JP3172488B2 - 耐摩耗性に優れる軟質非鉄金属部材および軟質非鉄金属部材の表面改質方法 - Google Patents
耐摩耗性に優れる軟質非鉄金属部材および軟質非鉄金属部材の表面改質方法Info
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Description
軟質非鉄金属部材および硬質粒子の高速熱間吹き付けに
よって軟質非鉄金属部材の表面を改質する方法に関する
ものである。なお、本発明の上記表面改質方法は、軟質
非鉄金属部材の表面改質以外にも、プラスチック成形部
材、ゴム加工部材、木材加工部材などの表面処理技術へ
の適用も可能である。
ニウムの場合で説明する。アルミニウムおよびその合金
(以下、単に「Al」で略記する) は、軽量で加工性に富
み、適度な機械的性質と耐食性を有することから、航空
機・スペースシャトルなどの飛翔体、鉄道車輛、高速
船、コンテナー、ガソリンエンジン本体、建築用部材を
はじめ、各種の産業用部材として広く利用されている。
いという欠点がある。従来、このAlの耐摩耗性を改善す
るための次のような表面処理技術が提案されている。 (1) Alの表面に、硬質の顔料を含む塗装を施工する。 (2) Alの表面に、硬質のクロムめっき、ニッケルめっ
き、酸化物粒子を分散させためっき膜を形成する。 (3) Alの表面に、無電解めっき法によって硬質のニッケ
ル−燐合金めっき膜を形成する。 (4) Alを電解液中で、陽極酸化してその表面に硬質の陽
極酸化膜を形成させる。 (5) Alの表面に真空蒸着法、イオンプレーティング法
(PVD)によって硬質のTiN, TiCなどの被覆をす
る。 (6) Alの表面に、硬質の金属の合金、酸化物、炭化物な
どを溶射被覆する。
が知られている。 (7) Al基材を、硬質の皮膜で被う方法 (特開昭63−5325
2 号公報、特開昭63−297546号公報) (8) Al基材上に、Alを被覆したセラミックス粒子を塗布
しておき、これを溶接用トーチで加熱溶融する方法 (特
開平3−249185号公報) (9) Al基材を、N2 とArガス雰囲気中で加熱して硬化層
を形成する方法 (特開昭55−8411号公報) (10) Al基材の表面に、B, N, O, Pなどのイオンを
注入して硬化する方法 (特開昭47−30541 号公報)
れ、また先願開示されている技術を要約すると、(a) Al
基材表面に、陽極酸化法、塗装、蒸着法、電気めっき
法、無電解めっき法、溶射法などによって硬質皮膜を形
成するもの、(b) Al基材と直接反応ガス成分を接触させ
るか、あるいは反応容易な金属酸化物, 金属類を被覆し
た後、これを加熱処理することによって硬質皮膜を形成
させるもの、(c) Al基材表面に、B, N, O, Arなどの
イオンを注入して硬化させるもの、などに大別される。
は、チタンおよびその合金、銅およびその合金、ニッケ
ルおよびその合金などの軟質非鉄金属とその合金類共通
のものである。
抱える次に示すような問題点を解決するところにある。 (1) 軟質非鉄金属部材の表面に硬質皮膜を形成する従来
技術 ((a) に相当する技術) では、処理時間と労力を要
し経済的負担が大きい上、常に硬質皮膜の密着力不足に
起因する剥離現象を伴う。 (2) 本発明と類似の方法である溶射法により形成される
溶射皮膜は、基材との密着性に乏しく、しばしば溶射皮
膜の剥離が発生するほか、該皮膜を構成する粒子の相互
結合力も弱く、皮膜が局部的に脱落することが多い。 (3) また、前項記載の溶射法を除く他の表面処理技術
(a) および(b),(c) の方法は、いずれも大型の部材に対
する処理が困難 (処理装置, 設備の関係) であり、小物
部材に限定される。 (4) 特に(c) による方法では、イオン注入設備が高価な
