JP2001310355A - ガス注入ノズル、金型組立体及び成形品の成形方法 - Google Patents

ガス注入ノズル、金型組立体及び成形品の成形方法

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JP2001310355A
JP2001310355A JP2000129718A JP2000129718A JP2001310355A JP 2001310355 A JP2001310355 A JP 2001310355A JP 2000129718 A JP2000129718 A JP 2000129718A JP 2000129718 A JP2000129718 A JP 2000129718A JP 2001310355 A JP2001310355 A JP 2001310355A
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Japan
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injection nozzle
tip
gas injection
thermoplastic resin
cavity
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JP2000129718A
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Yoshihiro Kayano
義弘 茅野
Hiroyuki Imaizumi
洋行 今泉
Kazuaki Ochiai
和明 落合
Tetsuya Hozumi
哲也 穂住
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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PLASTRON KK
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1734Nozzles therefor

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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融熱可塑性樹脂内部への加圧ガスの円滑な注
入を可能とする、簡素な構造を有するガス注入ノズルを
提供する。 【解決手段】ガス注入ノズル10は、先端部11に間隙
14を有し、後端部15が加圧ガス源に接続され、キャ
ビティ内への溶融熱可塑性樹脂導入工程においては、先
端部11に加わる溶融熱可塑性樹脂の圧力によって該間
隙14が狭くなり、以て、溶融熱可塑性樹脂の該先端部
11内への流入が防止され、加圧ガス注入工程において
は、加圧ガスの圧力によって該間隙14が拡がり、以
て、該間隙14から加圧ガスがキャビティ内に導入され
た溶融熱可塑性樹脂の内部に注入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空部を有する成
形品を成形するためのガス注入ノズル、かかるガス注入
ノズルを備えた金型組立体、及び、かかる金型組立体を
使用した成形品の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融熱可塑性樹脂を用いて射出成形法に
より成形品を成形する際、ひけや反りのない外観の美麗
な成形品を得るために、キャビティ内に射出された溶融
熱可塑性樹脂内に加圧ガスを注入して、キャビティ内の
溶融熱可塑性樹脂の内部に中空部を形成し、型開きの前
に中空部内のガスを大気中に解放する、熱可塑性樹脂製
成形品の製造装置が、例えば、特開昭64−14012
号公報から公知である。キャビティ内に導入された溶融
熱可塑性樹脂内に注入された加圧ガスによって、溶融熱
可塑性樹脂が金型のキャビティ面に押し付けられる結
果、得られる成形品にひけや反りが発生することを防止
し得る。
【0003】この特許公開公報には、加圧ガスを注入す
る弁機構も開示されている。この弁機構においては、中
心孔が設けられており、加圧ガスが、この中心孔を通し
て、金型のキャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂
の内部に注入される。中心孔の出口端部には逆止弁が配
設されている。逆止弁は、拡径部と、この拡径部内を自
在に移動し得るボールから構成されている。キャビティ
内への溶融熱可塑性樹脂の射出時、キャビティ内に射出
された溶融熱可塑性樹脂の圧力によりボールは拡径部の
上流端に押し付けられ、拡径部を閉鎖し、キャビティ内
に射出された溶融熱可塑性樹脂が中心孔に流入すること
を防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
許公開公報に開示された技術を用いて射出成形品を成形
した場合、次のような問題が発生する。即ち、中空部内
のガスを大気中に解放したとき、樹脂片が飛沫し、弁機
構を構成する逆止弁の周囲に樹脂片が付着する。あるい
は又、中心孔内に残存した樹脂が逆止弁の拡径部内面に
付着する。その結果、溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内
に射出する際、逆止弁が正常な動作を行うことができな
くなり、即ち、ボールが拡径部を完全に閉鎖できなくな
り、溶融熱可塑性樹脂の一部がキャビティから逆止弁を
通り中心孔に流入し、更には加圧ガス配管系へ流入す
る。
【0005】このような溶融熱可塑性樹脂の中心孔ある
いは加圧ガス配管系内への流入が生じた場合、流入した
溶融熱可塑性樹脂を加圧ガスによってキャビティ側へ押
し戻すことにより、中心孔あるいは加圧ガス配管系をク
リーニングする方法もある。しかしながら、中心孔ある
いは加圧ガス配管系内の溶融熱可塑性樹脂を完全に除去
することはできず、中心孔あるいは加圧ガス配管系内に
は冷却・固化した樹脂が堆積する。その結果、このよう
な堆積した樹脂によって中心孔や加圧ガス配管系が閉塞
されてしまい、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性
樹脂の内部に加圧ガスを導入できなくなるといった問題
点がある。
【0006】また、このような構成のガス注入ノズルに
