JP4024174B2 - 加圧流体注入ノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ひけや反りのない外観の美麗な成形品を射出成形する射出成形装置において使用される加圧流体注入ノズルに関し、更に詳しくは、金型に設けられたキャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧流体を注入して中空構造を有する射出成形品を製造する際に使用される加圧流体注入ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融熱可塑性樹脂を用いて射出成形法により成形品を成形する際、ひけや反りのない外観の美麗な成形品を得るために、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂内に加圧ガスを注入して、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の内部に中空部を形成し、型開きの前に中空部内のガスを大気中に解放する、熱可塑性樹脂製成形品の製造装置が、例えば、特開昭64−14012号公報から公知である。キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂内に注入された加圧ガスによって、溶融熱可塑性樹脂が金型のキャビティ面に押し付けられる結果、得られる成形品にひけや反りが発生することを防止し得る。
【0003】
この特許公開公報には、加圧ガスを注入する弁機構も開示されている。この弁機構においては、中心孔が設けられており、加圧ガスが、この中心孔を通して、金型のキャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の内部に注入される。中心孔の出口端部には逆止弁が配設されている。逆止弁は、拡径部と、この拡径部内を自在に移動し得るボールから構成されている。キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出時、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の圧力によってボールは拡径部の上流端に押し付けられ、拡径部を閉鎖し、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂が中心孔に流入することを防止することができる。
【0004】
また、特開2001−310355には、先端部に間隙を有し、後端部が加圧ガス源に接続され、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂導入工程においては、先端部に加わる溶融熱可塑性樹脂の圧力によってこの間隙が狭くなり、以て、溶融熱可塑性樹脂の先端部内への流入が防止され、加圧ガス注入工程においては、加圧ガスの圧力によってこの間隙が拡がり、以て、この間隙から加圧ガスがキャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に注入されるガス注入ノズルが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭64−14012号
【特許文献2】
特開2001−310355
【特許文献3】
特開平1−157823号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特開昭64−14012号公報に開示された技術を用いて射出成形品を成形した場合、次のような問題が発生する。即ち、中空部内のガスを大気中に解放したとき、樹脂片が飛沫し、弁機構を構成する逆止弁の周囲に樹脂片が付着する。あるいは又、中心孔内に残存した樹脂が逆止弁の拡径部内面に付着する。その結果、溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出する際、逆止弁が正常な動作を行うことができなくなり、即ち、ボールが拡径部を完全に閉鎖できなくなり、溶融熱可塑性樹脂の一部がキャビティから逆止弁を通り中心孔に流入し、更には、加圧ガス配管系へ流入する。
【0007】
このような溶融熱可塑性樹脂の中心孔あるいは加圧ガス配管系内への流入が生じた場合、流入した溶融熱可塑性樹脂を加圧ガスによってキャビティ側へ押し戻すことにより、中心孔あるいは加圧ガス配管系をクリーニングする方法もある。しかしながら、中心孔あるいは加圧ガス配管系内の溶融熱可塑性樹脂を完全に除去することはできず、中心孔あるいは加圧ガス配管系内には冷却・固化した樹脂が堆積する。その結果、このような堆積した樹脂によって中心孔や加圧ガス配管系が閉塞されてしまい、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを導入できなくなるといった問題がある。
【0008】
また、このような構成のガス注入ノズルにおいては、ボールが存在するので、加圧ガスの流路がガス注入ノズルの中心軸線に対して対称とはなり難い。そのため、ガス注入ノズルから加圧ガスが注入されたとしても、ボールの周囲の溶融熱可塑性樹脂を全て除去することが困難である。従って、樹脂屑が噛み込み易い構造であると云える。
【0009】
更には、このようなガス注入ノズルは、構成部品点数が多く、可動部品が存在し、ガス注入ノズルの製造コストが高いといった問題もある。
【0010】
また、特開2001−310355に開示されたガス注入ノズルにあっては、先端部の加工が複雑で、製造コストが高く、また、間隔の拡がり過ぎによる破損を防止できないといった問題がある。
【0011】
中空部を有する射出成形品を製造するための射出成形装置において、加圧ガス注入ノズルとして直径0.13〜10mmのオリフィスを使用することが、例えば特開平1−157823号公報に開示されている。しかしながら、この特許公開公報に開示された技術を用いて成形品を射出成形した場合、樹脂の種類、樹脂の粘度、射出圧力等の諸条件によって、オリフィスが閉塞する場合がある。
【0012】
従って、本発明の目的は、上述した従来の技術における問題点を解決し、簡素な構造を有し、しかも、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部への加圧流体の円滑、且つ、確実な注入を可能とする加圧流体注入ノズルを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る加圧流体注入ノズルは、キャビティ、及び、溶融熱可塑性樹脂を該キャビティ内に導入するための溶融樹脂導入部が設けられた金型を使用して、該溶融樹脂導入部を介して該キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧流体を注入し、中空部を有する成形品を成形するために使用される加圧流体注入ノズルであって、
(A)センターピン、
(B)該センターピンを内部に格納した第1のスリーブ、及び、
(C)該第1のスリーブを内部に保持した第2のスリーブ、
から構成され、
該センターピンの外面と該第1のスリーブの内面との間の一部に加圧流体流路が形成されており、
該第1のスリーブの先端部分には、該第1のスリーブの軸線方向と略平行に延びる複数のスリットが形成されており、
該第1のスリーブの先端部分を取り囲む該第2のスリーブの先端部分には、第1のスリーブの先端部分が広がり得る空間が形成されており、
キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂導入工程においては、該第1のスリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の間隙は狭い状態にあり、以て、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂が、該第1のスリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の該間隙を介して加圧流体流路に流入することがなく、
加圧流体注入工程においては、加圧流体流路内の加圧流体の圧力によって、該第1のスリーブの軸線方向と略垂直な方向に該第1のスリーブの先端部分が広がることで、該第1のスリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の間隙が広がり、以て、加圧流体が、該加圧流体流路から該第1のスリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の該間隙を介して、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に注入されることを特徴とする。
【0014】
