JP4020497B2 - 静電現像剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、プリンター等の電子写真法を応用した機器において、静電潜像を現像するのに用いられる静電現像剤に係わるものであり、より詳しくは印字面積割合の大きいフルカラー複写機、プリンター等に使用される静電現像剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は米国特許2297691号、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報などに種々開示されている通り、一般には光電導物質を含む感光体上に種々の手段により静電荷の電気的潜像を形成し、ついで該潜像を予めキャリアーや現像槽の器壁との接触で帯電しているトナーで粉像として現像し、必要に応じて紙などに該粉像を転写した後、加熱、加圧或いは溶剤蒸気などにより定着するものである。前記トナーはスチレンアクリルやポリエステルなどの樹脂中に各種染料、顔料等を分散させたものを1〜30μm程度に微粉砕した粉体であって、表面に静電気力でトナーを担持しつつそれ自身が磁力で感光体近傍まで運搬されるキャリアーと称される粉径30〜200μm程度の鉄粉、フェライト、マグネタイトと混合して二成分現像剤として用いられるか、またはキャリアーを用いずキャリアーの機能をトナーの粉子中に含有せしめた磁性粉で代替される磁性−成分現像剤や、磁気力を用いず現像槽の器壁との静電気付着だけにより電気的潜像近傍へ搬送し現像する非磁性1成分現像剤として用いられる。
【0003】
トナーとキャリアを用いる2成分現像剤はトナーが現像に使用され現像剤中のトナー濃度が減少した時、現像剤にトナーを補給し常に適正なトナー濃度を維持しながら使用することが好ましい。補給されたトナーはキャリアとの接触により速やかに帯電させ現像に使用される。速やかに帯電しないとトナーが現像槽の外部に飛散したり、電気的潜像の本来トナーが乗るべきでない電位部分に付着してカブリと言われる画像欠陥を生じ好ましくない。速やかに帯電させるためには補給されたトナーがキャリア表面と接触し帯電する必要がある。キャリア粒子がトナー粒子で隙間なく覆われ、補給されたトナー粒子がキャリアと接触することが出来ないようでは速やかな帯電は望めない。適正なトナー濃度上限の計算方法としては「保志、安西:二成分現像剤の実効キャリア被覆率」(電子写真学会誌
第25巻 第4号(1986)p17)が一般に知られており、
C eff=2・ρt/(2・ρt+X・ρc)×100(%)
X=R/r
ρt:トナー粒子の真密度(g/cm3 )
ρc:磁性キャリア粒子の真密度(g/cm3 )
R :磁性キャリア粒子の半径(μm)
r :トナー粒子の半径(μm)
で計算される実効トナー濃度C eff(%)が実用的に使用されるトナー濃度上限であると言われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年複写機やプリンターのフルカラー化、デジタル化に伴い、写真やイラスト等のベタ印字率の高い原稿をプリントすることが多くなってきた。印字率の高いプリントを行うと現像剤中からトナーの消費が増え、多量のトナーを補給しなければならない。その場合、以下の問題点が発生しやすい状況となる。
1.現像剤へのトナーの補給が間に合わず、トナー濃度が減少する。
2.補給されたトナーの帯電が間に合わず、飛散したり、カブリが悪化する。
問題点1を解決するためには、トナー濃度を高めの設定とし、高印字率プリントでトナー濃度がダウンしても画像濃度があまりダウンしないようにする必要がある。
問題点2を解決するためには、トナー濃度を低めの設定とし、補給されたトナーが速やかにキャリア表面と接触できるようにする必要がある。問題点1と2の解決方法は相反するものである。
【0005】
一方、2成分現像剤を使用した現像方法においては「キャリア引き」と言われる欠陥が知られている。電気的潜像を現像剤で現像する場合、磁石を内包した現像ローラに現像剤を付着させ、電気的潜像を形成した感光体表面に現像剤を接触乃至近接させ、クーロン力によってトナー粒子を感光体へ転移させる方法が一般的である。この際、キャリア粒子の一部が現像ロールの磁気拘束力から外れ、感光体へ転移してしまう好ましくない現象を「キャリア引き」と言う。
【0006】
「キャリア引き」の解決方法としては、磁石の着磁力を上げる、キャリア粒子の磁化を上げる、「キャリア引き」し易い小粒径キャリア粒子をカットしシャープな粒度分布にする、磁気選別により磁化の弱いキャリア粒子を選別除去するなどの方法が知られているが、限界があり、現像画質を劣化させない範囲で平均キャリア粒径を大きくすることが最も有効である。
平均キャリア粒径を大きくした場合、キャリア単位重量当たりの表面積は減少し、実効トナー濃度C effは減少し、上記の高印字率プリント時の問題点の解決がより困難なものとなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の「キャリア引き」と「高印字率プリント」の問題点を解決し、高性能な現像剤を得るべく、鋭意検討した結果、ある特定の組成のホウ素含有有機物を含有したトナー粒子を用い、トナー濃度を実効トナー濃度より高く設定することで本発明を達成した。詳言すれば、少なくとも色の異なるトナー粒子と磁性キャリア粒子を含有する複数の現像剤を用い、それらの色の異なるトナー粒子により転写材上に多色画像を顕像化するフルカラー現像に用いられるフルカラー現像剤であって、磁性キャリア粒子は球形粒子であり、トナー濃度T/D(%)が式(1)を満足し、トナー粒子は少なくとも下記の一般化学式で示されるホウ素含有有機物を含有することを特徴とするフルカラー現像剤を使用することで本発明を達成した。
T/D>C eff (1)
C eff=2・ρt/(2・ρt+X・ρc)×100(%)
X=R/r
T/D:現像剤中のトナー粒子重量含有率(%)
ρt:トナー粒子の真密度(g/cm3)
ρc:磁性キャリア粒子の真密度(g/cm3)
R :磁性キャリア粒子の平均半径(μm)
r :トナー粒子の平均半径(μm)
一般化学式
【0008】
【化3】
【0009】
(式中、R1 及びR4 は水素原子、アルキル基、置換または非置換の芳香環(縮合環も含む)を示し、R2 及びR3 は置換または非置換の芳香環(縮合環も含む)を示し、X+ はカチオンを示す。)
