない情報を要求した場合の作用・動作は、図7において詳細に説明している。一方、図11(b)において、設定表示装置100の処理Aと設定表示装置200の処理Aを同時に要求された場合、まず設定表示装置100の処理Aは処理A1a、A1b、A1c、A1dの順に実行する。一方、設定表示装置200の処理Aにおいては、まず設定表示装置100に対して処理A2aを実行し、設定表示装置100は処理A2bを実行する。次に設定表示装置100は処理A2bにて受信した内容を出力先切替機能1より、設定表示装置100で実行している処理Aが終了するまで待つ必要がなく、設定表示装置100が保有する結果を設定表示装置200の処理Aの結果として設定表示装置200へ返信される。そのため、従来に比べ設定表示装置200が処理Aを実行するのに必要な時間T2aは短縮される。また、各設定表示装置100,200は処理Aが終了した時点で次処理NEXT1又はNEXT2を実行する。
実施の形態2.
図12はこの発明の実施の形態2による設定表示装置とPLCを接続したシステム構成を示す図であり、実施の形態1のシステム構成(図9参照)に、通信仕様設定機能と、通信仕様切替機能とを新たに付加したものである。
通信仕様設定機能は、各設定表示装置100,200の通信ポートの通信仕様を設定する機能であり、具体的には、プログラミングツール114,214を通じて、又は設定表示装置100,200において直接、それぞれの通信ポート(PORT1−1),(PORT1−2),(PORT2−1),(PORT2−2)の通信仕様を設定する。例えば、設定表示装置100の通信ポート(PORT1−1)はPLC150側の通信ポート(PORT1)で規定された通信1に、通信ポート(PORT1−2)は通信a(任意の通信仕様)に設定する。なお、この例での通信aの通信速度は通信1の2倍にする。また、設定表示装置200の通信ポート(PORT2−1)は設定表示装置100側の通信ポート(PORT1−2)で規定された通信aに設定する。
通信仕様切替機能は、上記通信仕様設定機能により設定した内容(通信仕様)に基づいて、各設定表示装置100,200の通信ポート(PORT1−1)、(PORT1−2)、(PORT2−1)、(PORT2−2)の通信仕様を自動的に切り替える機能である。なお、図12において、上記通信仕様設定機能並びに通信仕様切替機能以外の構成は、図9と同様であり、前述の実施の形態1において説明している。
図13は図12で示したシステム構成図における通信仕様設定機能の動作を示すフローチャートである。
ここで、通信仕様の設定は、各設定表示装置に接続されるプログラミングツールを通じて、又は設定表示装置自身において直接、それぞれの通信ポートの通信仕様を設定することにより行われる。
図13のフローチャートにおいて、まず、各設定表示装置の通信仕様を設定する通信ポートを選択する(S130)。そして、選択したポートがPLC接続用であるのか、設定表示装置接続用であるのかを判定する(S1302)。選択したポートがPLC接続用であれば、接続するPLCに会わせた通信仕様(通信1)を選択する(S1303)。一方、選択した通信ポートが設定表示装置接続用であれば、詳細仕様(通信a)を設定する(S1304)。図12の設定表示装置100の場合、PLC接続用の通信ポート(PORT1−1)はPLC150の通信ポート(PORT1)の仕様に依存するため、通信1に固定される。一方、設定表示装置間を接続する通信ポート(PORT1−2)の通信仕様はプログラミングツール又は設定表示装置100自身の通信仕様設定機能により任意に選択され、例えば通信1の2倍となるような設定とする。
図14は図12で示したシステム構成図における通信仕様切替機能の動作を示すフローチャートである。
図14において、まず、各設定表示装置において通信仕様を設定する通信ポートを選択する(S1401)。そして、選択したポートがPLC接続用であるのか、設定表示装置接続用であるのかを判定する(S1402)。選択した通信ポートがPLC接続用であれば、選択した通信ポートを上記通信仕様設定機能で設定した通信1に固定する(S1403)。一方、選択した通信ポートが設定表示装置接続用であれば、選択した通信ポートを上記通信仕様設定機能で設定した通信aに設定する(S1404)。
図15は図12のシステム構成における一連の通信処理をタイムチャートにしたものである。図15(a)は設定表示装置100では情報A、設定表示装置200では情報Cのような2台の設定表示装置の間で共通しない情報を要求した場合のタイムチャートを示し、図15(b)は設定表示装置100、設定表示装置200いずれも情報Aを要求したような2台の設定表示装置で共通する情報を要求した場合のタイムチャートである。
図15(a)、(b)において、横軸に時間経過、縦軸は構成機器を示しており、PLC150−設定表示装置100間は通信1、設定表示装置100−設定表示装置200間は通信aで動作する。ここでの通信aは通信1の2倍に設定されている。
