JP2000056498A - 静電現像剤およびフルカラー静電現像方法 - Google Patents

静電現像剤およびフルカラー静電現像方法

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JP2000056498A
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electrostatic
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Yoshinobu Hiramatsu
義信 平松
Takuya Nishigori
錦織  卓哉
Shinichi Saiki
晋一 斉喜
Toshihiko Aihara
利彦 相原
Takayuki Kanai
孝之 金井
Kazuo Mitsuhashi
和夫 三ツ橋
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッジ効果、2次色中抜けが少なく、特にタ
ンデム方式に好適な静電現像剤およびフルカラー静電現
像方法を提供する。 【解決手段】 トナー粒子と磁性キャリア粒子とを含有
する静電現像剤において、トナー粒子はシリコーンオイ
ルを含有し、磁性キャリア粒子は樹脂コート材によって
表面処理され、樹脂コート材は導電性微粒子を含有して
いることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真法を応
用して色の異なるトナー粒子により2次色を顕像化する
フルカラー複写機、フルカラープリンター等に使用され
る静電現像剤およびその静電現像方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は米国特許2297691
号、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−2
4748号公報などに種々開示されている通り、一般に
は光電導物質を含む感光体上に種々の手段により静電荷
の電気的潜像を形成し、ついで該潜像を予めキャリアー
や現像槽の器壁との接触で帯電しているトナーで粉像と
して現像し、必要に応じて紙などに該粉像を転写した
後、加熱、加圧或いは溶剤蒸気などにより定着するもの
である。
【0003】前記トナーはスチレンアクリルやポリエス
テルなどの樹脂中に各種染料、顔料等を分散させたもの
を1〜30μm程度に微粉砕した粉体であって、表面に
静電気力でトナーを担持しつつそれ自身が磁力で感光体
近傍まで運搬されるキャリアーと称される粉径30〜2
00μm程度の粉鉄、フェライト、マグネタイトと混合
して二成分現像剤として用いられるか、またはキャリア
ーを用いずキャリアーの機能をトナーの粉子中に含有せ
しめた磁性粉で代替される磁性一成分現像剤や、磁気力
を用いず現像槽の器壁との静電気付着だけにより電気的
潜像近傍へ搬送し現像する非磁性1成分現像剤として用
いられる。
【0004】トナーとキャリアを用いる2成分現像剤は
トナーが現像に使用され現像剤中のトナー濃度が減少し
た時、現像剤にトナーを補給し常に適正なトナー濃度を
維持しながら使用することが好ましい。補給されたトナ
ーはキャリアとの接触により速やかに帯電させ現像に使
用される。速やかに帯電しないとトナーが現像槽の外部
に飛散したり、電気的潜像の本来トナーが乗るべきでな
い電位部分に付着してカブリと言われる画像欠陥を生じ
好ましくない。速やかに帯電させるためには補給された
トナーがキャリア表面と接触し帯電する必要がある。キ
ャリア粒子がトナー粒子で隙間なく覆われ、補給された
トナー粒子がキャリアと接触することが出来ないようで
は速やかな帯電は望めない。適正なトナー濃度上限の計
算方法としては「保志、安西:二成分現像剤の実効キャ
リア被覆率」(電子写真学会誌第25巻 第4号(19
86)p17)が一般に知られており、
【0005】C eff=2・ρt/(2・ρt+X・ρ
c)×100(%) X=R/r ρt:トナー粒子の真密度(g/cm3 ) ρc:磁性キャリア粒子の真密度(g/cm3 ) R :磁性キャリア粒子の平均半径(μm) r :トナー粒子の平均半径(μm)
【0006】で計算される実効トナー濃度C eff(%)
が実用的に使用されるトナー濃度上限であると言われて
いる。
【0007】フルカラー複写機、フルカラープリンター
においては、イエロー、マゼンタ、シアンの3色、さら
に必要に応じてブラックを加えた4色を重ねることによ
りフルカラーを再現する。電子写真装置においては、紙
やオーバーヘッドプロジェクター用シート(OHPシー
ト)などの被転写材上に上記の3色乃至4色のトナーを
色重ね転写する。色重ね転写する機構としては、各種機
構が実用化されている。色の異なる複数の現像器、一つ
の感光体を用いて、被転写材をドラム状部材に巻き付
け、トナーを感光体へ現像し巻き付けた被転写材へ転写
することを必要な色の回数だけ繰り返す方法、色の異な
る複数の現像器、一つの感光体、中間転写体を用いて、
トナーを感光体へ現像し中間転写体へ転写することを必
要な色の回数だけ繰り返し、最後に纏めて被転写材へ転
写する方法、色の異なる複数の現像器、一つの感光体を
用い、トナーの感光体への現像を非接触現像とし感光体
上に顕像化された画像を現像工程で乱さないようにする
ことで感光体上に必要な色の回数だけ現像を繰り返した
後、感光体から纏めて被転写材へ転写する方法、色の異
なる複数の現像器とそれぞれの現像器と対をなす複数の
感光体を用い、複数の現像転写を並列処理するタンデム
方式と言われる方法などの機構がある。
【0008】ところで、2成分現像方式が元来持つ弱点
として、「エッジ効果」が知られている。「エッジ効
果」とは、中間調潜像やベタ画像潜像の中心部に比べ、
濃度が段階的に変わる境界部分において電気力線が密と
なりトナー粒子へのクーロン力が強調される現象であ
る。境界部高濃度側では過剰現像(「エッジ」と言われ
る)となり、低濃度側では逆に濃度が不足したり、さら
に極端な場合は低濃度側が白紙のはずが強調された電界
により逆帯電トナーが現像し「尾引き」や「クレス
ト」、「ゴースト」と呼ばれる白地汚れとなってしまう
現象が発生することがある。」
【0009】また、物理的機構は明確ではないが、この
エッジ効果と現像ローラの回転方向の関係により特に中
間調やベタ画像の先端あるいは後端の一方の「エッジ」
が特に強調されたり、前記の境界部低濃度側の濃度不足
が高濃度側まで入り込んで発生しているようにも考えら
れる先端あるいは後端の画像の「欠け」が発生すること
もある。」一般に現像部において感光体を後ろから現像
剤磁気ブラシが追い越すように現像ローラが回転する場
合は「先端欠け」「後端エッジ」が発生し、現像部にお
いて感光体と現像剤磁気ブラシが対向するように現像ロ
ーラが逆回転する場合は「先端エッジ」「後端欠け」が
発生することが多い。
【0010】以上の「エッジ効果」による不具合を軽減
する方法としては、従来から「電極効果」による各種改
良方法が知られている。現像ローラを極力感光体に接近
させて電気力線の集中をなくすことが最も良い方法であ
るが、反面磁気ブラシが感光体と接触する圧力が変わ
り、他の画質に対する影響が大きい。また、キャリア粒
子の粒径を細かくすることでも「エッジ効果」軽減が期
待できる。キャリア粒子が細かいと磁気ブラシが密とな
り現像機会が均一化すること、また磁気ブラシが密とな
ることで現像剤抵抗が低下し「電極効果」により「エッ
ジ効果」が軽減することができるが、キャリア粒径を細
かくすると現像剤中の磁性キャリア粒子が感光体に転移
してしまい画像欠陥となる「キャリア引き」と言われる
好ましくない現象が発生する。
【0011】また黒トナーとカラートナーを比較した場
合、カラートナーの方が「エッジ効果」が顕著に現れる
傾向がある。近年のトナーの大半が絶縁性トナーであ
り、静的に抵抗率を測定した場合、1015Ω・cm以上
で抵抗率を比較することは難しい。しかしながら、黒ト
ナーとカラートナーをそれぞれ同じキャリアと混合し、
後述の「デベ電流装置」で動的現像剤抵抗率を比較する
と帯電量、粉体特性などの他の物性が殆ど同じ場合でも
カラートナーを使用した現像剤の方が動的抵抗率が高い
ことが多い。黒トナーは着色剤として導電性のカーボン
ブラックを着色剤として使用しているのに対し、カラー
トナーの着色剤は絶縁性物質が多いため、静的抵抗率と
して比較できなくとも実際の現像域での動的抵抗率は高
く、「エッジ効果」による不具合が発生しやすいものと
推察される。
【0012】さらに色重ねを行うフルカラー現像方式な
どにおいては、このエッジ効果が転写工程においても不
具合の原因となる。色重ねにより得られた2次色の文字
や2次色のソリッド画像エッジ部においては、トナー層
が2色分のため、エッジ効果による過剰現像も2倍とな
り、すべてのトナーを転写しきれず、「2次色中抜け」
の問題が生じやすい。「2次色中抜け」とは転写される