【0010】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるトナー粒子はバインダー樹脂に着色剤、帯電制御剤としてホウ素含有有機物、必要に応じて離型剤、その他の物質等を分散含有した微粉末である。
トナーの平均粒径は4〜20μmが好適である。
本発明に用いられるバインダー樹脂としては、トナーに適した公知の種々のものが使用できる。例えば、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体及びスチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単独重合体または共重合体)、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂並びにポリビニルブチラール樹脂等があるが、本発明に用いるのに好ましい樹脂としては、スチレン系樹脂、飽和もしくは不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0012】
ポリエステル樹脂の内、架橋性ポリエステル樹脂は、2価のカルボン酸単量体と2価のアルコール単量体と3価以上の多価カルボン酸単量体や多価アルコール単量体との重縮合によって得られる。2価のアルコール単量体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、その他の2価のアルコール単量体が挙げられる。2価のカルボン酸単量体としては、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ジフェン酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、これらの酸の無水物もしくは低級アルキルエステルを主成分とするものが挙げられる。3価以上の多価カルボン酸としては、トリメリト酸、シクロヘキサントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、オクタンテトラカルボン酸、及びこれらの酸の無水物、その他を挙げることができる。3価以上の多価アルコール単量体としては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0013】
また、光沢性、透明性が要求されるフルカラー用に用いられるバインダー樹脂としては、スチレン系樹脂やポリエステル樹脂の内、非架橋性であり、分子量分布の狭いものが好ましく、非架橋性ポリエステル樹脂がより好ましい。重量平均分子量が数平均分子量の5倍以下のものが好ましく、さらに3倍以下のものがより好ましい。
【0014】
非架橋性ポリエステル樹脂は、2価のカルボン酸単量体と2価のアルコール単量体とを主成分とする重縮合によって得られる。2価のアルコール単量体と2価のカルボン酸単量体としては、架橋性ポリエステル樹脂と同様のものが挙げられる。
実質的に非架橋性樹脂の性質を失わない程度、すなわち線形ポリマーに対し高々分岐構造を与える程度の範囲内で3価以上の多価カルボン酸単量体や多価アルコール単量体等を約2モル%程度以下添加しても良い。
【0015】
また、1種類ずつで使用するに限らず、2種以上のバインダー樹脂を併用することもできる。
該バインダー樹脂を用いて製造した現像剤の軟化点は、フローテスタ法で測定した値が、150℃以下であるものが好ましく、135℃以下であるものが一層好ましい。150℃を越える場合は、充分な低温定着性が得られず、定着強度が悪化する傾向にあるので好ましくない。光沢性、透明性が要求されるフルカラー用に用いられるバインダー樹脂としては、125℃以下であるものが好ましく、115℃以下であるものがより好ましい。軟化点は低いほど定着性の点で優れており、好ましいが軟化点を低下させることに伴い後述のガラス転移点も低下するため、ガラス転移点低下の弊害と合わせ樹脂設計する。
【0016】
また、該バインダー樹脂を用いて製造した現像剤のガラス転移温度は、示差熱分析装置で測定したときの転移開始(変曲点)が50℃以上であるのが好ましく、60℃以上のものがより好ましい。ガラス転移温度が50℃未満の場合、長期保管時の熱安定性が悪く、トナーの凝集や固化を招き使用上問題がある。さらに75℃以上の場合は、トナーの融着や微粉粉砕にマージンがあるもののガラス転移点を増加させることに伴い軟化点も増加するため、定着性が悪化する傾向がある。
【0017】
本発明で用いる着色剤としては、公知の顔料、染料を用いればよい。例えば、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、紺青、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン系染料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、アントラキノン染料、モノアゾ及びジスアゾ系染顔料などの着色剤を単独または2種以上混合して使用できる。
【0018】
黒色トナー用着色剤としては、カーボンブラックが一般的に用いられる。
フルカラートナー用の着色剤については、イエロー用としては、C.I.Pigment Yellow 14、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.PigmentYellow 94、C.I.Pigment Yellow 138等が知られている。マゼンタ用としては、C.I.Pigment Red 48:1、C.I.Pigment Red 53:1、C.I.Pigment Red57:1、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 123等が知られている。シアン用としては、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 60等が知られている。これらの着色剤を単独で用いても良いし、または2種以上のものを組み合わせて用いても良い。さらにオレンジ、グリーン、バイオレットなどの着色剤を併用し色相調整を行っても良い。
【0019】
着色剤の含有量は、現像により可視像を形成することができるようトナーを着色するに十分な量あればよく、例えば樹脂100重量部に対して1〜20重量部、中でも特に3〜15重量部が好適である。
