JP4019677B2 - ラックピニオン式舵取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用のラックピニオン式の舵取装置の一形式として広く普及しているラックピニオン式舵取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ラックピニオン式舵取装置は、図2に示すように、車体の左右方向へ延びる筒状部(図示せず)が設けられたピニオンハウジング12内に、ピニオン14aが設けられ舵輪(ステアリングホィール)に連結されるピニオン軸14と、ピニオン14aと噛合するラック歯24aが設けられ、左右の操向輪に連結されるラック軸24とを支持している。舵輪に加えられた舵取り操作力は、ピニオン軸14、ピニオン14a及びラック歯24aを介してラック軸24に伝達され、ラック軸24を軸長方向へ移動させて、左右の操向輪を操向させる。
【0003】
ピニオン軸14は、ドロップインタイプ・ステアリングギヤであり、ピニオンハウジング12の閉塞部に圧入された軸受27に先端部が嵌合され、舵輪側の端部がピニオンハウジング12の開口部に嵌合された軸受13に嵌合されている。
ピニオンハウジング12の開口部は、舵輪とピニオン軸14とを連結する伝動軸(図示せず)を収納する軸ハウジング11の開口部と、軸ハウジング11に巻着されたOリング21により密封するように嵌着されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したラックピニオン式舵取装置では、軸ハウジング11とピニオンハウジング12とで、ピニオン軸14が嵌合された軸受13を挟持することにより、ピニオン軸14を固定している。しかし、図2に示すように、加工精度の問題で、軸受13の端面とピニオンハウジング12との間で、0.05〜0.35mm程度の隙間αが生じており、操舵切返し時には、ピニオン軸14が軸方向に微動して打音が発生するという問題がある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、操舵切返し時にピニオン軸が軸方向に微動せず、打音が発生しないラックピニオン式舵取装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るラックピニオン式舵取装置は、ハウジングの閉塞部に圧入された軸受に一方の端部が嵌合し、前記ハウジングの開口部に嵌合された他の軸受に他方の端部が嵌合したピニオン軸と、操舵軸に一方の端部が連結され、他方の端部が前記ピニオン軸の他方の端部に連結された伝動軸と、前記ピニオン軸に噛合するラック軸とを備え、前記開口部と前記伝動軸の軸ハウジングの開口部とが嵌着されたラックピニオン式舵取装置において、前記他の軸受の外輪の一方の端面を支持する底部をその一端部に有し、前記ハウジングの開口部に嵌合され、前記他の軸受を嵌入支持する筒部材と、前記軸ハウジングの開口面に環状に設けられ、前記筒部材の他端部を圧入すべき溝とを備え、前記他の軸受を軸方向に固定すべく、前記溝に前記筒部材の他端部を圧入することにより、前記両開口部が嵌着されるべくなしてあることを特徴とする。
【0006】
このラックピニオン式舵取装置では、ピニオン軸が、ハウジングの閉塞部に圧入された軸受に一方の端部が嵌合し、ハウジングの開口部に嵌合された他の軸受に他方の端部が嵌合し、伝動軸が、操舵軸に一方の端部が連結され、他方の端部がピニオン軸の他方の端部に連結されている。ラック軸が、ピニオン軸に噛合し、ハウジングの開口部と伝動軸の軸ハウジングの開口部とが嵌着されている。筒部材が、他の軸受の外輪の一方の端面を支持する底部を一端部に有し、ハウジングの開口部に嵌合され、他の軸受を嵌入支持する。筒部材の他端部を圧入すべき溝が、軸ハウジングの開口面に環状に設けられ、他の軸受を軸方向に固定すべく、その溝に筒部材の他端部を圧入することにより、ハウジング及び軸ハウジングの両開口部が嵌着される。
【0007】
