JP4022508B2 - セラミック溶射の前処理方法およびその溶射皮膜被覆部材 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック溶射の前処理方法と、金属製基材の表面に密着性に優れた酸化物系、非酸化物系セラミック溶射皮膜を形成してなる溶射皮膜被覆部材とに関するものである。
溶射法は、電気エネルギー(アーク、プラズマ)や燃焼エネルギーを熱源とし、この中に金属(合金)、セラミックス、サーメット、硝子、プラスチックスなどの粉末または棒状材料を投入して、溶融、半溶融状態の微粒子として基材の表面に吹き付け、皮膜を形成する表面処理技術の一種である。従って、溶射法によれば、熱源によって溶融状態を示す物質であれば、金属とセラミックスのように、物性値の著しく異なる材料間でも成膜が可能であるため、多くの産業分野において、基材表面に各種の物理的、化学的性質を付与する技術として広く利用されている。
また、この技術は、炭化物、窒化物などのように熱源に曝露されても明瞭な融点を示さず、分解しやすい材料に対しても、これに金属成分を添加してサーメット状態にすることによって溶射成膜することが可能である。
一方、溶射皮膜の性能を向上させるための研究もまた精力的に研究されており、これを整理すると概略、次の三項目に要約することができる。
(1)プラズマ溶射法で代表される超高温の熱源による高融点金属(例えば、W、Mo、Ta、Nb)および高融点セラミックス(例えば、ZrO2、Al2O3、Y2O3)の皮膜化を可能とした技術の出現による成膜材料種の利用拡大。
(2)減圧プラズマ溶射法で代表される溶射環境の制御による酸化物含有量が少なく、緻密かつ炭化物の分解率の少ない溶射皮膜の形成技術の出現による一段と優れた機能性を有する溶射皮膜の利用拡大。
(3)高速フレーム溶射法で代表される溶射熱源と溶射粒子の高速度化による衝突エネルギーの増大を利用する緻密で分解率が少なくかつ密着性に優れた溶射皮膜の利用拡大。
以上のような溶射技術の進歩に拘らず、溶射施行工程は古くから次のような工程によって行われている。すなわち、金属製基材の溶射面に対して、
(1)油脂類は、アルカリや有機溶剤によって洗浄する。
(2)鉄さびなどは、酸洗浄またはJIS G 5903規定の鋳造グリッドやJIS A 5011高炉スラグ骨材などの硬質粒子の吹き付けによって除去する。
(3)油脂類や鉄さびを除去した後、JIS R 6001規定の溶融アルミナ研削材を吹き付けて粗面化し、溶射皮膜が物理的に結合しやすい状態にする。
なお、基材の粗面化は、JIS H 9300亜鉛、アルミニウムおよびそれらの合金溶射の作業標準、JIS H 9302セラミック溶射作業標準として規定されている。
(4)金属溶射皮膜や酸化物系セラミックス溶射皮膜を形成する場合には、粗面化工程の終了後、金属溶射皮膜を施工する。
(5)酸化物系セラミックスを溶射する場合、まず前記金属溶射皮膜を形成した上で、セラミック皮膜を形成する。これは、金属製基材の表面に直接セラミック皮膜を施工すると、両者間の大きな熱膨張係数差によって、界面に剪断応力が発生し、環境温度の変化時に皮膜が剥離するためであり、特に高温環境下で使用される耐熱溶射皮膜では必須の皮膜構造となっている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
その一方で、金属製基材の表面にセラミック溶射皮膜を直接形成する技術もある。例えば、Al基材の表面に、直接Al2O3やY2O3の溶射皮膜を直接形成する事例が、特許文献6にあり、またセラミック焼結体の表面に酸化物系セラミック溶射皮膜を形成する技術が、特許文献7、特許文献8などに開示されている。
しかし、基材の表面に溶射法によって直接形成された皮膜は、基材との密着性が悪く、成膜部材を200〜300℃程度に加熱した後これを室温に冷却する操作を数回繰り返すだけで、皮膜が剥離するという問題点がある。
