JP4023297B2 - 給湯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼缶体内に、周囲に複数のフィンが設けられた管体からなる熱交換器(フィンチューブ型熱交換器)とこの熱交換器を加熱する燃焼器とを備えた給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィンチューブ型熱交換機を備えた給湯装置において、熱交換器のフィン詰まりを検出し、警告を行う給湯装置が知られている。例えば特開平8―233259号公報には、熱交換器の燃焼排気下流側に温度センサを設け、この温度センサの検出値が所定の基準温度設定値より大きくなると、警報表示を行う給湯装置が示されている。この給湯装置は、熱交換器にフィン詰まりが発生すると、熱交換器にフィン詰まりが発生していないときに比べて排気ガスの温度が高くなる現象に着目し、排気ガスの温度が所定の基準温度設定値よりも大きくなると、熱交換器にフィン詰まりが発生しているとして、異常警告を行なうものである。
【0003】
また、従来、燃焼が不完全燃焼になると、それを検出して燃焼動作を停止させる給湯装置が提案されている。例えば特開平8−312948号公報には、燃焼が停止しファン残しが終了した時点よりファンを最大回転速度で一定時間回転させ、その時点のファンの駆動電流を検出し、その検出値が所定の閾値以下であれば、運転を禁止する給湯装置が提案されている。この給湯装置は、給湯装置の給気から排気の経路に埃などが詰まり、空気不足による燃焼異常(不完全燃焼)が発生している場合はファンの駆動電流が低下することに着目し、ファンの駆動電流が所定の閾値以下に低下すると、運転を禁止して空気不足による不完全燃焼を防止するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−233259号公報
【特許文献2】
特開平8−312948号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、灯油などのオイルをノズルにより霧状に噴霧して燃焼する燃焼器と、周囲に多数のフィンが設けられた水管を燃焼器の熱で加熱して当該水管内を流れる水を温水にするフィンチューブ型熱交換器とを備えた給湯装置においては、たとえば少量出湯や濾過機などで浴槽内の昇温のみに使用するなどの低出力の給湯が行われる場合は、短時間に燃焼器のバーナのオン(点火)・オフ(消火)を繰り返す燃焼動作(以下、オンオフ燃焼という。)が行われる。このオンオフ燃焼では、着火時及び消化時に煤が発生する。従って、短時間にこの着火及び消化を繰り返すと、燃焼缶体内に煤が発生し、この煤が熱交換器のフィンの間にも堆積して当該熱交換器の熱効率を低下させ、延いては熱交換器を寿命に至らしめる。
【0006】
従って、フィン詰まりにより熱交換器の寿命時期が近い場合は、ユーザにその旨を報知し、サービスマンによるメンテナンスを促すことがアフターサービス上好ましいが、従来、そのような給湯装置は提案されておらず、商品化もなされていない。
【0007】
なお、上記特開平8−233259号公報に記載のフィン詰まり検出の技術は、燃焼ガス中の硫黄等の腐食成分を含む水分がフィンに付着し、腐食成分の酸化物がフィンに堆積したり、高温燃焼時に生成される金属酸化物がフィンに堆積したりしてフィン詰まりが発生する場合のもので、短時間のオンオフ燃焼による不完全燃焼を繰り返すことにより発生する煤によりフィン詰まりとなる場合のものではないため、給湯装置のフィンチューブ型熱交換器の寿命時期の推定に上記従来技術を適用しても適切に寿命時期を推定することはできない。
【0008】
特に、燃焼器のオンオフ燃焼により熱交換器のフィンに煤が堆積する場合は、燃焼器の比例燃焼により当該煤が吹き飛ばされ、フィン詰まりの症状が低減されることがあるため、フィン詰まりの状態のみを推定し得る上記特開平8−233259号公報に記載の技術では熱交換器の寿命時期を推定することは困難である。
【0009】
また、上記特開平8−312948号公報に記載の不完全燃焼を検出する技術は、ファンにより燃焼室に供給される空気の給排気経路における目詰まり等に起因する不完全燃焼を検出するもので、不完全燃焼に起因するフィン詰まりに基づく熱交換器の寿命時期を検出するものではない。従って、上記特開平8−312948号公報に記載の技術はフィン詰まりによる熱交換器の寿命時期の推定に適用することはできない。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みて提案されたものであって、不完全燃焼に起因する煤が熱交換器のフィンに堆積し、フィン詰まりにより熱交換器が寿命時期に到る場合、その寿命の時期を好適にユーザに報知することのできる給湯装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、周囲に複数のフィンが設けられた管体からなる熱交換器と、この熱交換器を加熱する燃焼器とを備え、前記熱交換器の管体内に流入される水を温水にして流出する給湯装置において、前記燃焼器が燃焼を開始しその後に所定時間内にその燃焼を停止したときには、その燃焼回数あるいは燃焼時間を積算カウントする積算カウント手段と、前記積算カウント手段の積算燃焼回数が所定値に達するか、もしくは前記積算カウント手段の積算燃焼時間が所定時間に達すると、報知する報知手段とを備えたものである。
【0012】
上記構成によれば、燃焼器が燃焼を開始しその後、所定時間内にその燃焼を停止したときには、その燃焼回数もしくは燃焼時間が積算カウントされ、その積算燃焼時間が所定値に達するか、もしくは積算燃焼時間が所定時間に達すると、報知手段によりその旨が報知される。すなわち、燃焼器の燃焼のうち、燃焼時間の短い燃焼では、不完全燃焼により煤が発生し、その煤が熱交換器のフィンに堆積して熱交換器の能力を低下させるが、そのような燃焼の燃焼回数もしくは燃焼時間を積算し、その積算値が所定の燃焼回数もしくは所定の燃焼時間に達すると、フィン詰まりによる熱交換器の寿命時期と推定してその旨が報知される。
【0013】
請求項2記載の発明は、周囲に複数のフィンが設けられた管体からなる熱交換器と、この熱交換器を加熱する燃焼器とを備え、前記熱交換器の管体に流入される水を温水にして流出する給湯装置において、燃焼量が予め設定された所定燃焼量より小さいとき、前記燃焼器をオンオフ燃焼させ、前記燃焼量が前記所定燃焼量以上であるとき、前記燃焼器を比例燃焼させる燃焼制御手段と、前記燃焼器がオンオフ燃焼する毎に所定の数値をカウントするカウント手段と、前記カウント手段でカウントされた数値が予め設定された所定値に達すると、報知する報知手段とを備えたものである。