おいては、ボールが存在するので、加圧ガスの流路がガ
ス注入ノズルの軸線に対して対称とはならない。そのた
め、ガス注入ノズルから加圧ガスが注入されたとして
も、ボールの周囲の溶融熱可塑性樹脂を全て除去するこ
とが困難である。従って、樹脂屑が噛み込みやすい構造
であると云える。
【0007】また、このようなガス注入ノズルは、構成
部品点数が多く、可動部品が存在し、ガス注入ノズルの
製造コストも高いといった問題もある。
【0008】中空部を有する射出成形品を製造するため
の射出成形装置において、加圧ガス注入ノズルとして直
径0.13〜10mmのオリフィスを使用することが、
例えば特開平1−157823号公報に開示されてい
る。しかしながら、この特許公開公報に開示された技術
を用いて成形品を射出成形した場合、樹脂の種類、樹脂
の粘度、射出圧力等の諸条件によって、オリフィスが閉
塞する場合がある。
【0009】従って、本発明の目的は、上述した従来の
技術における問題点を解決し、簡素な構造を有し、しか
も、溶融熱可塑性樹脂内部への加圧ガスの円滑な注入を
可能とするガス注入ノズル、かかるガス注入ノズルを備
えた金型組立体、及び、かかる金型組立体を使用した成
形品の成形方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のガス注入ノズルは、キャビティ、及び、溶
融熱可塑性樹脂をキャビティ内に導入するための溶融樹
脂導入部が設けられた金型を使用して熱可塑性樹脂を成
形するに際して、溶融樹脂導入部を介してキャビティ内
に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを注入
し、中空部を有する成形品を成形するためのガス注入ノ
ズルであって、先端部に間隙を有し、後端部が加圧ガス
源に接続され、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂導入
工程においては、先端部に加わる溶融熱可塑性樹脂の圧
力によって該間隙が狭くなり、以て、溶融熱可塑性樹脂
の該先端部内への流入が防止され、加圧ガス注入工程に
おいては、加圧ガスの圧力によって該間隙が拡がり、以
て、該間隙から加圧ガスがキャビティ内に導入された溶
融熱可塑性樹脂の内部に注入されることを特徴とする。
【0011】上記の目的を達成するための本発明の金型
組立体は、(A)キャビティ、及び溶融熱可塑性樹脂を
キャビティ内に導入するための溶融樹脂導入部が設けら
れた金型、並びに、(B)キャビティ内に導入された溶
融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを注入し、中空部を有
する成形品を成形するためのガス注入ノズル、を備え、
該ガス注入ノズルは、その先端部に間隙を有し、その後
端部は加圧ガス源に接続されており、溶融樹脂導入部を
介してのキャビティ内への溶融熱可塑性樹脂導入工程に
おいては、先端部に加わる溶融熱可塑性樹脂の圧力によ
って該間隙が狭くなり、以て、溶融熱可塑性樹脂の該先
端部内への流入が防止され、加圧ガス注入工程において
は、加圧ガスの圧力によって該間隙が拡がり、以て、該
間隙から加圧ガスがキャビティ内に導入された溶融熱可
塑性樹脂の内部に注入されることを特徴とする。
【0012】上記の目的を達成するための本発明の成形
品の成形方法は、(A)キャビティ、及び、溶融熱可塑
性樹脂をキャビティ内に導入するための溶融樹脂導入部
が設けられた金型、並びに、(B)先端部に間隙を有
し、後端部が加圧ガス源に接続されており、キャビティ
内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを注
入し、中空部を有する成形品を成形するためのガス注入
ノズル、を備えた金型組立体を用いた成形品の成形方法
であって、(a)溶融樹脂導入部を介して、キャビティ
内に溶融熱可塑性樹脂を導入する工程と、(b)キャビ
ティ内への溶融熱可塑性樹脂の導入中、導入完了と同
時、若しくは導入完了後、ガス注入ノズルを介して、キ
ャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧
ガスを注入し、中空部を有する成形品を成形する工程、
から成り、工程(a)においては、ガス注入ノズルの先
端部に加わる溶融熱可塑性樹脂の圧力によって、ガス注
入ノズルの先端部に設けられた間隙が狭くなり、以て、
溶融熱可塑性樹脂の先端部内への流入が防止され、工程
(b)においては、加圧ガスの圧力によってガス注入ノ
ズルの先端部に設けられた間隙が拡がり、以て、該間隙
から加圧ガスがキャビティ内に導入された溶融熱可塑性
樹脂の内部に注入されることを特徴とする。
【0013】本発明の金型組立体あるいは成形品の成形
方法における金型へのガス注入ノズルの取り付けとし
て、 (1)ガス注入ノズルの先端部が溶融樹脂導入部内に配
置されるようにガス注入ノズルを取り付ける構成 (2)ガス注入ノズルの先端部が、キャビティ内、ある
いは金型のキャビティ面近傍に配置されるようにガス注
入ノズルを取り付ける構成 (3)金型は射出シリンダーを備えた射出成形機に取り
付けられており、射出シリンダーと溶融樹脂導入部とは
連通しており、ガス注入ノズルが射出シリンダーの先端
部に配置されるようにガス注入ノズルを取り付ける構成
を挙げることができる。
【0014】本発明のガス注入ノズル、金型組立体ある
いは成形品の成形方法(以下、これらを総称して、単に
本発明と呼ぶ場合がある)においては、前記間隙の大き
さ(間隔あるいはギャップ)は、使用する熱可塑性樹脂
の溶融時の特性によって決定すればよいが、ガス注入ノ
ズルに大気圧のみが加わっている状態において、即ち、
不使用の状態で単に大気中に放置された状態において、
0.2mm以下、好ましくは0.1mm以下、一層好ま
しくは0.02mm以下であることが望ましい。間隙の
下限値は、間隙を形成する方法等に依存するが、0.0
1mm程度である。
【0015】本発明において、ガス注入ノズルは、先端
部の軸線と略平行に、先端部の外周を取り囲むように設
けられた突起部を更に有する構成とすることができる。
このような突起部を設けることによって、溶融樹脂導入
部を介してキャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂
の内部に加圧ガスを注入したとき、ガス注入ノズルの先
端部近傍の溶融熱可塑性樹脂が加圧ガスによって吹き飛