発明者らは、先に、アルミニウム、銅、ステンレス鋼などの比較的軟質な金属製基材の表面に硬質の各種セラミックスやサーメットの微粒子を溶射熱源を用いて、微粒子の被曝温度を300℃以下に制御しつつ吹き付けることによって、これらの粒子を基材表面に打ち込み、その硬質粒子の表面占有率を5〜90%にすることによって、溶射皮膜を形成しなくても、基材の耐摩耗性を向上させる方法を特許文献9として提案した。
なお、本発明は、特許文献9で開示した技術を、さらに発展させることによって、金属製基材の表面に直接密着性に優れた各種のセラミックス皮膜を形成する方法を提案するものである。
特開平2−66150号公報 特開平4−362168号公報 特開平11−229161号公報 特開2000−96259号公報 特開2000−301655号公報 特開2001−164354号公報 特願平10−45467号公報 特開2001−31484号公報 特開平11−256303号公報(特許第3172488号)
既知技術によって金属製基材の表面に、酸化物系セラミックスの溶射皮膜を直接形成するには、次に示すような問題点がある。
(1)一般に、金属製基材の熱膨張係数は、酸化物系セラミックスのそれに比較して大きいため、溶射皮膜形成後、環境の温度が変化すると、溶射皮膜が剥離し、セラミックス皮膜が保有する酸化物の優れた物理的化学的性質を有効に利用することができない。
(2)溶射皮膜成分としての酸化物系セラミック粒子は、溶射熱源によって完全に溶融状態にして金属製基材の表面に吹き付けても、基材と化学反応および冶金反応を起こさないため、両者の結合力は非常に弱く、皮膜は非常に剥離しやすい状態にある。
(3)上記のような現状を改善するため、金属製基材の表面に、金属質のアンダーコート溶射皮膜を形成して、基材の熱膨張に起因する応力の発生を緩和するとともに、アンダーコート表面の粗さを利用して、その上に酸化物系セラミックス溶射皮膜をトップコートとして形成する方法がある。しかしながら、この方法では、アンダーコートの施工に伴う作業工数の増加および生産コストの上昇などが避けられない。
本発明の目的は、上記(1)〜(3)に示した従来技術が抱えている問題を解決する技術を提案することにあり、とくに、セラミックスを基材表面に直接溶射するための技術を提案すること、そして、金属質アンダーコートの施工を必要とすることなく密着性に優れたセラミックスの溶射皮膜を、金属性基材表面に直接形成するための技術を開発して提案することにある。
本発明では、従来技術の抱えている上述した課題を解決するため、次のような技術的手段をセラミック溶射のための前処理方法として採用する。
(1)ビッカース硬さHV:200以下の金属製基材を対象とし、この表面に金属製基材より硬い粒子を圧縮空気などを用いて均等に分散するように吹き付けて打ち込み、少なくともその先端部分が基材中に埋設するように行う。その結果、打ち込まれた前記硬質粒子の多くは、基材表面に突き刺さり、数多くの突起を形造ることになる。この硬質粒子による突起の占める面積割合が、被処理基材表面の10〜70%になるようにする。
(2)金属製基材の表面に打ち込む硬質粒子は、金属の他、炭化物や酸化物、硼化物、窒化物、珪化物などのセラミック粒子、およびこれらのセラミックにCo、Cr、Ni、Moなどの金属あるいは合金を添加したサーメットのうちから選ばれ、その硬さが金属製基材よりもビッカース硬度でHV:100以上と硬く、かつ粒子径が10〜250μmの範囲内にあるものを用いる。
(3)金属製基材の表面に、硬質粒子を飛行速度80m/sec以上の高速で吹き付けて、均等に分散させ、かつそれが基材表面で突起状態となるようにし、その占有面積が10〜70%になるようにする。
(4)硬質粒子を金属製基材の表面に吹き付けるに際しは、吹き付けトーチか、金属製基材のいずれか一方、もしくはその両者をともに移動させる方法、または多孔分散板を基材の表面に配設した後、その上から吹き付けることによって、硬質粒子を均等に分散させる。
(5)硬質粒子の吹き付けは、圧縮空気、窒素ガス、アルゴンガスなどの加圧ガスを用いて行う。