うえ、適用ガス種が限定されるほか、その用途も一部の
電子工業分野にとどまり、本発明の対象となる一般産業
分野の機械構造部材用としては適当でない。
表面の耐摩耗性を向上させることにある。本発明の他の
目的は、軟質非鉄金属部材表面の耐摩耗性を単に硬質粒
子を熱間吹き付けすることだけで簡便に向上させるため
の表面改質方法を提案することにある。本発明のさらに
他の目的は、軟質非鉄金属部材表面への硬質粒子の高速
熱間吹き付けに加えてさらに炭素を付着させることで、
より一層強固な耐摩耗性表面にすることにある。
として本発明は、軟質部材の表面を強化 (耐摩耗性,強
度) するにはその表面を硬質の粒子で補強することが有
効であるという基本的な考え方の下で、その軟質部材の
表面に、皮膜を形成する方法ではなく、単に細かい硬質
の粒子を突き刺さるように埋め込むことにより表面の改
質を行う方法および、耐摩耗性に優れる軟質非鉄金属部
材を提案する。
に、金属粒子, セラミック粒子および/またはサーメッ
ト粒子からなる硬質粒子を、飛行速度150 m/sec 以上の
高速熱間吹き付けを行って非溶融状態のまま衝突させる
ことにより、分散状態で埋め込むことを特徴とする耐摩
耗性に優れる軟質非鉄金属部材の表面改質方法である。
っては、粒子の飛行速度を制御することにより硬質粒子
の温度を300 ℃〜粒子の軟化点直下の範囲内にすること
が好ましい。本発明においては、硬質粒子の高速熱間吹
き付けを、吹き付けトーチ、被処理部材のいずれか一方
もしくは両方を移動させる方法、または多孔分散板を用
いて吹き付けを行う方法により、硬質粒子が基材表面に
均一に点在するように分散させることが好ましい。本発
明においては、前記高速熱間吹き付けの方法として、可
燃性ガスの燃焼フレーム、可燃性ガスの爆発エネルギ
ー、ガスプラズマ、レーザなどを熱源とする非溶融形式
の溶射方法を適用することが好ましい。本発明において
は、軟質非鉄金属部材の表面に分散状態で埋め込まれた
硬質粒子の占める面積を、部材表面積の5〜90%の範囲
内とすることが好ましい。本発明において、硬質粒子
は、硬さが非処理部材の硬さよりもHv:80以上大きく、
粒子径が1〜250 μm の範囲内の大きさのものを用いる
ことが好ましい。また、本発明においては、軟質非鉄金
属基材の表面に、炭化物粒子もしくは炭化物系サーメッ
ト粒子を、飛行速度 150 m/sec以上の高速熱間吹き付け
を行って非溶融状態のまま飛行させて衝突せしめること
により、その表面に分散状態で突き刺さるように埋め込
み、その後、前記埋め込み粒子の露出部分に無定形炭素
を付着させて被覆することが好ましい。
ル, チタンおよびこれらの合金からなりかつその硬さが
ビッカース硬さで170Hv 以下である軟質非鉄金属基材の
表面に、金属粒子, 炭化物や酸化物, 硼化物, 窒化物,
珪化物などのセラミック粒子およびこれらのセラミック
スにCo, Cr, Ni, Moなどの金属あるいは合金からなるサ
ーメット粒子のいずれか1つまたはこれらの混合物から
なる、ビッカース硬さで250 Hv以上の硬質粒子が、面積
率で5〜90%を占めるように、かつその粒子の一部が上
記金属基材中に分散状態で突き刺さるように埋没してい
ることを特徴とする耐摩耗性に優れる軟質非鉄金属部材
である。
の表面に突き刺さるように分散状態で埋め込まれた硬質
粒子が、炭化物粒子もしくは炭化物系サーメット粒子の
場合、これらの粒子の露出部が0.01〜5μm 厚みの無定
形炭素の薄膜にて被覆されていることが好ましい。また
本発明において、硬質粒子は、硬さが非処理部材の硬さ
よりもHv:80以上大きく、粒子径が1〜250 μm の範囲
内の大きさのものを用いることが好ましい。
材の表面に、硬質粒子, 例えば、高炭素鋼,鋳鉄, 鋳鋼,
特殊鋼などの金属系粒子, 炭化物, 酸化物, 珪化物,