【0014】
上記構成によれば、燃焼器がオンオフ燃焼する毎にカウント手段で所定の数値がカウントされ、そのカウント値が予め設定された所定値に達すると、その旨が報知される。すなわち、燃焼器をオンオフ燃焼させると、不完全燃焼により煤が発生し、その煤が熱交換器のフィンに堆積して熱交換器の能力を低下させるが、オンオフ燃焼の回数を積算し、所定の回数に達すると、フィン詰まりによる熱交換器の寿命時期と推定してその旨が報知される。
【0015】
請求項3記載の発明は、周囲に複数のフィンが設けられた管体からなる熱交換器と、この熱交換器を加熱する燃焼器とを備え、前記熱交換器の管体内に流入される水を温水にして流出する給湯装置において、燃焼量が小領域ではオンオフ燃焼させ、小領域を超える燃焼領域では比例燃焼させる燃焼制御手段と、前記燃焼器がオンオフ燃焼する際に、そのオンオフ燃焼時間を計時する計時手段と、前記計時手段で計時された時間が所定値に達すると、報知する報知手段と、を備えたものである。
【0016】
上記構成によれば、燃焼器がオンオフ燃焼する際に、計時手段でそのオンオフ燃焼時間が計時され、その計時値が予め設定された所定値に達すると、その旨が報知される。すなわち、燃焼器をオンオフ燃焼させると、不完全燃焼により煤が発生し、その煤が熱交換器のフィンに堆積して熱交換器の能力を低下させるが、オンオフ燃焼の燃焼時間を計時し、その燃焼時間の積算値が所定の時間に達すると、フィン詰まりによる熱交換器の寿命時期と推定してその旨が報知される。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項2に記載の給湯装置において、前記燃焼器がオンオフ燃焼する毎に当該オンオフ燃焼の燃焼時間を計時する計時手段を更に備え、前記カウント手段は、前記計時手段で計時されるオンオフ燃焼の燃焼時間に応じてカウントする数値を変化させるものである。
【0018】
上記構成によれば、燃焼器がオンオフ燃焼する毎に計時手段でその燃焼時間が計時され、カウント手段で燃焼時間に応じた所定の数値がカウントされる。すなわち、オンオフ燃焼の燃焼時間によって煤の発生が異なり、フィン詰まりの程度が異なるため、カウント手段は燃焼時間に応じた重みを付けた数値をカウントする。これによりフィン詰まりによる熱交換器の寿命時期の推定精度が向上する。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の給湯装置において、前記燃焼器が所定時間以上の燃焼をする毎に前記カウント手段でカウントされた値を予め設定された所定の値だけ減算する減算手段を更に備えたものである。
【0020】
上記構成によれば、燃焼器が所定時間以上の燃焼をする毎に減算手段によりカウント手段でカウントされた値が予め設定された所定の値だけ減算される。燃焼器が比例燃焼しているときは、その燃焼により熱交換器のフィンに堆積した煤が除去されるので、カウント手段でカウントされた値から所定の値を減算することにより比例燃焼によるフィン詰まりの低減効果を加味することができる。これによりフィン詰まりによる熱交換器の寿命時期の推定精度がより向上する。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の給湯装置において、前記燃焼器が所定時間以上の比例燃焼をしたとき、前記カウント手段でカウントされた値をゼロにリセットするリセット手段を更に備えたものである。
【0022】
上記構成によれば、燃焼器が所定時間以上の比例燃焼をしたときは、カウント手段でカウントされた値がゼロにリセットされる。比例燃焼が所定時間以上継続したときは、熱交換器のフィンに堆積した煤をほぼ除去し得るため、そのような燃焼条件が満たされたときは、カウント手段のカウント値をゼロリセットすることによりフィン詰まりによる熱交換器の寿命時期の推定精度をより向上させることができる。
【0023】
請求項7記載の発明は、周囲に複数のフィンが設けられた管体からなる熱交換器と、この熱交換器を加熱する燃焼器とを備え、前記熱交換器の管体に流入される水を温水にして流出する給湯装置において、燃焼量が予め設定された所定燃焼量より小さいとき、前記燃焼器をオンオフ燃焼させ、前記燃焼量が前記所定燃焼量以上であるとき、前記燃焼器を比例燃焼させる燃焼制御手段と、前記燃焼器がオンオフ燃焼する毎に所定の数値をカウントするカウント手段と、前記カウント手段でカウントされた数値が予め設定された所定値に達すると、前記燃焼器の燃焼動作を禁止する燃焼禁止手段とを備えたものである。
【0024】
上記構成によれば、燃焼器がオンオフ燃焼する毎にカウント手段で所定の数値がカウントされ、そのカウント値が予め設定された所定値に達すると、燃焼禁止手段より燃焼器の燃焼動作が禁止される。すなわち、オンオフ燃焼の回数を積算し、所定の回数に達すると、フィン詰まりによる熱交換器の寿命時期と推定して燃焼器の燃焼動作が禁止される。これによりユーザは給湯装置の異常を確実に知ることができる。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の給湯装置において、操作手段の所定の操作により前記燃焼器の燃焼動作の禁止を解除する解除手段と、前記燃焼器の燃焼動作の禁止が解除されると、前記熱交換器の寿命時期としてその旨を報知する報知手段と、前記燃焼器の燃焼動作の禁止が解除されると、その後の前記燃焼器の燃焼時間を積算する燃焼時間積算手段と、前記報知手段による寿命時期の報知がされている状態で、前記燃焼時間積算手段による燃焼時間の積算値が所定値に達すると、給湯能力を制限する能力制限手段とを更に備えたものである。
【0026】
上記構成によれば、操作手段の所定の操作により燃焼器の燃焼動作の禁止が解除されると、熱交換器の寿命時期が報知されるとともに、その後の燃焼器の燃焼時間が積算され、報知手段による寿命時期の報知がされている状態で、燃焼時間積算手段による燃焼時間の積算値が所定値に達すると、給湯能力が制限される。
【0027】
すなわち、燃焼動作の禁止を解除することによりユーザは再び給湯装置を所定の燃焼時間だけ動作させることが可能になり、その後は能力が制限されるようになるので、このような給湯装置の動作の異常により、熱交換器の寿命時期が推定された場合にも直ちに給湯装置の使用を完全に禁止する不都合を与えることなく確実に給湯装置のメンテナンス時期をユーザに知らせることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る給湯装置の一実施形態の全体構成を示す図である。
