JP2005297426A - 注入ピン - Google Patents

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成康 原田
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Abstract


【課題】注入ピンを圧入させるための特殊な装置や、液体を高圧で注入するための装置を不要とし、ガス及び液体の双方を確実に注入させることができる注入ピンを提供すること。
【解決手段】注入ピン1は、筒状部11と、この筒状部11内を摺動する軸部10と、軸部10後端部に設けられるピストン部16と、軸部10先端部に設けられる隙間形成部15とを備える。金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填する際、及びこの溶融樹脂内にガスを注入する際には、軸部10の隙間形成部15は、筒状部11の第1小径部12先端内に位置している。また、ピストン部16の対向面161は、第2小径部14の開口141Aの周縁に当接している。液体注入時には、軸部10が摺動し、隙間形成部15は筒状部11先端から突出するとともに、ピストン部16の対向面161による開口141Aの閉塞が解除される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ガス射出成形に用いられる注入ピンに関する。
従来、軽量にして高剛性な成形品が得られる射出成形方法として、ガス射出成形方法が知られている。
この方法では、金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填した後、金型のキャビティ内に加圧窒素ガス等の不活性ガスを注入して射出成形を行う。これにより、充填された溶融樹脂内には、ガス圧によりガスの流路である中空部(以下「ガスチャンネル」という。)が形成される。そして、ガスチャンネル内のガスによって溶融樹脂が内部から金型面に向かって押圧されるため、均一な厚さの薄肉中空成形品の獲得が期待できる。
このような中空成形品の冷却は、金型を冷却することより行っているが、中空成形品の内部には熱容量の小さなガスが注入されているので、冷却効率が悪いという問題がある。
そこで、不活性ガスを注入し、ガスチャンネルを形成した後、冷却用の液体(例えば、水等の液体)をガスチャンネルに注入することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−309126号公報(第2,3頁、図1)
特許文献1では、ガス注入装置、液体注入装置のそれぞれに設けた注入ピンからガス、冷却用の液体を注入している。この場合、ガスにより形成したガスチャンネルに冷却用の液体を注入するためには、液体専用の注入ピンをガスチャンネルに圧入させる必要がある。そのため、注入ピンを圧入させるための機構が必要となるので、コストが増加するという問題もある。
また、冷却液体注入用の注入ピンをガスチャンネルに圧入させない場合には、樹脂に、冷却液体注入用の注入ピンの先端とガスチャンネルとに連通する孔を形成しなければならない。この孔を形成するためには、高圧で液体を注入しなければならず、液体を高圧で注入するための特殊な設備が必要となり、コストが増加するという問題が発生する。
ここで、以上のような問題を解決するために、ガスを注入するための注入ピンと、冷却用の液体を注入する注入ピンとを共通化することが考えられる。しかしながら、ガス専用の注入ピンで、冷却用の液体を注入させた場合には、ガス専用の注入ピンの先端の径が非常に小さいため、液体が流れにくいという問題がある。また、液体専用の注入ピンを使用して、ガスを注入する場合には、液体専用の注入ピンの先端の径は大きいため、溶融樹脂の射出時に、溶融樹脂が注入ピン先端から注入ピン内に入り込み、注入ピンがつまってしまい、そのためガス及び液体を注入することが困難となるという問題もある。
本発明の目的は、注入ピンを圧入させるための特殊な装置や、液体を高圧で注入するための装置を不要とし、ガス及び液体の双方を確実に注入させることができる注入ピンを提供することである。
本発明の注入ピンは、金型のキャビティ面に設けられ、前記金型のキャビティ内に充填された溶融樹脂内にガスを注入する注入ピンであって、その先端部が金型のキャビティ面から露出する筒状部と、この筒状部と連通し、ガスを筒状部内部に注入するガス供給部と、前記筒状部と連通し、金型のキャビティ内の樹脂を冷却する液体を筒状部内部に注入する液体供給部と、前記筒状部内部に配置され、前記ガス供給部からのガス供給及び/又は前記液体供給部からの液体供給により、前記筒状部内で摺動する軸部とを備え、前記軸部には、この軸部の摺動に伴って摺動するとともに、ガス供給時に、前記筒状部先端内に位置し、この筒状部先端との間に前記溶融樹脂を通過させず、前記ガス供給部からのガスを通過させる隙間を形成し、液体供給時に、筒状部先端との間に前記液体供給部から供給される液体を供給させる隙間を形成する隙間形成部が設けられていることを特徴とする。
ここで、液体としては、溶融樹脂と不活性であれば特に制限はないが、例えば、水、メチルアルコールやエチルアルコール等の低級アルコール等を用いることができる。なかでも、安全性、コスト、熱容量等を考慮すると、水であることが好ましい。
ガスとしては、溶融樹脂と不活性であれば特に制限はないが、例えば、窒素等の不活性ガスを用いることが好ましい。
このような本発明によれば、軸部には、ガス供給時に、筒状部の先端との間に溶融樹脂を通過させず、ガスを通過させる隙間を形成する隙間形成部が設けられているので、ガス供給時に溶融樹脂が筒状部内に入り込んでしまうことがない。これにより、注入ピンの筒状部の溶融樹脂によるつまりを防止することができる。
また、液体供給時には、隙間形成部と筒状部先端との間には、液体を通過させる隙間が形成されるので、液体を筒状部から確実に樹脂内のガスチャンネル内に液体を注入することができる。これにより、射出成形品を内側から効率よく冷却することができる。
従来のように、液体を注入する注入ピンと、ガスを注入する注入ピンとを別のものとした場合には、液体用の注入ピンをガスチャンネルに圧入させるための特殊な装置や、液体を高圧で注入するための装置を必要としたが、本発明では、一つの注入ピンからガス及び液体の双方を注入させることができるので、上述したような特殊な装置を必要としない。従って、本発明の注入ピンを用いれば、前記注入ピンや、金型を含んで構成される射出成形装置のコスト低減を図ることができる。
さらに、本発明では、隙間形成部は、軸部の摺動に伴って摺動することにより、筒状部先端との間に所定の隙間を形成するものであり、この軸部の摺動は、ガスや液体の供給により行われている。このように軸部を摺動させて、隙間形成部と筒状部先端との間に所定の隙間を形成するために複雑な機構等を必要としないため、注入ピンの構造の複雑化を防止することができる。
