JP4021132B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イグナイタユニットとイグニッションコイル部とを一体にして、内燃機関の各シリンダのヘッド部に取付けるタイプの内燃機関用の点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の内燃機関の点火装置としては、実開平4−62359号公開抄録に開示されている点火装置がある。この点火装置は、イグニッションコイルの一次電流を断続通電するパワースイッチとイグニッションコイルとを一体化して点火装置を構成し、該点火装置のイグニッションコイルを内燃機関の各シリンダヘッド部に設けたプラグホール内に装着するものである。
この従来技術では、制御装置と点火装置の信号端子とを接続する信号線の断線の検出については考慮されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の点火装置では、スイッチング用半導体の制御信号入力端子と制御装置とを接続し、制御信号を入力する信号線が断線した場合、検出し難かった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、制御装置と点火装置の信号端子とを接続する信号線の断線の検出がしやすい内燃機関の点火装置を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係る内燃機関用点火装置は、電気的接続用の複数の端子を持つコネクタ部を備えたケース部にスイッチング用半導体素子と当該スイッチング用半導体素子の電流を制御する電流制限回路とを内蔵する単一シリコン半導体素子が装着され、当該単一シリコン半導体素子によってイグニッションコイル部への電力の供給を制御するよう構成されており、前記イグニッションコイル部が収納されるコイルケース部の一端部に前記単一シリコン半導体素子が収納される前記ケース部が形成されている内燃機関用点火装置において、前記単一シリコン半導体素子の制御信号入力端子とアースとの間に、前記スイッチング用半導体素子の信号端子の電位をクランプするためのダイオードを、単一シリコン半導体素子には内蔵しないで設けたことを特徴としている。
【0005】
そして、本発明の具体的な態様としては、前記ダイオードは、前記コネクタ部の端子の内、前記制御信号端子に接続される端子と前記アースに接続される端子との2本の端子間に電気的に接続され、機械的に保持されていることを特徴としている。
このように構成された本発明に係る内燃機関用点火装置は、スイッチング用半導体の制御信号入力端子とアースとの間に設けたスイッチング用半導体の信号端子の電位をクランプするためのダイオードにより、信号端子の入力電圧が変動しても一定レベルでクランプされる。このため、一定レベルを超える電圧変動が生じると信号線の断線と判断することができる。
【0006】
また、ツェナーダイオード等のダイオードは、イグナイタケースのコネクタ部の端子の内の2本の端子間に保持されているので、該2本の端子間へのダイオードの固定、接続が容易になり、イグナイタケース内にダイオードをコンパクトに収納できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態の点火装置10を内燃機関1のシリンダヘッド部2に装備した状態を示す断面図である。
【0008】
前記内燃機関1のシリンダヘッド部2には、内燃機関1の燃焼室3にその先端4aが突出する点火プラグ4が装着され、該点火プラグ4の上部のプラグホール5には、本実施形態の点火装置10が装着されされている。前記点火プラグ4の他端4bは前記点火装置10の下部のゴムブーツ25に挿入され、前記点火装置10と電気的に接続されている。前記点火装置10の上部は、取付ボルト6で前記シリンダヘッド部2のカバー部に取付固定されている。
【0009】
図2は、本実施形態の点火装置10の断面図であり、図3は、図2の点火装置10を矢視III方向から見た平面図である。前記点火装置10の中心部には、センタコア(開磁路鉄心)17が配置され、該センタコア17は珪素鋼板をプレス積層したもので構成されている。前記センタコア17の外周には一次ボビン11が嵌合し、該一次ボビン11の外周にはエナメル線等から成る一次コイル12が巻層されている。
【0010】
更に、前記一次ボビン11の外側には二次ボビン13が嵌合し、該二次ボビン13には間隔をおいて多数の分割された二次コイル14が巻層されている。前記二次ボビン13の外周には、外装ケース15が嵌合している。更に、前記外装ケース15のコイルケース部15bの外側には、薄い珪素鋼板を管状に形成したサイドコア(外装鉄心)18が配置されている。
【0011】
前記コイル部ケ−ス15bの内燃機関1のシリンダヘッド部2のカバ−と接する部分には、シ−ル用のシ−ルゴム26が設けられていると共に、前記外装ケース15の上部には、電気的接続用のコネクタ部34とイグナイタケース15aとが配置され、該イグナイタケース15aのコイル上部部分には、イグナイタユニット30が設置されている。
