JP4022980B2 - カメラのレンズ移送機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なカメラのレンズ移送機構に関する。詳しくは、リードスクリューとこれに噛合するラック部を有するナット体とによって構成したカメラのレンズ移送機構において、衝撃時における位置ずれを安価な構成によって防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転運動を直線運動に変換して移動体を直線的に移動させるカメラのレンズ移送機構に、リードスクリューとこれに噛合するラック部を備えたナット体とから構成したものがある。
【0003】
そのようなカメラのレンズ移送機構にあっては、衝撃によってリードスクリューとラック部とが離間したときに、次ぎに噛合するときまでに互いの位置にずれが生じて、移動体の位置ずれを起こしてしまうという問題がある。
【0004】
そこで、従来より、かかる位置ずれを防止するための種々の方策が採られてきた。
【0005】
その一例として、特開平5−11115号により開示されたもの(図10参照)のように、ナット体aのガイド軸bによって案内される主部cとラック部dとの間に弾性部eを介在させ、該弾性部eのバネ力によってラック部dをリードスクリューfに押し付け、衝撃時には、この弾性部eの作用によってラック部dがリードスクリューfから離間することを回避し、これによって、衝撃時における位置ずれを防止しようとするものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した図10に示したものにあっては、弾性部eのバネ力を強くしすぎるとトルクロスが生じ円滑な駆動を阻害してしまう惧があるので、バネ力を高くすることができず、外部衝撃による位置ずれを防止する効果に問題があった。
【0007】
そこで、特開平3−294810号により開示されたもの(図11参照)のように、ナット体にリードスクリューgと噛合する第1のラック部hとリードスクリューgを挟んで対向するように第2のラック部iをリードスクリューgとの間に僅かの間隔をあけて設け、常時は弾発付勢部jによって第1のラック部hとリードスクリューgとが噛合するようにしたもの、又は特開平4−204612号によって開示されたもの(図12参照)のように、ナット体kにリードスクリューlと噛合するラック部m、mと該ラック部m、mにリードスクリューlを挟んで対向するようにストッパ部n、nをリードスクリューlとの間に僅かの間隔をあけて設け、弾発付勢部oによってラック部m、mをリードスクリューlに押し付けておくようにしたものがある。
【0008】
しかしながら、後者のもの(図12参照)にあっては、ストッパ部n、nとリードスクリューlとの間の間隔が狭いと、部品のバラツキにより通常時に両者が干渉を起こしたり、常温で両者の間に隙間があってもそれぞれの材料の線膨張係数の違いから、低温又は高温下で両者が干渉を起こす惧がある。また、ストッパ部n、nとリードスクリューlとの間の間隔が広いと、衝撃が加わってラック部m、mがリードスクリューlから外れてもリードスクリューlがストッパ部n、nに当接せず、位置ずれを起こしてしまう惧がある。
【0009】
そして、これらを解決するためには、ストッパ部n、nの寸法精度を極めて高くする必要があり、且つ、寸法のバラツキを抑えるための管理が必要となり、きわめて高価のものとなってしまうという問題がある。
【0010】
また、前者のもの(図11参照)にあっても、リードスクリューgと第2のラック部iとの間の間隔の制御に高い精度を必要とするばかりでなく、衝撃時にリードスクリューgを第2のラック部iに噛合させ、衝撃が去ったときに、第1のラック部hをリードスクリューgの元の位置に正確に噛合させるには、2つのラック部h、iのラックピッチを高精度に整合させておく必要があり、きわめて高価なものとなってしまうという問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、衝撃時における位置ずれを安価な構成によって防止することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明カメラのレンズ移送機構は、上記した課題を解決するために、駆動側に設けられたリードスクリューと、移動体に設けられリードスクリューと噛合するナット体と、移動体をレンズの光軸方向に移動可能に支持するガイド軸とから成り、ナット体は、リードスクリューと噛合するラック部と該ラック部をリードスクリューと噛合する方向へ弾発的に付勢する弾発付勢部と、リードスクリューを挟んでラック部と反対側に位置するストッパ部とを備え、上記ストッパ部は、リードスクリューの螺条に対向した面に該螺条を受け入れる逃げ凹部を有し、リードスクリューとラック部との噛み合い深さAと、リードスクリューとラック部とが完全に噛合した状態における上記逃げ凹部の両側に位置した突起のリードスクリューに対向した面とリードスクリューの歯先との間の間隔Bと、同じくリードスクリューとラック部とが完全に噛合した状態における逃げ凹部の奥面とリードスクリューの歯先との間の間隔Cとの関係が
C>A>B
であり、且つ、リードスクリューが上記Aの距離だけストッパ部側に移動した状態において、逃げ凹部の両側に位置した突起がリードスクリューに干渉しない大きさを有し、ナット体の連結部の側面に係合突起が突設され、該連結部が上記移動体のスリーブ内に位置されたとき、上記係合突起がスリーブの内壁面に形成された係合凹部に係合されることによって、上記ナット体の上記移動体に対する前後方向における位置決めが為され、上記ガイド軸が上記連結部に挿通されることによって、ガイド軸を介して上記移動体と上記ナット体とが連結されるものである。
【0013】
従って、本発明カメラのレンズ移送機構にあっては、衝撃時には、リードスクリューの螺条が逃げ凹部内に入ることによってリードスクリューとナット体との位置関係が規定されるので、位置ずれを起こさず、しかも、そのための条件としては、上記A、B、C間の寸法関係と逃げ凹部の両側に位置した突起の寸法のみを管理すれば良く、安価に構成することができる。また、移動体のスリーブ内に連結手段であるナット体の連結部を挿入し、スリーブの内壁面に設けた係合凹部にナット体の連結部に突設された係合突起を係合させるとともに一本のガイド軸を一対の軸受部とナット体の連結部に貫通させて、ナット体を移動体に結合させる構成になっているため、一本のガイド軸でナット体と移動体を結合し、且つナット体の係合突起を移動体の係合凹部に嵌合させているため、ナット体と移動体との光軸方向と直交する方向のガタツキを防止することができる。そして、ナット体の連結部を移動体のスリーブ内に挿入するとともに、ガイド軸が一対の軸受部とナット体の連結部に貫通しているため、外部から衝撃が加わっても、ナット体と移動体の結合が外れるおそれがない。そのため、ナット体と移動体のガタツキを防止でき、ナット体を移動体に確実に結合させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1乃至図4は本発明の基本概念を示すものである。
【0016】
移送機構1はリードスクリュー2とナット体3とから成る。リードスクリュー2はその軸方向が図示しない移動体を移送する方向に延びており、モータ等の駆動源により回転されるようになっている。
【0017】
ナット体3は移動体と連結されると共に、上記リードスクリュー2と噛合されており、リードスクリュー2が回転することによってリードスクリュー2の軸方向に送られ、これによってナット体3と連結されている移動体がリードスクリュー2の軸方向に送られることになる。
【0018】
ナット体3は一の壁部4とこの壁部に対向して設けられた別の壁部5、5を有し、一の壁部4のうち別の壁部5、5に対向した部分6、6にラック歯が形成されてラック部とされ、別の壁部5、5がストッパ部とされる。なお、ラック部6、6は1つの壁部にではなく、それぞれ別個の壁部として形成されても良いが、図示したように、1つの壁部に形成することによって、剛性が高くなり、位置精度が向上する。また、ラック部は一の壁部4の2つの部分6、6に分けて形成しなければならないものでもなく、該壁部4の全長に亘ってラック歯を形成した1つのラック部として形成しても良い。さらに、ストッパ部5、5もそれぞれのラック部6、6に対応して2個設ける必要はないが、図示したようにした方が、衝撃時の位置ずれを確実に防止することができる。