この際、前記筒状部の前記軸部よりも後端側の部分に前記液体供給部が設けられており、液体供給時に前記液体供給部からの液体により前記軸部が押され、前記隙間形成部が前記筒状部先端から突出することが好ましい。
本発明によれば、液体供給時に筒状部先端から隙間形成部を突出させることで、筒状部先端と隙間形成部との間には大きな隙間が形成されることとなるので、筒状部先端から液体を確実に排出させることができ、樹脂内に液体を注入することができる。
この際、前記筒状部は、シリンダ状の大径部と、この大径部の後端側に設けられて大径部に連通する開口が形成された小径部とを備えており、軸部の先端部には、前記隙間形成部が設けられ、軸部の後端部には、軸部の摺動に伴って、前記大径部内を摺動するピストン部が設けられ、このピストン部の前記小径部の開口との対向面は、その径が前記小径部の開口の径よりも大きく、前記小径部の開口周縁に当接して、前記開口を閉塞可能とされており、前記筒状部の小径部に前記液体供給部が設けられ、前記筒状部の前記ピストン部の対向面が位置する部分よりも先端側の部分に前記ガス供給部が設けられていることが好ましい。
ここで、ガス供給部は、ピストン部の対向面よりも筒状部先端側に設けられていればよく、例えば、ピストン部よりも筒状部先端側にガス供給部が設けられていてもよく、また、ピストン部が先端に向かって縮径するような錐台状のものであるような場合には、このピストン部の錐面が位置する部分にガス供給部が設けられていてもよい。すなわち、ガス供給部からのガスにより、ピストン部が小径部側に押されるような位置にガス供給部が設けられていればよい。
このような本発明によれば、ピストン部の対向面よりも先端側にガス供給部が設けられているので、ガス供給時には、ガスの圧力により、ピストン部が筒状部後端側に押されることとなる。そして、ピストン部の対向面は、小径部の開口周縁に当接して小径部の開口を閉塞する。このように小径部の開口が閉塞されるため、ガス供給時に、ガスが小径部、さらには、液体供給部内に入り込んでしまうことがない。従って、液体供給部にガスが混入してしまうのを防止するための弁等を設ける必要がなく、液体供給部の構造を簡略化することができる。
また、筒状部の小径部に液体供給部が設けられているので、液体供給時には、ピストン部の対向面が液体により押されて、小径部の開口の閉塞が解除されることとなる。これにより、液体供給部からの液体を小径部から大径部に排出することができる。
このように、ガス及び液体の圧力でピストン部を押圧し、ピストン部を摺動させることで、小径部の開口の開閉を行っており、小径部の開口の開閉に特殊な構造が不要であるため、注入ピンの構造を簡略化することができる。
この際、前記筒状部の大径部は、後端側から先端側に向かって縮径する錐台形状であり、前記ピストン部は後端側から先端側に向かって縮径し、前記大径部よりも扁平な錐台形状であり、前記ピストン部の対向面の周縁は、前記大径部の内周面に係止されるとともに、前記大径部の内周面の前記対向面の周縁を係止する部分の一部には凹部が形成されていることが好ましい。
ピストン部を大径部よりも扁平な錐台部材とすることで、液体供給時にピストン部が液体により押された際、ピストン部の対向面の周縁は、大径部の内周面に係止されることとなる。このようにすることで、ピストン部を大径部内の所定位置で固定するための機構が不要となり、注入ピンの構造をより簡易化させることができる。
また、大径部の係止部分の一部には凹部が形成されているので、凹部と、ピストン部の対向面の周縁との間に隙間が形成されることとなり、液体をこの隙間から確実に通過させることができる。
また、前記大径部の径は、前記ピストン部の径よりも大きく、前記ピストン部には、このピストン部を小径部の開口側に付勢する弾性体が設けられていてもよい。
このような本発明によれば、ガス供給時には、弾性体の付勢力及びガスの圧力により、ピストン部の対向面を小径部の開口周縁に確実に当接させることができ、小径部の開口を確実に閉塞することができる。これにより、ガスの小径部への流入を確実に防止することができる。
また、液体供給時には、小径部に形成された液体供給部からの液体の圧力によりピストン部の対向面が押圧され、ピストン部の対向面による小径部の開口の閉塞が解除されるので、液体を小径部の開口から大径部に供給することができる。そして、大径部の径はピストン部の径よりも大きいため、小径部の開口から流れた液体を大径部と、ピストン部との間の隙間を通して排出させることができる。
なお、この場合、弾性体による付勢力は、液体の押圧力によりピストン部を筒状部先端方向に摺動させることができる程度のものに調整する必要がある。
また、本発明の注入ピンは、前記ピストン部の前記対向面の前記小径部の開口周縁との当接部分に、このピストン部で区画された筒状部内の空間を連通させる貫通孔が形成されているものであってもよい。
このような本発明によれば、ガス注入時にピストン部の対向面は、小径部の開口周縁に当接するため、ピストン部に設けられた貫通孔は開口周縁によってふさがれることとなる。そのため、ガス注入時に、ガスが貫通孔を通り、小径部側に流れてしまうことを防止することができる。このようにガスは、小径部、さらには、小径部に形成された液体供給部側に流れることがないので、液体供給部にガスが混入してしまうことを防止することができる。
さらに、ピストン部には貫通孔が形成されているので、ピストン部を筒状部先端方向に摺動させた際に、ピストン部と大径部との間に隙間が形成されない場合であっても、液体を貫通孔を介して通過させることができる。
本発明の注入ピンは、前記筒状部には、筒状部先端よりも径の大きな膨大部が形成され、軸部の先端部には、前記隙間形成部が設けられ、軸部の後端部には、軸部の摺動に伴って筒状部内を摺動するピストン部が設けられ、前記液体供給部は、前記筒状部の前記ピストン部の後端面が位置する部分よりも先端側に設けられており、液体供給時に、前記液体供給部からの液体により、前記ピストン部が押されて、前記軸部が筒状部後端側に摺動し、前記隙間形成部は、前記膨大部内に位置するものであってもよい。
ここで、液体供給部が筒状部のピストン部の後端面が位置する部分よりも先端側に設けられているとは、例えば、ピストン部よりも筒状部先端側に液体供給部が設けられていることや、ピストン部が先端に向かって縮径するような錐台状のものであるような場合には、このピストン部の錐面が位置する部分に液体供給部が設けられていることをいう。すなわち、液体供給部からの液体により、ピストン部が筒状部後端側に押されるような位置に液体供給部が設けられていればよい。