このような構成にあっては、前記第1のスリーブの先端部分の加圧流体の圧力による広がりは、該第1のスリーブの先端部分を構成する材料の弾性範囲内での曲げ変形によって達成されることが好ましい。また、加圧流体注入ノズルに大気圧のみが加わっている状態において(即ち、不使用の状態で単に大気中に放置された状態において)、スリットが形成された部分を除く第1のスリーブの先端部分の内面と、センターピンの先端部分の外面との間に形成された間隙は、例えば、使用する熱可塑性樹脂の溶融時の特性に基づきその値を決定すればよいが、0.5mm以下、好ましくは0.1mm以下、一層好ましくは0.02mm以下であることが望ましい。尚、使用する熱可塑性樹脂の溶融時の特性にも依るが、加圧流体注入ノズルに大気圧のみが加わっている状態において(即ち、不使用の状態で単に大気中に放置された状態において)係る間隙が0.5mm以下であれば、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂がこの間隙から加圧流体注入ノズルに侵入することはない。間隙の下限値は0.01mm程度である。更には、加圧流体注入ノズルに大気圧のみが加わっている状態において(即ち、不使用の状態で単に大気中に放置された状態において)、スリットの幅は第1のスリーブの先端部分の外周長さの80%以下、好ましくは10%以下であることが望ましい。スリットの幅の下限値は、スリットを形成する方法等に依存するが、0.01mm程度である。また、スリットは、第1のスリーブの軸線方向と略平行に第1のスリーブの先端面から所定の距離まで(例えば、第1のスリーブの先端面から、第1のスリーブの先端部分の肉厚の2倍の距離の所まで、好ましくは3倍の距離の所まで)設けられているが、スリットの数をN個とした場合、第1のスリーブの中心軸線を回転軸としたとき、N回回転対称(但し、Nは2以上の任意の整数とすることができるが、2,3,4,6又は8であることが望ましい)であることが好ましい。即ち、各スリットは、第1のスリーブの周上の(360/N)×n度の所[但し、n=0,1・・・(N−1)]に位置していることが好ましい。但し、このような構成に限定するものではない。
【0015】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る加圧流体注入ノズルは、キャビティ、及び、溶融熱可塑性樹脂を該キャビティ内に導入するための溶融樹脂導入部が設けられた金型を使用して、該溶融樹脂導入部を介して該キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧流体を注入し、中空部を有する成形品を成形するために使用される加圧流体注入ノズルであって、
(A)センターピン、及び、
(B)該センターピンを内部に格納したスリーブ、
から構成され、
該センターピンの外面と該スリーブの内面との間の一部に加圧流体流路が形成されており、
該センターピンの先端面には、該センターピンの軸線方向と略平行に延びるスリットが形成されており、
キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂導入工程においては、該スリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の間隙は狭い状態にあり、以て、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂が、該スリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の該間隙を介して加圧流体流路に流入することがなく、
加圧流体注入工程においては、加圧流体流路内の加圧流体の圧力によって、該センターピンの軸線方向と略垂直な方向に該センターピンの先端部分が窄まることで、該スリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の間隙が広がり、以て、加圧流体が、該加圧流体流路から該スリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の該間隙を介して、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に注入されることを特徴とする。
【0016】
このような構成にあっては、前記センターピンの先端部分の加圧流体の圧力による窄まりは、該センターピンの先端部分を構成する材料の弾性範囲内での曲げ変形によって達成されることが好ましい。また、加圧流体注入ノズルに大気圧のみが加わっている状態において(即ち、不使用の状態で単に大気中に放置された状態において)、スリットが形成された部分を除くセンターピンの先端部分の外面と、スリーブの内面との間に形成された間隙は、例えば、使用する熱可塑性樹脂の溶融時の特性に基づきその値を決定すればよいが、0.5mm以下、好ましくは0.1mm以下、一層好ましくは0.02mm以下であることが望ましい。尚、使用する熱可塑性樹脂の溶融時の特性にも依るが、加圧流体注入ノズルに大気圧のみが加わっている状態において(即ち、不使用の状態で単に大気中に放置された状態において)係る間隙が0.5mm以下であれば、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂がこの間隙から加圧流体注入ノズルに侵入することはない。間隙の下限値は0.01mm程度である。更には、加圧流体注入ノズルに大気圧のみが加わっている状態において(即ち、不使用の状態で単に大気中に放置された状態において)、スリットの幅は前記センターピンの先端部分の外周長さの80%以下、好ましくは10%以下であることが望ましい。スリットの幅の下限値は、スリットを形成する方法等に依存するが、0.01mm程度である。また、スリットは、センターピンの軸線方向と略平行に、センターピンの先端面から所定の距離まで(例えば、センターピンの先端面から、センターピンの先端部分の直径の2倍の距離の所まで、好ましくは3倍の距離の所まで)設けられている。スリットはセンターピンの中心軸線を通ることが好ましい。スリットの数は1以上であればよく、スリットの数をN(但し、N≧2)とした場合、スリットとスリットとの成す角度は(180/N)度であることが好ましい。但し、このような構成に限定するものではない。
【0017】
本発明の第1の態様に係る加圧流体注入ノズルにおいて、スリットは、第1のスリーブの先端部分の曲げ剛性を調整するために設けられており、スリットは第1のスリーブの先端部分の外面から内面に亙り、第1のスリーブの径方向に沿って形成されている。スリットの延長線は中心軸線を通ることが好ましい。また、センターピン(より具体的には、センターピンの先端部分よりも後部)の外面と第1のスリーブ(より具体的には、第1のスリーブの先端部分よりも後部)の内面との間の一部には加圧流体流路が形成されているが、この加圧流体流路は、スリットと連通しないように形成されている。
【0018】
本発明の第2の態様に係る加圧流体注入ノズルにおいて、スリットは、センターピンの先端部分の曲げ剛性を調整するために設けられており、スリットは、センターピンの先端部分の径方向に亙り形成されている。スリットは、センターピンの中心軸線を通ることが好ましい。また、センターピン(より具体的には、センターピンの先端部分よりも後部)の外面とスリーブ(より具体的には、スリーブの先端部分よりも後部)の内面との間の一部には加圧流体流路が形成されているが、この加圧流体流路は、スリットと連通しないように形成されている。
【0019】
本発明の第1の態様に係る加圧流体注入ノズルにおいて、加圧流体注入ノズルの軸線方向と垂直な仮想平面(以下、単に、垂直仮想平面と呼ぶ場合がある)で第2のスリーブを切断したときの第2のスリーブの断面形状は円環状形であることが好ましい。また、垂直仮想平面でスリットが形成されていない第1のスリーブの部分を切断したときの第1のスリーブの断面形状を円環状形、スリットが形成されている第1のスリーブの部分を切断したときの第1のスリーブの断面形状を不連続の円環状形とすることが好ましく、この場合、垂直仮想平面でセンターピンを切断したときの、加圧流体流路が形成されている部分のセンターピンの断面形状は一部を切り欠いた円形(より具体的には、スリットの数をN個とした場合、例えばN箇所の部分を切り欠いた円形)であることが好ましく、加圧流体流路が形成されていない部分のセンターピンの断面形状は円形であることが好ましい。あるいは又、垂直仮想平面でセンターピンを切断したときのセンターピンの断面形状は円形であることが好ましく、この場合、垂直仮想平面で第1のスリーブを切断したときの、加圧流体流路が形成されている部分の第1のスリーブは一部を切り欠いた円環状形(より具体的には、スリットの数をN個とした場合、例えばN箇所の部分を切り欠いた円環状形)であることが好ましく、加圧流体流路が形成されていない部分の第1のスリーブは円環状形であることが好ましい。
【0020】