ぶことを効果的に防止することができる。尚、突起部
は、ガス注入ノズルの先端部の外周の全てを取り囲むよ
うに設けられていてもよいし、ガス注入ノズルの先端部
の外周の一部分を取り囲むように設けられていてもよ
い。また、先端部の軸線に沿った突起部の先端部のレベ
ルは、ガス注入ノズルの先端部の先端のレベルと一致し
ていてもよいし、異なっていてもよい。突起部を、ガス
注入ノズルの先端部に設けてもよいし、ガス注入ノズル
のその他の部分に設けてもよい。突起部は、ガス注入ノ
ズルと一体に設けてもよいし、ガス注入ノズルに溶接等
によって取り付けてもよい。
【0016】本発明において、ガス注入ノズルの先端部
は、先端が閉じた中空パイプ状であり、先端部に設けら
れた間隙は、先端部の軸線から延びる仮想平面と先端部
が交差する線に沿って、先端から一定の距離まで設けら
れたスリットであり、該仮想平面は、先端部の軸線を回
転軸としたとき、n回回転対称(nは2以上の任意の数
とすることができるが、2、3、4、6又は8であるこ
とが望ましい)であることが好ましいが、このような構
成に限定するものではない。ガス注入ノズルの先端部に
加わる溶融熱可塑性樹脂の圧力によって先端部は全体と
して締め付けられ、スリットが狭められる結果、溶融熱
可塑性樹脂の先端部内への流入が防止される。また、加
圧ガスの圧力によってスリットが拡がる結果、間隙から
加圧ガスがキャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂
の内部に注入される。
【0017】あるいは又、ガス注入ノズルの先端部は、
中空パイプと、この中空パイプの先端に取り付けられた
フラップ部とから構成することもできる。中空パイプの
先端はシート部となっており、フラップ部と中空パイプ
の先端のシート部との間に間隙が設けられている。ガス
注入ノズルの先端部に加わる溶融熱可塑性樹脂の圧力に
よってフラップ部はシート部に押し付けられ、ガス注入
ノズルの先端部に設けられた間隙が狭くなる結果、溶融
熱可塑性樹脂の先端部内への流入が防止される。また、
加圧ガスの圧力によってフラップ部はシート部から離
れ、ガス注入ノズルの先端部に設けられた間隙が拡がる
結果、間隙から加圧ガスがキャビティ内に導入された溶
融熱可塑性樹脂の内部に注入される。
【0018】ガス注入ノズルを、ガス注入ノズルに大気
圧のみが加わっている状態におけるガス注入ノズルの軸
線に沿った、溶融熱可塑性樹脂と接するガス注入ノズル
の部分における最大断面積をSC、加圧ガス注入工程に
おいて、加圧ガスの圧力によって間隙が拡がったとき
の、ガス注入ノズルの軸線に沿った、溶融熱可塑性樹脂
と接するガス注入ノズルの部分における最大断面積をS
Oとしたとき、SO≧SCを満足するような構成とするこ
ともできる。
【0019】本発明におけるガス注入ノズルの先端部を
構成する材料として、ガス注入ノズルの先端部に加わる
溶融熱可塑性樹脂や加圧ガスの圧力によって先端部が容
易に座屈変形せず、想定最大使用回数にて疲労破壊しな
いような材料であればよく、例えば、炭素鋼、ニッケル
鋼、クロム鋼、タングステン鋼、モリブデン鋼、ケイ素
鋼、クロム・バナジウム鋼、工具鋼、バネ鋼、ステンレ
ス鋼、アルミニウム合金、チタン合金といった各種の金
属や合金、ポリイミド樹脂やPPS樹脂等の有機材料、
ジルコニアセラミックス等の無機材料を挙げることがで
きる。ガス注入ノズルの構造の簡素化の観点からは、先
端部を含むガス注入ノズル全体を一体として作製するこ
とが好ましいが、先端部とその他の部分を別々に作製し
た後、先端部をその他の部分に取り付けてもよい。その
他の部分にはスリーブを被せてもよい。先端部に間隙を
形成する方法として、切削加工法、放電加工法、研削加
工法、レーザ加工法、ウオータージェット加工法を挙げ
ることができる。
【0020】本発明の成形品の成形方法において、キャ
ビティ内の溶融熱可塑性樹脂への加圧ガスの導入開始時
期は、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への導入開始か
ら0.1秒乃至25秒とすることが好ましいが、これに
限定するものではない。加圧ガスの注入開始時期の下限
は、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内へ導入しながら、
キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中へ加圧ガスを注入す
る場合に、注入された加圧ガスがキャビティ内の溶融熱
可塑性樹脂を吹き飛ばすことがなくなるような時期とす
ればよい。一方、加圧ガスの注入開始時期が25秒を越
えると、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の固化によっ
て所望の中空部が形成できなくなる場合がある。キャビ
ティ内の溶融熱可塑性樹脂への加圧ガスの注入開始の時
期は、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の導入中、導
入完了と同時、導入完了後のいずれであってもよい。キ
ャビティ内に導入される溶融熱可塑性樹脂の量は、キャ
ビティ内を溶融熱可塑性樹脂で完全に満たす量であって
もよいし、完全には満たさない量であってもよい。
【0021】加圧ガスは、常温及び常圧で気体の物質で
あり、使用する熱可塑性樹脂と反応や混合しないものが
望ましい。具体的には、窒素ガス、空気、炭酸ガス、ヘ
リウム等が挙げられるが、安全性及び経済性を考慮する
と、窒素ガスやヘリウムガスが好ましい。
【0022】本発明における熱可塑性樹脂は、如何なる
熱可塑性樹脂であってもよく、ポリカーボネート樹脂;
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン
系樹脂;ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、A
ES樹脂等のスチレン系樹脂;PMMA樹脂等のメタク
リル系樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール)樹
脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD
等のポリアミド系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル
(PPE)樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポ
リエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル系樹
脂;液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、又は、これらの熱
可塑性樹脂の少なくとも2種類以上の樹脂から成るポリ
マーアロイを挙げることができる。これらの熱可塑性樹
脂には、剛性に代表される機械的特性、寸法安定性等を
成形品に付与するために、例えば、ガラス繊維、ガラス
フレーク、カーボン繊維、ウォラストナイト、ホウ酸ア
ルミニウムウィスカー繊維、チタン酸カリウムウィスカ
ー繊維、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー繊維、珪酸
カルシウムウィスカー繊維及び硫酸カルシウムウィスカ
ー繊維から成る群から選択された少なくとも1種の材料
から構成された無機繊維が含有されていてもよい。ま
た、例えば安定剤、離型剤、紫外線吸収剤の有効発現量
を熱可塑性樹脂に配合してもよい。
【0023】溶融樹脂導入部の形式は任意の形式とする
ことができる。
【0024】本発明においては、ガス注入ノズルの先端
部に間隙(隙間あるいはギャップ)が設けられており、
キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂導入工程において
は、加圧ガスの圧力(より具体的には、先端部内部の圧
力)をPG1、先端部に加わる溶融熱可塑性樹脂の圧力を
R1としたとき、PG1<PR1の関係を満足していれば、
間隙が狭くなる。その結果、溶融熱可塑性樹脂の先端部
内への流入が防止される。また、加圧ガス注入工程にお
いては、加圧ガスの圧力(より具体的には、先端部内部
の圧力)をPG2、先端部に加わる溶融熱可塑性樹脂の圧
力をPR2としたとき、PG2>PR2の関係を満足していれ
ば、間隙が拡がる。その結果、間隙から加圧ガスがキャ
ビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に注入さ
れる。
【0025】即ち、本発明においては、ガス注入ノズル
の先端部を構成する材料、先端部の肉厚、間隙の大き
さ、間隙の長さ、先端部の断面形状等を適宜決定し、ま
た、上記の圧力PG1,PG2,PR1,PR2を設定、制御す
ることによって、溶融熱可塑性樹脂の圧力PR1と加圧ガ
スの圧力PP1との圧力差(PR1−PP1)による間隙減少
の割合、溶融熱可塑性樹脂の圧力PR2と加圧ガスの圧力
Pとの圧力差(PP2−PR2)による間隙拡大の割合を
制御することが可能である。あるいは又、フラップ部の
材質、肉厚、高さ等を適切に決定することによっても、
加圧ガス注入時のフラップ部の開度を調整することが可
能である。そして、ガス注入ノズル内部の圧力PG1,P
G2とガス注入ノズルの先端部近傍の外部の圧力PR1,P
R2との差に応じて、ガス注入ノズルの先端部に設けられ
た間隙の開閉が自動的に行われる。従って、従来のガス
注入ノズルのように可動部品が不要となり、部品点数を
削減することができ、しかも、間隙に熱可塑性樹脂が噛
み込むこともないし、ガス注入ノズルの内部に溶融熱可
塑性樹脂が流入することもなく、成形品の成形を安定し
て行うことができる。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して、好ましい実施例に基
づき本発明を説明する。
【0027】実施例のガス注入ノズルの模式的な断面図
を図1に示し、ガス注入ノズルを正面から眺めた模式図
を図2の(A)に示し、図1の(A)の線B−Bに沿っ
た模式的な切断図を図2の(B)に示す。尚、図1の
(A)は、図2の(A)の線A−Aに沿った模式的な断
面図である。
【0028】実施例のガス注入ノズル10は、先端部1
1と、その他の部分16とが一体となって作製されてい
る。そして、先端部11にはスリット(間隙)14が設
けられている。具体的には、ガス注入ノズル10の先端
部11は、先端13が閉じた中空パイプ状である。そし
て、先端部11に設けられたスリット14は、先端部1
1の軸線Lから延びる仮想平面と先端部11が交差する
線に沿って、先端13から一定の距離まで設けられたス
リットである。尚、実施例においては、仮想平面は、先
端部11の軸線Lを回転軸としたとき、4回回転対称で
あり、かかる仮想平面をPL1,PL2,PL3,PL4
表す。図1に矢印Xの位置で先端部11の部分を切断し
たときの先端部の外径を2.15mm、内径を1.0m
m、矢印Yの位置で先端部11の部分を切断したときの
先端部の外径を1.9mm、内径を1.0mm、ガス注
入ノズル10に大気圧のみが加わっている状態における
間隙(スリット14の幅)を0.01mm、先端部11
の軸線Lに沿った間隙(スリット14)の長さを6.0
mm、中心孔17の内径を1.0mmとした。ここで、
ガス注入ノズル10は、バネ鋼から作製されており、ス
リット14は、放電加工法にて形成されている。ガス注
入ノズル10の後端部15は配管26を介して加圧ガス
源26に接続され得る。
【0029】図3に実施例の金型組立体の概念図を示
す。金型組立体は、金型20、及び、図1及び図2に示
したガス注入ノズル10から構成されている。金型20
は、固定金型部21、可動金型部22から成り、キャビ
ティ23、及び、溶融熱可塑性樹脂をキャビティ23内
に導入するための溶融樹脂導入部24(具体的には、ゲ
ート部)が設けられている。ガス注入ノズル10は、キ
ャビティ23内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に
加圧ガスを注入し、中空部を有する成形品を成形するた
めのガス注入ノズルであり、その先端部11に間隙(ス
リット14)を有し、その後端部15は配管27を介し
て加圧ガス源26に接続されている。尚、参照番号25
は、熱可塑性樹脂を溶融、可塑化及び計量する射出シリ
ンダーである。
【0030】図3に示した金型組立体において、ガス注
入ノズル10の先端部11は、溶融熱可塑性樹脂のキャ
ビティ23内への導入時、キャビティ23内に配され
る。ガス注入ノズル10は、図示しない移動機構(例え
ば、油圧シリンダー)によって、図3の左右方向に移動
可能である。
【0031】図1〜図3に示したガス注入ノズル、金型