このような本発明によれば、液体注入時には、液体供給部からの液体により、ピストン部が押されて、軸部が筒状部後端側に摺動し、隙間形成部は筒状部の膨大部内に位置することとなる。この膨大部は隙間形成部の径よりも大きな径を有するものであるため、隙間形成部と膨大部間の隙間から液体を確実に通過させることができる。また、隙間形成部が膨大部内に位置しているため、隙間形成部と筒状部先端との間には大きな隙間が形成されることとなるので、液体を筒状部先端から排出させることができる。
この際、前記筒状部は、シリンダ状の大径部と、この大径部の後端側に設けられて大径部に連通する開口が形成された小径部とを備えており、前記ピストン部は、軸部の摺動に伴って、前記大径部内を摺動し、前記ピストン部の後端面は、前記小径部の開口と対向する対向面であり、この対向面は、その径が前記小径部の径よりも大きく、前記小径部の開口周縁に当接して、前記開口を閉塞可能とされ、前記筒状部の小径部に前記ガス供給部が設けられていることが好ましい。
このような本発明によれば、ガス注入時には、ピストン部の対向面がガスにより押圧されるため、小径部の開口は閉塞されないので、ガスを確実に小径部から大径部に流入させることができる。
また、液体注入時には、液体の圧力により前記ピストン部を押圧し、小径部の開口の閉塞しているので、液体が小径部内に流れてしまうことを防止することができる。
さらに、このようにガス及び液体の圧力でピストン部を押圧し、ピストン部を摺動させることで、小径部の開口の開閉を行っており、小径部の開口の開閉に特殊な構造が不要であるため、注入ピンの構造を簡略化することができる。
[1.第一実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1から図3に基づいて説明する。
図1には、本発明の注入ピン1が使用されたガス射出成形装置8が示されている。
このガス射出成形装置8は、金型81と、筒状のバレル82とを備えており、溶融樹脂をバレル82内のスクリュー(図示略)で混練するとともに金型81へ射出するものである。
ここで、樹脂としては、ガス射出成形に使用できるものであれば特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
バレル82の先端にはノズル821が設けられている。ノズル821は金型81の充填口に接続され、このノズル821を介して金型81のキャビティ811内に溶融樹脂が送られるようになっている。
金型81には、そのキャビティ面811A(金型のキャビティ811の内面であり、射出成形品を成形する成形面)から先端が露出する注入ピン1が設けられている。この注入ピン1は、キャビティ811内の溶融樹脂にガスを注入してガスチャンネルを形成した後、このガスチャンネルに冷却用の液体を注入し、ガスチャンネル側から射出成形品を冷却するものである。
ここで、ガスとしては、溶融樹脂と不活性であれば特に制限はないが、例えば、窒素等の不活性ガスを用いることが好ましい。
また、冷却用の液体としては、溶融樹脂と不活性であれば特に制限はないが、例えば、水、メチルアルコールやエチルアルコール等の低級アルコール等を用いることができる。なかでも、安全性、コスト、熱容量等を考慮すると、水であることが好ましい。
この注入ピン1は、図2及び図3に示すように、中空の筒状部11と、この筒状部11内を摺動する軸部10とを備えている。
筒状部11は、先端が前述した金型81のキャビティ面811Aから突出した第1小径部12と、この第1小径部12に連通したシリンダ状の大径部13と、大径部13の後端側に設けられ大径部13に連通する開口141Aが形成された第2小径部14とを備えている。これらの第1小径部12、大径部13、第2小径部14は一体的に構成されていてもよく、別体であってもよい。本実施形態では、これらの3部品は別体となっている。
第1小径部12及び第2小径部14は円筒状であり、第1小径部12の径は、第2小径部14の径よりも若干小さくなっている。
第2小径部14の後端側(大径部13に連通する開口141Aと反対側)の開口141Bは栓142により遮蔽されており、この栓142には、第2小径部14と連通した管状の液体供給部143が設けられている。すなわち、液体供給部143は栓142を介して第2小径部14に設けられていることとなり、液体供給部143は、軸部10よりも後端側に位置する。このような液体供給部143には、図示しない液体供給用の配管が接続され、この配管は、液体貯蔵部に接続されている。
また、大径部13は円錐台形状の筒体であり、その径は、第1小径部12側に向かって小さくなっている。大径部13は、第1小径部12の外面から外方に延びる第1延出部132と、第2小径部14の外面から外方に向かって延びる第2延出部133と、第1延出部132及び第2延出部133間を連結するシリンダ部134とを備えている。
この大径部13のシリンダ部134の内面には、外面側に向かって窪んだ凹部131が形成されている。
また、大径部13の凹部131よりも第1小径部12側の部分には、大径部13に連通する管状のガス供給部135が設けられており、このガス供給部135には、図示しないが、ガス貯蔵部に接続されたガス供給用の配管が接続されている。
ガス供給部135は、後述するピストン部16の対向面161よりも第1小径部12側(先端側)に形成されており、ガス供給部135から供給されるガスは、ピストン部16の筒状面163に当たることとなる。
以上のような筒状部11内には、軸部10が収容されている。この軸部10は、筒状部11の大径部13、及び第1小径部12内を摺動可能に設けられており、その先端部は、筒状部11の先端から突出可能となっている。
このような軸部10の先端部には、隙間形成部15が取り付けられている。
隙間形成部15は、円柱形状であり、ガス供給時に、第1小径部12の先端内に位置し、第1小径部12の先端の内面との間にガスを通過可能とし、溶融樹脂を通過不可能とするリング状の隙間を形成する。この隙間の幅は、例えば、5〜100μm程度である。
詳しくは後述するが、液体供給時には、隙間形成部15は第1小径部12の先端から突出し、筒状部11の第1小径部12先端と、隙間形成部15との間には、液体を供給可能な隙間が形成されることとなる。
なお、本実施形態では、軸部10の軸方向の略中央には、何も設けられていないが、図4(A)及び図4(B)に示すように、軸部10の略中央部分に、一対のガイド部17を設けてもよい。このガイド部17は、軸部10を挟んで上下に配置されている。ガイド部17は、軸部10の長手方向に直交する方向から見て略台形形状の板状材であり、互いに略平行に対向配置された一対の辺のうち、長辺171が軸部10に固定され、短辺172が筒状部11の第1小径部12内面に接している。