本発明の第2の態様に係る加圧流体注入ノズルにおいて、垂直仮想平面でスリーブを切断したときのスリーブの断面形状は円環状形であることが好ましく、この場合、垂直仮想平面でセンターピンを切断したときの、加圧流体流路が形成されている部分のセンターピンの断面形状は一部を切り欠いた円形であることが好ましく、加圧流体流路が形成されていない部分のセンターピンの断面形状は円形であることが好ましい。あるいは又、垂直仮想平面でセンターピンを切断したときの、加圧流体流路が形成されている部分のセンターピンの断面形状及び加圧流体流路が形成されていない部分のセンターピンの断面形状を円形(但し、加圧流体流路が形成されている部分のセンターピンの円形断面形状の直径<加圧流体流路が形成されていない部分のセンターピンの円形断面形状の直径)とすることもできる。あるいは又、垂直仮想平面でセンターピンを切断したときのセンターピンの断面形状は円形であることが好ましく、この場合、垂直仮想平面でスリーブを切断したときの、加圧流体流路が形成されている部分のスリーブの断面形状は一部を切り欠いた円環状形であることが好ましく、加圧流体流路が形成されていない部分のスリーブの断面形状は円環状形であることが好ましい。あるいは又、垂直仮想平面でスリーブを切断したときの、加圧流体流路が形成されている部分のスリーブの断面形状及び加圧流体流路が形成されていない部分のスリーブの断面形状を円環状形(但し、加圧流体流路が形成されている部分のスリーブの円環状形の断面形状の大きさ>加圧流体流路が形成されていない部分のスリーブの円環状形の断面形状の大きさ)とすることもできる。
【0021】
本発明の第1の態様に係る加圧流体注入ノズルにおいて、第1のスリーブを構成する材料は、第1のスリーブの先端部分に加わる溶融熱可塑性樹脂や加圧流体の圧力によって第1のスリーブの先端部分が容易に座屈・変形せず、想定最大使用回数にて疲労破壊しないような材料であればよく、例えば、炭素鋼、ニッケル鋼、クロム鋼、タングステン鋼、モリブデン鋼、ケイ素鋼、クロム・バナジウム鋼、工具鋼、バネ鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金といった各種の金属や合金、ポリイミド樹脂やPPS樹脂等の有機材料を挙げることができる。第1のスリーブの構造の簡素化の観点からは、先端部分を含む第1のスリーブ全体を一体として作製することが好ましいが、先端部分とそれ以外の部分を別々に作製した後、先端部分をそれ以外の部分に取り付けてもよい。第1のスリーブの先端部分におけるスリットの形成方法として、切削加工法、放電加工法、研削加工法、レーザ加工法、ウオータージェット加工法を挙げることができる。
【0022】
また、本発明の第1の態様に係る加圧流体注入ノズルにおいて、第2のスリーブを構成する材料として、前記第1のスリーブを構成する材料に加え、ジルコニアセラミックス等の無機材料を例示することができる。更には、センターピンを構成する材料として、前記第2のスリーブを構成する材料に加え、銅、亜鉛等を例示することができる。
【0023】
本発明の第2の態様に係る加圧流体注入ノズルにおいて、センターピンを構成する材料は、センターピンの先端部分に加わる溶融熱可塑性樹脂や加圧流体の圧力によってセンターピンの先端部分が容易に座屈・変形せず、想定最大使用回数にて疲労破壊しないような材料であればよく、例えば、炭素鋼、ニッケル鋼、クロム鋼、タングステン鋼、モリブデン鋼、ケイ素鋼、クロム・バナジウム鋼、工具鋼、バネ鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金といった各種の金属や合金、ポリイミド樹脂やPPS樹脂等の有機材料を挙げることができる。センターピンの構造の簡素化の観点からは、先端部分を含むセンターピン全体を一体として作製することが好ましいが、先端部分とそれ以外の部分を別々に作製した後、先端部分をそれ以外の部分に取り付けてもよい。センターピンの先端部分におけるスリットの形成方法として、切削加工法、放電加工法、研削加工法、レーザ加工法、ウオータージェット加工法を挙げることができる。
【0024】
また、本発明の第2の態様に係る加圧流体注入ノズルにおいて、スリーブを構成する材料として、前記センターピンを構成する材料に加え、ジルコニアセラミックス等の無機材料を例示することができる。
【0025】
加圧流体は、常温及び常圧で気体の物質であり、使用する熱可塑性樹脂と反応や混合しないものが望ましい。具体的には、窒素ガス、空気、炭酸ガス、ヘリウム等が挙げられるが、安全性及び経済性を考慮すると、窒素ガスやヘリウムガスが好ましい。
【0026】
本発明における熱可塑性樹脂は、如何なる熱可塑性樹脂であってもよく、ポリカーボネート樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂等のスチレン系樹脂;PMMA樹脂等のメタクリル系樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール)樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD等のポリアミド系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル系樹脂;液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、又は、これらの熱可塑性樹脂の少なくとも2種類以上の樹脂から成るポリマーアロイを挙げることができる。
【0027】
これらの熱可塑性樹脂には、剛性に代表される機械的特性、寸法安定性等を成形品に付与するために、例えば、ガラス繊維、ガラスフレーク、カーボン繊維、ウォラストナイト、ホウ酸アルミニウムウィスカー繊維、チタン酸カリウムウィスカー繊維、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー繊維、珪酸カルシウムウィスカー繊維及び硫酸カルシウムウィスカー繊維から成る群から選択された少なくとも1種の材料から構成された無機繊維が含有されていてもよい。また、例えば安定剤、離型剤、紫外線吸収剤の有効発現量を熱可塑性樹脂に配合してもよい。
【0028】
溶融樹脂導入部(所謂、ゲート部)の形式は任意の形式とすることができる。
一般に、金型は固定金型部と可動金型部とから構成されており、通常、溶融樹脂導入部は固定金型部に設けられている。
【0029】
加圧流体注入ノズルは、例えば、可動金型部に配置してもよいし、固定金型部に配置してもよい。より具体的には、金型への加圧流体注入ノズルの配置として、
(1)加圧流体注入ノズルの先端部が溶融樹脂導入部内に配置されるように、加圧流体注入ノズルを配置する構成
(2)加圧流体注入ノズルの先端部が、キャビティ内、あるいは金型のキャビティ面近傍に配置されるように、加圧流体注入ノズルを可動金型部あるいは固定金型部に配置する構成
とすることができ、あるいは又、
(3)金型は射出シリンダーを備えた射出成形機に取り付けられており、射出シリンダーと溶融樹脂導入部とは連通しており、加圧流体注入ノズルが射出シリンダーの先端部(ノズル部)に配置されるように、加圧流体注入ノズルを取り付ける構成
とすることもできる。
【0030】
加圧流体注入ノズルの後端部(より具体的には、加圧流体流路の後端部)は、例えば配管を介して加圧流体源に接続されている。
【0031】
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る加圧流体注入ノズル(以下、これらを総称して、単に、本発明の加圧流体注入ノズルと呼ぶ場合がある)を使用した成形品の成形にあっては、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂への加圧流体の導入開始時期は、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への導入開始から0.1秒乃至25秒とすることが好ましいが、これに限定するものではない。加圧流体の注入開始時期の下限は、溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内へ導入しながら、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中へ加圧流体を注入する場合に、注入された加圧流体がキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂を吹き飛ばすことがなくなるような時期とすればよい。一方、加圧流体の注入開始時期が25秒を越えると、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の固化によって所望の中空部が形成できなくなる虞がある。キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂への加圧流体の注入開始の時期は、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の導入中、導入完了と同時、導入完了後のいずれであってもよい。キャビティ内に導入される溶融熱可塑性樹脂の量は、キャビティ内を溶融熱可塑性樹脂で完全に満たす量であってもよいし、完全には満たさない量であってもよい。
【0032】
本発明の加圧流体注入ノズルにあっては、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂導入工程において、加圧流体注入ノズルの先端部に加わる溶融熱可塑性樹脂の圧力によって加圧流体注入ノズルの先端部は全体として締め付けられ、実質的に閉じた状態となる結果、溶融熱可塑性樹脂が加圧流体注入ノズルの先端部内へ流入することを確実に防止することができる。また、加圧流体の圧力によって加圧流体注入ノズルの先端部が開いた状態となる結果、間隙から加圧流体をキャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に確実に注入することができる。