本トナーに用いられる帯電制御剤としては、
【0020】
【化4】
【0021】
(式中、R1 及びR4 は水素原子、アルキル基、置換または非置換の芳香環(縮合環も含む)を示し、R2 及びR3 は置換または非置換の芳香環(縮合環も含む)を示し、X+ はカチオンを示す。)
の一般化学式で示された有機物を用いる。この有機物のうち、無色乃至薄色のものは、カラートナー用として使用に適している。特に下記化学式で示されるホウ素含有有機物が好適であり、
【0022】
【化5】
【0023】
市販のものとしては、日本カーリット社製LR−147などがよく知られており好適である。
この有機物の添加量としては、トナー中に0.2〜10重量%が好ましく、0.4〜5重量%がより好ましい。
【0024】
また他の帯電制御剤と併用しても良い。他の帯電制御剤としては、特公平3−37183号公報、特公平2−16916号公報等に記載の含金アゾ染料や特公昭55−42752号公報等に記載のサリチル酸類金属錯体、特開昭63−163374号公報等に記載のサリチル酸類金属塩、特開平5−119535号公報等に記載の金属元素を含有しないカリックスアレン化合物などが挙げられる。カラー用に併用する場合は無色乃至薄色のものが好ましく、サリチル酸類金属錯体やサリチル酸類金属塩、カリックスアレン化合物などには無色乃至薄色のものが知られている。市販品ではヘキスト社製Copy Charge NX VP434、オリエント化学工業社製ポントロンE−81,E−84,E−89などがよく知られている。
上記の帯電制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー内部に添加する方法と外添する方法とがあるが、内添する場合が一般的である。
【0025】
本発明に用いられる離型剤としてポリアルキレンワックス、パラフィンワックス、シリコーンオイル、高級脂肪酸、脂肪酸アミド等が挙げられる。その添加量は、バインダー樹脂100重量部に対し、0.05〜10重量部が好ましい。光沢性、透明性が要求されるフルカラー用に用いられる場合はそれら助剤を多量に用いると弊害となることもある。
特にシリコーンオイルを添加したトナーは定着工程以外に現像工程等でも効果がある。トナー飛散、カブリを減らす効果が確認された。シリコーンオイルの特性から考えると離型効果により静電気力以外の付着力等を低下、平均化させる効果が好ましい効果を産み出すのかもしれないが、詳細は明らかでない。
【0026】
粉砕法によるトナーの製造方法の場合、上記の各成分をニーダー等で混練し、冷却後、粉砕し、分級すればよい。
本発明のトナー粒子には外添剤を添加しても良い。外添剤としては公知の無機または有機の各種外添剤を使用することができるが、特にトナーの流動性向上、凝集性抑制を図る為にチタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の無機微粉末が好適である。
【0027】
トナーの流動性を改善する為には外添剤のBET比表面積は20〜700m2 /g、好ましくは50〜500m2 /g程度がよい。比表面積が20m2 /g未満だとトナーに十分な流動性付与ができず篩別装置でのスクリーン通過性が悪くなりトナー収率悪化(生産性の悪化)、現像時の搬送性の悪化、摩擦帯電機能の劣化を招き問題がある。また、比表面積が700m2 /gより大きいとトナー粒子同士の隔壁効果がなくなり、高温での貯蔵安定性が悪化し、また外添剤同士が凝集しやすくなり取り扱い性、トナー表面への均一な分散がしづらくなる。
【0028】
外添剤の混合量は、使用する外添剤及びトナー粒子の平均粒径、粒度分布などにより異なるが、所望するトナー流動性を得る量がよく、例えばトナー粒子100重量部に対して0.05〜10重量部、更には0.1〜8重量部が好適である。混合量が0.05重量部未満では流動性改善効果がなく篩別装置での収率が悪化し、混合量が10重量部より多いと一部遊離した外添剤により感光体にフィルミングを発生したり、現像槽内部に堆積し現像剤の帯電機能の劣化等の障害を引き起こし好ましくない。
【0029】
また、外添剤は高湿環境下での安定性面より、無機微粉末の場合には公知のシランカップリングなどの処理剤で疎水化処理されたものがより好ましく、更に、帯電性を考慮する場合には負荷電性を付与する処理剤としてはジメチルジクロロシラン、モノオクチルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイルなど、正荷電性を付与する処理剤としてはアミノシランなどを使用すればよい。
【0030】
この他、トナー外添剤として抵抗調整、研磨剤などの目的で、流動性改善用以外の公知のマグネタイト、ファライト、導電性チタン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化セリウム、ハイドロタルサイト類化合物、アクリルビーズ、シリコーンビーズ、ポリエチレンビーズなどの微粉末を適量混合してもよく、その混合量はトナー100重量部に対して0.005〜10重量部が好ましい。
トナー粒子に外添処理する場合には、分級トナーと外添剤を高速撹拌機(ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなど)等で撹拌混合すればよい。
【0031】
本発明に用いられる磁性キャリア粒子としては、鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。現像の時の感光体への接触が均一かつソフトになる球形の粒子が好ましく、球形フェライト粉や球形マグネタイト粉が最も好ましい。球形フェライト粉としては、一般式(MO)m (Fe2 O3 )n で示されるフェライト粉が好ましく、(MO)成分としては、CuO,ZnO,NiO,FeO,MnO,MgO,BaO,LiO等の成分を1種または2種以上選定して使用すればよい。市販品では、パウダーテック社製F−100,F−150,FL−150,FSL−100などが最も良く知られた静電現像キャリア用球形フェライト粉である。
【0032】