【0019】
各ストッパ部5、5にはその前後方向における中央部にラック部6、6の方へ突出した突部7、7が形成されており、該突部7、7にラック部6、6のラック歯の延びる方向と同じ方向に延びる溝状をした逃げ凹部8、8が形成されている。
【0020】
上記ストッパ部5と5との間の位置にバネ材料から成る弾発付勢部9が配設されている。
【0021】
そして、上記リードスクリュー2がラック部6、6とストッパ部5、5との間に位置され、弾発付勢部9がストッパ部5、5の側からリードスクリュー2に弾接され、これによって、リードスクリュー2の螺条とラック部6、6のラック歯とが噛合される。
【0022】
そして、リードスクリュー2の螺条とラック部6、6のラック歯とが完全に噛合された状態において、リードスクリュー2とラック部6、6との噛み合い深さAと、逃げ凹部8、8の両側に位置した突起10、10、・・・のリードスクリュー2に対向した面とリードスクリュー2の歯先との間の間隔Bと、逃げ凹部8の奥面とリードスクリュー2の歯先との間の間隔Cとの関係が
C>A>B
であり(図3参照)、且つ、リードスクリュー2が上記Aの距離だけストッパ部5、5側に移動した状態において、逃げ凹部8、8の両側に位置した突起10、10、・・・がリードスクリュー2に干渉しない大きさを有する(図4参照)。
【0023】
なお、図示したものにあっては、逃げ凹部8をストッパ部5のラック部6に対向した面に形成した突部7に形成したが、これはストッパ部5のラック部6に対向した面に直接形成しても良い。しかしながら、そのようにするとストッパ部5の前後幅が小さくなり(逃げ凹部の両側に形成される突起10、10の大きさを制限する必要があるため)、その剛性が低くなるので、上記したようにストッパ部5に形成した突部7に逃げ凹部8を形成することが好ましい。
【0024】
しかして、上記した移送機構1において、衝撃が加わり、ナット体3が、そのラック部6、6とリードスクリュー2との噛合が外れる方向に移動したときに、上記Aより小さいB以上に移動すれば、リードスクリュー2の螺条が逃げ凹部8内に位置されるので(図4参照)、ナット体3がリードスクリュー2の軸方向に移動しようとしても、リードスクリュー2の螺条が逃げ凹部8内で移動できる範囲でしか移動することができず、従って、衝撃が去った後に、弾発付勢部9の押圧力によって、ラック部6がリードスクリュー2の衝撃前に噛合していた位置と再び噛合することができ、衝撃による位置ずれを回避することができる。
【0025】
なお、衝撃時にナット体3が前後方向に移動しようとしたときに、リードスクリュー2の螺条が逃げ凹部8の両側に位置した突起10、10と当接することがあるので、このようなときに、リードスクリュー2の螺条が突起10、10の稜線部で傷つくことがないように、該突起10、10の先端部の両側の稜線部に丸味のある面取り加工を施しておくと良い。
【0026】
上記した移送機構1にあっては、上記、C>A>Bの条件に対して、逃げ凹部8の深さDの設計上の自由度が大きく、Cの値を大きくすることが容易である。
【0027】
従って、ナット体3の精度を厳しくしなくても良く、さらに、精度を厳しくしなくても良い分、部品のバラツキに対する管理も厳しくする必要が無く、安価に製造することができる。
【0028】
なお、上記した例では、1つのストッパ部5に1つの逃げ凹部8を形成したものを示したが、これは、1つのストッパ部5に2つ(図5参照)又はそれ以上の逃げ凹部を形成するようにしても良い。
【0029】
【実施例】
次に、本発明の実施の一例について説明する。
【0030】
レンズ鏡筒11の骨格部は、前部鏡筒12が中間鏡筒13の前端部に、また、後部鏡筒14が中間鏡筒13の後端部に、それぞれタッピングビス15、15、・・・によって固定されることによって形成される。
【0031】
前部鏡筒12には第1群レンズ16がカシメ等によって固定支持される。