このようなガイド部17を設けることで、軸部10の位置の偏芯を防止できる。従って、第1小径部12から突出した隙間形成部15を第1小径部12内に確実に戻すことができる。
また、図5に示すように、軸部10の上下のみでなく、左右にもガイド部17を設けてもよい。
さらに、軸部10の後端部には、軸部10の摺動に伴って大径部13内を摺動するピストン部16が設けられている。このピストン部16は、円錐台形状であり、その径は、第1小径部12側に向かって小さくなっている。
このピストン部16は、第2小径部14の開口141Aと対向する対向面161と、この対向面161と略平行に設けられるとともに、対向面161よりも径の小さい円形面162と、この対向面161及び円形面162間を連結する筒状面(錐面)163とを備えている。円形面162に前記軸部10の後端部が取り付けられており、円形面162がピストン部16の先端面、対向面161がピストン部16の後端面を構成する。また、ピストン部16の円形面162に対する筒状面163の傾斜角度は、大径部13の第1延出部132に対するシリンダ部134の傾斜角度よりも大きく、ピストン部16は大径部13よりも扁平な円錐台形状となっている。
また、ピストン部16の対向面161の径は、小径部14の開口141Aの径よりも大きく、大径部13の第2小径部14側の内径よりも小さなものとなっている。この対向面161の径は、凹部131が形成された位置のシリンダ部134の内径と略等しい。従って、ピストン部16を第1小径部12側に移動させた場合、シリンダ部134内面のピストン部16の対向面161の外周縁が係止される部分の一部に凹部131が形成されていることとなり、対向面161の外周縁の一部は、凹部131内に位置することとなる。
このような注入ピン1では、以下のようにガス及び液体を注入する。
金型81のキャビティ811内に溶融樹脂を充填する際には、軸部10の隙間形成部15は、筒状部11の第1小径部12先端内に位置している。この際、ピストン部16の対向面161は、第2小径部14の開口141Aの周縁に当接している。
次に、ガス供給部135から筒状部11内にガスを供給すると、ガスにより、ピストン部16の筒状面163が押圧され、ピストン部16の対向面161は、第2小径部14の開口141Aの周縁(第2延出部133の内面及び第2小径部14の開口141A側の端面)に確実に当接することとなり、ピストン部16の対向面161により開口141Aが閉塞される。
ガス供給部135から供給されたガスは、大径部13及び第1小径部12を通り、隙間形成部15と第1小径部12との間の隙間から金型81のキャビティ811内の溶融樹脂内に供給される。そして、溶融樹脂内にガスチャンネルを形成する。
その後、ガス供給部135からのガスの供給を止め、液体供給部143から液体を供給する。液体供給部143から供給された液体は、第2小径部14を通り、ピストン部16の対向面161を押圧する。すると、図3に示すように、ピストン部16及び軸部10は筒状部11内を先端側に摺動することとなる。
そして、ピストン部16の対向面161の外周縁は、大径部13のシリンダ部134の内面に係止され、ピストン部16及び軸部10の摺動が停止する。この際、対向面161の外周縁の一部は、凹部131内に位置することとなり、ピストン部16による開口141Aの閉塞が解除される。また、ピストン部16及び軸部10が筒状部11内を摺動したことにより、軸部10の先端部に設けられた隙間形成部15は、筒状部11の第1小径部12の先端から突出することとなる。これにより隙間形成部15と第1小径部12の先端との間には、液体が通過可能な隙間が形成されることとなる。
ピストン部16の対向面161を押圧していた液体は、ピストン部16と凹部131間の隙間を流れ、第1小径部12に導入され、さらに、第1小径部12の先端から樹脂に形成されたガスチャンネル内に排出される。そして、ガスチャンネル内に排出された液体により射出成形品は冷却されることとなる。
従って、第1実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1-1)金型81のキャビティ811内への溶融樹脂の充填時には、軸部10の先端部に設けられた隙間形成部15は、筒状部11の第1小径部12先端内に位置しており、第1小径部12と隙間形成部15との間には、溶融樹脂が通過できない隙間が形成されている。そのため、溶融樹脂が筒状部11内に入り込んでしまうことがなく、注入ピン1の筒状部11の溶融樹脂によるつまりを防止することができる。
(1-2)また、隙間形成部15と第1小径部12との間に形成された隙間はガスを通過するものであるため、ガス供給時に隙間形成部15が筒状部11の第1小径部12先端内に位置していてもガスの注入を確実に行うことができる。また、このようにガス供給時に第1小径部12内に、隙間形成部15が位置しているので、ガス供給時においても溶融樹脂の筒状部11内への流入を防止することができる。
(1-3)さらに、液体供給時には、隙間形成部15が筒状部11の第1小径部12先端から押し出され、隙間形成部15と、第1小径部12の先端との間には大きな隙間が形成されることとなるので、液体を筒状部11から確実に樹脂内に注入することができる。これにより、射出成形品をガスチャンネル側から効率よく冷却することができ、射出成形品の冷却時間の短縮を図ることができる。
(1-4)従来のように、液体を注入する注入ピンと、ガスを注入する注入ピンとを別のものとした場合には、液体用の注入ピンをガスチャンネルに圧入させるための特殊な装置や、液体を高圧で注入するための装置が必要であったが、本実施形態では、一つの注入ピン1からガス及び液体の双方を注入させることができるので、上述したような特殊な装置を必要としない。従って、本実施形態の注入ピン1を用いれば、射出成形装置8のコスト低減を図ることができる。
(1-5)また、隙間形成部15は、軸部10の摺動に伴って摺動することにより、第1小径部12との間に所定の隙間を形成するものであり、この軸部10の摺動は、ガスや液体の圧力により行われている。このように、軸部10を摺動させて隙間形成部15と第1小径部12との間に所定の隙間を形成するために複雑な機構等を必要としないため、注入ピン1の構造の複雑化を防止することができる。
(1-6)ガス供給時には、ガス供給部135から供給されたガスにより、ピストン部16の筒状面163が押圧され、ピストン部16の対向面161により第2小径部14の開口141Aが塞がれることとなる。そのため、ガスが第2小径部14、さらには、この第2小径部14に形成された液体供給部143内に入り込んでしまうことがない。従って、液体供給部143にガスが混入してしまうのを防止するための弁等を設ける必要がなく、液体供給部143の構造を簡略化することができる。