【0029】
給湯装置1は、燃焼缶体2、この燃焼缶体2の上部に設けられる燃焼器3、この燃焼缶体2の下部に設けられる熱交換器4、この燃焼缶体2の下端に接続される排気筒5、熱交換器4に水を供給する給水部6、熱交換器4から給湯栓12に湯を供給する給湯部7、給水部6から供給される水の一部を給湯部7に導く給水バイパス部8、燃焼器3に灯油などのオイル燃料を供給する給油部9、および給湯装置1の給湯動作を制御する給湯制御部10で構成されている。
【0030】
燃焼缶体2は、中空の略直方体形状の箱体をなし、上部に燃焼器3が取り付けられ、下端にL字上に屈曲した排気筒5が連接されている。排気筒5の先端部の外側適所には外気の風圧を検出する風圧スイッチ51が設けられている。燃焼缶体2は、燃焼器3によるオイルの燃焼を行う部屋を構成するとともに、この燃焼器3により発生した熱を熱交換器4に伝達する部屋を構成している。燃焼缶体2内の上部であって、燃焼器3の下端を臨む所定の位置に当該燃焼器3で発生する炎が熱交換器4に直接当たらないように炎を分散するためのリボン状のバッフル板21が設けられている。燃焼缶体2内の下部には周面に複数のフィン41が所定の間隔で突設された銅管42からなる熱交換器4(フィンチューブ型熱交換器)が取り付けられ、この熱交換器4の入水端には給水部6を構成する給水管61が接続され、熱交換器4の出水端には給湯部7を構成する給湯管71が接続されている。
【0031】
燃焼器3は、オイルを霧状に噴霧するノズル31、このノズル31から噴霧されるオイルに点火する一対の電極棒32、この一対の電極棒32間に高圧を印加して火花放電を発生させる点火トランス33、燃焼室に空気を供給する、たとえばシロッコファンからなる送風ファン34、送風ファンの回転数を検出する回転数センサ35、燃焼器3が燃焼しているか否かを検出する、例えばフォトトランジスタ36、および排気筒5からの逆風により燃焼器3の燃焼に異常が発生したことを検出するバーナハイリミッタ37を備える。燃焼器3のノズル31、電極棒32、フォトトランジスタ36およびバーナハイリミッタ37は、燃焼缶体2の上端端面に配置され、送風ファン34は、燃焼缶体2の上端に送風経路を介して配置される。
【0032】
燃焼器3は、送風ファン34を駆動して燃焼缶体2の燃焼室2aに空気を送るとともに、ノズル31からオイル(灯油)を霧状にして燃焼室2aに噴出し、一対の電極棒32に高圧を印加して放電により火花を発生させると、これによりオイルに点火して燃焼を開始する。燃焼器3の燃焼により発生する燃焼ガスは燃焼筒5を介して外部に放出される。燃焼器3の燃焼により発生した熱は、燃焼室2a内の下部に設けられた銅管42のフィン41を加熱し、この熱が銅管42を流れる水に伝達されて湯が生成される。オイルに点火して炎が発生すると、フォトトランジスタ36によりその炎の色が検出され、この検出信号により燃焼器3が燃焼しているか否かを判別することができるようになっている。また、外気に強風が発生し、排気筒5を介して燃焼缶体2の燃焼室2aに空気が逆流した場合、ノズル31の炎が送風ファン34側に逆流し、異常な燃焼状態となるが、この異常燃焼はバーナハイリミッタ37により検出され、この検出信号に基づいて燃焼器3の燃焼は強制的に停止されるようになっている。
【0033】
給油部9は、供給したオイルの一部を回収し、油元から供給されるオイルに合流させてノズル31にオイルを供給する方式(いわゆるリターン方式)によりオイルをノズルに供給するものである。給油部9は、油元からオイルを供給する第1油管91、オイルをノズル31に供給する第2油管92、ノズル31から供給したオイルの一部を給油側に戻す第3油管93、この第3油管93と第1油管91の接続点に設けられ、第3湯管93を通して戻る戻り湯量を調節して第2油管92を介してノズル31に供給するオイルの量を制御する制御弁94、第3油管93の制御弁94の上流位置に設けられ、還流されるオイルの温度を検出する油温サーミスタ95、第1油管91の先端部に設けられ、油元からのオイルの供給を制御する電磁弁96、および第2油管92の基端部に設けられ、オイルを所定圧でノズル31に供給するための電磁ポンプ97を備えている。
【0034】
給油部9は、電磁弁97が開かれると、油元から供給されるオイルが電磁ポンプ97により所定圧に加圧されてノズル31に供給される。ノズル31に供給されたオイルは、一部が燃焼に利用され、残りは第3油管93を介して戻された後に、再度第2油管92に戻される。第3油管93を介して戻されるオイルの温度は油温サーミスタ95により検出され、この温度に基づいて制御弁94により油元から供給されるオイルに合流させる第3油管93を介して戻されたオイルの量が調整される。すなわち、温度によってオイルの粘性が変化し、第2油管92を流れる単位時間当たりのオイル量が変化するため、第2油管92に供給するオイル量を制御弁94により適正に調整している。
【0035】
給水部6は、図略の貯水槽から供給される水を熱交換器4に導く銅管(給水管)61、この銅管61の基端部に設けられ、供給される水を濾過するフィルタ62、この銅管61の水流分岐点の下流側に設けられ、熱交換器4に供給される水量を検出する缶体水量センサ63、およびこの缶体水量センサ63の下流側適所に設けられた当該銅管61を流れる水の温度を検出する入水サーミスタ64を備えている。
【0036】
給湯部7は、熱交換器4から供給される湯を給湯栓12に導く銅管(給湯管)71、この給湯管71のバイパス管81との合流点より上流側の適所に設けられ、当該給湯管71に流れる水量を制御する缶体水量サーボ72、この缶体水量サーボ72の下流側適所に設けられ、当該給湯管71に流れる湯の温度を検出する缶体サーミスタ73、および給湯管71のバイパス管81との合流点の下流位置に給湯栓12から放出される湯の温度を検出する出湯サーミスタ74を備えている。
【0037】
給水バイパス部8は、給水管61からの給水の一部を給湯管71に導く銅管(バイパス管)81、このバイパス管81の適所に設けられ、当該バイパス管81に流れる水量を制御するバイパス水量サーボ82、およびこのバイパス水量サーボ82の上量側適所に設けられ、当該バイパス管81の水量を検出するバイパス水量センサ83を備えている。また、バイパス管81と給湯管71の合流点には給湯栓12に導かれる湯の温度を均一にするべく水と湯とを攪拌する湯水攪拌機構11が設けられている。