べきトナー粒子層厚が厚いため、転写しきれず、たとえ
ば被転写材上上層になるべきトナーが転写されず、転写
元の感光体などに残ってしまい、転写の色抜けが生じる
ことである。たとえば、マゼンタを下層、イエローを上
層とし、赤色を再現しようとしたとき、マゼンタトナー
は転写されるが部分的にイエロートナーが転写できず、
赤色画像の中にマゼンタ色の斑が入ってしまったりす
る。本現象は文字などの細線やベタ画像の端などエッジ
効果によりトナーが厚く現像される部分に発生しやす
い。2色重ねについて説明したが、黒トナーを用いず、
イエロー、マゼンタ、シアンの3色を重ねることで黒色
を再現する方式の場合、本問題はより顕著に現れると考
えられる。
【0013】電子写真の転写工程は一般に感光体や中間
転写体に被転写材を接触対面させ、被転写裏面に転写ロ
ーラーやコロナ放電器からトナー粒子の帯電極性と逆の
電場を印加したり、逆の電荷を注入し、クーロン力によ
りトナー粒子を被転写材に転移させる。以下に電気力学
的モデルで説明する。たとえばトナーの帯電極性が負の
場合、転写工程においては感光体表面に相対的に正の電
荷が存在し、負電荷を有するトナー粒子の層、被転写材
の裏面或いは被転写材内部に注入された正の電荷が存在
する。トナー粒子層内の電気力線の向きは被転写材に近
い部分ではトナーを被転写材に引きつける方向であり、
被転写材から遠ざかり感光体に近づくと電気力線は被転
写材からの距離の一次関数的に弱くなっていく。被転写
材の正電荷量が不足している場合、感光体近傍では電気
力線の向きは逆転し、トナーを感光体側に引きつける向
きとなる。クーロン力以外の力(たとえばファンデルワ
ールス力など)が無視できる程度に小さいとすると、転
写工程で被転写材を感光体から剥離する時、電気力線が
丁度ゼロとなるところを境にトナー層は被転写材側と感
光体側に分離してしまう。トナー層が厚いとトナー層の
感光体側は感光体側に分離することとなる。したがっ
て、被転写材裏面への逆の電場を印加乃至逆の電荷を注
入は、少なくともトナー層全域において、電気力線の向
きがトナー粒子を被転写材側へ引きつける向きであるこ
とが必須である。また、電気力線強度の一次関数的減少
の傾きはトナー層中の電荷量(トナー粒子の帯電量)に
比例するため、トナー粒子の帯電量が大きいとより大き
な被転写材裏面への逆の電場を印加乃至逆の電荷注入を
必要とする。
【0014】さらにファンデルワールス力などのクーロ
ン力以外のトナーの感光体への付着力の寄与、その付着
力が強かったり弱かったりする分布に対するマージンを
考慮するとさらに大きなものである必要がある。感光体
から被転写材への転移について説明したが、中間転写体
から被転写材への転移も同様に十分に大きな転写電界や
転写電荷注入を必要とする。モノクロに対して色重ねは
トナー層の厚さの点で不利である。
【0015】しかしながら、一般的な普通紙に転写する
場合、普通紙は転写電界や注入電荷の電気が紙の中を移
動しやすく、温湿度環境によってその程度も著しく変化
する。電界や注入電荷が大き過ぎると電荷が被転写材の
トナー層側まで達しさらにトナー層へと電荷が移動し、
これもまた転写不良の原因となる。さらに厚さや紙質の
異なる各種紙に加えオーバーヘッドプロジェクター用シ
ート(OHPシート)にも対応しなければならない場
合、全てをカバーした転写電界、転写電荷条件を選定し
なければならない。
【0016】次に各種色重ね機構を比較するとタンデム
方式が他の機構に比べ、特に「2次色中抜け」の問題に
対して不利であると考えられる。中間転写体を用いる場
合、色重ね転写に有利な中間転写体の物性を選択でき
る。被転写材をドラムに巻き付ける方式は、ドラムの表
面の物性を選択することで被転写材と一体化した時の各
種被転写材の物性を近づける効果を持たせることが出来
る。感光体の上で色重ねしたものを一度に転写する方式
は、最適な条件をひとつ選択すればよい。一方、タング
ステン方式の場合、各種物性の被転写材の上で色を順次
重ねなければならず、初回の転写と2色目以降の転写で
は条件が異なり、表面が平滑とは限らない被転写材と感
光体との複数回の接触、剥離での画像の乱れ、混色等も
配慮する必要がある。フルカラー用現像剤、特にタング
ステン方式用現像剤には、エッジ効果、2次色中抜けが
少なく、転写状態の良好な現像剤が切望されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、以上の実
状を背景としてなされたもので、エッジ効果、2次色中
抜けが少なく、特にタンデム方式に好適な静電現像剤お
よびフルカラー静電現像方法を提供することを目的とし
ている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の
「2次色中抜け」の問題点を解決し、高性能な現像方法
及び現像剤を得るべく、鋭意検討した結果、導電性微粒
子を分散含有させたコート材で磁性キャリア粒子を表面
処理し、離型性に優れたシリコーンオイルをトナー粒子
中に添加することで本発明を達成した。上記の目的を達
成するため、この発明に係る静電現像剤はトナー粒子と
磁性キャリア粒子とを含有する静電現像剤において、前
記トナー粒子はシリコーンオイルを含有し、前記磁性キ
ャリア粒子は樹脂コート材によって表面処理され、該樹
脂コート材は導電性微粒子を含有していることを特徴と
している。また、この発明に係るフルカラー静電現像方
法は有色トナー粒子と磁性キャリア粒子とをそれぞれ含
有する少なくとも2色の静電現像剤を用い、それぞれの
有色トナー粒子の画像を被転写材の表面に重ね合わせて
2次色を顕像化するフルカラー静電現像方法において、
前記それぞれの有色トナー粒子はシリコーンオイルを含
有し、前記それぞれの磁性キャリア粒子は樹脂コート材
によって表面処理され、該樹脂コート材は導電性微粒子
を含有している静電現像剤を用いることを特徴としてい
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるトナー粒子(以下、第1及び第2の
有色トナー粒子も含めトナー粒子とし記載)はバインダ
ー樹脂に着色剤、シリコーンオイル、必要に応じて帯電
制御剤、その他の離型剤、その他の物質等を分散含有し
た微粉末である。トナー粒子の平均粒径は4〜20μm
が好適である。本発明に用いられるバインダー樹脂とし
ては、トナーに適した公知の種々のものが使用できる。
【0020】例えば、ポリエスレン、ポリクロロスチレ
ン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチ
レン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合
体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体
(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル
共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及び
スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン
−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共
重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチ
レン−メタクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−メ
タクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロ
ルアクリル酸メチル共重合体及びスチレン−アクリロニ
トリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹
脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単独重合体ま
たは共重合体)、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン
酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、飽和ポリエス
テル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、低分子量ポリエチ
レン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポ
リウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂並びに
ポリビニルブチラール樹脂等があるが、本発明に用いる
のに好ましい樹脂としては、スチレン系樹脂、飽和もし
くは不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂等を挙げ