窒化物, 硼化物などのセラミックス粒子およびそれらの
セラミックスと金属とからなるサーメット粒子のいずれ
か、もしくは2種以上の混合粒子を、高速熱間吹き付け
することによって、これらの粒子を非溶融状態で飛行さ
せて突き刺すように埋め込ませることによって、該非鉄
金属部材表面の耐摩耗性を向上させることにある。この
ように、非鉄金属部材表面に高速で熱間吹き付けされた
硬質金属, セラミックスおよびサーメット粒子は、非溶
融状態の熱粒子となって軟質非鉄金属基材の表面に突き
ささり、その内部に塑性変形を伴って埋没し、切れされ
ることによって強固に固定され、その結果、該基材表面
は前記硬質の埋没粒子群によって耐摩耗性が向上する。
硬質粒子を高速熱間吹き付けしたときに粒子が局部的に
堆積したり、あるいは薄い皮膜となって表面を被覆した
場合には、これらの皮膜を機械的に除去することによっ
て、基材に突きささったり、基材内部に埋没した粒子群
のみを残留させることが好ましい実施の態様となる。
に埋没した硬質金属, セラミックあるいはサーメットの
粒子は、基質の軟質金属に比較してはるかに高硬度であ
るから、非鉄金属基材の表面は優れた耐摩耗性を発揮す
ることとなる。特に、耐摺動摩耗性は金属同士による焼
付き現象がなくなるので、一段と向上する。なお、本発
明の他の好適実施態様としては、非鉄金属部材の表面に
炭化物もしくは炭化物サーメットを分散状態に埋め込ん
だものについては、とくに露出した粒子に対し無定形炭
素(Diamond Like Coating;以下、単に「DCL」と略
記する) を付着させて被覆する処理を行うことによっ
て、すべり特性が著しく向上するので、耐摺動摩耗性が
要求される部材には好適である。
は、金属 (合金) などを溶射して皮膜を形成する技術、
特にその成膜プロセスの研究の中で知見した方法であ
り、その溶射方法に代えて高速熱間吹き付け方法に基づ
いて軟質非鉄金属部材の表面を改質する方法である。す
なわち、本発明は、軟質非鉄金属部材の表面に、硬質粒
子を高速熱間吹き付け方法 (吹き付け粒子は軟化, 溶融
することなくリジッドな固体状態のままで被着面に到達
する) により、その表面にランダムに点在 (分散状態)
させた状態で埋め込ませる方法であり、その埋め込みの
態様が、高速で吹き付けられた各粒子が被着面 (表面
層) に突き刺さるように衝突して埋没した状態になる。
その結果、非鉄金属部材の表面に硬質の粒子を吹き付け
ると、表面が硬質化し、ひいてはこの表面の耐摩耗性が
向上するのである。
と類似するものとしては、いわゆる溶射法がある。一般
に溶射法は次のように定義されている。 「金属, セラミックスおよびこれらの混合物 (サーメッ
ト) を高温のガス炎やプラズマ環境下に投入して、溶融
もしくは半溶融状態の微粒子とし、基体表面に吹き付け
て皮膜を形成させる表面処理技術」 このように溶射法は、被着面の表面に皮膜を形成する表
面処理技術であり、この目的を達成させるため、セラミ
ックスや金属などの微粒子を熱源中で溶融したり、半溶
融状態にして吹き付けるため、飛行粒子が容易に変形
(偏平化) して被着面に堆積するように付着し、皮膜化
するのである。したがって、溶射法の場合、セラミック
スや金属の微粒子に十分な熱を与えず、例えば本発明の
ように被溶融状態のままのリジットな固体粒子のまま吹
き付けると、たとえ皮膜が形成されたとしても多孔質で
密着性に乏しいものとなり、使用に耐えないものとな
る。これに対し、本発明にかかる高速熱間吹き付け方法
は、粒子を飛行中に溶融させず、硬い固体粒子のまま吹
き付ける方法であると言える。以下に、本発明方法に従
う高速熱間吹き付け方法についてさらに詳しく説明す
る。
関し、燃焼炎やプラズマなどの熱源中を飛行するセラミ
ック粒子や金属粒子などの吹き付け粒子の挙動と基材表
面に衝突した際の作用機構について実験を重ね、次のよ