【0038】
給湯栓12が開かれると、貯水槽から供給される水が給水管61、熱交換器4、および給湯管71の経路と給水管61、バイパス管81、および給湯管71の経路で流れ、給湯栓12から放出される。缶体水量センサ63により検出される水量が、給湯装置1が給湯動作を開始するための最小作動流量以上になると、燃焼器3の燃焼動作が開始され、熱交換器4から湯が供給されるようになる。燃焼が開始されると、熱交換器4を流れる水量に応じて燃焼器3の燃焼量が変化するため、燃焼器3の燃焼能力を超えないように熱交換器4を流れる水量が缶体水量サーボ72により自動調整される。また、熱交換器4から供給される湯の温度は缶体サーミスタ73により検出され、この検出温度と燃焼能力とに基づいて燃焼器3の燃焼動作が制御され、給湯管71に流れる湯(熱交換器4で生成され湯)の温度が所定の温度(例えば85℃前後)に保持される。
【0039】
一方、出湯サーミスタ74により給湯栓12から供給される湯の温度が検出され、この検出温度とユーザによって設定された出湯温度とに基づいてバイパス水量サーボ82により湯水攪拌機構11に供給される水の量が制御される。すなわち、熱交換器4からの湯と混合される水の量がバイパス水量サーボ82により自動調整され、これにより給湯栓12から、設定された出湯温度の湯が安定供給される。
【0040】
給湯制御部10は、主としてマイクロコンピュータなどの電子回路で構成され、上述した給湯動作を統括制御する。給湯制御部10は、図示はしていないが、二芯線により給湯装置1を遠隔操作するためのリモートコントローラ(以下、リモコンという。)に通信可能に接続され、このリモコンから送信される操作情報に基づいて給湯動作を制御する。給湯制御部10は、燃焼量が所定値未満(例えば6号未満)のとき、燃焼器3をオンオフ燃焼させ、燃焼量が所定値以上のとき、燃焼器3を比例燃焼させる。また、本実施形態に係る給湯装置1は、後述するように燃焼器3がオンオフ燃焼する毎に所定の値を積算カウントし、そのカウント値が所定値(例えば40万)に達すると、熱交換器4のフィン41に不完全燃焼による煤が堆積し、寿命時期が近いと推定してその旨の警告表示を行うようになっている。給湯制御部10は、かかる警告機能も制御する。
【0041】
図2は、本発明に係る給湯装置の給湯制御に関係するブロック構成図である。
【0042】
同図は、給湯装置にリモコンを接続した構成のブロック図である。ブロック100は、給湯装置側の構成であり、ブロック200はリモコン側の構成である。給湯装置ブロック100において、図1の全体構成図に示した部材と同一部材には同一の符合を付している。なお、図1の全体構成図に示す部材と同一部材については、上述しているので、以下の説明では詳細説明は省略する。
【0043】
給湯装置側ブロック100とリモコン側ブロック200は、2芯線からなる通信線300で接続され、この通信線300を介して給湯装置側ブロック100からリモコン側ブロック200に駆動電源(直流電源)が供給されるとともに、給湯装置側ブロック100とリモコン側ブロック200との間で所要のデータが交信されるようになっている。データ通信は、たとえばASK(Amplitude Shift Keying)方式により所定の搬送波をAM変調したAM変調波(デジタルデータの0,1を所定の搬送波の有、無に置き換えたAM変調波)を、通信線上に供給される直流電源に重畳することにより行われる。
【0044】
給湯装置ブロック100において、制御部101は、給湯装置の給湯動作を制御するもので、主としてCPU(Central Processing Unit)101a、ROM(Read only Memory)101b、RAM(Random Access Memory)101c及びタイマ101dを1チップに内蔵してなるマイクロコンピュータで構成されている。
【0045】
CPU101aはROM101bに記憶されている制御プログラムを実行することにより給湯装置全体の動作を制御するものである。ROM101bにはCPU101aの制御プログラムやこの制御プログラムを実行するために必要なディフォルトデータなどが記憶されている。また。RAM101cはCPU101aが制御プログラムを実行するためのワークエリアを提供するもので、ROM101bから読み出された制御プログラムやこの制御プログラムの実行により生成される種々のデータを一時的に保存する。
【0046】
制御部101は、後述するように燃焼器3のオンオフ燃焼をカウントし、そのカウント値が所定値に達すると、熱交換器4が寿命時期に来ていることを警告する警告動作も行う。タイマ101dは、CPU101aによるこの寿命警告動作の制御における燃焼器3の燃焼時間を計時する際に利用される。
【0047】
通信部102は、リモコン200とのデータ通信を制御するものである。通信部102は、所定の搬送波を発生する搬送波発生回路、制御部101から入力されるデータで搬送波をASK方式によりAM変調する変調回路、AM変調波を電源部105から入力される直流電源に重畳し、通信線300を介してリモコン側ブロック200に出力する出力回路、通信線300を介してリモコン側ブロック200から送信されたAM変調波からデータを復調する復調回路などを有している。
【0048】
EEPROM103は、制御部101の制御動作に必要なデータ(ROM101bに記憶されるデータとは異なるデータ)を記憶する不揮発性メモリである。EEPROM103にもディフォルトデータが記憶されるが、例えば給湯装置1の製品を特定するための情報(IDコードなど)や修理履歴などの情報が記憶される。寿命警告動作の寿命判別におけるオンオフ燃焼のカウント値を比較する所定値のデータはEEPROM103に記憶されている。
【0049】
電源部104は、例えばスイッチング電源からなり、例えば100Vの交流電源から給湯装置側ブロック100内の各回路やリモコン側ブロック200内の各回路の駆動電源(直流電圧電源)を生成するものである。
【0050】
次に、リモコン側ブロック2において、制御部201は、リモコン装置の動作を制御するもので、主としてCPU201a、ROM201b及びRAM201cを1チップに内蔵してなるマイクロコンピュータで構成されている。
【0051】