(6)ビッカース硬さHV:200以下の金属製基材を80〜300℃に予熱した後、この予熱基材の表面に硬質粒子を吹き付ける。
(7)前記(1)〜(6)記載の前処理方法を行った後、その処理面に直接溶射法によって、酸化物、硼化物、窒化物、珪化物から選ばれる1種以上のセラミック皮膜を被覆する。
即ち、本発明は、基材表面にセラミック溶射皮膜を直接形成するのに先立ち、ビッカース硬さHV:200以下の軟質金属製基材の表面に、金属粒子、セラミック粒子またはサーメット粒子あるいはこれらの混合物からなるビッカース硬さHV:300以上の硬質粒子を分散状態で前記基材表面に突き刺さるように打ち込んで突起状に存在させ、かつ前記軟質金属製基材の表面における硬質粒子の占める面積率が10〜70%となるような粗面化を行うことを特徴とするセラミック溶射の前処理方法である。
また、本発明は、溶射皮膜を形成するべき基材が、ビッカース硬さHV:200以下の軟質金属製基材にて構成されていると共に、その表面には、ビッカース硬さが該金属製基材の硬さよりもHV:100以上硬い硬質粒子を秒速80m以上の飛行速度で吹き付けることにより、その硬質粒子を該基材の表面に分散状態に打ち込んで突起状に存在させると共に、硬質粒子が基材表面に占める面積率で10〜70%となるように粗面化の前処理が施されており、かつその前処理によって粗面化された基材表面には、溶射法によって、酸化物や硼化物、窒化物、珪化物のセラミックスまたはそれのサーメットからなる溶射皮膜が直接形成されてなることを特徴とするセラミック溶射皮膜被覆部材である。
なお、本発明においては、打ち込み用硬質粒子は、その粒子径が10〜250μmで、硬さが、被処理金属製基材の硬さよりもHVで100以上大きいものであることが好ましい。また、本発明において、基材への前記硬質粒子の打ち込みは、飛行速度80m/sec以上の高速度で吹きつけることが好ましく、硬質粒子の前記吹き付けは、吹き付けトーチか金属製基材のいずれか一方、もしくは両者を移動させる方法、または多孔分散板を用いて吹き付けを行う方法により、硬質粒子を金属製基材の表面に点在するように分散させることが好ましく、硬質粒子の吹き付けは、圧縮空気または高圧の窒素ガス、不活性ガスを用いて行うことが好ましく、前記金属製基材を80〜300℃に予熱することが好ましい。
さらに、硬質粒子として、
A:金属;
高炭素鋼、鋳鉄、鋳鋼、Ni、Cr、V、W、Moを含む特殊鋼、Cr、MoあるいはWなどの硬質金属の単独粒子
B:セラミックス粒子;
a.炭化物:WC、Cr 3 C 2 、VC、TiC、HfC、NbC、TaC、ZrC、B 4 C
b.酸化物:Al 2 O 3 、TiO 2 、Cr 2 O 3 、ZrO 2 、HfO、SiO 2
c.窒化物:TiN、VN、NbN、TaN、ZrN、BN、Si 3 N 4 、CrN
d.硼化物:NiB 2 、ZrB 2 、HfB 2 、VB 2 、TaB 2 、NbB 2 、W 2 B 5 、TaB 4
e.珪化物:MoSi、NiSi、FeSi、CrSi、TiSi、HfSi
C:サーメット;
上記セラミックス粒子に、Co、Cr、NiもしくはMo、またはそれらの合金をセラミックスに対し5〜60wt%の割合で混合し、造粒、焼結などによって一体化したサーメット粒子
を使用することが好ましい
本発明によれば、金属製基材の表面に、密着性のよいセラミック皮膜を直接形成することが可能である。そのため、従来は不可欠とされていた金属質アンダーコートの施工が省略できるうえ、金属製基材の表面に打込む各種のセラミックスやサーメットは本質的に耐食性に優れ、またセラミック皮膜そのものは、金属質皮膜に比較して耐食性、耐摩耗性、耐熱性に優れるものが多いので、用途に応じてセラミックスが保有する高い物理的化学的性質を皮膜の形態で利用することができる。
初めに、金属製基材の表面にセラミック溶射皮膜を直接形成した場合の皮膜の剥離機構を考察し、次いで、皮膜の剥離を防止するための本発明の方法とその作用機構について説明する。