【0033】
本発明の加圧流体注入ノズルにおいては、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂導入工程において、加圧流体の圧力(より具体的には、加圧流体注入ノズルの内部に設けられた加圧流体流路における圧力)をPf1、加圧流体注入ノズルの先端部に加わる溶融熱可塑性樹脂の圧力をPR1としたとき、Pf1<PR1の関係を満足していれば、加圧流体注入ノズルの先端部は実質的に閉じた状態のままである。その結果、溶融熱可塑性樹脂が加圧流体注入ノズルの先端部内に流入することを確実に防止することができる。また、加圧流体注入工程においては、加圧流体の圧力(より具体的には、加圧流体注入ノズルの内部に設けられた加圧流体流路における圧力)をPf2、加圧流体注入ノズルの先端部に加わる溶融熱可塑性樹脂の圧力をPR2としたとき、Pf2>PR2の関係を満足していれば、加圧流体注入ノズルの先端部は開いた状態となる。その結果、間隙から加圧流体をキャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に確実に注入することができる。
【0034】
即ち、本発明の加圧流体注入ノズルにおいては、加圧流体注入ノズルの先端部を構成する部材の材料、部材の肉厚、間隙の大きさ、スリットの長さや幅、数、先端部の断面形状等を適宜決定し、また、上記の圧力Pf1,Pf2,PR1,PR2を適宜設定、制御することによって、溶融熱可塑性樹脂の圧力PR1と加圧流体の圧力Pf1との圧力差(PR1−Pf1)による間隙減少の割合、溶融熱可塑性樹脂の圧力PR2と加圧流体の圧力Pf2との圧力差(Pf2−PR2)による間隙拡大の割合を制御することが可能である。尚、第1のスリーブの先端部分の内面とセンターピンの先端部分の外面との間の間隙の広がり量、あるいは又、スリーブの先端部分の内面とセンターピンの先端部分の外面との間の間隙の広がり量は、50μm乃至5mm、好ましくは50μm乃至1mm、一層好ましくは50μm乃至200μmであることが望ましいが、この範囲に限定するものではない。
【0035】
そして、加圧流体の圧力Pf1,Pf2と加圧流体注入ノズルの先端部近傍の溶融熱可塑性樹脂の圧力PR1,PR2との差に応じて、加圧流体注入ノズルの先端部の開閉状態の制御を自動的に行うことができる。
【0036】
【実施例】
以下、図面を参照して、好ましい実施例に基づき本発明を説明する。
【0037】
(実施例1)
実施例1は、本発明の第1の態様に係る加圧流体注入ノズルに関する。実施例1の加圧流体注入ノズルを先端側から眺めた模式図を図1の(A)に示し、図1の(A)の矢印B−Bに沿った加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図を図1の(B)に示し、図1の(A)の矢印C−Cに沿った加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図を図1の(C)に示す。また、図1の(C)の矢印A−A,B−B,C−Cに沿った加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図を、それぞれ、図2の(A)、(B)、(C)に示し、図1の(C)の矢印C−Cに沿ったセンターピンの拡大された模式的な断面図を図2の(D)に示す。更には、実施例1の加圧流体注入ノズル全体の模式的な断面図を図3に示し、実施例1の金型組立体の概念図を図4に示す。
【0038】
実施例1の加圧流体注入ノズル10は、キャビティ53、及び、溶融熱可塑性樹脂60をキャビティ53内に導入するための溶融樹脂導入部54が設けられた金型50を使用して、溶融樹脂導入部54を介してキャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60の内部に加圧流体を注入し、中空部61を有する成形品を成形するために使用される加圧流体注入ノズルである。
【0039】
また、金型組立体は、(A)キャビティ53が設けられ、溶融熱可塑性樹脂60をキャビティ53内に導入するための溶融樹脂導入部(具体的には、ゲート部)54を備えた金型50、並びに、(B)キャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60の内部に加圧流体を注入し、中空部61を有する成形品を成形するための加圧流体注入ノズル10を具備している。ここで、金型50は、固定金型部51及び可動金型部52から構成されており、固定金型部51及び可動金型部52が型締めされることで、キャビティ53が形成される。尚、参照番号55は、熱可塑性樹脂を溶融、可塑化及び計量する射出シリンダーである。
【0040】
実施例1の加圧流体注入ノズル10は、
(A)センターピン20、
(B)センターピン20を内部に格納した第1のスリーブ30、及び、
(C)第1のスリーブ30を内部に保持した第2のスリーブ40、
から構成されている。
【0041】
即ち、第1のスリーブ30と第2のスリーブ40とによって、二重スリーブ構造が構成されており、第1のスリーブ30と第2のスリーブ40とは嵌合状態にある。尚、参照番号11は加圧流体注入ノズル10の先端部を示し、参照番号12は加圧流体注入ノズル10の先端面を示す。
【0042】
そして、センターピン20の外面と第1のスリーブ30の内面との間の一部には加圧流体流路23が形成されている。また、第1のスリーブ30の先端部分31には、第1のスリーブ30の軸線方向と略平行に延びる複数のスリット32が形成されている。実施例1においては、スリット32は、第1のスリーブ30の中心軸線を回転軸としたとき、4回回転対称である。即ち、第1のスリーブ30の先端部分31には、4つのスリット32が設けられている。更には、第1のスリーブ30の先端部分31を取り囲む第2のスリーブ40の先端部分41には、第1のスリーブ30の先端部分31が広がり得る空間42が形成されている。
【0043】
第1のスリーブ30の軸線方向に沿った第1のスリーブ30の先端部分31に設けられたスリット32の長さと、第2のスリーブ40の軸線方向に沿った空間42の長さとを略同じとしたが、これに限定されるものではない。また、センターピン20の先端面から加圧流体流路23の先端部までの距離は、スリット32の長さよりも短い。
【0044】
実施例1の加圧流体注入ノズル10にあっては、キャビティ53内への溶融熱可塑性樹脂導入工程においては、第1のスリーブ30の先端部分31の内面とセンターピン20の先端部分21の外面との間の間隙は狭い状態にある。尚、図1においては、間隙が一見、存在しないかのように図示しているが、実際には、間隙が存在する。従って、加圧流体流路23は係る間隙と連通しているものの、キャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60が、第1のスリーブ30の先端部分31の内面とセンターピン20の先端部分21の外面との間の間隙を介して加圧流体流路23に流入することは無い。
【0045】
一方、加圧流体注入工程においては、加圧流体流路23内の加圧流体の圧力によって、第1のスリーブ30の軸線方向と略垂直な方向に第1のスリーブ30の先端部分31が広がることで、第1のスリーブ30の先端部分31の内面とセンターピン20の先端部分21の外面との間の間隙が広がる。その結果、加圧流体が、加圧流体流路23から第1のスリーブ30の先端部分31の内面とセンターピン20の先端部分21の外面との間の広がった間隙を介して、キャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60の内部に注入される。
【0046】
センターピン20の後部は、第1のスリーブ30及び第2のスリーブ40の後部に対して固定されている。具体的には、第1のスリーブ30及び第2のスリーブ40の後部33,43はホルダー13内に格納され、ホルダー13はホルダー取付ベース14に螺合されている。また、ホルダー取付ベース14は加圧流体流路貫通孔16が中心部に設けられたコネクター15に螺合されている。ホルダー13とホルダー取付ベース14との螺合によって、第1のスリーブ30及び第2のスリーブ40はホルダー13の内部で後方に押され、第1のスリーブ30及び第2のスリーブ40の後部33,43は、センターピン20の後端部24と接触し、センターピン20を後方に押す。その結果、センターピン20の後端部24は、センターピン20の後端部24とコネクター15の前面との間において固定される。
【0047】
そして、加圧流体注入ノズル10の後端部は配管57を介して加圧流体源56に接続されている。加圧流体は、加圧流体源56から、配管57、加圧流体流路貫通孔16、ホルダー取付ベース14とセンターピン20の後端部24との間の隙間、第1のスリーブ30及び第2のスリーブ40の後端面とセンターピン20の後端部24との間の隙間、加圧流体流路23、第1のスリーブ30の先端部分31の内面とセンターピン20の先端部分の内面との間の間隙を介して、加圧流体注入ノズル10の先端部11(より具体的には、先端面12)から吐出される。