CPU201aはROM201bに記憶されている制御プログラムを実行することによりリモコン装置全体の動作を制御するものである。ROM201bにはCPU201aの制御プログラムやこの制御プログラムを実行するために必要なディフォルトデータなどが記憶されている。また。RAM201cはCPU201aが制御プログラムを実行するためのワークエリアを提供するもので、ROM201bから読み出された制御プログラムやこの制御プログラムの実行により生成される種々のデータを一時的に保存する。
【0052】
通信部202は、給湯装置側ブロック100とのデータ通信を制御するものである。通信部202は、所定の搬送波を発生する搬送波発生回路、制御部202から入力されるデジタルデータで搬送波をASK方式によりAM変調する変調回路、通信線3を介してAM変調波を給湯装置1に出力する出力回路、通信線300を介して給湯装置側ブロック100から送信されたAM変調波と駆動電源を分離する電源分離回路、AM変調波からデータを復調する復調回路などを有している。
【0053】
EEPROM203は、制御部201の制御動作に必要なデータ(ROM201bに記憶されるデータとは異なるデータ)を記憶する不揮発性メモリである。
【0054】
操作部204は、主に給湯装置1に対する遠隔操作の操作情報を入力するものである。操作部204は、例えば運転オン/オフ、給湯温度、風呂機能がある場合は風呂湯量及び風呂の水位の設定、風呂の自動運転モード設定などの操作ボタンとこの操作ボタンの操作を電気信号に変換して制御部201に入力するスイッチを主要構成とする。操作ボタンは、リモコンの操作パネルに設けられている。
【0055】
表示部205は、操作部204の操作内容、給湯装置1の動作状態などの情報を表示するものである。表示部205は、例えば液晶ディスプレイあるいは蛍光表示管などで構成され、操作ボタンと同様にリモコンの操作パネルに設けられている。
【0056】
次に、給湯装置1の本発明に係る熱交換器の寿命警告機能の動作制御について、図3,図4のフローチャートを用いて説明する。
【0057】
図3は、熱交換器の寿命警告機能の動作制御の第1実施形態を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートは、給湯装置1が使用場所に設置され、主電源がオンになり、給湯動作可能状態になると、実行される。
【0058】
まず、燃焼器3がオンオフ燃焼の回数に関係した数値をカウントするカウンタFC(CPU101に内蔵されている)の値が「0」にリセットされる(S1)。続いて、給湯動作の待機状態となり(S2のループ)、この待機状態において、給湯栓12が開かれ、缶体水量センサ63の検出信号により所定の最低作動水量以上が熱交換器4に供給されていることが検出されると(S2:YES)、燃焼器3の燃焼が開始される(S3)。すなわち、送風ファン34を駆動して燃焼室2aに空気が供給されるとともに、電磁ポンプ97を作動してノズル31にオイルが供給され、所定のタイミングで一対の電極棒32に点火トランス33から高圧が印加されてノズル31から噴霧されるオイルに点火される。点火の成否はフォトトランジスタ36により検出され、燃焼器3の燃焼が開始されると、電極棒32への高圧供給が停止される。
【0059】
また、燃焼器3の燃焼が開始されると同時に、タイマ101dにより当該燃焼の継続時間tの計時が開始される(S4)。その後、30秒未満の時間内で、例えば給湯栓12が閉じられたり、熱交換器4に供給される水量が最低作動水量未満になるなどして燃焼器3の燃焼動作が停止されると(S5:YES)、このときの燃焼はオンオフ燃焼であるとしてステップS17に移行し、カウンタFCのカウント値が「1」だけインクリメントされる。
【0060】
続いて、カウンタFCのカウント値が所定の値(例えば40万)以上になっているか否かが判別され(S18)、カウンタFCのカウント値が所定の値未満であれば(S18:NO)、ステップS2に戻り、燃焼動作の待機状態となる。一方、カウンタFCのカウント値が所定の値以上であれば(S18:YES)、オンオフ燃焼の繰り返し、すなわち、不完全燃焼の繰り返し、により発生した煤が熱交換器4のフィン41に堆積して、いわゆるフィン詰まりとなり、熱交換器4の寿命時期であるとして、リモコン200の表示部205にその旨の警告表示が行われ(S19)、ステップS2に戻り、燃焼動作の待機状態となる。
【0061】
また、燃焼開始から30秒以上1分未満の時間内で燃焼器3の燃焼動作が停止されると(S7:YES)、このときの燃焼はオンオフ燃焼であるとしても不完全燃焼による煤が熱交換器4のフィン41に堆積するに至らない燃焼であるとして、カウンタFCのカウントを行うことなくステップS2に戻り、燃焼動作の待機状態となる。
【0062】
また、燃焼開始から1分以上、燃焼が継続した場合は(S8:YES)、当該燃焼は比例燃焼として燃焼開始から30分を経過するまで、燃焼が1分継続する毎に(S10:YES)、すなわち、燃焼時間tが2分、3分、…となる毎にカウンタFCのカウント値が所定の値(例えば100)ずつデクリメントされる(S12)。ただし、カウンタFCのカウント値が「0」より小さくなる場合は(S13:YES)、カウンタFCのカウント値は「0」に保持される(S14)。また、燃焼開始から30分が経過した時は(S11:YES)、カウンタFCのカウント値は「0」にリセットされ(S14)、ステップS2に戻り、燃焼動作の待機状態となる。なお、ステップS19による寿命警告表示が行われている場合は(S15:YES)、その寿命警告表示が消灯されて(S16)、ステップS2に戻り、燃焼動作の待機状態となる。
【0063】
上記処理において、比例燃焼の場合は1分経過する毎にカウンタFCのカウント値を所定値ずつデクリメントしているのは、比例燃焼によって熱交換器4のフィン41に堆積した煤が吹き飛ばされ、フィン詰まりが低減されることが確認されているからである。比例燃焼の燃焼時間tによりフィン詰まりの低減度は変化し、燃焼時間tが長いほど増加する。このため、本実施形態では、フィン詰まりの低減度がリニアに変化するとして、1分経過する毎に所定値ずつカウンタFCのカウント値をデクリメントしている。なお、フィン詰まりの低減度がノンリニアに変化するとして、1分経過する毎にカウンタFCのカウント値をデクリメントする量を異ならせてもよい。具体的には所定値に重み係数を乗じて1分経過する毎のデクリメントする値とし、その重み係数を1分経過する毎に増加させるようにする。また、本実施形態では比例燃焼が1分継続する毎にカウンタFCのカウント値をデクリメントするようにしているが、このデクリメントするタイミングは1分経過時に限定されるものではなく、給湯装置1の熱交換器4の特性により適宜のタイミングを設定することができる。