(1-7)液体注入時には、ピストン部16の対向面161が液体に押圧され、ピストン部16が第1小径部12側に摺動し、対向面161による第2小径部14の開口141Aの閉塞が解除されるため、液体供給部143からの液体を第2小径部14から大径部13に排出することができる。
(1-8)本実施形態では、ガスの圧力により、ピストン部16を押圧し、摺動させて第2小径部14の開口141Aを閉塞させている。また、液体の圧力により、ピストン部16の対向面161を押圧し、ピストン部16を摺動させて第2小径部14の開口141Aの閉塞を解除させている。このように、ガスの圧力、液体の圧力によりピストン部16を摺動させることで、小径部の開口141Aの開閉を行っており、小径部14の開口141Aの開閉を行うための特別な構造が不要であるため、注入ピン1の構造を簡略化することができる。
(1-9)さらに、ピストン部16を大径部13よりも扁平な円錐台形状としたので、ピストン部16の対向面161の周縁は所定位置で大径部13のシリンダ部134内面に係止されることとなる。従って、ピストン部16を所定位置で固定するための機構が不要となり、注入ピン1の部材点数を削減することができる。
(1-10)また、ピストン部16が係止される部分の一部に凹部131を形成したので、ピストン部16が係止された状態においても、ピストン部16と凹部131との間に流路を確保することができる。
(1-11)射出成形品のガスチャンネルを冷却するための冷却用の液体として水を使用しており、特殊な液体を使用する必要がないので、冷却コストを低減させることができる。
[2.第二実施形態]
次に、図6,7を参照して本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の注入ピン2は、筒状部21と、軸部10と、ピストン部26と、図6,7では図示しない隙間形成部15とを有している。
筒状部21は、前記実施形態と同様の第1小径部12、第2小径部14、大径部23とを備えるものである。
前記実施形態では、大径部13には凹部131が形成されていたが、本実施形態の大径部23には凹部は形成されていない。その他の点は、大径部13と同様である。
また、ピストン部26は、前記実施形態のピストン部16と略同様の構造であるが、本実施形態のピストン部26には、対向面161及び円形面162間を貫通するリング状の貫通孔261が形成されている。この貫通孔261は、対向面161の外周部分、具体的には、対向面161の第2小径部14の開口141Aの周縁(第2延出部133の内面及び第2小径部14の開口141A側の端面)との当接部分に形成されている。リング状の貫通孔261の幅は、対向面161を第2小径部14の開口周縁に当接させた際、第2小径部14の開口周縁により完全に遮蔽される幅である。
なお、この貫通孔261は、対向面161が第2小径部14の開口141Aの周縁に当接していない状態においては、ピストン部26により区画された大径部23内の空間を連通させることとなる。
このような注入ピン2を用いた液体の注入方法について説明する。なお、ガスの注入方法は前記実施形態と略同様であるため、説明を省略する。
液体を注入する際、液体供給部143から液体を供給すると、液体は、第2小径部14を通り、ピストン部26の対向面161を押圧する。図7に示すように、液体の押圧力により、ピストン部26及び軸部10は筒状部11内を先端側に摺動し、ピストン部26の対向面161の外周縁は、大径部13のシリンダ部134の内面に係止され、ピストン部26及び軸部10の摺動が停止する。
ピストン部26及び軸部10が摺動したことにより、ピストン部26の対向面161は、第2小径部14の開口141A周縁に当接しなくなり、開口141Aから大径部23側に液体が供給される。そして、この液体は、ピストン部16の貫通孔261を通り、第1小径部12に導入される。軸部10の先端部に設けられた隙間形成部15は前記実施形態と同様に、第1小径部12先端から突出しているため、第1小径部12の先端から液体が排出され、樹脂に形成されたガスチャンネル内に導入される。このようにして、ガスチャンネル内に導入された液体により射出成形品は冷却されることとなる。
従って、第2実施形態によれば、第1実施形態の(1-1)〜(1-9)、(1-11)と略同様の効果を奏することができるうえ、以下の奏することができる。
(2-1)ガス注入時には、ピストン部26に設けられた貫通孔261は、対向面161が第2小径部14の開口141A周縁に当接することにより、ふさがれるため、ガス注入時に、貫通孔261からガスが第2小径部14側に流れてしまうことを防止することができる。
(2-2)本実施形態では、ピストン部26に液体の流路となる貫通孔261を形成したので、第1実施形態のように大径部に凹部を形成する必要がなく、大径部の製造を容易化することができる。
[3.第三実施形態]
次に、本発明の図8,9を参照して本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態の注入ピン3は、筒状部31と、ピストン部36と、前記実施形態と同様の軸部10と、図8,9では図示しない隙間形成部15とを備えている。
筒状部31は、円筒状の大径部33と、第1小径部12及び第2小径部14を備えている。なお、本実施形態では、第1小径部12と第2小径部14の径は略等しいものとなっており、第1小径部12、大径部33、第2小径部14とは一体的に構成されている。
前記各実施形態では、大径部13,23は、円錐台形状であったが、本実施形態の注入ピン3の筒状部31の大径部33は、円柱状である。
さらに、軸部10の後端部に設けられるピストン部36は、円盤状となっており、第2小径部14の開口141Aと対向する円形状の対向面161と、この対向面161と対向し、第1小径部12側に位置し、対向面161と略同じ径を有する円形状の円形面362と、対向面161及び円形面362間を連結する筒状面363とを備えている。軸部10は、円形面362に接続されている。
このピストン部36の径は、大径部33の径よりも小さく、第2小径部14の開口141Aの径よりも大きくなっている。
そして、このピストン部36の第2小径部14の開口141Aと対向する対向面161には、弾性体、例えば、2本のばねSが接続されている。このばねSは、第2小径部14に設けられた栓142に接続されており、このばねSによりピストン部36は第2小径部14の開口141A側に付勢されることとなる。
なお、本実施形態では、弾性体をばねSとしたが、これに限らず、ゴム等であってもよい。
また、本実施形態ではガス供給部135は、第1小径部12の大径部33近傍に形成されている。
以下に、このような注入ピン3を用いたガス及び液体の注入について説明する。