うな結論を得た。即ち、本発明にかかる高速 (≧150 m/
sec)熱間吹き付け方法を採用すると、 (1) 熱源中を飛行する吹き付け粒子は加熱され昇温する
ものの、その温度は低く300℃〜粒子の軟化点直下の溶
融点に達しないため、固体状態のままで軟質非鉄金属部
材の基材表面に衝突して突きささるか、もしくはAlのよ
うに融点が低く軟質の金属部材では表面から10〜30μm
内部へ侵入, 埋没する。 (2) 熱源と接することで熱エネルギーを保有する吹き付
け粒子は、さらに基材表面に高速度で衝突することによ
り衝突エネルギーを熱エネルギーに変えることによっ
て、金属内部へ深く侵入する。 (3) 上記(1) および(2) の現象によって、基材表面に突
きささったり、内部に侵入し埋没した吹き付け粒子は、
冷却するに従って基材の収縮によって強固に固定される
ので脱落することが少ない。従って、本発明方法に従っ
て吹き付けた粒子と基材との密着力は、溶射皮膜の密着
力に比較するとはるかに強固である。
〜(3) の現象を利用して、軟質非鉄金属部材の表面に、
硬質の吹き付け粒子をランダムに点在するが如きの態様
で埋め込んでおけば、溶射皮膜のように全面被覆しなく
ても十分な耐摩耗性付与ができることを確認したもので
ある。一方、低温の吹き付け粒子を非鉄金属基材表面に
衝突させると、基材表面がブラストされて粗面化し、溶
射粒子の一部が突きささるが、この程度の表面状態では
耐摩耗性は向上せず、むしろ表面の粗面化による機械的
悪影響が顕在化するだけである。この意味で本発明にお
いては、粒子の飛行速度の管理は極めて重要である。
金属基材表面にランダムかつできれば均一分布をもって
分散吹き付けを行うためには、例えば、市販の溶射用ガ
ンを用いて飛行速度を 150 m/sec 以上の高速で吹き付
けると共に、このガンと被処理基材との少なくともいず
れか一方を高速で動かすことが有効である。
高速熱間吹き付けを行う方法としては、図1に示すよう
に、吹き付けガン1と被処理体2の中間に多孔質 (例え
ば 0.5〜5mm径の多数の孔を穿設したもの) の分散板3
を配設して熱間吹き付けを行う。なお、図示の5は溶射
熱源の流れ、6は分散板に設けた貫通孔を示す。ただ
し、いずれの方法の採用であっても、もし、吹き付け粒
子が被処理体表面で局部的に堆積したり、ときには皮膜
状を呈するような場合には、これらの堆積粒子あるいは
皮膜を機械的に除去することによって、粒子の点在化を
達成してもよい。
めのガンは、可燃性ガスまたは液体の燃焼炎、爆発エネ
ルギー、プラズマジェット、レーザーなどを熱源とする
ものが使用できる。
いて重要なことは、硬質粒子を基材表面に突きささるよ
うに埋め込むための衝突による発熱エネルギーを確保す
ることと、熱源中を飛行する粒子が溶融しないでかつ衝
突時にめり込むための適当な熱エネルギー, 即ち粒子温
度を確保することである。そのために本発明では、吹き
付ける硬質粒子の飛行速度を 150 m/sec以上、好ましく
は 200 m/sec以上に制御する。飛行速度が 150 m/secよ
り遅くなると、熱源によって加熱される時間が長くなっ
て粒子が溶融したり、また、被処理体表面へのめり込み
が不十分となり、軟質非鉄金属部材の耐摩耗性を向上さ
せるという効果が減殺される。
硬質粒子は、熱間吹き付け粒子がこの熱源に接して加熱
昇温されることを必要とするが、溶融状態を示さず飛行
速度の制御によって 300℃〜粒子の軟化点直下程度の温
度でリジットな固体の粒子のまま被処理体表面に突きさ
さったり、またその内部へ埋没する侵入エネルギーに耐
えるものであることが必要である。この目的に適う材料
として、次のようなものが好適である。 A:金属; 高炭素鋼、鋳鉄、鋳鋼、Ni, Cr, V, W, Moを含むステ
ンレス鋼などの特殊鋼、Cr, MoあるいはWなどの硬質の