(1)金属製基材の表面に形成したセラミック溶射皮膜の剥離機構について
溶射皮膜の剥離原因は、基材表面の油脂類の付着やさびの生成のほか、溶射条件(溶射熱源の種類、溶射距離、溶射雰囲気など)溶射粉末材料の粒径など、多くの因子の影響を受けることが知られている。ここでは、基材の表面が清浄で、かつ溶射法、溶射材料も適性な条件で金属製基材の表面にセラミック皮膜を直接形成した場合に限定して皮膜の剥離原因を考える。
このような限定条件下におけるセラミック溶射皮膜の剥離原因は、金属製基材とセラミック溶射皮膜の熱膨張係数差によって両者の界面に発生する剪断応力によるものである。例えば、金属とセラミックスの熱膨張係数を単純に比較すると概略、次の通りである。(ここでは、単位10-6/℃を省略した数字で表示)
金属:Al(23.5)、Cu(17.0)、Fe(12.1)、Ni(13.3)、オーステナイト系ステンレス 鋼(17〜18)
セラミック:MgO(13.8)、ZrO2(11.8)、Al2O3(8.5)、TiO2・Al2O3(1.4)、WC
(4.5)、Cr3C2(10.3)、TiB2(7.3)、W2B5(7.8)
以上の傾向から明らかなように、金属製基材の熱膨張係数は大きく、一方、セラミックスのそれは小さいので、溶射皮膜形成後、温度変化を与えると、両者間には剪断応力が発生し、その応力値が皮膜と基材間の接合力より大きくなるとき、皮膜の剥離が発生するものと推定される。
また、セラミックスの粒子は、たとえ溶射熱源によって完全に溶融状態になっていても、基材表面に衝突したとき、金属製基材との冶金反応する訳ではなく、接合力の向上が期待できないため、剪断応力の影響を一層強く受けることが予想される。
(2)金属製基材の表面に形成したセラミック溶射皮膜の剥離防止
本発明では、熱膨張係数の大きい金属製基材の表面に、密着性に優れた熱膨張係数の小さいセラミック溶射皮膜を直接形成する手段として、以下の方法を提案する。以下、金属製基材としてCu(17×10-6/℃)、セラミック溶射皮膜としてAl2O3(8.5×10-6/℃)の場合を例にとって説明する。
Cu基材の表面を脱脂した後、その基材表面にAl2O3粒子を含む圧縮空気を吹き付け、該基材表面を粗面化する。このとき、前記粒子が基材表面に残留するするように打込む。この操作は常温もしくは80〜300℃に予熱後に行い、打ち込んだAl2O3粒子の占有面積が10〜70%になるようにする。このような前処理を行った後、溶射法によって直接、各種のセラミック溶射皮膜を施工する。
このようにして基材表面に直接成膜したセラミック溶射皮膜は、基材表面に打ち込まれたAl2O3によって温度変化に伴う基材表面の伸縮が最小限に抑制される一方、突起状に存在するAl2O3がセラミック溶射皮膜粒子のアンカー効果(投錨効果)を伴なって、皮膜密着力を向上させることになるのである。
図1は、上記セラミック溶射皮膜形成宜中の作用機構を模式的に示したものである。即ち、図1(a)は、金属製基材1の表面にAl2O3の粒子2を打ち込んでその一部が埋没した状態を示しており、点線の矢印は残留応力を示し、実線の矢印は環境温度の上昇に伴う引張り応力の発生を図示したものである。また図1(b)は、突起状のAl2O3粒子2を利用して、セラミック溶射皮膜3を形成した状態の皮膜断面である。
このようにして、Al2O3粒子2が打込まれた基材1表面では、圧縮応力が発生するとともに、Al2O3粒子2と基材1間には強い接合力が発生する。その後、環境の温度が上昇すると基材の熱膨張係数に応じて基材の表面に引張り応力が作用することとなるが、Al2O3粒子2の打込みによって存在している圧縮応力との相殺によって、引張り応力の絶対値は小さくなる。一方、突起状態のAl2O3粒子2は、セラミック溶射皮膜のアンカー効果として作用し、基材の温度変化が起こった場合でも、溶射皮膜と基材との結合に大きく貢献して、皮膜の剥離を抑制する。
(3)本発明の適用可能な金属製基材
本発明方法にかかる処理を行うための適用対象となる軟質非鉄金属部材は、次のようなものである。これらの材料は、その硬さがいずれもビッカース硬さで200HV以下のものが用いられる。