ガス供給部135から筒状部11内にガスを供給すると、ガスの圧力によりピストン部36の円形面362が押圧され、ピストン部36は第2小径部14側に摺動する。また、ピストン部36は、ばねSの付勢力によっても第2小径部14側に引っ張られ、ピストン部36の対向面161は、第2小径部14の開口141Aに当接し、開口141Aが閉塞される。
そして、ガスは、ガス供給部135から第1小径部12を通り、金型81のキャビティ内の溶融樹脂内に供給される。
次に、ガス供給部135からのガスの供給を止め、液体供給部143から液体を供給する。この液体供給部143から供給された液体は、第2小径部14を通り、ピストン部36の対向面161を押圧する。これにより、図9に示すように、ピストン部36及び軸部10は筒状部31内を先端側に摺動し、ピストン部36の対向面161による第2小径部14の開口141Aの閉塞が解除される。ピストン部36の摺動は、大径部33の幅方向(筒状部31の長手方向に沿った方向)の略中間位置で停止する。ピストン部36の径は大径部33の径よりも小さなものとなっているので、第2小径部14からの液体は、ピストン部36と大径部33との間の隙間を通過し、第1小径部12に流れ、さらに、樹脂に形成されたガスチャンネル内に排出される。
なお、本実施形態では、液体注入の際に、ピストン部36が大径部33の幅方向の中間位置に位置するように、すなわち、ピストン部36が第2小径部14の開口周縁及び第1小径部12の開口周縁に当接しないように、液体の圧力、ばねSの付勢力、さらには、大径部33の幅方向の長さ寸法を調整することが必要である。
このような第3実施形態によれば、第1実施形態の(1-1)〜(1-8)、(1-11)と略同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
(3-1)ピストン部36をばねSにより第2小径部14側に付勢しているため、ガス注入時に、ピストン部36の対向面161を第2小径部14の開口141A周縁に確実に当接させることができる。これによりガスが第2小径部14側に侵入してしまうことを確実に防止できる。
(3-2)大径部33を円筒状としたので、円錐台形状とする場合に比べ、大径部33の製造が容易化される。また、ピストン部36を円盤状としたので、ピストン部を円錐台形状とする場合に比べ、ピストン部36の成形を容易化することができる。
(3-3)筒状部31の第1小径部12、大径部33、第2小径部14とは一体的に構成されているため、別体とする場合に比べ、部材点数の削減を図ることができる。また、筒状部31のこれらの部品が一体的に構成されているので、筒状部31の組み立てを行う必要がなく、注入ピン3の製造にかかる手間を省くことができる。
[4.第四実施形態]
次に、本発明の図10,11を参照して本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態の注入ピン4は、筒状部41と、前記各実施形態と同様の軸部10と、ピストン部16と、隙間形成部15とを備えている。
筒状部41は、第1小径部42、第1実施形態と同様の大径部13、第2小径部14を備えている。
第1小径部42には、その長手方向中間位置に先端部よりも径の大きな膨大部421が形成されている。この膨大部421の径は、軸部10の先端部に設けられる隙間形成部15の径よりも充分に大きなものとなっている。なお、この隙間形成部15が第1小径部42の先端内に位置する際には、前記実施形態と同様、隙間形成部15と第1小径部42との間に、溶融樹脂、液体が通過不可能であり、ガスが通過可能な隙間が形成される。
また、第1実施形態では、大径部13にガス供給部135が形成され、第2小径部14に液体供給部143が形成されていたが、本実施形態では、大径部13に液体供給部143が形成され、第2小径部14にガス供給部135が形成されている。すなわち、液体供給部143は、ピストン部16の後端面である対向面161よりも筒状部41の先端側に設けられている。
このような注入ピン4を用いたガス及び液体の注入について以下に説明する。
金型81のキャビティ811内に溶融樹脂が充填する際には、図10に示すように、軸部10の隙間形成部15は、筒状部41の第1小径部42の先端内に位置している。この際、ピストン部16の対向面161の周縁は、大径部13に係止されており、対向面161の周縁の一部は、凹部131内に位置している。
次に、ガス供給部135から筒状部41内にガスを供給すると、ガスにより、ピストン部16の対向面161が押圧され、ピストン部16は大径部13に確実に係止されることとなる。この状態において、ピストン部16の対向面161は、第2小径部14の開口周縁に当接していないので、ガス供給部135から供給されたガスは、第2小径部14を通り、ピストン部16と大径部13の凹部131との間の隙間を通って、第1小径部42に流れる。第1小径部42に流れたガスは、軸部10の先端部に設けられた隙間形成部15と第1小径部42との間を通過し、金型81のキャビティ811内の溶融樹脂内に注入される。
その後、ガス供給部135からのガスの供給を止め、液体供給部143から液体を供給する。この液体供給部143から供給された液体は、大径部13内のピストン部16の筒状面163を押圧する。すると、図11に示すように、ピストン部16及び軸部10は筒状部41の大径部13内を後端側に摺動することとなる。
そして、ピストン部16の対向面161が第2小径部14の開口141A周縁に当接することにより、ピストン部16及び軸部10の摺動が停止する。
軸部10が筒状部41後端側に摺動したことにより、軸部10の先端部に設けられた隙間形成部15は、第1小径部42の膨大部421内に位置することとなる。
液体供給部143から供給された液体は、大径部13、第1小径部42の膨大部421と隙間形成部15との間の隙間を通り、第1小径部42の先端から樹脂内に形成されたガスチャンネルに注入され、これにより射出成形品は冷却されることとなる。
このような第4実施形態によれば、第1実施形態の(1-1)、(1-2)、(1-4)、(1-5)、(1-9)〜(1-11)と略同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
(4-1)液体注入時には、隙間形成部15が筒状部41の第1小径部42の膨大部421内に位置しており、膨大部421の径は隙間形成部15のよりも充分に大きいため、隙間形成部15と膨大部421との間には隙間が形成される。従って、液体をこの隙間を通して排出することができる。また、このように隙間形成部15は膨大部421内に位置しているので、第1小径部42と隙間形成部15との間に液体を供給可能な隙間が形成されることとなるので、第1小径部42先端に液体を通し、排出することができる。これにより、射出成形品をガスチャンネル側から効率よく冷却することができ、射出成形品の冷却時間の短縮を図ることができる。