金属も単独粒子として使用することができる。 B:セラミックス粒子; (1) 炭化物:WC, Cr3C2, VC, TiC, HfC, NbC, TaC, Zr
C, B4C (2) 酸化物:Al2O3, TiO2, Cr2O3, ZrO2, HfO (3) 窒化物:TiN,VN, NbN, TaN, ZrN, BN, Si3N4, CrN (4) 硼化物:NiB2, ZrB2, HfB2, VB2, TaB2, NbB2, W2B
5, TaB4 (5) 珪化物:MoSi, NiSi, FeSi, CrSi, TiSi, HfSi これらのセラミックス類の融点はいずれも1500℃以上、
硬さはHv 1000 以上であるので、好適に使用できる。 C:サーメット; 上記セラミックス材料に、Co, Cr, Ni, Moおよびそれら
の合金をセラミックスに対し5〜60wt%の割合いで混
合, 焼結, 造粒などの手法で一体化したサーメット粒子
μm のものが適当であり、特に10〜50μm のものが好適
である。粒径が1μm より小さい粒子では、被処理体に
対する衝突エネルギーが小さく、その表面に突きささっ
たり内部へ埋没することがなく、本発明の目的のために
使用することができない。また、粒径が250 μm より大
きいものは、溶射熱源中における加熱昇温が不十分とな
り、被処理体への突きささり現象が十分でなく、使用時
に粒子が脱落することがあるので適当でない。ただ、1
μm 以下の微粒子でも、これを造粒して10μm 以上の粒
径にしたものは、好適に用いられる。
うな高速熱間吹き付けによって、硬質粒子を被処理体表
面に突入させたり、また埋没させたもののうち、吹き付
ける硬質粒子が炭化物, 炭化物サーメット粒子である場
合には、それぞれの粒子の露出部に対し、さらに無定形
炭素薄膜(Diamond Like Coating,以下「DLC」とい
う) をコーティングすることが有効である。このよう
に、さらにDLC処理を施すと、被処理体は一段と耐摩
耗性、特に潤滑特性が向上する。
のである。この装置は、DLC生成用の反応器22とこの
反応器22の先端部を収納したチャンバー23から主として
構成されており、そのチャンバー23内には前記反応器22
の噴射口22a に面して硬質粒子を噴射した試料21が配設
される。無定形炭素を発生させるための原料となる炭化
水素ガスは、反応器22の後部に設けられた注入口22b か
ら送り込まれる。この反応器22に配設されている白金製
のメッシュ電極24は、直流電源26を通じて試料21と接続
され、両者間に電圧を負荷できるようになっている。
れた炭化水素ガスは、メッシュ電極24と高周波励起コイ
ル25との作用によって分解し、電荷をもった無定形炭素
の超微粒子となって飛行し試料表面へ衝突し、露出して
いる炭化物, 炭化物サーメット粒子上に付着する。この
場合、被処理体マトリックスがAl, Cu, Niやそれらの合
金である場合、炭素との化学的親和力が小さいため、D
LCは付着しない。ただし、Tiとその合金がマトリック
スである場合には付着して薄膜を形成する場合がある。
本発明の効果は炭化物, 炭化物サーメット粒子の表面に
DLCが形成されれば、その効果が発揮されるので、マ
トリックス金属へのDLC薄膜形成の有無については特
に制約を受けるものではない。なお、未反応の炭化水素
ガスや試料21表面に付着しなかった無定形炭素の微粒子
は、反応器22の一端に設けられている排出口22c から真
空ポンプ (図示せず)によって系外へ排出するようにな
っている。
生成されるDLC薄膜は、厚さが0.01〜5 μm 、好まし
くは0.05〜2.0 μm とするのがよい。このDLC薄膜が
0.01μm より薄いとDLC薄膜としての機能が十分に発
揮できず、5μm 以上の厚さでは多大の時間を要するう