本発明に用いられる磁性キャリア粒子は、少なくとも導電性微粒子を分散含有する樹脂コート材で表面処理することでより好ましい効果を発揮する。導電性微粒子を添加することで帯電量絶対値が低めとなり、キャリア引きを減少させる効果があり、また、フルカラー現像方式等の色重ね転写性を向上させる効果がある。一般に帯電量が低めとなるとトナー飛散が増加すると言われるが、導電性微粒子を分散含有させて帯電量を下げた場合、トナー飛散の顕著な増加はないことが確認された。高印字率での連続プリントでの安定性を考えると好ましい方向である。導電性微粒子としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化亜鉛、マグネタイト、マグヘマイト、ヘマタイト、フェライトなどの導電性微粒子が使用できる。なるべく少量の添加で効果を発揮させることが好ましく、抵抗率が低いもの、粒径の細かいものがより好ましい。抵抗率としては、108 Ω・cm以下が好ましく、10Ω・cm以下が最も好ましい。1次粒子粒径としては、200nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。従って、抵抗率が低く粒径の細かいカーボンブラックが最も好ましく使用できる。添加量は抵抗率や粒径にもよるがコート材の25重量%以下の範囲が好ましい。
【0033】
本発明に用いられる樹脂コート材としては、公知のシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などにアミノ基が結合したものが使用できる。樹脂単独でも良く、またブレンドしたものでも良い。或いはこれら樹脂を、単層または多層にコーティングしたものも使用できる。特にシリコーン樹脂が好ましい。
【0034】
さらに樹脂コート材として、アミノ基を含有する樹脂を含むコート材でコートするとより好ましい。アミノ基を含有したコート材を使用することでトナー飛散がさらに減少し、ホウ素含有有機物との相乗効果によりより好ましいものとなる。アミノ基としては、3価窒素に水素やアルキル基、アリル基、アリール基、アラルキル基あるいはそれらの置換体が結合したもの、たとえば、無置換のアミノ基−NH2 、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が挙げられる。アミノ基を含有する樹脂としては、公知のシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などにアミノ基が結合したものが使用できる。アミノ基を含有する樹脂を含むコート材としては、アミノ基を含有する樹脂単独でも良く、また特にアミノ基を含まない公知のシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂とブレンドしたものでも良い。また、コーティングの際、アミノ基含有カップリング剤を加えて反応させても良い。特にアミノ基含有樹脂とシリコーン樹脂の併用やアミノ基変性シリコーン樹脂、シリコーン樹脂をコーティングする際にアミノシランカップリング剤を添加したものが最も好ましい。
【0035】
本発明に用いられる磁性キャリア粒子の平均粒径は、使用する現像システムにおいて「キャリア引き」を起こさない範囲で選択すれば特に制限はないが、50〜200μmの平均粒子径を有するものが好ましく、90μm以上のものがより好ましい。
本発明に用いられる静電現像剤のトナー濃度T/D(%)は、現像剤中のトナー重量百分率で定義される。
即ち、トナー濃度T/D(%)は、
T/D(%)=(現像剤中のトナー重量)/(現像剤重量)×100で計算される。本発明に用いられる静電現像剤のトナー濃度T/D(%)は式(1)を満足する範囲に設定する。
T/D>C eff (1)
C eff=2・ρt/(2・ρt+X・ρc)×100(%)
X=R/r
T/D:現像剤中のトナー粒子重量含有率(%)
ρt:トナー粒子の真密度(g/cm3 )
ρc:磁性キャリア粒子の真密度(g/cm3 )
R :磁性キャリア粒子の平均半径(μm)
r :トナー粒子の平均半径(μm)
【0036】
高印字率でのプリントを連続で実施すると消費にトナーの補給が追い付かない場合には徐々にトナー濃度が低下する。実効トナー濃度C effより低いトナー濃度T/Dで使用した場合、トナー濃度の低下に伴う画像濃度等の画像品質の変化が激しい。式(1)を満足する範囲で使用すると画像品質の変化が小さい。
トナー粒子の粒径の測定は一般的には、コールターカウンターによる方法が広く用いられている。今回の発明で使用したトナー粒子の平均粒径は、コールターカウンターTA−II型に100μmのアパチャーを使用し、トナー粒子をアイソトンに分散し、第3チャンネル〜第16チャンネルを使用しトナー粒径分布を測定し体積平均により決定した。トナー粒子の平均半径は平均粒径の1/2である。
【0037】
磁性キャリア粒子の粒径は、一般に目開きの異なる複数の篩を用い測定する。目開きの小さい篩を下に大きい篩を上になるように順に重ね、磁性キャリア粒子を篩い、それぞれの篩の上に残ったキャリア粒子の重量から粒度分布を求め、それぞれの篩の上に残ったキャリア粒子の粒径はその篩の目開きと一つ上段の篩の目開きの平均とし重量平均粒径を計算する。磁性キャリア粒子の平均半径はこの重量平均粒径の1/2で定義する。
【0038】
バインダー樹脂の軟化点はフローテスター法を用いて測定した。フローテスター(島津製作所製CFT500)において、直径1mm長さ10mmのノズルを用い、加熱体を80℃に設定しバインダー樹脂1gを投入する。プラジャーを軽く押し当て、300秒間余熱した後、30kg/平方cmの圧力をかけ、3℃/分の速度で昇温する。昇温によりバインダー樹脂は軟化しノズルからバインダー樹脂が押し出され、プラジャーは下降する。下降の開始から終了までのプラジャーの下降距離の中点に相当するときの温度をもって、軟化点とする。
【0039】
バインダー樹脂及びトナー粒子のガラス転移点は示差熱分析装置(島津製作所製DT−30型)を用い、バインダー樹脂あるいはトナー粒子約20mgを試料セルに投入し測定部にセットし、一度10℃/分の昇温速度で100℃まで加熱し室温まで冷却した後、再び10℃/分で昇温し、このときのDTA曲線の変曲温度部の前後のなめらかな曲線部分それぞれから接線を引き、それら接線同士の交点をもってガラス転移点とする。
バインダー樹脂の重量平均分子量及び個数平均分子量を測定するには、公知の通常の方法が用いられる。たとえば、以下のように通常のゲルパーミエーションクロマトグラフィにおける適正な方法が用いられる。
【0040】
1.測定条件
温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min.