ることができる。
【0021】ポリエステル樹脂の内、架橋性ポリエステ
ル樹脂は、2価のカルボン酸単量体と2価のアルコール
単量体と3価以上の多価カルボン酸単量体や多価アルコ
ール単量体との重縮合によって得られる。2価のアルコ
ール単量体としては、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4
−ブテンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、
ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプ
ロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノ
ール類、その他の2価のアルコール単量体が挙げられ
る。2価のカルボン酸単量体としては、イソフタル酸、
テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ジフェン酸、
ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸、これらの酸の無水物もしくは低級アルキルエステル
を主成分とするものが挙げられる。3価以上の多価カル
ボン酸としては、トリメリト酸、シクロヘキサントリカ
ルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリカル
ボン酸、ヘキサントリカルボン酸、オクタンテトラカル
ボン酸、及びこれらの酸の無水物、その他を挙げること
ができる。3価以上の多価アルコール単量体としては、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリ
セリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0022】また、光沢性、透明性が要求されるフルカ
ラー用に用いられるバインダー樹脂としては、スチレン
系樹脂やポリエステル樹脂の内、非架橋性であり、分子
量分布の狭いものが好ましく、非架橋性ポリエステル樹
脂がより好ましい。重量平均分子量が数平均分子量の5
倍以下のものが好ましく、さらに3倍以下のものがより
好ましい。
【0023】非架橋性ポリエステル樹脂は、2価のカル
ボン酸単量体と2価のアルコール単量体とを主成分とす
る重縮合によって得られる。2価のアルコール単量体と
2価のカルボン酸単量体としては、架橋性ポリエステル
樹脂と同様のものが挙げられる。実質的に非架橋性樹脂
の性質を失わない程度、すなわち線形ポリマーに対し高
々分岐構造を与える程度の範囲内で3価以上の多価カル
ボン酸単量体や多価アルコール単量体等を約2モル%程
度以下添加しても良い。また、1種類ずつで使用するに
限らず、2種以上のバインダー樹脂を併用することもで
きる。
【0024】該バインダー樹脂を用いて製造した現像剤
の軟化点は、フローテスタ法で測定した値が、150℃
以下であるものが好ましく、135℃以下であるものが
一層好ましい。150℃を越える場合は、充分な低温定
着性が得られず、定着強度が悪化する傾向にあるので好
ましくない。光沢性、透明性が要求されるフルカラー用
に用いられるバインダー樹脂としては、125℃以下で
あるものが好ましく、115℃以下であるものがより好
ましい。軟化点は低いほど定着性の点で優れており、好
ましい軟化点を低下させることに伴い後述のガラス転移
点も低下するため、ガラス転移点低下の弊害と合わせ樹
脂設計する。
【0025】また、該バインダー樹脂を用いて製造した
現像剤のガラス転移温度は、示差熱分析装置で測定した
ときの転移開始(変曲点)が50℃以上であるのが好ま
しく、60℃以上のものがより好ましい。ガラス転移温
度が50℃未満の場合、長期保管時の熱安定性が悪く、
トナーの凝集や固化を招き使用上問題がある。さらに7
5℃以上の場合は、トナーの融着や微粉粉砕にマージン
があるもののガラス転移点を増加させることに伴い軟化
点も増加するため、定着性が悪化する傾向がある。
【0026】本発明で用いる着色剤としては、公知の顔
料、染料を用いればよい。例えば、カーボンブラック、
酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウ
ム、群青、紺青、フタロシアニンブルー、フタロシアニ
ングリーン、ハンザイエローG、ローダミン系染料、ク
ロムイエロー、キナクリドン、ヘンジジンイエロー、ロ
ーズベンガル、トリアリルメタン系染料、アントラキノ
ン染料、モノアゾ及びジスアゾ系染顔料などの着色剤を
単独または2種以上混合して使用できる。
【0027】黒色トナー用着色剤としては、カーボンブ
ラックが一般的に用いられる。本発明の有色トナー粒子
に用いられる着色剤はカーボンブラックなどの黒色着色
剤以外のカラー着色剤が用いられる。
【0028】有色トナーのうち、特にフルカラートナー
用の着色剤については、イエロー用としては、G.I.
Pigment Yellow 14,C.I.Pig
ment Yellow 17,C.I.Pigmen
t Yellow 93,C.I.Pigment Y
ellow 94,C.I.Pigment Yell
ow 138,C.I.Pigment Yellow
161,C.I.Pigment Yellow 1
66,C.I.Pigment Yellow180等
が知られている。マゼンタ用としては、C.I.Pig
ment Red 48:1,C.I.Pigment
Red 53:1,C.I.Pigment Red
57:1,C.I.Pigment Red 12
2,C.I.Pigment Red 123等が知ら
れている。シアン用としては、C.I.Pigment
Red 15:3,C.I.Pigment Blu
e60等が知られている。これらの着色剤を単独で用い
ても良いし、または2種以上のものを組み合わせて用い
ても良い。さらにオレンジ、グリーン、バイオレットな
どの着色剤を併用し色相調整を行っても良い。
【0029】着色剤の含有量は、現像により可視像を形
成することができるようトナーを着色するに十分な量で
あればよく、例えば樹脂100重量部に対して1〜20
重量部、中でも特に3〜15重量部が好適である。色重
ねを行う場合、これら着色剤を樹脂とプレ混練し分散を
上げると好ましい。着色剤の分散粒径が大きいと上層の
トナー層内の着色剤分散粒子で光や屈折や散乱してしま
い下層のトナー層まで届きにくくなる。着色剤分散粒子
は可視光波長と同程度以下の大きさが好ましく、大きい
ものでも可視光波長の3〜4倍以下になっていると好ま
しい。
【0030】本発明に用いられるシリコーンオイルとし
ては、ポリジメチルシロキサンやメチル基が部分的に水
素やフェニル基で置換されたポリジメチルシロキサン、
またはアクリルやアミノ基で変性されたものなどが好ま
しく使用でき、ポリジメチルシロキサンがもっとも好ま
しい。シリコーンオイルの粘度としては、常温で1〜5
000センチストークスのものが好ましい。トナー粒子
中に0.02〜2重量%程度を添加すればよい。特に
0.05〜0.5重量%が好適である。シリコーンオイ
ルを添加することで離型効果により静電気力以外の付着
力等を低下し転写性が向上し「2次色中抜け」が改良さ
れる。また、機構は定かでないが、トナー飛散、カブリ
を減らす効果も確認された。
【0031】シリコーンオイルの添加方法としては、他
の原料ともにバインダー樹脂に混練し分散含有させる方
法とトナー粒子に後から添加する方法があるが、混練分
散した方がトナー粒子個々に均一に行き渡るので好まし
い。
【0032】本発明に用いられる帯電制御剤としては、
特公平3−37183号公報、特公平2−16916号
公報等に記載の含金アゾ染料や特公昭55−42752
号公報等に記載のサリチル酸類金属錯体、特開昭63−
163374号公報等に記載のサリチル酸類金属塩、特
開平5−119535号公報等に記載の金属元素を含有
しないカリックスアレン化合物、ホウ素含有有機物など
が挙げられる。カラー用に併用する場合は無色乃至薄色
のものが好ましく、サリチル酸類金属錯体やサリチル酸
類金属塩、カリックスアレン化合物、ホウ素含有有機物
には無色乃至薄色のものが知られており、市販品ではヘ
キスト社製Copy Charge NX VP43
4、オリエント化学工業社製ボントロンE−81,E−
84,E−89、日本カートリッジ社製LR−147な
どがよく知られている。
【0033】特にホウ素含有有機物を使用した場合、現
像剤の動的抵抗率が小さくなり、「エッジ効果」を軽減
でき、本発明の磁性キャリア粒子との組み合わせでは帯
電量が低めでも飛散、カブリが比較的良い傾向があり、
好ましく使用できる。本トナーに用いられるホウ素含有
有機物としては、
【0034】
【化3】
【0035】の化学式で示されるホウ素含有有機物が好
適である。このホウ素含有有機物は無色であり、有色ト