【0048】
図4に示した金型組立体において、加圧流体注入ノズル10の先端部11は、溶融熱可塑性樹脂60のキャビティ53内への導入時、キャビティ53内に配される。加圧流体注入ノズル10は、図示しない移動機構(例えば、油圧シリンダー)によって、図4の左右方向に移動可能である。
【0049】
実施例1の加圧流体注入ノズル10においては、第1のスリーブ30の先端部分31の加圧流体の圧力による広がりは、第1のスリーブ30の先端部分31を構成する材料の弾性範囲内での曲げ変形によって達成される。センターピン20をSUS316Lから作製し、第1のスリーブ30をバネ鋼から作製し、第2のスリーブ40をSUS316Lから作製した。また、第1のスリーブ30におけるスリット32を、切削加工法にて形成した。
【0050】
垂直仮想平面で第2のスリーブ40を切断したときの第2のスリーブ40の断面形状は円環状形である。垂直仮想平面でスリット32が形成されていない第1のスリーブ30の部分を切断したときの第1のスリーブ30の断面形状は円環状形であり、スリット32が形成されている第1のスリーブ30の部分を切断したときの第1のスリーブ30の断面形状は不連続の円環状形であり、更には、垂直仮想平面でセンターピン20を切断したときの、加圧流体流路23が形成されている部分のセンターピン20の断面形状は一部を切り欠いた円形(より具体的には、スリットの数をN個とした場合、例えばN箇所の部分を切り欠いた円形)であり、加圧流体流路23が形成されていない部分のセンターピン20の断面形状は円形である。
【0051】
具体的には、図1の(C)の矢印A−Aで切断したときの加圧流体注入ノズル10を構成する要素の大きさ(センターピン20の直径、第1のスリーブ30の内径、第1のスリーブ30の外径、第2のスリーブ40の内径、第2のスリーブ40の外径)を以下の表1のとおりとした。ここで、加圧流体注入ノズル10に大気圧のみが加わっている状態において(即ち、不使用の状態で単に大気中に放置された状態において)、スリット32が形成された部分を除く第1のスリーブ30の先端部分31の内面と、センターピン20の先端部分21の外面との間に形成された間隙は、以下の表1のとおりである。更には、加圧流体注入ノズル10に大気圧のみが加わっている状態において(即ち、不使用の状態で単に大気中に放置された状態において)、スリット32の幅、スリット32の第1のスリーブ30の軸線方向と平行な方向に沿った長さを、以下の表1のとおりとした。また、図1の(C)の矢印B−B、矢印C−Cで切断したときのセンターピン20の形状は、図2の(B)、(C)及び(D)に示すように、4カ所を切り欠いた円形である。これらのセンターピン20の直径方向に沿った切欠部22の長さを、以下の表1のとおりとした。センターピン20のこれらの切欠部22と第1のスリーブ30の内面によって、加圧流体流路23が形成されている。尚、このように、センターピン20の外面と第1のスリーブ30の内面との間の一部に加圧流体流路23が形成されているが、この加圧流体流路23は、スリット32と連通しないように形成されている。
【0052】
[表1]
センターピン20の直径 :1.6mm
第1のスリーブ30の内径 :1.6mm
第1のスリーブ30の外径 :3mm
第2のスリーブ40の内径 :3mm
第2のスリーブ40の外径 :5mm
間隙 :0.01mm
スリット32の幅 :0.4mm
スリット32の長さ :2mm
切欠部22の直径方向の長さ:0.1mm
【0053】
本発明の加圧流体注入ノズル(あるいは金型組立体)を用いた成形品の成形方法は、
(a)溶融樹脂導入部54を介して、キャビティ53内に溶融熱可塑性樹脂60を導入する工程と、
(b)キャビティ53内への溶融熱可塑性樹脂60の導入中、導入完了と同時、若しくは導入完了後、加圧流体注入ノズル10(あるいは、後述する実施例2の加圧流体注入ノズル10A)を介して、キャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60の内部に加圧流体を注入し、中空部61を有する成形品を成形する工程、
から成る。
【0054】
具体的には、図1〜図4に示した加圧流体注入ノズル、金型組立体を用いて成形品の成形を行った。熱可塑性樹脂として、ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、商品名:ユーピロンS3000)を使用した。射出成形機に備えられた射出シリンダー55内で樹脂温度280゜Cにて熱可塑性樹脂を溶融、可塑化した。そして、固定金型部51と可動金型部52を型締した後、図示しない油圧シリンダーにて加圧流体注入ノズル10を前進させ、加圧流体注入ノズル10を可動金型部52に設けた加圧流体注入口に密着させ、加圧流体注入ノズル10の先端部11をキャビティ53内に突出させた(図4及び図5の(A)の概念図を参照)。
【0055】
そして、射出圧力を1.1×108Pa(1130kgf/cm2)として、射出シリンダー55から溶融樹脂導入部(ゲート部)54を介してキャビティ53内に溶融熱可塑性樹脂60を導入した(図5の(B)の概念図を参照)。
【0056】
尚、キャビティ53内に導入した溶融熱可塑性樹脂60の量はキャビティ53を完全に満たす量とした。溶融熱可塑性樹脂60のキャビティ53内への導入時、加圧流体の圧力(より具体的には、加圧流体注入ノズル10の加圧流体流路23における圧力)Pf1を大気圧とした。加圧流体注入ノズル10の先端部11に加わる溶融熱可塑性樹脂60の圧力PR1は、概ね2×107Pa(約200kgf/cm2)であった。このとき、第1のスリーブ30の先端部分31の内面とセンターピン20の先端部分21の外面との間の間隙は狭い状態にあり、キャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60が、第1のスリーブ30の先端部分31の内面とセンターピン20の先端部分21の外面との間の間隙を介して加圧流体流路23に流入することは無かった。
【0057】
射出開始から3.0秒後に射出動作を停止し、同時に、キャビティ53内の溶融熱可塑性樹脂60の内部に、加圧流体注入ノズル10から7.8×106Pa(80kgf/cm2)の加圧流体(具体的には、圧縮窒素ガス)を注入し、キャビティ53内の溶融熱可塑性樹脂60の内部に中空部61を形成した(図6の概念図を参照)。加圧流体の圧力(より具体的には、加圧流体注入ノズル10の加圧流体流路23における圧力)Pf2は1.8×107Pa(約180kgf/cm2)であり、加圧流体注入ノズル10の先端部11に加わる溶融熱可塑性樹脂60の圧力PR2(残圧)は概ね2×106Pa(約20kgf/cm2)であった。
【0058】
キャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60の内部に加圧流体を注入するとき、加圧流体流路23内の加圧流体の圧力によって、第1のスリーブ30の軸線方向と略垂直な方向に第1のスリーブ30の先端部分31が広がることで、第1のスリーブ30の先端部分31の内面とセンターピン20の先端部分21の外面との間の間隙が広がる。その結果、加圧流体が、加圧流体流路23から第1のスリーブ30の先端部分31の内面とセンターピン20の先端部分21の外面との間の広げられた間隙を介して、キャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60の内部に注入された。
【0059】
射出開始から60秒経過まで、キャビティ53内の溶融熱可塑性樹脂60を冷却、固化させた後、加圧流体注入ノズル10からの加圧流体の注入を中止し、図示しない油圧シリンダーを作動させて加圧流体注入ノズル10を後退させ、成形品内部に形成された中空部61から加圧流体(圧縮窒素ガス)を大気中に解放した。その後、型開きを行い、金型から成形品を取り出した。得られた成形品には、厚肉部に所望の中空部61が形成されており、加圧流体注入ノズル10の先端部11の内部(具体的には、加圧流体流路23内)には熱可塑性樹脂の流入が認められず、加圧流体注入ノズル10はその機能を完全に果たしていた。また、油圧シリンダーを作動させて加圧流体注入ノズル10を後退させたとき、加圧流体注入ノズル10の先端部11に樹脂片等が混入することも無かった。
【0060】
(実施例2)
実施例2は、本発明の第2の態様に係る加圧流体注入ノズルに関する。実施例2の加圧流体注入ノズルを先端側から眺めた模式図を図7の(A)に示し、図7の(A)の矢印B−Bに沿った加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図を図7の(B)に示し、図7の(A)の矢印C−Cに沿った加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図を図7の(C)に示す。また、図7の(B)の矢印A−A,B−B,C−Cに沿った加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図を、それぞれ、図8の(A)、(B)、(C)に示し、図7の(B)の矢印C−Cに沿ったセンターピンの拡大された模式的な断面図を図8の(D)に示す。