試料濃度:0.1重量%
試料注入量:100μl
【0041】
2.カラム
分子量領域を適正に測定するために使用するカラムとしては、市販のポリスチレンゲルカラムを複数本組み合わせたものを用いる。本発明の測定に際しては、東ソー(株)製のGMHXL(30cm×2本)を用いた。
【0042】
3.検量線
検量線作成に当たっては、標準ポリスチレンを用いて行う。標準ポリスチレンとしては、たとえばPressure Chemical Co.製あるいは東ソー(株)製のたとえば分子量が6×102 、2.8×103 、6.2×103 、1.03×104 、1.67×104 、4.39×104 、1.02×105 、1.86×105 、2.2×105 、7.75×105 、1.26×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレンを用いるのが適当である。
【0043】
4.検出器
検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
球形フェライト100重量部をアミノシランカップリング剤を添加したシリコーン樹脂約1重量部で被覆処理し磁性キャリア粒子を調達した。磁性キャリア粒子の平均粒径は105μm、真比重は4.9g/cm3 であった。
分岐型ポリエステル系樹脂 60重量部
(構成モノマー:ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA、
ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、テレフタル酸、トリメリト酸
フローテスター軟化点114℃ ガラス転移点67℃
体積平均分子量/個数平均分子量=2.5 )
顔料 ピグメントレッド 122 40重量部
を配合混練し、粗砕し、マゼンタ顔料プレ混練品を調達した。
【0045】
分岐型ポリエステル系樹脂(プレ混練品用と同じ組成) 91重量部
マゼンタ顔料プレ混練品 15重量部
帯電制御剤(日本カーリット社製LR147) 2重量部
【0046】
【化6】
【0047】
で配合、混練、粉砕、分級し、未外添トナーを得た。
この未外添トナー100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製R974)0.4重量部とを混合し、トナー粒子(マゼンタ外添トナー)を調達した。トナー粒子の体積平均粒径は8.1μm、真比重は1.2g/cm3 であった。
【0048】
磁性キャリア粒子96重量部とトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%の現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー濃度C effは3.64%である。
【0049】
このトナー粒子と現像剤を市販のモノクロデジタル複写機を改造し定着ローラ部を外したマシンに装填し、実写テストを行った。プリント画像はシリコーンオイルを塗布した外部定着ローラで定着させ評価した。
白紙をプリントしている最中にマシンを停止させ、OPC感光体の現像後で転写前の位置にスコッチメンディングテープを貼り、OPC感光体に付着したキャリア粒子を採取を試みたが、キャリア粒子は殆ど採取できず、キャリア引きの少ない現像剤であることが確認できた。
【0050】
印字率20%(下地の白い部分の面積が80%で黒い画像部分の面積が20%)の原稿をセットし、100枚連続プリントを行い、ベタ濃度の維持性(追従性)とトナー飛散量を調べた。ベタ濃度の維持性(追従性)は1枚目のプリント画像と100枚目のプリント画像の画像濃度を比較することで評価した。トナー飛散量は、100枚プリント後に現像剤を装填した現像槽の現像ローラ下に溜まった飛散トナーの量を比較することで評価した。画像濃度は1枚目1.35、100枚目1.23であり、安定していることが確認できた。トナー飛散は僅かにはあるものの問題のないレベルであった。
次に市販のモノクロデジタル複写機の給紙部を改造し転写紙の表面にローラ等が触れない部分を作りその位置だけならば未定着のトナー画像が給紙できるようにし、定着ローラ部を外したマシンを準備した。現像剤を装填し、同じ原稿を転写紙に2回複写することで重ね転写の模擬テストを行った。2回複写したプリント画像はシリコーンオイルを塗布した外部定着ローラで定着させた。ほぼ均一に転写画像形成されており、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合でも良好なものであった。
【0051】
実施例2
実施例1で調達した磁性キャリア粒子、トナー粒子を用い、現像剤は磁性キャリア粒子95.5重量部とトナー粒子4.5重量部を混合し、トナー濃度T/D4.5%の現像剤を調達した。
実施例1同様の実写テストを行った。
キャリア引き評価では実施例1同様キャリア粒子は殆ど採取されなかった。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では1枚目1.47、100枚目1.40であり、安定していることが確認できた。
トナー飛散は実施例1同様僅かにはあるものの問題のないレベルであった。
重ね転写の模擬テストでも実施例1同様ほぼ均一に転写画像形成されており、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合でも良好なものであった。
【0052】
比較例1
実施例1で調達した磁性キャリア粒子、トナー粒子を用い、現像剤は磁性キャリア粒子96.5重量部とトナー粒子3.5重量部を混合し、トナー濃度T/D3.5%の現像剤を調達した。
実施例1同様の実写テストを行った。
キャリア引き評価では実施例1同様キャリア粒子は殆ど採取されなかった。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では1枚目1.28、100枚目1.10であり、やや画像濃度落ちが発生した。
トナー飛散は実施例1より良好で殆どないレベルであった。
重ね転写の模擬テストは、実施例1に比べるとやや均一が悪い転写画像であり、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合不利なものであった。
【0053】
比較例2
実施例1で調達した磁性キャリア粒子、トナー粒子を用い、現像剤は磁性キャリア粒子97重量部とトナー粒子3重量部を混合し、トナー濃度T/D3%の現像剤を調達した。
実施例1同様の実写テストを行った。