ナー粒子用、フルカラートナー用として使用に適してい
る。市販のものとしては、日本カーリッジ社製LR−1
47がよく知られており好適である。この有機物の添加
量としては、トナー中に0.2〜10重量%が好まし
く、0.4〜5重量%がより好ましい。上記の帯電制御
剤をトナーに含有させる方法としては、トナー内部に添
加する方法と外添する方法とがあるが、内添する場合が
一般的である。
【0036】本発明に用いられるその他の離型剤として
ポリアルキレンワックス、パラフィンワックス、高級脂
肪酸、脂肪酸アミド等が挙げられる。その添加量は、バ
インダー樹脂100重量部に対し、0.05〜10重量
部が好ましい。光沢性、透明性が要求されるフルカラー
用に用いられる場合はそれら助剤を多量に用いると弊害
となることもある。
【0037】粉砕法によるトナーの製造方法の場合、上
記の各成分をニーダー等で混練し、冷却後、粉砕し、分
級すればよい。本発明のトナー粒子には外添剤を添加し
ても良い。外添剤としては公知の無機または有機の各種
外添剤を使用することができるが、特にトナーの流動性
向上、凝集性抑制を図る為にチタニア、シリカ、アルミ
ナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の無機微粉末が好適
である。
【0038】トナーの流動性を改善する為には外添剤の
BET比表面積は20〜700m2/g、好ましくは5
0〜500m2 /g程度がよい。比表面積が20m2
g未満だとトナーに十分な流動性付与ができず篩別装置
でのスクリーン通過性が悪くなりトナー収率悪化(生産
性の悪化)、現像時の搬送性の悪化、摩擦帯電機能の劣
化を招き問題がある。また、比表面積が700m2 /g
より大きいとトナー粒子同士の隔壁効果がなくなり、高
温での貯蔵安定性が悪化し、また外添剤同士が凝集しや
すくなり取り扱い性、トナー表面への均一な分散がしづ
らくなる。
【0039】外添剤の混合量は、使用する外添剤及びト
ナー粒子の平均粒径、粒度分布などにより異なるが、所
望するトナー流動性を得る量がよく、例えばトナー粒子
100重量部に対して0.05〜10重量部、更には
0.1〜8重量部が好適である。混合量が0.05重量
部未満では流動性改善効果がなく篩別装置での収率が悪
化し、混合量が10重量部より多いと一部遊離した外添
剤により感光体にフィルミングを発生したり、現像槽内
部に堆積し現像剤の帯電機能の劣化等の障害を引き起こ
し好ましくない。
【0040】また、外添剤は高湿環境下での安定性面よ
り、無機微粉末の場合には公知のシランカップリングな
どの処理剤で疎水化処理されたものがより好ましく、更
に、帯電性を考慮する場合には負荷電性を付与する処理
剤としてはジメチルジクロロシラン、モノオクチルトリ
クロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオ
イルなど、正荷電性を付与する処理剤としてはアミノシ
ランなどを使用すればよい。
【0041】この他、トナー外添剤として抵抗調整、研
磨剤などの目的で、流動性改善用以外の公知のマグネタ
イト、ファライト、導電性チタン、酸化アンチモン、酸
化錫、酸化セリウム、ハイドロタルサイト類化合物、ア
クリルビーズ、シリコーンビーズ、ポリエチレンビーズ
などの微粉末を適量混合してもよく、その混合量はトナ
ー100重量部に対して0.005〜10重量部が好ま
しい。トナー粒子に外添処理する場合には、分級トナー
と外添加剤を高速攪拌機(ヘンシェルミキサー、スーパ
ーミキサーなど)等で攪拌混合すればよい。
【0042】本発明に用いられる磁性キャリア粒子(以
下、第1及び第2の磁性キャリア粒子も含め磁性キャリ
ア粒子とし記載)としては、鉄粉、フェライト粉、マグ
ネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のもの
が使用できる。キャリア粒子を球形のものとするとトナ
ーとの摩擦が均一化、安定化し、転写性に大きな影響を
及ぼす帯電量が安定化し好ましい。また、現像時の感光
体への接触が均一かつソフトになる点でも球形の粒子が
好ましく、球形フェライト粉や球形マグネタイト粉が最
も好ましい。球形フェライト粉としては、一般式(M
O)m (Fe2 3 n で示されるフェライト粉が好ま
しく、(MO)成分としては、CuO,ZnO,Ni
O,FeO,MnO,MgO,BaO,LiO等の成分
を1種または2種以上選定して使用すればよい。市販品
では、パウダーテック社製F−100,F−150,F
L−150,FSL−100などが最も良く知られた静
電現像キャリア用球形フェライト粉である。本発明に用
いられる磁性キャリア粒子は、少なくとも導電性微粒子
を分散含有する樹脂コート材で表面処理する。分散含有
した導電性微粒子の効果によりキャリア抵抗、現像剤の
動的抵抗率を下げ、「エッジ効果」を軽減し、上記のシ
リコーンオイルとの相乗効果により「2次色中抜け」を
防止できる。
【0043】導電性微粒子としては、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化亜鉛、
マグネタイト、マグヘマイト、ヘマタイト、フェライト
などの導電性微粒子が使用できる。なるべく少量の添加
で効果を発揮させることが好ましく、抵抗率が低いも
の、粒径の細かいものがより好ましい。抵抗率として
は、108 Ω・cm以下が好ましく、10Ω・cm以下
が最も好ましい。また、フルカラー現像方式等の色重ね
転写性を向上させる効果がある。1次粒子粒径として
は、200nm以下が好ましく、50nm以下がより好
ましい。従って、抵抗率が低く粒径の細かいカーボンブ
ラックが最も好ましく使用できる。添加量は抵抗率や粒
径にもよるがコート材の25重量%以下の範囲が好まし
い。
【0044】本発明の樹脂コート材は、公知のシリコー
ン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂などが使用できる。或いはこれら樹脂を、単層
または多層にコーティングしたものも使用できる。多層
コーティングの場合、導電性微粒子は多層全てに添加し
ても良いし、一部添加しない層があっても良い。特にア
ミン基含有樹脂とシリコーン樹脂の併用やアミン基変性
シリコーン樹脂、シリコーン樹脂をコーティングする際
にアミノシランカップリング剤を添加したものが好まし
い。
【0045】本発明に用いられる磁性キャリア粒子の平
均粒径は、使用する現像システムにおいて「キャリア引
き」を起こさない範囲で選択すれば特に制限はないが、
50〜200μmの平均粒子径を有するものが好まし
く、90μm以上のものがより好ましい。本発明に用い
られる静電現像剤のトナー濃度T/D(%)は、現像剤
中のトナー重量百分率で定義される。 即ち、トナー濃度T/D(%)は、T/D(%)=(現
像剤中のトナー重量) /(現像剤重量)×100で計算される。本発明に用い
られる静電現像剤のトナー濃度T/D(%)は式(1)
を満足する範囲に設定すると好ましい。
【0046】 T/D>C eff (1) ただし、C eff=2・ρt/(2・ρt+X・ρc)×
100(%) X=R/rT/D:現像剤中のトナー粒子重量含有率
(%)ρt:トナー粒子の真密度(g/cm3 )ρc:
磁性キャリア粒子の真密度(g/cm3 )R :磁性キ
ャリア粒子の平均半径(μm)r :トナー粒子の平均
半径(μm)
【0047】高印字率でのプリントを連続で実施すると
消費にトナーの補給が追い付かない場合には徐々にトナ
ー濃度が低下する。実効トナー濃度C effより低いトナ
ー濃度T/Dで使用した場合、トナー濃度の低下に伴う
帯電量絶対値の変化が激しい。式(1)を満足する範囲
で使用すると帯電量絶対値の変化が小さい上、画像濃度
も安定するため、転写性が安定し「2次色中抜け」防止
には好ましい。磁性キャリア粒子の粒径が90μm以上
の場合、本安定性はより好ましい方向である。
【0048】本発明の静電現像方法に用いられる第1の
静電現像剤は、第1の有色トナー粒子と第1の磁性キャ
リア粒子の混合物である。第2の静電現像剤は、第1の
有色トナー粒子と異なる色を有する第2の有色トナー粒
子と第2の磁性キャリア粒子の混合物である。第1の磁
性キャリア粒子と第2磁性キャリア粒子は同じであって
も異なってもよい。
【0049】本発明の静電現像方法に用いられる被転写
材は、従来から複写機用に広く用いられている普通紙で
あり、40〜200g/平方mの厚さの紙が一般に用い
られる。さらに50〜100g/平方mの紙がよく用い
られる。80g/平方mの紙が好適である。また被転写
材としては、OHPシートも近年多く用いられている。
本発明の静電現像方法においては、被転写材は単一物性
のものに限らず、薄い紙から厚い紙まで、さらにOHP
シートを含め対応する。
【0050】被転写材上に第1の有色トナー粒子による
画像と第2の有色トナー粒子による画像とを重ね2次色
を発色させる。たとえば、イエロートナーとマゼンタト