組立体を用いて成形品の成形を行った。熱可塑性樹脂と
して、ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニリングプラ
スチックス株式会社製、商品名:ユーピロンS300
0)を使用した。射出成形機に備えられた射出シリンダ
ー25内で樹脂温度280゜Cにて溶融、可塑化した。
そして、固定金型部21と可動金型部22を型締した
後、図示しない油圧シリンダーにてガス注入ノズル10
を前進させ、ガス注入ノズル10を可動金型部に設けた
ガス注入口に密着させた(図4の(A)の概念図を参
照)。そして、射出圧力を1.1×108Pa(113
0kgf/cm2−G)として、射出シリンダー25か
ら溶融樹脂導入部(ゲート部)24を介してキャビティ
23内に溶融熱可塑性樹脂30を導入した(図4の
(B)の概念図を参照)。
【0032】尚、キャビティ23内に導入した溶融熱可
塑性樹脂30の量はキャビティ23を完全に満たす量と
した。溶融熱可塑性樹脂30のキャビティ23内への導
入時、加圧ガスの圧力(より具体的には、ガス注入ノズ
ル10の先端部11内部の圧力)PG1を大気圧とした。
尚、ガス注入ノズル10の先端部11に加わる溶融熱可
塑性樹脂の圧力PR1は、概ね2×107Pa(約200
kgf/cm2)であった。
【0033】射出開始から3.0秒後に射出動作を停止
し、同時に、キャビティ23内の溶融熱可塑性樹脂30
の内部に、ガス注入ノズル10から7.8×106(8
0kgf/cm2−G)の圧縮窒素ガスを注入し、キャ
ビティ23内の溶融熱可塑性樹脂30の内部に中空部3
1を形成した(図5の概念図を参照)。加圧ガスの圧力
(より具体的には、ガス注入ノズル10の先端部11内
部の圧力)PG2は1.8×107Pa(約180kgf
/cm2)であり、ガス注入ノズル10の先端部11に
加わる溶融熱可塑性樹脂の圧力PR2(残圧)は概ね2×
106Pa(約20kgf/cm2)であった。
【0034】射出開始から60秒経過まで、キャビティ
23内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させた後、図示しな
い油圧シリンダーを作動させてガス注入ノズル10を後
退させ、成形品内部に形成された中空部31から圧縮窒
素ガスを大気中に解放した。その後、型開きを行い、金
型から成形品を取り出した。得られた成形品には、厚肉
部に所望の中空部が形成されており、ガス注入ノズル1
0の先端部11には熱可塑性樹脂の流入も認められず、
ガス注入ノズル10はその機能を完全に果たしていた。
また、油圧シリンダーを作動させてガス注入ノズル10
を後退させたときにも、ガス注入ノズル10の先端部1
1に樹脂片等が混入することもなかった。
【0035】図3に示した金型組立体においては、ガス
注入ノズル10の先端部11がキャビティ23内に配置
されるようにガス注入ノズル10を金型20に取り付け
る構成としたが、ガス注入ノズル10の金型20への取
り付けは、これに限定するものではない。図6に金型組
立体の模式図を示すように、ガス注入ノズル10の先端
部が金型のキャビティ面23Aの近傍に配置されるよう
にガス注入ノズル10を取り付ける構成とすることもで
きる。あるいは又、図7に金型組立体の模式図を示すよ
うに、ガス注入ノズル10の先端部が、溶融樹脂導入部
24内に配置されるようにガス注入ノズル10を取り付
ける構成とすることもできるし、図8に金型組立体の模
式図を示すように、金型20は射出シリンダー25を備
えた射出成形機に取り付けられており、射出シリンダー
25と溶融樹脂導入部24とは連通しており、ガス注入
ノズル10が射出シリンダー25の先端部に配置される
ようにガス注入ノズル10を取り付ける構成とすること
もできる。
【0036】ガス注入ノズルの構成の変形例を図9〜図
12に示す。図9の(A)、図9の(B)、図10の
(A)及び図10の(B)は、ガス注入ノズルをその先
端から眺めた図である。ガス注入ノズルの先端部11に
設けられたスリット14は、先端部11の軸線Lから延
びる仮想平面と先端部11が交差する線に沿って、先端
13から一定の距離まで設けられたスリットである。そ
して、仮想平面は、先端部11の軸線Lを回転軸とした
とき、図9の(A)に示す例においては2回回転対称で
あり、図9の(B)に示す例においては3回回転対称で
あり、図10の(A)に示す例においては6回回転対称
であり、図10の(B)に示す例においては8回回転対
称である。これらの図において、仮想平面をPL1,P
2,PL3,PL4,PL5,PL6,PL7,PL8で表
す。
【0037】あるいは又、図11の(A)に模式的な断
面図を示し、先端部111を正面から眺めた模式図を図
11の(B)に示すガス注入ノズル110においては、
先端部111は、中空パイプ112と、この中空パイプ
112の先端に取り付けられたフラップ部40とから構
成することができる。より具体的には、フラップ部40
の縁部の一部分は、中空パイプ112の先端の一部分に
溶接されている。ここで、中空パイプ112の先端のそ
の他の部分はシート部41となっており、フラップ部4
0と中空パイプ112の先端のシート部41との間に間
隙114が設けられている。シート部41は、先端部1
11の軸線Lに対して斜め45度の角度を成し、フラッ
プ部40のシート部41と接触する部分も先端部111
の軸線Lに対して斜め45度の角度を成している。ガス
注入ノズル110の先端部111に加わる溶融熱可塑性
樹脂の圧力によって、フラップ部40は先端部111の
軸線Lの方向であってシート部41に向かう方向に押さ
れ、フラップ部40はシート部41に押し付けられ、ガ
ス注入ノズル110の先端部111に設けられた間隙1
14が狭くなる結果、溶融熱可塑性樹脂の先端部111
内への流入が防止される。また、加圧ガスの圧力によっ
て、フラップ部40は先端部111の軸線Lの方向であ
ってシート部41から離れる方向に押され、フラップ部
40はシート部41から離れ、ガス注入ノズル110の
先端部111に設けられた間隙114が拡がる結果、間
隙114から加圧ガスがキャビティ内に導入された溶融
熱可塑性樹脂の内部に注入される。
【0038】あるいは又、図12の(A)に模式的な断
面図を示し、先端部211を正面から眺めた模式図を図
12の(B)に示すガス注入ノズル210においては、
先端部211は、中空パイプ212と、この中空パイプ
212の先端に取り付けられたフラップ部42とから構