キャリア引き評価では、キャリア粒子が僅かながら採取された。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では1枚目1.21、100枚目0.98であり、1枚目の画像濃度が低いうえ、画像濃度落ちが大きかった。
トナー飛散は比較例1よりさらに良好であった。
重ね転写の模擬テストは、実施例1に比べると均一が悪い転写画像であり、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合不利なものであった。
【0054】
比較例3
球形フェライトを実施例1に比べ小さな粒径のものとした以外は、実施例1同様の方法で磁性キャリア粒子を調達した。磁性キャリア粒子の平均粒径は85μm、真比重は4.9g/cm3 であった。
トナー粒子は実施例1で調達したものを用いた。
磁性キャリア粒子96重量部とトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%の現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー濃度C effは4.46%である。
実施例1同様の実写テストを行った。
キャリア引き評価では、キャリア粒子が多量に採取された。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では1枚目1.37、100枚目1.20であり、やや画像濃度落ちが発生した。
トナー飛散は比較例2同様良好であった。
重ね転写の模擬テストでも実施例1同様ほぼ均一に転写画像形成されており、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合でも良好なものであった。
【0055】
比較例4
実施例1で調達した磁性キャリア粒子を用いた。
トナー粒子は帯電制御剤(日本カーリット社製LR147)をオリエント化学工業社製ボントロンE−81(ジターシャルブチルサリチル酸クロム錯体)に変えたこと以外は、下記の通り実施例1同様の方法で調達した。
分岐型ポリエステル系樹脂(実施例1で使用したもの) 91重量部
マゼンタ顔料プレ混練品(実施例1で調達したもの) 15重量部
帯電制御剤(オリエント化学工業社製E−81) 2重量部
で配合、混練、粉砕、分級し、未外添トナーを得た。
実施例1同様にこの未外添トナー100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製R974)0.4重量部とを混合し、トナー粒子(マゼンタ外添トナー)を調達した。トナー粒子の体積平均粒径は8.3μm、真比重は1.2g/cm3 であった。
磁性キャリア粒子96重量部とトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%の現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー濃度Ceff は3.73%である。
実施例1同様の実写テストを行った。
キャリア引き評価では、キャリア粒子が僅かながら採取された。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では1枚目1.10、100枚目0.99であり、1枚目、100枚目の画像濃度が低かった。
トナー飛散は実施例1同様僅かにはあるものの問題のないレベルであった。
重ね転写の模擬テストは、実施例1に比べると均一が悪い転写画像であり、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合不利なものであった。
【0056】
比較例5
実施例1で調達した磁性キャリア粒子を用いた。
トナー粒子は帯電制御剤(日本カーリット社製LR147)をヘキスト社製コピーチャージNX VP434(4級アンモニウム塩)に変えたこと以外は、下記の通り実施例1同様の方法で調達した。
分岐型ポリエステル系樹脂(実施例1で使用したもの) 91重量部
マゼンタ顔料プレ混練品(実施例1で調達したもの) 15重量部
帯電制御剤(ヘキスト社製コピーチャージNX VP434) 2重量部
で配合、混練、粉砕、分級し、未外添トナーを得た。
実施例1同様にこの未外添トナー100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製R974)0.4重量部とを混合し、トナー粒子(マゼンタ外添トナー)を調達した。トナー粒子の体積平均粒径は8.1μm、真比重は1.2g/cm3 であった。
磁性キャリア粒子96重量部とトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%の現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー濃度Ceff は3.64%である。
実施例1同様の実写テストを行った。
キャリア引き評価では実施例1同様キャリア粒子は殆ど採取されなかった。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では1枚目1.40、100枚目1.25であり画像濃度低下は実施例1より少し大きいが、安定していることが確認できた。
トナー飛散が多量に発生した。
重ね転写の模擬テストは、実施例1に比べるとやや均一が悪い転写画像であり、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合不利なものであった。
【0057】
実施例3
実施例1で調達した磁性キャリア粒子を用いた。
トナー粒子はシリコーンオイル0.2部を加えたこと以外は、下記の通り実施例1同様の方法で調達した。
分岐型ポリエステル系樹脂(実施例1で使用したもの) 91重量部
マゼンタ顔料プレ混練品(実施例1で調達したもの) 15重量部
帯電制御剤(日本カーリット社製LR147) 2重量部
シリコーンオイル(信越化学工業製KF96−500CS) 0.2重量部
(本シリコーンオイルは、ポリジメチルシロキサンよりなり、動粘度が500センチストークスである。)
で配合、混練、粉砕、分級し、未外添トナーを得た。
実施例1同様にこの未外添トナー100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製R974)0.4重量部とを混合し、トナー粒子(マゼンタ外添トナー)を調達した。トナー粒子の体積平均粒径は8.2μm、真比重は1.2g/cm3 であった。
磁性キャリア粒子96重量部とトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%の現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー濃度Ceff は3.68%である。