え、2μm 厚のものに比較すると性能に差がないため、
経済的に得策でない。一方、炭化物, 炭化物サーメット
上に形成されたDLC薄膜は、超高硬度( Hv:3000〜50
00) を有するので、優れた耐摩耗性を発揮し、また非常
に摩擦係数が小さい(0.1) うえ、熱伝導率が極めて大き
い (10〜20w/cm・℃) ため、摩擦熱の発生が少ないな
どの特徴がある。従って、この材料を潤滑特性を重視す
るような用途部材、例えば、ポンプスリーブ, ピストン
リング, シリンダー, 軸受などに使用することは特に好
適と言える。
硬質粒子の非鉄金属部材表面上における占有面積率は、
5〜90%の範囲とするのがよい。5%以下では耐摩耗性
効果が少なく、一方、90%以上にすると溶射皮膜と同等
の性質を示すこととなる。ここで占有面積率とは次のよ
うな定義によるものである。 占有面積率=A/B×100 ここで、Aは (単位面積当たり) 溶射粒子が占める面積 Bは (単位面積当たり) 非鉄金属部材の有効処理面積
となる軟質非鉄金属部材は次のようなものがある。即
ち、これらの材料は、その硬さがいずれもビッカース硬
さで170 Hv以下である。 アルミニウムおよびその合金 (例えば、JIS H 4000
規定のもの) 銅およびその合金 (例えば、JIS H 3100規定のも
の) ニッケルおよびその合金( 例えば、JIS H 4501規定
のもの) チタンおよびその合金( 例えばJIS H 4600およびJI
S H 4607規定のもの) 上記の他、各金属, 合金の鋳物部材, ダイカスト部材で
あってもその硬さがビッカース硬さで170 Hv以下であれ
ば本発明方法の適用は可能である。
子の飛行速度と各種軟質非鉄金属試験片への粒子の残留
状況と内部への埋没粒子の有無を調査した。高速熱間吹
き付けの方法は、灯油を燃料とする高速フレーム吹き付
けを適用し、そのフレーム中を飛行する粒子の速度は、
吹き付けガンと試験片の距離および燃焼圧力を変化させ
ることによって調整した。粒子の飛行速度はレーザスト
ロボで計測したが、この実験では 120〜310 m/sec の範
囲にあった。
縦 100mm×厚6mm) アルミニウム (JIS H 4000規定 A1070) 銅 (JIS H 3100規定 C1020) ニッケル (市販純ニッケル 純度99.5wt%) チタン (JIS H 4600規定3種 TP480H) (2) 溶射粒子の種類 (粒径10〜50μm ) WC−12wt%Co (WC−12Coと表示) Al2O3 (市販品) 13 %Cr鋼 (JIS G 4303規定 SUS430 を細粉したも
の) Mo (市販品)
片との間に、直径1mmの多数の孔を穿けた鋼製の分散板
を立設し、この孔を通過する粒子を試験片表面に分散付
着 (点在) させるようにした。この試験片面上に付着し
た粒子数を拡大鏡によって調べ、その後SiC #120 エメ
リペーパーを用いて手で軽く押さえて20回往復させた
後、再び拡大鏡で観察し、研磨後に試験片面上に残留し
ている粒子数を調査し、次式によって残留率を求めた。 溶射粒子の残留率=A′/B′×100 ここで、A′は試験後の溶射粒子数、B′は試験前の溶
射粒子数である。また、残留率測定後、試験片を切断し
て、内部に埋没している溶射粒子の有無を調べた。
果から明らかなように、飛行速度が遅い (No.1〜4 120
〜130 m/sec)硬質粒子は、試験片への衝突エネルギーが
小さいため、その表面に突きささる数は多いものの、エ
メリペーパーを押し付けて研磨すると大部分が簡単に脱
落した。これは粒子の突きささり (めり込み) 現象が浅
く、機械的加工されると脱落し易いことがわかる。一
方、試験片の内部へ完全に埋没している粒子は、アルミ
ニウム, 銅, ニッケル, チタン等すべての試験片で脱落