図15(a)において、設定表示装置100にて実行する処理Aは、設定表示装置100から要求データをPLC150へ送信する処理A1a、PLC150が要求データを受信する処理A1b、PLC150が応答結果を送信する処理A1c、設定表示装置100が応答結果を受信する処理をA1dから構成されている。
図15(a)において、設定表示装置200にて実行される処理Cは、設定表示装置100への送信処理C2a、設定表示装置100が設定表示装置200の内容を受信する処理C2b、設定表示装置100から設定表示装置200の要求データをPLC150へ送信する送信処理C21a、PLC150が設定表示装置200の要求データを設定表示装置100から受信する処理C21b、PLC150が設定表示装置200の要求データに対する応答結果を設定表示装置100へ送信する処理C21c、設定表示装置100が設定表示装置200の要求データに対する応答結果を受信する処理C21d、設定表示装置200の要求データに対する応答結果を設定表示装置200に返信する処理をC2c、その結果を設定表示装置200が受信する処理をC2dから構成されている。
また、設定表示装置100の処理Aが終了した後に実行される処理をNEXT1、設定表示装置200の処理Cが終了した後に実行される処理をNEXT2とする。更に、設定表示装置100が処理Aを実行するのに必要な時間をT1a、設定表示装置200が処理Cを実行するのに必要な時間をT2cとする。
図15(b)において、設定表示装置100にて実行する処理Aは、設定表示装置100から要求データをPLC150へ送信する処理A1a、PLC150が要求データを受信する処理A1b、PLC150が応答結果を送信する処理A1c、設定表示装置100が応答結果を受信する処理A1dから構成されている。
図15(b)において、設定表示装置200にて実行される処理Aは、設定表示装置100への送信処理A2a、設定表示装置100が設定表示装置200の内容を受信する処理A2b、設定表示装置200の要求データに対する応答結果を設定表示装置100から設定表示装置200に返信する処理A2c、その結果を設定表示装置200が受信する処理A2dから構成されている。
また、設定表示装置100の処理Aが終了した後に実行される処理をNEXT1、設定表示装置200の処理Aが終了した後に実行される処理をNEXT2とする。更に、設定表示装置100が処理Aを実行するのに必要な時間をT1a、設定表示装置200が処理Aを実行するのに必要な時間をT2aとする。
図15(a)において、設定表示装置100の処理Aと設定表示装置200の処理Cを同時に要求された場合、まず設定表示装置100の処理Aは処理A1a、A1b、A1c、A1dの順に実行され、PLC150のデータを取得する。一方、設定表示装置200の処理Cにおいては、設定表示装置100で実行している処理Aが終了するまでPLC150に対する要求が出来ないため、処理C2a、C2bまで実行した後、処理Aが終了するまで待機する。そして、処理Cの開始からT1a時間後、処理Cに関するPLCへの送信処理C21aが開始され、処理C21b、C21c、C21dの順に実行してPLC150から設定表示装置100に対して応答結果が返信される。PLC150から返信された応答結果を処理C2c、Cd2の順に実行して設定表示装置200に返信される。そして、各設定表示装置は、設定表示装置100の処理Aが終了した時点で次処理NEXT1、設定表示装置200の処理Cが終了した時点で次処理NEXT2を実行する。
図15(a)において処理C21a、C21b、C21c、C21dの時間はPLC150−設定表示装置100間の通信仕様が通信1で固定されているため従来と同じであるが、処理C2a、C2b、C2c、C2dの時間は設定表示装置100−設定表示装置200間の通信仕様がPLC150−設定表示装置100間の2倍に設定されているため従来の半分となり、設定表示装置200が処理Cを実行するのに必要な時間T2cは従来に比べ短縮されている。
図15(b)において、設定表示装置100の処理Aと設定表示装置200の処理Aを同時に要求した場合、まず、設定表示装置100の処理Aは、処理A1a、A1b、A1c、A1dの順に実行する。一方、設定表示装置200の処理Aにおいては、まず、設定表示装置100に対して処理A2aを実行し、設定表示装置100は処理A2bを実行する。次に、設定表示装置100は処理A2bにて受信した内容に対する結果を出力先切替機能より取得する。そのため、設定表示装置100で実行している処理Aが終了するまで待つ必要がなく、設定表示装置100が保有する結果を設定表示装置200の処理Aの結果として設定表示装置2へ返信することができる。また、各設定表示装置100,200は処理Aが終了した時点で次処理NEXT1又はNEXT2を実行する。
図15(b)において、処理A2a、A2b、A2c、A2dの時間は、設定表示装置100−設定表示装置200間の通信仕様がPLC150−設定表示装置100間の2倍に設定されているため従来の半分となる。その結果、設定表示装置200が処理Aを実行するのに必要な時間T2aは従来に比べ短縮される。