【0012】
そして、前記外装ケース15のイグナイタケース15aは、コネクタ34の衝撃強度、寸法精度を確保することからポリブチレンテレフタレートで形成され、図2のように、イグナイタユニット30の収納部とコネクタ34を兼ねたコップ状になっており、コイル部ケース15bとの接合部には段付き部、位置決め用突起が設けてある。一方、コイル部ケース15bは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)に変性ポリフェニレンオキサイド(変性PPO)をたとえば約20%混ぜ合わせた材料で形成されている。
【0013】
前記イグナイタユニット30は、銅、鉄またはアルミ製の金属製ベ−ス36上に載置される後述(図5参照)するスイッチング用半導体であるインシュレーテッドバイポーラトランジスタ(IGBT)31aと電流制限回路31bとを組込み内蔵した単一シリコンチップの半導体素子31と、接続中継端子32と、該接続中継端子32上に装着されている入力電圧クランプ機能を担うツェナダイオード33とで構成され、前記金属製ベース36上には、シリコンゲルが充填されている。
【0014】
単一シリコンチップの半導体素子31は、図4の(a)(b)に示すような外観をしており、銅等の前記金属製ベース36にはんだ(例えば、鉛とスズを80〜90%:10〜20%の割合、もしくは、Sn:Sb:Ni:Pを90〜97:4〜8:0.3〜0.9:0.01〜0.2の割合)接合し、モールディングしたものである。前記単一シリコンチップの半導体素子31は、3本(場合によっては3〜6本)のリード端子31cが突出成形され、該リード端子31cは接続中継端子32に圧入、はんだ付け、溶接、接着等の手段によって接合されている。リード端子31cは、イグナイタケース15aのコネクタ部34に対面している。
【0015】
また、前記単一シリコンチップの半導体素子31は、消費電力の増大、環境温度の高温化等を配慮して前記金属製ベース36と共にイグナイタケース15aにネジ31dで止められるか、場合によっては、はんだ接合、接着剤(たとえば導電性、絶縁性の)等により固定される。
【0016】
前記接続中継端子32は、外部機器とのコネクトの為に、接続コネクタのコネクタ端子35a、35bと溶接もしくは圧着により固定するとともに、一次コイル12の巻き始めの端部35dを固定接合している。コネクタ端子35cは一次コイル12の他の端部35eに固定されている。
前記ツェナーダイオード33は、前記接続中継端子32の上部に装着配置されている。
【0017】
図5は、本実施形態の点火装置10の点火制御回路を示したものであり、該点火装置10は、概略、一次コイル12と二次コイル14から成り筒状に形成されるイグニッションコイル部10a、前記単一シリコンチップの半導体素子31、及び、ツェナーダイオード33とを備え、前記単一シリコンチップの半導体素子31には、インシュレーテッドバイポーラトランジスタ(IGBT)31aと電流制限回路31bとが組込み内蔵されている。内燃機関の制御装置9からの点火制御信号は、前記IGBT31aの入力信号としてベースからエミッタへのベース電流を断続するものであり、該ベース電流の出力としてコレクタからエミッタに電流を流すこと、即ち、電源であるバッテリー8からイグニッションコイル部10aの一次コイル11に電流を流して磁界を発生させる。
【0018】
点火プラグ4の点火に当たっては、前記制御装置9から前記IGBT31aへの点火信号によって前記一次コイル11への電流を切ることで、前記一次コイルの磁界を零にして、一次側に大きな電圧の起電力を発生させ、該起電力の発生により前記イグニッションコイル部10aの二次コイル13に更に高い電圧を発生させて、点火プラグ4をスパークさせる。
【0019】
前記ツェナーダイオード33は、入力電圧のクランプ機能を担うもので、通常作動時のIGBT31aへの入力部電圧と、制御装置9と点火装置10との間の信号線9aが、何等かの原因で断線したときの該IGBT31aへの入力部電圧との差を大きくして、前記制御装置9側の前記断線の検出機能部であるコンパレータ(図示省略)の設定基準電圧値の設定を明確にできるようにして前記断線の検出を容易にするものであり、本点火制御回路に必要な素子である。
【0020】
前記構成の如く、本実施形態の内燃機関用点火装置は、イグナイタユニット30の主要部のスイッチング用半導体であるIGBT31aと電流制限回路31bとを組込み内蔵した単体シリコンチップの半導体31としたので、イグナイタユニット30の必要面積を小さくでき、結果として、前記イグナイタケース15aのイグナイタ収納部を小形化し、かつ、軽量化することができるので、内燃機関の振動に対して強い外装ケース15の点火装置10を供給することができる。
【0021】
そして、接続中継端子32を前記イグナイタ収納部内に配置することで、前記単体のシリコンチップの半導体素子31のリード端子31c、31c、31cと、外部電気接続のコネクタ側端子35a、35b、35cとの接続を、前記接続中継端子32を介して行うことができ、該端子間の接続を容易にし、ツェナーダイオード33を前記接続中継端子32の上部に装着配置したことによって、前記イグナイタ収納部内に前記ツェナーダイオード33をコンパクトに収納できると共に、接続中継端子32を利用することで、配線及び接合等も容易になる。