ナーを重ね赤色の画像を再現する。複数色のトナーを重
ねフルカラーを再現する場合、イエロー、マゼンタ、シ
アントナーが一般に用いられる。
【0051】本発明の静電現像方法に用いられる色重ね
の方法としては、「従来技術」に記載された各種方法に
対応するが、被転写材上に順次異なる色のトナーを転移
させて被転写材上で2次色を顕像化する方法で特に好ま
しく使用できる。第1の静電現像剤により第1の有色ト
ナーによる画像を第1の感光体上で顕像化し、被転写材
を第1の感光体に接触させ被転写材裏面に直接コロナ放
電や転写ローラによる電荷を与え、第1の有色トナーを
転移させ、ついで第2の静電現像剤により第2の有色ト
ナーによる画像を第2の感光体上で顕像化し、第1の有
色トナー画像が形成された被転写材を第2の感光体に接
触させ第1の有色トナー同様の方法で転移させ2次色を
発色させる方法により好ましく使用できる。本動作を並
行し行う方式はタンデム方式と言われている。
【0052】トナー粒子の粒径の測定は一般的には、コ
ールターカウンターによる方法が広く用いられている。
今回の発明で使用したトナー粒子の平均粒径は、コール
ターカウンターTA−II型に100μmのアパチャーを
使用し、トナー粒子をアイソトンに分散し、第3チャン
ネル〜第16チャンネルを使用しトナー粒径分布を測定
し体積平均により決定した。トナー粒子の平均半径は平
均粒径の1/2である。
【0053】磁性キャリア粒子の粒径は、一般に目開き
の異なる複数の篩を用い測定する。目開きの小さい篩を
下に大きい篩を上になるように順に重ね、磁性キャリア
粒子を篩い、それぞれの篩の上に残ったキャリア粒子の
重量から粒度分布を求め、それぞれの篩の上に残ったキ
ャリア粒子の粒径はその篩の目開きと一つ上段の篩の目
開きの平均とし重量平均粒径を計算する。磁性キャリア
粒子の平均半径はこの重量平均粒径の1/2で定義す
る。
【0054】現像剤の動的抵抗率は「デベ電流装置」と
言う装置で測定した。OPC感光体ドラムと球形フェラ
イトキャリアを用いた市販の2成分現像方式複写機を改
造した「デベ電流装置」を用いた。OPC感光体ドラム
OPC感光層を溶剤で拭き取りドラムのアルミがむき出
しになる状態としドラムが回転しないように改造し、複
写機にセットする。現像器に現像剤を充填しセットす
る。ドラムと現像ローラの間に5〜20KΩ程度の抵抗
器を介し100Vの直流電圧を印加する。抵抗器と並列
にフラットペンレコーダー等の電圧計を結線する。印加
電圧の極性は現像剤中のトナー粒子を現像ローラに押し
戻す方向、すなわち、負帯電性現像剤ならばドラムがマ
イナスで現像ローラがプラス、正帯電性現像剤ならばそ
の逆である。その状態で現像ローラを回転させ、抵抗器
にかかっている電圧の回転開始1分後の値Er(mV)
を読みとる。このErからデベ電流DIb(μA)を下
記の式で計算する。なお、「デベ電流」とは、デベロッ
パー(現像剤)電流の略称である。
【0055】デベ電流DIb(μA)=Er(mV)÷
[抵抗器の抵抗値](KΩ)
【0056】本装置は現像剤がまさに複写機やプリンタ
ーの現像器で使用されている最中を模擬しており、デベ
電流が大きいということは現像剤の動的抵抗率が小さい
ことであり、デベ電流が小さいということは現像剤の動
的抵抗率が大きいことである。このデベ電流値と画質は
良く相関しており、デベ電流が大きい場合は、画像濃度
が出やすくエッジ効果が比較的少ない抵抗率の低い画質
となり、デベ電流が小さい場合は、画像濃度が出難くエ
ッジ効果が比較的発生しやすい抵抗率の高い画質とな
る。
【0057】バインダー樹脂の軟化点はフローテスター
法を用いて測定した。フローテスター(島津製作所製C
FT500)において、直径1mm長さ10mmのノズ
ルを用い、加熱体を80℃に設定しバインダー樹脂1g
を投入する。プランジャーを軽く押し当て、300秒間
余熱した後、30kg/平方cmの圧力をかけ、3℃/
分の速度で昇温する。昇温によりバインダー樹脂は軟化
しノズルからバインダー樹脂が押し出され、プランジャ
ーは下降する。下降の開始から終了までのプランジャー
の下降距離の中点に相当するときの温度をもって、軟化
点とする。
【0058】バインダー樹脂及びトナー粒子のガラス転
移点は示差熱分析装置(島津製作所製DT−30型)を
用い、バインダー樹脂あるいはトナー粒子約20mgを
試料セルに投入し測定部にセットし、一度10℃/分の
昇温速度で100℃まで加熱し室温まで冷却した後、再
び10℃/分で昇温し、このときのDTA曲線の変曲温
度部の前後のなめらかな曲線部分それぞれから接線を引
き、それら接線同士の交点をもってガラス転移点とす
る。バインダー樹脂の重量平均分子量及び個数平均分子
量を測定するには、公知の通常の方法が用いられる。た
とえば、以下のように通常のゲルパーミエーションクロ
マトグラフィにおける適正な方法が用いられる。
【0059】1.測定条件 温度:40℃ 溶媒:テトラヒドロフラン 流速:0.5ml/min. 試料濃度:0.1重量% 試料注入量:100μl
【0060】2.カラム 分子量領域を適正に測定するために使用するカラムとし
ては、市販のポリスチレンゲルカラムを複数本組み合わ
せたものを用いる。本発明の測定に際しては、東ソー
(株)製のGMHXL(30cm×2本)を用いた。
【0061】3.検量線 検量線作成に当たっては、標準ポリスチレンを用いて行
う。標準ポリスチレンとしては、たとえばPressu
re Chemical Co.製あるいは東ソー
(株)製のたとえば分子量が6×102 、2.8×10
3 、6.2×103、1.03×104 、1.67×1
4 、4.39×104 、1.02×105、1.86
×105 、2.2×105 、7.75×105 、1.2
6×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準
ポリスチレンを用いるのが適当である。
【0062】4.検出器 検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0063】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。 (実施例1)アミノシランカップリング剤を添加したシ
リコーン樹脂100重量部に対して導電性カーボンブラ
ック5重量部分散含有させ樹脂コート材を準備した。球
形フェライト100重量部を樹脂コート材約1重量部で
被覆処理し磁性キャリア粒子を調達した。磁性キャリア
粒子の平均粒径は105μm、真比重は4.8/立方c
mであった。
【0064】 分岐型ポリエステル系樹脂 60重量部 (構成モノマー:ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA、 ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、テレフタル酸、トリメリト酸 フローテスター軟化点114℃ ガラス転移点67℃ 体積平均分子量/個数平均分子量=2.5) 顔料 ピグメントレッド 122 40重量部 を配合混練し、粗砕し、マゼンタ顔料プレ混練品を調達
した。
【0065】 分岐型ポリエステル系樹脂(マゼンタ顔料プレ混練品で使用したもの) 60重量部 顔料 ピグメントイエロー 93 40重量部 を配合混練し、粗砕し、イエロー顔料プレ混練品を調達
した。
【0066】 分岐型ポリエステル系樹脂(プレ混練品用と同じ組成) 91重量部 マゼンタ顔料プレ混練品 15重量部 帯電制御剤(日本カーリット社製LR147) 2重量部
【0067】
【化4】
【0068】 シリコーンオイル(信越化学工業製KF96−50CS) 0.2重量部 (本シリコーンオイルは、ポリジメチルシロキサンよりなり、動粘度が500セ ンチストークスである。) で配合、混練、粉砕、分級し、マゼンタ未外添トナーを得た。
【0069】 分岐型ポリエステル系樹脂(プレ混練品用と同じ組成) 91重量部 イエロー顔料プレ混練品 15重量部 帯電制御剤(日本カーリット社製LR147) 2重量部 シリコーンオイル(信越化学工業製KF96−500CS) 0.2重量部 で配合、混練、粉砕、分級し、マゼンタ未外添トナーを
得た。
【0070】これらの未外添トナー100重量部と疎水
性シリカ(日本アエロジル社製R974)0.4重量部
とを混合し、マゼンタトナー粒子(マゼンタ外添トナ
ー)とイエロートナー粒子(イエロー外添トナー)を調
達した。マゼンタトナー粒子の体積平均粒径は8.2μ
m、真比重は1.2g/立方cmであった。イエロート
ナー粒子の体積平均粒径は8.2μm、真比重は1.2
g/立方cmであった。
【0071】磁性キャリア粒子96重量部とこれらのト
ナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%のマ
ゼンタ現像剤とイエロー現像剤を調達した。マゼンタ現
像剤、イエロー現像剤ともに実効トナー濃度C effは