【0032】
第1の移動枠17が前部鏡筒12と中間鏡筒13とによって形成された空間内に前後方向に移動可能に支持される。第1の移動枠17は上端部に前後方向に延び上方に開口した樋状をしたスリーブ部18を有し、該スリーブ部18の前後両端部に軸受部19、19が設けられている。また、第1の移動枠17の下端部にはU字状の切欠を有した案内片20が突設されており、枠部21に第2レンズ群22がカシメ等により固定支持されている。
【0033】
そして、前部鏡筒12と中間鏡筒13との間にはガイド軸23a、23bが架け渡し状に支持されており、上側のガイド軸23aが第1の移動枠17の軸受部19、19に挿通され、下側のガイド軸13bに第1の移動枠17の案内片20のU字状切欠が摺動自在に係合されていて、これによって、第1の移動枠17は前後方向に移動自在に支持される。
【0034】
中間鏡筒13には、第3レンズ群24がカシメ等により固定支持され、また、アイリス25が前端部に固定される。
【0035】
第2の移動枠26が中間鏡筒13と後部鏡筒14とによって形成された空間内に前後方向に移動可能に支持される。第2の移動枠26は上端部に前後方向に延び上方に開口した樋状をしたスリーブ部27を有し、該スリーブ部27の前後両端部に軸受部28、28が設けられている。また、第2の移動枠26の下端部にはU字状の切欠を有した案内片29が突設されており、枠部30に第4レンズ群31がカシメ等により固定支持されている。
【0036】
そして、中間鏡筒13と後部鏡筒14との間にはガイド軸32a、32bが架け渡し状に支持されており、上側のガイド軸32aが第2の移動枠26の軸受部28、28に挿通され、下側のガイド軸32bに第2の移動枠26の案内片29のU字状切欠が摺動自在に係合されていて、これによって、第2の移動枠26は前後方向に移動自在に支持される。
【0037】
後部鏡筒14には撮像素子取付部33が形成されており、ここに図示しないCCD等の固体撮像素子が取り付けられる。
【0038】
そして、第2群レンズ22が移動することにより画角の変倍、すなわち、ズーミングが行われ、また、第4群レンズ31が移動することによって上記画角の変倍に伴う像面変動の補正とピント合わせ、すなわち、フォーカシングが為される。
【0039】
そして、本発明は上記第1の移動枠17及び第2の移動枠26を光軸方向に移動させる機構として適用されている。
【0040】
なお、第1の移動枠17を移動させる移送機構と第2の移動枠26を移動させる移送機構とはほぼ同じ構成を有しているので、第1の移動枠17を移動させる第1の移送機構34について詳細に説明し、第2の移動枠を移動させる第2の移送機構34′については説明を省略し、第2の移送機構34′の第1の移送機構34におけると同様の部分には第1の移送機構34における同様の部分に付した符号と同じ符号に「′」を付加した符号を付して示す。
【0041】
第1の移動枠17のスリーブ部18にナット体35が連結される。
【0042】
該ナット体35は、前後方向に延びる円筒状をした連結部36を有し、該連結部36の上方に一の壁部37が立設され、該壁部37の一方の面のうち前後に離間した部分38、38にラック歯39、39、・・・が形成されて該部分がラック部とされる。
【0043】
また、上記ラック部38、38に所定の間隔をあけて対向した別の壁部40、40が形成され、該壁部40、40がストッパ部とされる。そして、該ストッパ部40、40にはラック部38、38の側へ突出した突部41、41が形成され、該突部41、41のラック部38、38に対向した面にラック部38、38のラック歯39、39の延びる方向と同じ方向に延びる溝状の逃げ凹部42、42が形成される。
【0044】
さらに、2つのストッパ部40と40との間の部分にはバネ材料から成る弾発付勢部43が配設されている。
【0045】
上記連結部36の位置の側面には係合突起36aが突設されており、該連結部36が第1の移動枠17のスリーブ部18内に位置され、このとき、その係合突起36aがスリーブ部18の一方の内壁面に形成された係合凹部18aと係合され、これによって、ナット体35の第1の移動枠17に対する前後方向における位置決めが為される。そして、上記ガイド軸23aが連結部36に挿通され、これによって、ガイド軸23aを介して第1の移動枠17とナット体35とが連結される。