成することができる。より具体的には、フラップ部42
の外縁は、中空パイプ212の先端に溶接されている。
先端部211の内部には、先端部211の軸線Lに沿っ
て受け部材44が設けられており、受け部材44は、先
端部211の内壁に取付部材(図示せず)を介して固定
されている。受け部材44の先端部の縁部はシート部4
5に相当し、フラップ部42とシート部45との間に間
隙214が設けられている。シート部45は、先端部2
11の軸線Lに対して斜め45度の角度を成し、フラッ
プ部42のシート部45と接触する部分も先端部211
の軸線Lに対して斜め45度の角度を成している。フラ
ップ部42には切り欠き43が形成されている。ガス注
入ノズル210の先端部211に加わる溶融熱可塑性樹
脂の圧力によって、フラップ部42は先端部211の軸
線Lの方向であってシート部45に向かう方向に押さ
れ、フラップ部42はシート部45に押し付けられ、ガ
ス注入ノズル210の先端部211に設けられた間隙2
14が狭くなる結果、溶融熱可塑性樹脂の先端部211
内への流入が防止される。また、加圧ガスの圧力によっ
て、フラップ部42は先端部211の軸線Lの方向であ
ってシート部45から離れる方向に押され、フラップ部
42はシート部45から離れ、ガス注入ノズル210の
先端部211に設けられた間隙214が拡がる結果、間
隙214から加圧ガスがキャビティ内に導入された溶融
熱可塑性樹脂の内部に注入される。
【0039】あるいは又、ガス注入ノズルの先端部近傍
の一部を切り欠いた模式図を図13の(A)に示し、ガ
ス注入ノズルを先端部側から眺めた模式図を図13の
(B)に示すように、ガス注入ノズル10に、先端部1
1の軸線と略平行に、先端部11の外周を取り囲むよう
に突起部50を設ける構成とすることもできる。図13
の(A)、(B)に示した例においては、リング状の突
起部50はガス注入ノズル10のその他の部分16に溶
接されている。このような突起部50を設けることによ
って、溶融樹脂導入部24を介してキャビティ23内に
導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを注入し
たとき、ガス注入ノズル10の先端部11近傍の溶融熱
可塑性樹脂が加圧ガスによって吹き飛ぶことを効果的に
防止することができる。尚、突起部50は、フラップ部
を有するガス注入ノズルあるいは次に説明するガス注入
ノズルに設けることもできる。
【0040】あるいは又、ガス注入ノズルを、ガス注入
ノズルに大気圧のみが加わっている状態におけるガス注
入ノズルの軸線に沿った、溶融熱可塑性樹脂と接するガ
ス注入ノズルの部分における最大断面積をSC、加圧ガ
ス注入工程において、加圧ガスの圧力によって間隙が拡
がったときの、ガス注入ノズルの軸線に沿った、溶融熱
可塑性樹脂と接するガス注入ノズルの部分における最大
断面積をSOとしたとき、SO≧SCを満足するような構
成とすることもできる。具体的には、固定金型部21と
可動金型部22を型締した後、図示しない油圧シリンダ
ーにてガス注入ノズル10を前進させ、ガス注入ノズル
10を可動金型部に設けたガス注入口に密着させた状態
の模式図を図14の(A)に示すように、ガス注入ノズ
ル10の先端部11を、その軸線に沿った断面積が略一
定の形状、例えば、外径が略一定の中空パイプ状とす
る。このような構成とすることによって、成形品内部に
中空部を形成したとき、ガス注入ノズルの先端部と成形
品の間には隙間ができ、図示しない油圧シリンダーを作
動させてガス注入ノズル10を後退させることが容易と
なり、成形品の損傷発生、ガス注入ノズルの先端部の損
傷発生を効果的に防止することができる。尚、キャビテ
ィ23内の溶融熱可塑性樹脂30の内部に中空部31を
形成した後、成形品内部に形成された中空部から加圧ガ
スを大気中に解放する直前の状態の模式図を図14の
(B)に示す。図14の(B)において、加圧ガスの圧
力によってガス注入ノズルの先端部の間隙が拡がり、中
空部から加圧ガスを大気中に解放する直前にはガス注入
ノズルの先端部の間隙が狭まる結果、ガス注入ノズル1
0の先端部11と、キャビティ内のガス注入ノズル10
の先端部近傍の熱可塑性樹脂との間には隙間ができる。
尚、図15の(A)、(B)には、ガス注入ノズル10
の先端部11の外周を取り囲むように突起部50を設け
る構成としたときの、図14の(A)及び(B)に示し
たと同様の図を示す。このような突起部50を設けるこ
とによって、溶融樹脂導入部24を介してキャビティ2
3内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを
注入したとき、ガス注入ノズル10の先端部11近傍の
溶融熱可塑性樹脂が加圧ガスによって吹き飛ぶことを効
果的に防止することができる。
【0041】以上、本発明を、好ましい実施例に基づき
説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。実施例にて説明した使用熱可塑性樹脂、成形条件や
金型、金型組立体の構造、ガス注入ノズルの構造・構成
は例示であり、適宜変更することができる。例えば、ガ
ス注入ノズルの先端部以外のその他の部分には、スリー
ブを被せてもよい。本発明のガス注入ノズルは、広く
は、高粘性流体内に低粘性流体を注入するために用いる
ことができる。あるいは又、本発明のガス注入ノズル
は、ブロー成形法におけるガス注入用の針として使用す
ることもできる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、キャビティ内に導入さ
れた溶融熱可塑性樹脂の圧力と加圧ガスの圧力との圧力
差によってガス注入ノズルの先端部に設けられた間隙の
開閉が自動的に行われるので、可動部品のない、部品点
数の削減された、しかも、間隙に熱可塑性樹脂が噛み込
むことのない、簡素な構造のガス注入ノズルを提供する
ことができる。しかも、ガス注入ノズルの内部に溶融熱
可塑性樹脂が流入することを確実に防止でき、しかも、
円滑にキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に加圧ガスを注
入することができるので、成形品の成形を安定して行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のガス注入ノズルの模式的な断面図であ
る。
【図2】実施例のガス注入ノズルを正面から眺めた模式