3.76%である。
【0072】これらの現像剤のデベ電流とブローオフ帯
電量を測定したところ、マゼンタ現像剤のデベ電流は
0.6μA、ブローオフ帯電量は−20μC/gトナー
であった。イエロー現像剤のデベ電流は0.55μA、
ブローオフ帯電量は−28μC/gトナーであった。
【0073】市販のモノクロデジタル複写機の給紙部を
改造し転写紙の表面にローラ等が触れない部分を作りそ
の位置だけならば未定着のトナー画像が給紙できるよう
にし、定着ローラ部を外したマシンを準備した。現像剤
を装填し、同じ原稿を転写紙(80g/平方mの普通
紙)に2回複写することで重ね転写の模擬テストを行っ
た。1回目の複写はイエロー現像剤でおこない、未定着
イエロー画像を用い、マゼンタ現像剤で2回目の複写を
行った。2回複写したプリント画像はシリコーンオイル
塗布した外部定着ローラで定着させた。
【0074】2色の色重ね画像が均一に転写され赤色の
均一な画像が形成されており、ベタ画像エッジ部には特
に過剰現像等はなく、文字部も含め中抜けもほとんどな
い。OHP用シートにも同様の色重ね複写を実施したと
ころ、文字部に中抜けが少し見られたものの問題のない
レベルであった。フルカラー等の色重ね現像を想定した
場合、良好なものであった。
【0075】一方、ベタ濃度の維持性(追従性)の評価
を以下の方法で実施した。マゼンタ現像剤及びイエロー
現像剤を上記同様の方法で調達した。マゼンタトナー粒
子とマゼンタ現像剤を市販のモノクロデジタル複写機を
改造し定着ローラ部を外したマシンに装填し、実写テス
トを行った。プリント画像はシリコーンオイルを塗布し
た外部定着ローラで定着させ評価した。
【0076】印字率20%(下地の白い部分の面積が8
0%で黒い画像部分の面積が20%)の原稿をセット
し、100枚連続プリントを行い、1枚目のプリント画
像と100枚目のプリント画像の画像濃度を比較するこ
とでベタ濃度の維持性(追従性)を評価した。画像濃度
は1枚目1.45、100枚目1.36であり、安定し
ていることが確認できた。イエロートナー粒子とイエロ
ー現像剤についてもマゼンタ同様の実写テストを行っ
た。1枚目1.32、100枚目1.20であり、安定
していることが確認できた。
【0077】(実施例2)実施例1で調達したマゼンタ
及びイエローのトナー粒子と現像剤を用い、1回目にマ
ゼンタの複写、2回目にイエローの複写を行ったこと以
外は実施例1と同様の重ね複写の模擬テストを行った。
実施例1同様、80g/平方m普通紙、OHP用シート
ともに問題のないレベルであった。
【0078】(実施例3)実施例1で調達した磁性キャ
リア粒子、マゼンタトナー粒子を用い、現像剤は磁性キ
ャリア粒子96.5重量とトナー粒子3.5重量部を混
合し、トナー濃度T/D3.5%のマゼンタ現像剤を調
達した。この現像剤のデベ電流とブローオフ帯電量を測
定したところ、それぞれ0.65μA、−25μC/g
トナーであった。イエロートナー粒子とイエロー現像剤
は、実施例1で調達したものを用い、このマゼンタトナ
ーとマゼンタ現像剤との組み合わせで実施例1と同様の
重ね転写の模擬テストを行った。実施例1同様、80g
/平方m普通紙、OHP用シートともに問題のないレベ
ルであった。上記同様の方法で調達したマゼンタ現像剤
のベタ濃度の維持性(追従型)の評価を実施例1と同様
の方法で実施した。1枚目1.37、100枚目1.1
6であり、濃度落ちはやや大きい。
【0079】(実施例4)導電性カーボンブラック5重
量部を三菱化学社製カーボンブラックMA10020重
量部に代えたこと以外は実施例1同様の方法で磁性キャ
リア粒子を調達した。磁性キャリア粒子の平均粒径は1
05μm、真比重は4.9/立方cmであった。この磁
性キャリア粒子96重量部と実施例1で調達したマゼン
タトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%
のマゼンタ現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー
濃度C effは3.68%である。この現像剤のデベ電流
とブローオフ帯電量を測定したところ、それぞれ0.6
μA、−21μC/gトナーであった。
【0080】イエロートナー粒子とイエロー現像剤は、
実施例1で調達したものを用い、このマゼンタトナーと
マゼンタ現像剤との組み合わせで実施例1と同様の重ね
転写の模擬テストを行った。実施例1同様、80g/平
方m普通紙、OHP用シートともに問題のないレベルで
あった。上記同様の方法で調達したマゼンタ現像剤のベ
タ濃度の維持性(追従型)の評価を実施例1と同様の方
法で実施した。1枚目1.47、100枚目1.35で
あり、安定していることが確認できた。
【0081】(実施例5)アミノシランカップリング剤
を添加したシリコーン樹脂100重量部の代わりに−R
NHR′NH2 (R、R′はアルキレン基)のアミノ基
で部分的に変性されたシリコーン系樹脂100重量部に
したこと以外は実施例1同様の方法で磁性キャリア粒子
を調達した。磁性キャリア粒子の平均粒径は100μ
m、真比重は5.0g/立方cmであった。この磁性キ
ャリア粒子96重量部と実施例1で調達したマゼンタト
ナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%のマ
ゼンタ現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー濃度
C effは3.79%であった。この現像剤のデベ電流と
ブローオフ帯電量を測定したところ、それぞれ0.6μ
A、−25μC/gトナーであった。
【0082】イエロートナー粒子とイエロー現像剤は、
実施例1で調達したものを用い、このマゼンタトナーと
マゼンタ現像剤との組み合わせで実施例1と同様の重ね
転写の模擬テストを行った。実施例1同様、80g/平
方m普通紙、OHP用シートともに問題のないレベルで
あった。上記同様の方法で調達したマゼンタ現像剤のベ
タ濃度の維持性(追従型)の評価を実施例1と同様の方
法で実施した。1枚目1.37、100枚目1.25で
あり、安定していることが確認できた。
【0083】(実施例6)マゼンタトナー粒子は帯電制
御剤(日本カーリット社製LR−147)の添加量を2
重量部から0.5重量部に変えたこと以外は、実施例1
同様の方法で調達した。マゼンタトナー粒子の体積平均
粒径は8.0μm、真比重は1.2g/立方cmであっ
た。実施例5で調達した磁性キヤリア粒子96重量部と
このマゼンタトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度
T/D4%のマゼンタ現像剤を調達した。この現像剤の
実効トナー濃度は3.70%である。この現像剤のデベ
電流とブローオフ帯電量を測定したところ、それぞれ
0.5μA、−30μC/gトナーであった。
【0084】イエロートナー粒子とイエロー現像剤は、
実施例1で調達したものを用い、このマゼンタトナーと
マゼンタ現像剤との組み合わせで実施例1と同様の重ね
転写の模擬テストを行った。実施例1同様、80g/平
方m普通紙、OHP用シートともに問題のないレベルで
あった。上記同様の方法で調達したマゼンタ現像剤のベ
タ濃度の維持性(追従型)の評価を実施例1と同様の方
法で実施した。1枚目1.32、100枚目1.20で
あり、安定していることが確認できた。
【0085】(実施例7)マゼンタトナー粒子は帯電制
御剤(日本カーリット社製LR−147)の添加量を2
重量部から4重量部に変えたこと以外は、実施例1同様
の方法で調達した。マゼンタトナー粒子の体積平均粒径
は8.4μm、真比重は1.2g/立方cmであった。
実施例5で調達した磁性キャリア粒子96重量部とこの
マゼンタトナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/
D4%の現像剤を調達した。この現像剤の実効トナー濃
度C effは3.88%である。この現像剤のデベ電流と
ブローオフ帯電量を測定したところ、それぞれ0.6μ
A、−23μC/gトナーであった。
【0086】イエロートナー粒子とイエロー現像剤は、
実施例1で調達したものを用い、このマゼンタトナーと
マゼンタ現像剤との組み合わせで実施例1と同様の重ね
転写の模擬テストを行った。実施例1同様、80g/平
方m普通紙、OHP用シートともに問題のないレベルで
あった。上記同様の方法で調達したマゼンタ現像剤のベ
タ濃度の維持性(追従型)の評価を実施例1と同様の方
法で実施した。1枚目1.44、100枚目1.33で
あり、安定していることが確認できた。
【0087】(実施例8)アミノシランカップリング剤
を添加したシリコーン樹脂100重量部の代わりに−R
NH2 (Rはアルキレン基)のアミノ基で部分的に変性
されたシリコーン系樹脂100重量部にしたこと以外は
実施例1同様の方法で磁性キャリア粒子を調達した。磁
性キャリア粒子の平均粒径は105μm、真比重は4.