(4-2)液体注入時には、液体供給部143から供給された液体の圧力により、ピストン部16の筒状面163が押圧され、ピストン部16の対向面161で第2小径部14の開口141Aが塞がれることとなる。そのため、液体が第2小径部14、さらにはガス供給部135内に入り込んでしまうことがない。従って、ガス供給部135にガスが混入してしまうのを防止するための弁等を設ける必要がなく、ガス供給部135の構造を簡略化することができる。
(4-3)本実施形態では、液体の圧力により、ピストン部16を押圧し、摺動させて第2小径部14の開口141Aを閉塞させている。また、ガスの圧力により、ピストン部16の対向面161を押圧し、ピストン部16を摺動させて第2小径部14の開口141Aの閉塞を解除させている。このように、ガスの圧力、液体の圧力によりピストン部16を摺動させることで、小径部の開口141Aの開閉を行っており、小径部14の開口141Aの開閉を行うための特別な構造が不要であるため、注入ピン1の構造を簡略化することができる。
(4-4)ガス注入時には、ピストン部16の対向面161がガスに押圧され、対向面161は、第2小径部14の開口周縁に当接しないので、ガス供給部135からのガスを第2小径部14から大径部13に排出することができる。そして、大径部13には凹部131が形成されているので、この凹部131とピストン部16との間の隙間からガスを流すことができる。
(4-5)本実施形態の注入ピン4は、液体注入時に、軸部10は筒状部31の後端側に摺動する構造であり、軸部10の先端部は筒状部31の先端から突出することがない。そのため、軸部10の先端部に設けられた隙間形成部15に溶融樹脂が付着しにくく、隙間形成部15に形成されたスリットに樹脂がつまってしまう虞がない。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第1〜3実施形態では、ガス供給時に、液体供給部143が形成された第2小径部14を閉塞するものとしたが、これに限らず、ガス供給時に第2小径部14を閉塞しなくてもよい。例えば、ガス供給部に弁等を形成し、弁の開け閉めを確実に行うことができるような場合には、第2小径部14を閉塞しなくてもよい。
同様に第4実施形態では、液体供給時にガス供給部135が形成された第2小径部14を閉塞するものとしたが、液体供給時に第2小径部14を閉塞しなくてもよい。
さらに、第1〜第3実施形態では、ガス注入を行った後、液体注入を行うものとしたが、ガス注入と、液体注入とを略同時に行ってもよい。ガス注入と、液体注入とを略同時に行うためには、第1実施形態〜第3実施形態では、液体注入時の状態に注入ピン1〜3を保っておく必要があるため、液体によるピストン部16,36の対向面161の押圧力を、ガスによるピストン部16,36の筒状面の押圧力よりも高いものに設定する必要がある。
また、第1,2,4実施形態では、ピストン部16及び大径部13を円錐台形状としたが、第3実施形態のように円盤状、円筒状としてもよく、また、その四角筒状等の他の形状としてもよい。
さらに、第1,4実施形態では、ピストン部16を大径部13よりも扁平な円錐台形状とし、液体供給時に、ピストン部16が大径部13のシリンダ部の内面に係止されるものとしたが、これに限らず、ピストン部16と大径部13とを略相似である円錐台形状としてもよい。この場合、図12に示すように大径部13のシリンダ部の内面にピストン部16を係止させるためのリング状の係止部136を設ける。そして、この係止部136に貫通孔136Aを形成すれば、貫通孔136Aを介して液体を通過させることができる。
また、第2実施形態においても、ピストン部16を大径部13よりも扁平な円錐台形状とし、液体供給時に、ピストン部16が大径部13のシリンダ部の内面に係止されるものとしたが、これに限らず、図13に示すように、大径部53のシリンダ部534に段部534Aを形成し、この段部534Aにピストン部16の筒状面163が係止されるものとしてもよい。
また、第1,2,4実施形態では、ピストン部16を大径部13よりも扁平な円錐台形状としたが、ピストン部を四角柱形状としてもよい。この場合、ピストン部が液体の圧力で押圧されると、ピストン部の第1小径部12,42側の面の四隅の角部が大径部内面に係止されることとなる。ピストン部の第1小径部側の面は、四角形状であり、大径部13の断面(筒状部の長手方向と直交する方向の断面)は、円形形状であるため、ピストン部と大径部13との間には隙間が形成されることとなる。従って、この隙間に液体を通過させて、筒状部先端から排出させることができる。
さらに、第1実施形態において、図14に示すように、軸部10側に向かって径が小さくなるような錐台形状の隙間形成部15’を採用してもよい。このようにすることで、隙間形成部15’が筒状部11の第1小径部12先端から押し出された後、軸部10が偏芯した場合であっても、隙間形成部15’の軸部10側の径は、第1小径部12の径よりも充分に小さいので、隙間形成部15’の軸部10側を第1小径部12に挿入することができる。そして、隙間形成部15’の錐台面が、第1小径部12の先端の周縁に当接しながら、第1小径部12内に挿入されていくことにより、軸部10の偏芯が修正されることとなる。これにより、第1小径部12から突出した隙間形成部15’を、確実に第1小径部12内に戻すことができる。
なお、第2実施形態においても、同様に隙間形成部を錐台形状としてもよい。
さらに、第3実施形態では、ピストン部36の対向面161に、ばねSを接続し、ばねSによりピストン部36を第2小径部14の開口141A側に付勢したが、これに限らず、例えば、図15,16に示すように、ピストン部36の円形面362にばねSを取り付けてもよい。このばねSの一方の端部をピストン部36に固定し、他方の端部を大径部33のピストン部36の円形面362と対向する面に固定する。
図15に示すように、ガス供給部135から筒状部11内にガスが供給されると、ガスの圧力により、ピストン部36の円形面362が押圧され、さらに、ばねSの付勢力が加わり、ピストン部36は第2小径部14側に摺動する。
次に、ガス供給部135からのガスの供給を止め、液体供給部143から液体を供給すると、液体の圧力により、ピストン部36の対向面161が押され、さらに、ばねSが収縮する。
このようにすることで、ガス供給部135からのガスの圧力が弱い場合であっても、ばねSが設けられているので、確実にピストン部36を第2小径部14側に摺動させることができる。
また、第1及び第2実施形態においても、同様にピストン部16の対向面162に、大径部13の第1延出部132に接続されたばねSを取り付けてもよい。