【0061】
尚、実施例2の加圧流体注入ノズル全体の構造、構成は、加圧流体注入ノズルの先端部の構造が異なることを除き、実質的に図3に示した実施例1の加圧流体注入ノズル全体の構造、構成と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。更には、実施例2の金型あるいは金型組立体の構造も、図4に概念図を示した実施例1の金型あるいは金型組立体の構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0062】
実施例2の加圧流体注入ノズル10Aも、実施例1と同様に、キャビティ53、及び、溶融熱可塑性樹脂60をキャビティ53内に導入するための溶融樹脂導入部54が設けられた金型50を使用して、溶融樹脂導入部54を介してキャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60の内部に加圧流体を注入し、中空部61を有する成形品を成形するために使用される加圧流体注入ノズルである。
【0063】
実施例2の加圧流体注入ノズル10Aは、
(A)センターピン70、及び、
(B)センターピン70を内部に格納したスリーブ80、
から構成されている。
【0064】
そして、センターピン70の外面とスリーブ80の内面との間の一部に加圧流体流路73が形成されている。また、センターピン70の先端面には、センターピン70の軸線方向と略平行に、センターピン70の先端面から所定の距離まで延びるスリット75が1つ、形成されている。スリット75はセンターピン70の先端部分71の径方向に亙り形成されており、センターピン70の中心軸線を通っている。更には、センターピン70の先端部分71を取り囲むスリーブ80の先端部分81には、空間82が形成されている。
【0065】
実施例2の加圧流体注入ノズル10Aにあっては、キャビティ53内への溶融熱可塑性樹脂導入工程においては、スリーブ80の先端部分81の内面とセンターピン70の先端部分71の外面との間の間隙は狭い状態にある。尚、図7においては、間隙が一見、存在しないかのように図示しているが、実際には、間隙が存在する。従って、加圧流体流路73は係る間隙と連通しているものの、キャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60が、スリーブ80の先端部分81の内面とセンターピン70の先端部分71の外面との間の間隙を介して加圧流体流路73に流入することは無い。
【0066】
一方、加圧流体注入工程においては、加圧流体流路73内の加圧流体の圧力によって、センターピン70の軸線方向と略垂直な方向にセンターピン70の先端部分71が窄まることで、スリーブ80の先端部分81の内面とセンターピン70の先端部分71の外面との間の間隙が広がる。その結果、加圧流体が、加圧流体流路73からスリーブ80の先端部分81の内面とセンターピン70の先端部分71の外面との間の間隙を介して、キャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60の内部に注入される。
【0067】
実施例2の加圧流体注入ノズル10Aにおいては、センターピン70の先端部分71の加圧流体の圧力による窄まりは、センターピン70の先端部分71を構成する材料の弾性範囲内での曲げ変形によって達成される。センターピン70をバネ鋼から作製し、スリーブ80をSUS316Lから作製した。また、センターピン70におけるスリット75を、切削加工法にて形成した。
【0068】
垂直仮想平面でスリーブ80を切断したときのスリーブ80の断面形状は円環状形である。また、垂直仮想平面でセンターピン70を切断したときの、加圧流体流路73が形成されている部分のセンターピン70の断面形状は一部を切り欠いた円形(より具体的には、実施例2においては2箇所の部分を切り欠いた円形)であり、加圧流体流路73が形成されていない部分のセンターピン70の断面形状は円形である。
【0069】
具体的には、図7の(B)の矢印A−Aで切断したときの加圧流体注入ノズル10Aを構成する要素の大きさ(センターピン70の直径、スリーブ80の内径(1)、スリーブ80の外径)を、以下の表2のとおりとした。ここで、加圧流体注入ノズル10Aに大気圧のみが加わっている状態において(即ち、不使用の状態で単に大気中に放置された状態において)、スリット75が形成された部分を除くスリーブ80の先端部分81の内面と、センターピン70の先端部分71の外面との間に形成された間隙は、以下の表2のとおりである。更には、加圧流体注入ノズル10Aに大気圧のみが加わっている状態において(即ち、不使用の状態で単に大気中に放置された状態において)、スリット75の幅、スリット75のセンターピン70の軸線方向と平行な方向に沿った長さを、以下の表2のとおりとした。また、図7の(B)の矢印C−Cで切断したときの、スリーブ80の内径(2)を以下の表2のとおりとし、スリーブ80の軸線方向と平行な方向に沿った空間82の長さを以下の表2のとおりとした。更には、図7の(B)の矢印B−B、矢印C−Cで切断したときのセンターピン70の形状は、図8の(B)、(C)及び(D)に示すように、2カ所を切り欠いた円形である。これらのセンターピン70の切欠部72の直径方向の長さを、以下の表2のとおりとした。センターピン70のこれらの切欠部72とスリーブ80の内面によって、加圧流体流路73が形成されている。尚、このように、センターピン70の外面とスリーブ80の内面との間の一部に加圧流体流路73が形成されているが、この加圧流体流路73は、スリット75と連通しないように形成されている。
【0070】
[表2]
センターピン70の直径 :1mm
スリーブ80の内径(1) :2mm
スリーブ80の外径 :3mm
間隙 :0.5mm
スリット75の幅 :0.4mm
スリット75の長さ :2mm
スリーブ80の内径(2) :1mm
空間82の長さ :2mm
切欠部72の直径方向の長さ:0.1mm
【0071】
図7及び図8に示した加圧流体注入ノズル、金型組立体を用いて成形品の成形を行った。熱可塑性樹脂として、ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、商品名:ユーピロンS3000)を使用した。射出成形機に備えられた射出シリンダー55内で樹脂温度280゜Cにて熱可塑性樹脂を溶融、可塑化した。そして、固定金型部51と可動金型部52を型締した後、図示しない油圧シリンダーにて加圧流体注入ノズル10Aを前進させ、加圧流体注入ノズル10Aを可動金型部52に設けた加圧流体注入口に密着させ、加圧流体注入ノズル10Aの先端部11をキャビティ53内に突出させた(図9の(A)の概念図を参照)。
【0072】
そして、射出圧力を1.1×108Pa(1130kgf/cm2)として、射出シリンダー55から溶融樹脂導入部(ゲート部)54を介してキャビティ53内に溶融熱可塑性樹脂60を導入した(図9の(B)の概念図を参照)。
【0073】
尚、キャビティ53内に導入した溶融熱可塑性樹脂60の量はキャビティ53を完全に満たす量とした。溶融熱可塑性樹脂60のキャビティ53内への導入時、加圧流体の圧力(より具体的には、加圧流体注入ノズル10Aの加圧流体流路73における圧力)Pf1を大気圧とした。加圧流体注入ノズル10Aの先端部11に加わる溶融熱可塑性樹脂60の圧力PR1は、概ね2×107Pa(約200kgf/cm2)であった。このとき、スリーブ80の先端部分81の内面とセンターピン70の先端部分71の外面との間の間隙は狭い状態にあり、キャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60が、スリーブ80の先端部分81の内面とセンターピン70の先端部分71の外面との間の間隙を介して加圧流体流路73に流入することは無かった。
【0074】
射出開始から3.0秒後に射出動作を停止し、同時に、キャビティ53内の溶融熱可塑性樹脂60の内部に、加圧流体注入ノズル10Aから7.8×106Pa(80kgf/cm2)の加圧流体(具体的には、圧縮窒素ガス)を注入し、キャビティ53内の溶融熱可塑性樹脂60の内部に中空部61を形成した(図10の(A)概念図、及び、図10の(A)の円で囲まれた領域を拡大した模式的な断面図である図10の(B)を参照)。加圧流体の圧力(より具体的には、加圧流体注入ノズル10Aの加圧流体流路73における圧力)Pf2は1.8×107Pa(約180kgf/cm2)であり、加圧流体注入ノズル10Aの先端部11に加わる溶融熱可塑性樹脂60の圧力PR2(残圧)は概ね2×106Pa(約20kgf/cm2)であった。
【0075】
キャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60の内部に加圧流体を注入するとき、加圧流体流路73内の加圧流体の圧力によって、センターピン70の軸線方向と略垂直な方向にセンターピン70の先端部分71が窄まることで、スリーブ80の先端部分81の内面とセンターピン70の先端部分71の外面との間の間隙が広がる(図10の(B)参照)。その結果、加圧流体が、加圧流体流路73からスリーブ80の先端部分81の内面とセンターピン70の先端部分71の外面との間の広げられた間隙を介して、キャビティ53内に導入された溶融熱可塑性樹脂60の内部に注入された。