9g/立方cmであった。実施例1で調達したマゼンタ
未外添トナーを用い、シリカを日本アエロジル社製R9
72 0.5重量部に変えたこと以外は実施例1と同様
の方法で外添し、マゼンタトナー粒子を調達した。トナ
ー粒子の体積平均粒径は8.2μm、真比重は1.2g
/立方cmであった。イエロートナー粒子とイエロー現
像剤は、実施例1で調達したものを用いた。磁性キャリ
ア粒子96重量部とこれらのトナー粒子4重量部を混合
し、トナー濃度T/D4%のマゼンタ現像剤とイエロー
現像剤を調達した。マゼンタ現像剤、イエロー現像剤と
もに実効トナー濃度C effは3.68%である。
【0088】これらの現像剤のデベ電流とブローオフ帯
電量を測定したところ、マゼンタ現像剤のデベ電流は
0.75μA、ブローオフ帯電量は−19μC/gトナ
ーであった。イエロー現像剤のデベ電流は0.6μA、
ブローオフ帯電量は−25μC/gトナーであった。こ
れらイエロー、マゼンタのトナー粒子と現像剤を用い、
実施例1と同様の重ね転写の模擬テストを行った。実施
例1同様、80g/平方m普通紙、OHP用シートとも
に問題のないレベルであった。上記同様の方法で調達し
たマゼンタ現像剤のベタ濃度の維持性(追従型)の評価
を実施例1と同様の方法で実施した。1枚目1.47、
100枚目1.32であり、画像濃度低下は実施例1よ
り大きいが、安定していることが確認できた。
【0089】(実施例9)球形フェライトを実施例1に
比べ小さな粒径のものとした以外は、実施例1同様の方
法で磁性キャリア粒子を調達した。磁性キャリア粒子の
平均粒径は85μm、真比重は4.9g/立方cmであ
った。マゼンタ及びイエロートナー粒子は実施例1で調
達したものを用いた。磁性キャリア粒子95重量部とこ
れらトナー粒子5重量部を混合し、トナー濃度T/D5
%のマゼンタ現像剤とイエロー現像剤を調達した。マゼ
ンタ現像剤、イエロー現像剤ともに実効トナー濃度C e
ffは4.51%である。これらの現像剤のデベ電流とブ
ローオフ帯電量を測定したところ、マゼンタ現像剤のデ
ベ電流は0.65μA、ブローオフ帯電量は−22μC
/gトナーであった。イエロー現像剤のデベ電流は0.
6μA、ブローオフ帯電量は−27μC/gトナーであ
った。
【0090】これらイエロー、マゼンタのトナー粒子と
現像剤を用い、実施例1と同様の重ね転写の模擬テスト
を行った。80g/平方m普通紙において、わずかに中
抜けが見られたものの問題のないレベルであった。OH
P用シートは実施例1と大差なく問題のないレベルであ
った。上記同様の方法で調達したマゼンタ現像剤のベタ
濃度の維持性(追従型)の評価を実施例1と同様の方法
で実施した。1枚目1.47、100枚目1.40であ
り、安定していることが確認できた。
【0091】(実施例10)実施例9で用いたマゼン
タ、イエロートナー粒子と磁性キャリア粒子を用い、磁
性キャリア粒子96重量部とこれらトナー粒子4重量部
を混合し、トナー濃度T/D4%のマゼンタ現像剤とイ
エロー現像剤を調達した。これらの現像剤のデベ電流と
ブローオフ帯電量を測定したところ、マゼンタ現像剤の
デベ電流は0.7μA、ブローオフ帯電量は−26μC
/gトナーであった。イエロー現像剤のデベ電流は0.
65μA、ブローオフ帯電量は−32μC/gトナーで
あった。
【0092】これらイエロー、マゼンタのトナー粒子と
現像剤を用い、実施例1と同様の重ね転写の模擬テスト
を行った。80g/平方m普通紙において、わずかに中
抜けが見られたものの問題のないレベルであった。OH
P用シートは実施例1や実施例9より中抜けのレベルが
悪かった。上記同様の方法で調達したマゼンタ現像剤の
ベタ濃度の維持性(追従型)の評価を実施例1と同様の
方法で実施した。1枚目1.39、100枚目1.23
であり、濃度落ちはやや大きい。
【0093】 (実施例11) 分岐型ポリエステル系樹脂(実施例1で用いたもの) 60重量部 顔料 ピグメントブルー 15:3 40重量部 を配合混練し、粗砕し、シアン顔料プレ混練品を調達した。 分岐型ポリエステル系樹脂(実施例1で用いたもの) 93重量部 シアン顔料プレ混練品 12重量部 帯電制御剤(日本カーリット社製LR147) 2重量部 シリコーンオイル(信越化学工業製KF96−500CS) 0.2重量部 で配合、混練、粉砕、分級し、シアン未外添トナーを得
た。
【0094】実施例1同様にシアン未外添トナー100
重量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製R974)
0.4重量部とを混合し、シアントナー粒子(シアン外
添加トナー)を調達した。シアントナー粒子の体積平均
粒径は8.1μm、真比重は1.2g/立方cmであっ
た。実施例1で調達した磁性キャリア粒子96重量部と
シアントナー粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D
4%のシアン現像剤を調達した。シアン現像剤の実効ト
ナー濃度C effは3.71%である。この現像剤のデベ
電流とブローオフ帯電量を測定したところ、それぞれ
0.65μA、−21μC/gトナーであった。
【0095】イエロートナー粒子とイエロー現像剤は、
実施例1で調達したものを用い、このシアントナーとシ
アン現像剤との組み合わせで実施例1と同様の重ね転写
の模擬テストを行った。1回目の複写はイエローを行
い、2回目の複写はシアンを行った。2色の色重ね画像
が均一に転写され緑色の均一な画像が形成されており、
実施例1同様、80g/平方m普通紙、OHP用シート
ともに問題のないレベルであった。上記同様の方法で調
達したシアン現像剤のベタ濃度の維持性(追従型)の評
価を実施例1と同様の方法で実施した。1枚目1.4
3、100枚目1.33であり、安定していることが確
認された。
【0096】(比較例1)導電性カーボンブラックを使
用しなかったこと以外は実施例1同様の方法で磁性キャ
リア粒子を調達した。磁性キャリア粒子の平均粒径は1
05μm、真比重は4.9g/立方cmであった。マゼ
ンタ及びイエロートナー粒子は実施例1で調達したもの
を用いた。磁性キャリア粒子96重量部とこれらトナー
粒子4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%のマゼン
タ現像剤とイエロー現像剤を調達した。マゼンタ現像
剤、イエロー現像剤ともに実効トナー濃度C effは3.