このようにすることで、ピストン部16の対向面161の外周縁と、シリンダ部134の前記対向面161を係止する部分との接触抵抗が大きな場合であっても、ガス供給時にピストン部16を第2小径部14側に確実に摺動させることができる。
また、第4実施形態の筒状部41の大径部13及びピストン部16は第1実施形態と同様のものであったが、第2実施形態の大径部23及びピストン部26を採用してもよい。さらに、第4実施形態の大径部13及びピストン部16を、第3実施形態の大径部33及びピストン部36としてもよい。この場合には、第3実施形態と同様に、ピストン部36に第2小径部14側に付勢された弾性体を設ける。この弾性体の付勢力は、ガス供給部から供給されるガスによりピストン部を筒状部先端側に摺動させることができるような付勢力であればよい。
本発明は、ガス及び液体の双方を確実に注入させることができる注入ピンに利用することができる。
本発明の第1実施形態にかかる射出成形装置を示す模式図である。 前記射出成形装置の金型に設けられる注入ピンのガス注入時の状態を示す模式図である。 前記注入ピンの液体供給時の状態を示す模式図である。 第1実施形態における注入ピンの変形例を示す模式図である。 第1実施形態における注入ピンの他の変形例を示す模式図である。 本発明の第2実施形態の注入ピンのガス注入時の要部を示す模式図である。 本発明の第2実施形態の注入ピンの液体注入時の要部を示す模式図である。 本発明の第3実施形態の注入ピンのガス注入時の要部を示す模式図である。 本発明の第3実施形態の注入ピンの液体注入時の要部を示す模式図である。 本発明の第4実施形態の注入ピンのガス注入時の要部を示す模式図である。 本発明の第4実施形態の注入ピンの液体注入時の要部を示す模式図である。 本発明の注入ピンの変形例を示す模式図である。 本発明の注入ピンの変形例を示す模式図である。 本発明の注入ピンの変形例を示す模式図である。 本発明の注入ピンの変形例におけるガス注入時の要部を示す模式図である。 本発明の注入ピンの変形例における液体注入時の要部を示す模式図である。
符号の説明
1,2,3,4 注入ピン
10 軸部
11,21,31,41 筒状部
13,23,33 大径部
14 第2小径部(小径部)
15 隙間形成部
16,26,36 ピストン部
81 金型
136 ガス供給部
141 開口
143 液体供給部
161 対向面
261 貫通孔
421 膨大部

Claims (8)

  1. 金型のキャビティ面に設けられ、前記金型のキャビティ内に充填された溶融樹脂内にガスを注入する注入ピンであって、
    その先端部が金型のキャビティ面から露出する筒状部と、
    この筒状部と連通し、ガスを筒状部内部に注入するガス供給部と、
    前記筒状部と連通し、金型のキャビティ内の樹脂を冷却する液体を筒状部内部に注入する液体供給部と、
    前記筒状部内部に配置され、前記ガス供給部からのガス供給及び/又は前記液体供給部からの液体供給により、前記筒状部内で摺動する軸部とを備え、
    前記軸部には、この軸部の摺動に伴って摺動するとともに、ガス供給時に、前記筒状部先端内に位置し、この筒状部先端との間に前記溶融樹脂を通過させず、前記ガス供給部からのガスを通過させる隙間を形成し、液体供給時に、筒状部先端との間に前記液体供給部から供給される液体を供給させる隙間を形成する隙間形成部が設けられていることを特徴とする注入ピン。
  2. 請求項1に記載の注入ピンにおいて、
    前記筒状部の前記軸部よりも後端側の部分に前記液体供給部が設けられており、
    液体供給時に前記液体供給部からの液体により前記軸部が押され、前記隙間形成部が前記筒状部先端から突出することを特徴とする注入ピン。
  3. 請求項2に記載の注入ピンにおいて、
    前記筒状部は、シリンダ状の大径部と、この大径部の後端側に設けられて大径部に連通する開口が形成された小径部とを備えており、
    軸部の先端部には、前記隙間形成部が設けられ、軸部の後端部には、軸部の摺動に伴って、前記大径部内を摺動するピストン部が設けられ、
    このピストン部の前記小径部の開口との対向面は、その径が前記小径部の開口の径よりも大きく、前記小径部の開口周縁に当接して、前記開口を閉塞可能とされており、
    前記筒状部の小径部に前記液体供給部が設けられ、前記筒状部の前記ピストン部の対向面が位置する部分よりも先端側の部分に前記ガス供給部が設けられていることを特徴とする注入ピン。
  4. 請求項3に記載の注入ピンにおいて、
    前記筒状部の大径部は、後端側から先端側に向かって縮径する錐台形状であり、前記ピストン部は後端側から先端側に向かって縮径し、前記大径部よりも扁平な錐台形状であり、
    前記ピストン部の対向面の周縁は、前記大径部の内周面に係止されるとともに、前記大径部の内周面の前記対向面の周縁を係止する部分の一部には凹部が形成されていることを特徴とする注入ピン。
  5. 請求項3に記載の注入ピンにおいて、
    前記大径部の径は、前記ピストン部の径よりも大きく、
    前記ピストン部には、このピストン部を小径部の開口側に付勢する弾性体が設けられていることを特徴とする注入ピン。
  6. 請求項3に記載の注入ピンにおいて
    前記ピストン部の前記対向面の前記小径部の開口周縁との当接部分には、このピストン部で区画された筒状部内の空間を連通させる貫通孔が形成されていることを特徴とする注入ピン。
  7. 請求項1に記載の注入ピンにおいて、
    前記筒状部には、筒状部先端よりも径の大きな膨大部が形成され、
    軸部の先端部には、前記隙間形成部が設けられ、軸部の後端部には、軸部の摺動に伴って筒状部内を摺動するピストン部が設けられ、
    前記液体供給部は、前記筒状部の前記ピストン部の後端面が位置する部分よりも先端側に設けられており、
    液体供給時に、前記液体供給部からの液体により、前記ピストン部が押されて、前記軸部が筒状部後端側に摺動し、前記隙間形成部は、前記膨大部内に位置することを特徴とする注入ピン。
  8. 請求項7に記載の注入ピンにおいて、
    前記筒状部は、シリンダ状の大径部と、この大径部の後端側に設けられて大径部に連通する開口が形成された小径部とを備えており、
    前記ピストン部は、軸部の摺動に伴って、前記大径部内を摺動し、
    前記ピストン部の後端面は、前記小径部の開口と対向する対向面であり、この対向面は、その径が前記小径部の径よりも大きく、前記小径部の開口周縁に当接して、前記開口を閉塞可能とされ、
    前記筒状部の小径部に前記ガス供給部が設けられていることを特徴とする注入ピン。
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