【0064】
また、比例燃焼が30分以上も継続すると、フィン詰まりはほぼ解消される状態に改善されると推定されるから、この場合は、カウンタFCのカウント値を「0」にリセットするようにしている。なお、カウンタFCのカウント値をリセットするタイミングは30分経過時に限定されるものではなく、給湯装置1の熱交換器4の特性により実験的に確認される適宜の経過時間を設定することができる。
【0065】
なお、上記処理では、カウンタFCのカウント値が所定の値に達すると、警告表示をするようにしていたが、警告表示に代えて給湯装置1の給湯能力を制限するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは給湯能力の低下により給湯装置1の異常に気付くため、ユーザにサービスマンによるメンテナンスの必要性をより強く意識させることができる。
【0066】
上記のように、第1実施形態に係る熱交換器の寿命警告機能の動作制御では、短時間に燃焼器3を燃焼/停止させる燃焼動作(オンオフ燃焼動作)が所定の回数以上繰り返されると、熱交換器4のフィン41の隙間に不完全燃焼により発生した煤が堆積して当該熱交換器4の熱交換率を低下し、寿命に近くなったと推定して警告表示するようにしているので、ユーザはその警告表示を見て好適なタイミングでサービスマンを呼んでメンテナンスを受けることができる。
【0067】
また、通常、給湯装置1では比例燃焼とオンオフ燃焼とが適当に組み合わされて給湯動作が行われるため、オンオフ燃焼の繰り返しによりフィン詰まりが進行したとしても、その後の比例燃焼によりそのフィン詰まりが低減されることがあるので、そのようなフィン詰まりの進行特性を考慮して比例燃焼が行われた場合、積算したオンオフ燃焼の繰り返し回数に関係したカウント値を減算するようにしているので、熱交換器4の寿命時期の推定をより適切に行うことができる。
【0068】
図4は、熱交換器の寿命警告機能の動作制御の第2実施形態を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートも給湯装置1が使用場所に設置され、主電源がオンになり、給湯動作可能状態になると、実行される。
【0069】
第1実施形態では、熱交換器4の寿命の時期が推定されると、その旨を警告表示だけするようにしていたが、第2実施形態では、熱交換器4の寿命の時期が推定されると、その旨を警告表示するだけでなく、一旦運転を停止し、その後、ユーザにより運転スイッチのリセット操作が行われると、所定時間(例えば50時間)だけ通常の運転を可能にし、その所定時間(50時間)が経過した後は燃焼能力や水量を制限するようにしてユーザに給湯装置1のメンテナンスの必要性を知らせるようにしたものである。
【0070】
図4に示すフローチャートにおいて、ステップS21〜ステップS36は、図3に示すフローチャートのステップS1〜ステップS16と同一で、ステップ37以降の処理が図3に示すフローチャートとは異なる。
【0071】
まず、カウンタFCの値が「0」にリセットされる(S21)。続いて、給湯動作の待機状態となり(S22のループ)、この待機状態において、給湯栓12が開かれ、缶体水量センサ63の検出信号により所定の最低作動水量以上が熱交換器4に供給されていることが検出されると(S22:YES)、燃焼器3の燃焼が開始される(S23)。
【0072】
また、燃焼器3の燃焼が開始されると同時に、タイマ101dにより当該燃焼の継続時間tの計時が開始される(S24)。その後、30秒未満の時間内で、例えば給湯栓12が閉じられたり、熱交換器4に供給される水量が最低作動水量未満になるなどして燃焼器3の燃焼動作が停止されると(S25:YES)、このときの燃焼はオンオフ燃焼であるとしてステップS37に移行し、カウンタFCのカウント値が「1」だけインクリメントされる(S37)。
【0073】
続いて、フィン詰まりに基づく熱交換器4の寿命時期の警告表示が行われているか否かが判別され(S38)、その警告表示が行われていなければ(S38:NO)、続いて、カウンタFCのカウント値が所定の値(例えば40万)以上になっているか否かが判別され(S39)、カウンタFCのカウント値が所定の値未満であれば(S39:NO)、ステップS22に戻り、燃焼動作の待機状態となる。一方、カウンタFCのカウント値が所定の値以上であれば(S39:YES)、給湯装置1の運転が強制的に停止され(S40)、リモコン200の表示部にエラーコードが表示される(S41)。
【0074】
その後、給湯装置1の運転停止に対してユーザが運転スイッチのリセット操作を行うと(S42:YES)、リモコン200の表示部に寿命時期の警告表示とエラーコードとが表示される(S43,S44)。そして、運転スイッチのリセット操作後の燃焼時間Tの積算が開始され(S45)、給湯装置1は通常の運転(能力や流量が制限されない運転)が可能になり(S46)、ステップS22に戻り、待機状態となる。
【0075】
一方、ステップS38で寿命時期の警告表示とエラーコードの表示が行われていれば(S41:YES)、運転スイッチによるリセット処理後であるか否かが判別され(S47)、運転スイッチによるリセット処理後でなければ(S47:NO)、ステップS42に移行し、運転スイッチによるリセット処理後であれば(S47:YES)、更に燃焼時間Tが所定の時間(例えば50時間)以上となっているか否かが判別され(S48)、燃焼時間Tが所定の時間未満であれば(S48:NO)、ステップS42に移行し、燃焼時間Tが所定の時間以上であれば(S48:YES)、給湯装置1の給湯能力や水量を制限し(S49)、能力制限下での運転を可能にしてステップS22に移行する。
【0076】
最初に熱交換器4の寿命が判別されたとき、寿命時期の警告表示を行わず、給湯装置1の運転を停止させているのは、ユーザは、少量使用や短時間使用を連続したことによって給湯装置1が故障したとは認識し難いため、運転を強制的に停止させることにより異常が発生していることを認識し易くするためである。従って、その後ユーザにより運転スイッチによるリセット処理が行われたときは、燃焼時間Tが50時間経過するまでは通常通り使用可能とし、その後の運転の能力を制限することによってユーザに給湯装置1の異常を確実に知らせるようにしている。
【0077】
フローに戻り、燃焼開始から30秒以上1分未満の時間内で燃焼器3の燃焼動作が停止されると(S27:YES)、このときの燃焼はオンオフ燃焼であるとしても不完全燃焼による煤が熱交換器4のフィン41に堆積するに至らない燃焼であるとしてステップS22に戻り、燃焼動作の待機状態となる。