実施例1同様の実写テストを行った。
キャリア引き評価では実施例1同様キャリア粒子は殆ど採取されなかった。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では1枚目1.40、100枚目1.27であり、安定していることが確認できた。
トナー飛散は実施例1より良好で殆どないレベルであった。
重ね転写の模擬テストでも実施例1より均一に転写画像形成されており、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合でも良好なものであった。
【0058】
実施例4
被覆処理する樹脂中に導電剤としてカーボンブラックを樹脂100重量部に対して5重量部分散含有させたこと以外は実施例1同様の方法で磁性キャリア粒子を調達した。磁性キャリア粒子の平均粒径は105μm、真比重は4.8g/cm3 であった。
トナー粒子は実施例3で調達したものを用いた。
磁性キャリア粒子96重量部とトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%の現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー濃度Ceff は3.76%である。
実施例1同様の実写テストを行った。
キャリア引き評価では実施例1同様キャリア粒子は殆ど採取されなかった。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では1枚目1.45、100枚目1.36であり、安定していることが確認できた。
トナー飛散は実施例1同様僅かにはあるものの問題のないレベルであった。
重ね転写の模擬テストでも実施例1より均一に転写画像形成されており、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合でも良好なものであった。
【0059】
実施例5
コート材として−RNHR′NH2 (R、R′はアルキレン基)のアミノ基で部分的に変性されたシリコーン系樹脂100重量部に導電剤としてカーボンブラック5重量部を分散含有させたものを用い、球形フェライト100重量部をコート材約1重量部で被覆処理し磁性キャリア粒子を調達した。磁性キャリア粒子の平均粒径は100μm、真比重は5.0g/cm3 であった。
トナー粒子は実施例3で調達したものを用いた。
磁性キャリア粒子96重量部とトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%の現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー濃度Ceff は3.79%である。
実施例1同様の実写テストを行った。
キャリア引き評価では実施例1同様キャリア粒子は殆ど採取されなかった。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では1枚目1.37、100枚目1.25であり、安定していることが確認できた。
トナー飛散は実施例1より良好で殆どないレベルであった。
重ね転写の模擬テストでも実施例1同様ほぼ均一に転写画像形成されており、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合でも良好なものであった。
【0060】
実施例6
コート材として−RNH2 (Rはアルキレン基)のアミノ基で部分的に変性されたシリコーン系樹脂100重量部に導電剤としてカーボンブラック5重量部を分散含有させたものを用い、球形フェライト100重量部をコート材約1重量部で被覆処理し磁性キャリア粒子を調達した。磁性キャリア粒子の平均粒径は105μm、真比重は4.9g/cm3 であった。
実施例3で調達した未外添トナーを用い、シリカを日本アエロジル社製R972 0.5重量部に変えたこと以外は実施例3と同様の方法で外添し、トナー粒子を調達した。トナー粒子の体積平均粒径は8.2μm、真比重は1.2g/cm3 であった。
磁性キャリア粒子96重量部とトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%の現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー濃度Ceff は3.68%である。
実施例1同様の実写テストを行った。
キャリア引き評価では実施例1同様キャリア粒子は殆ど採取されなかった。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では1枚目1.47、100枚目1.32であり画像濃度低下は実施例1より少し大きいが、安定していることが確認できた。
トナー飛散は実施例1同様僅かにはあるものの問題のないレベルであった。
重ね転写の模擬テストでも実施例1より均一に転写画像形成されており、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合でも良好なものであった。
【0061】
実施例7
実施例5で調達した磁性キャリア粒子を用いた。
トナー粒子は帯電制御剤(日本カーリット社製LR−147)の添加量を2重量部から0.5重量部に変えたこと以外は、実施例5同様の方法で調達した。トナー粒子の体積平均粒径は8.0μm、真比重は1.2g/cm3 であった。
磁性キャリア粒子96重量部とトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%の現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー濃度Ceff は3.70%である。
実施例1同様の実写テストを行った。
キャリア引き評価では実施例1同様キャリア粒子は殆ど採取されなかった。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では1枚目1.32、100枚目1.20であり、安定していることが確認できた。
トナー飛散は実施例1同様僅かにはあるものの問題のないレベルであった。
重ね転写の模擬テストでも実施例1同様ほぼ均一に転写画像形成されており、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合でも良好なものであった。
【0062】
実施例8
実施例5で調達した磁性キャリア粒子を用いた。
トナー粒子は帯電制御剤(日本カーリット社製LR−147)の添加量を2重量部から4重量部に変えたこと以外は、実施例5同様の方法で調達した。トナー粒子の体積平均粒径は8.4μm、真比重は1.2g/cm3 であった。