【0046】
中間鏡筒13の上部に駆動ユニット44が取り付けられる。
【0047】
該駆動ユニット44は側方から見てほぼ倒立凹字状をしたブラケット45の一方の支持片45aの外側にステッピングモータ46が固定され、2つの支持片45a、45b間に回転可能に支持されたリードスクリュー47がステッピングモータ46の回転軸と連結されて成る。このような駆動ユニット44が中間鏡筒13の上部に固定されることによって、そのリードスクリュー47が上記ナット体35のラック部38、38とストッパ部40、40との間に位置され、弾発付勢部43がリードスクリュー47にラック部38、38の反対側から弾接することによって、リードスクリュー47の螺条とラック部38、38のラック歯39、39、・・・とが噛合される。そして、ナット体35のラック部38、38やストッパ部40、40の各部とリードスクリュー47との間の寸法関係は上記基本概念の説明で述べたのと同様の関係となっている。
【0048】
そして、各移送機構34、34′のステッピングモータ46、46′が駆動されてリードスクリュー47、47′が回転されることによって、ナット体35、35′が前後方向に送られることになり、これらナット体35、35′と連結されている移動枠17、26が前後方向に移動せしめられる。
【0049】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明は、回転運動を直線運動に変換して移動体を移送するカメラのレンズ移送機構であって、駆動側に設けられたリードスクリューと、移動体に設けられ上記リードスクリューと噛合するナット体と、移動体をレンズの光軸方向に移動可能に支持するガイド軸とから成り、上記ナット体は、上記リードスクリューと噛合するラック部と該ラック部をリードスクリューと噛合する方向へ弾発的に付勢する弾発付勢部と、リードスクリューを挟んでラック部と反対側に位置するストッパ部とを備え、上記ストッパ部は、リードスクリューの螺条に対向した面に該螺条を受け入れる逃げ凹部を有し、リードスクリューとラック部との噛み合い深さAと、リードスクリューとラック部とが完全に噛合した状態における上記逃げ凹部の両側に位置した突起のリードスクリューに対向した面とリードスクリューの歯先との間の間隔Bと、同じくリードスクリューとラック部とが完全に噛合した状態における逃げ凹部の奥面とリードスクリューの歯先との間の間隔Cとの関係が
C>A>B
であり、且つ、リードスクリューが上記Aの距離だけストッパ部側に移動した状態において、逃げ凹部の両側に位置した突起がリードスクリューに干渉しない大きさを有し、上記ナット体の連結部の側面に係合突起が突設され、該連結部が上記移動体のスリーブ内に位置されたとき、上記係合突起がスリーブの内壁面に形成された係合凹部に係合されることによって、上記ナット体の上記移動体に対する前後方向における位置決めが為され、上記ガイド軸が上記連結部に挿通されることによって、ガイド軸を介して上記移動体と上記ナット体とが連結されることを特徴とする。
【0050】
従って、本発明にあっては、衝撃時には、リードスクリューの螺条が逃げ凹部内に入ることによってリードスクリューとナット体との位置関係が規定されるので、位置ずれを起こすことがない。
【0051】