図、及び、図1の(A)の線B−Bに沿った模式的な切
断図である。
【図3】実施例の金型組立体の概念図である。
【図4】キャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を導入する
前、及び導入中の金型組立体の概念図である。
【図5】キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内部に加圧ガ
スを導入中の金型組立体の概念図である。
【図6】金型組立体の変形例の概念図である。
【図7】金型組立体の別の変形例の概念図である。
【図8】金型組立体の更に別の変形例の概念図である。
【図9】ガス注入ノズルの変形例を示す模式的な正面図
である。
【図10】ガス注入ノズルの別の変形例を示す模式的な
正面図である。
【図11】ガス注入ノズルの更に別の変形例を示す模式
的な断面図である。
【図12】ガス注入ノズルの更に別の変形例を示す模式
的な断面図である。
【図13】ガス注入ノズルの更に別の変形例を示す模式
的な断面図である。
【図14】ガス注入ノズルの更に別の変形例を使用し、
キャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を導入する前の金型組
立体の概念図、及び、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂
内部に加圧ガスを導入した後の金型組立体の概念図であ
る。
【図15】ガス注入ノズルの更に別の変形例を使用し、
キャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を導入する前の金型組
立体の概念図、及び、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂
内部に加圧ガスを導入した後の金型組立体の概念図であ
る。
【符号の説明】
10,110,210・・・ガス注入ノズル、11,1
11,211・・・先端部、112,212・・・中空
パイプ、13,113,213・・・先端、14,11
4,214・・・スリットあるいは間隙、15・・・後
端部、16・・・その他の部分、17・・・中心孔、2
0・・・金型、21・・・固定金型部、22・・・可動
金型部、23・・・キャビティ、24・・・溶融樹脂導
入部、25・・・射出シリンダー、26・・・加圧ガス
源、27・・・配管、40,42・・・フラップ部、4
1,45・・・シート部、43・・・切り欠き、44・
・・受け部材、50・・・突起部、L・・・先端部の軸
線、PL1,PL2,PL3,PL4,PL5,PL6,PL
7,PL8・・・仮想平面、L・・・先端部の軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茅野 義弘 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 今泉 洋行 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 落合 和明 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 穂住 哲也 福島県安達郡本宮町大字荒井字青田原229 番地1 プラストロン株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AA28 AG07 AJ02 CA11 CB01 CK02 CK06 CK07 CK17

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャビティ、及び、溶融熱可塑性樹脂をキ
    ャビティ内に導入するための溶融樹脂導入部が設けられ
    た金型を使用して熱可塑性樹脂を成形するに際して、溶
    融樹脂導入部を介してキャビティ内に導入された溶融熱
    可塑性樹脂の内部に加圧ガスを注入し、中空部を有する
    成形品を成形するためのガス注入ノズルであって、 先端部に間隙を有し、後端部が加圧ガス源に接続され、 キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂導入工程において
    は、先端部に加わる溶融熱可塑性樹脂の圧力によって該
    間隙が狭くなり、以て、溶融熱可塑性樹脂の該先端部内
    への流入が防止され、 加圧ガス注入工程においては、加圧ガスの圧力によって
    該間隙が拡がり、以て、該間隙から加圧ガスがキャビテ
    ィ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に注入される
    ことを特徴とするガス注入ノズル。
  2. 【請求項2】ガス注入ノズルに大気圧のみが加わってい
    る状態において、前記間隙は0.2mm以下であること
    を特徴とする請求項1に記載のガス注入ノズル。
  3. 【請求項3】先端部の軸線と略平行に、先端部の外周を
    取り囲むように設けられた突起部を更に有することを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス注入ノズ
    ル。
  4. 【請求項4】ガス注入ノズルの先端部は、先端が閉じた
    中空パイプ状であり、 先端部に設けられた間隙は、先端部の軸線から延びる仮
    想平面と先端部が交差する線に沿って、先端から一定の
    距離まで設けられたスリットであり、 該仮想平面は、先端部の軸線を回転軸としたとき、n回
    回転対称(但し、n=2、3、4、6又は8)であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載のガス注入ノズル。
  5. 【請求項5】(A)キャビティ、及び、溶融熱可塑性樹
    脂をキャビティ内に導入するための溶融樹脂導入部が設
    けられた金型、並びに、 (B)キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内
    部に加圧ガスを注入し、中空部を有する成形品を成形す
    るためのガス注入ノズル、 を備えた金型組立体であって、 該ガス注入ノズルは、その先端部に間隙を有し、その後
    端部は加圧ガス源に接続されており、 溶融樹脂導入部を介してのキャビティ内への溶融熱可塑
    性樹脂導入工程においては、先端部に加わる溶融熱可塑