a.アルミニウムおよびその合金(例えば、JIS H 4000規定のもの)
b.銅およびその合金(例えば、JIS H 3100規定のもの)
c.ニッケルおよびその合金(例えば、JIS H 4501規定のもの)
d.チタンおよびその合金(例えば、JIS H 4600およびJIS H 4607規定のもの)
上記の他、各金属、合金の鋳物部材、ダイカスト部材であってもその硬さがビッカース硬さで170HV以下であれば本発明方法の適用が可能である。
(4)本発明において使用可能な吹き付け用の硬質粒子
本発明の目的に利用できる硬質粒子の種類とその粒径は次の通りである。
A:金属;
高炭素鋼、鋳鉄、鋳鋼、Ni、Cr、V、W、Moを含むステンレス鋼などの特殊鋼、Cr、MoあるいはWなどの硬質金属の単独粒子が使用できる。
B:セラミックス粒子;
a.炭化物:WC、Cr3C2、VC、TiC、HfC、NbC、TaC、ZrC、B4C
b.酸化物:Al2O3、TiO2、Cr2O3、ZrO2、HfO、SiO2
c.窒化物:TiN、VN、NbN、TaN、ZrN、BN、Si3N4、CrN
d.硼化物:NiB2、ZrB2、HfB2、VB2、TaB2、NbB2、W2B5、TaB4
e.珪化物:MoSi、NiSi、FeSi、CrSi、TiSi、HfSi
これらのセラミックス類の硬さは、HV≧1000以上であるので、好適に使用できる。
C:サーメット;
上記セラミックス材料に、Co、Cr、NiおよびMo、またはそれらの合金をセラミックスに対し5〜60wt%の割合で混合し、造粒、焼結などによって一体化したサーメット粒子
これらの硬質粒子の大きさは、直径10〜250μmのものが好適であり、特に10〜50μmのものが好ましい。粒径が10μmより小さい粒子では、被処理体に対する衝突エネルギーが小さく、その表面に突き刺さったり内部へ埋没することが少なく、本発明の目的のために使用することができない。また、粒径が250μmより大きいものは、被処理体への突き刺さり現象が十分ではなく、使用時に粒子が脱落することがあるので適当でない。
ただ、基材表面に突き刺さったり、内部へ埋没しない粒子であっても、基材表面に衝突した場合には、いわゆるピーニング効果を発揮して基材表面に圧縮応力を残留させるので全く無駄な存在ではない。
なお、硬質粒子の打込みに際しては、金属製基材を80〜300℃程度に予熱することが好ましい。それは、硬質粒子の打ち込量(残留量)を多くすることができると共に、基材と打ち込み粒子の接合力を向上させる上で好適である。その予熱温度は、80℃以下では、上記のような効果が少なく、また300℃以上高くなると、基材が酸化されて表面の化学的活性が消失したり、また基材質(例えば、Al)によっては、変形、軟化するおそれがあるので好ましくない。
(5)本発明の目的に適用可能な成膜用セラミック材料
金属製基材の表面に、硬質粒子を打ち込んだ後、その上に溶射法によって直接皮膜を形成する際のセラミック材料の種類は、上掲のセラミック粒子はすべて使用することができ、また粒径は5μm〜120μmの範囲のものが好適である。その理由は、5μmより小さいと、粒子の流動性が悪いため、溶射ガンへの供給が円滑に行われ難く、また120μmより大きい粒径のものは、溶射熱源によって十分に溶融することができず、緻密な皮膜の形成が困難だからである。
(6)本発明の目的に適用可能な溶射法
セラミック皮膜の形成に用いる溶射法として、大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法および爆発溶射法のいずれの方法も利用することができるので、溶射法については特に規定するものではない。また溶射に際し、本発明の前処理を施工した基材を常温状態で直接成膜することが可能であるが、溶射に先立って基材温度を80〜300℃に予熱すると、溶射皮膜の密着性が一段と向上するので好適である。大気の雰囲気中で300℃以上に予熱すると基材の表面に酸化スケールが生成してセラミック皮膜の密着性を低下させるおそれがあり適当でない。