【0022】
また、前記ツェナーダイオード33は、前記単一シリコンチップの半導体素子31の内に一体として組込み内蔵することも可能であるが、組込んだ場合には、前記ツェナーダイオード33がパワー系素子であるために、それなりの大きな面積を必要とすることから、結果として前記シリコンチップの半導体素子31の面積が大きくなるばかりでなく、一体に組込む場合には、製造コストも高くなり、かつ、該素子の標準化も図りらいとの問題があり、別体とすることが好ましいものである。
【0023】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において、種々の変更ができるものである。
例えば、本発明の前記シリコンチップの半導体素子31の前記イグナイタケース15aへの装着に当たっては、金属製ベースを用いずに、図6に示すように、直接、前記シリコンチップの半導体素子31を前記イグナイタケース15aへ装着する構造とすることもできる。この場合、接続中継端子32も直接イグナイタケース15aに装着することとなる。
【0024】
また、前記実施形態においては、一次コイルのボビン11の外側に二次コイルのボビン13を配置した点火装置10について説明したが、本発明は、二次コイルのボビンの外側に一次コイルのボビンを配置した点火装置にも適用できるものである。
更に、前記実施形態においては、前記単一シリコンチップの半導体素子に組込み内蔵するスイッチング用半導体を、インシュレーテッドバイポーラトランジスタ(IGBT)としたが、他のパワートランジスタを用いることもできる。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明の内燃機関用点火装置は、スイッチング用半導体への入力部電圧と、制御装置と点火装置との間の信号線が、何等かの原因で断線したときの断線検出機能の精度が高まり、異常状態の発見が早い点火装置が得られる。また、ダイオードはイグナイタケースのコネクタ部の端子の内の2本の端子間に保持される構成なので、ダイオードの接続、固定が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の点火装置を装備した内燃機関のシリンダヘッド部の断面図。
【図2】図1の内燃機関用点火装置の縦断面図。
【図3】図2の内燃機関用点火装置の矢視III方向から見たイグナイタケースの平面図。
【図4】図2の内燃機関用点火装置に装備される単体シリコンチップの半導体素子であって、(a)は該半導体素子の平面図、(b)は側面図。
【図5】図2の内燃機関用点火装置の点火制御回路図。
【図6】本発明の他の実施形態の内燃機関用点火装置のイグナイタケースの平面図。
【符号の説明】
1…内燃機関、4…点火プラグ、8…バッテリー、9…制御装置、9a…信号線、10…点火装置、10a…イグニッションコイル部、11…一次ボビン、12…一次コイル、13…二次ボビン、14…二次コイル、15…外装ケース、15a…イグナイタケース、15b…コイル部ケース、17…センタコア、18…サイドコア、30…イグナイタユニット、31…単一シリコンチップの半導体素子、31a…スイッチング用半導体(インシュレーテッドバイポーラトランジスタ)、31b…電流制限回路、31c…リード端子、32…接続中継端子、33…ツェナーダイオード、34…コネクタ部、35…コネクタ端子、36…金属製ベース

Claims (3)

  1. 電気的接続用の複数の端子を持つコネクタ部を備えたケース部にスイッチング用半導体素子と当該スイッチング用半導体素子の電流を制御する電流制限回路とを内蔵する単一シリコン半導体素子が装着され、当該単一シリコン半導体素子によってイグニッションコイル部への電力の供給を制御するよう構成されており、前記イグニッションコイル部が収納されるコイルケース部の一端部に前記単一シリコン半導体素子が収納される前記ケース部が形成されている内燃機関用点火装置において、
    前記単一シリコン半導体素子の制御信号入力端子とアースとの間に、前記スイッチング用半導体素子の信号端子の電位をクランプするためのダイオードを前記単一シリコン半導体素子には内蔵しないで設けた内燃機関用点火装置。
  2. 前記ダイオードは、前記コネクタ部の端子の内、前記制御信号端子に接続される端子と前記アースに接続される端子との2本の端子間に電気的に接続され、機械的に保持されている請求項1記載の内燃機関用点火装置。
  3. 前記ダイオードの前記アース側の端子と、前記単一シリコン半導体素子のアース側の端子は、共通のアース端子に接続され、前記ダイオードの制御信号入力側端子と、前記単一シリコン半導体素子の前記制御信号入力側端子は、共通の端子に接続されている請求項1又は2記載の内燃機関用点火装置。
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