    性樹脂の圧力によって該間隙が狭くなり、以て、溶融熱
    可塑性樹脂の該先端部内への流入が防止され、 加圧ガス注入工程においては、加圧ガスの圧力によって
    該間隙が拡がり、以て、該間隙から加圧ガスがキャビテ
    ィ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の内部に注入される
    ことを特徴とする金型組立体。
  6. 【請求項6】ガス注入ノズルに大気圧のみが加わってい
    る状態において、前記間隙は0.2mm以下であること
    を特徴とする請求項5に記載の金型組立体。
  7. 【請求項7】ガス注入ノズルは、先端部の軸線と略平行
    に、先端部の外周を取り囲むように設けられた突起部を
    更に有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記
    載の金型組立体。
  8. 【請求項8】ガス注入ノズルの先端部は、先端が閉じた
    中空パイプ状であり、 先端部に設けられた間隙は、先端部の軸線から延びる仮
    想平面と先端部が交差する線に沿って、先端から一定の
    距離まで設けられたスリットであり、 該仮想平面は、先端部の軸線を回転軸としたとき、n回
    回転対称(但し、n=2、3、4、6又は8)であるこ
    とを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に
    記載の金型組立体。
  9. 【請求項9】ガス注入ノズルの先端部は、溶融樹脂導入
    部内に配置されていることを特徴とする請求項5乃至請
    求項8のいずれか1項に記載の金型組立体。
  10. 【請求項10】ガス注入ノズルの先端部は、キャビティ
    内、あるいは金型のキャビティ面近傍に配置されている
    ことを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか1項
    に記載の金型組立体。
  11. 【請求項11】金型は射出シリンダーを備えた射出成形
    機に取り付けられており、射出シリンダーと溶融樹脂導
    入部とは連通しており、ガス注入ノズルは射出シリンダ
    ーの先端部に配置されていることを特徴とする請求項5
    乃至請求項8のいずれか1項に記載の金型組立体。
  12. 【請求項12】(A)キャビティ、及び、溶融熱可塑性
    樹脂をキャビティ内に導入するための溶融樹脂導入部が
    設けられた金型、並びに、 (B)先端部に間隙を有し、後端部が加圧ガス源に接続
    されており、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹
    脂の内部に加圧ガスを注入し、中空部を有する成形品を
    成形するためのガス注入ノズル、 を備えた金型組立体を用いた成形品の成形方法であっ
    て、 (a)溶融樹脂導入部を介して、キャビティ内に溶融熱
    可塑性樹脂を導入する工程と、 (b)キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の導入中、導
    入完了と同時、若しくは導入完了後、ガス注入ノズルを
    介して、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の
    内部に加圧ガスを注入し、中空部を有する成形品を成形
    する工程、から成り、 工程(a)においては、ガス注入ノズルの先端部に加わ
    る溶融熱可塑性樹脂の圧力によって、ガス注入ノズルの
    先端部に設けられた間隙が狭くなり、以て、溶融熱可塑
    性樹脂の先端部内への流入が防止され、 工程(b)においては、加圧ガスの圧力によってガス注
    入ノズルの先端部に設けられた間隙が拡がり、以て、該
    間隙から加圧ガスがキャビティ内に導入された溶融熱可
    塑性樹脂の内部に注入されることを特徴とする成形品の
    成形方法。
  13. 【請求項13】ガス注入ノズルに大気圧のみが加わって
    いる状態において、前記間隙は0.2mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項12に記載の成形品の成形方法。
  14. 【請求項14】ガス注入ノズルは、先端部の軸線と略平
    行に、先端部の外周を取り囲むように設けられた突起部
    を更に有することを特徴とする請求項12又は請求項1
    3に記載の成形品の成形方法。
  15. 【請求項15】ガス注入ノズルの先端部は、先端が閉じ
    た中空パイプ状であり、 先端部に設けられた間隙は、先端部の軸線から延びる仮
    想平面と先端部が交差する線に沿って、先端から一定の
    距離まで設けられたスリットであり、 該仮想平面は、先端部の軸線を回転軸としたとき、n回
    回転対称(但し、n=2、3、4、6又は8)であるこ
    とを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれか1
    項に記載の成形品の成形方法。
  16. 【請求項16】ガス注入ノズルの先端部は、溶融樹脂導
    入部内に配置されていることを特徴とする請求項12乃
    至請求項15のいずれか1項に記載の成形品の成形方
    法。
  17. 【請求項17】ガス注入ノズルの先端部は、キャビティ
    内、あるいは金型のキャビティ面近傍に配置されている
    ことを特徴とする請求項12乃至請求項15のいずれか
    1項に記載の成形品の成形方法。
  18. 【請求項18】金型は射出シリンダーを備えた射出成形
    機に取り付けられており、射出シリンダーと溶融樹脂導
    入部とは連通しており、ガス注入ノズルは射出シリンダ
    ーの先端部に配置されていることを特徴とする請求項1
    2乃至請求項15のいずれか1項に記載の成形品の成形
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012091356A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Tonin Yo 樹脂成形充気用ノズル

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