68%である。
【0097】これらの現像剤のデベ電流とブローオフ帯
電量を測定したところ、マゼンタ現像剤のデベ電流は
0.3μA、ブローオフ帯電量は−22μC/gトナー
であった。イエロー現像剤のデベ電流は0.25μA、
ブローオフ帯電量は−29μC/gトナーであった。こ
れらイエロー、マゼンタのトナー粒子と現像剤を用い、
実施例1と同様の重ね転写の模擬テストを行った。80
g/平方m普通紙において、ベタ画像エッジ部と文字部
に中抜けが多く見られた。OHP用シートでは中抜けが
実施例10よりさらに悪いレベルであった。
【0098】(比較例2)導電性カーボンブラックの添
加量を5重量部から15重量部に変更したこと以外は、
実施例8同様の方法で磁性キャリア粒子を調達した。磁
性キャリア粒子の平均粒径は105μm、真比重は4.
8g/立方cmであった。マゼンタトナー粒子はシリコ
ーンオイルを添加しなかったこと以外は、下記の通り実
施例1同様の方法で調達した。 分岐型ポリエステル系樹脂(実施例1で使用したもの) 91重量部 マゼンタ顔料プレ混練品(実施例1で調達したもの) 15重量部 帯電制御剤(日本カーリット社製LR147) 2重量部 で配合、混練、粉砕、分級し、マゼンタ未外添トナーを
得た。
【0099】実施例1同様にこの未外添トナー100重
量部と疎水性シリカ(日本アエロジル社製R974)
0.4重量部とを混合し、マゼンタトナー粒子(マゼン
タ外添トナー)を調達した。トナー粒子の体積平均粒径
は8.1μm、真比重は1.2g/立方cmであった。
イエロートナー粒子は実施例1で調達したものを用い
た。磁性キャリア粒子96重量部とこれらのトナー粒子
4重量部を混合し、トナー濃度T/D4%のマゼンタ現
像剤とイエロー現像剤を調達した。マゼンタ現像剤の実
効トナー濃度C effは3.71%である。イエロー現像
剤の実効トナー濃度C effは3.76%である。
【0100】これらの現像剤のデベ電流とブローオフ帯
電量を測定したところ、マゼンタ現像剤のデベ電流は
0.8μA、ブローオフ帯電量は−20μC/gトナー
であった。イエロー現像剤のデベ電流は0.7μA、ブ
ローオフ帯電量は−27μC/gトナーであった。これ
らイエロー、マゼンタのトナー粒子と現像剤を用い、実
施例1と同様の重ね転写の模擬テストを行った。80g
/平方m普通紙において、ベタ画像エッジ部と文字部に
中抜けが多く見られた。OHP用シートでは中抜けが実
施例11よりさらに悪いレベルであった。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る静
電現像剤およびフルカラー静電現像方法によれば、エッ
ジ効果、2次色中抜けが少なく転写状態の良好な画像が
普通紙、OHP用シートにおいても得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 507L (72)発明者 斉喜 晋一 新潟県上越市福田町1番地 三菱化学株式 会社直江津事業所内 (72)発明者 相原 利彦 新潟県上越市福田町1番地 三菱化学株式 会社直江津事業所内 (72)発明者 金井 孝之 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 三ツ橋 和夫 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AA21 AB10 BA06 BA07 BA15 CA12 CA21 CA25 CB18 DA02 DA04 DA09 EA05 EA07 EA10 FA02 2H030 AD01 BB41 BB58 2H077 AE06 EA03 GA13

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー粒子と磁性キャリア粒子とを含有
    する静電現像剤において、 前記トナー粒子はシリコーンオイルを含有し、前記磁性
    キャリア粒子は樹脂コート材によって表面処理され、該
    樹脂コート材は導電性微粒子を含有していることを特徴
    とする静電現像剤。
  2. 【請求項2】 前記磁性キャリア粒子は球形粒子であ
    り、前記静電現像剤中の前記トナー粒子の重量含有率で
    あるトナー濃度が下記の式(1)を満足することを特徴
    とする請求項1に記載の静電現像剤。 T/D>C eff (1) ただし、C eff=2・ρt/(2・ρt+X・ρc)×
    100(%) X=R/r T/D:現像剤中のトナー粒子重量含有率(%) ρt:トナー粒子の真密度(g/cm3 ) ρc:磁性キャリア粒子の真密度(g/cm3 ) R :磁性キャリア粒子の平均半径(μm) r :トナー粒子の平均半径(μm)
  3. 【請求項3】 前記磁性キャリア粒子の体積平均粒径が
    90μm以上であることを特徴とする請求項2に記載の
    静電現像剤。
  4. 【請求項4】 前記トナー粒子は下記の一般式(I)で
    示されるホウ素含有有機物を0.4〜5重量%含有して
    いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    静電現像剤。 【化1】
  5. 【請求項5】 有色トナー粒子と磁性キャリア粒子とを
    それぞれ含有する少なくとも2色の静電現像剤を用い、
    それぞれの有色トナー粒子の画像を被転写材の表面に重
    ね合わせて2次色を顕像化するフルカラー静電現像方法
    において、前記それぞれの有色トナー粒子はシリコーン
    オイルを含有し、前記それぞれの磁性キャリア粒子は樹
    脂コート材によって表面処理され、該樹脂コート材は導
    電性微粒子を含有している静電現像剤を用いることを特
    徴とするフルカラー静電現像方法。
  6. 【請求項6】 前記有色トナー粒子によって顕像化され
    た画像を前記被転写材の表面に転写する転写工程が少な
    くとも2色の前記静電現像剤ごとに設けられていること
    を特徴とする請求項5に記載のフルカラー静電現像方
    法。
  7. 【請求項7】 前記被転写材として普通紙またはOHP
    用シートを用いることを特徴とする請求項6に記載のフ
    ルカラー静電現像方法。
  8. 【請求項8】 前記被転写材として坪量80g/m2
    普通紙を用いることを特徴とする請求項6に記載のフル
    カラー静電現像方法。
  9. 【請求項9】 前記磁性キャリア粒子は球形粒子であ
    り、前記静電現像剤中の前記トナー粒子の重量含有率で
    あるトナー濃度が下記の式(1)を満足することを特徴
    とする請求項5〜8のいずれかに記載の静電現像方法。 T/D>C eff (1) ただし、C eff=2・ρt/(2・ρt+X・ρc)×
    100(%) X=R/r T/D:現像剤中のトナー粒子重量含有率(%) ρt:トナー粒子の真密度(g/cm3 ) ρc:磁性キャリア粒子の真密度(g/cm3 ) R :磁性キャリア粒子の平均半径(μm) r :トナー粒子の平均半径(μm)
  10. 【請求項10】 前記磁性キャリア粒子の体積平均粒径
    が90μm以上であることを特徴とする請求項9に記載
    の静電現像方法。
  11. 【請求項11】 前記トナー粒子は下記の一般式(I)
    で示されるホウ素含有有機物を0.4〜5重量%含有し
    ていることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載
    の静電現像方法。 【化2】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100473134B1 (ko) * 2001-08-20 2005-03-10 캐논 가부시끼가이샤 현상 장치, 공정 카트리지 및 화상 형성 방법
US7244537B2 (en) 2003-03-10 2007-07-17 Mitsubishi Chemical Corporation Toner for developing an electrostatic charge image and method for its production
JP2009069533A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Ricoh Co Ltd マゼンタトナー、並びにそれを用いたトナーキット及びその製造方法
JP2012058451A (ja) * 2010-09-08 2012-03-22 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像剤用キャリア及び静電潜像現像剤

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