(実施例1)
この実施例では、各種の軟質金属基材の表面に、Al2O3やセラミックスと88mass%WC-12mass%Coサーメットとをそれぞれ圧縮空気を用いて打ち込んだ後、その処理済み基材表面に対して、大気プラズマ溶射法によってAl2O3溶射皮膜を直接形成した。そして、得られた溶射皮膜の密着性を、環境温度を変化させることによって評価した。
(1)供試金属基材(寸法 幅50mm×長さ100mm×厚6mm)
(1)アルミニウム(JIS H 4000規定 A1070)
(2)銅 (JIS H 3100規定 C1020)
(3)ニッケル (市販の純ニッケル 純度99.5mass%)
(4)チタン (JIS H 4600規定3種TP 480 H)
(5)SUS 304 鋼
(2)基材へ打ち込んだ粒子の種類と打ち込み量
(1)Al2O3(市販品 粒径10〜50μm)
(2)88mass%WC-12mass%Co(市販品 粒径5〜40μm)
打ち込み量は、打ち込み処理部を拡大鏡にて観察する一方、画像解析装置を用いて、概略打込み材の占有面積が次の範囲になるように調整した。
(1)打込み処理なし(占有率0 比較例)
(2)打込み処理 (占有率5〜9% 比較例)
(3)打込み処理 (占有率10〜70% 適合例)
(4)打込み処理 (占有率90%以上 比較例)
(3)溶射皮膜材料と溶射方法
溶射皮膜材料をAl2O3セラミックスとし、これを大気プラズマ溶射法によって、打込み処理を施した金属基材の表面に150μm厚の溶射皮膜を形成させた。
(4)溶射皮膜の密着性評価試験方法
上記の要領で形成した溶射皮膜試験を150℃に維持した電気炉中で15分間加熱した後、これを室温20℃にて放冷する操作を3回繰返し、主として目視によって皮膜の剥離、割れの発生などを観察記録することによって行った。
(5)試験結果
試験結果を表1に要約した。この結果から明らかなように、基材に対してAl2O3、WC-Co粒子の打ち込みがない試験片(No1、6)および打込み材の占有面積が小さい試験片(No2、7)では、基材質の種類を問わず、1〜2回の加熱冷却操作によって皮膜の剥離が認められた。また、打込材の占有面積が90%以上の試験片(No5、10)では、前者の試験片に比較すると良好な密着性を示したが、この皮膜でも2回の加熱冷却の繰返して剥離した。
これに対し、本発明に係る打ち込み材の占有率を有する試験片の皮膜(No3、4、8、9)は、3回の加熱冷却を与えて皮膜の剥離は認められず、良好な密着性を示した。
Figure 0004022508
(実施例2)
この実施例では、実施例1で使用した金属基材のAl、SUS 304鋼を用い、この表面にSiO2粒子を打ち込んだ後、大気プラズマ溶射法によって次の酸化膜を150μm厚に直接形成した。
(1)Al2O3-40mass%TiO2
(2)Cr2O3
(3)Y2O3
(4)8mass%Y2O3-ZrO2
(5)TiO2
SiO2粒子の打ち込みは、圧縮空気を用い、基材表面に粒子の占有率が30〜50%になるように調整したものと、打ち込みをしない基材を比較例として供試した。
これらの試験片は、実施例1と同じ条件の加熱・冷却の繰返し試験を行って、皮膜の密着性を評価した。
表2は以上の結果を取りまとめたものである。この結果から明らかなように、比較例のSiO2粒子の打ち込みのない試験片(No1、2)では、基材の種類に関係なく、すべての溶射皮膜は剥離した。これに対しSiO2粒子を打ち込んだ試験片(No2、3)では、皮膜の剥離は全く認められず、良好な密着性を示した。
Figure 0004022508
(実施例3)