これにより、操舵切返し時にピニオン軸が軸方向に微動せず、打音が発生しないラックピニオン式舵取装置を実現することが出来る。また、軸受の外輪は圧入されない為、圧入用でない汎用軸受を使用することが出来る。また、筒部材が、軸ハウジングのインローとなり、組み立てが容易になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るラックピニオン式舵取装置の実施の形態の要部構成を示す縦断面図である。このラックピニオン式舵取装置は、油圧式のパワーステアリング装置であり、車体の左右方向へ延びる筒状部(図示せず)が設けられたピニオンハウジング12a(ハウジング)内に、ピニオン14aが設けられ舵輪(ステアリングホィール)に連結されるピニオン軸14と、ピニオン14aと噛合するラック歯24aが設けられ、左右の操向輪に連結されるラック軸24とが支持されている。
【0009】
舵輪に加えられた舵取り操作力は、伝動軸23、ピニオン軸14、ピニオン14a及びラック歯24aを介してラック軸24に伝達され、ラック軸24を軸長方向へ移動させて、左右の操向輪を操向させる。
伝動軸23は、舵輪の操舵軸に直接連結された他の伝動軸(図示せず)とトーションバー30により連結され、トーションバー30の捩に応じて、伝動軸23及びその周辺に組み込まれた油圧バルブが作動し、油圧がピニオン軸14に加わるようになっている。
【0010】
ピニオン軸14は、ドロップインタイプ・ステアリングギヤであり、ピニオンハウジング12aの閉塞部に圧入された軸受27に先端部が嵌合され、舵輪側の端部は、軸受13(他の軸受)に嵌合されている。
軸受13は、軸受13の外輪部の端面を支持する底部を備えた円筒状の軸受外輪カバー20(筒部材)に嵌入支持され、軸受外輪カバー20は、ピニオンハウジング12aの開口部に嵌合されている。
【0011】
伝動軸23を収納する軸ハウジング11aの開口面には、軸受外輪カバー20の端部を圧入する為の溝である圧入部22が環状に設けられている。
ピニオンハウジング12aの開口部には、Oリング21aが、嵌合された軸受外輪カバー20に巻着するように、Oリング21aを嵌入する為の溝が設けられている。
ピニオンハウジング12aの開口部は、軸受13を軸方向に固定するように、圧入部22に軸受外輪カバー20の端部を圧入することにより、軸ハウジング11aの開口部と嵌着され、Oリング21aにより密封されている。
【0012】
【発明の効果】
本発明に係るラックピニオン式舵取装置によれば、操舵切返し時にピニオン軸が軸方向に微動せず、打音が発生しないラックピニオン式舵取装置を実現することが出来る。また、軸受の外輪は圧入されない為、圧入用でない汎用軸受を使用することが出来る。また、筒部材が、軸ハウジングのインローとなり、組み立てが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るラックピニオン式舵取装置の実施の形態の要部構成を示す縦断面図である。
【図2】 従来のラックピニオン式舵取装置の要部構成例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
11a 軸ハウジング
12a ピニオンハウジング(ハウジング)
13 軸受(他の軸受)
14 ピニオン軸
20 軸受外輪カバー
22 圧入部(溝)
23 伝動軸
24 ラック軸
27 軸受
Claims (1)
- ハウジングの閉塞部に圧入された軸受に一方の端部が嵌合し、前記ハウジングの開口部に嵌合された他の軸受に他方の端部が嵌合したピニオン軸と、操舵軸に一方の端部が連結され、他方の端部が前記ピニオン軸の他方の端部に連結された伝動軸と、前記ピニオン軸に噛合するラック軸とを備え、前記開口部と前記伝動軸の軸ハウジングの開口部とが嵌着されたラックピニオン式舵取装置において、
前記他の軸受の外輪の一方の端面を支持する底部をその一端部に有し、前記ハウジングの開口部に嵌合され、前記他の軸受を嵌入支持する筒部材と、前記軸ハウジングの開口面に環状に設けられ、前記筒部材の他端部を圧入すべき溝とを備え、前記他の軸受を軸方向に固定すべく、前記溝に前記筒部材の他端部を圧入することにより、前記両開口部が嵌着されるべくなしてあることを特徴とするラックピニオン式舵取装置。
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