磁性キャリア粒子96重量部とトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%の現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー濃度Ceff は3.88%である。
実施例1同様の実写テストを行った。
キャリア引き評価では実施例1同様キャリア粒子は殆ど採取されなかった。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では1枚目1.44、100枚目1.33であり、安定していることが確認できた。
トナー飛散は実施例1同様僅かにはあるものの問題のないレベルであった。
重ね転写の模擬テストでも実施例1より均一に転写画像形成されており、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合でも良好なものであった。
【0063】
実施例9
分岐型ポリエステル系樹脂(実施例1で用いたもの) 60重量部
顔料 ピグメントイエロー 93 40重量部
を配合混練し、粗砕し、イエロー顔料プレ混練品を調達した。
分岐型ポリエステル系樹脂(実施例1で用いたもの) 60重量部
顔料 ピグメントブルー 15:3 40重量部
を配合混練し、粗砕し、シアン顔料プレ混練品を調達した。
分岐型ポリエステル系樹脂(実施例1で用いたもの) 91重量部
イエロー顔料プレ混練品 15重量部
帯電制御剤(日本カーリット社製LR147) 2重量部
シリコーンオイル(信越化学工業製KF96−500CS) 0.2重量部
で配合、混練、粉砕、分級し、イエロー未外添トナーを得た。
分岐型ポリエステル系樹脂(実施例1で用いたもの) 93重量部
シアン顔料プレ混練品 12重量部
帯電制御剤(日本カーリット社製LR147) 2重量部
シリコーンオイル(信越化学工業製KF96−500CS) 0.2重量部
で配合、混練、粉砕、分級し、シアン未外添トナーを得た。
実施例1同様にこれらの未外添トナー100重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製R974)0.4重量部とを混合し、イエロートナー粒子(イエロー外添トナー)とシアントナー粒子(シアン外添トナー)を調達した。イエロートナー粒子の体積平均粒径は8.2μm、真比重は1.2g/cm3 であった。シアントナー粒子の体積平均粒径は8.1μm、真比重は1.2g/cm3 であった。
実施例4で調達した磁性キャリア粒子96重量部とこれらのトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%のイエロー現像剤とシアン現像剤を調達した。イエロー現像剤の実効トナー濃度Ceff は3.76%である。シアン現像剤の実効トナー濃度Ceff は3.71%である。
イエロー及びシアンそれぞれの現像剤、トナー粒子について、実施例1同様のキャリア引き、ベタ濃度の維持性(追従性)、トナー飛散の実写テストを行った。
キャリア引き評価ではイエロー、シアンともに実施例1同様キャリア粒子は殆ど採取されなかった。
ベタ濃度の維持性(追従性)評価では、イエローは1枚目1.32、100枚目1.20であり、シアンは1枚目1.43、100枚目1.33であり、安定していることが確認できた。
トナー飛散では、イエローは実施例1より良好で殆どないレベルであった。シアンは実施例1同様僅かにはあるものの問題のないレベルであった。
重ね転写の模擬テストは、実施例1のテスト方法にならい1回目の複写はイエロー現像剤でおこない、未定着イエロー画像を用い、シアン現像剤で2回目の複写を行った。外部定着機で定着した。2色の色重ね画像が均一に転写され緑色の均一な画像が形成されており、フルカラー等の色重ね現像を想定した場合でも良好なものであった。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、キャリア引き、トナー飛散を防止しつつ、トナー濃度、帯電性ともに安定し、高印字率プリントにも対応しうる高画質の静電現像剤を提供することができる。
Claims (9)
- 少なくとも色の異なるトナー粒子と磁性キャリア粒子を含有する複数の現像剤を用い、それらの色の異なるトナー粒子により転写材上に多色画像を顕像化するフルカラー現像に用いられるフルカラー現像剤であって、磁性キャリア粒子は球形粒子であり、トナー濃度T/D(%)が式(1)を満足し、トナー粒子は少なくとも下記の一般式で示されるホウ素含有有機物を含有することを特徴とするフルカラー現像剤。
T/D>C eff (1)
C eff=2・ρt/(2・ρt+X・ρc)×100(%)
X=R/r
T/D:現像剤中のトナー粒子重量含有率(%)
ρt:トナー粒子の真密度(g/cm3)
ρc:磁性キャリア粒子の真密度(g/cm3)
R :磁性キャリア粒子の平均半径(μm)
r :トナー粒子の平均半径(μm)
一般化学式
- トナー粒子を構成するバインダー樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載のフルカラー現像剤。
- トナー粒子を構成するバインダー樹脂の軟化点が125℃以下であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載のフルカラー現像剤。
- 磁性キャリア粒子が体積平均粒径90μm以上のフェライト粒子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフルカラー現像剤。
- 磁性キャリア粒子は少なくとも導電性微粒子を分散含有する樹脂コート材で表面処理されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフルカラー現像剤。
- 磁性キャリア粒子は少なくともアミノ基を含有する樹脂を含むコート材でコートされていることを特徴とする請求項6に記載のフルカラー現像剤。
- アミノ基を含有する樹脂が、アミノ基が結合したシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂の群から選ばれるものであることを特徴とする請求項7に記載のフルカラー現像剤。
- アミノ基を含有する樹脂を含む樹脂コート材が、アミノシランカップリング剤を添加したシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項7に記載のフルカラー現像剤。
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