【0078】
また、燃焼開始から1分以上、燃焼が継続した場合は(S28:YES)、当該燃焼は比例燃焼として燃焼開始から30分を経過するまで、燃焼が1分継続する毎に(S30:YES)、すなわち、燃焼時間tが2分、3分、…となる毎にカウンタFCのカウント値が所定の値(例えば100)ずつデクリメントされる(S32)。ただし、カウンタFCのカウント値が「0」より小さくなる場合は(S33:YES)、カウンタFCのカウント値は「0」に保持される(S34)。また、燃焼開始から30分が経過した時は(S31:YES)、カウンタFCのカウント値は「0」にリセットされ(S34)、ステップS22に戻り、燃焼動作の待機状態となる。なお、ステップS43による寿命時期の警告表示が行われている場合は(S35:YES)、その警告表示が消灯されて(S36)、ステップS22に戻り、燃焼動作の待機状態となる。
【0079】
上記のように、第2実施形態に係る熱交換器の寿命警告機能の動作制御では、フィン詰まりによる熱交換器4の寿命時期が来たと推定されると、給湯装置1の運転を強制的に停止させ、ユーザが運転スイッチによりリセット処理を行うと、その後は給湯装置1の能力に制限を設けつつ、運転を可能にしているので、給湯装置1の給湯動作の異常によりユーザに確実に異常を認識させ、メンテナンスの時期を知らせることができる。
【0080】
また、熱交換器4の寿命時期を識別したとしても給湯装置1は必ずしも給湯動作ができない状態の故障をしているわけではないため、ユーザに運転スイッチのリセット処理により給湯可能とすることで、直ちに使用禁止とすることによる不都合をユーザに感じさせることはない。
【0081】
上記実施形態では、30秒以内のオンオフ燃焼を全て1回とカウントするようにしているが、30秒以内の時間を分割し、燃焼時間が短いほど加算するカウント値を大きくするようにしてもよい。例えば10秒以内のオンオフ燃焼のときはカウント値を+3とし、10秒〜20秒のオンオフ燃焼のときはカウント値を+2とし、20秒〜30秒のオンオフ燃焼のときはカウント値を+1としてもよい。
【0082】
なお、カウンタFCおよび積算時間Tのデータは定期的にEEPROM103に保存させるとよい。このようにすれば、停電などにより給湯装置1の主電源がオフになってもカウンタFCおよび燃焼時間Tのデータを消失することがない。
【0083】
また、上記実施形態では、不完全燃焼となるオンオフ燃焼や短時間の比例燃焼の回数に相当する数値をカウントするようにしていていたが、不完全燃焼となるオンオフ燃焼や短時間の比例燃焼の燃焼時間の積算値をカウントし、その積算値が所定の積算時間になると、熱交換器4の寿命時期と推定するようにしても良い。
【0084】
また、上記実施形態では、熱交換器4の寿命時期を警告表示によりユーザに報知していたが、音や音声などでユーザに報知するようにしてもよい。
【0085】
なお、上記実施形態では、オンオフ燃焼、短時間の比例燃焼に対応して燃焼回数をカウントあるいは燃焼時間を計時し、所定時間以上の比例燃焼により減算処理をしているが、所定時間以上の比例燃焼による減算を行わずに、累積カウントあるいは累積時間のみを行っても良いことは勿論のことである。また、所定時間以上の比例燃焼によるカウント値、あるいは計時時間の減算を行う監視報知と、その減算を行わない監視報知とを同時に行うようにしてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、オイルを用いた給湯装置について説明したが、ガスなどの他の燃料を用いた給湯装置であって、本願と同様の課題を有する給湯装置に本願発明を適用することができる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、燃焼器が所定時間内の燃焼を行ったときには、その燃焼回数もしくは燃焼時間を積算カウントし、その積算燃焼時間が所定値に達するか、もしくは積算燃焼時間が所定時間に達すると、報知するようにしたので、フィン詰まりによる熱交換器の寿命時期を適切にユーザに知らせることができる。
【0088】
請求項2記載の発明によれば、燃焼器がオンオフ燃焼する毎に所定の数値をカウントし、そのカウントの積算値が所定の値に達すると、フィン詰まりによる熱交換器の寿命時期としてその旨を報知するようにしたので、請求項1記載の発明と同様に熱交換器の寿命時期を適切にユーザに知らせることができる。
【0089】
請求項3記載の発明によれば、燃焼器がオンオフ燃焼する際に、計時手段でそのオンオフ燃焼時間を計時し、その計時値が予め設定された所定値に達すると、報知するようにしたので、本発明においても請求項1記載の発明と同様に熱交換器の寿命時期を適切にユーザに知らせることができる。
【0090】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項2に記載の給湯装置において、燃焼器がオンオフ燃焼する毎にその燃焼時間を計時し、その燃焼時間に応じた値をカウントするようにしたので、フィン詰まりによる熱交換器の寿命時期の推定精度を向上させることができる。
【0091】
また、請求項5記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の給湯装置において、燃焼器が比例燃焼する毎にカウント手段でカウントした値を予め設定された所定の値だけ減算するようにしたので、比例燃焼によるフィン詰まりの低減効果が加味され、フィン詰まりによる熱交換器の寿命時期の推定精度をより向上させることができる。
【0092】
また、請求項6記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の給湯装置において、燃焼器が所定時間以上の比例燃焼をしたとき、カウント手段でカウントした値をゼロにリセットするようにしたので、比例燃焼によるフィン詰まりの解消効果を加味され、フィン詰まりによる熱交換器の寿命時期の推定精度をより向上させることができる。
【0093】
また、請求項7記載の発明によれば、燃焼器がオンオフ燃焼する毎に所定の数値をカウントし、そのカウントの積算値が所定の値に達すると、燃焼器の燃焼動作を禁止するようにしたので、給湯装置の異常により熱交換器の寿命時期を確実にユーザに知らせることができる。
【0094】