は認められなかった。これに対し、飛行速度が150 m/se
c 以上に達する硬質粒子 (No.5〜12) は、試験片表面に
対する衝突エネルギーが大きくなって強く突きささるた
め、エメリーペーパーによっても除去されることがな
く、80%以上の粒子が残留し、特に粒子が230m/sec以上
の速度に達したものでは、残留率は90%以上になった。
また、これらの粒子の大部分は、試験片内部へ埋没する
ように深く突きささっており、機械的加工によっても除
去が困難な様子が認められた。
230 m/sec の速度で吹き付けた粒子の付着状況と、その
断面状態を走査電子顕微鏡で観察した結果を示したもの
である。これらの結果から明らかなように、吹き付けた
硬質粒子は、Al試験片内部へ深く突きささり、外部に露
出している粒子が点在する一方、完全に埋没している粒
子の存在も認められる。また、WC−12Co粒子の一部は、
砕かれて小孔が点在している状態を示しているため、潤
滑油の使用にも適していることがうかがえる。
られる軟質非鉄金属試験片表面に点在する硬質粒子の密
着性を、同じ硬質粒子を用いて100 μm 厚の溶射皮膜を
形成したものと比較した。熱間吹き付け方法は実施例1
と同じであり、硬質粒子の飛行速度は 230〜250m/sec
とした。 (1) 供試非鉄金属試験片 (寸法:幅50mm×縦 100mm×厚
6mm) アルミニウム (JIS H 4000規定 A3003) 銅合金 (JIS H 3100規定 C2720) (2) 硬質粒子の種類 (粒径10〜50μm ) WC−17wt%Co Cr3C2 −20wt%Ni−5wt%Cr Si3N4 ZrB2 (3) 評価方法 密着性の試験は、JIS H8661 亜鉛溶射製品試験方法に規
定されている落下球試験法を適用した。すなわち、直径
40mmの鋼球を1mの高さから水平に対し45度傾斜させた
試験片に落下させ、皮膜および非鉄金属試験片に点在し
ている溶射粒子の変化を観察した。
なように、溶射皮膜 (No.1〜8)は、鋼球を1〜3回落下
させると皮膜に亀裂が発生したり、局部的に脱落した。
これに対し、本発明方法に従う硬質粒子では、これを点
在させておくと基材に強く固定されており、20回鋼球の
落下を繰返しても、また被処理体が変形しても、脱落す
る粒子は殆ど認められなかった。なお、比較例の溶射皮
膜が剥離した被処理体表面には、溶射粒子が無数に残存
しており、被処理体に埋没していた粒子は、この場合で
も全く変化は認められなかった。
まれた軟質非鉄金属試験片の耐摩耗性を、前記吹き付け
粒子が埋め込まれていない試験片と比較した。熱間吹き
付け方法および硬質粒子の飛行速度は実施例1と同じで
ある。 (1) 供試非鉄金属試験片 (寸法:幅50mm×縦40mm×厚6
mm) アルミニウム (JIS H 4000規定 A1070) 銅合金 (JIS H 3100規定 C6140) (2) 硬質粒子の種類 (粒径 5〜60μm ) WC−12wt%Co Al2O3 (3) 評価方法 耐摩耗性の試験は、JIS H8682 (1988)アルミニウムおよ
びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐摩耗性試験方法
に規定されている往復運動平面摩耗試験方法を適用し、
研磨紙としてSiC #240のものを用いた。また、耐摩耗性
の評価は、試験前後における試験片の重量変化から求め
た。
果から明らかなように、軟質なAl, Cu合金基材 (No.1,
2)は、0.18〜1.02gの重量減少を示すのに対し、硬質粒
子を分散埋没させた (No.3〜6)では、重量減少は0.02〜
0.26gに止まっており、優れた耐摩耗性を発揮すること
がわかる。
12wt%Co硬質粒子を分散埋没させた後、図2の装置を用
いて露出したWC, WC−12wt%Co粒子の表面にDLCを0.