この実施例では、本発明に係る溶射皮膜の密着性を機械的な衝撃を与えることによって評価した。金属基材は、AlとSUS304とし、打ち込み処理にAl2O3とSiN4を用い、打ち込み材の占有率を実施例1とほぼ同じように変化させた後、減圧プラズマ溶射法によって、Al2O3セラミックスを150μm厚に形成した。評価方法は、JIS H 8661亜鉛溶射製品試験方法に規定されている落下球試験法を適用した。すなわち、直径40mmの鋼球を1mの高さから水平に対し、45度に傾斜させた試験片に落下させ、皮膜の剥離状況を調査した。表3は、この結果を要約したものである。打ち込み材のない試験片(No1、6)および打ち込み材の占有率が10%未満(No2、6)の試験片の皮膜は、1回の鋼球落下試験で皮膜が剥離した。また、打ち込み材の占有率が90%以上の試験片(No5、10)の皮膜では、1〜2回の鋼球で剥離した。
これに対し、打ち込み材の占有率10〜70%の試験片(No3、4、8、9)では、3回の鋼球落下に対しても溶射皮膜に亀裂の発生は認められるものの、剥離現象は見られなかった。
Figure 0004022508
(実施例4)
この実施例では、アルミニウム(A 1070 幅50mm×長さ100mm×厚6mm)の基材表面に、Al2O3セラミックスの粒子を圧縮空気を用いて打ち込んだ後、その表面に対して、直接減圧プラズマ溶射法を用いて、各種のセラミック皮膜を150μm厚に形成した。
その後、これらの試験片を加熱−冷却の繰返しによる熱衝撃試験を行い溶射皮膜の密着性を調査した。
(1)打ち込み用Al2O3粒子(粒径10〜50μm)
(2)打ち込み処理(Al2O3粒子の占有率0 比較例)
(占有率5〜8% 比較例)
(占有率30〜50% 適合例)
(占有率50〜70% 適合例)
(占有率71%以上 比較例)
(3)溶射皮膜材料と溶射方法
Si3N4、CrB2、WC、MoSiを用い減圧プラズマ溶射法を用いて、それぞれ150μm厚に成膜した。なお、溶射開始時における基材温度は110℃〜120℃であった。
(4)溶射皮膜の密着性試験方法
溶射皮膜試験片は、150℃に維持した電気炉中で15分間加熱した後、これを室温20℃にて放冷する操作を3回繰返し、主として目視によって皮膜の剥離の有無を調査した。
(5)試験結果
試験結果を表4に要約した。この結果から明らかなように、Al2O3粒子の打ち込みがない基材(No1)、打ち込み量が少ない基材(No2)および打ち込み量が71%以上の基材(No5)では、溶射皮膜の密着性は乏しく、加熱・冷却の操作を3回繰り返しただけで、皮膜の50%以上が剥離した。これに対し、Al2O3粒子の打込量20〜50%(No3)、50〜70%(No4)の試験片では、溶射皮膜の種類に関係なく、すべての供試皮膜に剥離現象は認められず、良好な密着性を有することが確認された。
Figure 0004022508
本発明の技術は、耐食性、耐高温酸化性、耐摩耗性、耐絶縁性などが要求される部材に対し、適用することができ、特に各種のハロゲン系ガスが含まれる強い耐食性雰囲気下で使用される部材の表面処理皮膜として好適である。
図1(a)は、軟質金属基材の表面に硬質粒子を打ち込んだ状態を断面として表示したものである。図1(b)は、図1(a)のように硬質粒子を打ち込んだ後、直接セラミック溶射皮膜を形成した場合の断面状態を模式的に示したものである。
符号の説明
1 金属製基材
2 基材表面に打ち込まれた硬質粒子
3 セラミック溶射皮膜

Claims (9)

  1. 基材表面にセラミック溶射皮膜を直接形成するのに先立ち、ビッカース硬さHV:200以下の軟質金属製基材の表面に、金属粒子、セラミック粒子またはサーメット粒子あるいはこれらの混合物からなるビッカース硬さHV:300以上の硬質粒子を分散状態で前記基材表面に突き刺さるように打ち込んで突起状に存在させ、かつ前記軟質金属製基材の表面における硬質粒子の占める面積率が10〜70%となるような粗面化を行うことを特徴とするセラミック溶射の前処理方法。
  2. 硬質粒子として、
    A:金属;
    高炭素鋼、鋳鉄、鋳鋼、Ni、Cr、V、W、Moを含む特殊鋼、Cr、MoあるいはWの硬質金属の単独粒子
    B:セラミックス粒子;
    a.炭化物:WC、Cr3C2、VC、TiC、HfC、NbC、TaC、ZrC、B4C