また、請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の給湯装置において、操作手段の所定の操作により燃焼器の燃焼動作の禁止が解除されると、熱交換器の寿命時期を報知するとともに、その後の燃焼器の燃焼時間を積算し、報知手段による寿命時期の報知がされている状態で燃焼時間の積算値が所定値に達すると、給湯能力を制限するようにしたので、給湯装置の動作の異常により、熱交換器の寿命時期が推定された場合にも直ちに給湯装置の使用を完全に禁止する不都合を与えることなく確実に給湯装置のメンテナンス時期をユーザに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給湯装置の一実施形態の全体構成を示す図である。
【図2】本発明に係る給湯装置の給湯制御に関係するブロック構成図である。
【図3】本発明に係る熱交換器の寿命警告機能の動作制御の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る熱交換器の寿命警告機能の動作制御の第2実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 給湯装置
2 燃焼缶体
3 燃焼器
31 ノズル
32 電極棒
33 点火トランス
34 送風ファン
35 回転数センサ
36 フォトトランジスタ
37 バーナハイリミッタ
4 熱交換器
41 フィン
42 銅管
5 排気筒
6 給水部
61 給水管
62 フィルタ
63 缶体水量センサ
64 入水サーミスタ
7 給湯部
71 給湯管
72 缶体水量サーボ
73 缶体サーミスタ
74 出湯サーミスタ
8 給水バイパス部
81 バイパス管
82 バイパス水量サーボ
83 バイパス水量センサ
9 給油部
91 第1油管
92 第2油管
93 第3油管
94 制御弁
95 油温サーミスタ
96 電磁弁
97 電磁ポンプ
10 給湯制御部
11 湯水攪拌機構
12 給湯栓
100 給湯装置側の制御ブロック
101a CPU
101b ROM
101c RAM
101d タイマ
102 通信部
103 EEPROM
104 電源部
200 リモコン側の制御ブロック
201 制御部
201a CPU
201b ROM
201c RAM
202 通信部
203 EEPROM
204 操作部
205 表示部

Claims (8)

  1. 周囲に複数のフィンが設けられた管体からなる熱交換器と、この熱交換器を加熱する燃焼器とを備え、前記熱交換器の管体内に流入される水を温水にして流出する給湯装置において、
    前記燃焼器が燃焼を開始しその後に所定時間内にその燃焼を停止したときには、その燃焼回数もしくは燃焼時間を積算カウントする積算カウント手段と、
    前記積算カウント手段の積算燃焼回数が所定値に達するか、もしくは前記積算カウント手段の積算燃焼時間が所定時間に達すると、報知する報知手段と、
    を備えたことを特徴とする給湯装置。
  2. 周囲に複数のフィンが設けられた管体からなる熱交換器と、この熱交換器を加熱する燃焼器とを備え、前記熱交換器の管体内に流入される水を温水にして流出する給湯装置において、
    燃焼量が予め設定された所定燃焼量より小さいとき、前記燃焼器をオンオフ燃焼させ、前記燃焼量が前記所定燃焼量以上であるとき、前記燃焼器を比例燃焼させる燃焼制御手段と、
    前記燃焼器がオンオフ燃焼する毎に所定の数値をカウントするカウント手段と、
    前記カウント手段でカウントされた数値が予め設定された所定値に達すると、報知する報知手段と、
    を備えたことを特徴とする給湯装置。
  3. 周囲に複数のフィンが設けられた管体からなる熱交換器と、この熱交換器を加熱する燃焼器とを備え、前記熱交換器の管体内に流入される水を温水にして流出する給湯装置において、
    燃焼量が小領域ではオンオフ燃焼させ、小領域を超える燃焼領域では比例燃焼させる燃焼制御手段と、
    前記燃焼器がオンオフ燃焼する際に、そのオンオフ燃焼時間を計時する計時手段と、
    前記計時手段で計時された時間が所定値に達すると、報知する報知手段と、
    を備えたことを特徴とする給湯装置。
  4. 請求項2に記載の給湯装置において、
    前記燃焼器がオンオフ燃焼する毎に当該オンオフ燃焼の燃焼時間を計時する計時手段を更に備え、
    前記カウント手段は、前記計時手段で計時されるオンオフ燃焼の燃焼時間に応じてカウントする数値を変化させることを特徴とする給湯装置。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の給湯装置において、
    前記燃焼器が所定時間以上の燃焼をする毎に前記カウント手段でカウントされた値を予め設定された所定の値だけ減算する減算手段を更に備えたことを特徴とする給湯装置。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の給湯装置において、
    前記燃焼器が所定時間以上の比例燃焼をしたときは、前記カウント手段でカウントされた値をゼロにリセットするリセット手段を更に備えたことを特徴とする給湯装置。
  7. 周囲に複数のフィンが設けられた管体からなる熱交換器と、この熱交換器を加熱する燃焼器とを備え、前記熱交換器の管体に流入される水を温水にして流出する給湯装置において、
    燃焼量が予め設定された所定燃焼量より小さいとき、前記燃焼器をオンオフ燃焼させ、前記燃焼量が前記所定燃焼量以上であるとき、前記燃焼器を比例燃焼させる燃焼制御手段と、
    前記燃焼器がオンオフ燃焼する毎に所定の数値をカウントするカウント手段と、
    前記カウント手段でカウントされた数値が予め設定された所定値に達すると、前記燃焼器の燃焼動作を禁止する燃焼禁止手段と、
    を備えたことを特徴とする給湯装置。
  8. 請求項7記載の給湯装置において、
    操作手段の所定の操作により前記燃焼器の燃焼動作の禁止を解除する解除手段と、
    前記燃焼器の燃焼動作の禁止が解除されると、前記熱交換器の寿命時期としてその旨を報知する報知手段と、
    前記燃焼器の燃焼動作の禁止が解除されると、その後の前記燃焼器の燃焼時間を積算する燃焼時間積算手段と、
    前記報知手段による寿命時期の報知がされている状態で、前記燃焼時間積算手段による燃焼時間の積算値が所定値に達すると、給湯能力を制限する能力制限手段と、
    を更に備えたことを特徴とする給湯装置。
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