1 μm 厚に付着させ、これを実施例3と同じ方法によっ
て摩耗試験を行った。なお、溶射法は実施例1、試験片
寸法は実施例3と同じである。その結果、WC (DLC)
試験片の重量減少は0.01〜0.02g、WC−12wt%Co (DL
C)は0.015 〜0.03gの重量減少にとどまり、DLCを
処理しないもの (実施例3.表3記載No.3) に比較して
さらに良好な耐摩耗性を示すことが認められた。
鉄金属部材共通の耐摩耗性の乏しい性質および凝着摩耗
特性が改善されるので、その用途は一段と拡大できる。
また、非鉄金属部材の表面に点在する硬質溶射粒子は、
使用条件によっては大きな摩擦抵抗を示すこととなるの
で、回転体や水平あるいは垂直移動物体のブレーキ部材
としての利用が期待できる。
て埋め込ませるための施工例の概要を示す模式図であ
る。
溶射粒子の露出面に対しDLC薄膜を形成させる装置の
概要を示した模式図である。
で衝突した状況を走査電子顕微鏡で観察した写真であ
る。ただし、 (A)は衝突部を表面から観察した写真
(白色部が溶射粒子) 、 (B) は、衝突した溶射粒子を
断面から観察した写真 (白色部がWC−12Co溶射粒子) で
ある。
Claims (10)
- 【請求項1】 アルミニウム, 銅, ニッケル, チタンお
よびこれらの合金からなりかつその硬さがビッカース硬
さで170Hv 以下である軟質非鉄金属基材の表面に、金属
粒子, 炭化物や酸化物, 硼化物, 窒化物, 珪化物などの
セラミック粒子およびこれらのセラミックスにCo, Cr,
Ni, Moなどの金属あるいは合金からなるサーメット粒子
のいずれか1つまたはこれらの混合物からなる、ビッカ
ース硬さで250 Hv以上の硬質粒子が、面積率で5〜90%
を占めるように、かつ前記金属基材中に分散状態で突き
刺さるように埋没していることを特徴とする耐摩耗性に
優れる軟質非鉄金属部材。 - 【請求項2】 軟質非鉄金属基材の表面に突き刺さるよ
うに分散状態で埋め込まれた硬質粒子が、炭化物粒子も
しくは炭化物系サーメット粒子の場合、これらの粒子の
露出した部分の表面がさらに0.01〜5μm 厚みの無定形
炭素の薄膜にて被覆されていることを特徴とする請求項
1に記載の軟質非鉄金属部材。 - 【請求項3】 硬質粒子は、硬さが非処理部材の硬さよ
りもHv:80以上大きく、粒子径が1〜250 μm の範囲内
の大きさのものであることを特徴とする請求項1または
2に記載の軟質非鉄金属部材。 - 【請求項4】 軟質非鉄金属基材の表面に、金属粒子,
セラミック粒子および/またはサーメット粒子からなる
硬質粒子を、飛行速度150 m/sec 以上の高速熱間吹き付
けを行って非溶融状態のまま飛行させて衝突せしめるこ
とにより、分散状態で埋め込むことを特徴とする耐摩耗
性に優れる軟質非鉄金属部材の表面改質方法。 - 【請求項5】 高速熱間吹き付けに当たっては、粒子の
飛行速度を制御することにより硬質粒子の温度を300 ℃
〜粒子の軟化点直下の範囲内にすることを特徴とする請
求項4に記載の表面改質方法。 - 【請求項6】 硬質粒子の高速熱間吹き付けは、吹き付
けトーチか被処理部材のいずれか一方もしくは両方を移
動させる方法、または多孔分散板を用いて吹き付けを行
う方法により、硬質粒子を基材表面に点在するように分
散させたことを特徴とする請求項4または5に記載の表
面改質方法。 - 【請求項7】 上記高速熱間吹き付けの方法として、可
燃性ガスの燃焼フレーム、可燃性ガスの爆発エネルギ
ー、ガスプラズマ、レーザなどを熱源とする非溶融形式
の溶射方法を適用することを特徴とする請求項4, 5ま
たは6項に記載の表面改質方法。 - 【請求項8】 軟質非鉄金属部材の表面に分散状態で埋
め込まれた硬質粒子の占める面積を、部材表面積の5〜
90%の範囲内にすることを特徴とする請求項4に記載の
表面改質方法。 - 【請求項9】 硬質粒子は、硬さが非処理部材の硬さよ
りもHv:80以上大きく、粒子径が1〜250 μm の範囲内
の大きさのものを用いることを特徴とする請求項4に記
載の表面改質方法。 - 【請求項10】 軟質非鉄金属基材の表面に、炭化物粒
子もしくは炭化物系サーメット粒子を、飛行速度 150 m
/sec以上の高速熱間吹き付けを行って非溶融状態のまま
飛行させて衝突せしめることにより、分散状態で埋め込
み、その後、前記埋め込み粒子の露出部分に無定形炭素
を0.01〜5μm の厚さに付着させて被覆することを特徴
とする耐摩耗性に優れる軟質非鉄金属部材の表面改質方
法。
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