【0076】
射出開始から60秒経過まで、キャビティ53内の溶融熱可塑性樹脂60を冷却、固化させた後、加圧流体注入ノズル10Aからの加圧流体の注入を中止し、図示しない油圧シリンダーを作動させて加圧流体注入ノズル10Aを後退させ、成形品内部に形成された中空部61から加圧流体(圧縮窒素ガス)を大気中に解放した。その後、型開きを行い、金型から成形品を取り出した。得られた成形品には、厚肉部に所望の中空部61が形成されており、加圧流体注入ノズル10Aの先端部11の内部(具体的には、加圧流体流路73内)には熱可塑性樹脂の流入が認められず、加圧流体注入ノズル10Aはその機能を完全に果たしていた。また、油圧シリンダーを作動させて加圧流体注入ノズル10Aを後退させたとき、加圧流体注入ノズル10Aの先端部11に樹脂片等が混入することも無かった。
【0077】
以上、本発明を、好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0078】
本発明の第1の態様に係る加圧流体注入ノズルと本発明の第2の態様に係る加圧流体注入ノズルとを組み合わせることもできる。具体的には、実施例1において説明した加圧流体注入ノズルにおいて、センターピン20を実施例2において説明したセンターピン70と交換すればよい。また、加圧流体注入ノズル10,10Aを可動金型部52に取り付ける代わりに、固定金型部51に取り付けてもよい。垂直仮想平面で切断したときの加圧流体注入ノズルを構成する部材の断面形状は円環状形や円形に限定されず、例えば、楕円形、多角形、丸みを帯びた多角形とすることもできる。また、第1のスリーブ、第2のスリーブ、スリーブ、センターピンの外形形状は、相似形であってもよいし、相似形でなくともよい。
【0079】
図4に示した金型組立体においては、加圧流体注入ノズル10,10Aの先端部11がキャビティ53内に配置されるように加圧流体注入ノズル10,10Aを金型50に取り付ける構成としたが、加圧流体注入ノズル10,10Aの金型への取り付けは、これに限定するものではない。図11に金型組立体の模式図を示すように、加圧流体注入ノズル10,10Aの先端部11が金型のキャビティ面53Aの近傍に配置されるように加圧流体注入ノズル10,10Aを取り付ける構成とすることもできる。あるいは又、図12に金型組立体の模式図を示すように、加圧流体注入ノズル10,10Aの先端部が、溶融樹脂導入部54内に配置されるように加圧流体注入ノズル10,10Aを取り付ける構成とすることもできるし、図13に金型組立体の模式図を示すように、金型50は射出シリンダー55を備えた射出成形機に取り付けられており、射出シリンダー55と溶融樹脂導入部54とは連通しており、加圧流体注入ノズル10,10Aが射出シリンダー55の先端部に配置されるように加圧流体注入ノズル10,10Aを取り付ける構成とすることもできる。
【0080】
実施例1においては、センターピン20に切欠部22を設けることによって加圧流体流路23を形成したが、その代わりに、第1のスリーブ30の内面に切欠部30Aを設けることによって、加圧流体流路23を形成することもできる。即ち、垂直仮想平面でセンターピン20を切断したときのセンターピン20の断面形状は円形であり、垂直仮想平面で第1のスリーブ30を切断したときの、加圧流体流路23が形成されている部分の第1のスリーブ30は、一部を切り欠いた円環状形(より具体的には、スリットの数をN個とした場合、例えばN箇所の部分を切り欠いた円環状形)であり、加圧流体流路23が形成されていない部分の第1のスリーブ30は円環状形である。このような構成の図1の(A)の矢印B−Bに沿ったと同様の加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図を図14の(A)に示し、図1の(C)の矢印C−Cに沿ったと同様の加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図を図14の(B)に示す。尚、このような加圧流体流路23の構成を、実施例1にて説明した加圧流体流路23の構成と組み合わせることもできる。
【0081】
また、実施例2においては、センターピン70に切欠部72を設けることによって加圧流体流路73を形成したが、その代わりに、スリーブ80の内面に切欠部80Aを設けることによって、加圧流体流路73を形成することもできる。即ち、垂直仮想平面でセンターピン70を切断したときのセンターピン70の断面形状は円形であり、垂直仮想平面でスリーブ80を切断したときの、加圧流体流路73が形成されている部分のスリーブ80の断面形状は一部を切り欠いた円環状形であり、加圧流体流路73が形成されていない部分のスリーブ80の断面形状は円環状形である。このような構成の図7の(A)の矢印B−Bに沿ったと同様の加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図を図15の(A)に示し、図7の(B)の矢印C−Cに沿ったと同様の加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図を図15の(B)に示す。尚、このような加圧流体流路73の構成を、実施例2にて説明した加圧流体流路73の構成と組み合わせることもできる。
【0082】
あるいは又、垂直仮想平面でセンターピン70を切断したときの、加圧流体流路73が形成されている部分のセンターピン70の断面形状及び加圧流体流路73が形成されていない部分のセンターピン70の断面形状を円形(但し、加圧流体流路73が形成されている部分のセンターピン70の円形断面形状の直径<加圧流体流路73が形成されていない部分のセンターピン70の円形断面形状の直径)とすることもできる。あるいは又、垂直仮想平面でスリーブ80を切断したときの、加圧流体流路73が形成されている部分のスリーブ80の断面形状及び加圧流体流路73が形成されていない部分のスリーブ80の断面形状を円環状形(但し、加圧流体流路73が形成されている部分のスリーブ80の円環状形の断面形状の大きさ>加圧流体流路73が形成されていない部分のスリーブ80の円環状形の断面形状の大きさ)とすることもできる。尚、このような加圧流体流路73の構成を適宜組み合わせることができるし、更には、実施例2にて説明した加圧流体流路73の構成と組み合わせることもできる。これらの場合にも、加圧流体流路73は、スリット75と連通しないように形成されている必要がある。
【0083】
【発明の効果】
本発明の加圧流体注入ノズルにあっては、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の圧力と加圧流体の圧力との圧力差によって加圧流体注入ノズルの先端部の開閉状態の制御が自動的に行われるので、移動部品が無く、部品点数が削減され、加工が容易で、しかも、加圧流体注入ノズルの先端部の間隙に熱可塑性樹脂が噛み込むことの無い、簡素な構造の加圧流体注入ノズルを提供することができる。しかも、加圧流体注入ノズルの内部に溶融熱可塑性樹脂が流入することを確実に防止でき、且つ、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に加圧流体を円滑、確実に注入することができるので、成形品の成形を安定して行うことができる。加えて、溶融樹脂導入部を介してキャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧流体を注入するとき、加圧流体注入ノズルの先端部が開いた状態となることによって加圧流体注入ノズルの先端部近傍の溶融熱可塑性樹脂が加圧流体によって吹き飛ぶことを、効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(A)は、実施例1の加圧流体注入ノズルを先端側から眺めた模式図であり、図1の(B)は、図1の(A)の矢印B−Bに沿った実施例1の加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図であり、図1の(C)は、図1の(A)の矢印C−Cに沿った実施例1の加圧流体注入ノズルの先端部である。
【図2】図2の(A)、(B)、(C)は、それぞれ、図1の(C)の矢印A−A,B−B,C−Cに沿った実施例1の加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図であり、図2の(D)は、図1の(C)の矢印C−Cに沿ったセンターピンの拡大された模式的な断面図である。
【図3】図3は、実施例1の加圧流体注入ノズル全体の模式的な断面図である。
【図4】図4は、実施例1の金型組立体の概念図である。
【図5】図5の(A)及び(B)は、実施例1の金型組立体を用いた成形品の射出成形方法を説明するための金型組立体の概念図である。
【図6】図6は、図5の(B)に引き続き、実施例1の金型組立体を用いた成形品の射出成形方法を説明するための金型組立体の概念図である。