    b.酸化物:Al2O3、TiO2、Cr2O3、ZrO2、HfO、SiO2
    c.窒化物:TiN、VN、NbN、TaN、ZrN、BN、Si3N4、CrN
    d.硼化物:NiB2、ZrB2、HfB2、VB2、TaB2、NbB2、W2B5、TaB4
    e.珪化物:MoSi、NiSi、FeSi、CrSi、TiSi、HfSi
    C:サーメット;
    上記セラミックス粒子に、Co、Cr、NiもしくはMo、またはそれらの合金をセラミックスに対し5〜60wt%の割合で混合し、造粒、焼結などによって一体化したサーメット粒子
    を使用したことを特徴とする請求項1に記載のセラミック溶射の前処理方法。
  3. 打ち込み用硬質粒子は、その粒子径が10〜250μmで、その硬さが、被処理金属製基材の硬さよりもHVで100以上大きいものであることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック溶射の前処理方法。
  4. 基材への前記硬質粒子の打ち込みは、飛行速度80m/sec以上の高速度で吹きつけることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミック溶射の前処理方法。
  5. 硬質粒子の前記吹き付けは、吹き付けトーチか金属製基材のいずれか一方、もしくは両者を移動させる方法、または多孔分散板を用いて吹き付けを行う方法により、硬質粒子を金属製基材の表面に点在するように分散させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミック溶射の前処理方法。
  6. 硬質粒子の吹き付けは、圧縮空気または高圧の窒素ガス、不活性ガスを用いて行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のセラミック溶射の前処理方法。
  7. 前記金属製基材を80〜300℃に予熱することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のセラミック溶射の前処理方法。
  8. 溶射皮膜を形成するべき基材が、ビッカース硬さHV:200以下の軟質金属製基材にて構成されていると共に、その表面には、ビッカース硬さが該金属製基材の硬さよりもHV:100以上硬い硬質粒子を秒速80m以上の飛行速度で吹き付けることにより、その硬質粒子を該基材の表面に分散状態に打ち込んで突起状に存在させると共に、硬質粒子が基材表面に占める面積率で10〜70%となるように粗面化の前処理が施されており、かつその前処理によって粗面化された基材表面には、溶射法によって、酸化物や硼化物、窒化物、珪化物のセラミックスまたはそれのサーメットからなる溶射皮膜が直接形成されてなることを特徴とするセラミック溶射皮膜被覆部材。
  9. 硬質粒子として、
    A:金属;
    高炭素鋼、鋳鉄、鋳鋼、Ni、Cr、V、W、Moを含む特殊鋼、Cr、MoあるいはWなどの硬質金属の単独粒子
    B:セラミックス粒子;
    a.炭化物:WC、Cr3C2、VC、TiC、HfC、NbC、TaC、ZrC、B4C
    b.酸化物:Al2O3、TiO2、Cr2O3、ZrO2、HfO、SiO2
    c.窒化物:TiN、VN、NbN、TaN、ZrN、BN、Si3N4、CrN
    d.硼化物:NiB2、ZrB2、HfB2、VB2、TaB2、NbB2、W2B5、TaB4
    e.珪化物:MoSi、NiSi、FeSi、CrSi、TiSi、HfSi
    C:サーメット;
    上記セラミックス粒子に、Co、Cr、NiもしくはMo、またはそれらの合金をセラミックスに対し5〜60wt%の割合で混合し、造粒、焼結によって一体化したサーメット粒子
    を使用したことを特徴とする請求項8に記載のセラミック溶射皮膜被覆部材。
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