しかも、そのための条件としては、上記A、B、C間の寸法関係と逃げ凹部の両側に位置した突起の寸法のみを管理すれば良く、安価に構成することができる。すなわち、上記C>A>Bの条件に対して、逃げ凹部8の深さの設計上の自由度が大きく、Cの値を大きくすることが容易である。従って、ナット体3の精度を厳しくしなくても良く、さらに、精度を厳しくしなくても良い分、部品のバラツキに対する管理も厳しくする必要が無く、安価に製造することができる。また、移動体のスリーブ内に連結手段であるナット体の連結部を挿入し、スリーブの内壁面に設けた係合凹部にナット体の連結部に突設された係合突起を係合させるとともに一本のガイド軸を一対の軸受部とナット体の連結部に貫通させて、ナット体を移動体に結合させる構成になっているため、一本のガイド軸でナット体と移動体を結合し、且つナット体の係合突起を移動体の係合凹部に嵌合させているため、ナット体と移動体との光軸方向と直交する方向のガタツキを防止することができる。そして、ナット体の連結部を移動体のスリーブ内に挿入するとともに、ガイド軸が一対の軸受部とナット体の連結部に貫通しているため、外部から衝撃が加わっても、ナット体と移動体の結合が外れるおそれがない。そのため、ナット体と移動体のガタツキを防止でき、ナット体を移動体に確実に結合させることができる。
【0055】
なお、上記した実施の形態及び実施例において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2乃至図4と共に本発明の基本概念を示すものであり、本図は平面図である。
【図2】 正面図である。
【図3】 要部の拡大平面図である。
【図4】 衝撃時における要部の拡大平面図である。
【図5】 変形例を示す平面図である。
【図6】 図7乃至図9と共に本発明の実施の一例を示すものであり、本図はレンズ鏡筒の縦断面図である。
【図7】 レンズ鏡筒の概略分解斜視図である。
【図8】 要部の拡大斜視図である。
【図9】 リードスクリューとこれを駆動する機構の拡大斜視図である。
【図10】 従来の移送機構の一例を示す概略図である。
【図11】 従来の移送機構の別の例を示す概略平面図である。
【図12】 従来の移送機構のさらに別の例におけるナット体を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1…カメラのレンズ移送機構、2…リードスクリュー、3…ナット体、5…ストッパ部、6…ラック部、7…突部、8…逃げ凹部、9…弾発付勢部、10…逃げ凹部の両側に位置した突起、17…第1の移動枠(移動体)、18…スリーブ、18a…係合凹部、23a…ガイド軸、26…第2の移動枠(移動体)、34、34′…移送機構、35、35′…ナット体、36…連結部、36a…係合突起、38、38′…ラック部、40、40′…ストッパ部、41、41′…突部、42、42′…逃げ凹部、43、43′…弾発付勢部、47、47′…リードスクリュー
Claims (1)
- 回転運動を直線運動に変換して移動体を移送するカメラのレンズ移送機構であって、
駆動側に設けられたリードスクリューと、移動体に設けられ上記リードスクリューと噛合するナット体と、移動体をレンズの光軸方向に移動可能に支持するガイド軸とから成り、
上記ナット体は、上記リードスクリューと噛合するラック部と該ラック部をリードスクリューと噛合する方向へ弾発的に付勢する弾発付勢部と、リードスクリューを挟んでラック部と反対側に位置するストッパ部とを備え、
上記ストッパ部は、リードスクリューの螺条に対向した面に該螺条を受け入れる逃げ凹部を有し、
リードスクリューとラック部との噛み合い深さAと、リードスクリューとラック部とが完全に噛合した状態における上記逃げ凹部の両側に位置した突起のリードスクリューに対向した面とリードスクリューの歯先との間の間隔Bと、同じくリードスクリューとラック部とが完全に噛合した状態における逃げ凹部の奥面とリードスクリューの歯先との間の間隔Cとの関係が
C>A>B
であり、且つ、リードスクリューが上記Aの距離だけストッパ部側に移動した状態において、逃げ凹部の両側に位置した突起がリードスクリューに干渉しない大きさを有し、
上記ナット体の連結部の側面に係合突起が突設され、該連結部が上記移動体のスリーブ内に位置されたとき、上記係合突起がスリーブの内壁面に形成された係合凹部に係合されることによって、上記ナット体の上記移動体に対する前後方向における位置決めが為され、上記ガイド軸が上記連結部に挿通されることによって、ガイド軸を介して上記移動体と上記ナット体とが連結される
ことを特徴とするカメラのレンズ移送機構。
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