【図7】図7の(A)は、実施例2の加圧流体注入ノズルを先端側から眺めた模式図であり、図7の(B)は、図7の(A)の矢印B−Bに沿った実施例2の加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図であり、図7の(C)は、図7の(A)の矢印C−Cに沿った実施例2の加圧流体注入ノズルの先端部である。
【図8】図8の(A)、(B)、(C)は、それぞれ、図7の(C)の矢印A−A,B−B,C−Cに沿った実施例2の加圧流体注入ノズルの先端部の模式的な断面図であり、図8の(D)は、図7の(C)の矢印B−Bに沿ったセンターピンの拡大された模式的な断面図である。
【図9】図9の(A)及び(B)は、実施例2の金型組立体を用いた成形品の射出成形方法を説明するための金型組立体の概念図である。
【図10】図10の(A)は、図9の(B)に引き続き、実施例2の金型組立体を用いた成形品の射出成形方法を説明するための金型組立体の概念図であり、図10の(B)は、図10の(A)の円で囲まれた領域を拡大した模式的な断面図である。
【図11】図11は、金型組立体の変形例の概念図である。
【図12】図12は、金型組立体の別の変形例の概念図である。
【図13】図13は、金型組立体の更に別の変形例の概念図である。
【図14】図14の(A)及び(B)は、実施例1の加圧流体注入ノズルの変形例の先端部の模式的な断面図である。
【図15】図15の(A)及び(B)は、実施例2の加圧流体注入ノズルの変形例の先端部の模式的な断面図である。
【符号の説明】
10,10A・・・加圧流体注入ノズル、11・・・加圧流体注入ノズルの先端部、12・・・加圧流体注入ノズルの先端面、13・・・ホルダー、14・・・ホルダー取付ベース、15・・・コネクター、16・・・加圧流体流路貫通孔、20・・・センターピン、21・・・センターピンの先端部分、22,30A・・・切欠部、23・・・加圧流体流路、24・・・センターピンの後端部、30・・・第1のスリーブ、31・・・第1のスリーブの先端部分、32・・・スリット、33・・・第1のスリーブの後部、40・・・第2のスリーブ、41・・・第2のスリーブの先端部分、42・・・空間、43・・・第2のスリーブの後部、50・・・金型、51・・・固定金型部、52・・・可動金型部、53・・・キャビティ、54・・・溶融樹脂導入部、55・・・射出シリンダー、56・・・加圧流体源、57・・・配管、60・・・溶融熱可塑性樹脂、61・・・中空部、70・・・センターピン、71・・・先端面、72,80A・・・切欠部、73・・・加圧流体流路、75・・・スリット、80・・・スリーブ、81・・・先端部分、82・・・空間

Claims (9)

  1. キャビティ、及び、溶融熱可塑性樹脂を該キャビティ内に導入するための溶融樹脂導入部が設けられた金型を使用して、該溶融樹脂導入部を介して該キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧流体を注入し、中空部を有する成形品を成形するために使用される加圧流体注入ノズルであって、
    (A)センターピン、
    (B)該センターピンを内部に格納した第1のスリーブ、及び、
    (C)該第1のスリーブを内部に保持した第2のスリーブ、
    から構成され、
    該センターピンの外面と該第1のスリーブの内面との間の一部に加圧流体流路が形成されており、
    該第1のスリーブの先端部分には、該第1のスリーブの軸線方向と略平行に延びる複数のスリットが形成されており、
    該第1のスリーブの先端部分を取り囲む該第2のスリーブの先端部分には、第1のスリーブの先端部分が広がり得る空間が形成されており、
    キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂導入工程においては、該第1のスリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の間隙は狭い状態にあり、以て、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂が、該第1のスリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の該間隙を介して加圧流体流路に流入することがなく、
    加圧流体注入工程においては、加圧流体流路内の加圧流体の圧力によって、該第1のスリーブの軸線方向と略垂直な方向に該第1のスリーブの先端部分が広がることで、該第1のスリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の間隙が広がり、以て、加圧流体が、該加圧流体流路から該第1のスリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の該間隙を介して、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に注入されることを特徴とする加圧流体注入ノズル。
  2. 前記第1のスリーブの先端部分の加圧流体の圧力による広がりは、該第1のスリーブの先端部分を構成する材料の弾性範囲内での曲げ変形によって達成されることを特徴とする請求項1に記載の加圧流体注入ノズル。
  3. 加圧流体注入ノズルに大気圧のみが加わっている状態において、前記スリットが形成された部分を除く前記第1のスリーブの先端部分の内面と、前記センターピンの先端部分の外面との間に形成された間隙は、0.5mm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加圧流体注入ノズル。
  4. 加圧流体注入ノズルに大気圧のみが加わっている状態において、前記スリットの幅は前記第1のスリーブの先端部分の外周長さの80%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の加圧流体注入ノズル。
  5. 前記スリットは、第1のスリーブの中心軸線を回転軸としたとき、N回回転対称(但し、N=2,3,4,6又は8)であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の加圧流体注入ノズル。
  6. キャビティ、及び、溶融熱可塑性樹脂を該キャビティ内に導入するための溶融樹脂導入部が設けられた金型を使用して、該溶融樹脂導入部を介して該キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧流体を注入し、中空部を有する成形品を成形するために使用される加圧流体注入ノズルであって、
    (A)センターピン、及び、
    (B)該センターピンを内部に格納したスリーブ、
    から構成され、
    該センターピンの外面と該スリーブの内面との間の一部に加圧流体流路が形成されており、
    該センターピンの先端面には、該センターピンの軸線方向と略平行に延びるスリットが形成されており、
    キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂導入工程においては、該スリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の間隙は狭い状態にあり、以て、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂が、該スリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の該間隙を介して加圧流体流路に流入することがなく、
    加圧流体注入工程においては、加圧流体流路内の加圧流体の圧力によって、該センターピンの軸線方向と略垂直な方向に該センターピンの先端部分が窄まることで、該スリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の間隙が広がり、以て、加圧流体が、該加圧流体流路から該スリーブの先端部分の内面と該センターピンの先端部分の外面との間の該間隙を介して、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に注入されることを特徴とする加圧流体注入ノズル。
  7. 前記センターピンの先端部分の加圧流体の圧力による窄まりは、該センターピンの先端部分を構成する材料の弾性範囲内での曲げ変形によって達成されることを特徴とする請求項6に記載の加圧流体注入ノズル。
  8. 加圧流体注入ノズルに大気圧のみが加わっている状態において、前記スリットが形成された部分を除く前記センターピンの先端部分の外面と、前記スリーブの内面との間に形成された間隙は、0.5mm以下であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の加圧流体注入ノズル。
  9. 加圧流体注入ノズルに大気圧のみが加わっている状態において、前記スリットの幅は前記センターピンの先端部分の外周長さの80%以下であることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の加圧流体注入ノズル。
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